JP2002106627A - パワーユニット支持装置 - Google Patents

パワーユニット支持装置

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JP2002106627A
JP2002106627A JP2000292830A JP2000292830A JP2002106627A JP 2002106627 A JP2002106627 A JP 2002106627A JP 2000292830 A JP2000292830 A JP 2000292830A JP 2000292830 A JP2000292830 A JP 2000292830A JP 2002106627 A JP2002106627 A JP 2002106627A
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喜樹 角田
Tetsuya Koike
哲也 小池
Yukimitsu Minamihata
幸光 南端
Kazutoshi Satori
和俊 佐鳥
Atsushi Saito
淳 斉藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 パワーユニットの前後を液封マウントで支持
する場合、前後の液封マウントを組み合わせてアイドル
時と発進時における動特性を任意に調整し、かつ切換部
材を共通化させる。 【構成】 パワーユニット1の前後を支持する第1液封
マウント2と第2液封マウント3を、それぞれ開閉式の
アイドルオリフィス通路を有するアイドル側開閉部材
と、膜剛性を変化する膜剛性可変手段を設けた構成と
し、前後のアイドル側開閉部材と膜剛性可変手段をそれ
ぞれ関連づけて切換制御する。このとき同時切換すれ
ば、動特性が低動バネになり、時差切換すれば振動位相
制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はパワーユニットの
前後に液封マウントを設けたパワーユニット支持装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】パワーユニットの前後等を複数の液封マ
ウントで支持することは公知である。また、液封マウン
トの構造として、仕切壁で区画された主液室と副液室、
これら両液室をエンジンのアイドル時に連通して液柱共
振を発生するアイドルオリフィス通路、弾性変形により
主液室の内圧を吸収する弾性可動膜であってその膜剛性
を可変とする剛性可変膜、並びにアイドル時にアイドル
オリフィス通路を開くアイドル側開閉部材及び剛性可変
膜を自由状態又は変形規制状態にして膜剛性を変化させ
る膜剛性可変手段とを備えたものも公知である(一例と
して、特開平10−38017号がある)。
【0003】なお、本願において、開閉式のアイドルオ
リフィス通路とアイドル側開閉部材を有する液封マウン
トをコントロールマウントといい、そのうちさらに剛性
可変膜とその膜剛性可変手段をも有するものを特に複式
コントロールマウントということにする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例のように剛
性可変膜とその膜剛性可変手段を備えると、アイドル時
に剛性可変膜を弾性変形不能に固定することによりアイ
ドルオリフィス通路へ送り込む液体流量を大量にして良
好な液柱共振を発生させ、その後通常走行時におけるよ
うなより高周波側の振動に対しては剛性可変膜を弾性変
形自由にして主液室の内圧を吸収して低動バネ化するこ
とができる。
【0005】しかしながら、本願発明者らは鋭意研究の
結果、エンジン振動による車両の振動及び騒音低減に対
する液封マウントの弾性制御は、単にアイドル時と一般
走行時の切換では足りず、アイドル状態から発進時に移
行して急激にエンジンの回転数が増大したとき、液封マ
ウントの剛性が高くなってパワーユニットから車体への
振動伝達が大きくなるため、かかる発進時における液封
マウントの振動低減能力の増大もしくは低動バネ化を図
り、パワーユニットから車体への振動伝達を阻止もしく
は低減することが極めて重要であることを見出した。
【0006】また、このような複式コントロールマウン
トをパワーユニットの前後等へそれぞれ独立して複数配
置しても、個々に制御するためパワーユニット支持装置
