JP2002115154A - 空気噴射織機用筬 - Google Patents

空気噴射織機用筬

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JP2002115154A
JP2002115154A JP2000309468A JP2000309468A JP2002115154A JP 2002115154 A JP2002115154 A JP 2002115154A JP 2000309468 A JP2000309468 A JP 2000309468A JP 2000309468 A JP2000309468 A JP 2000309468A JP 2002115154 A JP2002115154 A JP 2002115154A
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groove
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air introduction
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JP2000309468A
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Daisaku Goya
大作 合屋
Masaru Kimura
大 木村
Tomotoshi Miyamukai
智利 宮向
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Toray Industries Inc
Takayama Reed Co Ltd
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Toray Industries Inc
Takayama Reed Co Ltd
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    • D03WEAVING
    • D03DWOVEN FABRICS; METHODS OF WEAVING; LOOMS
    • D03D47/00Looms in which bulk supply of weft does not pass through shed, e.g. shuttleless looms, gripper shuttle looms, dummy shuttle looms
    • D03D47/27Drive or guide mechanisms for weft inserting
    • D03D47/277Guide mechanisms
    • D03D47/278Guide mechanisms for pneumatic looms

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Looms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】補助ノズルの空気噴流を効率良く緯糸の搬送に
利用することで、空気噴射織機の緯糸の飛走安定性を向
上し、ランニングコストの低下を図る。 【解決手段】筬のガイド溝の中間ないし反主ノズル側の
領域に、ガイド溝の下面の溝深さの手前側1/3ないし
2/3の深さで主ノズル側の拡開区間で下方へ拡げ、反
主ノズル側の収束区間で徐々に上方へ狭めた形状の付勢
空気導入部を設け、この部分に補助ノズル空気流を噴射
する。付勢空気導入部の部分においても、ガイド溝の奥
側に平行溝部と同じ溝幅の部分を残すことで、拡散や乱
流の発生が抑制し、搬送される緯糸の飛走安定性を向上
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、空気噴流によっ
て緯入れを行う空気噴射織機に用いる筬に関するもの
で、特に、筬を構成している筬羽の前縁上下方向略中央
に凹所を設けることによって、筬の前面に緯糸及びその
