JP2002105108A - 新規乳化重合用組成物 - Google Patents

新規乳化重合用組成物

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JP2002105108A
JP2002105108A JP2000339709A JP2000339709A JP2002105108A JP 2002105108 A JP2002105108 A JP 2002105108A JP 2000339709 A JP2000339709 A JP 2000339709A JP 2000339709 A JP2000339709 A JP 2000339709A JP 2002105108 A JP2002105108 A JP 2002105108A
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JP
Japan
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emulsion polymerization
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metal atom
mol
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Tadao Goto
忠夫 後藤
Yasuhiro Ota
泰裕 太田
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Toho Chemical Industry Co Ltd
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Toho Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐水性に優れた合成樹脂を製造する為の乳化
重合用組成物を提供する。 【解決手段】燐酸エステル型反応性界面活性剤と硫酸エ
ステル型界面活性剤とを所定の比で配合した乳化重合用
乳化剤組成物は、アクリル系モノマー等の乳化重合に使
用することにより、耐水性に優れた合成樹脂を製造する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に乳化重合時に
使用することにより、耐水性の優れた樹脂を提供できる
新規乳化重合用乳化剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来からポリアルキルメタクリレートな
どのアクリル系樹脂、ABS樹脂などのスチレン系樹
脂、合成ゴムまたは塩化ビニル樹脂などは、いわゆる乳
化重合法で製造されている。使用される乳化剤として
は、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ロジン酸カリウ
ム、アルキルサルフェート等のアニオン界面活性剤やポ
リオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテル等のノニオン界面活性剤が
一般に用いられている。
【0003】しかし、上記の界面活性剤を乳化剤として
製造した合成樹脂は、樹脂中に界面活性剤が遊離の状態
で存在するために、耐水性や接着性が劣る等の問題が指
摘されている。さらに近年、環境・安全性等に対する問
題を背景に、塗料は溶剤型からエマルション型への転換
が進んでおり、特に塗料用合成樹脂エマルションにおい
て、上記問題の改善が重用視されている。この様な問題
を改善すべく、分子構造中に反応基を有し各種モノマー
との共重合が可能である反応性界面活性剤が開発されて
おり、例えば特開昭60−78993、特開平1−27
628、特開平7−185291等の様に数多く提案さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現状で
は上記問題を解決するために有効な反応性界面活性剤は
完成していないのが現状である。従って本発明は、耐水
性に優れた合成樹脂を製造することのできる、反応性界
面活性剤を主成分とした乳化重合用乳化剤組成物を提供
することが課題である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究した結果、特定の合成法によ
って得られた燐酸エステル型反応性界面活性剤と、従来
から一般的に用いられている硫酸エステル型界面活性剤
とを、ある所定の比で配合して乳化重合に使用すること
により、耐水性などに優れた合成樹脂が得られることを
見いだし、本発明に到達したものである。即ち、本発明
は、下記一般式(1) (但し、Rは炭素数6〜22の炭化水素基、Aはエ
チレン基および/またはプロピレン基、但しプロピレン
基単独の場合はない、nは0〜30の整数、Xはメタク
ロリイル基、アクリロイル基またはアリル基、e+f+
