JP2002100507A - 交換スプリング磁石およびその製造方法 - Google Patents

交換スプリング磁石およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 磁石特性を損なわずに、バルク化された交換
スプリング磁石、及びその製造方法、並びに前記交換ス
プリング磁石を有するモーター、センサ等を提供するこ
とを目的とする。 【解決手段】 原料粉末を緻密化してなり、前記緻密化
された原料粉末の粒子間にホウ素原子および酸素原子が
凝集した構造を有する、永久磁石相および軟磁性相とを
含んでなるバルク交換スプリング磁石、およびその製造
方法、並びに前記バルク交換スプリング磁石を用いてな
るモーター、センサ等。この磁石材料はNd−Fe−B
系である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータ、磁界セン
サ、回転センサ、加速度センサ、トルクセンサ等に好適
に用いることができる高出力磁石材料に関し、より詳し
くは、特性の磁性が向上したバルク交換スプリング磁石
に関する。
【0002】
【従来の技術】永久磁石とは、要素の磁気双極子が一方
向に揃っているため外部の磁場により変化しにくい、理
想的には変化しない状態にあるものをいい、飽和磁化が
大きく、かつ減磁曲線が角型を示す材料が優れた材料と
なる。ただし、強い磁場中ではどんな磁石材料も磁化状
態は変化するものではある。
【0003】永久磁石としては、化学的に安定で低コス
トなフェライト磁石や高性能な希土類系磁石が実用化さ
れている。しかしながらこれらの実用化されている永久
磁石のうち最高性能を持つネオジム磁石においても、磁
石の強さを示す最大エネルギー積は50メガガウスエル
ステッド(MGOe)程度が限界である。
【0004】磁石の組織を微細に分割すると、最終的に
は原子レベル、アボガドロ数の多数問題となるが、この
ような極微ではなくマクロとミクロの中間レベルで原子
が協調して特殊機能を生み出すことがある。この中間領
域をメゾスコピック領域またはナノ領域という。この概
念に基づいて開発されたのが交換スプリング磁石であ
り、高保磁力の材料からなる永久磁石相(ハード相)と
高磁束密度の材料からなる軟磁性相(ソフト相)とが交
換相互作用により磁気的に結合することで、高エネルギ
ー積が得られる磁石である。
【0005】交換スプリング磁石の構造は、ハード相と
ソフト相の薄膜を積層させたもの、またはハード相の基
質の中にソフト相の微粒子を分散させたものが一般的で
あり、ナノコンポジット構造と呼ばれている。このよう
な積層または分散がマクロ的なものであれば、単なるハ
ード相とソフト相の共存となり磁石の磁性を示す減磁曲
線はヘビ型となるだけである。ところが、積層または分
散がナノ領域であると、ソフト相の磁化はハード相の磁
化によって強く拘束され、全体があたかも一つのハード
相であるかのように振る舞う。すなわち、磁化が揃って
いる交換スプリング磁石に負の方向の減磁場をかけたと
き、磁化の反転はソフト相の中間から始まり、ソフト相
とハード相との磁壁付近では交換力が強いため正方向に
揃ったままとなる。この状態でかけていた減磁場をなく
すと減磁曲線に沿って元に戻る。この作用がスプリング
作用に類似しているため、交換スプリング磁石と称され
ている。なお、交換とはその原理が交換相互作用に基づ
いているため頭文字として採用された表示である。
【0006】例えば、ハード相の磁化容易方向が一方向
に揃っており、ハード相とソフト相とが交互に積層され
ている強磁性コンポジットについて考える。このコンポ
ジットを正方向に磁気的に飽和させたのち負方向に減磁
界を印加すると、まずソフト相の中央部で磁化が反転す
る。境界部ではハード相の磁気モーメントとの交換相互
作用により、その向きはハード相の磁化の向きに束縛さ
れているので、反転しにくい。ハード相の磁気モーメン
トも境界部ではわずかに向きをかえるであろうが、ハー
ド相の磁化が不可逆に反転する磁界よりも印加磁場が小
さければ、印加磁場をゼロに戻せば系は元の状態にスプ
リングバックする。もし、ハード相の磁化が不可逆に反
転する磁界よりも印加磁場が大きくければ、系全体の磁
化も不可逆に反転し、系は負方向に飽和した状態とな
る。
【0007】一般に磁石の最大磁気エネルギー積の限界
を制限しているのは、主相となっている化合物の磁化で
ある。ナノコンポジット磁石は、現在実用化されている
磁石の性能の限界を理論的には超えることが示されてお
り、異方性多層膜の最大エネルギー積の理論値は120
MGOe(9.6MJ/m3)を超えるものとなる。
【0008】このような理由により、交換スプリング磁
石は新たな磁石材料として注目を集めている。この交換
スプリング磁石は、ハード相をNd-Fe-B系やSm−
Fe−N系などにし、ソフト相をFe、Fe-B、Fe
−Coなどとした組成系に関して主に開発が進められて
おり、特開2000−208313号公報にはアモルフ
ァス化工程と結晶化工程とを繰り返すことによりより微
細で磁石特性に優れた異方性交換スプリング磁石粉末を
得る技術が開示されている。
【0009】交換スプリング磁石は上述のように極めて
高い最大エネルギー積を有することが可能であるが、微
細な結晶粒径を維持する必要があるためフルデンス磁石
を実現することが困難であった。すなわち、従来の焼結
