JP2002103406A - 厚肉成形品の製造方法 - Google Patents

厚肉成形品の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボイド、ひけ等の欠陥がなく、外観の良好な
厚肉成形品を、簡便に、成形サイクルを短縮して、生産
性よく、安定して成形する方法を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂の射出成形において、ホッ
トランナー金型を用い、かつホットランナーゲート部の
樹脂を溶融状態に保った状態で成形する厚肉成形品の製
造方法において、溶融樹脂を金型内に射出する際には、
金型温度を無充填樹脂の荷重たわみ温度〜融点+20℃
に加熱した後、溶融樹脂を金型内に射出充填開始すると
同時またはその0〜10秒前に加熱手段から冷却手段に
切り替えて、金型を加熱時の金型温度−10℃以下に冷
却し、且つゲート部の樹脂を溶融状態に保つために、ホ
ットランナー金型のゲートチップ、ボディ、マニフォー
ルドを、特定の期間ないし常時、加熱状態に維持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂の厚
肉成形品の冷熱サイクル射出成形方法における成形サイ
クル時間の短縮方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂は比較的扱いやすいことか
らいろいろな分野にわたり広汎な用途に使用されてい
る。しかしながら射出成形機を使用してこれらの材料の
内部に中空構造を持たない厚肉成形品を得ようとした場
合、成形する際の収縮からボイド(空隙)、ひけが発生
し、製品の機械的・電気的耐久性低下、寸法不良等の不
具合が発生する。そこでこれまでは射出成形を行う場合
には、極力大きなゲートを設け、成形条件的にも高温金
型、高保圧、低速射出といった過酷な条件で成形を行っ
ていたが、それでも不良率を満足できるレベルまで低減
することは困難であった。しかもボイドは外観上その発
生が確認できず、超音波あるいは、軟X線を用いて検査
することは可能であったが、量産レベルでの全数検査方
法は確立されてはおらず、ボイドの発生のない製品を得
ることが要望されている。また、これまでの射出成形法
で成形された成形品は上記理由から巨大なゲートを設け
ざるをえず、成形後のゲートカットに特別な機械加工を
必要としていた。一方、特開平7−1459号公報及び
工業材料、1998年、46巻(No.4)、36−3
9頁には、高品質外観を得るために、樹脂充填時に金型
温度を樹脂の軟化温度(又は熱変形温度)より高い温度
に設定し、冷却工程において、金型を樹脂の軟化温度
(又は熱変形温度)より低い温度に設定する冷熱サイク
ル成形が記載されている。しかし、この場合、成形品表
面及びゲート部が急激に冷却されることによりゲートシ
ール時間が短くなり、ボイドがさらに発生しやすくなる
という問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ボイ
ド(空隙)、ひけ等の欠陥がなく、外観の良好な厚肉成
形品を、簡便に、成形サイクルを短縮して、生産性よ
く、安定して成形する方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、射出成形機
を使用した熱可塑性樹脂の厚肉成形において、ボイド
(空隙)、ひけが発生することなく、経済的に効率よ
く、短い成形サイクルで厚肉成形品を得るべく鋭意検討
した結果、はじめに金型温度を特定の温度に加熱した
後、溶融樹脂を金型内に射出充填開始すると同時または
その0〜10秒前に加熱手段から冷却手段に切り替え
て、金型を特定の冷却温度に冷却することにより、成形
サイクル時間を短縮できることを見い出し、さらに、ホ
ットランナーゲートを固化させないために、ゲートの開
閉手段を設けるかまたは設けない代りに、ゲートチッ
プ、ボディ、又はマニホールドを、特定時間ないし常
時、加熱状態に維持することにより、かかる問題点を解
決しうることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち本発明の第1は、熱可塑性樹脂の
冷熱サイクル射出成形において、ホットランナー金型を
用い、かつホットランナーゲート部の樹脂を溶融状態に
保持して成形する厚肉成形品の製造方法において、加熱
手段により金型温度を無充填樹脂の荷重たわみ温度〜融
点+20℃に加熱した後、溶融樹脂を金型内に射出充填
開始すると同時またはその0〜10秒前に加熱手段から
