JP2002113772A - 樹脂管の成形方法及び装置 - Google Patents

樹脂管の成形方法及び装置

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JP2002113772A
JP2002113772A JP2000309147A JP2000309147A JP2002113772A JP 2002113772 A JP2002113772 A JP 2002113772A JP 2000309147 A JP2000309147 A JP 2000309147A JP 2000309147 A JP2000309147 A JP 2000309147A JP 2002113772 A JP2002113772 A JP 2002113772A
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Japan
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resin
resin tube
force applying
molding
force
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JP2000309147A
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English (en)
Inventor
Masatoshi Kobayashi
正俊 小林
Koichi Kitao
幸市 北尾
Akihiko Furuta
彰彦 古田
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】金型を用いることなしに、複数の屈曲点を有
し、かつ異なる曲げ角度と異なる曲率を有する樹脂管を
制御性良く連続製造することができる樹脂管の成形方法
及び装置を提供する。 【解決手段】押出ダイから押出される樹脂管の成形方法
において、押出ダイ下流側の樹脂管表面が固化している
位置で、樹脂管の押出方向に直交する成分を有する力を
樹脂管の2箇所以上に作用させることにより樹脂管を屈
曲成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂管の成形方法
及び装置にする。
【0002】
【従来の技術】従来の樹脂管の成形において、曲管の製
造方法としては以下のような方法が用いられていた。ま
ず第一に、直管を押出成形法により製造した後、所定の
長さに切断する。第二に、直管内部に圧縮空気や砂など
を詰めて両端を閉じて再加熱する。第三に、再加熱によ
り軟化した直管を冷却金型の中に入れて屈曲成形し、こ
の冷却金型内で管を固化させた後、冷却金型から取り出
し、管の内部の圧縮空気や砂を取り除き、曲管を完成さ
せる。このように、従来の曲管製造方法は、多くの作業
工程が必要であり、かつ一台の冷却金型で一種類の屈曲
物しか製造できず、生産効率が悪いという問題があっ
た。
【0003】上記のような問題に対して、発明協会公開
技報(公技番号90−20362)には、押出された樹
脂の屈曲物を連続的に成形する方法が公表されている。
この方法はパリソンと呼ばれる溶融管形状物を連続的に
押出しながら冷却金型間に導き、冷却金型を閉じた後に
空気などを送り込むことにより屈曲物を連続的に製造す
るものである。しかし、この方法も一台の冷却金型で一
種類の屈曲物しか製造できないという問題があった。
【0004】以上のような問題に対して、特表平7−5
07732号公報には、金型を用いずに屈曲物を連続的
に製造する方法が開示されている。ここでは、押出ダイ
から押出された押出物の表面が固化している位置で押出
物に力を付与することにより屈曲させる方法と、押出ダ
イに固定された力付与手段により押出ダイから押出され
る押出物の押出速度を部分的に変えることによって屈曲
させる方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特表平7−5
07732号公報の技術では、屈曲点が一箇所の押出物
を製造する場合は問題がないが、異なる曲げ角度と異な
る曲率を有する複数の屈曲点が存在する押出物を制御性
良く製造することは困難であった。
【0006】この発明は、以上の問題点を解決し、金型
を用いることなしに、複数の屈曲点を有し、かつ異なる
曲げ角度と異なる曲率を有する樹脂管を制御性良く連続
