JP2002104828A - 酸化鉄微粒子黒色顔料の製造方法 - Google Patents
酸化鉄微粒子黒色顔料の製造方法Info
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- JP2002104828A JP2002104828A JP2000295742A JP2000295742A JP2002104828A JP 2002104828 A JP2002104828 A JP 2002104828A JP 2000295742 A JP2000295742 A JP 2000295742A JP 2000295742 A JP2000295742 A JP 2000295742A JP 2002104828 A JP2002104828 A JP 2002104828A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 金属酸化物系の黒色顔料として、絶縁性を有
し、クロムを含有せず、粒径の小さな微粒子状の黒色顔
料を提供する。 【解決の手段】 鉄原料を消費アノード電極として、直
流アークプラズマ法で製造したγ−Fe2 O3 の結晶構
造を持つ赤褐色酸化鉄微粒子を製造した後、該酸化鉄微
粒子を用いて、還元性雰囲気中で焼成することによりF
e3 O4 の結晶構造を持つ黒色微粒子を得ることを特徴
とする酸化鉄微粒子黒色顔料の製造方法に関する。
し、クロムを含有せず、粒径の小さな微粒子状の黒色顔
料を提供する。 【解決の手段】 鉄原料を消費アノード電極として、直
流アークプラズマ法で製造したγ−Fe2 O3 の結晶構
造を持つ赤褐色酸化鉄微粒子を製造した後、該酸化鉄微
粒子を用いて、還元性雰囲気中で焼成することによりF
e3 O4 の結晶構造を持つ黒色微粒子を得ることを特徴
とする酸化鉄微粒子黒色顔料の製造方法に関する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化鉄微粒子黒色
顔料の製造方法に関し、耐熱性、絶縁性、発色性に優れ
た微粒子状の酸化鉄微粒子黒色顔料の製造方法に関す
る。
顔料の製造方法に関し、耐熱性、絶縁性、発色性に優れ
た微粒子状の酸化鉄微粒子黒色顔料の製造方法に関す
る。
【0002】更に詳しくは、ブラウン管、液晶ディスプ
レイ、プラズマディスプレイ等のブラックマトリックス
用顔料、塗料、インキ、セラミックス等の着色剤として
有用な酸化鉄微粒子黒色顔料の製造方法に関する。
レイ、プラズマディスプレイ等のブラックマトリックス
用顔料、塗料、インキ、セラミックス等の着色剤として
有用な酸化鉄微粒子黒色顔料の製造方法に関する。
【0003】
【従来の技術】従来、金属酸化物系の黒色顔料として
は、Cu−Cr系、Cu−Cr−Mn系などのクロム含
有の複合酸化物が知られているが、有害な金属であるク
ロムを含み、かつ粒径の小さな微粒子状の顔料が得られ
ないなどの欠点がある。
は、Cu−Cr系、Cu−Cr−Mn系などのクロム含
有の複合酸化物が知られているが、有害な金属であるク
ロムを含み、かつ粒径の小さな微粒子状の顔料が得られ
ないなどの欠点がある。
【0004】また、黒色顔料としてカーボンブラックが
使用されているが、導電性を有しているため、絶縁性が
必要な用途には使用できないという欠点を有している。
使用されているが、導電性を有しているため、絶縁性が
必要な用途には使用できないという欠点を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、金属酸化物
系の黒色顔料として、絶縁性を有し、クロムを含有せ
ず、粒径の小さな微粒子状の黒色顔料が要望されてい
る。
系の黒色顔料として、絶縁性を有し、クロムを含有せ
ず、粒径の小さな微粒子状の黒色顔料が要望されてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、鉄原料を消費
アノード電極として、直流アークプラズマ法で製造した
γ−Fe2 O3 の結晶構造を持つ赤褐色酸化鉄微粒子を
製造した後、該酸化鉄微粒子を用いて、還元性雰囲気中
で焼成することによりFe3 O4 の結晶構造を持つ黒色
微粒子を得ることを特徴とする酸化鉄微粒子黒色顔料の
製造方法である。