搬送空気を案内する横方向のガイド溝が形成されている
筬に関するものである。
【0002】
【従来の技術】空気噴射織機は、水噴射織機のように糸
を濡らさないので、より多種類の繊維の製織に用いるこ
とができる。空気噴射織機は経糸開口の一方の端に配置
された主ノズルから噴出する空気噴流によって緯糸を搬
送するが、空気は水に比べて緯糸搬送力が小さく、また
噴射流の拡散や減衰も大きいため、主ノズルのみでは経
糸開口の反主ノズル側端まで緯糸を安定に飛走させるこ
とができない。そこで主ノズルからの空気噴流の拡散を
できるだけ防ぐために、筬の前面に緯糸及びその搬送空
気を案内するガイド溝を設けるとともに、織幅の中間部
ないし反主ノズル側に補助ノズルを設けてガイド溝内の
空気噴流を付勢するようにしている。この補助ノズル
は、先端側面にノズル孔を設けた細いパイプで、経糸の
間を通過できるようにスレイに立設して設けられてお
り、ガイド溝の下方前方からガイド溝に向けて斜めに付
勢空気を噴射するように設けられる。
【0003】緯入れ速度を速くするためには、高速の空
気噴流が必要である。高速の空気噴流を得るには高い圧
力の空気が必要であるが、空気は圧縮性流体なので圧力
を高めるのに大きなエネルギーを必要とする。そのため
空気噴射織機は、緯入れ噴流を生成させるために大きな
動力を必要とする。すなわち空気噴射織機は、生産性を
高めるためにもエネルギー消費を少なくするためにも、
噴射された空気の拡散を防いで、空気の噴射エネルギー
をできるだけ効率良く緯糸の搬送に利用する必要があ
る。
【0004】主ノズルからの緯糸搬送空気流の減衰を補
うために設けられる補助ノズルは、飛走してくる緯糸や
その搬送空気流を遮るものであってはならず、従って補
助ノズルの先端をガイド溝内に差し込むことは不可能で
ある。また、補助ノズルは開口部の経糸の間に差し込ま
れるが、補助ノズルの先端厚さが経糸間の間隔より太い
ので、補助ノズルを設けた部分の経糸は開口したときに
横方向に屈曲させられる。経糸の損傷を最小限にするた
めに、このときの経糸の屈曲角を最小にする必要があ
り、そのためには補助ノズルを筬羽の前縁、特に補助ノ
ズルと対向する凹所の下顎の先端からある程度離して設
ける必要がある。
【0005】そのため補助ノズルの空気噴流は、ガイド
溝に向けて斜めに噴射されることとなるが、その斜めの
角度が大きいと、噴流方向が緯糸の飛走方向からずれて
エネルギーロスが大きくなるとともに、緯糸の安定した
飛走を害するという問題が生じ、また補助ノズルを挿入
したときの経糸の屈曲量も大きくなるため、斜めにする
角度はできるだけ小さくすることが望ましい。ところが
この角度を小さくすると、補助ノズルの先端を筬の前面
から所定量離されければならない関係上、噴射された空
気噴流がガイド溝に達するまでの距離が長くなって空気
流が拡散し、実際にガイド溝内に流入する空気の割合が
減少して、エネルギー効率が低下するという問題が発生
する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この問題を解決するた
め、この出願の出願人らは、特願2000−01271
5号明細書において、ガイド溝の中間ないし反主ノズル
側端部に、溝の下面の主ノズル側端が下方側に急激に拡
げられかつ反主ノズル側に向けて徐々に狭められた、正
面視で偏平レ形ないしV形形状の下縁を備えた傾斜下縁
部(付勢空気導入部)を設けた筬を提案している。上記
明細書には、溝の下面が溝深さ全体に渡って広げられか
つ狭められた形状の付勢空気導入部が示されており、当
該付勢空気導入部は、織機の補助ノズルの配置間隔に対
応した間隔で、好ましくは2個以上設けられ、隣接する
付勢空気導入部の間には平行溝部が設けられている。
【0007】上記提案された筬によれば、補助ノズルの
空気噴流の拡散によるエネルギーロスを最小限にでき、
噴射の方向を緯糸飛走方向により近づけることができ
る。そのため、補助ノズルの空気噴流をより効率良く緯
糸の搬送に利用でき、空気噴射織機の緯糸の飛走安定性
を向上させるとともに、空気噴射織機のランニングコス
トの低下を図ることができる。