製造することができる樹脂管の成形方法及び装置を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題は次の発明に
より解決される。 [1]押出ダイから押出される樹脂管の成形方法におい
て、押出ダイ下流側の樹脂管表面が固化している位置
で、樹脂管の押出方向に直交する成分を有する力を樹脂
管の2箇所以上に作用させることにより樹脂管を屈曲成
形することを特徴とする樹脂管の成形方法。 [2]上記[1]において、樹脂管の2箇所以上に作用
させる力の内、少なくとも2つの力が樹脂管の押出方向
に対して直交方向逆向きの力成分を有していることを特
徴とする樹脂管の成形方法。 [3]上記[1]において、樹脂管の2箇所以上に作用
させる力の内、少なくとも2つの力が樹脂管の押出方向
に対して同一方向の力成分を有していることを特徴とす
る樹脂管の成形方法。 [4]押出ダイから押出される樹脂管の成形装置におい
て、樹脂管方向に進退することにより樹脂管に対して接
離可能であって、樹脂管に当接してこれを屈曲させるた
めの力付与部を備え、樹脂管押出し側に配置される2以
上の力付与手段と、前記力付与部の移動距離及び/又は
移動速度を制御する制御手段とを有することを特徴とす
る樹脂管の成形装置。 [5]上記[4]に記載の樹脂管の成形装置を用いた樹
脂管の成形方法であって、力付与部の移動速度を制御す
ることで樹脂管の曲率を調整することを特徴とする樹脂
管の成形方法。 [6]上記[4]に記載の樹脂管の成形装置を用いた樹
脂管の成形方法であって、力付与部の移動距離を制御す
ることで樹脂管の曲げ角度を調整することを特徴とする
樹脂管の成形方法。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に係る樹脂管の成形方法の
一例は、押出ダイから押出される樹脂管の成形方法にお
いて、押出ダイ下流側の樹脂管表面が固化している位置
で、樹脂管の押出方向に直交する成分を有する力を樹脂
管の2箇所以上に作用させることにより樹脂管の屈曲成
形を行うものである。
【0009】ここで、押出ダイ下流側の樹脂管表面が固
化している位置とは、押出ダイから押出された樹脂管の
少なくとも表面が固化している位置であって、押出ダイ
から押出された際の形状が維持できる程度に固まった位
置を指す。
【0010】なお、前記樹脂管に用いられる樹脂材料と
しては特に限定されず、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブテン、架橋ポリエチレン、塩化ビニル、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネ
イト、アイオノマー等、或いはこれらの2以上の混合物
を用いることができ、さらに、前記混合物は共重合体又
は多層構造体であっても良い。
【0011】また、前記樹脂管に用いられる樹脂材料の
密度、融点、MFRなどの物性も特に限定されず、必要
に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、顔料、充
填剤、帯電防止剤、潤滑剤等の添加剤を加えても良い。
【0012】樹脂管の押出方向に直交する成分を有する
力を樹脂管に作用させることで、樹脂管に屈曲力が加わ
り屈曲部が形成される。ここで、前記力は、樹脂管に対
して屈曲力が与えられるように樹脂管の押出方向に対し
直交する成分を有する力であれば良く、樹脂管の押出方
向に直交する力成分のみで構成する必要はない。
【0013】さらに、前記力を樹脂管に対し2箇所以上
に作用させることで、複数の屈曲点を有する樹脂管の成
形が可能となる。ここで、前記樹脂管の2箇所以上に作
用させる力の力付与方向が樹脂管の押出方向と同一平面
上にある場合には樹脂管の屈曲形状は二次元の形状とな
り、樹脂管の2箇所以上に作用させる力の力付与方向が
樹脂管の押出方向と同一平面上にない場合には樹脂管の
屈曲形状は三次元の形状となる。
【0014】また、前記2箇所以上に作用させる力の
内、少なくとも2つの力が樹脂管の押出方向に対して直
交方向逆向きの力成分を有することにより、樹脂管に押
出方向に対して逆向きの力が加わりS字形状部分を含む
樹脂管の成形が可能となる。なお、ここでS字形状は同
一平面上にある場合に限られず、三次元の形状であって
も良い。
【0015】以下、図1〜3を用いてS字形状部分の樹
脂管の成形方法の一例を説明する。図1は樹脂管のS字
形状部分の成形を行う成形装置の一例を示した概略構成
図、図2は図1に示した成形装置を樹脂管の押出方向側
から見た概略構成図、図3はS字形状部分の成形方法の