全体として高減衰や低動バネを任意に得ることはでき
ず、予め設定された全体の動特性、例えば高減衰又は低
動バネを得られるに過ぎなかった。しかも、クランク軸
の回転による振動を有効に吸収するには前後の液封マウ
ント間における位相差制御が必要になる場合もあるがこ
のようなことも容易にはできないから、複数の複式コン
トロールマウントの相乗効果により全体の動特性を任意
に変化できることが望まれる。本願発明はこのような要
請の実現を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本願のパワーユニット支持装置に係る第1の発明は、複
数の液封マウントによりパワーユニットを車体へ支持す
るとともに、クランク軸を挟んで互いに反対側となる位
置へ配置された第1液封マウントと第2液封マウントを
備えるパワーユニット支持装置において、前記第1液封
マウント及び第2液封マウントはそれぞれ、仕切壁で区
画された主液室と副液室、これら両液室をを常時連通し
ている減衰オリフィス通路と、エンジンのアイドル時に
連通して液柱共振を発生するアイドルオリフィス通路、
発進時に前記アイドル時の液柱共振よりも高周波側で液
柱共振を発生する発進時共振手段及び弾性変形により主
液室の内圧を吸収する弾性可動膜であってその膜剛性を
可変とする剛性可変膜、並びにアイドル時にアイドルオ
リフィス通路を開くアイドル側開閉部材及び剛性可変膜
を自由状態又は変形規制状態にして膜剛性を変化させる
膜剛性可変手段とを備え、アイドル時に前記アイドル側
開閉部材を前記第1液封マウント及び第2液封マウント
間で時間差をもって又は同期させて制御するとともに、
発進時に前記膜剛性可変手段を前記第1液封マウント及
び第2液封マウント間で時間差をもって又は同期させて
制御することを特徴とする。
【0008】第2の発明は上記第1の発明において、前
記発進時共振手段は、前記主液室又は副液室へ連通して
液体流動を許容する発進オリフィス通路とその一端を閉
塞して液体流動により弾性変形する発進オリフィス用可
動膜で構成され、前記剛性可変膜は、前記発進オリフィ
ス用可動膜とは別に主液室に臨んで設けられることを特
徴とする。
【0009】第3の発明は上記第1の発明において、前
記発進時共振手段は、前記主液室又は副液室へ連通して
液体流動を許容する発進オリフィス通路と、この発進オ
リフィス通路の前記主液室又は副液室へ連通する開口部
に対する発進側開閉部材とを備えたことを特徴とする。
【0010】
【発明の効果】第1の発明によれば、第1液封マウント
と第2液封マウントをそれぞれ複式コントロールマウン
トとし、かつ発進時共振手段を設けたので、アイドル時
から発進時へ移行してエンジンの回転数が急激に上昇し
ても、アイドル時の液柱共振よりも高周波側で発進時共
振手段による液柱共振を発生して低動バネとなり、発進
時におけるより高周波側の振動を有効に吸収できる。
【0011】そのうえ、第1液封マウントと第2液封マ
ウントをそれぞれクランク軸を挟んで互いにパワーユニ
ットの反対側に位置させ、各アイドル側開閉部材及び膜
剛性可変手段を相互に関連づけて制御するので、例えば
アイドル時に第1液封マウントと第2液封マウントの各
アイドル側開閉部材を同時制御すれば、アイドル時にお
ける全体の動特性が低動バネとなり、時間差をもって異
なるタイミングで時間差制御すれば、第1液封マウント
と第2液封マウントにおける反力ベクトルの位相差を変
化させ、合成ベクトルを減少する振動位相制御により全
体入力を低減する(以下、これを簡単にして全体入力低
減という)。
【0012】また、発進時に第1液封マウントと第2液
封マウントの各膜剛性可変手段を同時制御すれば、発進
時において全体の動特性が低動バネとなり、時差制御す
れば振動位相制御により全体の動特性が高減衰になり、
クランク軸の回転に伴って変化する前後の振動を効果的
に吸収できる。したがって、アイドル時と発進時におい
てそれぞれ動特性を、全体入力低減か低動バネかのいず
れかを自由に設定できる。
【0013】したがって、発進時におけるパワーユニッ
トから車体への振動伝達を阻止もしくは低減することが
できるとともに、第1液封マウントと第2液封マウント
を関連づけて制御することにより、パワーユニット支持
装置全体として相乗効果のある全体入力低減や低動バネ
の動特性を得ることができ、全体の動特性を任意に変化
させることができる。
