JP2002113652A - ワイヤソーを用いる自走式切断装置 - Google Patents

ワイヤソーを用いる自走式切断装置

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JP2002113652A
JP2002113652A JP2000306578A JP2000306578A JP2002113652A JP 2002113652 A JP2002113652 A JP 2002113652A JP 2000306578 A JP2000306578 A JP 2000306578A JP 2000306578 A JP2000306578 A JP 2000306578A JP 2002113652 A JP2002113652 A JP 2002113652A
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Japan
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wire saw
self
cutting
pulley
base portion
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JP2000306578A
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Takao Kijima
隆男 木嶋
Hiroshi Miyagawa
宏 宮川
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Obayashi Corp
Original Assignee
Obayashi Corp
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  • Processing Of Stones Or Stones Resemblance Materials (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 切断対象物の周囲に広い作業空間の確保が困
難な場合でも、効率的な切断作業を可能にする。 【解決手段】 切断装置は、無軌道式の自走走行体10
と、この自走走行体10に搭載された切断装置本体12
とを備えている。断装置本体12は、自走走行体10の
前面側に垂設された基盤部16と、駆動プーリ18と、
一対のアーム20とを備えている。基盤部16と自走走
行体10との間には、上下移動機構22と、旋回回転機
構24とが設けられている。柱状切断対象物を切断する
際には、アーム20のそれぞれの先端に設けられた主ガ
イドプーリ36を介して、柱状切断対象物の前面側にワ
イヤソーを位置させ、このワイヤソーを駆動プーリー1
8により循環走行させることにより切断対象物を摩擦切
削して、前面側から背面側に向けて押切り切断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ワイヤソーを用
いる自走式切断装置に関し、特に、柱状切断対象物を前
面側から背面側に向けて押し切ることができる自走式切
断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鉄筋コンクリート構造物の解体方法とし
て、近時、ワイヤソー工法が注目されている。ワイヤソ
ー工法は、ワイヤロープに筒状のダイヤモンドビーズが
遊嵌されたワイヤソーを、切断対象物に巻き付けて、ワ
イヤソーを所定の張力状態で循環走行させることで摩擦
切断するので、騒音の発生が少なく、余分な切断も生じ
ないという利点がある。
【0003】特開平7−189502号公報には、この
種のワイヤソーを用いるコンクリート切断装置の一例が
開示されている。この公開公報に開示されている切断装
置は、工事現場への搬入を容易にするために、ワイヤソ
ー切断機をクローラ式の自走走行体に搭載している。
【0004】しかしながら、この公開公報に開示されて
いるコンクリート切断装置には、以下に説明する技術的
