JP2002103708A - 印刷媒体に応じた副走査送り誤差の設定 - Google Patents
印刷媒体に応じた副走査送り誤差の設定Info
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Abstract
して、画質を向上させる。 【解決手段】 印刷装置は、印刷媒体を間欠的に多数回
の送りで移動させる送り機構を備える。この送り機構
は、印刷装置での使用が予定されている複数種類の印刷
媒体の中で、最も滑り易い印刷媒体に関する平均送り誤
差δave がゼロ近傍の値を取るように調整されている。
最も滑り易い印刷媒体に関する平均送り誤差δave は、
約−0.5Dと約+0.5Dとの間にあることが好まし
い。また、特に、(k−1)δave が、約−0.5Dと
約+0.5Dとの間にあることが好ましい。
Description
像の記録を行う印刷技術に関する。
クをヘッドから吐出するインクジェットプリンタやレー
ザプリンタが普及している。特に、近年では、カラーイ
ンクを用いたカラープリンタも広く利用されている。イ
ンクの発色性は、印刷媒体の種類に大きく依存するの
で、プリンタメーカは、カラー印刷専用の各種の印刷媒
体を供給している。
ンクの発色性のみでなく、印刷媒体の送り(以下、「紙
送り」と呼ぶ)の精度に影響を与える。例えば、表面が
滑り易い印刷媒体と、表面が滑り難い印刷媒体では、同
じ紙送り動作を行っても、実際の送り量がかなり異なる
場合がある。
響がある。しかし、従来は、印刷媒体の種類に応じた紙
送りの精度に関しては、あまり考慮がなされていなかっ
た。このような問題は、カラープリンタのみでなく、他
の印刷装置においても共通する問題であった。
ためになされたものであり、印刷媒体の種類に応じた紙
送りの精度を考慮して、画質を向上させることが可能な
技術を提供することを目的とする。
記目的を達成するために、本発明の印刷装置は、前記印
刷媒体を間欠的に多数回の送りで移動させる送り機構を
備える。前記送り機構は、前記印刷装置での使用が予定
されている複数種類の印刷媒体の中で、最も滑り易い印
刷媒体に関する平均送り誤差δave がゼロ近傍の値を取
るように調整されていることを特徴とする。
印刷媒体に関する平均送り誤差δave がゼロ近傍の値に
調整されているので、特に滑り易い印刷媒体に関して
も、画質を向上させることが可能である。
印刷媒体上にドットを形成するための印刷ヘッドを備
え、前記印刷ヘッドは、少なくとも1色分のインクに関
して、前記印刷媒体の送り方向に沿ってピッチk・D
(kは1以上の整数、Dは前記送り方向における最小の
ドットピッチ)で配列されて同一のインクを吐出するN
個(Nは2以上の整数)のノズルを有しているようにし
てもよい。このとき、前記最も滑り易い印刷媒体に関す
る前記平均送り誤差δave は、前記送りをN×(k・
D)以下の送り量で実行したときの平均誤差である。
前記平均送り誤差δave は、約−0.5Dと約+0.5
Dとの間にあることが好ましい。
ている前記複数種類の印刷媒体のすべてに関して、前記
平均送り誤差δave が約−0.5Dと約+0.5Dとの
間にあることが好ましい。この構成では、すべての印刷
媒体に関して画質を向上させることが可能である。
に、前記最も滑り易い印刷媒体に関する前記平均送り誤
差δave に(k−1)を乗じた値(k−1)δave は、
約−0.5Dと約+0.5Dとの間にあることが特に好
ましい。
ッチが2D以上のとき)には、隣接するラスタラインの
間に(k−1)δave の送り誤差が累積される可能性が
ある。従って、この累積誤差(k−1)δave の値を約
−0.5Dと約+0.5Dとの間の値に設定すれば、よ
り画質を向上させることが可能である。
記複数種類の印刷媒体の中で、前記最も滑り易い印刷媒
体以外の印刷媒体に関する前記平均送り誤差δave は、
プラスの値であるようにしてもよい。また、前記最も滑
り易い印刷媒体に関する前記平均送り誤差δave は、マ
