JP2002105631A - 高純度ルテニウムスパッタリングターゲット及びその製造方法 - Google Patents
高純度ルテニウムスパッタリングターゲット及びその製造方法Info
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Abstract
の煩雑化を招くことが無く、内部欠陥のない高純度ルテ
ニウムスパッタリングターゲット、及びその製造を可能
とする方法を提供する。 【解決手段】 ルテニウム原料を、炉内圧を10Tor
r〜2気圧(1.33×103Pa〜2×105Pa)に
調整し、プラズマ作動ガスに水素を添加した熱プラズマ
で熔解することにより、ナトリウム、カリウムなどのア
ルカリ金属元素のいずれの含有量も0.1重量ppm以
下で、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金
属元素のいずれの含有量も0.1重量ppm以下で、白
金族元素を除いた遷移金属元素のいずれの含有量も0.
1重量ppm以下で、ウラニウム、トリウムなどの放射
性同位体元素のいずれの含有量も1重量ppb以下で、
ガス成分元素の含有量が合計で30重量ppm以下であ
る内部欠陥のない高純度ルテニウムスパッタリングター
ゲットを得ることができる。ルテニウムの純度が99.
995重量%以上であることが好ましい。不純物として
は、Rh、Pd、Os、Ir、Ptの白金族元素を含み
うる。
Description
キャパシタ用電極などの形成に利用される高純度ルテニ
ウムスパッタリングターゲット及びその製造方法に関す
る。
の材料としてはルテニウムが用いられ、キャパシタ用電
極は、ルテニウムスパッタリングターゲットを用いたス
パッタリング法により形成される。
化に伴い、各種の材料の見直しが行われ、ルテニウムス
パッタリングターゲットにもさらなる高純度化が求めら
れている。例えば、MOSデバイスの特性を劣化させる
ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属元素や、鉄な
どの遷移金属元素、及び、アルファー線を放出すること
で誤作動の原因となるウラニウム、トリウムなどの放射
性同位体元素などの不純物は、極低濃度化することが強
く求められている。
電子ビーム熔解法により行われている。この電子ビーム
熔解法は、10-4〜10-6Torr(1.33×10-2
〜1.33×10-4Pa)の高真空中で、ルテニウム原
料に電子ビームを当て、その衝撃によりルテニウム原料
を加熱熔解するとともに、ルテニウムに比して蒸気圧が
高い不純物元素を蒸発除去する技術である。
大きな高真空排気装置が必要であり、しかも、高真空を
長時間、保持することが必要なことから、付帯装置が大
掛かりとなる欠点がある。加えて、「工業加熱」第17
巻(1980年)47頁で記載されているように、高電
圧回路を使用することによる放電の危険性や、X線障害
に関する対策の必要性、及び、出力を安定させるための
エミッション・スタビライザーの必要性が指摘されてい
る。
積が比較的狭く、不純物元素を極低濃度にまで低減させ
るには、高真空中での長時間熔解が不可欠であり、ルテ
ニウム自体の蒸発損失が増加するために、歩留まりが悪
いという欠点もある。
熔湯面積の狭さは、熔解あるいは熔解反応により発生し
たガスが熔湯面から抜けきれず、残存ガスがインゴット
内部に気泡を形成するという製造上の問題をも引き起こ
す。
鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、精錬装置
及びその付帯装置の大型化や、操業の煩雑化を招くこと
が無く、内部欠陥のない高純度ルテニウムスパッタリン
グターゲット、及びその製造を可能とする方法の提供に
ある。
を達成すべく鋭意検討した結果、プラズマ作動ガスに水
素を添加した低電圧・高電流である熱プラズマで、ルテ
ニウム原料を熔解する熱プラズマ熔解法を適用すれば、
高真空を必要とせず、かつ単一熔解工程によって、従来