冷却手段に切り替えて、金型を加熱時の金型温度−10
℃以下に冷却し、成形サイクル時間を短縮することを特
徴とする厚肉成形品の製造方法を提供する。本発明の第
2は、金型を加熱時の金型温度−100℃〜金型温度−
10℃に冷却することを特徴とする本発明の第1に記載
の厚肉成形品の製造方法を提供する。本発明の第3は、
冷却手段が、−10℃〜荷重たわみ温度未満の温度の冷
却媒体を金型へ流通させることである本発明の第1又は
2に記載の厚肉成形品の製造方法を提供する。本発明の
第4は、ホットランナーゲートの開閉手段を設け、少な
くとも射出充填工程及び保圧工程の間はホットランナー
ゲートを開の状態にし、射出開始から少なくとも製品固
化時間迄の期間、ホットランナーゲート部の樹脂を溶融
状態に保持することを特徴とする本発明の第1〜3のい
ずれかに記載の厚肉成形品の製造方法を提供する。本発
明の第5は、ホットランナーのゲートチップ、ボディお
よびマニホールドの少なくとも一つを加熱手段により、
射出開始から少なくとも製品固化時間迄の期間、加熱状
態にして、ホットランナーゲート部の樹脂を溶融状態に
保持することを特徴とする本発明の第1〜3のいずれか
に記載の厚肉成形品の製造方法を提供する。本発明の第
6は、ホットランナー金型のキャビティ及び/又はコア
部の周囲を断熱することを特徴とする本発明の第1〜5
のいずれかに記載の厚肉成形品の製造方法を提供する。
本発明の第7は、成形品の実質的な厚みが8mm以上で
ある本発明の第1〜6のいずれかに記載の厚肉成形品の
製造方法を提供する。本発明の第8は、熱可塑性樹脂が
結晶性樹脂である本発明の第1〜7のいずれかに記載の
厚肉成形品の製造方法を提供する。本発明の第9は、結
晶性樹脂がポリアセタール樹脂である本発明の第8に記
載の厚肉成形品の製造方法を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳しく説明
する。本発明による厚肉成形品は、熱可塑性樹脂を使用
して射出成形法により成形される。成形品の肉厚は、特
に制限されないが、実質的に厚さ8mm以上の場合、通
常の射出成形法(固定温度金型使用。)に比べて、効果
が顕著である。実質的に厚さ8mm以上とは、実際の成
形品の厚みは一般に不均一であるので、成形品の樹脂部
分の厚みをどの方向からどの角度で計っても8mm以上
である個所が部分的にでも有ることを意味する。
【0007】また、本発明では、熱可塑性樹脂としては
すべての熱可塑性樹脂が使用可能であるが、成形収縮率
の大きいポリアセタール樹脂、ポリブチレンテレフタレ
ート樹脂、ポリフェニレンサルファイト樹脂などの結晶
性熱可塑性樹脂の方が効果が大きく、その中でもポリア
セタール樹脂が最も効果的で、好ましく用いられる。
【0008】また、本発明に係る成形品を構成する熱可
塑性樹脂には無機充填剤を配合することが出来る。かか
る充填剤は、機械的強度、耐熱性、寸法安定性、電気的
性質等の性能に優れた性質を得るためには配合すること
が好ましく、特に剛性を高める目的で有効である。これ
は目的に応じて繊維状、粉粒状又は板状の充填剤が用い
られる。繊維状充填剤としては、ガラス繊維、アスベス
ト繊維、カーボン繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ
繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化硅素繊維、
硼素繊維、チタン酸カリ繊維、更にステンレス、アルミ
ニウム、チタン、銅、真鍮等の金属の繊維状物などの無
機質繊維状物質が挙げられる。特に代表的な繊維状充填
剤はガラス繊維である。尚、ポリアミド、フッ素樹脂、
アクリル樹脂などの高融点有機質繊維状物質も使用する
ことができる。一方、粉粒状充填剤としては、カーボン
ブラック、黒鉛、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ガ
ラスバルーン、ガラス粉、硅酸カルシウム、硅酸アルミ
ニウム、カオリン、タルク、クレー、硅藻土、ウォラス
トナイトの如き硅酸塩、酸化鉄、酸化チタン、アルミナ
の如き金属の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ムの如き金属の炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウム
の如き金属の硫酸塩、その他炭化硅素、窒化硅素、窒化
硼素、各種金属粉末等が挙げられる。又、板状充填剤と
しては、マイカ、ガラスフレーク、各種金属箔等が挙げ