【0014】第2の発明によれば、発進時共振手段を主
液室又は副液室へ連通して液体流動を許容する発進オリ
フィス通路とその一端を閉塞して液体流動により弾性変
形する発進オリフィス用可動膜で構成したので、発進オ
リフィス用可動膜の弾性変形により発進オリフィス通路
内の液体が流動して所定の周波数で液柱共振を発生する
ことができ、発進時共振手段を簡単な構造にできる。ま
た、剛性可変膜を発進オリフィス用可動膜とは別に設け
たので、発進時共振手段と独立して制御可能になるた
め、剛性可変膜に対する制御の自由度が大きくなり、制
御が容易になる。
【0015】第3の発明によれば、発進オリフィス通路
に発進側開閉部材を設けたので、発進側開閉部材を閉じ
れば、発進オリフィス通路内における液体流動が止ま
り、オリフィス通路としての機能せず、発進時共振手段
は機能しない。また、発進側開閉部材を開けば、発進オ
リフィス通路内における液体流動が生じ、発進時共振手
段として機能する。このためアイドル時に発進側開閉部
材を閉じれば、主液室内の液体をアイドルオリフィス通
路へより大量に送り込んで強く液柱共振を発生させるこ
とができ、発進時に発進側開閉部材を開けば、発進オリ
フィス通路の液柱共振により発進時の振動をより確実に
吸収できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて実施例を説
明する。図1はパワーユニットの支持構造を概略的に示
すものであり、パワーユニット1はそのエンジン1aに
おけるクランク軸1bの軸方向を車体の左右方向へ向け
た横置きエンジン形式であり、クランク軸1bを挟んだ
前後位置を第1液封マウント2及び第2液封マウント3
で支持され、かつ左右を他のマウント4,5で支持され
ている。これらのマウントは車体6側へ取付けられてい
る。本実施例においては第1液封マウント2をパワーユ
ニットの前側に設け、第2液封マウント3を後側へ設け
るものとして説明する。
【0017】第1液封マウント2及び第2液封マウント
3はいずれも後述する複式コントロールマウントであ
り、各第1制御部及び第2制御部は電磁ソレノイド等の
適宜切換部材7a,7b,8a,8bにより大気開放又
はエンジンの吸気負圧等の負圧源への接続のいずれかに
切換制御される。なお、切換部材7a,7b,8a,8
bは便宜的に示したものであり、後述する同時切換関係
にあるもの相互は共通化されるため、実際はこれよりも
使用数が削減可能である。
【0018】図2は本実施例における複式コントロール
マウントの一例を示し、この複式コントロールマウント
10はパワーユニット側へ取付けられる第1取付部材1
1と、車体側に取付けられる第2取付部材12の間をゴ
ム等の弾性本体部13で連結し、この弾性本体部13を
壁の一部とする主液室14を設けてある。主液室14は
仕切り部材15に設けた減衰オリフィス16により副液
室17と常時連通する。副液室17は仕切り部材15と
ダイヤフラム18の間に形成される。主液室14及び副
液室17内には公知の非圧縮性液体が封入される。減衰
オリフィス16は、一般走行時のような比較的低周波数
域における振動により液柱共振を発生して振動を減衰さ
せる。
【0019】仕切り部材15にはアイドルオリフィス通
路20が設けられ、その副液室17側の開口部をアイド
ル側開閉部材である開閉バルブ21によりダイヤフラム
18の一部をアイドルオリフィス通路20の出口へ接離
させることにより開閉される。開閉バルブ21は内側に
密閉空間である制御室22を形成し、底部に形成された
通路23を介して切換部材7a(8a)と接続し、負圧
と大気へ接続切換して開閉バルブ21を図の上下方向へ
移動させることによりアイドルオリフィス通路20の出
口を開閉する。開閉バルブ21を開くとアイドルオリフ
ィス通路20内で液体流動が生じて液柱共振する。この
液柱共振は、減衰オリフィス16が対象とするよりも高
周波側に発生するアイドル時におけるものであって、こ
れによりアイドル時の入力振動を吸収する。
【0020】さらに仕切り部材15には主液室14へ開
放されたオリフィスホール24が形成され、その底部に
ゴム等の適宜弾性部材からなり、主液室14の内圧変動
をその弾性変形で吸収する発進オリフィス用可動膜25
が設けられている。この発進オリフィス用可動膜25は
膜剛性を変化するものではなく、本願発明の発進オリフ
ィス通路であるオリフィスホール24と共もに発進時共
振手段を構成する。