な課題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、上記公開公
報に開示されているコンクリート切断装置は、柱状切断
対象物を切断する際には、自走走行体に搭載されている
ワイヤソー切断機側から巻き出したワイヤソーを、切断
対象物の外周に巻き付け、自走走行体を切断対象物から
離間するように移動させることで、ワイヤソーの張力を
所定値に保つようにしている。
【0006】ところが、このような切断では、特に、切
断面積が大きくなると、切断対象物の周囲に、走行体を
移動させるだけの広い作業空間が必要になり、このよう
な作業空間が確保できない場合には、切断作業が殆ど不
可能になるという問題があった。
【0007】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたものであって、その目的とするところは、切
断対象物の周囲に広い作業空間の確保が困難な場合で
も、切断作業が可能になるワイヤソーを用いる自走式切
断装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、無軌道式の自走走行体と、前記自走走行
体に搭載され、ループ状に結合されたワイヤソーを循環
走行させる駆動プーリと、柱状切断対象物の両側に設置
される一対のアームとを備えた切断装置本体とを有し、
前記アームのそれぞれの先端に設けられた主ガイドプー
リを介して、前記ワイヤソーを前記柱状切断対象物の前
面側に位置させるか、または、前面側に巻き掛けるよう
にして設置し、前記ワイヤソーを前記駆動プーリーによ
り循環走行させながら前方移動させることにより前記切
断対象物を摩擦切削して、前面側から背面側に向けて押
切り切断するようにした。このように構成したワイヤソ
ーを用いる自走式切断装置によれば、駆動プーリやアー
ムを備えた切断装置本体を無軌道式の自走走行体に搭載
し、アームのそれぞれの先端に設けられた主ガイドプー
リを介して、ワイヤソーを柱状切断対象物の前面側に位
置させるか、または、前面側に巻き掛けるようにして設
置し、ワイヤソーを駆動プーリーにより循環走行させな
がら前方移動させることにより切断対象物を摩擦切削し
て、前面側から背面側に向けて押切り切断するので、複
数の柱状切断対象物を連続切断する場合には、自走走行
体を移動させて、ワイヤソーを前面側に巻き付けること
などで切断作業が行え、盛替え作業に時間がかからず、
効率的に行える。また、本発明の切断装置では、柱状切
断対象物を前面側から背面側に向けて押切り切断するの
で、切断対象物の周囲に広い作業空間がなくても、切断
作業が行える。前記装置本体は、前記自走走行体の前面
側に垂設支持された基盤部を有し、前記基盤部には、そ
の前面側に前記駆動プーリが回転自在に支持されるとと
もに、必要に応じて掛け替えることにより余長部を吸収
するワイヤソー長調整用プーリ群と、中間ガイドプーリ
とが前面側に回転自在に支持され、前記基盤部の主平面
と直交するように、その一端に前記アームが取付けら
れ、前記アームが前記基盤部に結合される基端側にそれ
ぞれ配置され、前記主ガイドプーリに巻回されたワイヤ
ソーの走行方向を前記駆動プーリ側に変換させる一対の
走行方向変換プーリとを設けることができる。この構成
によれば、必要に応じて掛け替えることにより余長部を
吸収するワイヤソー長調整用プーリ群を有しているの
で、押切り切断の進行により、ワイヤソーに余長が発生
すると、ワイヤソー長調整用プーリ群に掛け替えること
で、切断に必要な張力を確保することができる。前記基
盤部と前記走行体との間には、上下移動機構と旋回回転
機構とを設けることができる。この構成によれば、上下
移動機構や旋回回転機構により基盤部を上下方向に移動
させたり、あるいは、旋回回転させることにより、切断
位置を上下に変更することができるので、多様な切断が
可能になる。前記上下移動機構は、前後移動自在に構成
することができる。この構成によれば、自走走行体を固
定した状態でも、上下移動機構を前後方向に移動させる
ことで、柱状切断対象物を押切り切断することができ
る。前記アームは、その一方を、前記基盤部に回転自在
