JP2002102640A - ガス分離モジュールおよびガス分離装置 - Google Patents

ガス分離モジュールおよびガス分離装置

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JP2002102640A
JP2002102640A JP2000296942A JP2000296942A JP2002102640A JP 2002102640 A JP2002102640 A JP 2002102640A JP 2000296942 A JP2000296942 A JP 2000296942A JP 2000296942 A JP2000296942 A JP 2000296942A JP 2002102640 A JP2002102640 A JP 2002102640A
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gas
gas separation
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filter
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Yoshihiro Yuu
喜裕 由宇
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Abstract

(57)【要約】 【課題】全体にわたって高いガス分離効率を有するガス
分離モジュールおよびガス分離装置を提供する。 【解決手段】ハウジング5内に、長尺状の多孔質管から
なり複数のガスからなる被処理ガスから特定のガスのみ
を選択的に透過して分離可能なガス分離フィルタ2を複
数本収束してなるフィルタ収束体4を収納、封止してな
り、ハウジング5のフィルタ収束体4の一端側に配設し
た第1のガス導入口(被処理ガス導入口)8からガス分
離フィルタ2の外面側に被処理ガスを導入して、前記特
定のガスを選択的に前記ガス分離フィルタ内面に透過し
てなるガス分離モジュール1において、ガス分離フィル
タ2の長手方向の途中にガスを補足的に導入して前記被
処理ガスと混合するための第2ガス導入口12を配設す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、複数種のガスを
含有する被処理ガス、特に水との共沸化合物である有機
溶剤(有機蒸気)と水蒸気とを含むガス中から水蒸気等
の特定ガスを分離するためのガス分離モジュールおよび
ガス分離装置に関し、特に、多量の被処理ガスを処理す
るためのガス分離モジュールおよびガス分離装置に関す
る。
【0002】
【従来技術】 近年、複数種のガス、例えばH2、N2
2、CO2、PFC(パーフルオロカーボン)等のフッ
素化合物の蒸気や、水蒸気、有機蒸気等のガスの混合物
から特定のガスを分離する研究が積極的に進められてい
る。
【0003】一方、有機物を含む水溶液の濃縮方法は一
般に蒸留法が採用されており、また、通常の蒸留により
分離できない共沸混合物や沸点の近い有機物の場合に
は、共沸蒸留法や抽出蒸留法が用いられているが、大量
のエネルギーを必要とすること、装置が大型化すること
が大きな問題となっている。
【0004】そこで、最近では、分離膜の一方の表面に
有機物を含む水溶液を接触させ、他の表面を減圧するか
または乾燥ガスを流して水蒸気を膜内に選択的に浸透、
透過させて分離するパーベーパレーション法が提案さ
れ、処理方法が容易かつ省エネルギーであるとして注目
されている。
【0005】また、特開昭63−258601号公報で
は、蒸留法では分離が困難な水と共沸する有機溶剤とを
分離する方法として、共沸した有機蒸気と水蒸気とを含
む混合ガスを多数の細孔を有するガス分離フィルタに被
着形成したガス分離膜に接触せしめ、該細孔内を水蒸気
が選択的に透過することにより、分離膜の他表面側に分
離し、共沸した有機物を濃縮する方法が提案され、この
方法によれば高い分離性能が得られることが示されてい