アノード電極として、直流アークプラズマ法で製造した
γ−Fe2 O3 の結晶構造を持つ赤褐色酸化鉄微粒子を
製造した後、該酸化鉄微粒子を用いて、還元性雰囲気中
で焼成することによりFe3 O4 の結晶構造を持つ黒色
微粒子を得ることを特徴とする酸化鉄微粒子黒色顔料の
製造方法である。
【0007】また、上記のFe3 O4 の結晶構造を持つ
黒色微粒子は、平均粒径が50〜120nmである。
黒色微粒子は、平均粒径が50〜120nmである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明者等は、酸化鉄黒色顔料の
製造法について鋭意検討した結果、直流アークプラズマ
法で製造した平均粒径が15〜40nmのγ−Fe2 O
3 の結晶構造を持つ赤褐色酸化鉄微粒子を製造した後、
還元性雰囲気下で加熱処理することにより黒色顔料とし
て優れた平均粒径が50〜120nmの微粒子が得られ
ることを見いだした。
製造法について鋭意検討した結果、直流アークプラズマ
法で製造した平均粒径が15〜40nmのγ−Fe2 O
3 の結晶構造を持つ赤褐色酸化鉄微粒子を製造した後、
還元性雰囲気下で加熱処理することにより黒色顔料とし
て優れた平均粒径が50〜120nmの微粒子が得られ
ることを見いだした。
【0009】本発明で使用される直流アークプラズマ法
は、直流アークプラズマ装置を用い、鉄や酸化鉄などの
各種鉄材料を消費アノード電極とし、カソード電極から
アルゴンガス等のプラズマフレームを発生させ、消費ア
ノードの鉄材料を加熱、蒸発させ、そのプラズマ状態の
鉄を酸化、冷却することによって酸化鉄の球状微粒子を
製造することができる。この微粒子は、γ−Fe2 O3
の結晶構造を持つ赤褐色の酸化鉄微粒子である。
は、直流アークプラズマ装置を用い、鉄や酸化鉄などの
各種鉄材料を消費アノード電極とし、カソード電極から
アルゴンガス等のプラズマフレームを発生させ、消費ア
ノードの鉄材料を加熱、蒸発させ、そのプラズマ状態の
鉄を酸化、冷却することによって酸化鉄の球状微粒子を
製造することができる。この微粒子は、γ−Fe2 O3
の結晶構造を持つ赤褐色の酸化鉄微粒子である。
【0010】上記の赤褐色の酸化鉄微粒子を電気炉等
で、還元性雰囲気中で550〜850℃、好ましくは6
00〜750℃で約30分ないし2時間程度焼成するこ
とにより、γ−Fe2 O3 の結晶構造が還元され、ほぼ
全体がFe3 O4 の結晶構造に変換し、微粒子状の黒色
顔料が得られる。この焼成温度が550℃未満であると
還元に時間がかかり、また、850℃を超えると焼成に
よって微粒子同士が溶融して粒径が大きくなるので好ま
しくない。
で、還元性雰囲気中で550〜850℃、好ましくは6
00〜750℃で約30分ないし2時間程度焼成するこ
とにより、γ−Fe2 O3 の結晶構造が還元され、ほぼ
全体がFe3 O4 の結晶構造に変換し、微粒子状の黒色
顔料が得られる。この焼成温度が550℃未満であると
還元に時間がかかり、また、850℃を超えると焼成に
よって微粒子同士が溶融して粒径が大きくなるので好ま
しくない。
【0011】
【実施例】以下に実施例を挙げて具体的に本発明を説明
する。
する。
【0012】実施例1 直流アークプラズマ装置で、鉄を消費アノード電極と
し、カソード電極からアルゴンガスのプラズマフレーム
を発生させ、鉄を加熱、蒸発させ、そのプラズマ状態の
鉄を酸化、冷却し平均粒径25nmのγ−Fe2 O3 の
結晶構造を持つ赤褐色の酸化鉄微粒子を得た。次に、こ
の赤褐色の酸化鉄微粒子をセラミック容器に入れ、電気
炉を用いてH 2 3%、N2 97%の還元性の気体を用い
て、600℃で1時間焼成した。得られた黒色微粒子
は、X線回折装置(理学電機社製)で測定すると、Fe
3 O4 の結晶構造を持ち、平均粒径が60nm(BET
法による換算値)であった。
し、カソード電極からアルゴンガスのプラズマフレーム
を発生させ、鉄を加熱、蒸発させ、そのプラズマ状態の
鉄を酸化、冷却し平均粒径25nmのγ−Fe2 O3 の
結晶構造を持つ赤褐色の酸化鉄微粒子を得た。次に、こ
の赤褐色の酸化鉄微粒子をセラミック容器に入れ、電気
炉を用いてH 2 3%、N2 97%の還元性の気体を用い
て、600℃で1時間焼成した。得られた黒色微粒子