【0021】発進時共振手段は、アイドル時から発進時
へ移行してエンジンの振動数が急激に上昇したとき、主
液室14内の液体流動によってオリフィスホール24内
の液体が液柱共振を発生して、アイドル時の液柱共振よ
りも高周波側で低動バネとなり、発進時におけるより高
周波側の振動を吸収する。なお、この液柱共振における
共振周波数は発進オリフィス用可動膜25の膜特性及び
オリフィスホール24の開口面積並びに高さで決まる容
積によって自由に設定できる。
【0022】さらに、主液室14に臨む弾性本体部13
の一部が主液室14の内圧変動に応じて弾性変形自在の
剛性可変膜26をなし、この剛性可変膜26は、外方に
設けられた制御室27を切換部材7b(8b)へ接続す
ることにより、大気開放状態で自由に弾性変形でき、負
圧状態では、制御室27内のストッパ28へ密着固定さ
れることにより膜剛性を高くして弾性変形不能もしくは
弾性変形しにくくなっている。すなわち、剛性可変膜2
6は膜剛性可変の部材であり、制御室27及びストッパ
28が膜剛性可変手段となる。
【0023】アイドル時以外で剛性可変膜26の膜剛性
を下げて自由に弾性変形させれば、主液室14の内圧上
昇を吸収することにより低動バネ化でき、逆にアイドル
時において制御室27内を負圧にしてストッパ28へ密
着固定することにより膜剛性を高くすれば、主液室14
からアイドルオリフィス通路20内へ送り込む液体量を
増大させて液柱共振のエネルギーを大きくすることがで
きる。
【0024】主液室14内には、第1の取付部材11と
一体化された傘部材19が設けられ、オリフィスホール
24内における液柱共振よりも高周波側の600Hz程度
で液柱共振を発生する。なお、4気筒4サイクルエンジ
ンの場合におけるアイドル時及び発進時における周波数
は、二次振動を基準にしている。したがって、高次振動
を考慮した場合には、エンジンの回転数で定義すること
が妥当であり、この場合には、アイドル時を500〜1
000rpm、発進時を1000〜2000rpmとす
ることもできる。
【0025】図3は複式コントロールマウントの別例で
あり、共通部は共通符号を付すにとどめ、相違点のみ説
明する。この複式コントロールマウント30は、仕切り
部材15に形成されたオリフィスホール24が主液室1
4と入り口32を介して連通し、出口25で副液室17
と連通するとともに、この入り口32は側部可動膜33
の弾性変形を利用して進退する開閉部材31で開閉され
る。この開閉部材31は本願発明の発進側開閉部材に相
当する。
【0026】側部可動膜33は図2における剛性可変膜
26と同様であり、膜剛性を変化させて主液室14内の
内圧を吸収する機能を有するとともに、開閉部材31を
動作させるためのものでもあり、側部可動膜33を負圧
で吸引するか大気開放させれば開閉部材31を開閉移動
できる。この負圧又は大気開放への切り換えは、図2に
おける制御室27等と同様構造の作動部34を介して行
われ、作動部34を図1の切換部材7b(8b)と接続
して負圧と大気へ接続切換することにより側部可動膜3
3の作動を制御する。
【0027】但し、開閉部材31を直接ソレノイド等で
移動させることもできる。開閉部材31を直接ソレノイ
ド等で動作させる場合は、作動部34ソレノイドやモー
タ等の部材となり、切換部材7b(8b)は大気と負圧
の間を切換るバルブではなくリレーなどの制御用部材に
なる。なお、制御室22側は図2と同様に切換部材7a
(8a)と接続されて開閉バルブ21を作動制御するよ
うにになっている。
【0028】このようにすると、開閉部材31の移動に
より入り口32を開いたときのみオリフィスホール24
が主液室14と副液室17を連通し、内部でアイドルオ
リフィス通路20よりも高周波側の液柱共振を生じて低
動バネになる。また、入り口32を閉じれば、オリフィ
ス通路としての機能はなくなるから、アイドル時に入り
口32を閉じかつアイドルオリフィス通路20を開け
ば、主液室14からアイドルオリフィス通路20へ流れ
込む流量を増大させることができる。
【0029】なお、図1における第1液封マウント2及
び第2液封マウント3には、図2の複式コントロールマ
ウント10又は図3の複式コントロールマウント30の
いずれか又は双方を組み合わせて用いることができる。
【0030】図4は前後の第1液封マウント2及び第2
液封マウント3のアイドル時における制御例を示す動バ