g=3であり且つe=1または2、f=1または2、g
=0または1、Mは水素原子、アルカリ金属原子、ア
ルカリ土類金属原子、アンモニウム、アルキルアミン残
基またはアルカノールアミン残基である)で示される燐
酸エステル型反応性界面活性剤と、下記一般式(2) (但し、Rは炭素数6〜22の炭化水素基、Aはエ
チレン基および/またはプロピレン基、但しプロピレン
基単独の場合はない、mは0〜30の整数、Mは水素
原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アン
モニウム、アルキルアミン残基またはアルカノールアミ
ン残基である)で示される硫酸エステル型界面活性剤と
を、(1):(2)=95:5〜50:50(重量比)
の範囲で使用することを特徴とする乳化重合用乳化剤組
成物に関するものである。
【0006】本発明に係わる乳化剤組成物は、分子中に
メタクリロイル基などの反応基を有しアクリル系モノマ
ー等との共重合性に優れた燐酸エステル型反応性界面活
性剤成分と、乳化性に優れた硫酸エステル型界面活性剤
成分との相乗効果によって、乳化重合に使用した際に耐
水性などに優れた樹脂を得ることが出来る。以下、本発
明を詳細に説明する。
【0007】本発明に係わる乳化剤組成物は、例えばポ
リオキシアルキレンアルキルエーテルと無水燐酸等の燐
酸化剤による公知の方法によって得られた燐酸エステル
化合物に、グリシジルメタクリレート等を反応させるこ
とで得られた前記一般式(1)の燐酸エステル型反応性
界面活性剤と、公知の方法で合成された前記一般式
(2)の硫酸エステル型界面活性剤とを、所定の比で配
合することによって、容易に得ることができる。
【0008】本発明に係わる前記一般式(1)において
で示した炭化水素基は、例えばアルキル基およびア
ルケニル基またはアルキルフェニル基等であり、アルキ
ル基としては、例えばヘキシル、ヘプチル、オクチル、
ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、
テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデ
シル、オクタデシル基等が挙げられるが、効果的には炭
素数12〜16のアルキル基であることが好ましい。
【0009】アルケニル基としては、例えばヘキセニ
ル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウ
ンデセニル、ドデセニル、トリデセニル、テトラデセニ
ル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニ
ル、オクタデセニル基等が挙げられるが、効果的には炭
素数12〜16のアルケニル基であることが好ましい。
【0010】アルキルフェニル基としては、例えばヘキ
シルフェニル、ヘプチルフェニル、オクチルフェニル、
ノニルフェニル、デシルフェニル、ウンデシルフェニ
ル、ドデシルフェニル基等が挙げられるが、効果的には
炭素数8〜10のアルキル鎖を有するアルキルフェニル
基が好ましい。
【0011】また、前記一般式(1)における−(A
O)−部はエチレンオキサイドおよび/またはプロピ
レンオキサイドを付加重合させて得られるポリアルキレ
ングリコール鎖を示す。重合数nは0〜30の範囲であ
り、エチレンオキサイドのみの場合はnが7〜12の範
囲が好ましく、エチレンオキサイドとプロピレンオキサ
イドの共重合の場合は、nが7〜20の範囲で且つ、エ
チレンオキサイド/プロピレンオキサイド=5/1〜1
/1のモル比で共重合していることが好ましい。エチレ
ンオキサイドとプロピレンオキサイドの共重合方法は、
ランダムでもブロックでも効果的には変わらない。
【0012】前記一般式(2)においてRで示した炭
化水素基は、例えばアルキル基およびアルケニル基また
はアルキルフェニル基等であり、アルキル基としては、
例えばヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシ
ル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシ
ル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オク
タデシル基等が挙げられるが、効果的には炭素数12〜
16のアルキル基であることが好ましい。
【0013】アルケニル基としては、例えばヘキセニ
ル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウ
ンデセニル、ドデセニル、トリデセニル、テトラデセニ
ル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニ
ル、オクタデセニル基等が挙げられるが、効果的には炭
素数12〜16のアルケニル基であることが好ましい。