一例を説明するための説明図である。
【0016】図1及び図2に示す樹脂管の成形装置は、
押出ダイ10から押出された樹脂管11と間隙をおいて
設ける力付与手段1,2と、この力付与手段1,2が樹
脂管と接する部分である力付与部1a,2aの移動距離
及び/又は移動速度を制御する制御手段3とを有する。
ここで、前記力付与手段1,2は、力付与手段1,2に
よる力の付与方向が樹脂管の押出方向に対し直交する向
きで、かつ対向する向きとなるように設置されている。
なお、前記力付与手段1,2の力付与方向は、樹脂管の
押出方向に対し直交する向きで、かつ対向する向きに限
る必要はなく、前記力付与手段1,2による力の付与方
向が樹脂管の押出方向に対し直交する向きの成分を有
し、かつ該直交する向きの成分が対向する向きであれば
良い。
【0017】また、図1,2では力付与手段が2つの場
合を図示しているが、力付与手段は2つの場合に限る必
要はなく、樹脂管を成形する形状により、適宜その数及
び設置位置を選択することができる。
【0018】ここで、力付与手段1,2には、例えば、
油圧駆動のピストン、電動駆動のピストン、空気圧駆動
のピストン等を用いることができる。油圧駆動のピスト
ンを用いる場合は、油圧ラムなどにより駆動するロッド
の先端に力付与部1a,2aを設けることにより、力付
与手段を構成することができる。また、前記力付与部1
a,2aは図2に示すように樹脂管の断面形状に合わせ
た湾曲形状とすることが好ましい。これにより、力付与
手段から樹脂管に力を効率よく伝達することができ、さ
らに樹脂管表面に傷をつけることなく屈曲部の成形が可
能となるからである。
【0019】S字形状部分の樹脂管の成形方法の一例を
図3により説明する。なお、図3には、力付与手段1,
2が樹脂管と接する部分である力付与部1a,2aのみ
を図示し、力付与手段1,2の他の部分は図示を省略す
る。
【0020】図3(a)に示すように、力付与部1a,
2aは、押出ダイ10の下流側で樹脂管11の表面が固
化している位置に、力付与部1a,2aの力付与方向が
樹脂管11の押出方向に対し直交する向きで、かつそれ
ぞれが対向する向きとなるように、樹脂管11の両側に
設置される。ここでX1,X2は、押出ダイ10から力
付与部1a,2aまでのそれぞれの距離を表す。ここ
で、X1とX2は、樹脂管11の表面が固化している位
置となる距離であれば良く、異なる距離であっても等し
い距離であっても特に制限されない。なお、押出ダイ1
0から押出される樹脂管11は、押出方向に対し真っ直
ぐに所定の位置(押出ダイ10からの距離でX1以上の
位置)まで押出される。
【0021】図3(b)では、樹脂管11が所定の位置
まで押出されたところで、力付与部1aが樹脂管11の
押出方向に対し直交する向きで樹脂管11の方向に移動
を始める。力付与部1aは、樹脂管11と接触した後も
樹脂管11の押出方向に対し直交する方向に進行を続け
樹脂管11に屈曲力を与える。樹脂管11を所定量屈曲
させたところで力付与部1aの進行を停止する。
【0022】図3(c)では、停止させた力付与部1a
を樹脂管11から離隔し所定の位置まで戻す。ここで
は、樹脂管に屈曲力を付与しない時間を調整すること
で、S字の形状の屈曲部間の直線部分の長さを調整する
ことができる。
【0023】図3(d)では、力付与部2aが樹脂管1
1の押出方向に対し直交する向きで樹脂管11の方向に
移動を始める。力付与部2aは、樹脂管11と接触した
後も樹脂管11の押出方向に対し直交する方向に進行を
続け樹脂管11に屈曲力を与える。樹脂管11を所定量
屈曲させたところで力付与部2aの進行を停止する。こ
のとき、樹脂管11は力付与部1aによる屈曲方向とは
逆方向に曲げられることになるため、樹脂管11にはS
字形状部分が形成される。
【0024】図3(e)では、停止させた力付与部2a
を所定の位置まで戻す。これにより、S字形状部分を含
む樹脂管が成形される。
【0025】ここで、力付与部1a,2aが樹脂管と接
した後の、樹脂管の押出方向に対して直交する方向の移
動速度をそれぞれV1,V2とした場合、V1及びV2
を制御することにより樹脂管の曲率を調整することがで
きる。ここで、前記V1及びV2の速度の制御は、制御
手段3により行われる。
【0026】ここで、V1及びV2の速度を遅くするこ
とにより曲率は大きくなり、V1及びV2の速度を早く
することにより曲率は小さくなる方向に変化する。
【0027】V1及びV2を制御することにより樹脂管
の曲率を調整する場合、V1/X1=V2/X2となる