る。さらに、同号公報によれば、ガス分離フィルタとし
て内径20〜1600μm程度、外径50〜2000μ
m程度の中空糸等の管状体が用いられている。
【0006】他方、最近、半導体製造用の処理溶剤とし
て水だけでなく複数種の有機溶剤が使用されているが、
中でも、水との共沸化合物、例えばイソプロピルアルコ
ール(IPA)等の有機溶剤が広く用いられ、これら水
と有機溶剤とを含む多量の廃液の処理方法が検討されて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
特開昭63−258601号公報に記載されたガス分離
フィルタによれば、水(水蒸気)とイソプロピルアルコ
ール(IPA)等の水との共沸化合物である有機溶剤
(有機蒸気)を含む多量の廃液を蒸気化したガス(廃液
ガス)を被処理ガスとして処理する場合、フィルタの被
処理ガス導入側端部付近、すなわちフィルタの上流側で
は水の濃度が高くガス分離膜の細孔内を分離膜との親和
性が高い水がガス分離膜内に充填されて透過する、いわ
ゆる毛管凝縮機構によって選択的にガス分離膜の細孔内
を他表面側に透過して水を分離することができるもの
の、被処理ガスがフィルタ内を通過するにつれて被処理
ガスの流量が低下する結果、フィルタの下流側では流体
の流れが極端に低下して、フィルタの壁面近傍に流体の
変動速度が極端に低下する、いわゆる境膜の形成厚み
(領域)が厚くなり、かつフィルタの下流側では水の濃
度が低下することから、フィルタの下流側では水の分離
効率が低下してしまい、モジュール全体としての分離性
能の向上には限界があった。
【0008】本発明は上記課題に対してなされたもの
で、その目的は、モジュール全体として高いガス分離性
能を維持でき、多量の被処理ガスを効率よく処理できる
ガス分離モジュールおよびガス分離装置を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題に
対しガス分離フィルタの構造について検討した結果、フ
ィルタの下流側の被処理ガス流量が低下する領域に新規
のガスを補足的に導入するか、またはフィルタ収束体を
収納したガス分離モジュールを複数本直列接続するガス
分離装置において、被処理ガス排出側(下流側)に位置
するモジュールの被処理ガス流路の断面積を、被処理ガ
ス導入側(上流側)に位置するモジュールの被処理ガス
流路の断面積よりも小さくすることによって、下流側で
の被処理ガス密度(流速)を増してガス分離効率を高め
ることができ、モジュールおよび装置全体として高いガ
ス分離性能を維持でき、ガス分離効率を向上できること
を知見した。
【0010】すなわち、本発明のガス分離モジュール
は、ハウジング内に、長尺状の多孔質管からなり複数の
ガスからなる被処理ガスから特定のガスのみを選択的に
透過して分離可能なガス分離フィルタを複数本収束して
なる収束体を収納、封止してなり、前記ハウジングの前
記収束体の一端側に配設した第1のガス導入口から前記
ガス分離フィルタの外面側に被処理ガスを導入して、前
記特定のガスを選択的に前記ガス分離フィルタ内面に透
過してなるガス分離モジュールであって、前記ガス分離
フィルタの長手方向の途中にガスを補足的に導入して前
記被処理ガスと混合するための第2ガス導入口を配設し
たことを特徴とするものである。
【0011】ここで、前記第2ガス導入口を前記ハウジ
ングの壁面に配設するか、または前記ガス分離フィルタ
の収束体内に円筒管を収束して、該円筒管に前記第2ガ
ス導入口をなす孔を形成することが望ましい。
【0012】また、前記第2のガス導入口から前記被処
理ガス以外の成分を導入するか、または前記ガス分離フ
ィルタの内面に前記第2のガス導入口から導入される被
処理ガス以外の成分を流すことが望ましい。
【0013】さらに、前記被処理ガスが水蒸気と有機蒸
気とを含有し、前記ガス分離膜によって前記水蒸気を透
過、分離することが望ましい。
【0014】また、本発明のガス分離装置は、ハウジン
グ内に、長尺状の多孔質管からなり複数のガスからなる
被処理ガスから特定のガスのみを選択的に透過して分離