ネ曲線のグラフであり、横軸に周波数(Hz)、縦軸に
動バネ係数(K)と位相をとり、上下2段に第1液封マ
ウント2と第2液封マウント3を同じ周波数で表示して
ある。なお、以下の説明では第1液封マウント2及び第
2液封マウント3にそれぞれ図2の複式コントロールマ
ウント10を用いるものとする。
【0031】この例では、第1液封マウント2につい
て、アイドル時に開閉バルブ21を負圧により図2の下
方へ移動させてアイドルオリフィス通路20を開くこと
により、周波数f01で液柱共振し、動バネ係数は極小
値(以下、これを動バネボトムという)となる。その
後、開閉バルブ21を開いたままにすると一点鎖線で示
すように周波数f11近傍で反共振による動バネ係数の
極大値(以下、これを動バネピークという)が生じると
ころ、開閉バルブ21をf02で開から閉へ切り換える
と、グラフの実線に示すように動バネピークをカットで
きる。図中の破線は位相であり、周波数f01で180
°、f02で0°近傍になる。
【0032】一方、第2液封マウント3では、アイドル
オリフィス通路20の動作に時間差を設けることによ
り、周波数f11で液柱共振によるボトムが生じるタイ
ミングで切換制御し、その後の位相が0°近傍になる周
波数f12で開閉バルブ21を開から閉へ切り換える。
【0033】これにより、第1液封マウント2と第2液
封マウント3では、周波数f11において動バネ曲線の
動バネピークと動バネボトムが重なり、かつ位相差が略
150°となるから、振動位相制御により、全体の動特
性は高減衰となる。なお、図示しないが、第1液封マウ
ント2と第2液封マウント3を同時切換すれば、振動位
相制御がされない代わりに全体の動特性は低動バネとな
る。
【0034】図5は発進時における制御例を示す同様の
動バネ曲線のグラフであり、この例では、アイドル時ま
では予め第1液封マウント2及び第2液封マウント3の
各制御室27を負圧にして各剛性可変膜26をストッパ
28へ密着固定しておくとともに、予め第1液封マウン
ト2は周波数f21で動バネピークを生じ、第2液封マ
ウント3では同f22で生じるように時間差を設けてお
き、発進時の特定周波数f22で大気開放するよう前後
同時切換する。このため、第1液封マウント2及び第2
液封マウント3の剛性可変膜26はいずれも膜剛性が低
下し、動バネ係数が周波数f22で急下降し、全体の動
特性を低動バネにできる。
【0035】図6は発進時において振動位相制御する例
であり、この例ではアイドル時より予め第1液封マウン
ト2と第2液封マウント3の各剛性可変膜26を大気開
放して自由な変形を許容しておき、発進時において各剛
性可変膜26を時間差をもって負圧固定することによ
り、第1液封マウント2における剛性可変膜26を周波
数f32でフリーから固定に切り換えると、オリフィス
ホール24内における液柱共振によりその後周波数f3
1で動バネボトムが生じる。
【0036】第2液封マウント3では、周波数f31近
傍となりかつ逆位相となる周波数f42で剛性可変膜2
6をフリーから固定に切り換えると、オリフィスホール
24内における液柱共振によりで動バネボトムが生じ
る。このとき第1液封マウント2は動バネピークが生じ
ている。このため、第1液封マウント2及び第2液封マ
ウント3に位相差が生じるので、振動位相制御できるこ
とになる。
【0037】表1は第1液封マウント2と第2液封マウ
ント3における切換制御の組み合わせたケースを一覧に
した表であり、この表中、アイドル側開閉部材における
f02(閉)又はf12(閉)とは、動バネボトムの周
波数がf02又はf12の直前又は直後となるタイミン
グでアイドルオリフィス通路20のバルブ21を開から
閉に切換制御することを意味する。
【0038】また、膜剛性可変手段においてf22
(開)とは、周波数f22でで剛性可変膜26を負圧に
より固定していた状態から大気開放により自由な弾性変
形を許容する状態へ切換制御することを意味する。
【0039】f32(負)及びf42(負)とは、動バ
ネボトムの周波数がf31及びf41の直前となるタイ
ミングで剛性可変膜26を大気開放による自由な変形を
許容する状態から負圧により固定する状態へ切換制御す
ることを意味する。
【0040】f02(開/負)及びf12(開/負)
は、動バネボトムの周波数がf01及びf11の直前又
は直後となるタイミングで剛性可変膜26を負圧により