【0014】アルキルフェニル基としては、例えばヘキ
シルフェニル、ヘプチルフェニル、オクチルフェニル、
ノニルフェニル、デシルフェニル、ウンデシルフェニ
ル、ドデシルフェニル基等が挙げられるが、効果的には
炭素数8〜10のアルキル鎖を有するアルキルフェニル
基が好ましい。
【0015】また、前記一般式(2)における−(A
O)−部はエチレンオキサイドおよび/またはプロピ
レンオキサイドを付加重合させて得られるポリアルキレ
ングリコール鎖を示す。重合数mは0〜30の範囲であ
り、エチレンオキサイドのみの場合はmが7〜12の範
囲が好ましく、エチレンオキサイドとプロピレンオキサ
イドの共重合の場合は、mが7〜20の範囲で且つ、エ
チレンオキサイド/プロピレンオキサイド=5/1〜1
/1のモル比で共重合していることが好ましい。エチレ
ンオキサイドとプロピレンオキサイドの共重合方法は、
ランダムでもブロックでも効果的には変わらない。
【0016】本発明に係わる乳化剤組成物を使用した各
種乳化重合に適用できるモノマーとしては、例えばアク
リル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、メタク
リル酸メチル、アクリロニトリル、アクリルアミド等の
アクリル系モノマー、スチレンなどの芳香族系モノマ
ー、エチレン、ブタジエン、クロロプレン、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン等のオレフィン系モノマーが挙げら
れるが、これらモノマーに限定されるものではない。
【0017】重合開始剤としては、例えば過硫酸カリウ
ム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、アゾビスイソブ
チルニトリル、ベンゾイルパーオキサイド等の公知の開
始剤が使用できる。また、亜硫酸水素ナトリウム、チオ
硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄などの還元性物質を使用し
てレドックス重合を行ってもよい。本発明である乳化剤
組成物の使用量は、モノマー種によって異なるが、通常
全モノマーに対して0.1〜10重量%の範囲であり、
効果的および経済的には、0.3〜5重量%の範囲がよ
り好ましい。また、他のアニオン、ノニオン系の界面活
性剤を併用してもよい。
【0018】かくして、本発明に係わる乳化剤組成物を
乳化重合の際に使用することにより、耐水性に優れた合
成樹脂を得ることができる。メカニズムは解明できてい
ないが、特定の構造を有しモノマーとの反応性に優れた
燐酸エステル型反応性界面活性剤と、乳化性に優れた硫
酸エステル型界面活性剤の相乗効果によって、所望の効
果を発揮しているものと考察している。次に、本発明を
実施例により詳細に説明するが、本発明はその趣旨を越
えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0019】
【実施例】I.本発明の乳化剤組成物の合成例 合成例(1) 攪拌機、還流冷却器、温度計を備えた反応容器に、ポリ
(8モル)オキシエチレンノニルフェニルエーテル57
2g(1モル)を仕込み、微量のNガス導入下、50
℃に昇温した後、50℃を保ちながら無水燐酸71g
(0.5モル)を約15分かけて投入し、その後同温度
で3時間反応させた。次いで、水9g(0.5モル)を
加えた後、80℃に昇温して3時間熟成した。その後、
アリルグリシジルエーテル114g(1モル)を加え、
同温度にて2時間熟成することで燐酸エステル型反応性
界面活性剤を合成し、ポリ(8モル)オキシエチレンノ
ニルフェニルエーテル硫酸アンモニウムと、それぞれを
80:20の重量比で配合し、本発明乳化剤組成物
(1)を得た。
【0020】合成例(2)〜合成例(20) 合成例(1)に準じ、本発明乳化剤組成物に係わる燐酸
エステル型反応性界面活性剤を合成し、硫酸エステル型
界面活性剤と配合することで、本発明乳化剤組成物
(2)〜(20)を得た。詳細は、表1に記す。
【0021】
【表1】
【0022】II.実施例 実施例(1) 攪拌機、還流冷却器、温度計および滴下ロートを備えた
反応容器にイオン交換水430gと本発明の乳化剤組成
物(1)6.0gを仕込み、系内を窒素ガスで置換し
た。別にメチルメタクリル酸150g(1.50モル)
とアクリル酸ブチル150g(1.17モル)を混合
し、この混合モノマーのうち60gと過硫酸アンモニウ
ム0.60g(4.1×10−3モル)を反応容器中に
加え、80℃まで昇温し、先行重合させた。重合開始1
0分後より残りの混合モノマーを3時間かけて滴下し、
さらに同温度で1時間熟成させ、合成樹脂エマルション
を得た。得られた樹脂エマルションについて、凝集物
量、表面張力、起泡性、および樹脂エマルションから作
製したフィルムの耐水性を評価した。結果を、表2に示
す。