ように制御することにより、力付与部1aによる屈曲部
の曲率と力付与部2aによる屈曲部の曲率とを等しくす
ることができる。また、それぞれのV1/X1及びV2
/X2の値を調整することで任意の曲率を持つ屈曲部を
容易に成形可能となる。
【0028】また、力付与部1a,2aが樹脂管と接し
た後の、樹脂管の押出方向に対して直交する方向の移動
距離をそれぞれA1,A2とした場合、A1及びA2を
制御することにより樹脂管の曲げ部の曲げ角度を調整す
ることができる。ここで、前記A1及びA2の移動距離
の制御は、制御手段3により行われる。
【0029】ここで、A1及びA2の移動距離を長くす
ることにより曲げ角度は大きくなり、A1及びA2の移
動距離を短くすることにより曲げ角度は小さくなる方向
に変化する。
【0030】A1及びA2を制御することにより樹脂管
の曲げ部の曲げ角度を調整する場合、A1/X1=A2
/X2となるように制御することにより、力付与部1a
による屈曲部の曲げ角度と力付与部2aによる屈曲部の
曲げ角度とを等しくすることができる。また、それぞれ
のA1/X1及びA2/X2の値を調整することで任意
の曲げ角度を持つ屈曲部を容易に成形可能となる。
【0031】また、樹脂管の2箇所以上に作用させる力
の内、少なくとも2つの力が樹脂管の押出方向に対して
同一方向の力成分を有していることにより、樹脂管に押
出方向に対して同一方向の力が加わりU字形状部分を含
む樹脂管の成形が可能となる。なお、ここでU字形状は
同一平面上にある場合に限られず、三次元の形状であっ
ても良い。
【0032】以下、図4及び図5を用いてU字形状部分
の樹脂管の成形方法の一例を説明する。図4は樹脂管の
U字形状部分の成形を行う成形装置の一例を示した概略
構成図であり、図5はU字形状部分の成形方法の一例を
説明するための説明図である。
【0033】図4に示す樹脂管の成形装置は、押出ダイ
10から押出された樹脂管11と間隙をおいて設ける力
付与手段3,4と、この力付与手段3,4が樹脂管と接
する部分である力付与部3a,4aの移動距離及び/又
は移動速度を制御する制御手段3とを有する。ここで、
前記力付与手段3,4は、力付与手段3,4による力の
付与方向が樹脂管の押出方向に対し直交する向きで、か
つ同一方向となるように設置されている。なお、前記力
付与手段3,4の力付与方向は、樹脂管の押出方向に対
し直交する向きで、かつ同一方向に限る必要はなく、前
記力付与手段3,4による力の付与方向が樹脂管の押出
方向に対し直交する向きの成分を有し、かつ該直交する
向きの成分が同一方向であれば良い。
【0034】また、図4では力付与手段が2つの場合を
図示しているが、力付与手段は2つの場合に限る必要は
なく、樹脂管を成形する形状により、適宜その数及び設
置位置を調整することができる。
【0035】ここで、力付与手段3,4には、図1及び
図2で説明した力付与手段と同じ物を用いることができ
る。
【0036】U字形状部分の樹脂管の成形方法の一例を
図5により説明する。なお、図5には、力付与手段3,
4が樹脂管と接する部分である力付与部3a,4aのみ
を図示し、力付与手段3,4の他の部分は図示を省略す
る。
【0037】図5(a)に示すように、力付与部3a,
4aは、押出ダイ10の下流側で樹脂管11の表面が固
化している位置に、力付与部3a,4aの力付与方向が
樹脂管11の押出方向に対し直交する向きで、かつそれ
ぞれが同一方向となるように樹脂管の押出方向に対し同
一直線上に設置される。ここでX3,X4は、押出ダイ
10から力付与部3a,4aまでのそれぞれの距離を表
す。ここで、X3とX4は、樹脂管11の表面が固化し
ている位置となる距離であれば良い。なお、押出ダイ1
0から押出される樹脂管11は、押出方向に対し真っ直
ぐに所定の位置(押出ダイ10からの距離でX3以上の
位置)まで押出される。
【0038】図5(b)では、樹脂管11が所定の位置
まで押出されたところで、力付与部3aが樹脂管11の
押出方向に対し直交する向きで樹脂管11の方向に移動
を始める。力付与部3aは、樹脂管11と接触した後も
樹脂管11の押出方向に対し直交する方向に進行を続け
樹脂管11に屈曲力を与える。樹脂管11を所定量屈曲
させたところで力付与部3aの進行を停止する。
【0039】図5(c)では、停止させた力付与部3a
を樹脂管11から離隔し所定の位置まで戻す。ここで
は、樹脂管に屈曲力を付与しない時間を調整すること
で、U字の形状を調整することができる。
【0040】図5(d)では、力付与部4aが樹脂管1