は、X線回折装置(理学電機社製)で測定すると、Fe
3 O4 の結晶構造を持ち、平均粒径が60nm(BET
法による換算値)であった。
【0013】実施例2 焼成温度を750℃とした以外は実施例1と同様の方法
で黒色微粒子を得た。得られた黒色微粒子は、Fe3 O
4 の結晶構造を持ち、平均粒径が100nmであった。
で黒色微粒子を得た。得られた黒色微粒子は、Fe3 O
4 の結晶構造を持ち、平均粒径が100nmであった。
【0014】
【発明の効果】本発明によって製造されたFe3 O4 の
結晶構造を持つ黒色顔料は、平均粒径50〜120nm
のほぼ球状の微粒子で、耐熱性、絶縁性、発色性に優れ
ているという効果がある。
結晶構造を持つ黒色顔料は、平均粒径50〜120nm
のほぼ球状の微粒子で、耐熱性、絶縁性、発色性に優れ
ているという効果がある。
Claims (3)
- 【請求項1】 鉄原料を消費アノード電極として、直流
アークプラズマ法で製造したγ−Fe2 O3 の結晶構造
を持つ赤褐色酸化鉄微粒子を製造した後、該酸化鉄微粒
子を用いて、還元性雰囲気中で焼成することによりFe
3 O4 の結晶構造を持つ黒色微粒子を得ることを特徴と
する酸化鉄微粒子黒色顔料の製造方法。 - 【請求項2】 焼成温度が550〜850℃であること
を特徴とする請求項1記載の酸化鉄微粒子黒色顔料の製
造方法。 - 【請求項3】 上記のFe3 O4 の結晶構造を持つ黒色
微粒子の平均粒径が50〜120nmであることを特徴
とする請求項1記載の酸化鉄微粒子黒色顔料の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000295742A JP2002104828A (ja) | 2000-09-28 | 2000-09-28 | 酸化鉄微粒子黒色顔料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000295742A JP2002104828A (ja) | 2000-09-28 | 2000-09-28 | 酸化鉄微粒子黒色顔料の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002104828A true JP2002104828A (ja) | 2002-04-10 |
Family
ID=18778118
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000295742A Pending JP2002104828A (ja) | 2000-09-28 | 2000-09-28 | 酸化鉄微粒子黒色顔料の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002104828A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111155137A (zh) * | 2020-01-17 | 2020-05-15 | 西北师范大学 | 液体阴极辉光放电等离子体制备纳米四氧化三铁的方法 |
KR20230116778A (ko) | 2020-12-09 | 2023-08-04 | 디아이씨 가부시끼가이샤 | 산화철 입자 및 산화철 입자의 제조 방법 |
-
2000
- 2000-09-28 JP JP2000295742A patent/JP2002104828A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111155137A (zh) * | 2020-01-17 | 2020-05-15 | 西北师范大学 | 液体阴极辉光放电等离子体制备纳米四氧化三铁的方法 |
CN111155137B (zh) * | 2020-01-17 | 2022-02-01 | 西北师范大学 | 液体阴极辉光放电等离子体制备纳米四氧化三铁的方法 |
KR20230116778A (ko) | 2020-12-09 | 2023-08-04 | 디아이씨 가부시끼가이샤 | 산화철 입자 및 산화철 입자의 제조 방법 |
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