JP2002114588A - セラミック成形体 - Google Patents

セラミック成形体

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JP2002114588A
JP2002114588A JP2000300042A JP2000300042A JP2002114588A JP 2002114588 A JP2002114588 A JP 2002114588A JP 2000300042 A JP2000300042 A JP 2000300042A JP 2000300042 A JP2000300042 A JP 2000300042A JP 2002114588 A JP2002114588 A JP 2002114588A
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glaze
ceramic molded
molded body
zirconium oxide
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Mitsuyo Yamatomi
光代 山冨
Shigeki Kawase
茂樹 河瀬
Akihiro Umeda
章広 梅田
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 汚れ防止性能を付加したセラミック成形体に
おいて、セラミック成形体表面の釉薬を主体とする中間
層と撥水層との密着性を改善する。 【解決手段】 珪酸ジルコニウム3および酸化ジルコニ
ウム4を含有させた釉薬層2上に撥水層1を形成するこ
とにより、優れた撥水性および撥水耐久性を長期間持続
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、汚れ防止性能を付
加したセラミック成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、セラミック成形体の粘土質素地表
面には釉薬が施され、セラミック成形体表面に様々な色
調の美観を与えるとともに、緻密で親水性の平滑層を形
成することにより衛生面での機能を発揮するようにして
いる。釉薬の成分は骨格となる非結晶性化合物と少量の
色をつける成分とに分けられる。非結晶性化合物は一般
に珪酸塩を主成分としたガラス相であり、色をつける成
分は鉄、銅、マンガン、コバルト、チタンなどの金属類
およびそれらの化合物である。これらの着色成分はガラ
ス相中に分散している。さらに最近では、セラミック成
形体の釉薬層表面にシリコン樹脂あるいはフッ素樹脂な
どの撥水剤を処理することにより汚れ防止性能を付与し
たり、また、洗浄性を向上させることが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のセラミック成形体表面に施される釉薬は、シリコン
樹脂あるいはフッ素樹脂などの撥水剤に対し密着性に乏
しいという課題があった。また乳濁剤として珪酸ジルコ
ニウムを含有する釉薬を用いる場合には、洗浄などの使
用回数が増加すると撥水剤が失われ、汚れ防止効果が長
期間持続しなかった。また、乳濁剤として酸化ジルコニ
ウムを含有する釉薬を用いる場合には、上記撥水剤との
密着性は良好であり、長期間汚れ防止効果が持続できる
が、酸化ジルコニウム微粒子の凝集により表面が斑模様
になるなど外観不良を発生し、商品性を損ね実用的では
なかった。
【0004】本発明は、上記従来の課題を解決するもの
で、セラミック成形体表面に施される釉薬に珪酸ジルコ
ニウムおよび酸化ジルコニウムを含有させることによっ
て、表面に防汚性能を付与し、かつ様々な色調の美観の
セラミック成形体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記従来の課題を解決す
るために、本発明は、珪酸ジルコニウムおよび酸化ジル
コニウムを含有した釉薬を主体とする中間層をセラミッ
ク成形体表面に設けたものである。この釉薬を主体とす
る中間層表面に珪酸ジルコニウムおよび酸化ジルコニウ
ムを均一に分散させることによって、シリコン樹脂ある
いはフッ素樹脂などの撥水剤に対する密着性を長期間良
好な状態に持続させるものである。
【0006】
【発明の実施の形態】請求項1記載の発明は、セラミッ