に取付けることができる。この構成によれば、一方のア
ームを回転することにより、一対のアーム間の間隔が変
わるので、径の異なる柱状切断対象物に対応することが
できる。前記基盤部は、フレーム部と、このフレーム部
の一端に固設された固定基盤部と、前記フレーム部に移
動自在に支持され、前記固定基盤部に対して近接離間自
在な可動基盤部と、前記可動基盤部の移動用シリンダと
を備え、前記ワイヤソー長調整用プーリ群を前記固定基
盤部と前記可動基盤部とに分割して配設することができ
る。この構成によれば、移動用シリンダを作動させる
と、フレーム部に移動自在に支持された可動基盤部が移
動して、固定基盤部との間隔が変わり、この結果、固定
基盤部と可動基盤部とに分割して配設したワイヤソー長
調整用プーリ群の間隔が変化するので、掛け替えによる
ワイヤソーの余長を吸収できる範囲が大きくなる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について、添付図面に基づいて詳細に説明する。図1か
ら図7は、本発明にかかるワイヤソーを用いる自走式切
断装置の一実施例を示している。
【0010】同図に示した自走式切断装置は、無軌道式
の自走走行体10と、この自走走行体10に搭載された
切断装置本体12とを備えている。自走走行体10は、
ベースフレーム10aと、複数の車輪10bと、駆動部
10cと、運転者のヘッドカバー10dとを備えてい
る。
【0011】複数の車輪10bは、ベースフレーム10
aの下面側に回転自在に支持されていて、駆動部10c
により回転駆動される。また、駆動部10cの上面に
は、後述する上下移動機構や旋回回転機構などの作動さ
せるためのスイッチ類10eが設けられている。
【0012】図1,2に示した符号10fの部材は、走
行体10の操舵を行うための操作ハンドルであり、ま
た、符合10gは、上下移動機構や旋回回転機構などに
駆動力を供給する油圧ユニットである。
【0013】自走走行体10のベースフレーム10aの
前端には、アウトリガー14が揺動自在に取付けられて
いる。このアウトリガー14は、図1,2には、一部し
か示していないが、ベースフレーム10aの両端側に配
置され、伸縮自在な脚部を着底させることにより、自走
走行体10を任意の位置に固定することができる。
【0014】切断装置本体12は、自走走行体10の前
面側に垂設された基盤部16と、駆動プーリ18と、一
対のアーム20とを備えている。基盤部16と自走走行
体10との間には、上下移動機構22と、旋回回転機構
24とが設けられている。
【0015】上下移動機構22は、自走走行体10のベ
ースフレーム10aに前後移動自在に支持されていて、
ガイドポスト22aと、上下移動用キャリア22bと、
前後移動用キャリア22cとを備えている。
【0016】この上下移動機構22の詳細を図3,4に
示している。ガイドポスト22aは、略コ字形断面の部
材から構成され、積層された二重構造の内,外ガイド2
20a,221aを備え、同一構成の一対の内,外ガイ
ド220a,221aのコ字形開口部が対向するように
立設した状態で外ガイド221a間を連結カバー22d
により結合させている。
【0017】ガイドポスト22aの内ガイド220a
は、外ガイド221aの内面に沿って上下方向にスライ
ド移動するようになっている。
【0018】上下移動用キャリア22bは、両端上下に
合計8個のローラ22eが回転可能に支持されている。
このローラ22eは、ガイドポスト22aの内ガイド2
20aの内面に沿って転動するようになっている。
【0019】また、上下移動用キャリア22dの上端に
は、チェーン22fの一端が固設され、チェーン22f
は、内ガイド220aの内面に沿って上方に延び、内ガ
イド220aの上端に取付けられたスプロケットホイル
22gに巻回された後に、外ガイド221aに沿って下
方に延設されて、外ガイド221aの外面に他端が固設
されている。
【0020】さらに、内ガイド220aには、下端がベ
ースフレーム10aに固設された油圧シンリダ22hの
伸縮プランジャが固設されている。このように構成され
た上下移動機構22では、油圧シリンダ22hを伸縮さ
