JP2002104729A - トラバース装置 - Google Patents

トラバース装置

Info

Publication number
JP2002104729A
JP2002104729A JP2000298603A JP2000298603A JP2002104729A JP 2002104729 A JP2002104729 A JP 2002104729A JP 2000298603 A JP2000298603 A JP 2000298603A JP 2000298603 A JP2000298603 A JP 2000298603A JP 2002104729 A JP2002104729 A JP 2002104729A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
traverse
yarn
blades
blade
point
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000298603A
Other languages
English (en)
Inventor
Shoichi Toune
昭一 刀袮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Machinery Ltd
Original Assignee
Murata Machinery Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Machinery Ltd filed Critical Murata Machinery Ltd
Priority to JP2000298603A priority Critical patent/JP2002104729A/ja
Publication of JP2002104729A publication Critical patent/JP2002104729A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Winding Filamentary Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 クリーピングの実施と、テーパーエンドのパ
ッケージに巻取ることのできる羽根トラバース装置を提
供することにある。 【解決手段】 糸Yのトラバース軌跡を形成するトラバ
ースガイド2と、トラバース軌跡の左の糸折返し点b、
中間の糸受渡し点a及び右に糸折返し点cの順及びその
逆順に連続して糸Yの受渡しを行うよう、トラバース軌
跡に沿って互いに逆回転する2枚一対からなる2組のト
ラバース羽根6,7、8,9とを備える羽根トラバース
装置1であって、2組のトラバース羽根6〜9の各々を
移動し、該2組の各々を構成する2枚一対のトラバース
羽根6,7、8,9の回転軸10,11、12,13間
の距離を変更する手段が設けられているものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パッケージに巻取
られる糸をトラバースするトラバース装置に関し、特
に、トラバース軌跡の左右の糸折返し点において、各ト
ラバース羽根間で糸の受渡しを行うことにより、糸を左
右の糸折返し点間でトラバースさせるとともに、トラバ
ース幅を変更できるものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のトラバース装置としては、パッケ
ージに巻取られる糸のトラバース軌跡を形成するトラバ
ースガイドと、トラバース軌跡に沿って互いに逆回転す
る2枚一組のトラバース羽根とを備えるものが知られて
いる。
【0003】このトラバース装置では、トラバース羽根
を互いに逆回転し、トラバース軌跡の左右の糸折返し点
において、各トラバース羽根間で糸の受渡しを行うこと
により、糸を左右の糸折返し点間でトラバースさせるも
のである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のトラバース装置
では、2枚一組のトラバース羽根の回転軌跡、トラバー
スガイドのトラバース軌跡によって、左右の糸折返し点
を規制し、トラバース巾を一定のものとしている。した
がって、トラバース巾を変更して、パッケージに巻き取
る糸をクリーピングすること、テーパーエンドのパッケ
ージを形成することが困難な構成である。
【0005】本発明の目的は、クリーピングの実施と、
テーパーエンドのパッケージに巻き取ることのできるト
ラバース装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決しようとする手段】上記問題を解決する請
求項1記載のトラバース装置は、糸のトラバース軌跡を
形成するトラバースガイドと、前記トラバース軌跡の左
の糸折返し点、中間の糸受渡し点及び右の糸折返し点の
順及びその逆順に連続して糸の受渡しを行うよう、互い
に逆回転する2枚一対からなる複数組のトラバース羽根
とを備えるトラバース装置であって、前記複数組のトラ
バース羽根うち、左右側に位置する2組の各々を構成す
る2枚一対のトラバース羽根の糸折返し点へ向かって糸
を移動させるトラバース羽根同士の回転軸間の距離を変
更する軸間変更手段が設けられているものである。この
トラバース装置では、2枚一対からなるトラバース羽根
をトラバース軌跡の左右の糸折返し点間に複数組設け、
トラバース軌跡の左の糸折返し点、中間の糸受渡し点及
び右の糸折返し点の順及びその逆順に連続して糸の受渡
しを行うことにより、糸を各糸折返し点間のトラバース
巾にてトラバースさせる。糸の巻取中に、左右側に位置
する2組の各々を構成する2枚一対のトラバース羽根の
うち、糸折返し点へ向かって糸を移動させるトラバース
羽根同士の回転軸間の距離を変えることにより、トラバ
ースガイドに沿って移動する糸を放す位置が変化し、ト
ラバース巾を変更できる。そして、糸の巻取中に、トラ