ク成形体表面に、珪酸ジルコニウムおよび酸化ジルコニ
ウムを含有した釉薬を主体とする中間層の上に、撥水層
を形成するものである。セラミック表面に析出した珪酸
ジルコニウムおよび酸化ジルコニウム微粒子が撥水層と
強力な結合力を発現することにより、洗浄性、防汚性な
どの耐久性を長期間持続することができる。また、珪酸
ジルコニウムの乳濁効果でセラミック表面の光沢、発色
など外観を良好にする。
【0007】請求項2に記載の発明は、特に請求項1に
記載の珪酸ジルコニウムおよび酸化ジルコニウムを含有
した釉薬を主体とする中間層において、珪酸ジルコニウ
ムの添加量が1wt%以上30wt%以下、酸化ジルコニウ
ムの添加量が1wt%以上30wt%以下としたものであ
る。なお、好ましくは珪酸ジルコニウムの添加量が5wt
%以上10wt%以下、酸化ジルコニウムの添加量が1wt
%以上5wt%以下含有されるとよい。
【0008】請求項3記載の発明は、特に請求項1に記
載の珪酸ジルコニウムおよび酸化ジルコニウムを含有し
た釉薬を主体とする中間層上に形成された撥水層が有機
珪素化合物の群より選ばれる少なくとも一種からなるセ
ラミック成形体としたものである。そして、有機珪素化
合物は、釉薬を主体とする中間層上を強力に被覆し優れ
た撥水特性を発現する。さらに、珪酸ジルコニウムおよ
び酸化ジルコニウムのガラス相中からのアルカリ成分溶
出抑制効果などとあいまって撥水効果を長期間持続させ
る。
【0009】請求項4記載の発明は、特に請求項1に記
載の珪酸ジルコニウムおよび酸化ジルコニウムを含有し
た釉薬を主体とする中間層上に形成された撥水層がアル
キルシラン化合物の群より選ばれる少なくとも一種から
なるセラミック成形体としたものである。アルキルシラ
ン化合物は、釉薬を主体とする中間層の表面に存在する
水酸基などの活性基と化学的に強力に結合し、また珪酸
ジルコニウムおよび酸化ジルコニウムのガラス相中から
のアルカリ成分溶出抑制効果などとあいまって撥水効果
を長期間持続させる。
【0010】請求項5記載の発明は、特に請求項1に記
載の珪酸ジルコニウムおよび酸化ジルコニウムを含有し
た釉薬を主体とする中間層上に形成された撥水層が有機
フッ素化合物の群より選ばれる少なくとも一種からなる
セラミック成形体としたものである。そして、有機フッ
素化合物は、釉薬を主体とする中間層上を強力に被覆
し、良好な撥水・撥油特性を発現する。さらに、珪酸ジ
ルコニウムおよび酸化ジルコニウムのガラス相中からの
アルカリ成分溶出抑制効果などとあいまって撥水・撥油
効果を長期間持続させる。
【0011】請求項6記載の発明は、特に請求項1に記
載の珪酸ジルコニウムおよび酸化ジルコニウムを含有し
た釉薬を主体とする中間層上に形成された撥水層がパー
フロロアルキルシラン化合物の群より選ばれる少なくと
も一種からなるセラミック成形体としたものである。そ
して、パーフロロアルキルシラン化合物は、釉薬を主体
とする中間層の表面に存在する水酸基などの活性基と化
学的に強力に結合し、また珪酸ジルコニウムおよび酸化
ジルコニウムのガラス相中からのアルカリ成分溶出抑制
効果などとあいまって撥水・撥油効果を長期間持続させ
る。
【0012】請求項7記載の発明は、特に請求項1に記
載の珪酸ジルコニウムおよび酸化ジルコニウムを含有し
た釉薬を主体とする中間層に無機系抗菌剤が添加された
セラミック成形体としたものである。そして、無機系抗
菌剤が添加されることにより、主として細菌汚れが抑制
される。なお、撥水層との相乗効果により、細菌増殖に
必要な餌となる汚れ成分の付着が少なくなるため、無機
系抗菌剤は少量の添加で十分な効果が上がる。このた
め、セラミック成形体の物理特性および化学特性に及ぼ
す影響も少なくてすむ。
【0013】請求項8記載の発明は、請求項1〜7に記
載の発明において、セラミック成形体が陶磁器であると
したものである。そして、日常的に洗浄が必要な食器、
衛生陶器、タイルなどの汚れ防止および洗浄にかかる環
境および労力負荷の軽減が実現できる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図1、2を
参照しながら説明する。
【0015】(実施例1)本発明の第1の実施例におけ
る釉薬の基本成分は、ゼーゲル式で(0.2KnaO、
0.3ZnO、0.4CaO)・0.5Al23・2.