可能なガス分離フィルタを複数本収束してなる収束体を
収納、封止し、前記ハウジングに配設した第1のガス導
入口から前記ガス分離フィルタの一方の表面側に被処理
ガスを導入して、前記特定のガスを選択的に前記ガス分
離フィルタの他方の表面に透過してなるガス分離モジュ
ールを複数本直列接続し、各ガス分離モジュール内に順
次被処理ガスを導入して前記ガス分離フィルタにて特定
ガスを分離するガス分離装置であって、前記ガス分離モ
ジュール同士の接続部に第2のガス導入口を配設したこ
とを特徴とするものである。
【0015】さらに、本発明の他のガス分離装置は、ハ
ウジング内に、長尺状の多孔質管からなり複数のガスか
らなる被処理ガスから特定のガスのみを選択的に透過し
て分離可能なガス分離フィルタを複数本収束してなる収
束体を収納、封止し、前記ハウジングに配設した第1の
ガス導入口から前記ガス分離フィルタの一方の表面側に
被処理ガスを導入して、前記特定のガスを選択的に前記
ガス分離フィルタの他方の表面に透過してなるガス分離
モジュールを複数本直列接続し、各ガス分離モジュール
内に順次被処理ガスを導入して前記ガス分離フィルタに
て特定ガスを分離するガス分離装置であって、前記複数
のガス分離モジュールのうち、被処理ガス排出側のガス
分離モジュールにおける被処理ガス流路の断面積が、被
処理ガス導入側のガス分離モジュールにおける被処理ガ
ス流路の断面積よりも小さいことを特徴とするものであ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明のガス分離モジュールの一
例について、その概略断面図を図1に示す。図1によれ
ば、ガス分離モジュール1はガス分離フィルタ2(以
下、フィルタ2と略す。)を複数本収束し、その両端が
固定部材3にて固定されたフィルタ収束体4を、ハウジ
ング5内に収納、封止している。なお、フィルタ収束体
4は、ガスケット6によってハウジング5内壁面に固定
されている。
【0017】また、ハウジング5には、系内に被処理ガ
スを導入するための被処理ガス導入口8、フィルタ2を
透過した特定ガスを排出するための透過ガス排出口9お
よびフィルタ2を透過することなく管外を通過した被処
理ガス(残部ガス)をモジュールの系外へ排出、回収す
るための残部ガス排出口10が形成されている。なお、
図1によれば、被処理ガス導入口8および残部ガス排出
口10はハウジング5の側面に形成され、かつ透過ガス
排出口9はハウジング5の長手方向の端面に形成されて
いる。
【0018】また、ガス分離モジュール1においては、
被処理ガス導入口8からハウジング5内に被処理ガスを
導入してフィルタ2の外表面に接触せしめ、被処理ガス
中からフィルタ2の内面にガスを透過させる。この透過
ガスはフィルタ2を通過して透過ガス排出口9からハウ
ジング外へ排出される。また、フィルタ2を透過しない
被処理ガス(残部ガス)はハウジング5内を残部ガス排
出口10側へと導かれる。
【0019】本発明によれば、上記3つのガス出入口に
加えて、被処理ガスの流路の途中にガスを補足的に導入
するための第2ガス導入口12を配設したことが大きな
特徴であり、これによって、被処理ガスの流路の下流
側、すなわちフィルタ2の下流側でガス密度の低下に伴
ってフィルタ2の被処理ガスを接触する壁面に形成され
る境膜の厚みが厚くなることを防止し、ガス分離効率が
低下することを抑制して、モジュール全体としてガス分
離性能を高めることができる。
【0020】また、図1のモジュール1によれば、被処
理ガス流路の途中に設けられた第2ガス導入口12から
補足的にガスを導入して被処理ガスと混合され、該混合
ガスは被処理ガス流路の流側に導かれつつ、フィルタ2
にて特定ガスの透過、分離が行われた後、残部ガス排出
口10からハウジング5外へと排出される。
【0021】なお、図1によれば、第2ガス導入口12
はハウジング5壁面のフィルタ2の長手方向の途中に対
応する位置に形成されている。
【0022】また、第2ガス導入口12の配設位置は被
処理ガス流路内であれば特に限定されないが、被処理ガ