【0008】付勢空気導入部は、ガイド溝の溝幅が下方
に向って広げられた部分であるため、ガイド溝を上流側
から流れてきた空気は、付勢空気導入部の主ノズル側の
部分で拡散し、これに伴う乱れを生ずる。上記提案した
明細書の実施例に示されているような形状の付勢空気導
入部を設けた筬では、緯糸として細くて軽い糸や強撚糸
のように縮れやすい糸を用いたときに、緯糸の先端が付
勢空気導入部の主ノズル側の部分に生ずる空気の乱れの
ために踊って、飛走が部分的に不安定になるという現象
が認められた。
【0009】そこでこの発明は、緯糸として細くて軽い
糸や強撚糸などの緯入れ途中に糸の踊りが生じやすい糸
を使用した場合でも、より安定な緯糸の飛走が可能で、
かつ補助ノズルからの空気流を効率よくガイド溝に導く
ことができる、改良された空気噴射織機用筬を得ること
を課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】この出願の発明では、付
勢空気導入部8を、ガイド溝の下面の溝深さの手前側1
/3ないし2/3の深さで主ノズル側の拡開区間8aで
下方へ拡げ、反主ノズル側の収束区間8bで徐々に上方
へ狭めることにより、当該付勢空気導入部の部分におい
ても、ガイド溝の奥側に平行溝部9と同じ溝幅の部分を
残すことで、上記課題を解決している。
【0011】すなわち、この発明の筬に設けた付勢空気
導入部8に向って筬の前方から吹込まれる補助ノズルの
空気噴流は、溝の手前側に形成された溝幅を広くした部
分に案内されてガイド溝5内に導かれ、また付勢空気導
入部8に上流から流入してくる流れが安定したガイド溝
の奥側を流れる空気は、付勢空気導入部8部分において
もその溝の奥側の溝幅の一定した部分に案内されて、拡
散や乱流の発生が抑制され、当該空気流に搬送される緯
糸の飛走安定性を向上させる。
【0012】すなわち、この出願の請求項1の空気噴射
織機用筬は、筬羽の前縁に設けた凹所の集合により筬の
前面の上下方向略中央に緯糸及びその搬送空気を案内す
る横方向のガイド溝5が形成されている空気噴射織機用
筬において、前記ガイド溝は横方向中間部ないし反主ノ
ズル側の領域に1個又は所定間隔を隔てて配置した複数
個の付勢空気導入部8を備えており、この付勢空気導入
部は、前記凹所の下顎の先端部の溝深さに対して1/3
ないし2/3の部分が欠落した複数枚の短顎筬羽16、
20を含む筬羽群によって形成され、かつ当該付勢空気
導入部は、前記ガイド溝の下面の手前側の部分の溝幅が
下方に向かって拡がる主ノズル側の拡開区間8aと上方
に向いて徐々に狭まる反主ノズル側の収束区間8bとに
よって形成される正面視で偏平レ形ないしV形形状の溝
部分であることを特徴とする空気噴射織機用筬である。
【0013】筬を正面から見たときの付勢空気導入部8
の形状は、図1に示すように、拡開区間8aが収束区間
8bより短い偏平非対称V形とするのが最も良い。偏平
レ形形状は、筬羽の配置ピッチに相当する短い拡開区間
8aを備えた形状であるが、ガイド溝の下面手前側が主
ノズル側端で急激に広がるため、付勢空気導入部8の入
口部分における空気流の拡散が大きく、緯糸として細く
て軽い糸や強撚糸を用いたときに緯糸の飛走安定性を損
なう傾向がある。
【0014】請求項2の発明は、上記の点を考慮したも
ので、付勢空気導入部8が、拡開区間8aの長さが収束
区間8bの長さより短い正面視で偏平非対称V形形状の
溝部分であることを特徴とするものである。
【0015】請求項3の発明は、複数の付勢空気導入部
8を備えた上記構造の空気噴射織機用筬において、各付
勢空気導入部8の緯入れ方向下流側に溝幅が変化しない
平行溝部9を備え、かつ複数の付勢空気導入部は、織機
側に設けられる緯入れ用補助空気噴射ノズルの配置間隔
に対応する間隔で設けられていることを特徴とするもの
である。
【0016】付勢空気導入部8を設ける所定間隔は、等
間隔、反主ノズル側に向けて徐々に長くまたは短くなる
間隔、経糸の配置等に応じた間隔など、緯糸の性質や経
糸の分布密度等に応じて適宜選択することができる。
【0017】上記付勢空気導入部8は、ガイド溝を形成
する凹所4の溝幅を、多数の金型を用いて個々に成形す