9SiO2とした。これに珪酸ジルコニウムおよび酸化
ジルコニウムを添加し、ボールミルによって24時間混
合した。珪酸ジルコニウムおよび酸化ジルコニウムの添
加量の実験条件として、釉薬原料全体に対し珪酸ジルコ
ニウム10wt%に対し酸化ジルコニウム0wt%を混合し
た釉薬を試験サンプル1とし、珪酸ジルコニウム0wt%
に対し酸化ジルコニウム10wt%を混合した釉薬を試験
サンプル2とし、珪酸ジルコニウム5wt%に対し酸化ジ
ルコニウムを5wt%、10wt%を混合した釉薬をそれぞ
れ試験サンプル3および4とし、珪酸ジルコニウム10
wt%に対し、酸化ジルコニウムを2wt%、5wt%を混合
した釉薬をそれぞれ試験サンプル5および6とし、珪酸
ジルコニウム20wt%に対し、酸化ジルコニウム20wt
%を混合した釉薬を試験サンプル7とした。混合した釉
薬を、およそ100mm×100mm×10mmの粘土質素地
の片面に施し、80℃で1時間乾燥した。乾燥後の釉薬
の厚さは1mm程度である。その後、6時間かけて120
0℃まで昇温し、1200℃の時点で1時間温度を保持
し、その後6時間かけて室温まで冷却してタイル状の陶
器平板を作成した。次に、前記陶器平板のの釉薬面をエ
タノールで洗浄した後、脱脂綿により撥水層を形成し、
25℃で24時間放置した。撥水剤としてはCF3(C
27(CH2)2Si(OCH33を用いた。
【0016】図1は、本発明の第1の実施例におけるセ
ラミック成形体の断面部を示す模式図である。図1にお
いて、表面から順に、撥水層1の下に釉薬層2中に含有
される珪酸ジルコニウム3および酸化ジルコニウム4が
均一に分散した状態で存在する。釉薬層2の下は粘土質
素地5である。
【0017】作成した試験サンプル1〜7を用いて釉薬
観察評価を行った。各試験サンプルの釉薬表面の光沢を
目視により評価した。従来使われている釉薬の配合比で
ある、珪酸ジルコニウムの添加量10wt%、酸化ジルコ
ニウムの添加量0wt%である試験サンプル1を基準と
し、それと同等の表面光沢の場合を○とし、光沢が劣る
もしくは異常がある場合は×とした。その結果を(表
1)に示す。
【0018】
【表1】
【0019】(表1)で示すように、試験サンプル3、
5、6は基準とした試験サンプル1と同様良好な光沢で
あった。試験サンプル2、4、7は、表面光沢が劣化
し、ざらつき感を生じた。これらの結果から、混合する
珪酸ジルコニウムの含有量が1wt%以上30wt%以下、
酸化ジルコニウムの含有量が1wt%以上30wt%以下含
有されるとよく、さらに、好ましくは珪酸ジルコニウム
の含有量が5wt%以上10wt%以下、酸化ジルコニウム
の含有量が1wt%以上5wt%以下であれば良好な表面光
沢を実現できる。また、珪酸ジルコニウムおよび酸化ジ
ルコニウムのいずれかの添加量が30wt%を超えると、
釉薬の粘性が高まり、微細な凸凹など外観不良を発生し
商品性を損ね、実用的ではない。
【0020】次に、試験サンプル1〜7の耐水耐久試験
を行った。各試験サンプルを60℃の温水に水没させ、
50時間、200時間、400時間後の接触角を測定
し、接触角の変化によって撥水層の耐久性を評価した。
その結果を(表2)に示す。
【0021】
【表2】
【0022】(表2)に示すように、珪酸ジルコニウム
に酸化ジルコニウムを添加することにより、珪酸ジルコ
ニウムのみ用いた釉薬に比べ撥水耐久性が改善されてい
た。釉薬中の珪酸ジルコニウムの添加量が5wt%の場
合、酸化ジルコニウムの添加量が2wt%では撥水耐久性
の効果は従来の釉薬と比較して若干耐久性は向上するが
長期間の持続は得られず、酸化ジルコニウムの添加量が
5wt%以上添加の場合に撥水耐久性の改善効果は著しか
った。また、珪酸ジルコニウムの添加量が10wt%の場
合、酸化ジルコニウムの添加量が2wt%以上の添加の場
合に撥水耐久性の改善効果が認められらた。
【0023】なお、好ましくは珪酸ジルコニウムの添加
量が5wt%以上10wt%以下、酸化ジルコニウムの添加
量が1wt%以上5wt%以下であれば良好な表面光沢を実
現できる。しかしながら釉薬を主体とする中間層中の珪
酸ジルコニウムおよび酸化ジルコニウムのいずれかの添
加量が1wt%より少ないと、撥水層と強力に結合する中
間層表面の珪酸ジルコニウムおよび酸化ジルコニウム微
粒子の割合が減少したり、ガラス相から溶出するアルカ
リ金属あるいはアルカリ土類金属の量が増加することな
どにより撥水耐久性は改善されない。
【0024】釉薬を主体とする中間層中の珪酸ジルコニ
ウムおよび酸化ジルコニウムの混合、含有による効果を
説明する。撥水層は主として、釉薬を主体とする中間層
の表面に存在する水酸基などの活性基と化学的な結合に
よって密着している。検討の結果、釉薬を主体とする中
間層に存在するガラス相と珪酸ジルコニウムおよび酸化
ジルコニウム微粒子を、撥水層に対する密着の度合いで
比較すると、珪酸ジルコニウムおよび酸化ジルコニウム
微粒子の方が優れていることを見いだした。その理由の
ひとつとして、釉薬を主体とする中間層のガラス相中の
アルカリ成分と関係すると推測した。
【0025】すなわち、撥水層を表面に有する従来のセ
ラミック成形体を水回りの製品として使用した場合、時