バース巾を徐々に狭めて行くことにより、テーパーエン
ドのパッケージを形成できる。また、糸の巻取中に、ト
ラバース巾を適宜、狭め、拡げることにより、クリーピ
ングを実施できる。このクリーピングによって、パッケ
ージの巻き取り幅両端側に発生する耳高現象を解消でき
る。
【0007】請求項2記載のトラバース装置は、請求項
1において、前記2枚一対の残りのトラバース羽根同士
の回転軸間の距離を変更するもう1つの軸間変更手段が
設けられているものである。このトラバース装置では、
糸折返し点へ向かって糸を移動させるトラバース羽根同
士の回転軸間の距離を変えることに対応して、残りのト
ラバース羽根同士の回転軸間の距離を変更するすること
により、左右の糸の折り返し点の変化に伴う中間の糸受
渡し点の変動を少なくすることができる。
【0008】請求項3記載のトラバース装置は、請求項
1または2において、前記糸折返し点へ向かって糸を移
動させるトラバース羽根の回転軸を、該トラバース羽根
同士の回転軸を結ぶ線に対し、前記糸受渡し点に対して
進退する方向へ斜めに移動させるよう、軸間変更手段が
構成されているものである。トラバース軌跡を形成する
トラバースガイドの位置が変わらずに、トラバース羽根
を糸受渡し点に対して進出させると、トラバース羽根の
先端がトラバースガイドに沿って糸を放す位置、即ち、
折り返し点が中間の糸受渡し点側に近づき、トラバース
巾が狭くなる。逆に、トラバース羽根を糸受渡し点に対
して退出させると、トラバース羽根の先端がトラバース
ガイドに沿って糸を放す位置、即ち、折り返し点が中間
の糸受渡し点側から離れ、トラバース巾が広くなる。ま
た、糸折返し点へ向かって糸を移動させるトラバース羽
根を糸受渡し点に対して進退させると、糸折り返し点に
向かうトラバース羽根を前記糸受け渡し点近くでトラバ
ースガイドの糸案内部(ガイド形状)に対して起立した
状態を保ち、糸受け渡し点での糸の受け渡しを確実にす
る。また、糸折返し点へ向かって糸を移動させるトラバ
ース羽根を糸受渡し点に対して進退させると、糸受渡し
点、トラバース羽根の回転軸の中心、糸折り返し点を結
ぶ角度をぼぼ90°に保ち、回転軸間の距離が変更され
ても、一つのトラバース羽根は常に1/4ストロークを
担当することができ、他のトラバース羽根との同期を取
って糸の受け渡しを一致させることが可能になる。
【0009】請求項4記載のトラバース装置は、請求項
1〜3のいずれかにおいて、前記残りのトラバース羽根
の回転軸を、該トラバース羽根同士の回転軸を結ぶ線に
対し、糸折返し点に対して進退する方向へ斜めに移動さ
せるよう、もう1つの軸間変更手段が構成されているも
のである。トラバース巾が狭くなると、残りのトラバー
ス羽根の回転軸を糸折返し点に対して進出させると、こ
の残りのトラバース羽根が中間の糸受渡し点で糸を放す
位置がトラバースガイドに沿った位置となる。トラバー
ス巾が広くなると、残りのトラバース羽根の回転軸を糸
折返し点に対して退出させると、この残りのトラバース
羽根が中間の糸受渡し点で糸を放す位置がトラバースガ
イドに沿った位置となる。これにより、中間の糸受渡し
点が変動することがなく、特別のガイドを必要とせずに
糸の受け渡しを確実に行うことができる。また、糸受渡
し点へ向かって糸を移動させるトラバース羽根を糸折り
返し点に対して進退させると、糸受渡し点、トラバース
羽根の回転軸の中心、糸折り返し点を結ぶ角度をぼぼ9
0°に保ち、回転軸間の距離が変更されても、一つのト
ラバース羽根は常に1/4ストロークを担当することが
でき、他のトラバース羽根との同期を取って糸の受け渡
しを一致させることが可能になる。また、糸受渡し点へ
向かって糸を移動させるトラバース羽根を糸折り返し点
に対して進退させると、糸受渡し点を基準にすると、ト
ラバース羽根の回転軸の位置が変化しても、回転軸の中
心から糸受渡し点迄の距離がほぼ等距離になり、糸受渡
し点での糸の受け渡しが安定して行われる。
【0010】請求項5記載のトラバース装置は、請求項
1〜4のいずれかにおいて、前記トラバース羽根の先端
は、トラバース羽根同士の回転軸間の距離が変更された
とき、中間の前記糸受渡し点及び左右の前記糸折り返し
点で糸を停滞させない形状を有するものである。トラバ
ース羽根同士の回転軸間の距離が変更されても、糸受渡
し点及び糸折り返し点で糸を停滞させない形状例えば円
弧形状部にすると、糸受渡し点及び位置変更される糸折
り返し点にトラバース羽根同士の糸の受け渡し位置を一
致させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のトラバース装置の一実施
形態について、図1〜図13を参照して説明する。図1
は、トラバース装置の模式図であり、巻取機に適用した
例を示す。
【0012】図1において、トラバース装置1は、巻取
機91に設けられている。巻取機91は、給糸パッケー
ジから解舒される糸Yをトラバース装置1を通して、接
触ローラ92で回転されるボビンBfに巻取パッケージ
Pとして巻き取る。この巻取機91は、ボビンBfの両
軸端を回転自在に把持して接触ローラ92に圧接するク
レードル93を備えている。クレードル93は、巻取機
91に対して旋回可能に支持され、巻取パッケージPが
満巻きになるにつれて接触ローラ92から離れるように
旋回される。
【0013】図1に示すように、トラバース装置1は、
トラバース軌跡に沿って糸Yをガイドするトラバースガ
イド2と、巻取パッケージPに巻き取られる糸Yをトラ
バースさせる2組の羽根ユニット3,4とを備えてい
る。
【0014】図1に示すように、トラバースガイド2
は、トラバース軌跡の中心となる糸受渡し点aと、糸受
渡し点aから巻取パッケージPの軸方向両端側へ等距離
を隔てた左右の糸折返し点b,cとを形成する。また、
トラバースガイド2は、左右の糸折返し点b,cの間に
おいて、トラバース軌跡となるガイド形状(糸案内部)
5を形成している。ガイド形状5は、糸受渡し点aを中
心とする左右対称の形状であり、糸受渡し点aから突出
して各糸折返し点b,cに至る円弧形状部5aと、各糸