せると、油圧シリンダ22hの伸縮ストロークの2倍の
大きさで、上下移動用キャリア22bが上下移動する。
【0021】一方、前後移動キャリア22cは、ガイド
ポスト22aの下端に固設されていて、下端側に設けら
れたローラ22iが自走走行体10のベースフレーム1
0aに沿って転動することにより、ガイドポスト22a
を前後方向に移動させる。
【0022】旋回回転機構24は、固定部24aと回転
部24bとを備えていて、固定部24aが上下移動機構
22の上下移動用キャリア22bに固設されている。切
断装置本体12の基盤部16は、図1,5に示すよう
に、フレーム部16aと、固定基盤部16bと、可動基
盤部16cと、移動シリンダ16dとを備えている。
【0023】フレーム部16aは、枠状に形成されてい
て、旋回回転機構24の前面側に垂設され、その下面側
の中央部分が回転部24bに固設されている。固定基盤
部16bは、平板状のものであって、フレーム部16a
の前面下方に固設されている。
【0024】可動基盤部16cは、平板状のものであっ
て、固定基盤部16bと同一面上に位置して、固定基盤
部16bに対して、近接離間自在にフレーム部16aに
支持されている。移動用シリンダ16dは、フレーム部
16aの長手方向のほぼ中心軸上設置され、伸縮プラン
ジャが可動基盤部16cに固設されている。
【0025】可動基盤部16cの幅方向の一端側には、
ワイヤソーWの駆動プーリ18が回転自在に支持されて
いるとともに、その他端側には、中間ガイドプーリ26
が回転自在に支持されている。この場合、駆動プーリ1
8の回転面と中間ガイドプーリ26との回転面は、可動
基盤部16cの面と平行なほぼ同じ面上に位置してい
る。
【0026】また、可動基盤部16cのほぼ中央部分に
は、必要に応じてワイヤソーWを掛け替えることによ
り、ワイヤソーWに発生する余長部を吸収するワイヤソ
ー長調整用プーリ群28が回転自在に支持されている。
【0027】本実施例のワイヤソー長調整用プーリ群2
8は、上下方向に所定の間隔を隔てて1列状に配列され
た第1および第2プーリ群28a,28bを有してい
る。一方、固定基盤部16bのほぼ中央部分には、ワイ
ヤソー長調整用プーリ群28の一部である第3プーリ群
28cが回転自在に支持されている。
【0028】本実施例の場合には、ワイヤソー長調整用
プーリ群28は、可動基盤部16c側に設けられた第1
および第2プリー群28a,28bと、固定基盤部16
b側に設けられた第3プーリ群28cとに分割されてい
て、これらのプーリ群28間でワイヤソーWの掛け替え
ができるようになっている。
【0029】一方、一対のアーム20は、略凹字形に形
成された本体フレーム20aと、取付ブラケット20b
と、リング20cとを備えている。
【0030】取付ブラケット20bは、本体フレーム2
0aの基端側に、本体フレーム20aの長手軸と直交す
るように、その上方に延設され、一方の取付ブラケット
20b(図1,6に前方側に示したもの)は、基盤部1
6の固定基盤部16bの下部側に固設されている。
【0031】他方の取付ブラケット20bは、固定基盤
部16に中心が固設された回転リング34に固設されて
いて、回転リング34を回転することにより、この取付
ブラケット20bが設けられた側のアーム20が、図5
に矢印で示すように回転するようになっている。
【0032】本実施例のこの構成によれば、一方のアー
ム20を回転リング34を介して、回転させることによ
り、一対のアーム20間の間隔が変わるので、アーム2
0間に切断対象物を挟み込んで押切り切断する際に、径
の異なる柱状切断対象物に対応することができる。
【0033】なお、この場合に、各アーム20の先端側
に設けられている主ガイドプーリ36の回転面の調整が
必要であれば、後述するように、リング20c内での回
転で対応することができ、主ガイドプーリ36同士の回
転面を一致させることができる。
【0034】各アーム20の本体フレーム20aの先端
には、主ガイドプーリ36が設けられ、各主ガイドプー
リ36は、外周にワイヤソーWが嵌合される輪状溝設け
られたプーリ本体36aと、プーリ本体36aの回転中