固定していた状態から大気開放により自由な弾性変形を
許容する状態へ切換制御するか逆に剛性可変膜26を大
気開放による自由な変形を許容する状態から負圧により
固定する状態へ切換制御するのいずれかにすることを意
味する。
【0041】ケース1は、図4と図5の制御を組み合わ
せた例であり、アイドル時における振動位相制御と、発
進時における低動バネを実現できる。ケース2は、図4
と図6を組み合わせた例であり、アイドル時及び発進時
のいずれかにおいても振動位相制御できる。
【0042】ケース3は、前後の第1液封マウント2及
び第2液封マウント3において、アイドル側開閉部材と
膜剛性可変手段を同時切換する例であり、アイドル時及
び発進時のいずれにおいても低動バネにできる。ケース
4は第1液封マウント2と第2液封マウント3の各アイ
ドル側開閉部材を同時切換し、各膜剛性可変手段は図6
における時差切換する例であり、これによりアイドル時
の低動バネと、発進時の振動位相制御ができる。
【0043】ケース5は第1液封マウント2及び第2液
封マウント3の各アイドル側開閉部材及び膜剛性可変手
段を全て同時切換する例であり、これによりアイドル時
から発進時を低動バネ化できる。ケース6は第1液封マ
ウント2のアイドル側開閉部材と膜剛性可変手段を同時
切換し、第2液封マウント3はこれと異なるタイミング
で時間差をもってアイドル側開閉部材と膜剛性可変手段
を同時切換する例である。これにより、アイドル時から
発進時まで振動位相制御できる。
【0044】次に、本実施例の作用を説明する。第1液
封マウント2と第2液封マウント3をそれぞれ複式コン
トロールマウントとし、かつ発進時共振手段を設けたの
で、アイドル時から発進時へ移行してエンジンの振動数
が急激に上昇しても、アイドル時の液柱共振よりも高周
波側で発進時共振手段による液柱共振を発生して低動バ
ネとなり、発進時におけるより高周波側の振動を有効に
吸収できる。
【0045】このとき、各液封マウントを図2のように
構成すれば、発進時共振手段をオリフィスホール24と
その一端を閉塞して液体流動により弾性変形する発進オ
リフィス用可動膜25で構成したので、発進オリフィス
用可動膜25の弾性変形によりオリフィスホール24内
の液体が流動して所定の周波数で液柱共振を発生させる
ことができ、発進時共振手段を簡単な構造にできる。ま
た、剛性可変膜26を発進オリフィス用可動膜25とは
別に設けたので、発進時共振手段と独立して制御可能に
なるため、剛性可変膜に対する制御の自由度が大きくな
り、制御が容易になる。
【0046】一方、各液封マウントを図3のように構成
すれば、開閉部材31により発進オリフィスの機能を停
止又は発揮の切換を明確にできるため、アイドルオリフ
ィス通路20と発進オリフィス通路であるオリフィスホ
ール24の機能を明確に分離でき、かつ相互の影響を生
じないようにできるため、設定が容易になる。
【0047】そのうえ、第1液封マウント2と第2液封
マウント3をそれぞれクランク軸1bを挟んで互いにパ
ワーユニットの反対側となる前後に位置させ、各開閉バ
ルブ21及び剛性可変膜26を相互に関連づけて制御す
るので、アイドル時に第1液封マウント2と第2液封マ
ウント3の各開閉バルブ21を同時に開閉制御すれば、
アイドル時における全体の動特性が低動バネとなり、時
間差をもって異なるタイミングで時間差制御すれば、振
動位相制御により全体入力低減となる。
【0048】また、発進時に第1液封マウント2と第2
液封マウント3の各膜剛性可変手段を同時制御すれば、
発進時において全体の動特性が低動バネとなり、時差制
御すれば振動位相制御により全体入力低減になり、クラ
ンク軸1bの回転に伴って変化する前後の振動を効果的
に吸収できる。したがって、アイドル時と発進時におい
てそれぞれ動特性を低動バネと全体入力低減のいずれか
を自由に設定できる。
【0049】したがって、発進時におけるパワーユニッ
ト1から車体への振動伝達を阻止もしくは低減すること
ができるとともに、第1液封マウント2と第2液封マウ
ント3を関連づけて制御することにより、パワーユニッ
ト支持装置全体として相乗効果のある全体入力低減や低
動バネの動特性を得ることができ、全体の動特性を任意
に変化させることができる。
【0050】なお、第1液封マウント2と第2液封マウ
ント3の各アイドル側開閉部材と膜剛性可変手段相互を
同時切換する場合には、切換部材を共通にできる。ケー