イナスの値であるようにしてもよい。
誤差の全体のバランスをうまくとることによって、この
印刷装置の画質を全体として向上させることが可能であ
る。
とが可能であり、例えば、印刷装置、紙送り装置、およ
び、それらの調整方法等の態様で実現することができ
る。
例に基づいて以下の順序で説明する。 A.装置の全体構成: B.副走査送り精度と画質劣化: C.実施例における送り精度の設定: D.変形例:
実施例としてのカラーインクジェットプリンタ20の主
要な構成を示す概略斜視図である。このプリンタ20
は、用紙スタッカ22と、図示しないステップモータで
駆動される紙送りローラ24と、プラテン板26と、キ
ャリッジ28と、キャリッジモータ30と、キャリッジ
モータ30によって駆動される牽引ベルト32と、キャ
リッジ28のためのガイドレール34とを備えている。
キャリッジ28には、多数のノズルを備えた印刷ヘッド
36が搭載されている。
りローラ24によって巻き取られてプラテン板26の表
面上を副走査方向へ送られる。キャリッジ28は、キャ
リッジモータ30により駆動される牽引ベルト32に牽
引されて、ガイドレール34に沿って主走査方向に移動
する。主走査方向は、副走査方向に垂直である。
すブロック図である。プリンタ20は、ホストコンピュ
ータ100から供給された信号を受信する受信バッファ
メモリ50と、印刷データを格納するイメージバッファ
52と、プリンタ20全体の動作を制御するシステムコ
ントローラ54とを備えている。システムコントローラ
54には、キャリッジモータ30を駆動する主走査駆動
ドライバ61と、紙送りモータ31を駆動する副走査駆
動ドライバ62と、印刷ヘッド36を駆動するヘッド駆
動ドライバ63とが接続されている。
ータ30と、牽引ベルト32(図1)と、ガイドレール
34は、主走査駆動機構を構成している。また、副走査
駆動ドライバ62と、紙送りモータ31と、紙送りロー
ラ24(図1)は、副走査駆動機構(または「送り機
構」と呼ぶ)を構成している。
イバ(図示せず)は、印刷を行うための印刷データを生
成して、プリンタ20に転送する。転送された印刷デー
タは、一旦、受信バッファメモリ50に蓄えられる。プ
リンタ20内では、システムコントローラ54が、受信
バッファメモリ50から印刷データの中から必要な情報
を読取り、これに基づいて、各ドライバ61,62,6
3に対して制御信号を送る。
メモリ50で受信された印刷データを色成分毎に分解し
て得られた複数の色成分のイメージデータが格納され
る。ヘッド駆動ドライバ63は、システムコントローラ
54からの制御信号に従って、イメージバッファ52か
ら各色成分のイメージデータを読出し、これに応じて印
刷ヘッド36に設けられた各色のノズルアレイを駆動す
る。
ズル配列を示す説明図である。印刷ヘッド36の下面に
は、ブラックインクを吐出するためのブラックインクノ
ズル群KD と、濃シアンインクを吐出するための濃シア
ンインクノズル群CD と、淡シアンインクを吐出するた
めの淡シアンインクノズル群CL と、濃マゼンタインク
を吐出するための濃マゼンタインクノズル群MD と、淡
マゼンタインクを吐出するための淡マゼンタインクノズ
ル群ML と、イエローインクを吐出するためのイエロー
インクノズル群YD とが形成されている。
のアルファベットの大文字はインク色を意味しており、
また、添え字の「D 」は濃度が比較的高いインクである
ことを、添え字の「L 」は濃度が比較的低いインクであ
ることを、それぞれ意味している。
SSに沿って一定のノズルピッチk・Dでそれぞれ整列
している。ここで、Dは副走査方向における最小のドッ
トピッチ(すなわち、副走査方向の最高印刷解像度での
ドットピッチ)であり、kは1以上の整数である。ドッ
トピッチDは、例えば副走査方向の最高印刷解像度が7
20dpiのときには、1/720インチ(=35.3
μm)である。整数kとしては、例えば4や6などの値
が使用される。
滴を吐出させるための駆動素子としてのピエゾ素子(図
示せず)が設けられている。印刷時には、キャリッジ2