【0023】実施例(2)〜実施例(20) 本発明の乳化剤組成物(2)〜(20)について、実施
例(1)と同様な操作でエマルションを作成し、同様な
評価を行い、結果を実施例(2)〜(20)として表2
に示す。
【0024】比較例(1)〜比較例(6) 乳化剤として、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
〔比較化合物(1)〕、ポリ(9モル)オキシエチレン
ノニルフェニルエーテル燐酸ナトリウム〔比較化合物
(2)〕、ポリ(40モル)オキシエチレンノニルフェ
ニルエーテル〔比較化合物(3)〕、ポリ(8モル)オ
キシエチレンノニルフェニルエーテル燐酸アリルグリシ
ジルエーテル付加物とポリ(8モル)オキシエチレンノ
ニルフェニルエーテル硫酸アンモニウムとの40:60
(重量比)配合物〔比較化合物(4)〕、ポリ(10モ
ル)オキシエチレントリデシルエーテルリン酸メタクリ
ルグリシジルエステル付加物とポリ(10モル)オキシ
エチレントリデシルエーテル硫酸アンモニウムとの3
0:70(重量比)配合物〔比較化合物(5)〕、およ
びポリ(10モル)オキシエチレントリデシルエーテル
リン酸グリシジルメタクリレート付加物〔比較化合物
(6)〕を使用して、実施例(1)と同様な方法によ
り、樹脂エマルションを得た。この樹脂エマルションに
ついて実施例(1)と同様な評価を行い、それぞれ比較
例(1)〜比較例(6)として結果を表2に示す。
【0025】評価方法の説明 凝集物量:樹脂エマルションを作成後、100メッシュ
でろ過し、残渣の重量を全モノマーに対する重量%で評
価 起泡性 :水で2倍に希釈した樹脂エマルションを共栓
付メスシリンダーに40ml入れ、20秒間振盪した後
の泡の量を測定(25℃) 表面張力:樹脂エマルションをウィルヘルミー法にて測
定(25℃) 耐水性 :ガラス板上に約0.1mm厚のフィルムを作
製し、水に浸漬させた際に白化するまでの時間を評価
【0026】
【表2】
【0027】
【発明の効果】本発明の効果は、表2に示した様に、乳
化重合法での合成樹脂エマルションの製造に際して、本
発明に係わる乳化重合用乳化剤組成物を使用することに
より、著しく耐水性に優れた合成樹脂を得ることができ
ることにある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記、一般式(1) (但し、Rは炭素数6〜22の炭化水素基、Aはエ
    チレン基および/またはプロピレン基、但しプロピレン
    基単独の場合はない、nは0〜30の整数、Xはメタク
    リロイル基、アクリロイル基またはアリル基、e+f+
    g=3であり且つe=1または2、f=1または2、g
    =0または1、Mは水素原子、アルカリ金属原子、ア
    ルカリ土類金属原子、アンモニウム、アルキルアミン残
    基またはアルカノールアミン残基である)で示される燐
    酸エステル型反応性界面活性剤と、下記一般式(2) (但し、Rは炭素数6〜22の炭化水素基、Aはエ
    チレン基および/またはプロピレン基、但しプロピレン
    基単独の場合はない、mは0〜30の整数、Mは水素
    原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アン
    モニウム、アルキルアミン残基またはアルカノールアミ
    ン残基である)で示される硫酸エステル型界面活性剤と
    を、(1):(2)=95:5〜50:50(重量比)
    の範囲で使用することを特徴とする乳化重合用乳化剤組
    成物。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7363978B2 (en) 2005-05-20 2008-04-29 Halliburton Energy Services, Inc. Methods of using reactive surfactants in subterranean operations

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7363978B2 (en) 2005-05-20 2008-04-29 Halliburton Energy Services, Inc. Methods of using reactive surfactants in subterranean operations
US8653010B2 (en) 2005-05-20 2014-02-18 Halliburton Energy Services, Inc. Methods of using reactive surfactants in subterranean operations

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