ス流量の制御の容易性の点で中央部、または中央より下
流側であることが好ましい。また、第2ガス導入口12
と同じ機能を有する他のガス導入口を1つ以上追加形成
してもよい。
【0023】また、第2ガス導入口12にて導入される
ガスは、被処理ガスと同じ成分であってもよく、また
は、例えば他の化合物を生成したり、酸化され分解する
可能性のないHe、N2、Ar等の不活性なガス等で被
処理ガス以外の成分であってもよい。
【0024】さらに、固定部材3およびハウジング5
は、塩化ビニルやポリウレタン等の樹脂、ステンレス等
の金属、アルミナやジルコニア等の緻密質セラミックス
あるいはガラス等のガスを透過しない部材によって形成
されるが、ハウジング5については系内を加圧または減
圧する場合や系内を加熱する場合には金属やセラミック
スまたはガラス等の機械的強度が高いものが好適であ
り、またその形状は、長手方向に長く、断面が円、楕
円、矩形等の概略柱状体形状であることが望ましい。
【0025】また、ガス分離効率を高めるために、フィ
ルタの内面側と外面側とで特定ガスの分圧差を設けるこ
とが望ましく、具体的には、特定ガスの排出面側に特定
ガス以外の他のガスを流す方法、フィルタ1の内面側を
加圧する方法、フィルタ1の外面を減圧する方法が好適
に使用可能である。
【0026】(フィルタ)さらに、フィルタ2は、機械
的信頼性、ガス透過効率の向上、耐熱性等の点で長尺状
の多孔質支持管(以下、単に支持管と略す)の内壁面に
中間層及びガス分離膜(以下、単に分離膜と略す)が順
次被着形成された構成からなることが望ましい。
【0027】支持管は、気孔率が20〜40%、平均細
孔径0.1〜2μmの多数の細孔を有し、アルミナ、コ
ージェライト等、特にα−アルミナからなるものであっ
て、外径1.0〜10mm、特に1.6〜4.0mm、
肉厚0.3〜1.0mm、特に0.4〜0.5mmであ
ることが望ましい。また、支持管の長さは特に限定はさ
れないが、モジュール中のフィルタ2の取り扱いの点で
500mm以下が望ましく、さらにフィルタ2の強度お
よびガス分離効率の向上の点では200〜300mmで
あることが望ましい。
【0028】分離膜は、有機質高分子膜も使用可能であ
るが、ガス分離性能、耐熱性および耐薬品性の点で、ア
ルミナ、チタニア、ジルコニア、シリカ等の無機膜、特
に容易に細孔径を制御できる点でアルミナやシリカ、ジ
ルコニア、さらにはアモルファスシリカからなることが
望ましい。さらに、分離膜の耐熱性向上の点では、シリ
カ中にジルコニニアを含有するものが望ましい。
【0029】また、分離膜の平均細孔径は、分離するガ
ス種の分子径に応じて決定されるが、例えば、N2
2、CO2、O2等の無機ガス同士を分離する場合には
0.3〜0.4nm、水(水蒸気)と有機溶剤(有機蒸
気)とを分離する場合には0.4〜0.6nm、N2
パーフルオロカーボン(PFC)とを分離する場合に
は、0.3〜0.5nmであることが望ましい。
【0030】さらに、分離膜の膜厚は、透過ガスの透過
速度の向上、およびクラックやピンホール等の欠陥のな
い膜を作製する点で0.1〜0.5μm、特に0.2〜
0.3μmであることが望ましい。
【0031】また、中間層は、分離膜の支持管への成膜
性を高めて、薄く、欠陥のない分離膜を作製するために
設けられるものであり、例えば、アルミナ、シリカ、ジ
ルコニア、チタニア等にて形成される。また、中間層の
平均細孔径は、分離膜の成膜性の向上、およびガス分離
効率を高めるために、例えば、1.0〜10nm程度の
支持管の平均細孔径と分離膜の平均細孔径との間である
ことが望ましい。さらに、中間層の膜厚は透過ガスの透
過速度の向上、およびクラックやピンホール等の欠陥が
なく、表面が平滑な膜を作製する点で0.1〜2μm、
特に0.6〜2μmであることが望ましい。
【0032】なお、本発明のガス分離フィルタは、
2、N2、O2、CO2等の無機ガス、水(水蒸気)、C
4、C26、C38、メタノール、エタノール、n−
プロパノール、i−プロパノール(IPA)、アセト
ン、トルエン等の有機溶剤(有機蒸気)、SF6、N