から問題とされていた金属不純物のみならずガス成分も
充分低減され、内部欠陥のない高純度ルテニウムスパッ
タリングターゲットが得られることを見出し、本発明に
至った。
ッタリングターゲットは、ナトリウム、カリウムなどの
アルカリ金属元素のいずれの含有量も0.1重量ppm
以下で、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類
金属元素のいずれの含有量も0.1重量ppm以下で、
白金族元素を除いた遷移金属元素のいずれの含有量も
0.1重量ppm以下で、ウラニウム、トリウムなどの
放射性同位体元素のいずれの含有量も1重量ppb以下
で、ガス成分元素の含有量が合計で30重量ppm以下
である。ルテニウムの純度が99.995重量%以上で
あることが好ましい。不純物としては、Rh、Pd、O
s、Ir、Ptの白金族元素を含みうる。
リングターゲットの製造方法は、ルテニウム原料を、プ
ラズマ作動ガスに水素を添加した熱プラズマで熔解する
ことを特徴とする。なお、熔解中の炉内圧を10Tor
r〜2気圧(1.33×10 3Pa〜2×105Pa)に
調整するのが好ましい。
スパッタリングターゲットの製造方法を詳細に説明す
る。本発明で用いるルテニウム原料は、通常市販されて
いる純度3N程度のものでよく、特に高純度化したもの
を用いる必要はない。
後、プラズマ作動ガスに水素を添加した熱プラズマで熔
解する熱プラズマ熔解法により行う。プラズマ作動ガス
中の水素濃度は高いほど好ましい。熔解には、例えば、
アーク熔解、プラズマアーク熔解、高周波プラズマ熔解
などが挙げられる。
(1.33×103Pa〜2×105Pa)とする。より
好ましい結果を得るためには、減圧下(1気圧未満)で
熔解を行う。炉内圧が10Torr未満では、プラズマ
作動ガスに水素を添加した熱プラズマでの熔解の作用効
果を充分に得ることができず、2気圧を超えると、不純
物の除去速度が低下する。
レスなどで塊状とした後に、プラズマ作動ガスに水素を
添加した熱プラズマで熔解すると、効率的で好ましい。
ングターゲットは、金属・非金属不純物が極低濃度域ま
で低減されて、高純度となっており、実質的に内部欠陥
が検出されない。
いう意味は、得られたルテニウムスパッタリングターゲ
ットを切断して切断面を目視観察した際に、ガスを巻き
込んだ跡や気泡などが検出されないということである。
2気圧の炉内圧で行う熱プラズマ熔解法によることか
ら、従来の高真空に比して蒸発損失が極めて少なく、ル
テニウムスパッタリングターゲットを高い歩留まりの下
に製造することができる。
素を添加するが、なぜこのような良好な結果が水素添加
で得られるかは必ずしも明確ではない。しかし、水素の
代わりに、アルゴンを用いた場合には良好な結果が得ら
れないことから、プラズマ状態の水素が重要な役割を果
たしているものと思われる。
下の実施例に限定されるものではない。
の純度99.9重量%のルテニウム原料2.5kgをプ
レスによって固め、水冷銅ハースに置き、炉内をArガ
ス置換した後、水素含有プラズマ作動ガスにより、炉内
圧をそれぞれ調節しながら、プラズマアーク熔解を計6
0分間、行った。各炉内圧、及び各プラズマ作動ガスの
成分を表2に示す。
ヤモンド砥石研削にて、直径150mm、厚さ5mmに
加工して、ルテニウムスパッタリングターゲットを得
た。
ットの不純物含有量を表3に示した。また、得られたル
テニウムスパッタリングターゲットを切断し、切断面を
目視観察したところ、いずれにも内部欠陥は検出されな
かった。
重量%で、白金族元素を不可避的に含んでいたが、有害
不純物は極低濃度域まで除去された。
ターゲットを用いてそれぞれスパッタリングを行った際
には、パーティクルが少なく、電極特性も良好な薄膜を
形成することができた。
ズマ作動ガスの成分を、それぞれ表4に示した値とした
以外は、実施例1と同様にして、直径150mm、厚さ
5mmのルテニウムスパッタリングターゲットを得た。
ットの不純物量を表5に示した。また、得られたルテニ