心に設けられたピン36bと、ピン36bを回転自在に
支持する筒状のホルダ36cとを備えている。
【0035】本実施例の場合、各主ガイドプーリ36
は、筒状のホルダ36cが本体フレーム20aの先端に
設けられたリング20bに挿通され、ネジの螺着により
固定されている。
【0036】このような構造で支持されている各主ガイ
ドプーリ36は、ホルダ36cをリング20b内で回転
させてネジ止めすることにより、プーリ本体36aの回
転面を変更することができる。
【0037】他方、基盤部16の固定基盤部16bの幅
方向の両端には、一対の走行方向変換プーリ38が取付
けられている。この走行方向変換プーリ38は、各アー
ム20が基盤部16側に結合される基端側に配置され、
かつ、固定基盤部16bに支持されていて、ワイヤソー
Wの走行方向を主ガイドプーリ36側から駆動プーリ1
8側に変更させる。
【0038】本実施例の場合、一対の走行方向変換プー
リ38は、同一構成のものであって、回転面が固体基盤
部16bの主平面と平行になるように回転自在支持され
た第1変換プーリ38aと、この第1変換プーリ38a
と回転面が直交する平面になるように回転自在支持され
た第2変換プーリ38bとを備えていて、第2変換プー
リ38bのプーリ本体380bの外周溝内に嵌合された
ワイヤソーWが、この第2変換プーリ28bの支持部3
81bの中心を通過して、第1変換プーリ38aのプー
リ本体380aの外周溝内に脱輪することなく嵌合され
るように設定されている。
【0039】図6は、ワイヤソーWを循環走行させる駆
動プーリ18の取付部分の詳細図である。駆動プーリ1
8は、基盤部16の可動基盤部16cの上端側部に切欠
部16eを形成し、この切欠部16eに取付ブラケット
16fを設けて回転自在に支持されている。
【0040】駆動プーリ18は、外周にワイヤソーWの
嵌合溝が設けられたプーリ本体18aと、回転軸部18
bとを備え、回転軸部18bには、油圧駆動モータ18
cが連結されている。
【0041】以上のように構成された切断装置で柱状切
断対象物Bを水平切断する際には、まず、自走走行体1
0を走行させて対象物Bの近傍まで移動させ、一対のア
ーム20間に切断対象物Bを挟むようにして設置する。
【0042】この場合、アーム20間の間隔は、一方の
アーム20を回転リング34を介して回転させて調整
し、必要に応じて主ガイドプーリ36の回転面も調整す
る。
【0043】また、切断対象物Bの切断する水平面に応
じて、上下移動機構22を作動させて、アーム20の先
端に設けられている主ガイドプーリ36のプーリ本体3
6aの外周溝をこれに合わせる。
【0044】そして、例えば、図7(A)に示すよう
に、ワイヤソーWを駆動プーリ18から、固定基盤部1
6b側の第3プーリ群28cの1つに巻回した後に、可
動基盤部16c側の第2および第3プーリ群28b,2
8aの順に巻回し、さらに、中間プーリ26の外周に巻
回する。
【0045】次に、中間プーリ26から一方の走行方向
変換プーリ38に巻回することにより、ワイヤソーWの
走行方向を基盤部16の主平面(図においては、ほぼ鉛
直方向になっている)から、これと直交する平面(図に
おいては、ほぼ水平方向になっている)に変換して、主
ガイドプーリ36を介して、切断対象物Bの前面側に巻
きつけた後に、他方の主ガイドプーリー36の外周に巻
きつける。
【0046】そして、主ガイドプーリ36と他方の走行
方向変換プーリ38とを介して、駆動プーリ18に戻し
て、ワイヤソーWは、ループ状になるように結合させ
る。
【0047】このようなワイヤソーWの巻回が終了する
と、ワイヤソーWを駆動プーリ18の回転駆動により循
環走行させて、注水しながらワイヤソーWを切断対象物
Bの表面に摩擦接触させて切削して、ワイヤソーWを前
面から背面側に向けて移動させることで、切断対象物B
を押切り切断する。
【0048】この場合の押切り切断には、本実施例の場
合には、切断に伴って発生するワイヤソーWの余長の吸
収方法により、以下に示す複数の態様から選択すること
ができる。 .ワイヤソーWの切断に伴う余長をワイヤソー長調整