1の押出方向に対し直交する向きで樹脂管11の方向に
移動を始める。力付与部4aは、樹脂管11と接触した
後も樹脂管11の押出方向に対し直交する方向に進行を
続け樹脂管11に屈曲力を与える。樹脂管11を所定量
屈曲させたところで力付与部4aの進行を停止する。こ
のとき、樹脂管11は力付与部3aによる屈曲方向とは
同一方向に曲げられることになるため、樹脂管11には
U字形状部分が形成され、これにより、U字形状部分を
含む樹脂管が成形される。
【0041】ここで、力付与部3a,4aが樹脂管と接
した後の、樹脂管の押出方向に対して直交する方向の移
動速度をそれぞれV3,V4とした場合、V3及びV4
を制御することにより樹脂管の曲率を調整することがで
きる。ここで、前記V3及びV4の速度の制御は、制御
手段3により行われる。
【0042】ここで、V3及びV4の速度を遅くするこ
とにより曲率は大きくなり、V1及びV2の速度を早く
することにより曲率は小さくなる方向に変化する。
【0043】V3及びV4を制御することにより樹脂管
の曲率を調整する場合、V3/X3=V4/X4となる
ように制御することにより、力付与部3aによる屈曲部
の曲率と力付与部4aによる屈曲部の曲率とを等しくす
ることができる。また、それぞれのV3/X3及びV4
/X4の値を調整することで任意の曲率を持つ屈曲部を
容易に成形可能となる。
【0044】また、力付与部3a,4aが樹脂管と接し
た後の、樹脂管の押出方向に対して直交する方向の移動
距離をそれぞれA3,A4とした場合、A3及びA4を
制御することにより樹脂管の曲げ部の曲げ角度を調整す
ることができる。ここで、前記A3及びA4の移動距離
の制御は、制御手段3により行われる。
【0045】ここで、A3及びA4の移動距離を長くす
ることにより曲げ角度は大きくなり、A3及びA4の移
動距離を短くすることにより曲げ角度は小さくなる方向
に変化する。
【0046】A3及びA4を制御することにより樹脂管
の曲げ部の曲げ角度を調整する場合、A3/X3=A4
/X4となるように制御することにより、力付与部3a
による屈曲部の曲げ角度と力付与部4aによる屈曲部の
曲げ角度とを等しくすることができる。また、それぞれ
のA3/X3及びA4/X4の値を調整することで任意
の曲げ角度を持つ屈曲部を容易に成形可能となる。
【0047】また、図4及び図5に示すU字形状部分の
成形を行う樹脂管の成形装置及び成形方法において、力
付与手段が1つの場合でもU字形状部分の成形が可能で
ある。この場合のU字形状部分の樹脂管の成形方法の一
例を図6により説明する。なお、図3及び図5と同様に
力付与手段は、力付与手段5が樹脂管と接する部分であ
る力付与部5aのみを図示し、力付与手段5の他の部分
は図示を省略する。
【0048】図6(a)に示すように、力付与部5a
は、押出ダイ10の下流側で樹脂管11の表面が固化し
ている位置に、力付与部5aの力付与方向が樹脂管11
の押出方向に対し直交する向きに設置される。ここでX
5は、押出ダイ10から力付与部5aまでの距離を表
し、樹脂管11の表面が固化している位置となる距離で
あれば良い。なお、押出ダイ10から押出される樹脂管
11は、押出方向に対し真っ直ぐに所定の位置(押出ダ
イ10からの距離でX5以上の位置)まで押出される。
【0049】図6(b)では、樹脂管11が所定の位置
まで押出されたところで、力付与部5aが樹脂管11の
押出方向に対し直交する向きで樹脂管11の方向に移動
を始める。力付与部5aは、樹脂管11と接触した後も
樹脂管11の押出方向に対し直交する方向に進行を続け
樹脂管11に屈曲力を与える。樹脂管11を所定量屈曲
させたところで力付与部5aの進行を停止する。
【0050】図6(c)では、停止させた力付与部5a
を固定することで樹脂管11と接触を続けて屈曲力を与
え続ける。
【0051】図6(d)では、所定形状のU字管とした
ところで樹脂管11から離隔させ所定の位置まで戻す。
これにより、U字形状部分を含む樹脂管が成形される。
なお、力付与部5aが樹脂管と接した後の、樹脂管の押
出方向に対して直交する方向の移動速度V5及び移動距
離A5を調整することで任意の曲率及び曲げ角度を有す
るU字形状部分の成形が可能となる。
【0052】以上の図6に示した方法により、同一平面
内の同一方向の曲げを有する樹脂管を容易に形成するこ
とが可能となる。
【0053】以上の樹脂管の成形において、押出ダイ1
0として、例えば、押出ダイの先端部分に冷却ゾーンを
設けた押出ダイを用いることが好ましい。図7は、押出