折返し点b,cから巻取パッケージPの軸方向へ平行に
延びる折返し直線形状部5bとからなる。なお、トラバ
ースガイド2の円弧形状部5aは、トラバースされる糸
Yの速度を均等にできるものに形成されている。
【0015】図1に示すように、2組の羽根ユニット
3,4は、糸受渡し点aを通る中心線rを中心として左
右対称に配置されている。中心線rから左側の羽根ユニ
ット3は、2枚一対からなるトラバース羽根6,7を備
えている。各トラバース羽根6,7は、その回転平面が
板状のトラバースガイド2及び接触ローラ92の回転軸
線に対して平行になるように配置されている。また、各
トラバース羽根6,7は、トラバースガイド2よりも下
流側であって接触ローラ92に接近して配置されてい
る。トラバース羽根6は、中心線rに対し左の糸折返し
点b側にある回転軸10に軸支され、トラバース羽根7
は、トラバース羽根6とトラバースガイド2との間に位
置して回転軸10よりも糸受渡し点a側にある回転軸1
1に軸支されている。これらの各トラバース羽根6,7
は、トラバースガイド2の円弧形状部5aより小さな即
ち曲率半径の小さな回転軌跡S1,S2を有し、各回転
軌跡S1,S2は左の糸折返し点bと糸受渡し点aの夫
々を通過する如く設定する。
【0016】図1に示すように、中心線rから右側の羽
根ユニット4は、2枚一対からなるトラバース羽根8,
9を備えている。各トラバース羽根8,9は、その回転
平面が板状のトラバースガイド2及び接触ローラ92の
回転軸線に対して平行に配置されている。トラバース羽
根8は、その回転平面が羽根ユニット3のトラバース羽
根6の回転平面と同一平面に位置して中心線rに対し右
の糸折返し点c側にある回転軸12に軸支され、トラバ
ース羽根9は、その回転平面が羽根ユニット3のトラバ
ース羽根7の回転平面と同一平面に位置して回転軸12
よりも糸受渡し点a側にある回転軸13に軸支されてい
る。また、各回転軸10と12、及び各回転軸11と1
3は、中心線rを中心として左右対称に配置されてい
る。これらの各トラバース羽根8,9は、トラバースガ
イド2の円弧形状部5aより小さな即ち曲率半径の小さ
な回転軌跡S3,S4を有し、各回転軌跡S3,S4は
右の糸折返し点cと糸受渡し点aの夫々を通過する如く
設定する。
【0017】図1に示すように、糸Yの巻き取りを開始
すると、羽根ユニット3を構成するトラバース羽根6,
7を互いに逆回転、即ち、トラバース羽根6を左の糸折
返し点bから糸受渡し点aへ時計回りに回転させ、トラ
バース羽根7を糸受渡し点aから左の糸折返し点bへ反
時計回りに回転させる。同時に、羽根ユニット4を構成
するトラバース羽根8,9を互いに逆回転、即ち、トラ
バース羽根8を右の糸折返し点cから糸受渡し点aへ反
時計回りに回転させ、トラバース羽根9を糸受渡し点a
から右の糸折返し点cへ時計回りに回転させる。
【0018】図1に示すように、左側の羽根ユニット3
を構成するトラバース羽根6,7は、各回転軸10,1
1間の距離を変更するよう移動される。トラバース羽根
6の回転軸10は、中心線rに対し左の糸折返し点b側
で回転軸10の下側にある揺動軸Aを支点として、左の
糸折返し点b側へ斜め上に揺動される。トラバース羽根
7の回転軸11は、中心線r上の下側にある揺動軸Bを
支点として、糸受渡し点a側へ斜め上に揺動される。ま
た、右側の羽根ユニット4を構成するトラバース羽根
8,9も、各回転軸12,13間の距離を変更するよう
に移動される。トラバース羽根8の回転軸12は、中心
線rに対し右の糸折返し点c側で回転軸12の下側にあ
る揺動軸Cを支点として、右の糸折返し点c側へ斜め上
に揺動される。トラバース羽根9の回転軸13は、揺動
軸Bを支点として、糸受渡し点a側へ斜め上に揺動され
る。また、揺動軸A,Cは、中心線rを中心として左右
対称に配置されている。このようにして、糸Yを糸折返
し点b,cから糸受渡し点aへ移動させるトラバース羽
根6,8同士の回転軸10,12間及び糸Yを糸受渡し
点aから糸折返し点b,cへ移動させるトラバース羽根
7,9同士の回転軸11,13間距離がそれぞれ変更可
能になっている。以上説明した構成により、糸折返し点
b,cへ向かって糸を移動させるトラバース羽根7,9
の回転軸に対して、トラバース羽根7,9同士の回転軸
11,13を結ぶ線に対し、糸受渡し点aに対して進退
する方向へ斜めに移動させるよう、前記軸間変更手段が
構成されている。また、糸受渡し点aへ向かって糸を移
動させる残りのトラバース羽根6,8の回転軸10,1
2に対して、トラバース羽根6,8同士の回転軸を結ぶ
線に対し、糸折返し点b,cに対して進退する方向へ斜
めに移動させるよう、もう1つの前記軸間変更手段が構
成されている。
【0019】これにより、トラバース羽根6,8の回転
軸10,12間距離及びトラバース羽根7,9の回転軸
11,13間距離を中心線rに対して左右対称に小さく
すると、図1の二点鎖線に明瞭に示されるように、左右
の糸折返し点b,cが糸受渡し点a側に変化し、トラバ
ース巾をLからL1に狭める。
【0020】これらの各トラバース羽根6〜9の移動
は、トラバース巾を変更する前後において、 (1)糸受渡し点aを変動することなく、常に、トラバ
ース巾の中心とし、 (2)トラバース羽根6,7の回転軸10,11を中心
とする、左の糸折返し点bと糸受渡し点aとの間のトラ
バース角度θ1と、トラバース羽根8,9の回転軸1
2,13を中心とする、右の糸折返し点cと糸受渡し点
aとの間のトラバース角度θ2とをほぼ90°とするよ
う、左右の糸折返し点b,c側または糸受渡し点a側へ
斜め上に揺動される。これにより、各トラバース羽根6
〜9を揺動して、トラバース巾を変更しても、糸受渡し
点a、左右の糸折返し点b,cで糸Yを1/4ストロー
クずつの受渡しを行って、糸Yをトラバースさせること
ができる。 (3)ここで、トラバース羽根6,8の回転軸10,1
2の左右の糸折返し点b,cに向かう斜め上への移動
は、糸受渡し点aを変動させないためのものである。す