られる。これらの無機充填剤は1種又は2種以上併用す
ることができる。繊維状充填剤、特にガラス繊維又はカ
ーボン繊維と、粒状又は板状充填剤の併用は特に機械的
強度と寸法精度、電気的性質等を兼備する上で好ましい
組み合わせである。無機充填剤の添加量は樹脂材料全量
に対し夫々40重量%以下である。これより多いと成形
加工性や靱性を害し好ましくない。特に好ましくは30
重量%以下である。尚、本発明において使用する熱可塑
性樹脂は熱可塑性樹脂に一般的に添加される上記以外の
公知の物質、すなわち、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光
安定剤等の各種安定剤、帯電防止剤、難燃剤、難燃助
剤、染料や顔料等の着色剤、潤滑剤、可塑剤及び結晶化
促進剤、結晶核剤、離型剤、界面活性剤、帯電防止剤等
を任意の組み合わせで配合することも勿論可能である。
【0009】本発明に係るボイドを持たない厚肉成形品
は、上記熱可塑性樹脂を使用して、いわゆる射出成形法
によりホットランナー金型にて成形される。成形方法と
しては射出成形、射出圧縮成形その他の成形法が適用さ
れるが、ハイサイクルのためには射出圧縮成形がより好
ましい。
【0010】本発明では、射出成形は冷熱サイクル成形
により行われる。本発明では、初めに金型温度を無充填
樹脂の荷重たわみ温度以上で融点+20℃以下、好まし
くは120〜170℃に加熱した後、溶融樹脂を金型内
に射出充填開始すると同時またはその0〜10秒前、好
ましくは1〜5秒前に加熱手段から冷却手段に切り替え
て、金型を加熱時の金型温度よりも10℃以上低い温度
(即ち、金型温度−10℃)、好ましくは加熱時の金型
温度よりも10℃〜100℃低い温度(即ち、金型温度
−100℃〜金型温度−10℃)に冷却する。これによ
り、ボイド(空隙)、ひけ等の欠陥がなく、外観の良好
な厚肉成形品を、成形サイクル時間を短縮して成形する
ことができる。本発明では、荷重たわみ温度は、充填剤
の配合されていない樹脂(無充填樹脂ともいう。)の荷
重たわみ温度のことであり、試験方法ASTM D64
8により、荷重1.82MPa時の値である。
【0011】本発明で、冷熱サイクル成形を行うため
に、金型温度を制御するための加熱手段又は冷却手段
は、媒体を加熱、又は冷却して金型に流すか、予め所定
の温度に設定された高温用媒体及び低温用媒体を切り替
えて流すか、又は電熱ヒーター、クーラー等により直接
金型を加熱、又は冷却する。また、これらを組み合わせ
使用して金型を加熱、又は冷却してもよい。上記媒体と
しては、水、スチーム、油等が挙げられる。本発明で
は、冷却手段として、−10℃〜荷重たわみ温度、好ま
しくは−10℃〜+80℃の温度の冷却媒体を金型へ流
通させることが特に使用できる。加熱して金型を昇温さ
せるための媒体温度は一般には、加熱工程では高いほ
ど、冷却工程では低いほど、また、その流量は多いほど
効率が良い。電熱ヒーター、クーラーについては、電力
密度が高いほど良い。制御する体積は小さいほど、熱伝
導率は高いほど、周囲の断熱材は熱伝導率が低いほどよ
い。金型温調回路については金型強度上問題の無い範囲
で数多く設けるほどよい。また、成形品の取り出しは、
金型の冷却中、昇温中、一定温度保持中のいずれの段階
で行っても構わない。
【0012】金型の温度制御を速やかに行うためには、
金型全体を加熱せずに、成形品に接するキャビティやコ
ア部の面だけを加熱、冷却すればよいので、制御する体
積を極力小さくし、周囲を断熱することもできる。この
ためには、従来から使用される断熱金型が使用できる。
【0013】図1は本発明の成形方法の概略を示す一例
である。この例では、ホットランナーゲートの開閉手段
を設けずに、ホットランナーゲート部の樹脂を溶融状態
に保持する。溶融熱可塑性樹脂は成形機ノズル5からホ
ットランナー金型11のマニホールド4、ボディ3、お
よびゲートチップ6を経て、ホットランナーゲート2よ
り、金型12内のキャビティ1に充填されると共に圧力
を掛け続け、冷却、固化されて製品9が得られる。マニ
ホールド4、ボディ3、およびゲートチップ6の中の1
以上が、外部ヒーター及び/又は内部ヒーター、例えば
マニホールドヒーター8等により加熱及び必要により断
熱材7により保温され、射出開始から少なくとも製品固
化時間迄の期間、ないしは常時、加熱状態にしてホット
ランナーゲート部の樹脂を溶融状態に保持し、ホットラ
ンナーゲート2において樹脂が固化しないようにするこ
とができる。
【0014】本発明の成形方法の他の一例として、図2