ダイ10の先端部分に冷却ゾーン15を設けた押出ダイ
の断面図である。冷却ゾーン15には冷却水を通水する
ための冷却水通路17が設けられており、冷却水を通す
ことにより冷却ゾーン15の冷却を行う。押出ダイ10
の先端部分に冷却ゾーン15を設けた押出ダイを用いる
ことにより、押出す樹脂表面の固化が促進されるため樹
脂を高速度で押出すことか可能となり、生産効率を向上
させることができる。さらに、押出ダイの先端部分に冷
却ゾーンを設けた押出ダイ内部の樹脂流路には、流路内
の溶融樹脂に脈流を発生させる手段を設けることが好ま
しい。脈流を発生させる手段としては、例えばピストン
16を押出ダイ内部の樹脂流路に設置する方法がある。
押出ダイ内部の溶融樹脂に脈流を発生させることによ
り、押出ダイの先端部分に冷却ゾーン15を設けた場合
や押出物の屈曲による押出ダイ内部の樹脂の高圧力化を
低減させることが可能となる。
【0054】
【実施例】(実施例1)図1〜3に示す成形装置を用い
て樹脂管の成形を行った。ここで、押出ダイ10は二重
環タイプのものを使用し、アウターの内径をφ114m
m、マンドレルの外径をφ96mmとした。
【0055】また、本実施例で使用した押出ダイ10
は、図7に示した押出ダイの先端部分に冷却ゾーンを設
けた物を使用した。ここで、押出ダイ10の上流側は2
00℃に温度設定し、冷却ゾーン15は10℃に温度設
定した。押出ダイ10から押出される樹脂は、冷却ゾー
ン15で表面が固化され管状体となって押出される。本
実施例では、前記樹脂として中密度ポリエチレンを用い
た。
【0056】押出ダイ10から下流側に、図3で示した
X1が410mm、X2が205mmとなる位置に力付
与部がくるように力付与手段を設置した。なお、力付与
部1a及び2aは、樹脂管の押出し方向と直交方向に移
動できるようにし、それぞれ200mm移動すると押出
物に接する位置に設置した。
【0057】図示していないが押出ダイ10の上流側に
設置されている押出機のスクリューを回転させ、さらに
図7に示したピストン16を振動させながら、押出物を
押出ダイ10より押出し、押出物の先端が押出しダイ1
0より500mmの位置に達したところで、押出ダイ1
0から410mm離して設置した力付与部1aを移動速
度1mm/sec、樹脂管に接してからの移動距離を4
10mmとして押出物を屈曲させた。さらに、押出ダイ
から205mm離して設置した力付与部2aを移動速度
0.5mm/sec、樹脂管に接してからの移動距離を
205mmとして押出物を屈曲させた。
【0058】実施例1により、曲げ角度がそれぞれ90
°、曲率がそれぞれ約3D(D:管外径)となるS字形
状部分を含む樹脂管が形成された。
【0059】(実施例2)実施例1において、押出ダイ
10より押出された押出物の先端が押出しダイ10より
500mmの位置に達したところで、押出ダイ10から
410mm離して設置した力付与部1aを移動速度1m
m/sec、樹脂管に接してからの移動距離を205m
mとして押出物を屈曲させた。さらに、押出ダイから2
05mm離して設置した力付与部2aを移動速度0.5
mm/sec、樹脂管に接してからの移動距離を205
mmとして押出物を屈曲させた。なお、他の条件は実施
例1と同一とした。
【0060】実施例2では、力付与部1aによる曲げ角
度が45°、力付与部2aによる曲げ角度が90°、曲
率がそれぞれ約3D(D:管外径)となるS字形状部分
を含む樹脂管が形成された。
【0061】(実施例3)図4及び図5に示す成形装置
を用いて樹脂管の成形を行った。ここで、押出ダイ10
は実施例1と同一の物を同一条件で使用し、樹脂も同様
に中密度ポリエチレンを用いた。
【0062】押出ダイ10から下流側に、図5で示した
X3が410mm、X4が205mmとなる位置に力付
与部がくるように力付与手段を設置した。なお、力付与
部3a及び4aは、樹脂管の押出し方向と直交方向に移
動できるようにし、それぞれ10mm移動すると押出物
に接する位置に設置した。
【0063】押出物を押出ダイ10より押出し、押出物
の先端が押出しダイ10より500mmの位置に達した
ところで、押出ダイ10から410mm離して設置した
力付与部3aを移動速度1mm/sec、樹脂管に接し
てからの移動距離を410mmとして押出物を屈曲させ
た。さらに、押出ダイから205mm離して設置した力
付与部4aを移動速度0.5mm/sec、樹脂管に接
してからの移動距離を205mmとして押出物を屈曲さ
せた。
【0064】実施例3により、曲げ角度がそれぞれ90