なわち、糸受渡し点aへ向かって糸を移動させるトラバ
ース羽根6,8を糸折り返し点b,cに対して進退させ
ると、糸受渡し点aを基準にすると、トラバース羽根
6,8の回転軸10,12の位置が変化しても、回転軸
10,12の中心から糸受渡し点a迄の距離がほぼ等距
離になり、糸受渡し点aでの糸の受け渡しが安定して行
われる。 (4)また、トラバース羽根7,9の回転軸11,13
の糸受渡し点aに向かう斜め上への移動は、糸受渡し点
aでトラバース羽根7,9をガイド2のガイド部分に対
し、小さい角度で交差するようにし、トラバース羽根
7,9の糸の受取りミスをなくす意味もある。すなわ
ち、糸折返し点b,cへ向かって糸を移動させるトラバ
ース羽根7,9を糸受渡し点aに対して進退させると、
糸折り返し点b,cに向かうトラバース羽根7,9を糸
受け渡し点a近くでトラバースガイドのガイド形状5に
対してほぼ一定の起立した状態に保ち、糸受け渡し点a
での糸の受け渡しを確実にする。
【0021】図1に示すように、各トラバース羽根6〜
9は、トラバース巾を変更する前後において、トラバー
ス角度θ1,θ2をほぼ90°とする形状にされてい
る。これら各トラバース羽根6〜9は、糸受渡し点a、
左右の糸折返し点b,cで糸Yを受渡す側に円弧形状部
6a〜9aが形成されている。各円弧形状部6a〜9a
は、各トラバース羽根6〜9の先端から各回転軸10〜
13に向かうにつれて、該トラバース羽根6〜9の幅を
増して行くように形成されている。この円弧形状部6a
〜9aは、トラバース羽根6〜9の先端が、トラバース
羽根6〜9同士の回転軸間の距離10〜13が変更され
たとき、中間の糸受渡し点a及び左右の糸折り返し点
b,cで糸を停滞させない機能を有するものである。こ
の機能によって、糸受渡し点a及び変化する糸折り返し
点b,cにトラバース羽根6〜9同士の糸の受け渡し位
置を一致させることができ、トラバース幅の変化に関わ
らず、糸を糸受け渡し点及び糸折り返し点で停滞させな
いようにできる。
【0022】次に、トラバース装置1の動作について、
図1〜図10により説明する。
【0023】なお、トラバース装置1における、通常の
トラバース手順、テーパエンドの巻取パッケージを形成
するトラバース手順、及びクリーピングを実施する手順
について説明する。ここで、図1に示されるトラバース
装置1は、ボビンBfに糸Yが巻き取られていない状態
とする。
【0024】(A)通常のトラバース手順
【0025】図1に示すように、巻取機91は、クレー
ドル93によりボビンBfを回転可能に把持して、接触
ローラ92に圧接させる。同時に、巻取機91は、接触
ローラ92を駆動することにより、ボビンBfを回転さ
せて糸Yの巻き取りを開始する。
【0026】図1に示すように、トラバース羽根7は、
左の折返し点bでトラバースガイド2の円弧形状部5a
でガイドされる糸Yを放すとほぼ同時に、トラバース羽
根6は、左の糸折返し点bにおいて、円弧形状部6aで
糸Yを捕捉して、トラバースガイド2の円弧形状部5a
で糸Yをガイドしながら糸受渡し点a側へトラバースさ
せる。即ち、トラバース羽根6は、左のトラバース端か
らトラバース中央へ向かって糸Yを移動させる。
【0027】図2に示すように、トラバース羽根6が糸
受渡し点aまで時計回りに回転すると、同時に、トラバ
ース羽根9も糸受渡し点aまで時計回りに回転する。こ
れにより、糸Yは、糸受渡し点aにおいて、トラバース
羽根6からトラバース羽根9の円弧形状部9aに受渡し
され、該トラバース羽根9の時計回りの回転によって右
の糸折返し点c側へトラバースされる。即ち、トラバー
ス羽根9は、糸Yをトラバース中央から右のトラバース
端へ向かって移動させる。
【0028】図3に示すように、トラバース羽根9が右
の糸折返し点cまで時計回りに回転すると、円弧形状部
5aでガイドされる糸Yを放し、同時に、右の糸折返し
点cまで反時計回りに回転するトラバース羽根8が糸Y
を受け取る。これにより、糸Yは、右の糸折返し点cに
おいて、トラバース羽根9からトラバース羽根8の円弧
形状部8aに受渡しされ、該トラバース羽根8の反時計
回りの回転によって糸受渡し点a側へトラバースされ
る。即ち、トラバース羽根8は、糸Yを右のトラバース
端からトラバース中央へ向かって移動させる。
【0029】図4に示すように、トラバース羽根8が糸
受渡し点aまで反時計回りに回転し、糸を放すと同時
に、トラバース羽根7も糸受渡し点aまで反時計回りに
回転しており、糸Yを受け取る。これにより、糸Yは、
糸受渡し点aにおいて、トラバース羽根8からトラバー
ス羽根7の円弧形状部7aに受渡しされ、該トラバース
羽根7の反時計回りの回転によって左の糸折返し点b側
へトラバースされる。即ち、トラバース羽根7は、糸Y
をトラバース中央から左のトラバース端に向かって移動
させる。
【0030】図1に示すように、トラバース羽根7が左
の糸折返し点bまで反時計回りに回転し、糸Yを放すと
同時に、トラバース羽根6も左の糸折返し点bまで時計
回りに回転して糸Yを受け取る。これにより、糸Yは、
左の糸折返し点bにおいて、トラバース羽根7からトラ
バース羽根6の円弧形状部6aに受渡しされ、該トラバ
ース羽根6の時計回りの回転によって糸受渡し点a側へ
トラバースされる。この様に、糸Yは、左の糸折返し点
b、中間の糸受渡し点a及び右の糸折返し点bの順、及
びその逆順に受渡しされ、左右の糸折返し点b,c間の
トラバース巾Lをもってトラバースされ、図1に示すボ
ビンBfに巻き取られる。
【0031】(B)テーパエンドの巻取パッケージPを
形成するトラバース手順
【0032】図1〜図4と同様にして、巻取機91によ
る糸Yの巻き取りと、トラバース装置1によるトラバー
スを開始する。
【0033】図5に示すように、糸Yの巻き取り時間の
経過とともにトラバース巾をL,L1,L2・・・のよ
うに狭めることで、テーパーエンドの巻取パッケージP
を形成する。
【0034】図5に示すように、トラバース巾を狭める
ため、各トラバース羽根6〜9を同期して揺動させる。