るか機械加工により、少しずつ異ならせた筬羽を並べて
形成することができるが、請求項4ないし6に示すよう
に、付勢空気導入部8を、平行溝部9を形成する筬羽よ
り幅広い溝幅Hの凹所4aを有する広口筬羽19と前記
短顎筬羽20とを組み合わせて配置することによって形
成するのが、コスト的に有利であり、経済的な価格で本
願発明の筬を提供する上で重要である。
【0018】付勢空気導入部の収束区間8bは、前記広
口筬羽19と短顎筬羽20とを交互に配置し、かつ交互
に配置した広口筬羽を、その下方へのずれ量を最大とし
た最大溝幅の部分からずれ量が緯入れ方向に順次小さく
なるように配置することにより形成できる。
【0019】付勢空気導入部8を偏平レ形としたときの
拡開区間8aは、収束区間8bの主ノズル側端の筬羽と
その上流側の平行溝部9の反主ノズル側端の筬羽との間
隔(筬羽の配置ピッチ)に相当する短い区間となる。こ
のときの収束区間8bの主ノズル側端の筬羽(拡開区間
8aの反主ノズル側端の筬羽)は、短顎筬羽20とする
のが好ましい。また、付勢空気導入部8の主ノズル側端
に複数枚の短顎筬羽20を並べることにより、溝幅の変
化しない拡開区間8aを形成することもできる。このと
きの付勢空気導入部8の形状は、図11(b)に示す形状
となる。
【0020】付勢空気導入部8を図11(c)ないし図1
1(e)に示すような偏平V形形状としたときの拡開区間
8aは、前記広口筬羽19と短顎筬羽20とを交互に配
置しかつ当該広口筬羽をずれ量が緯入れ方向に順次大き
くなるように下方にずらして配置することにより形成で
きる。
【0021】
【作用】従来構造の筬では、補助ノズルから噴射される
空気噴流の方向を緯糸の飛走方向に近づけると、ノズル
孔から噴射された空気がガイド溝に達するまでの距離が
長くなり、拡散によって空気噴流の断面積が大きくな
る。そのため噴流の上方部と下方部とは、ガイド溝の上
顎と下顎とに衝突し、ガイド溝に流入する空気の割合が
低下してエネルギー効率が減少する。
【0022】この発明の筬では、付勢空気導入部8の収
束区間8b部分に補助ノズルからの空気噴流が流入して
くるように、補助ノズルを配置することにより、拡散し
た空気噴流の下方部分が付勢空気導入部8の下面の手前
側から奥側へと緯糸飛走方向に沿って導かれることとな
り、空気の拡散によるエネルギーロスを最小限にでき
る。
【0023】また収束区間8bの主ノズル側端ないし拡
開区間8aに対向する位置に補助ノズル13を配置すれ
ば、当該部分では筬の下顎の先端部分が短顎筬羽16、
20では欠落しており広口筬羽19では下方に退避して
いるので、補助ノズル13の先端を筬の前面に接近させ
ることができる。そのため、補助ノズルの空気噴流の方
向を緯糸飛走方向に近づけることが可能になり、緯糸飛
走の安定性を更に向上させることができる。
【0024】なお、上方に拡散した空気噴流をガイド溝
に導くためには、ガイド溝の上縁を形成している上顎の
前方への張出量を大きくすることが望ましいが、織前直
前の位置で織布を左右に引っ張っているテンプルと干渉
することとなるため、上顎の張出量をあまり大きくする
ことはできず、この手段による拡散空気の取込みには限
界がある。この発明の筬では、補助ノズルの空気噴射の
方向を若干下方にシフトさせることにより、上方に拡散
して上顎に衝突する空気噴流の割合を減少させることが
でき、テンプルなどの他の部材との干渉を生ずることな
く、緯糸飛走の安定性と織機のランニングコストの減少
とを達成することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の筬の一実施例
を模式的に示した正面図である。筬1は、上下のチャン
ネル2、3に上下端を固定された上下方向の多数の筬羽
によって形成されており、各筬羽の前面に設けた図3に
示すような凹所4により、緯糸及びこれを搬送する空気
流を案内するガイド溝5が形成されている。筬羽の凹所
4の上下には、前方に若干突出した上顎6及び下顎7が
形成されている。
【0026】図1に示した筬では、ガイド溝5の中間部
と反主ノズル側とに付勢空気導入部8が形成されてい