8(図1)とともに印刷ヘッド36が主走査方向MSに
移動しつつ、各ノズルからインク滴が吐出される。
送り誤差が無い場合の副走査とドット記録の様子を示す
説明図である。この図では、説明の便宜上、印刷ヘッド
36は1色分の7個のノズルのみを有するものとしてい
る。このノズル群の副走査方向のノズルピッチk・D
は、ドットピッチDの4倍である。なお、印刷ヘッド3
6内において、丸の中に示されている数字0〜7は、ノ
ズル番号を意味している。
たびに、副走査駆動機構によって上方に一定の送り量L
・D(Lは整数、Dはドットピッチ)で副走査送りされ
る。図4の例では、L=7である。なお、本明細書にお
いては、1回分の主走査を「パス」とも呼ぶ。一定の送
り量L・Dで副走査送りを行う場合には、整数Lとして
は、整数Lを整数k(ノズルピッチを表す)で割ったと
きの余りが(k−1)になるような値を採用することが
好ましい。
おいて、丸で囲まれた数字は、1回目のパスにおいて記
録対象となるラスタライン(「主走査ライン」とも呼
ぶ)上のドット位置(「画素位置」とも呼ぶ)の記録を
担当するノズル番号を表している。すなわち、パス1で
は、印刷ヘッド36が主走査方向に移動しつつ5番ない
し6番ノズルからインクをそれぞれ吐出することによっ
て、2本のラスタライン上のドット位置にドットを記録
する。パス2に関しては、各ラスタラインのドット記録
を担当するノズル番号が、正方形で囲まれた数字で表さ
れており、また、パス3に関しては、六角形で囲まれた
数字で、パス4に関しては八角形で囲まれた数字でそれ
ぞれ表されている。パス2では、パス1で記録されたラ
スタラインの直ぐ上のラスタラインが記録される。ま
た、パス3では、パス2で記録されたラスタラインの直
ぐ上のラスタラインが記録される。このように、ほとん
どのパスでは、その直前のパスで記録されたラスタライ
ンの直ぐ上のラスタラインが記録されている。
送りが行われたびに印刷媒体PMが7ドット分ずつ上方
にずれてゆき、各ノズルは、1回の主走査中にそれぞれ
のラスタライン上のすべてのドット位置を記録対象とし
てドット記録を実行する。なお、パス4の印刷媒体PM
の右側に記されている「パス1」〜「パス4」の文字
は、パス4までに記録されたドット位置が、それぞれど
のパスで記録対象となったかを示している。
とドット記録の様子を示す説明図である。ここでは、各
回の副走査送りの送り量Lが、一定のプラスの送り誤差
δave を有しているものと仮定している。すなわち、図
5のパス2では、図4の理想的な場合に比べて、印刷媒
体PMが誤差δave だけ余分に上方に送られている。従
って、パス2において記録されるラスタライン上のドッ
ト位置(四角で囲まれた数字で表されている)は、図4
の場合に比べてやや上側にずれている。この結果、パス
1で記録されるラスタラインと、パス2で記録されるラ
スタラインとは、やや重なり合っている。パス3とパス
4においても、同様に、印刷媒体PMが誤差δave だけ
余分に上方に送られるので、記録されるラスタライン上
のドット位置は、δave ずつ上側にずれてゆく。
たびに異なる値を取るのが普通である。図5に示す送り
誤差δave は、このような変動する送り誤差の平均値で
あると考えることができる。すなわち、図5は、各回の
副走査送りが、平均送り誤差δave に等しい誤差を有し
ているような仮想的な場合を示している。
されるラスタラインの位置関係を示している。パス2に
おいて4番ノズルで記録されるラスタラインL5は、パ
ス1において6番ノズルで記録されたラスタラインL6
から(D−δave )だけ離れている。すなわち、これら
のラスタラインL5,L6の間のピッチは、理想的なド
ットピッチD(すなわちラスタラインの理想ピッチ)よ
りも送り誤差δave だけ短い。このようなズレは、パス
2とパス3の間、および、パス3とパス4の間において
も同様に発生する。この結果、パス4において0番ノズ
ルで記録されるラスタラインL3と、パス1において5