これらの各トラバース羽根6〜9の回転軸10,11,
12,13は、各揺動軸A〜Cを支点として左右の糸折
返し点b,c側へ斜め上、糸受渡し点a側へ斜め上に揺
動される。また、糸をトラバース中央へ向かい移動させ
るトラバース羽根6,8の回転軸10,12を同じ揺動
量をもって移動し、糸をトラバース端へ向かい移動させ
るトラバース羽根7,9の回転軸11,13を同じ揺動
量をもって移動する。そして、各トラバース羽根6〜9
の回転軸10,11,12,13の揺動は、糸受渡し点
aを変動することなく、トラバース角度θ1,θ2をぼ
ほ90°となるように行われる。これにより、左右の糸
折返し点b,cは、同じ距離をもって糸受渡し点a側へ
変動して、トラバース巾をLからL1に狭める。トラバ
ース巾を狭めると、トラバース羽根6は、左の糸折返し
点bにおいて、糸Yを捕捉して糸受渡し点a側へトラバ
ースさせる。
【0035】図6に示すように、トラバース羽根6が糸
受渡し点aまで時計回りに回転すると、同時に、トラバ
ース羽根9も糸受渡し点bまで時計回りに回転する。こ
れにより、糸Yは、トラバース羽根6からトラバース羽
根9に受渡しされ、右の糸折返し点c側へトラバースさ
れる。そして、糸受渡し点aにおける糸Yの受渡しは、
図6に明瞭に示されるように、糸受渡し点aが変動する
ことなく、トラバース羽根6,9のトラバース角度θ
1,θ2がほぼ90°に保たれているので確実に行われ
ることになる。
【0036】図7に示すように、右の糸折返し点cにお
いて、糸Yは、トラバース羽根9からトラバース羽根8
に受渡しされ、該トラバース羽根8の反時計回りの回転
によって糸受渡し点a側へトラバースされる。図8に示
すように、糸受渡し点aにおいて、糸Yは、トラバース
羽根8からトラバース羽根7に受渡しされ、該トラバー
ス羽根7の反時計回りの回転によって左の糸折返し点b
側へトラバースされる。図5に示すように、左の糸折返
し点bにおいて、糸Yは、トラバース羽根7からトラバ
ース羽根6に受渡しされ、該トラバース羽根6の時計回
りの回転によって糸受渡し点a側へトラバースされる。
このとき、左右の糸折返し点b,c及び糸受渡し点aに
おいても、糸Yの受渡しは、図5〜図8に明瞭に示され
るように、糸受渡し点aが変動することなく、各トラバ
ース羽根6〜9のトラバース角度θ1,θ2がほぼ90
°に保たれているので確実に行われることになる。
【0037】この様に、各トラバース羽根6〜9の回転
軸10〜13を、糸Yの巻き取り時間の経過とともに同
期させて揺動し、糸Yをトラバース中央に向かって送る
トラバース羽根6,8の回転軸10,12間の距離、糸
Yをトラバース端に向かって送るトラバース羽根7,9
の回転軸11,13間の距離を減少させて、トラバース
巾をLからL1,L2・・・の順に狭めて行くことによ
り、図9に示すような、テーパエンドの巻取パッケージ
Pを形成する。
【0038】(C)クリーピングを実施する手順
【0039】図1〜図4と同様に、巻取機91による糸
Yの巻き取りと、トラバース装置1によるトラバースを
開始する。トラバースを開始した後、周期的にトラバー
ス巾を狭め、拡げることを繰り返してクリーピングを実
施することにより、巻取パッケージPの巾両端に耳高現
象の発生することを解消できる。
【0040】図5に示すように、各トラバース羽根6〜
9の回転軸10〜13を、同期するように、各揺動軸A
〜Cを支点として正逆揺動させる。これにより、回転軸
10,12間の距離、回転軸11,13間の距離を増減
させることを繰り返す。
【0041】図10に示すように、回転軸10,12間
の距離及び回転軸11,13間の距離を増減させると、
トラバース巾はLからLa1又はLa2に狭められ、そ
の逆に広げられることになり、これによりクリーピング
を実施する。
【0042】次に、トラバース装置1の具体的な構造例
を、図11〜図13により説明する。
【0043】図11は、各トラバース羽根6〜9を揺動
させる揺動機構21を示している。図11において、各
トラバース羽根7,9の揺動軸Bは、糸受渡し点aを通
る中心線r上の下側に配置されている。また、各トラバ
ース羽根6,8の揺動軸A,Cは、糸受渡し点aと揺動
軸Bとの間に位置して、中心線rを中心として左右対称
に配置されている。
【0044】図11に示すように、揺動機構21は、揺
動ギア部材22,23と、揺動レバー24,25と、伝
達ギア部材26,27とを備え、これら部材を中心線r
を中心として左右対称に配置している。また、揺動機構
21は、各部材23〜27によって、トラバース巾を変
更する前後において、糸受渡し点aを変動することな
く、各トラバース角度θ1,θ2をほほ90°とするよ
う、各トラバース羽根6〜9の回転軸10〜13を揺動
させる構成である。
【0045】図11に示すように、各揺動ギア部材2
2,23は、各揺動軸A,Cに対して軸支され、中心線
r上で互いに噛み合わされている。また、各揺動ギア部
材22,23には、各トラバース羽根6,8の回転軸1
0,12が回転自在に軸支されている。各回転軸10,
12は、中心線rを中心として左右対称に配置されてい
る。各揺動レバー24,25は、揺動軸Bに対して回転
自在に上下2段で軸支され、各回転軸10,12の近傍
まで延びている。また、各揺動レバー24,25は、各
揺動ギア部材22,23の上側に平行配置されている。
これら各揺動レバー24,25の先端部には、各トラバ
ース羽根7,9の回転軸11,13が回転自在に軸支さ
れている。各回転軸11,13は中心線rを中心として
左右対称に配置されている。各伝達ギア部材26,27
は、揺動軸Bの左右に配置された伝達軸30,31に回
転自在に軸支されている。また、各伝達ギア部材26,
27は、各伝達軸30,31と揺動軸Bに回転自在に軸
支されたギア対によって各揺動レバー24,25に連結
されている。
【0046】図11に示すように、揺動ギア部材23を
時計回りに旋回すると、トラバース羽根8の回転軸12
は、揺動軸Cを支点として右の糸折返し点c側へ斜め上