る。ガイド溝の他の部分は、図3に示す従来形状の筬羽
15を並置することによって形成される、上面と下面と
が平行な平行溝部9である。付勢空気導入部8の上面、
下面の奥側及び溝深さは、平行溝部9と同一である。付
勢空気導入部8は、主ノズル側の拡開区間8aで溝下面
手前側が下方に広げられて幅広となり、反主ノズル側の
収束区間8bでは、溝下面手前側が上方に向けて徐々に
狭められている。収束区間8bの傾斜した下面の反主ノ
ズル側端は、段差なく平行溝部9の下面に連なってい
る。付勢空気導入部8の溝手前側の最大溝幅は、平行溝
部9の溝幅の約2倍としてある。
【0027】図4は付勢空気導入部8の形状の第1実施
例を示す模式的な斜視図、図5は図4の付勢空気導入部
を形成するための筬羽の溝部分の形状を示す側面図であ
る。この第1実施例の筬羽16は、溝を形成する凹所4
の下縁を画定している下顎7の先端部分が、当該下縁部
分における溝深さの3分の1ないし3分の2の位置17
から下方に向かう傾斜角θの切除線18で切除されてい
る。切除線の角度θは、緯入れ方向上流側から下流側へ
と順次大きくして最大角度に達した後、徐々に小さくな
るように、筬羽を一羽ずつ加工して順に並べることによ
って形成される。
【0028】上記第1実施例の形状は、最も望ましい形
状の一つであるが、下顎7の先端形状が順次異なる筬羽
によって形成しなければならないので、筬羽の加工及び
特に形状の異なる筬羽を順序通りに並べるという筬組立
て時の手数が非常に大きくなり、筬の製造コストを大き
く上昇させるという問題がある。
【0029】図6は付勢空気導入部8の形状の第2実施
例を示す模式的な斜視図であり、図7及び図8は、図6
の形状の付勢空気導入部8を形成する筬羽の溝部分を示
す側面図である。この第2実施例の形状は、図7に示す
広口筬羽19、すなわち溝を形成するための凹所4aの
溝幅H(上下方向の幅)を平行溝部9を形成している図
3の筬羽15の溝幅の略2倍とした筬羽と、図8に示す
短顎筬羽20、すなわち平行溝部を形成する筬羽の下顎
7の先端部分を凹所4の下縁の当該下縁における溝深さ
の1/3ないし2/3の位置17から、図8に想像線で
示す前記広口筬羽19の下顎の先端21に向けて引いた
切除線18で切除した筬羽との、2種類の筬羽を交互に
配置することによって形成できる。
【0030】なお、図8に想像線で示した広口筬羽の下
顎の先端21の位置は、短顎筬羽20と広口筬羽19と
をその凹所4、4aの上縁を一致させた位置関係でのも
のである。
【0031】広口筬羽19と短顎筬羽20とを隣接さ
せ、広口筬羽19と短顎筬羽20の凹所4a、4の上縁
22が一致した位置関係から、広口筬羽19を若干上方
に移動すると、図9に示すように、広口筬羽19の下顎
の先端部分21が短顎筬羽20の下顎の欠落部分に下方
から臨出してくる。この臨出高さは広口筬羽19の上方
への偏倚量によって決定されるから、交互に配置した広
口筬羽の上方への偏倚量を、短顎筬羽20の下顎の欠落
部のすべてが広口筬羽の下顎によって閉鎖されるような
位置関係から、順次広口筬羽19の上方への偏倚量を小
さくしていくことによって図6に示す付勢空気導入部8
の拡開区間8aを形成できる。ガイド溝の手前側の部分
が最大溝幅となるのは、広口筬羽19と短顎筬羽20の
凹所4a、4の上縁22が一致した箇所である。
【0032】この最大溝幅の部分から緯入れ方向下流側
に向けて、広口筬羽19の上方への偏倚量を順次大きく
しながら広口筬羽19と短顎筬羽20とを交互に配置す
ることにより、図6に示す付勢空気導入部8の収束区間
8bを形成できる。このようにして形成した拡開区間8
a及び収束区間8bは、当該部分におけるガイド溝の上
面が一羽おきに配置された短顎筬羽20の凹所の上縁2
2によって規定され、溝の奥面が広口筬羽及び短顎筬羽
の凹所4a、4の奥縁によって規定され、溝の下面の奥
側の部分23が一羽おきに配置された短顎筬羽凹所の下
縁26によって規定され、溝の下面の手前側24が一羽
おきに配置された広口筬羽の凹所の下縁25によって規
定されることになる。
【0033】なお、筬羽を組立てる際における広口筬羽
