JP2002187764A - セラミック成形体 - Google Patents

セラミック成形体

Info

Publication number
JP2002187764A
JP2002187764A JP2000381867A JP2000381867A JP2002187764A JP 2002187764 A JP2002187764 A JP 2002187764A JP 2000381867 A JP2000381867 A JP 2000381867A JP 2000381867 A JP2000381867 A JP 2000381867A JP 2002187764 A JP2002187764 A JP 2002187764A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
intermediate layer
molded body
ceramic molded
glaze
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000381867A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeki Kawase
茂樹 河瀬
Akihiro Umeda
章広 梅田
Mitsuyo Yamatomi
光代 山冨
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2000381867A priority Critical patent/JP2002187764A/ja
Publication of JP2002187764A publication Critical patent/JP2002187764A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 汚れ防止性能を付加したセラミック成形体に
おいて、セラミック成形体表面の釉薬を主体とする中間
層と撥水層との密着性を改善する。 【解決手段】 珪酸ジルコニウム2を含有させた釉薬3
を主体とした中間層表面に水酸基を形成し、次いで撥水
層を形成することにより、優れた撥水性および撥水耐久
性が確保することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食器、タイル、衛
生陶器、碍子などのセラミック成形体に汚れ防止性能を
付加したセラミック成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、便器、洗面器あるいはタイルな
どのセラミック成形体の表面には釉薬が施され、セラミ
ック成形体表面に様々な色調の美観を与えるとともに、
緻密で親水性の平滑層を形成することで衛生面での機能
を発揮するようにしている。さらに最近ではセラミック
成形体表面の釉薬層に上記した機能の他に防汚機能が求
められている。セラミック成形体表面の防汚方法として
は、シリコン樹脂あるいはフッ素樹脂などの撥水剤を処
理することにより汚れ防止性能を付与したり、また、洗
浄性を向上させることが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】釉薬の成分は骨格とな
る非結晶性化合物と少量の色をつける成分とに分けられ
る。非結晶性化合物は一般に珪酸塩を主成分としたガラ
ス相であり、色をつける成分は鉄、銅、マンガン、コバ
ルト、チタンなどの金属類およびそれらの化合物であ
る。これらの着色成分はガラス相中に分散している。し
かしながら、セラミック成形体表面に施されるこれらの
釉薬と上記撥水剤は密着性に乏しく、洗浄などの使用回
数が増加すると撥水剤がとれていき、汚れ防止効果が長
期間持続しないという課題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するため、セラミック表面に珪酸ジルコニウムを含む釉
薬を主体とする中間層が形成され、この中間層表面に水
酸基が形成され、次いで前記中間層表面に撥水層が形成
されたセラミック成形体としたものである。
【0005】上記発明によれば、珪酸ジルコニウムを含
む釉薬を主体とする中間層表面に形成された水酸基が撥
水層と強力な結合力を発現することにより、洗浄性、防
汚性などの耐久性を長期間持続することができる。ま
た、中間層表面に珪酸ジルコニウム微粒子が析出し、そ
れらの微粒子がガラス相中のアルカリ金属やアルカリ土
類金属の溶出を抑制することなどにより洗浄性、防汚性
などの耐久性を長期間持続することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、各請求項に記載した形
態で食器、タイル、衛生陶器、碍子などのセラミック成
形体に実施することができる。
【0007】すなわち、請求項1記載の発明の場合は、
セラミック表面に珪酸ジルコニウムを含む釉薬を主体と
する中間層が形成され、この中間層表面に水酸基が形成
され、次いで前記中間層表面に撥水層が形成されたセラ
ミック成形体としたものである。検討の結果、撥水層は
主として、中間層表面に形成された水酸基と化学的な結
合により、強く密着することを見いだした。すなわち、
撥水層の結合強度は中間層表面の水酸基の多寡と強く関