に揺動される。揺動ギア部材23の旋回は、揺動ギア部
材22と、伝達ギア部材27等によって揺動レバー25
に伝達される。揺動ギア部材22は、反時計回りに旋回
し、これによりトラバース羽根6の回転軸10は揺動軸
Aを支点として左の糸折返し点b側へ斜め上に揺動され
る。また、揺動レバー25は、反時計回りに旋回し、こ
れによりトラバース羽根9の回転軸13は揺動軸Bを支
点として糸受渡し点a側へ斜め上に揺動される。さら
に、揺動ギア部材22の旋回は、伝達ギア部材26等に
よって揺動レバー24に伝達される。揺動レバー24
は、時計回りに旋回し、これによりトラバース羽根7の
回転軸11は揺動軸Bを支点として糸受渡し点a側へ斜
め上に揺動される。
【0047】この様に、揺動ギア部材23を時計回りに
旋回することで、各トラバース羽根6〜9の回転軸10
〜13を同期して揺動でき、各回転軸10と12、各回
転軸11と13を同じ揺動量だけ移動できる。これによ
り、トラバース羽根6,8の回転軸10,12間の距離
と、トラバース羽根7,9の回転軸11,13間の距離
とをトラバース中心から同じにして小さくでき、もって
トラバース巾を狭めることが可能となる。また、揺動ギ
ア部材23を、周期的に時計回り、反時計回りに旋回す
ることで、回転軸10,12間の距離と、回転軸11,
13間の距離とを同じにして大きく、又は小さくでき、
もってトラバース巾を狭め、及び広げることを適宜行っ
て、クリーピングを実施することが可能となる。
【0048】図12は、揺動ギア部材23とクレードル
93を連結するリンク機構35、及びクリーピング機構
36を示している。
【0049】図12において、リンク機構35は、リン
クレバー37と、V字状のリンクプレート38とを備え
ている。リンクレバー37の一端側は、図11に示す揺
動カム部材23に連結されている。また、リンクレバー
37は、2つのロッドエンド39等によって巻取機91
のフレーム94に支持され、さらに2つのロッドエンド
40等によってリンクプレート38に連結されている。
このリンクレバー37の他端側には、クリーピング機構
36に当接するローラ41が設けられている。リンクプ
レート38は、回転自在に軸支され、クレードル93の
円弧プレート95に当接するローラ42を有している。
円弧プレート95はクレードル93と共に旋回される。
【0050】図12に示すように、糸Yの巻き取りが満
巻きになるにつれて、クレードル93は、接触ローラ9
2から離れるように旋回し、同時に、円弧プレート95
も旋回する。円弧プレート95の旋回は、ローラ42を
介してリンクプレート38を反時計回りに回転し、各ロ
ッドエンド39,40によってリンクレバー37を下側
に押し下げる。これにより、図11に示す揺動ギア部材
23を反時計回りに旋回させる。
【0051】この様に、クレードル93の旋回に追従
し、該クレードル93の旋回量に応じて、図11に示す
揺動ギア部材23を反時計回りに旋回できる。これによ
り、図11に示すように、トラバース羽根6,8の回転
軸10,12間の距離と、トラバース羽根7,9の回転
軸11,13間の距離とを徐々に小さくでき、もってト
ラバース巾もクレードル93の旋回、即ち、糸Yの巻き
取り時間の経過(パッケージPの巻径増大)とともに狭
めることにより、テーパエンドの巻取パッケージPを形
成できる。
【0052】図12に示すように、クリーピング機構3
6は、リンクレバー37のローラ41に接触するクリー
ピングカム45と、クリーピングカム45を正逆回転さ
せるクリーピングモータ46とを備えている。クリーピ
ングモータ46を駆動して、クリーピングカム45を正
逆回転させることで、リンクレバー37を押し下げ、押
し上げして、図11に示す揺動ギヤ部材23を時計回
り、又は反時計回りに旋回させる。これにより、図11
に示すように、トラバース羽根6,8の回転軸10,1
2間の距離と、トラバース羽根7,9の回転軸11,1
3間の距離とを大きく、小さくなるよう繰り返すことが
でき、もってトラバース巾を周期的に狭め、広げること
により、クリーピングを実施することができる。
【0053】図13は、各トラバース羽根6〜9を回転
する回転駆動機構51を示している。なお、図13にお
いて、図11と同一符号は同一部材を示す。
【0054】図13に示すように、回転駆動機構51
は、駆動モータ52と、複数のプーリ61〜68と、複
数のギア71〜76と、複数のタイミングベルト81〜
86等により構成される。
【0055】図13に示すように、複数のプーリ61〜
68とギア71〜76は、各伝達軸30,31、各揺動
軸A〜C及び各トラバース羽根6〜9の回転軸10〜1
3に配置されている。伝達軸30には、上下2段の従動
プーリ61,62と、伝達ギア71とが配置され、伝達
軸31には、従動プーリ63と、伝達ギア72とが配置
されている。また、揺動軸Aには、段付プーリ64が回
転自在に配置され、揺動軸Bには、上下2段のプーリ付
ギア73,74が回転自在に配置され、揺動軸Cには、
プーリ付ギア75が回転自在に配置されている。各トラ
バース羽根6〜9の回転軸10〜13には、回転プーリ
65〜68の夫々が回転自在に配置されている。さら
に、揺動軸C側に配置された従動軸53には、プーリ付
ギア76が回転自在に配置されている。
【0056】図13に示すように、駆動モータ52の出
力軸と伝達軸30の従動プーリ61には、タイミングベ
ルト81が張架されている。伝達軸30の伝達ギア71
は、揺動軸Bの下側のプーリ付ギア74に噛み合わされ
ている。また、伝達軸30の従動プーリ62、揺動軸A
の段付プーリ64、従動軸53のプーリ付ギア76及び
伝達軸31の従動プーリ63には、タイミングベルト8
2が張架されている。従動軸53のプーリ付ギア76
は、揺動軸Cのプーリ付ギア75に噛み合わされてい
る。また、伝達軸31の伝達ギア72は、揺動軸Bの上
側のプーリ付ギア73に噛み合わされている。さらに、
揺動軸Aの段付プーリ64と回転軸10の回転プーリ6
5には、タイミングベルト83が張架され、揺動軸Cの