19の上方への偏倚量は、所望の溝幅の変化に対応する
形状の凹みを設けた定規に広口筬羽の上端を当接させる
ことにより容易に設定できる。
【0034】広口筬羽19と短顎筬羽20とを交互に配
置してゆく上記構造を採用すれば、付勢空気導入部8を
安価に形成できる他、付勢空気導入部8の長さや、筬を
前方から見たときの溝下面の手前側部分の形状を自由に
変化させることができるという特徴がある。
【0035】図1及び図2には、筬1に対する主ノズル
12の位置と補助ノズル13の位置とが示されている。
補助ノズル13は、付勢空気導入部8の拡開区間に対向
させて設けるのが、空気噴流を有効に利用できる点で好
ましい。更に、図2に示すように、補助ノズル先端が筬
羽の欠落した下顎先端に対向する位置関係となるため、
補助ノズル先端を筬の前面により接近させることができ
るため、補助ノズルの空気噴流の方向を緯糸飛走方向に
近づけることができる。また、扁平楕円断面の補助ノズ
ル先端が寝てくるため、補助ノズル挿入部における経糸
の屈曲角も小さくなり、経糸内への補助ノズルの挿抜も
円滑になる。
【0036】図10及び図11は、付勢空気導入部8の
形状の他の形態を示した図である。図10(a)は溝の下
面手前側が直線状に拡開及び収束する形状、同図(b)は
拡開区間の溝下面手前側が凸円弧状に拡開し収束区間で
は直線的に収束する形状、同図(c)は同図(b)の最大溝
幅の部分の下面手前側を凹曲面で滑らかに連結した形
状、同図(d)は溝の下面手前側を第1の凸曲面で形成し
た拡開区間とこれより曲率の小さな第2の凸曲面で形成
した収束区間とを凹曲面で滑らかに繋いだ形状である。
また同図(e)は溝の下面手前側全体を曲率が変化する凹
曲面で形成した例である。
【0037】また図11は、正面視で偏平レ形ないしV
形形状をしている付勢空気導入部の例を示した図で、図
11(a)はレ形、同図(b)は拡開区間を溝幅の変化しな
い最大溝幅の区間とした変形レ形、同図(c)は拡開区間
の長さが収束区間の長さより短い非対称V形、同図(d)
は拡開区間と収束区間の長さが等しい対称V形、同図
(e)は拡開区間の長さが収束区間の長さより長い非対称
V形の例である。
【0038】本願の発明者等が種々の形状の付勢空気導
入部について行なった試験の結果によれば、拡開区間で
の溝幅の拡開が急激なときは、ガイド溝内の搬送空気の
流速を速くする効果が大きい。一方、溝幅の変化が急激
であると、溝幅が拡開する部分で負圧による乱流の発生
が大きくなり、特に細い緯糸や柔軟な緯糸が用いられた
ときに、飛走する緯糸の先端が下方に向けられて溝の下
面に接触しやすくなり、円滑な飛走を妨げる現象が生じ
てくる。従って、実用的には使用する緯糸によっても異
なるが、図1及び図11(c)に示すような、付勢空気導
入部の拡開区間の下面に収束区間の下面よりも急勾配の
拡開方向の傾斜を持たせた形状が好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例を示す筬の模式的な正面図
【図2】図1の筬と補助ノズルの関係を示す側面図
【図3】平行溝部の筬羽の溝部分を示す側面図
【図4】付勢空気導入部の形状の第1実施例を示す模式
的な斜視図
【図5】図4の付勢空気導入部を形成する筬羽の溝部分
を示す側面図
【図6】付勢空気導入部の形状の第2実施例を示す模式
的な斜視図
【図7】図6の付勢空気導入部を形成する広口筬羽の溝
部分を示す側面図
【図8】図6の付勢空気導入部を形成する短顎筬羽の溝
部分を示す側面図
【図9】隣接する広口筬羽と短顎筬羽の重なりによって
形成される溝断面を示す説明図
【図10】付勢空気導入部の他の形状の例を示す模式的
な正面図
【図11】付勢空気導入部の図10と異なる形状例を示
す模式的な正面図
【符号の説明】
4a 凹所 5 ガイド溝 8 付勢空気導入部 8a 拡開区間 8b 収束区間 9 平行溝部 16 短顎筬羽 19 広口筬羽 20 短顎筬羽 H 広口筬羽の凹所の溝幅
フロントページの続き (72)発明者 木村 大 東京都中央区日本橋室町2丁目2番1号 東レ株式会社内 (72)発明者 宮向 智利 石川県金沢市神宮寺2丁目27番20号 高山 リード株式会社内 Fターム(参考) 4L050 AA15 CB06 CB83 CB96 CC18