3、ハイドロフルオロカーボン、パーフルオロカーボ
ン等のフッ素化合物の蒸気等の少なくとも1種を含有す
る混合ガス中から上記のうちの特定ガスを選択的に分離
できるものであるが、本発明においては、特に毛管凝縮
機構によるガス分離が発現しやすい、水と有機溶剤、特
に蒸留法による分離が困難なIPA等の水と共沸する有
機溶剤との分離に対して特に有効である。
【0033】なお、上述した無機膜からなる支持管(−
中間層)−分離膜の構成以外にも有機高分子からなる分
離膜を用いてもよく、この場合には必ずしも支持管およ
び中間層を形成する必要はない。
【0034】さらに、図1によれば、第2ガス導入口1
2をハウジング5の壁面に形成したものであったが、本
発明はこれに限定されるものではなく、フィルタ収束体
中にフィルタと並列に円筒管を収束し、該円筒管の下流
側に孔を形成して該孔を第2ガス導入口として用いるこ
ともできる。
【0035】図2に、上記円筒管を第2ガス導入口とし
て用いた本発明のガス分離モジュールの他の一例を示
す。図2によれば、ガス分離モジュール15は、上述し
たフィルタ2と並列に円筒管16がフィルタ収束体17
内に収束されており、円筒管16の一端16aはハウジ
ング18の端部からハウジング18を貫通してハウジン
グ18外へ突出している。また、円筒管16の他端16
bはフィルタ収束体17の2つの固定部材3、3間に位
置し、この円筒管16の他端16bが第2ガス導入口2
0をなしている。なお、図2の円筒管16はガスを透過
しない緻密質のセラミックス、金属、ガラス等によって
形成されている。
【0036】ガス分離モジュール15によれば、第2ガ
ス導入口20から補足的にガスを導入することによっ
て、フィルタ2の下流側でのガス分離効率を高めること
ができ、モジュール全体としてのガス分離性能を高める
ことができる。
【0037】なお、円筒管16はフィルタ収束体17
中、固定部材3の中心部に配設されることが望ましく、
これによって、特に被処理ガスの流通が悪い収束体17
の内部でのガス分離効率を高めることができる。また、
円筒管16を複数本配設してもよい。
【0038】また、図2によれば、円筒管16を緻密な
材質にて形成し、その一端(第2ガス導入口20)が固
定部材3、3間に位置するものであったが、本発明はこ
れに限られるものではなく、例えば、円筒管を多孔質体
にて形成し、その両端が固定部材3、3を貫通して支持
されるとともに、多孔質体の長手方向の途中まで(上流
側)を緻密質膜にて被覆して封止したものや、緻密質材
料からなる円筒管をその両端が固定部材3、3を貫通し
て支持されるように形成するとともに、該緻密質材料か
らなる円筒管の被処理ガス流路の下流側に孔を少なくと
も1つ開けたものであってもよい。
【0039】さらに、本発明によれば、ガス分離モジュ
ールを複数直列に接続したガス分離装置を形成する場
合、モジュール間の接続部分に第2ガス導入口を形成す
るものであってもよい。
【0040】そこで、図3に本発明のガス分離装置につ
いて、その一例の概略断面図を示す。図3によれば、ガ
ス分離装置25は、それぞれフィルタ収束体4を収納し
たガス分離モジュール(以下、モジュールと略す。)2
6とモジュール27とが直列に接続された構造からな
る。図3によれば、モジュール26にはモジュール27
と接続される端部とは反対側の端部に被処理ガス導入口
28が形成され、また、それぞれのモジュール26、2
7の側面にはそれぞれ透過ガス排出口29、30が形成
され、さらに、モジュール27のモジュール26と接続
される端部とは反対側の端部に残部ガス排出口32が形
成されている。
【0041】また、図3によれば、モジュール26とモ
ジュール27との接続部に第2ガス導入口34が形成さ
れている。そして、ガス分離装置25によれば、被処理
ガス導入口28から被処理ガスをモジュール26内のフ
ィルタ2内面側に導入し、フィルタ2の外面側に透過、
分離した透過ガスを透過ガス排出口29からモジュール
26系外へ排出する。また、フィルタ2にて透過されな
い被処理ガス(残部ガス)はモジュール26とモジュー