プーリ付ギア75と回転軸12の回転プーリ67には、
タイミングベルト84が張架されている。また、揺動軸
Bの各プリー付ギア73,74と各回転軸11,13の
回転プーリ66,69の夫々には、タイミングベルト8
5,86が張架されている。
【0057】図13に示すように、回転駆動機構51
は、駆動モータ52を駆動し、出力軸を時計回りに回転
させる。この駆動モータ52の回転は、各プーリ61〜
68、各ギア71〜76及び各タイミングベルト81〜
86によって、各回転軸10〜13の回転プーリ65〜
68に伝達される。これにより、回転駆動機構51は、
トラバース羽根6,7を互いに逆回転させると、同時
に、トラバース羽根8,9も互いに逆回転させる。この
様に、回転駆動機構51では、各トラース羽根6〜9を
同期して回転させることができ、これにより糸のトラバ
ースを可能にしている。
【0058】なお、本発明の羽根トラバース装置では、
図1〜図13に示すものに限定されず、例えば、次のよ
うな形態をとることができる。 (1)各トラバース羽根6〜9の回転軸10〜13は、
揺動するものの他、回転軸10〜13を結ぶ線に対し、
糸受渡し点に対して進退する方向へ斜めに移動させるよ
う直線移動して、回転軸10,12間の距離及び回転軸
11,13間の距離を増減させて、トラバース巾を変更
する構成も採用できる。 (2)トラバース中央へ向かって糸を移動させるトラバ
ース羽根の回転軸を固定し、トラバース端へ向かって糸
を移動させるトラバース羽根同士の回転軸間の距離のみ
を変更するようにしてもよい。これにより、トラバース
巾の変更が可能となるが、糸渡しの面で不安定になる場
合が生じるので、トラバースガイドを同時に移動させる
等の工夫を適宜加えることで可能となる。 (3)2組の羽根ユニット3,4、即ち、2枚一対から
なる2組のトラバース羽根6〜9によって糸Yをトラバ
ースさせる構造を示したが、3組以上の羽根ユニット、
即ち、2枚一対からなる3組以上のトラバース羽根によ
って糸Yをトラバースさせる構造も採用できる。 (4)巻取機91としては、仮撚加工機、自動ワインダ
ー等に用いられるもので、これらに羽根トラバース装置
1を適用できる。
【0059】
【発明の効果】請求項1記載の羽根トラバース装置で
は、糸の巻取中に、複数組のトラバース羽根うち、左右
側に位置する2組の各々を構成する2枚一対のトラバー
ス羽根の糸折返し点へ向かって糸を移動させるトラバー
ス羽根同士の回転軸間の距離を変更する軸間変更手段を
設けることにより、左右の糸折返し点が中間の糸受渡し
点に対して変化し、トラバース巾を変更できる。この結
果、糸の巻取中において、高速トラバースを達成しなが
ら、トラバース巾を変更することで、クリーピングを実
施でき、テーパエンドのパッケージを形成することが可
能となる。
【0060】請求項2記載の羽根トラバース装置では、
2枚1対の残りのトラバース羽根同士の回転軸間の距離
を変更するもう1つの軸間変更手段を設けることによ
り、トラバース巾を変更しても、糸受渡し点での受渡し
位置を変えることなく、糸Yをトラバースさせることが
できる。
【0061】請求項3記載の羽根トラバース装置では、
糸折返し点へ向かって糸を移動させるトラバース羽根の
回転軸を糸受渡し点に対して進退する方向へ斜めに移動
させる軸間変更手段を設けることにより、左右の糸折返
し点での糸の受け渡しを確実に行い、トラバース羽根の
糸の受取りミスをなくすことができる。
【0062】請求項4記載の羽根トラバース装置では、
残りのトラバース羽根の回転軸を糸折返し点に対して進
退する方向へ斜めに移動させるもう1つの前記軸間変更
手段を設けることにより、糸受渡し点の位置を変動させ
ることがなく、糸の受け渡しを確実に行うことができ
る。
【0063】請求項5記載の羽根トラバース装置では、
前記トラバース羽根の先端が中間の糸受渡し点及び左右
の糸折り返し点で糸を停滞させない形状を有するため、
トラバース幅の変化に関わらず、糸受け渡し点及び糸折
り返し点で糸を停滞させないようにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態におけるトラバース装置を示
す模式図である。
【図2】図1のトラバース装置における通常のトラバー
ス手順を示す模式図である。
【図3】図1のトラバース装置における通常のトラバー
ス手順を示す模式図である。
【図4】図1のトラバース装置における通常のトラバー
ス手順を示す模式図である。
【図5】図1のトラバース装置におけるテーパエンドの
巻取パッケージを形成するトラバース手順を示す模式図
である。
【図6】図1のトラバース装置におけるテーパエンドの
巻取パッケージを形成するトラバース手順を示す模式図
である。
【図7】図1のトラバース装置におけるテーパエンドの
巻取パッケージを形成するトラバース手順を示す模式図
である。
【図8】図1のトラバース装置におけるテーパエンドの
巻取パッケージを形成するトラバース手順を示す模式図
である。
【図9】テーパエンドの巻取パッケージを示す図であ
る。
【図10】図1のトラバース装置におけるクリーピング
を実施する手順を示す、パッケージの展開図である。
【図11】本発明のトラバース装置の具体的な構造例で
あって、各トラバース羽根を揺動させる揺動機構を示す
図である。
【図12】本発明のトラバース装置の具体的な構造例で
あって、揺動ギア部材とクレードルを連結するリンク機
構、及びクリーピング機構を示す図である。
【図13】本発明のトラバース装置の具体的な構造例で
あって、各トラバース羽根を回転する回転駆動機構を示
す図である。
【符号の説明】
1 トラバース装置 2 トラバースガイド 6〜9 トラバース羽根 10〜13 回転軸 Y 糸 a 糸受渡し点 b 左の糸折返し点 c 右の糸折返し点

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糸のトラバース軌跡を形成するトラバー
    スガイドと、前記トラバース軌跡の左の糸折返し点、中