°、曲率がそれぞれ約3D(D:管外径)となるU字形
状部分を含む樹脂管が形成された。
【0065】(実施例4)実施例3において、押出ダイ
10より押出された押出物の先端が押出しダイ10より
500mmの位置に達したところで、押出ダイ10から
410mm離して設置した力付与部3aを移動速度1m
m/sec、樹脂管に接してからの移動距離を205m
mとして押出物を屈曲させた。さらに、押出ダイから2
05mm離して設置した力付与部4aを移動速度0.5
mm/sec、樹脂管に接してからの移動距離を205
mmとして押出物を屈曲させた。なお、他の条件は実施
例3と同一とした。
【0066】実施例4では、力付与部3aによる曲げ角
度が45°、力付与部4aによる曲げ角度が90°、曲
率がそれぞれ約3D(D:管外径)となるU字形状部分
を含む樹脂管が形成された。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、金
型を用いることなしに、複数の屈曲点を有し、かつ異な
る曲げ角度と異なる曲率を有する樹脂管を制御性良く連
続製造することができる樹脂管の成形方法及び装置が提
供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】樹脂管のS字形状部分の成形を行う成形装置の
一例を示した概略構成図である。
【図2】図1に示した成形装置を樹脂管の押出方向側か
ら見た概略構成図である。
【図3】S字形状部分の成形方法の一例を説明するため
の説明図である。
【図4】樹脂管のU字形状部分の成形を行う成形装置の
一例を示した概略構成図である。
【図5】U字形状部分の成形方法の一例を説明するため
の説明図である。
【図6】力付与手段が1つの場合におけるU字形状部分
の成形方法の一例を説明するための説明図である。
【図7】押出ダイの先端部分に冷却ゾーンを設けた押出
ダイの断面図である。
【符号の説明】
1,2 力付与手段 1a,2a 力付与部 3 制御手段 10 押出ダイ 11 樹脂管 15 ピストン 16 冷却ゾーン 17 冷却水通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古田 彰彦 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4F209 AG08 AR07 AR08 AR12 NA01 NA10 NB02 NG03 NG12 NJ09

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】押出ダイから押出される樹脂管の成形方法
    において、押出ダイ下流側の樹脂管表面が固化している
    位置で、樹脂管の押出方向に直交する成分を有する力を
    樹脂管の2箇所以上に作用させることにより樹脂管を屈
    曲成形することを特徴とする樹脂管の成形方法。
  2. 【請求項2】樹脂管の2箇所以上に作用させる力の内、
    少なくとも2つの力が樹脂管の押出方向に対して直交方
    向逆向きの力成分を有していることを特徴とする請求項
    1に記載の樹脂管の成形方法。
  3. 【請求項3】樹脂管の2箇所以上に作用させる力の内、
    少なくとも2つの力が樹脂管の押出方向に対して同一方
    向の力成分を有していることを特徴とする請求項1に記
    載の樹脂管の成形方法。
  4. 【請求項4】押出ダイから押出される樹脂管の成形装置
    において、樹脂管方向に進退することにより樹脂管に対
    して接離可能であって、樹脂管に当接してこれを屈曲さ
    せるための力付与部を備え、樹脂管押出し側に配置され
    る2以上の力付与手段と、前記力付与部の移動距離及び
    /又は移動速度を制御する制御手段とを有することを特
    徴とする樹脂管の成形装置。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の樹脂管の成形装置を用い
    た樹脂管の成形方法であって、力付与部の移動速度を制
    御することで樹脂管の曲率を調整することを特徴とする
    樹脂管の成形方法。
  6. 【請求項6】請求項4に記載の樹脂管の成形装置を用い
    た樹脂管の成形方法であって、力付与部の移動距離を制
    御することで樹脂管の曲げ角度を調整することを特徴と
    する樹脂管の成形方法。
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