係し、水酸基量を増加させるほど耐久性に優れた撥水膜
の形成が可能である。中間層表面に水酸基を形成させる
には、水あるいは水蒸気を中間層表面に接触させればよ
い。また、釉薬を主体とする中間層のガラス相および珪
酸ジルコニウム微粒子と撥水層との密着の度合いは珪酸
ジルコニウム微粒子の方が優れていることを見いだし
た。詳細な理由は不明であるが、釉薬を主体とする中間
層のガラス相中のアルカリ成分と関係していると推測し
ている。すなわち、例えば撥水層を施したセラミック成
形体を水回りの製品として使用した場合、時間の経過に
よってガラス相中のアルカリ金属やアルカリ土類金属が
表面に溶出してくる。その際に、中間層のガラス相表面
の活性基と化学的結合が形成されている部分が局所的に
アルカリ性を帯び、結合が切断され撥水性が劣化しやす
い。一方、珪酸ジルコニウム微粒子表面はアルカリ金属
やアルカリ土類金属の溶出がなく、撥水層との結合が安
定なため撥水効果を長時間持続させることができる。
【0008】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の発明において、珪酸ジルコニウムの含有量を5wt%
以上30wt%以下、好ましくは10wt%以上20wt%以
下とすることにより、撥水効果を長期間持続させること
ができる。珪酸ジルコニウムの含有量が5wt%より少な
いと、中間層表面の珪酸ジルコニウム微粒子の割合が減
少し、ガラス相から溶出するアルカリ金属あるいはアル
カリ土類金属の量が増加することなどにより撥水効果の
耐久性改善度合いが低下する。また、珪酸ジルコニウム
の含有量が30wt%を超えると、中間層表面の珪酸ジル
コニウム微粒子の割合が増加し、アルカリ金属やアルカ
リ土類金属などアルカリ成分の溶出を抑制することによ
り撥水効果の耐久性は良好となるが、釉薬を主体とする
中間層の外観不良を発生し商品性を損ね、実用的ではな
い。
【0009】また、請求項3記載の発明は、請求項1か
ら2記載の発明において、中間層表面に形成された撥水
層が有機珪素化合物の群より選ばれる少なくとも一種と
することにより、中間層上を強力に被覆し優れた撥水特
性を発現する。さらに、珪酸ジルコニウムのガラス相中
からのアルカリ成分溶出抑制効果などとあいまって良好
な撥水耐久性を示す。
【0010】また、請求項4の発明は、請求項1から2
記載の発明において、中間層上に形成された撥水層がア
ルキルシラン化合物の群より選ばれる少なくとも一種と
することにより、アルキルシラン化合物は中間層の表面
に存在する水酸基と化学的に強力に結合し、また珪酸ジ
ルコニウムのガラス相中からのアルカリ成分溶出抑制効
果などとあいまって優れた撥水耐久性を示す。
【0011】また、請求項5記載の発明は、請求項1か
ら2記載の発明において、中間層上に形成された撥水層
が有機フッ素化合物の群より選ばれる少なくとも一種と
することにより、有機フッ素化合物は中間層上を強力に
被覆し、優れた撥水・撥油特性を発現する。さらに、珪
酸ジルコニウムのガラス相中からのアルカリ成分溶出抑
制効果などとあいまって良好な撥水・撥油耐久性を示
す。
【0012】また、請求項6記載の発明は、請求項1か
ら2記載の発明において、中間層上に形成された撥水層
がパーフロロアルキルシラン化合物の群より選ばれる少
なくとも一種とすることにより、パーフロロアルキルシ
ラン化合物は中間層の表面に存在する水酸基と化学的に
強力に結合し、また珪酸ジルコニウムのガラス相中から
のアルカリ成分溶出抑制効果などとあいまって優れた撥
水耐久性を示す。
【0013】また、請求項7記載の発明は、請求項1か
ら6記載の発明において、中間層に無機系抗菌剤が添加
されることにより、主として細菌汚れが抑制される。な
お、撥水層との相乗効果により、細菌増殖に必要な餌と
なる汚れ成分の付着が少なくなるため、無機系抗菌剤は
少量の添加で十分な効果が上がる。このため、セラミッ
ク成形体の物理特性および化学特性に及ぼす影響も少な
く、優れた特性を有するセラミック成形体が可能とな
る。
【0014】また、請求項8記載の発明は、請求項1か
ら7記載の発明において、セラミック成形体が陶磁器で
あることにより、食器、衛生陶器、タイルなどの汚れ防
止が実現できる。
【0015】なお、本発明における有機珪素化合物とし
ては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシ
ロキサン、ジフェニルポリシロキサン、メチルハイドロ
ジエンポリシロキサンなどのシリコーン化合物。それら
のシリコーン化合物をアルキッド変性、ポリエステル変
性、アクリル変性、エポキシ変性した変性シリコーン化
合物などがあげられるが、これらに限定するものではな
い。
【0016】有機フッ素化合物としては、ポリテトラフ
ルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオ
ロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエ
チレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフ
ルオロエチレン・エチレン共重合体、ポリクロロトリフ
ルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオ
ロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン・パーフルオロ
アルキルビニルフルオライド、フッ化ビニリデン・テト
ラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニルエーテ
ル、フッ化ビニルエーテル・テトラフルオロエチレン共
重合体、フッ化ビニリデン・テトラフルオロエチレン・
ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン
・ヘキサフルオロプロピレン共重合体。また、パーフル
オロポリエーテル、パーフルオロアルキルポリエーテ
ル、三フッ化エチレン重合体などのフッ素オイル。ま
た、フッ素系界面活性剤などが挙げられるが、これらに
限定するものではない。
【0017】また、アルキルシラン化合物としては、ト
リメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン
(以下メトキシがエトキシやクロロであってもよい)、
ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラ
ン、メチルジメトキシシラン、ジメチルメトキシシラ
ン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルトリメトキ
シシランなどが挙げられるが、これらに限定するもので
はない。
【0018】また、パーフロロアルキルシラン化合物と
しては、前記アルキルシラン化合物のアルキル基のいく
つかがフッ化炭素基に置換されたものであり、例えば、
CF3(CH2)2Si(OCH3)3、CF3(CF
2)5(CH2)2Si(OCH3)3、CF3(CF
2)7(CH2)2Si(OCH3)3、CF3(CF
2)7(CH2)2SiCH3(OCH3)2、CF3
(CF2)3(CH2)2Si(OCH3)3、CF3
(CF2)7(CH2)2SiCl3などの炭素数が1
から20のシラン化合物が挙げられるが、これらに限定
するものではない。
【0019】本発明における無機系抗菌剤としては、硝
酸銀、硫酸銀、塩化銀など。銀、銅、亜鉛あるいは錫を
担持したゼオライト。銀、銅、亜鉛あるいは錫を担持し
たシリカゲル。銀、銅、亜鉛あるいは錫を担持したリン
酸カルシウム。銀、銅、亜鉛あるいは錫を担持したハイ
ドロキシアパタイト。銀、銅、亜鉛あるいは錫を担持し
た酸化亜鉛。銀、銅、亜鉛あるいは錫を担持したリン酸
ジルコニウムなどがある。さらに銀、銅、亜鉛またはこ
れらの酸化物などが挙げられるが、これらに限定するも
のではない。
【0020】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について詳細
に説明する。
【0021】(実施例1)釉薬の基本成分はゼーゲル式
で(0.2KnaO、0.3ZnO、0.4CaO)・0.5Al2O3・2.9SiO2とし
た。これに珪酸ジルコニウムを添加し、ボールミルによ
って24時間混合した。混合した釉薬を、およそ100
mm×100mm×10mmの粘土質素地の片面に施し、80
℃で1時間乾燥した。乾燥後の釉薬の厚さは1mm程度で
ある。その後、6時間かけて1200℃まで昇温し、1
200℃の時点で1時間温度を維持し、その後6時間か
けて室温まで冷却してタイル状の陶器平板を作成した。
次に、前記陶器平板の釉薬面に水をスプレー方式により
塗布し、水酸基を形成した。25℃で5時間放置し、乾
燥させた後、脱脂綿により撥水層を形成し、さらに25
℃で24時間放置した。なお、撥水層としてはCF3
(CF2)7(CH2)2Si(OCH3)3を用い
た。これを試験サンプルとする。添加した珪酸ジルコニ
ウムの配合量は、釉薬原料全体の0wt%、3wt%、5wt
%、10wt%、15wt%、20wt%、30wt%、40wt
%の8種類とし、それぞれを試験サンプル1〜8とし
た。
【0022】(実施例2)釉薬の基本成分はゼーゲル式
で(0.2KnaO、0.3ZnO、0.4CaO)・0.5Al2O3・2.9SiO2とし
た。これに珪酸ジルコニウムを釉薬原料全体の10wt
%、銀を担持したハイドロキシアパタイトを釉薬原料全
体の1wt%それぞれ添加し、ボールミルによって24時
間混合した。混合した釉薬を、およそ100mm×100
mm×10mmの粘土質素地の片面に施し、80℃で1時間
乾燥した。乾燥後の釉薬の厚さは1mm程度である。その
後、6時間かけて1200℃まで昇温し、1200℃の
時点で1時間温度を維持し、その後6時間かけて室温ま
で冷却してタイル状の陶器平板を作成した。次に、前記
陶器平板の釉薬面に水をスプレー方式により塗布し、水
酸基を形成した。25℃で5時間放置し、乾燥させた
後、脱脂綿により撥水層を形成し、さらに25℃で24
時間放置した。なお、撥水層としてはCF3(CF2)
7(CH2)2Si(OCH3)3を用いた。これを試
験サンプル9とする。
【0023】(比較例)釉薬の基本成分はゼーゲル式で
(0.2KnaO、0.3ZnO、0.4CaO)・0.5Al2O3・2.9SiO2とし
た。これに珪酸ジルコニウムを添加し、ボールミルによ
って24時間混合した。混合した釉薬を、およそ100