    間の糸受渡し点及び右の糸折返し点の順及びその逆順に
    連続して糸の受渡しを行うよう、互いに逆回転する2枚
    一対からなる複数組のトラバース羽根とを備えるトラバ
    ース装置であって、 前記複数組のトラバース羽根うち、左右側に位置する2
    組の各々を構成する2枚一対のトラバース羽根の糸折返
    し点へ向かって糸を移動させるトラバース羽根同士の回
    転軸間の距離を変更する軸間変更手段が設けられている
    ことを特徴とするトラバース装置。
  2. 【請求項2】 前記2枚1対の残りのトラバース羽根同
    士の回転軸間の距離を変更するもう1つの軸間変更手段
    が設けられている請求項1に記載のトラバース装置。
  3. 【請求項3】 前記糸折返し点へ向かって糸を移動させ
    るトラバース羽根の回転軸を、該トラバース羽根同士の
    回転軸を結ぶ線に対し、糸受渡し点に対して進退する方
    向へ斜めに移動させるよう、前記軸間変更手段が構成さ
    れている請求項1または2に記載のトラバース装置。
  4. 【請求項4】 前記残りのトラバース羽根の回転軸を、
    該トラバース羽根同士の回転軸を結ぶ線に対し、糸折返
    し点に対して進退する方向へ斜めに移動させるよう、も
    う1つの前記軸間変更手段が構成されている請求項1〜
    3のいずれかに記載のトラバース装置。
  5. 【請求項5】 前記トラバース羽根の先端は、トラバー
    ス羽根同士の回転軸間の距離が変更されたとき、中間の
    前記糸受渡し点及び左右の前記折り返し点で糸を停滞さ
    せない形状を有する請求項1〜4のいずれかに記載のト
    ラバース装置。
JP2000298603A 2000-09-29 2000-09-29 トラバース装置 Pending JP2002104729A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000298603A JP2002104729A (ja) 2000-09-29 2000-09-29 トラバース装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000298603A JP2002104729A (ja) 2000-09-29 2000-09-29 トラバース装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002104729A true JP2002104729A (ja) 2002-04-10

Family

ID=18780543

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000298603A Pending JP2002104729A (ja) 2000-09-29 2000-09-29 トラバース装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002104729A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2511216A2 (en) 2011-04-13 2012-10-17 Murata Machinery, Ltd. Yarn winding apparatus and yarn withdrawal method

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2511216A2 (en) 2011-04-13 2012-10-17 Murata Machinery, Ltd. Yarn winding apparatus and yarn withdrawal method
CN102730482A (zh) * 2011-04-13 2012-10-17 村田机械株式会社 纱线卷绕机及纱线引出方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN1676698B (zh) 接头装置和便携式捻接器
US4216920A (en) Turret type yarn winding apparatus
CN102853046B (zh) 凸轮机构、长条物输送方法以及线圈的绕线方法及装置
JP2014234312A (ja) 糸継装置、巻取ユニット、繊維機械及び糸継方法
CN102530640A (zh) 丝线卷取机
JP2002104729A (ja) トラバース装置
US4099679A (en) Dual yarn tie-up and transfer tail apparatus
EP2522610B1 (en) Yarn winding device
KR100430991B1 (ko) 사조의 절환방법 및 장치
EP0965553A2 (en) Traverse apparatus having rotating wings
EP0834462B1 (en) Winding device
CN107472991B (zh) 一种纱线络筒机横动装置
JP2009007110A (ja) 糸巻取装置
JP3282589B2 (ja) ベルト式トラバース装置
JPH0881134A (ja) 糸移行システム
JPS587590B2 (ja) 糸条巻取装置
JP2012131642A (ja) 着色パッケージを製造する方法
JPH09314257A (ja) 線材移送装置
JPH06298458A (ja) 糸条巻取機のボビン供給装置
US3761028A (en) Automatic spindle-exchange apparatus on textile machinery
JPH06299419A (ja) 糸条巻取機の糸掛け装置
JPS59223666A (ja) 糸条巻取装置
JPH082814A (ja) 巻取装置
JP2001063915A (ja) 羽根トラバース装置
JP2021175688A (ja) 繊維巻取装置