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】筬羽の前縁に設けた凹所の集合により筬の
    前面の上下方向略中央に緯糸及びその搬送空気を案内す
    る横方向のガイド溝(5)が形成されている空気噴射織機
    用筬において、前記ガイド溝は横方向中間部ないし反主
    ノズル側の領域に1個又は所定間隔を隔てて配置した複
    数個の付勢空気導入部(8)を備えており、この付勢空気
    導入部は、前記凹所の下顎の先端部の溝深さに対して1
    /3ないし2/3の部分が欠落した複数枚の短顎筬羽(1
    6,20)を含む筬羽群によって形成され、かつ当該付勢空
    気導入部は、前記ガイド溝の下面の手前側の部分の溝幅
    が下方に向かって拡がる主ノズル側の拡開区間(8a)と上
    方に向いて徐々に狭まる反主ノズル側の収束区間(8b)と
    によって形成される正面視で偏平なレ形V形形状の溝部
    分であることを特徴とする、空気噴射織機用筬。
  2. 【請求項2】付勢空気導入部(8)が、拡開区間(8a)の長
    さが収束区間(8b)の長さより短い正面視で偏平非対称V
    形形状の溝部分であることを特徴とする、請求項1記載
    の空気噴射織機用筬。
  3. 【請求項3】複数の付勢空気導入部(8)を備え、各付勢
    空気導入部(8)の緯入れ方向下流側に溝幅が変化しない
    平行溝部(9)を備え、かつこの複数の付勢空気導入部は
    織機側に設けられる補助ノズルの配置間隔に対応する間
    隔で設けられていることを特徴とする、請求項1又は2
    記載の空気噴射織機用筬。
  4. 【請求項4】付勢空気導入部の収束区間(8b)が、平行溝
    部(9)を形成する筬羽より幅広い溝幅(H)の凹所(4a)を有
    する広口筬羽(19)と前記短顎筬羽(20)とを交互に配置し
    かつ当該広口筬羽を、その下方へのずれ量が最大の最大
    溝幅の部分から、上記ずれ量が緯入れ方向に順次小さく
    なるように配置することにより形成されていることを特
    徴とする、請求項1、2又は3記載の空気噴射織機用
    筬。
  5. 【請求項5】付勢空気導入部の拡開区間(8a)が、前記広
    口筬羽(19)と短顎筬羽(20)とを交互に配置しかつ当該広
    口筬羽をずれ量が緯入れ方向に順次大きくなるように下
    方にずらして配置することにより形成されていることを
    特徴とする、請求項4記載の空気噴射織機用筬。
  6. 【請求項6】付勢空気導入部の拡開区間(8a)が、前記短
    顎筬羽(20)の1枚ないし複数枚を配置することにより形
    成されていることを特徴とする、請求項4記載の空気噴
    射織機用筬。
  7. 【請求項7】短顎筬羽(20)の下顎が、当該下顎の溝深さ
    に対して1/3ないし2/3の位置から上顎の位置を一
    致させた広口筬羽(19)の下顎の先端に向けて引いた斜線
    より先端側の部分が欠落していることを特徴とする、請
    求項4、5又は6記載の空気噴射織機用筬。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1328432C (zh) * 2003-01-29 2007-07-25 津田驹工业株式会社 空气喷射式织机用筘
CN102776670A (zh) * 2012-08-29 2012-11-14 绍兴市水富纺织器材有限公司 仿手工编织地毯用针板筘
CN103161003A (zh) * 2013-03-27 2013-06-19 吴江市金平华纺织有限公司 一种夹持式异形筘
JP2019099975A (ja) * 2017-12-08 2019-06-24 トヨタ紡織株式会社 エアジェット織機用筬

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