mm×100mm×10mmの粘土質素地の片面に施し、80
℃で1時間乾燥した。乾燥後の釉薬の厚さは1mm程度で
ある。その後、6時間かけて1200℃まで昇温し、1
200℃の時点で1時間温度を維持し、その後6時間か
けて室温まで冷却してタイル状の陶器平板を作成した。
次に、前記陶器平板の釉薬面に水の接触による水酸基を
形成させない状態で脱脂綿により撥水層を形成し、25
℃で24時間放置した。なお、撥水層としてはCF3
(CF2)7(CH2)2Si(OCH3)3を用い
た。これを比較サンプルとする。添加した珪酸ジルコニ
ウムの配合量は、釉薬原料全体の0wt%、3wt%、5wt
%、10wt%、15wt%、20wt%、30wt%、40wt
%の8種類とし、それぞれを比較サンプル1〜8とし
た。
【0024】図は本発明の実施例におけるセラミック成
形体の断面部を示す模式図である。1はCF3(CF
2)7(CH2)2Si(OCH3)3に代表される撥
水層である。2は釉薬中に含有される珪酸ジルコニウム
である。3は釉薬である。4は銀を担持したハイドロキ
シアパタイトに代表される無機系抗菌剤である。5は粘
土質素地である。
【0025】これらの試験サンプル1〜8を使用して釉
薬観察評価を行った。各試験サンプルの釉薬表面の光沢
を目視により評価した。珪酸ジルコニウムの配合量0%
である試験サンプル1を基準とし、それと同等の表面光
沢の場合を○とし、若干表面光沢が劣る場合は△とし、
明らかに光沢が劣る場合は×とした。その結果を(表
1)に示す。
【0026】
【表1】
【0027】次に、試験サンプル1〜8および比較サン
プル1〜8の耐水耐久試験を行った。各試験サンプルを
60℃の温水に水没させ、50時間、100時間、15
0時間後の接触角を測定し、接触角の変化によって撥水
層の耐久性を評価した。その結果を(表2)に示す。
【0028】
【表2】
【0029】次に、試験サンプル9の抗菌性能について
試験を行った。比較として試験サンプル4を用いた。そ
れぞれの試験サンプル9および4に黄色ブドウ球菌およ
び大腸菌の菌液1ccを滴下し、37℃で24時間培養
した。その後、滅菌済みリン酸緩衝液にて菌を洗い出し
た。この洗い出した液中の生菌数を、菌数測定用培地を
用いて混釈平板法にて測定した。その結果を(表3)に
示す。
【0030】
【表3】
【0031】(表1)から明らかなように、試験サンプ
ル2から6までは試験サンプル1と同様良好な光沢を示
した。試験サンプル7は、若干表面光沢が劣化した。試
験サンプル8は、明らかに表面光沢が劣化した。これら
の結果から、珪酸ジルコニウムの添加量は30wt%以
下、さらに好ましくは20wt%以下であれば良好な表面
光沢を実現できる。
【0032】(表2)から明らかなように、釉薬表面に
水酸基を形成することにより、撥水耐久性が改善されて
いた。また、珪酸ジルコニウムを添加することにより、
撥水耐久性が改善されていた。珪酸ジルコニウムの添加
量が特に10%から20%の場合には撥水耐久性の改善
効果は著しいが、添加量20%以上では撥水耐久性の改
善度合いはほぼ飽和傾向となる。
【0033】(表3)から明らかなように、試験サンプ
ル9は試験サンプル4に比べ黄色ブドウ球菌および大腸
菌に対し著しい抗菌効果を得ることができた。耐久性の
良好な撥水層と併用することにより、少量の抗菌剤で細
菌の増殖が抑制されるクリーンなセラミック成形体を得
ることができる。なお、(表3)で示した抗菌特性の結
果○は生残菌が検出されなかった場合であり、×は生残
菌が対照と同様であった場合であることを意味する。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように本発明のセラミック
成形体によれば、次の効果が得られら。
【0035】請求項1〜6記載の発明によれば、中間層
の表面の水酸基と主として化学的な結合により撥水層は
強力に密着し、良好な撥水耐久性の発現が可能となる。
また、中間層表面に珪酸ジルコニウム微粒子が析出し、
それらの微粒子がガラス相中のアルカリ金属やアルカリ
土類金属などのアルカリ成分の溶出を抑制することなど
により洗浄性、防汚性などの耐久性を長期間持続するこ
とができる。
【0036】また、請求項7記載の発明によれば、中間
層に無機系抗菌剤が添加されることにより、主として細
菌汚れが抑制される。なお、撥水層との相乗効果によ
り、細菌増殖に必要な餌となる汚れ成分の付着が少なく
なるため、無機系抗菌剤は少量の添加で十分な効果が上
がる。このため、セラミック成形体の物理特性および化
学特性に及ぼす影響も少なく、優れた特性を有するセラ
ミック成形体が可能となる。
【0037】また、請求項8記載の発明によれば、セラ
ミック成形体が陶磁器であることにより、食器、衛生陶
器、タイルなどの汚れ防止が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるセラミック成形体の断
面部を示す模式図
【符号の説明】
1 撥水層 2 珪酸ジルコニウム 3 釉薬 4 無機系抗菌剤 5 粘土質素地

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック表面に珪酸ジルコニウムを含
    む釉薬を主体とする中間層が形成され、この中間層表面