にホットランナーゲート2の開閉手段を設けた例を示
す。ホットランナーゲート2に対する開閉手段として、
具体的にはゲート開閉バルブ13を使用して、ホットラ
ンナーゲート部の樹脂を溶融状態に保持すると共に圧力
を掛け続ける。ゲート開閉バルブ13は前後に移動させ
られて、ホットランナーゲート2が開閉される。この場
合、少なくとも射出充填工程の開始から保圧工程の終了
迄の期間は常時そのホットランナーゲートを開の状態に
し、射出開始から少なくとも製品固化時間迄の期間、ホ
ットランナーゲート部の樹脂を溶融状態に保持し、ホッ
トランナーゲート2において樹脂が固化しないようにし
て、キャヤビティ内の樹脂に成形時の保圧力がかかり続
けるようにすることができる。
【0015】図1及び図2の例では、金型の加熱、冷却
は媒体により行われる。高温温調機21には温調された
高温媒体が貯蔵されており、切替バルブユニット23に
より金型に供給され、金型を充填工程に必要な温度に加
熱し、低温温調機22には温調された低温媒体が貯蔵さ
れており、切替バルブユニット23により金型に供給さ
れ、金型を冷却工程に必要な温度に冷却する。
【0016】本発明の特徴の一つは、ホットランナーゲ
ートの樹脂を溶融状態に保つことにより、ホットランナ
ーゲートの樹脂を早期に固化させないことにある。ホッ
トランナーゲートの樹脂を溶融状態に保つ方法として
は、前述のようにホットランナーゲートの開閉手段を設
けても、設けずにゲートチップ、ボディ、マニホールド
の少なくとも1以上を特定の期間ないし常時、ヒーター
などで加熱及び/又は断熱材により保温状態に維持する
ことが効果的である。加熱状態に維持する期間として
は、射出開始から製品の肉厚の中心が固まるまでの時間
(製品固化時間という。)以上であることが望ましく、
常時でもよい。ここでいう製品の肉厚の中心が固まるま
での時間とは、射出開始を起点として、成形工程の射出
・保圧時間を変化させて得られた成形品の重量変化が殆
どなくなるまでの時間のことを指す。製品の肉厚の中心
が固まるまでの時間よりも短い時間しか溶融状態に無い
場合は、ひけを生じたり、ボイドが発生したりする不具
合を生じやすくなる。
【0017】マニホールド、ゲートチップ及びボディの
加熱条件は、金型構造、ホットランナーゲートを開閉す
る手段の使用の有無、ホットランナーのタイプ、加熱方
法、使用する樹脂の種類や製品形状等により適宜変更す
ることが好ましいが、通常は可塑化・計量した際の樹脂
の温度が保たれる条件に設定することが望ましい。
【0018】
〔成形条件〕
成形機:(株)日本製鋼所製 J75−EP 成形品肉厚:最大20mm ホットランナーシステム:世紀技研(株)製 STT−
13DBX−92L 成形温度:190℃射出速度:1m/min.保圧力:
80MPa 金型温度:80℃一定(参考例1)または135℃一定
(参考例2);充填時135℃、冷却時40℃(実施例
1、比較例1)(表で135⇔40と示す。) 樹脂材料:無充填ポリアセタール樹脂(ポリプラスチッ
ク(株)製 ジュラコンTMM90S、融点165℃、荷
重たわみ温度110℃(試験方法ASTM D648に
よる。荷重1.82MPa)) 金型温調機:(株)シスコ製TURBU TDU4H
341 max温度150℃(水媒体) 金型キャビティはアルミ製とし、周囲を断熱板で覆って
いる。成形品については、ボイドは軟X線で観察し、ひ
け、外観は目視評価とした。 評価結果の表示 ボイドの有無について、○:無し、×:有り ひけの有無について、○:無し、×:有り 外観について、○:良好(フローマーク無し)、×:フ
ローマーク有り
【0019】[比較例1]比較例1は機械的にゲートを
開閉しないホットランナー方式を使用した例である。金
型温度は、昇温時では135℃に設定した。また冷却工
程では金型に40℃の冷却媒体を流通させて冷却した。
図1に示すように、ゲートチップの加熱を継続した状態
で、射出充填工程及び保圧工程を行い、射出充填工程の
はじめから保圧工程の終了迄の間は、マニホールド、ボ
ディ、ゲートチップの各温度が樹脂の溶融温度以上に保
ち、冷却工程への切り替えのタイミングを射出充填完了
直後にして、厚肉成形品を成形した。得られた成形品に
ついて、ボイド、ひけ、外観、成形サイクルについて評
価した。結果は表1に示す。
【0020】[実施例1]冷却工程への切り替えのタイ
ミングを射出開始より5秒前にした他は、比較例1と同
様に行った。得られた成形品について、ボイド、ひけ、
外観、成形サイクルについて評価した。結果は表1に示
す。比較例1に比べて、明らかに成形サイクルが短縮さ
れている。