プーリ群28により吸収する方法 この方法は、走行体10をアウトリガー14により所定
の位置に固定し、一対アーム20に設けられている主ガ
イドプーリ36は、切断対象物Bの背面側の端部よりも
奥側に位置させ、この位置も固定する。
【0049】切断が進行すると、切断対象物Bに巻き掛
けられているワイヤソーWは、徐々に背面側に移動し、
このような切断の進行により発生するワイヤソーWの余
長部分は、図7(B)から図7(D)に示すように、プ
ーリ群28の第1〜第3プーリ群28a〜28cに適宜
掛け替えることにより巻回長さを変更して、ワイヤソー
Wの余長を吸収する。 .ワイヤソーWの切断に伴う余長を基盤部16の移動
用シリンダ16dの制御により吸収する方法 この方法は、走行体10をアウトリガー14により所定
の位置に固定し、一対アーム20に設けられている主ガ
イドプーリ36は、切断対象物Bの背面側の端部よりも
奥側に位置させ、この位置も固定する。
【0050】切断の進行により発生するワイヤソーWの
余長部分は、例えば、図7(A)に示すような状態で巻
回させたワイヤソーWを、移動用シリンダ16dを駆動
させて可動基盤部16cを固定基盤部16bから離間さ
せ、この離間長さの変更により吸収する。 .およびの併用方法 この方法によれば、移動用シリンダ16の伸長とプーリ
群28との間の掛け替えとを併用することにより、ワイ
ヤソーWの余長を吸収できる範囲が大きくなり、より一
層大きな面積の切断に適したものとなる。
【0051】また、本実施例の切断装置では、自走走行
体10を固定して切断対象物Bを押切り切断する態様
は、上述した主ガイドプーリ36を、切断対象物Bの背
面側の端部よりも奥側に位置させて切断すること以外
に、以下の方法も採用することができる。
【0052】すなわち、まず、主ガイドプーリ36は、
切断対象物Bの前面よりも若干奥側に位置させて、ワイ
ヤソーWが対象物Bの前面側に一部掛かるようにして巻
き付ける。そして、切断の進行に伴って、前後移動機構
22を前後移動キャリア22cにより前方に除々に移動
させて切断し、前後移動キャリア22cの移動ストロー
クが足りなければ、走行体10の前方移動を併用して、
切断対象物Bを押切切断する。
【0053】また、主ガイドプーリ36は、切断対象物
Bの前面よりもさらに前側に位置させて、ワイヤソーW
が対象物Bに接触しない状態で主ガイドプーリ36間に
巻き付ける。そして、ワイヤソーWを循環走行させなが
ら、前後移動機構22を前後移動キャリア22cにより
前方に移動させて切断し、前後移動キャリア22cの移
動ストロークが足りなければ、走行体10の前方移動を
併用して、切断対象物Bを押切切断する。
【0054】さて、以上のように構成したワイヤソーW
を用いる自走式切断装置によれば、複数の柱状切断対象
物Bを連続切断する場合には、自走走行体10を移動さ
せて、ワイヤソーWを前面側に巻き付けることで切断作
業が行え、盛替え作業に時間がかからず、効率的に行え
る。
【0055】また、本発明の切断装置では、切断対象物
Bの前面側に、主ガイドプーリ36を介してワイヤソー
Wを位置させ、これを駆動プーリー18により循環走行
させることにより、柱状切断対象物Bを前面側から背面
側に向けて押切り切断するので、切断対象物Bの周囲に
広い作業空間がなくても、切断作業が行える。
【0056】さらに、本実施例の場合には、基盤部16
と自走走行体10との間には、上下移動機構22と旋回
回転機構24とが設けられているので、上下移動機構2
2や旋回回転機構24により基盤部16を上下方向に移
動させたり、あるいは、旋回回転させることにより、切
断位置を上下に変更することができるので、多様な切断
が可能になる。
【0057】なお、上記実施例では、本発明の切断装置
で切断対象物Bを押切り切断する場合を例示したが、本
発明の切断装置は、押切り切断以外に、自走走行体10
の後退などにより切断対象物Bの引張り切断も可能であ
る。
【0058】
【発明の効果】以上、実施例に基づいて詳細に説明した
ように、本発明にかかるワイヤソーを用いる自走式切断
装置によれば、切断対象物の周囲に広い作業空間の確保