    に水酸基が形成され、次いで前記中間層表面に撥水層が
    形成されたセラミック成形体。
  2. 【請求項2】 珪酸ジルコニウムの含有量が5wt%以上
    30wt%以下である請求項1記載のセラミック成形体。
  3. 【請求項3】 中間層表面に形成された撥水層が有機珪
    素化合物の群より選ばれる少なくとも一種からなる請求
    項1または2記載のセラミック成形体。
  4. 【請求項4】 中間層表面に形成された撥水層がアルキ
    ルシラン化合物の群より選ばれる少なくとも一種からな
    る請求項1または2記載のセラミック成形体。
  5. 【請求項5】 中間層表面に形成された撥水層が有機フ
    ッ素化合物の群より選ばれる少なくとも一種からなる請
    求項1または2記載のセラミック成形体。
  6. 【請求項6】 中間層表面に成形された撥水層がパーフ
    ロロアルキルシラン化合物の群より選ばれる少なくとも
    一種からなる請求項1または2記載のセラミック成形
    体。
  7. 【請求項7】 セラミック表面に珪酸ジルコニウムを含
    む釉薬を主体とする中間層が形成されたセラミック成形
    体において、前記釉薬中には無機系抗菌剤が添加されて
    なる請求項1〜6のいずれか1項記載のセラミック成形
    体。
  8. 【請求項8】 セラミック成形体が陶磁器である請求項
    1〜7のいずれか1項記載のセラミック成形体。
JP2000381867A 2000-12-15 2000-12-15 セラミック成形体 Pending JP2002187764A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000381867A JP2002187764A (ja) 2000-12-15 2000-12-15 セラミック成形体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000381867A JP2002187764A (ja) 2000-12-15 2000-12-15 セラミック成形体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002187764A true JP2002187764A (ja) 2002-07-05

Family

ID=18849788

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000381867A Pending JP2002187764A (ja) 2000-12-15 2000-12-15 セラミック成形体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002187764A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN1874855B (zh) 含有有机硅烷季铵化合物和过氧化氢的清洁和多功能涂层组合物及其使用方法
US7488442B2 (en) Glass layered ceramic product
TW201223896A (en) Coated, antimicrobial, chemically strengthened glass and method
KR100628582B1 (ko) 위생도기
JP2002114588A (ja) セラミック成形体
JP2002187764A (ja) セラミック成形体
JP2002160983A (ja) セラミック成形体
JP7329976B2 (ja) トイレ便器用コーティング剤
JP2002047080A (ja) セラミック成形体
TW202130370A (zh) 抗菌膜體構造
JP2002211992A (ja) ガラス層をもつ製品及びその製造方法
JPH0884691A (ja) 温水洗浄便座
KR100689632B1 (ko) 은나노를 이용한 생활용 도자기 및 그 제조방법
JP2945266B2 (ja) 抗菌性、抗黴性を有するアルミホーロー板
TWM603358U (zh) 抗菌膜體構造
JP2002003282A (ja) 撥水性セラミックス
JP3083223B2 (ja) 歯ブラシ
RU2285683C2 (ru) Способ обработки для придания устойчивости к загрязнению и изделие, имеющее глазурованный слой, изделие из армированной керамики и способ его изготовления, и изделие, имеющее глазурованный слой, и способ его изготовления
WO2023136344A1 (ja) 衛生陶器
JP3578514B2 (ja) 抗菌性樹脂
JP3447241B2 (ja) 衛生用具
JP2000351682A (ja) タイル及びその洗浄方法並びにタイル用洗剤
JP2000159619A (ja) 防汚性部材
JPH09154772A (ja) 暖房便座
WO2020004191A1 (ja) トイレ便器用コーティング剤