ル27との接続部に導出される。
【0042】本発明によれば、このモジュール26から
排出された残部ガスの密度(流速)が被処理ガス導入口
28から導入される被処理ガスの密度(流速)よりも減
じた分を補うために、第2ガス導入口34からガスを補
足的に導入して、前記モジュール26から排出された残
部ガスと混合し、モジュール27のフィルタ2内に導入
することが大きな特徴であり、これによってモジュール
27でのガス分離効率を高めることができる。なお、モ
ジュール27のフィルタ2内に導入されたガスは、モジ
ュール26の場合と同様に透過ガスが透過ガス排出口3
0から、残部ガスが残部ガス排出口32からそれぞれ排
出されて分離される。
【0043】また、本発明によれば、複数本のモジュー
ルを直列に接続してなるガス分離装置において、下流側
に位置するモジュールの被処理ガス流路の断面積が上流
側に位置するモジュールの断面積よりも小さくすること
により、各々のモジュール内での被処理ガスの密度(流
速)の差を小さくして下流側のモジュールのガス分離効
率を高めることもできる。
【0044】図4に、並列に配設された複数本のモジュ
ールと1本のモジュールとを直列に接続した本発明の他
のガス分離装置についての概略断面図を示す。図4によ
れば、ガス分離装置35は、並列に配設されたモジュー
ル36、37、38の3本がモジュール39と直列に接
続された構造からなる。
【0045】各モジュール36、37、38の端部に形
成された被処理ガス導入口41、42、43からそれぞ
れ被処理ガスを各フィルタ内に導入し、各モジュールに
て分離された透過ガスは、フィルタ内を経由して各モジ
ュールに形成された透過ガス排出口44、45、46か
らそれぞれ排出される。また、各モジュール36、3
7、38での残部ガスは、各モジュール36、37、3
8とモジュール39との接続部で混合されて、モジュー
ル39に導入される。
【0046】そして、この混合されたガスはモジュール
39のフィルタ2内に導入されることにより、モジュー
ル39内に導入されるガス量の差を小さくして、モジュ
ール39でのガス分離効率を高めることができる。な
お、フィルタ2内に導入されたガスは、同様に透過ガス
が透過ガス排出口48から、残部ガスは残部ガス排出口
49から排出されて分離される。
【0047】さらに、本発明によれば、例えば下流側に
位置するモジュールのフィルタの本数を上流側のモジュ
ールのフィルタの本数よりも少なくしたり、ハウジング
内面の断面積を上流よりも下流側を小さくする等、サイ
ズの異なる複数本のモジュールを直列に接続することに
より、各々のモジュール内での被処理ガスの量の差を小
さくして装置全体のガス分離効率を高めることもでき
る。
【0048】
【実施例】(実施例1)まず、純度99.9%、平均粒
径0.1μmのアルミナと、有機バインダと、潤滑剤
と、可塑剤と水とを混合し、押し出し成形することによ
って管状体に成形した後、大気中、1300℃にて焼成
し、内径2.0mm、肉厚0.5mm、支持管の長さが
320mmの支持管で、平均細孔径0.2μm、気孔率
35%を有するα−アルミナ質多孔質支持管を作製し
た。
【0049】あらかじめ、アルミナ多孔質管端部からの
ガスのリークを防ぐために、前記アルミナ多孔質管の両
端10mmの外表面にガラスペーストを付与し、ガラス
層を形成した。
【0050】次にγ−アルミナ粉末を硝酸酸性の水溶液
中に超音波を利用して高分散させたアルミナを含有する
溶液を用い、前記アルミナ多孔質支持管外表面を高分子
フィルムにて覆い、前記溶液内に浸漬し30秒保持した
後、5mm/秒の速度で引き上げ、室温で1時間乾燥し
た後、引き続いて500℃で1時間保持し、その後、室
温まで冷却して多孔質支持管内壁面に中間層を被着形成
した。
【0051】次に、SiのアルコキシドとZrのアルコ
キシドをエタノール溶媒下で複合化した後、加水分解し
て作製したSiO2−ZrO2ゾルを前記中間層が付与さ
れた多孔質支持管内表面に浸漬により付与し、前記同
様、乾燥、500℃で熱処理した。この一連の操作を4