番ノズルで記録されたラスタラインL2との間のピッチ
は(D+3δave )になり、ドットピッチDよりも3δ
ave だけ大きい。換言すれば、パス1において記録され
るラスタラインL2と、パス4において記録されるラス
タラインL3との間には、3回分の送り誤差−3δave
が累積されている。
δave の場合を示している。この場合も、図6(A)と
同様に、ラスタラインL2,L3の間の距離に、3回分
の送り誤差−δave が累積されているが、その値の符号
は図6(A)の場合と逆である。すなわち、これらの2
本のラスタラインL2,L3の間のピッチは、ドットピ
ッチDよりも3δave だけ小さい。
に、送り量が一定の副走査送り(「定則送り」と呼ぶ)
を伴うインターレース印刷を実行すると、隣接するラス
タライン間の累積送り誤差の最大値は、(k−1)δav
e になる場合が多い。ここで、kはノズルピッチを表す
整数である。なお、「インターレース印刷」とは、整数
kが2以上であって、1回のパスで記録されるラスタラ
インの間に記録されないラスタラインが挟まれるような
印刷方式を意味する。
2,L3の間のピッチが理想的なピッチDよりも大きい
ので、この2本のラスタラインL2,L3の部分は、肉
眼では色の薄い筋状の部分に見える。このような色の薄
い筋状の部分(以下、「明バンディング」または「淡バ
ンディング」と呼ぶ)は、画質劣化として観察される。
ンL2,L3の間のピッチが理想的なピッチDよりも小
さいので、この2本のラスタラインL2,L3の部分
は、肉眼では色の濃い筋状の部分に見える。このような
色の濃い筋状の部分(以下、「暗バンディング」または
「濃バンディング」と呼ぶ)も、画質劣化として観察さ
れる。
存在すると、明バンディングや暗バンディングが発生す
る。従って、副走査送り機構は、その平均送り誤差δav
e がゼロ近傍の値をとるように調整されていることが好
ましい。ここで、「ゼロ近傍の平均誤差δave 」とは、
約−0.6D〜約+0.6D(Dは副走査方向の最高印
刷解像度におけるドットピッチ)の範囲の値を意味して
いる。なお、平均誤差δave としては、約−0.5D〜
約+0.5Dの範囲の値であることが好ましい。また、
図6(A),(B)から理解できるように、インターレ
ース印刷では、隣接するラスタライン同士の間には、
(k−1)δave だけずれることがある。そこで、この
ズレ量(k−1)δave が、ドットピッチDの約−0.
5D〜約+0.5Dの範囲の値であることが特に好まし
い。例えば、副走査方向の最高解像度が720dpiで
ある場合には、平均送り誤差δave は、約−21μm〜
約+21μmの範囲の値であれば良いが、約−18μm
〜約+18μmの範囲の値であることが好ましく、特
に、k=4の時には約−6μm〜約+6μmの範囲の値
であることが好ましい。平均送り誤差δave がこのよう
な範囲に収まっている場合には、送り誤差に起因するバ
ンディングによる画質劣化を防止することが可能であ
る。
グよりも、暗バンディングの方が目立ち易い傾向にある
ことが判明した。この理由は、カラー印刷では、複数色
のインクドットが記録されるので、明バンディングが発
生しても、その影響が他のインクのドットによって緩和
されるからであると推測される。従って、送り誤差δav
e としては、マイナスの値よりも、プラスの値の方が好
ましい。
体の種類に依存する。すなわち、印刷媒体には、比較的
滑り易いものと、比較的滑り難いものとが存在する。滑
り易い印刷媒体では、平均送り誤差δave がマイナスに
なる傾向にあり、一方、滑り難い印刷媒体では、平均送
り誤差δave がプラスになる傾向にある。また、プリン
タ20は、通常は複数種類の印刷媒体を使用可能であ
る。そこで、以下に説明するように、比較的滑り易い印
刷媒体と、比較的滑り難い印刷媒体とに関して、送り誤
差δave を適切に設定することによって、画質を向上さ
せることができる。
は、ホストコンピュータ100(図2)の画面に表示さ
れたプリンタドライバのユーザインタフェースを示す説