が困難な場合でも、効率的な切断作業が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるワイヤソーを用いる自走式切断
装置の一実施例を示す装置全体の斜視図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】図2の要部抽出図である。
【図4】図3の要部断面図である。
【図5】図1の要部抽出図である。
【図6】図5の要部背面図である。
【図7】図1の装置を用いて柱状対象物を切断する際
に、ワイヤソーの長さを調整する方法の説明図である。
【符号の説明】
10 自走走行体 12 切断装置本体 14 アウトリガー 16 基盤部 16a フレーム部 16b 固定基盤部 16c 可動基盤部 18 駆動プーリ 20 アーム 22 上下移動機構 24 旋回回転機構 26 中間ガイドプーリ 28 プーリ群 36 主ガイドプーリ 38 走行変換プーリ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3C058 AA05 AA09 AA11 AA14 BA07 CA01 CB09 DA03 3C069 AA01 BA06 BB04 BC02 BC04 CA10 EA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無軌道式の自走走行体と、 前記自走走行体に搭載され、ループ状に結合されたワイ
    ヤソーを循環走行させる駆動プーリと、柱状切断対象物
    の両側に設置される一対のアームとを備えた切断装置本
    体とを有し、 前記アームのそれぞれの先端に設けられた主ガイドプー
    リを介して、前記ワイヤソーを前記柱状切断対象物の前
    面側に位置させるか、または、前面側に巻き掛けるよう
    にして設置し、前記ワイヤソーを前記駆動プーリーによ
    り循環走行させながら前方移動させることにより前記切
    断対象物を摩擦切削して、前面側から背面側に向けて押
    切り切断することを特徴とするワイヤソーを用いる自走
    式切断装置。
  2. 【請求項2】 前記装置本体は、前記自走走行体の前面
    側に垂設支持された基盤部を有し、 前記基盤部には、その前面側に前記駆動プーリが回転自
    在に支持されるとともに、必要に応じて掛け替えること
    により余長部を吸収するワイヤソー長調整用プーリ群
    と、中間ガイドプーリとが前面側に回転自在に支持さ
    れ、 前記基盤部の主平面と直交するように、その一端に前記
    アームが取付けられ、 前記アームが前記基盤部に結合される基端側にそれぞれ
    配置され、前記主ガイドプーリに巻回されたワイヤソー
    の走行方向を前記駆動プーリ側に変換させる一対の走行
    方向変換プーリとを備えたことを特徴とする請求項1記
    載のワイヤソーを用いる自走式切断装置。
  3. 【請求項3】 前記基盤部と前記走行体との間に上下移
    動機構と旋回回転機構とを設けたことを特徴とする請求
    項2記載のワイヤソーを用いる自走式切断装置。
  4. 【請求項4】 前記上下移動機構は、前後移動自在に構
    成されていることを特徴とする請求項3記載のワイヤソ
    ーを用いる自走式切断装置。
  5. 【請求項5】 前記アームは、その一方が、前記基盤部
    に回転自在に取付けられていることを特徴とする請求項
    1ないしは4記載のワイヤソーを用いる自走式切断装
    置。
  6. 【請求項6】 前記基盤部は、フレーム部と、このフレ
    ーム部の一端に固設された固定基盤部と、前記フレーム
    部に移動自在に支持され、前記固定基盤部に対して近接
    離間自在な可動基盤部と、前記可動基盤部の移動用シリ
    ンダとを備え、 前記ワイヤソー長調整用プーリ群を前記固定基盤部と前
    記可動基盤部とに分割して配設することを特徴とする請
    求項1ないしは5記載のワイヤソーを用いる自走式切断
    装置。
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