ウムスパッタリングターゲットを切断し、切断面を目視
観察したところ、いずれにも内部欠陥は検出されなかっ
た。炉内圧の低い比較例1、および炉内圧の高い比較例
2では、ルテニウムの純度は99.99重量%で、アル
ゴンのみを使用した比較例3では、ルテニウムの純度は
99.98重量%であった。
ルゴンのみとしたプラズマアーク熔解では、比較的蒸気
圧の高い金属不純物は除去されたが、それ以外はあまり
除去できなかった。
例1では金属不純物があまり除去されていなかった。炉
内圧が本発明の範囲より高い比較例2では、除去速度が
遅いために、やはりあまり除去できていなかった。
タリングターゲットを用いてそれぞれスパッタリングを
行った際には、パーティクルが多く、膜厚も不均一な薄
膜しか形成できなかった。
量%のルテニウム原料2.5kgをプレスによって固
め、水冷銅ハースに置き、炉内を10-5Torrまで真
空引きした後、電子ビーム熔解を計60分間、行った。
熔解後のインゴットを、放電加工機とダイヤモンド砥石
研削にて、直径150mm、厚さ5mmに加工し、ルテ
ニウムスパッタリングターゲットを得た。
ットの不純物含有量を表5に示した。ルテニウムの純度
は99.995重量%であり、白金族元素を不可避的に
含んでいた。また、得られたルテニウムスパッタリング
ターゲットを切断し、切断面を目視観察したところ、内
部欠陥が有った。
で除去されるものの、内部欠陥が生じていた。
グターゲットを用いてそれぞれスパッタリングを行った
際には、パーティクルが多く、膜厚も不均一な薄膜しか
形成できなかった。
・非金属不純物が極低濃度域まで除去され、内部欠陥も
検出されないルテニウムスパッタリングターゲットが得
られる。
2気圧の炉内圧を用いる熱プラズマ熔解法によることか
ら、蒸発損失が極めて少なく、高純度ルテニウムスパッ
タリングターゲットを高い歩留まりの下に製造すること
ができ、極めて安価にすることができる。
リングターゲットは内部欠陥を含まないため、スパッタ
リングを行った際にはパーティクルが少なく、電極特性
も良好な薄膜を形成することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 実質的にルテニウムからなり、アルカリ
金属元素のいずれの含有量も0.1重量ppm以下で、
アルカリ土類金属元素のいずれの含有量も0.1重量p
pm以下で、白金族元素以外の遷移金属元素のいずれの
含有量も0.1重量ppm以下で、放射性同位体元素の
いずれの含有量も1重量ppb以下で、ガス成分元素の
含有量が合計で30重量ppm以下であることを特徴と
する高純度ルテニウムスパッタリングターゲット。 - 【請求項2】 ルテニウムの純度が99.995重量%
以上であり、不可避的不純物として白金族元素が含まれ
ることを特徴とする請求項1に記載の高純度ルテニウム
スパッタリングターゲット。 - 【請求項3】 ルテニウム原料を、プラズマ作動ガスに
水素を添加した熱プラズマで熔解することを特徴とする
高純度ルテニウムスパッタリングターゲットの製造方
法。 - 【請求項4】 熔解中の炉内圧を10Torr〜2気圧
(1.33×103Pa〜2×105Pa)に調整するこ
とを特徴とする請求項3に記載の高純度ルテニウムスパ
ッタリングターゲットの製造方法。
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JP2000295932A JP2002105631A (ja) | 2000-09-28 | 2000-09-28 | 高純度ルテニウムスパッタリングターゲット及びその製造方法 |
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- 2000-09-28 JP JP2000295932A patent/JP2002105631A/ja active Pending
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