明図である。ユーザは、このプリンタ20での使用が予
定されている複数種類の印刷媒体(「印刷用紙」とも呼
ぶ)の中から、実際に使用する印刷媒体を1つ選択する
ことができる。ここで、「プリンタ20での使用が予定
されている複数種類の印刷媒体」とは、このプリンタ2
0用として市販されている印刷媒体を意味している。
差δの第1の設定例を示す説明図である。図8(A)に
は、普通紙と、光沢フィルムと、写真用紙の3種類の印
刷媒体に関する送り誤差δの変動が示されている。送り
誤差δは、副走査のたびに変動しているが、平均的な送
り誤差はほぼ一定している。すなわち、平均送り誤差δ
ave は、普通紙では約15μmであり、光沢フィルムで
は約8μm、写真用紙は約0μmである。
機構によって送られると、ほとんど滑りの無い状態で送
られる。一方、滑り易い印刷媒体は滑りながら送られる
ので、滑る難い印刷媒体よりも送られる量が少なくな
る。すなわち、印刷媒体が「より滑り易い」という文言
は、送り誤差δの値がより小さいことを意味している。
これから理解できるように、図8の3種類の印刷媒体の
中では、普通紙が最も滑り難く、写真用紙が最も滑り易
い。写真用紙は、図7に示した複数種類の印刷媒体の中
で最も滑りやすいものである。図8(B)は、これらの
印刷媒体に関する累積送り誤差Σδを示している。
は、プリンタ20内において副走査駆動機構に与えられ
た送り量の命令と、実際の送り量との差を意味してい
る。例えば、図8(A)の送り誤差δの値は、システム
コントローラ54(図2)から副走査駆動ドライバ62
に7ドット分送ることが命令されたときに、実際の送り
量が7D+δであったことを意味している。
査送りを繰り返し実行した場合について測定される。な
お、副走査送り量は、一般に、N×(k・D)以下の値
となる。ここで、Nは副走査方向に沿って配列された1
色分のノズルの個数、k・Dはノズルピッチである。こ
の理由は、N×(k・D)を超える送り量で副走査送り
を行うと、記録できないラスタラインが残ってしまうか
らである。但し、送り誤差δおよびその平均値δave の
測定時には、プリンタ20で実行することが予定されて
いる副走査送りを実際に実行して、送り誤差δの測定を
行うことが好ましい。
用が予定されている複数種類の印刷媒体の中で、最も滑
り易い写真用紙の平均送り誤差δave がほぼ0になるよ
うに、副走査送り機構が調整されている。また、他の印
刷媒体の平均送り誤差δaveの値はプラスなので、図6
で説明したように、他の印刷媒体では明バンディングが
発生する可能性がある。しかし、バンディングとして
は、暗バンディングよりも明バンディングの方が目立ち
にくく、画質に与える影響が少ない。従って、暗バンデ
ィングの発生を防止するという意味からは、図8(A)
のような設定が好ましい。
像度が720dpiであり、これに相当するドットピッ
チDは35.3μmである。従って、普通紙の平均送り
誤差δave は、このドットピッチDの約0.42倍であ
る。前述したように、この明細書においては、平均送り
誤差δave が約−0.6D〜約+0.6Dの範囲の値で
あるときには、その平均送り誤差δave は「ゼロ近傍に
ある」と言う。従って、図8の例においては、3種類の
すべての印刷媒体に関して、平均送り誤差δave がゼロ
近傍にあると言える。
差δの第2の設定例を示す説明図である。この例では、
平均送り誤差δave は、普通紙では約10μmであり、
光沢フィルムでは約3μm、写真用紙は約−5μmであ
る。この設定例においても、すべての印刷媒体の平均送
り誤差δave がゼロ近傍にある。
グが発生し、光沢フィルムや普通紙では明バンディング
が発生する可能性がある。しかし、写真用紙に関する平
均送り誤差δave は0に極めて近い値なので、暗バンデ
ィングの程度も比較的軽い。一方、普通紙の送り誤差δ
の値は図8の場合よりも小さくなっており、従って、送
り誤差δに起因する明バンディングも図8の設定例より
も軽減される。このように、図9の設定例では、各種の