間の経過によってガラス相中のアルカリ金属やアルカリ
土類金属が表面に溶出してくる。その際に、中間層のガ
ラス相表面の活性基と化学的結合が形成されている部分
が局所的にアルカリ性を帯び、撥水剤の結合が切断され
撥水性が低下していく。
【0026】一方、珪酸ジルコニウムおよび酸化ジルコ
ニウム微粒子で均一に隠蔽された表面はアルカリ金属や
アルカリ土類金属の溶出がなく、撥水層との結合が安定
なため撥水効果を長時間良好な状態で持続させることが
できると考えられる。今ひとつの理由は、撥水層と結合
する珪酸ジルコニウムおよび酸化ジルコニウム微粒子の
活性基の密度と活性度合いの強さと関係すると推測し
た。すなわち、珪酸ジルコニウムおよび酸化ジルコニウ
ム微粒子の活性基の密度はガラス相表面のそれより大き
く、さらに活性度合いも大きいために撥水層とより強固
な結合が可能となり、その結果、撥水効果を長期間持続
させることができると考えられる。
【0027】なお、本発明の実施例では、CF3(C
27(CH22Si(OCH33 を撥水剤として用
いた場合を説明したが、有機珪素化合物、アルキルシラ
ン化合物、有機フッ素化合物、パーフロロアルキルシラ
ン化合物の群より選ばれる少なくとも一種を用いても同
様の効果が得られる。具体的な例として、有機珪素化合
物としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニル
ポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、メチルハ
イドロジエンポリシロキサンなどのシリコーン化合物
や、それらのシリコーン化合物をアルキッド変性、ポリ
エステル変性、アクリル変性、エポキシ変性した変性シ
リコーン化合物などがあげられるが、これらに限定する
ものではない。
【0028】アルキルシラン化合物としては、トリメチ
ルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン(以下メ
トキシがエトキシやクロロであってもよい)、ジメチル
ジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチル
ジメトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジフェニ
ルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシランなど
が挙げられるが、これらに限定するものではない。
【0029】有機フッ素化合物としては、ポリテトラフ
ルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオ
ロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエ
チレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフ
ルオロエチレン・エチレン共重合体、ポリクロロトリフ
ルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオ
ロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン・パーフルオロ
アルキルビニルフルオライド、フッ化ビニリデン・テト
ラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニルエーテ
ル、フッ化ビニルエーテル・テトラフルオロエチレン共
重合体、フッ化ビニリデン・テトラフルオロエチレン・
ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン
・ヘキサフルオロプロピレン共重合体や、パーフルオロ
ポリエーテル、パーフルオロアルキルポリエーテル、三
フッ化エチレン重合体などのフッ素オイルや、フッ素系
界面活性剤などが挙げられるが、これらに限定するもの
ではない。
【0030】パーフロロアルキルシラン化合物として
は、前記アルキルシラン化合物のアルキル基のいくつか
がフッ化炭素基に置換されたものであり、例えば、CF
3(CH22Si(OCH33、CF3(CF25(CH
22Si(OCH33、CF3(CF27(CH22
i(OCH33、CF3(CF27(CH22SiCH3
(OCH32、CF3(CF23(CH22Si(OC
33、CF3(CF27(CH22SiCl3などの炭
素数が1から20のシラン化合物が挙げられるが、これ
らに限定するものではない。
【0031】(実施例2)本発明の第2の実施例におけ
る釉薬の基本成分ははゼーゲル式で(0.2KnaO、
0.3ZnO、0.4CaO)・0.5Al2O3・
2.9SiO2とした。これに珪酸ジルコニウムを釉薬
原料全体の10wt%、酸化ジルコニウムを釉薬原料全体
の2wt%、銀を担持したハイドロキシアパタイトを釉薬
原料全体の1wt%を添加し、ボールミルによって24時
間混合した。混合した釉薬を、およそ100mm×100
mm×10mmの粘土質素地の片面に施し、80℃で1時間
乾燥した。乾燥後の釉薬の厚さは1mm程度である。その