ス1では、第1液封マウント2の制御室27に通じる切
換部材7bと8bを共通化でき、これにより、切換部材
の使用個数を削減できるので、部品点数の削減により構
造が簡素化し、かつコストダウンが可能になる。
【0051】同様にケース3では切換部材7aと8a及
び切換部材7bと8bを共通化できる。ケース4では切
換部材7aと8aを共通化できる。ケース5では切換部
材7a,7b,8a,8bを全て共通化できる。ケース
6では切換部材7aと7b、切換部材8aと8bをそれ
ぞれ共通化できる。さらに、上記実施例は横置きエンジ
ンに関するものであるが、縦置きにした場合にはクラン
ク軸の左右へ第1液封マウント2と第2液封マウント3
を配置すればよい。
【0052】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】 パワーユニットの支持構造を概略的に示す図
【図2】 複式コントロールマウントの全断面図
【図3】 別の複式コントロールマウントの全断面図
【図4】 アイドル時の制御例を示す図
【図5】 発進時の制御例を示す図
【図6】 発進時における別の制御例を示す図
【符号の説明】
1:パワーユニット、2:第1液封マウント、3:第2
液封マウント、6:車体、7a:切換部材、7b:切換
部材、8a:切換部材、8b:切換部材、15:仕切り
部材、20:アイドルオリフィス通路、21:開閉バル
ブ、24:オリフィスホール、25:発進オリフィス用
可動膜、26:剛性可変膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 南端 幸光 埼玉県入間郡大井町大字亀久保1239番地 山下ゴム株式会社内 (72)発明者 佐鳥 和俊 埼玉県入間郡大井町大字亀久保1239番地 山下ゴム株式会社内 (72)発明者 斉藤 淳 埼玉県入間郡大井町大字亀久保1239番地 山下ゴム株式会社内 Fターム(参考) 3D035 CA05 3J047 AA03 CA12 CB10 CD12 FA02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の液封マウントによりパワーユニット
    を車体へ支持するとともに、クランク軸を挟んで互いに
    反対側となる位置へ配置された第1液封マウントと第2
    液封マウントを備えるパワーユニット支持装置におい
    て、前記第1液封マウント及び第2液封マウントはそれ
    ぞれ、仕切壁で区画された主液室と副液室、これら両液
    室を常時連通している減衰オリフィス通路と、エンジン
    のアイドル時に連通して液柱共振を発生するアイドルオ
    リフィス通路、発進時に前記アイドル時の液柱共振より
    も高周波側で液柱共振を発生する発進時共振手段及び弾
    性変形により主液室の内圧を吸収する弾性可動膜であっ
    てその膜剛性を可変とする剛性可変膜、並びにアイドル
    時にアイドルオリフィス通路を開く開閉自在のアイドル
    側開閉部材及び剛性可変膜を自由状態又は変形規制状態
    にして膜剛性を変化させる膜剛性可変手段とを備え、ア
    イドル時に前記アイドル側開閉部材を前記第1液封マウ
    ント及び第2液封マウント間で時間差をもって又は同期
    させて制御するとともに、発進時に前記膜剛性可変手段
    を前記第1液封マウント及び第2液封マウント間で時間
    差をもって又は同期させて制御することを特徴とするパ
    ワーユニット支持装置。
  2. 【請求項2】 前記発進時共振手段は、前記主液室又は
    副液室へ連通して液体流動を許容する発進オリフィス通
    路とその一端を閉塞して液体流動により弾性変形する発
    進オリフィス用可動膜で構成され、前記剛性可変膜は、
    前記発進オリフィス用可動膜とは別に主液室へ臨んで設
    けられることを特徴とする請求項1に記載したパワーユ
    ニット支持装置。
  3. 【請求項3】 前記発進時共振手段は、前記主液室又は
    副液室へ連通して液体流動を許容する発進オリフィス通
    路と、この発進オリフィス通路を開閉するための発進側
    開閉部材とを備えたことを特徴とする請求項1に記載し
    たパワーユニット支持装置。
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