【0021】[参考例1〜2]金型を、表1に示す温度
に固定して行った以外は実施例1と同様にした。得られ
た成形品について、ボイド、ひけ、外観、成形サイクル
について評価した。結果は表1に示す。金型温度が80
℃と低い場合には、外観が劣るものしか得られなかっ
た。一方、金型温度が135℃と高い場合には、外観は
改善されたが、成形サイクルは長くなり、実用的ではな
い。
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、通常の成形条件でも従
来の成形方法では得られないひけ、ボイド等の製品の欠
陥のない厚肉成形品を容易に経済的に、成形サイクル時
間をより短縮して、効率よく生産することができる。更
に金型温度を加熱、冷却で変化させ、冷却工程の開始の
タイミングを早めることにより、高品質外観を有する厚
肉成形品を短い成形サイクルで得ることが出来る。しか
も、本発明によって得られる厚肉成形品は、ゲートの後
処理が不要であり、少量多品種生産にも好適である。ま
た、内部にボイド等の欠陥を持たないため建材分野、産
業機器分野、自動車分野や電気、電子分野の多くの用途
に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用するホットランナー金型の構造の
一例を示す略図である。
【図2】ホットランナーゲートを開閉する方法の一例を
示す図である。
【符号の説明】
1 キャビティ 2 ホットランナーゲート 3 ボディ 4 マニホールド 5 成形機ノズル 6 ゲートチップ 7 断熱板 8 マニホールドヒーター 9 製品 10 ホットランナー金型 11 金型 13 ゲート開閉バルブ 21 高温温調機 22 低温温調機 23 切替バルブユニット

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂の冷熱サイクル射出成形に
    おいて、ホットランナー金型を用い、かつホットランナ
    ーゲート部の樹脂を溶融状態に保持して成形する厚肉成
    形品の製造方法において、加熱手段により金型温度を無
    充填樹脂の荷重たわみ温度〜融点+20℃に加熱した
    後、溶融樹脂を金型内に射出充填開始すると同時または
    その0〜10秒前に加熱手段から冷却手段に切り替え
    て、金型を加熱時の金型温度−10℃以下に冷却し、成
    形サイクル時間を短縮することを特徴とする厚肉成形品
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 金型を加熱時の金型温度−100℃〜金
    型温度−10℃に冷却することを特徴とする請求項1に
    記載の厚肉成形品の製造方法。
  3. 【請求項3】 冷却手段が、−10℃〜荷重たわみ温度
    未満の温度の冷却媒体を金型へ流通させることである請
    求項1又は2に記載の厚肉成形品の製造方法。
  4. 【請求項4】 ホットランナーゲートの開閉手段を設
    け、少なくとも射出充填工程及び保圧工程の間はホット
    ランナーゲートを開の状態にし、射出開始から少なくと
    も製品固化時間迄の期間、ホットランナーゲート部の樹
    脂を溶融状態に保持することを特徴とする請求項1〜3
    のいずれかに記載の厚肉成形品の製造方法。
  5. 【請求項5】 ホットランナーのゲートチップ、ボディ
    およびマニホールドの少なくとも一つを加熱手段によ
    り、射出開始から少なくとも製品固化時間迄の期間、加
    熱状態にして、ホットランナーゲート部の樹脂を溶融状
    態に保持することを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載の厚肉成形品の製造方法。
  6. 【請求項6】 ホットランナー金型のキャビティ及び/
    又はコア部の周囲を断熱することを特徴とする請求項1
    〜5のいずれかに記載の厚肉成形品の製造方法。
  7. 【請求項7】 成形品の実質的な厚みが8mm以上であ
    る請求項1〜6のいずれかに記載の厚肉成形品の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 熱可塑性樹脂が結晶性樹脂である請求項
    1〜7のいずれかに記載の厚肉成形品の製造方法。
  9. 【請求項9】 結晶性樹脂がポリアセタール樹脂である
    請求項8に記載の厚肉成形品の製造方法。
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