後、6時間かけて1200℃まで昇温し、1200℃の
時点で1時間温度を維持し、その後6時間かけて室温ま
で冷却してタイル状の陶器平板を作成した。次に、前記
陶器平板のの釉薬面をエタノールで洗浄した後、脱脂綿
により撥水層を形成し、25℃で24時間放置した。
【0032】なお、撥水剤としてはCF3(CF2
7(CH22Si(OCH33を用いた。これを試験サ
ンプル8とする。
【0033】図2は、本発明の第2の実施例におけるセ
ラミック成形体の断面部を示す模式図である。表面から
順に、撥水層1の下に釉薬層2中に含有される珪酸ジル
コニウム3および酸化ジルコニウム4、および銀を担持
したハイドロキシアパタイトからなる無機系抗菌剤6が
均一に分散した状態で存在する。
【0034】次に、試験サンプル8の抗菌性能について
試験を行った。比較例として試験サンプル5を用いた。
それぞれの試験サンプル8および5に黄色ブドウ球菌お
よび大腸菌の菌液1ccを滴下し、37℃で24時間培
養した。その後、滅菌済みリン酸緩衝液にて菌を洗い出
した。この洗い出した液中の生菌数を、菌数測定用培地
を用いて混釈平板法にて測定した。その結果を(表3)
に示す。
【0035】
【表3】
【0036】(表3)に示すように、試験サンプル8は
試験サンプル5に比べ黄色ブドウ球菌および大腸菌に対
し著しい抗菌効果を得ることができた。(表3)で示し
た抗菌特性の結果○は生残菌が検出されなかった場合で
あり、×は生残菌が対照と同様であった場合であること
を意味する。耐久性の良好な撥水層と併用することによ
り、無機系抗菌剤は少量の添加で十分な効果が上がる。
このため、セラミック成形体の物理特性および化学特性
に及ぼす影響も少なく、細菌の増殖が抑制される特性を
有するセラミック成形体が可能となる。
【0037】なお、本実施例において、無機系抗菌剤と
して銀を担持したハイドロキシアパタイト用いたが、硝
酸銀、硫酸銀、塩化銀などや、銀、銅、亜鉛あるいは錫
を担持したゼオライトや、銀、銅、鉛あるいは錫を担持
したシリカゲルや、銀、銅、亜鉛あるいは錫を担持した
リン酸カルシウムや、銅、亜鉛あるいは錫を担持したハ
イドロキシアパタイトや、銀、銅、亜鉛あるいは錫を担
持した酸化亜鉛、銀、銅、亜鉛あるいは錫を担持したリ
ン酸ジルコニウム、および銀、銅、亜鉛またはこれらの
酸化物などを用いても、同様の効果が得られる。
【0038】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、セラミ
ック成形体の美観を損なうことなく、撥水層との結合が
安定なため撥水効果を長時間持続させることができる。
また、セラミック成形体の物理特性および化学特性に及
ぼす影響も少なく、少量の無機系抗菌剤添加でクリーン
なセラミック成形体が可能となる。
【0039】また、日常的に洗浄が必要な食器、衛生陶
器、タイルなどの汚れ防止および洗浄に係る環境および
労力の負荷軽減が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1におけるセラミック成形体の
断面部を示す模式図
【図2】本発明の実施例2におけるセラミック成形体の
断面部を示す模式図
【符号の説明】
1 撥水層 2 釉薬層 3 珪酸ジルコニウム 4 酸化ジルコニウム 5 粘土質素地 6 無機系抗菌剤

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘土質素地表面に釉薬を主体とする中間
    層が形成され、この中間層の上に撥水層が形成されたセ
    ラミック成形体であって、前記中間層は珪酸ジルコニウ
    ムおよび酸化ジルコニウムを含有してなるセラミック成
    形体。
  2. 【請求項2】 珪酸ジルコニウムの含有量が1wt%以上
    30wt%以下および酸化ジルコニウムの含有量が1wt%
    以上30wt%以下である請求項1記載のセラミック成形
    体。
  3. 【請求項3】 撥水層が有機珪素化合物の群より選ばれ
    る少なくとも一種からなる請求項1または2記載のセラ
    ミック成形体。
  4. 【請求項4】 撥水層がアルキルシラン化合物の群より
    選ばれる少なくとも一種からなる請求項1または2記載
    のセラミック成形体。
  5. 【請求項5】 撥水層が有機フッ素化合物の群より選ば
    れる少なくとも一種からなる請求項1または2記載のセ
    ラミック成形体。
  6. 【請求項6】 撥水層がパーフロロアルキルシラン化合
    物の群より選ばれる少なくとも一種からなる請求項1ま
    たは2記載のセラミック成形体。
  7. 【請求項7】 セラミック表面に釉薬を主体とする中間
    層が形成されたセラミック成形体において、前記釉薬中
    には無機系抗菌剤が添加されてなる請求項1〜6のいず
    れか1項に記載のセラミック成形体。
  8. 【請求項8】 セラミック成形体が陶磁器である請求項
    1〜7のいずれか1項に記載のセラミック成形体。
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