回繰り返し行い、フィルタを作製した。得られたフィル
タ166本の両端を緻密なアルミナ製の固定部材にて固
定してフィルタ収束体を作製した。
【0052】このフィルタ収束体を、ステンレス製で、
内径12cm、長さ40cmの概略円筒形状、かつ図1
の形状のハウジング内に固定して図1に示すガス分離モ
ジュールを作製した。なお、第2ガス導入口はハウジン
グの長さの中央(両端から20cm)の位置に配設し
た。
【0053】そして、得られたガス分離モジュールにつ
いて、被処理ガス導入口よりイソプロピルアルコール
(IPA)を10体積%と水蒸気(H2O)を90体積
%とを含有した130℃の混合ガスを10g/分の流速
で流すとともに、透過ガス排出口を真空ポンプで50k
Paに減圧した。また、第2成分ガスとして窒素ガス
(純度99.9%)を100ml/分の流速で導入し
た。残部ガス排出口は冷却装置で−1℃に冷却し、液体
の状態で回収した。
【0054】さらに、残部ガス排出口より排出、回収さ
れた液体中の水とイソプロピルアルコール(IPA)の
濃度をそれぞれガスクロマトグラフィーにて測定した。
その結果、IPAの濃度は70%に濃縮された。
【0055】(実施例2)実施例1のフィルタ収束体を
用いて図2のガス分離モジュールを作製した。なお、円
筒管は固定部材の中心に、かつ円筒管の第2のガス導入
口をなす端部がフィルタ2の中央(両固定部材間の中
央)の位置とした。実施例1と同様に水蒸気とイソプロ
ピルアルコール(IPA)の濃度(ガス分離性能)を測
定した結果、IPA濃度は74%に濃縮された。
【0056】(実施例3)実施例1のフィルタ収束体を
図3に示すようなハウジングに固定した以外は、実施例
1と同様に水蒸気とイソプロピルアルコール(IPA)
の濃度(ガス分離性能)を測定した結果、IPAの濃度
は68%に濃縮された。
【0057】(実施例4)実施例1のフィルタ収束体を
図4に示すようなハウジングに固定し、得られたガス分
離モジュールについて、それぞれの被処理ガス導入口よ
り実施例1の混合ガスをそれぞれ10g/分の流速で流
すとともに、透過ガス排出口を真空ポンプで50kPa
に減圧する以外は実施例1と同様に水蒸気とイソプロピ
ルアルコール(IPA)の濃度(ガス分離性能)を測定
した結果、IPAの濃度は74%に濃縮された。
【0058】(比較例)実施例1のガス分離モジュール
において、第2ガス導入口を形成しない以外は実施例1
と同様にガス分離モジュールを作製し、IPAと水の分
離性能(濃度)を測定した結果、IPAの濃度が50%
であり、濃縮率が低いものであった。
【0059】
【発明の効果】以上詳述したとおり、本発明のガス分離
モジュールによれば、フィルタの下流側の被処理ガス流
量が低下する領域に新規のガスを追加導入するか、また
はフィルタ収束体を収納したガス分離モジュールを複数
本直列接続したガス分離装置において、被処理ガス排出
側(下流側)の被処理ガス流路の断面積を、被処理ガス
導入側(上流側)の被処理ガス流路の断面積よりも小さ
くすることによって、下流側の被処理ガス流路での被処
理ガス密度および流速を増してガス分離特性を高めるこ
とができ、モジュールおよび装置全体として高いガス分
離性能を維持でき、ガス分離効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガス分離モジュールの一例を示す概略
断面図である。
【図2】本発明のガス分離モジュールの他の一例を示す
概略断面図である
【図3】本発明のガス分離装置の一例を示す概略断面図
である。
【図4】本発明のガス分離装置の他の一例を示す概略断
面図である。
【符号の説明】
1、15、26、27、36、37、38、39 ガ
ス分離モジュール 2 フィルタ 3 固定部材 4、17 フィルタ収束体 5、18 ハウジング 6 ガスケット 8、21、28、41、42、43 被処理ガス導入
口 9、22、29、30、44、45、46、48 透
過ガス排出口 10、23、32、49 残部ガス排出口 12、20、34 第2ガス導入口 16 円筒管 25、35 ガス分離装置