印刷媒体に関する平均送り誤差δave が、全体として、
図8の設定例よりもゼロに近くなるように副走査送り機
構が調整されている。従って、どの印刷媒体を使用して
も、過度なバンディングが発生することが無いという利
点がある。
例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱
しない範囲において種々の態様において実施することが
可能であり、例えば次のような変形も可能である。
送り量として一定の値を採用する「定則送り」を行うプ
リンタについて説明したが、副走査送り量として異なる
複数の値を採用する「変則送り」を行うプリンタについ
ても、本発明を適用することが可能である。
インクジェットプリンタについて説明したが、本発明
は、モノクロプリンタにも適用可能であり、また、イン
クジェット方式以外のプリンタにも適用可能である。本
発明は、一般に、印刷媒体上に画像の記録を行う印刷装
置に適用可能であり、例えばファクシミリ装置やコピー
機にも適用することが可能である。
ピッチを表す整数kが4の場合について説明したが、こ
の整数kは1以上の任意の整数を取りうる。但し、k=
1の時には、ノズルピッチがドットピッチDに等しいの
で、図6において説明したような送り誤差の累積の問題
は発生しない。従って、本発明は、特に整数kが2以上
の場合に適用した場合に顕著な効果が得られる。
トプリンタ20の主要な構成を示す概略斜視図。
図。
す説明図。
子を示す説明図。
の様子を示す説明図。
合とにおけるラスタラインのズレを示す説明図。
す説明図。
示す説明図。
示す説明図。
Claims (7)
- 【請求項1】 印刷媒体上に画像の記録を行う印刷装置
であって、 前記印刷媒体を間欠的に多数回の送りで移動させる送り
機構を備え、 前記送り機構は、前記印刷装置での使用が予定されてい
る複数種類の印刷媒体の中で、最も滑り易い印刷媒体に
関する平均送り誤差δave がゼロ近傍の値を取るように
調整されていることを特徴とする印刷装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の印刷装置であって、さら
に、 インクを吐出して前記印刷媒体上にドットを形成するた
めの印刷ヘッドを備え、 前記印刷ヘッドは、少なくとも1色分のインクに関し
て、前記印刷媒体の送り方向に沿ってピッチk・D(k
は1以上の整数、Dは前記送り方向における最小のドッ
トピッチ)で配列されて同一のインクを吐出するN個
(Nは2以上の整数)のノズルを有しており、 前記最も滑り易い印刷媒体に関する前記平均送り誤差δ
ave は、前記送りをN×(k・D)以下の送り量で実行
したときの平均誤差である、印刷装置。 - 【請求項3】 請求項2記載の印刷装置であって、 前記最も滑り易い印刷媒体に関する前記平均送り誤差δ
ave は、約−0.5Dと約+0.5Dとの間にある、印
刷装置。 - 【請求項4】 請求項3記載の印刷装置であって、 前記印刷装置での使用が予定されている前記複数種類の
印刷媒体のすべてに関して、前記平均送り誤差δave が
約−0.5Dと約+0.5Dとの間にある、印刷装置。 - 【請求項5】 請求項3または4記載の印刷装置であっ
て、 前記整数kは2以上の値であり、 前記最も滑り易い印刷媒体に関する前記平均送り誤差δ
ave に(k−1)を乗じた値(k−1)δave は、約−
0.5Dと約+0.5Dとの間にある、印刷装置。 - 【請求項6】 請求項2ないし5のいずれかに記載の印
刷装置であって、 前記印刷装置での使用が予定されている前記複数種類の
印刷媒体の中で、前記最も滑り易い印刷媒体以外の印刷
媒体に関する前記平均送り誤差δave は、プラスの値で
ある、印刷装置。 - 【請求項7】 請求項6記載の印刷装置であって、 前記最も滑り易い印刷媒体に関する前記平均送り誤差δ
ave は、マイナスの値である、印刷装置。
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