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハウジング内に、長尺状の多孔質管からな
    り複数のガスからなる被処理ガスから特定のガスのみを
    選択的に透過して分離可能なガス分離フィルタを複数本
    収束してなる収束体を収納、封止してなり、前記ハウジ
    ングの前記収束体の一端側に配設した第1のガス導入口
    から前記ガス分離フィルタの外面側に被処理ガスを導入
    して、前記特定のガスを選択的に前記ガス分離フィルタ
    内面に透過してなるガス分離モジュールであって、前記
    ガス分離フィルタの長手方向の途中にガスを補足的に導
    入して前記被処理ガスと混合するための第2ガス導入口
    を配設したことを特徴とするガス分離モジュール。
  2. 【請求項2】前記第2ガス導入口を前記ハウジングの壁
    面に配設したことを特徴とする請求項1記載のガス分離
    モジュール。
  3. 【請求項3】前記ガス分離フィルタの収束体内に円筒管
    を収束して、該円筒管に前記第2ガス導入口をなす孔を
    形成することを特徴とする請求項1記載のガス分離モジ
    ュール。
  4. 【請求項4】前記第2のガス導入口から前記被処理ガス
    以外の成分を導入することを特徴とする請求項1乃至3
    のいずれか記載のガス分離モジュール。
  5. 【請求項5】前記ガス分離フィルタの内面に前記第2の
    ガス導入口から導入される被処理ガス以外の成分を流す
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載のガス
    分離モジュール。
  6. 【請求項6】前記被処理ガスが水蒸気と有機蒸気とを含
    有し、前記ガス分離膜によって前記水蒸気を透過、分離
    することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載の
    ガス分離モジュール。
  7. 【請求項7】ハウジング内に、長尺状の多孔質管からな
    り複数のガスからなる被処理ガスから特定のガスのみを
    選択的に透過して分離可能なガス分離フィルタを複数本
    収束してなる収束体を収納、封止し、前記ハウジングに
    配設した第1のガス導入口から前記ガス分離フィルタの
    一方の表面側に被処理ガスを導入して、前記特定のガス
    を選択的に前記ガス分離フィルタの他方の表面に透過し
    てなるガス分離モジュールを複数本直列接続し、各ガス
    分離モジュール内に順次被処理ガスを導入して前記ガス
    分離フィルタにて特定ガスを分離するガス分離装置であ
    って、前記ガス分離モジュール同士の接続部に第2のガ
    ス導入口を配設したことを特徴とするガス分離装置。
  8. 【請求項8】ハウジング内に、長尺状の多孔質管からな
    り複数のガスからなる被処理ガスから特定のガスのみを
    選択的に透過して分離可能なガス分離フィルタを複数本
    収束してなる収束体を収納、封止し、前記ハウジングに
    配設した第1のガス導入口から前記ガス分離フィルタの
    一方の表面側に被処理ガスを導入して、前記特定のガス
    を選択的に前記ガス分離フィルタの他方の表面に透過し
    てなるガス分離モジュールを複数本直列接続し、各ガス
    分離モジュール内に順次被処理ガスを導入して前記ガス
    分離フィルタにて特定ガスを分離するガス分離装置であ
    って、前記複数のガス分離モジュールのうち、被処理ガ
    ス排出側のガス分離モジュールにおける被処理ガス流路
    の断面積が、被処理ガス導入側のガス分離モジュールに
    おける被処理ガス流路の断面積よりも小さいことを特徴
    とするガス分離装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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