温度は1000℃以上であり、このような高温での焼結
では結晶粒が粗大化してしまい、磁石特性の劣化が著し
い。従って、現在のところ交換スプリング磁石粉末を樹
脂やゴムに混ぜ込み、成形固化するといった、いわゆる
ボンド磁石(プラマグ、プラスチック磁石、ゴム磁石と
も呼ばれる)としての適用が検討されている。
【0010】しかしながら、このようなボンド磁石の密
度は当然ながら原料粉末の理論密度よりかなり低い値と
なるため、最大エネルギー積は原料粉末がフルデンス化
された場合から予想される特性には遥かに及ばないもの
となっている。すなわち、磁石のエネルギー積は充填密
度の2乗に比例して低下するため、例えば粉末充填率が
50%であると、エネルギー積はバルク磁石に比べ25
%に落ちてしまう。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような事
情に鑑みなされたものであり、磁石特性を損なわずに、
バルク化された、すなわち原料粉末の理論密度に近い密
度を有する交換スプリング磁石を提供することを目的と
する。
【0012】また、従来の焼結条件に対して、低温また
は短時間で上記特性を有する交換スプリング磁石を製造
する方法を提供することを目的とする。
【0013】さらに、上記特性を有する交換スプリング
磁石を用いたモータ、磁化センサ、回転センサ、加速度
センサ、およびトルクセンサを提供することを目的とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は、各請求項毎に次のように構成される。
【0015】請求項1に記載の発明は、原料粉末を緻密
化してなり、前記緻密化された原料粉末の粒子間にホウ
素原子および酸素原子が凝集した構造を有する、永久磁
石相および軟磁性相とを含んでなるバルク交換スプリン
グ磁石である。
【0016】請求項2に記載の発明は、磁石材料組成式
がNdxFe100-x-yyであって、x=4〜11、y=
3〜8であることを特徴とする請求項1記載のバルク交
換スプリング磁石である。
【0017】請求項3に記載の発明は、磁石材料組成式
がNdxFe100-x-yyであって、x=7.5〜10.
5、y=5.5〜7.5であることを特徴とする請求項
1記載のバルク交換スプリング磁石である。
【0018】請求項4に記載の発明は、前記緻密化され
た原料粉末の粒子内部におけるホウ素原子の濃度に対す
る前記緻密化された原料粉末の粒子間のホウ素原子の濃
度の比(粒子間濃度/粒子内部濃度)が1.2以上で、
前記緻密化された原料粉末の粒子内部における酸素原子
の濃度に対する前記緻密化された原料粉末の粒子間の酸
素原子の濃度の比(粒子間濃度/粒子内部濃度)が1.
2以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
1項に記載のバルク交換スプリング磁石である。
【0019】請求項5に記載の発明は、前記緻密化され
た原料粉末の粒子間にホウ素原子および酸素原子が凝集
した部位の厚さが65nm以上であることを特徴とする
請求項1〜4のいずれか1項に記載のバルク交換スプリ
ング磁石である。
【0020】請求項6に記載の発明は、前記原料粉末の
粒径が20〜500μmであることを特徴とする請求項
1〜5記載のいずれか1項に記載のバルク交換スプリン
グ磁石である。
【0021】請求項7に記載の発明は、前記原料粉末の
粒径が80〜200μmであることを特徴とする請求項
1〜5のいずれか1項に記載のバルク交換スプリング磁
石である。
【0022】請求項8に記載の発明は、原料粉末を圧力
300〜1200MPaで圧縮する段階と、前記圧力で
加圧した状態で、25℃から昇温速度5〜40℃/mi
nで550〜800℃の保持温度まで温度上昇させる段
階と、前記保持温度で0.01〜10min保持し、前
記原料粉末を緻密化させる段階とを含む、請求項1〜7
のいずれか1項に記載のバルク交換スプリング磁石の製
造方法である。
【0023】請求項9に記載の発明は、原料粉末を圧力
500〜1200MPaで圧縮する段階と、前記圧力を
加圧した状態で、25℃から昇温速度10〜25℃/m
inで650〜700℃の保持温度まで温度上昇させる
段階と、前記保持温度で0.01〜3min保持し、前
記原料粉末を焼結する段階とを含む、請求項1〜7のい
ずれか1項に記載のバルク交換スプリング磁石の製造方
法である。
【0024】請求項10に記載の発明は、前記原料粉末
は、ロール周速度10〜60m/secで作製した急冷
薄帯であることを特徴とする請求項8または9に記載の
バルク交換スプリング磁石の製造方法である。
【0025】請求項11に記載の発明は、前記原料粉末
は、ロール周速度15〜35m/secで作製した急冷
薄帯であることを特徴とする請求項8または9に記載の
バルク交換スプリング磁石の製造方法である。
【0026】請求項12に記載の発明は、前記原料粉末
を焼結する段階の圧力は、1×10 -4〜9.5Paであ
ることを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記
載のバルク交換スプリング磁石の製造方法である。
【0027】請求項13に記載の発明は、前記原料粉末
を焼結する段階の圧力は、2×10 -4〜3Paであるこ
とを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載の
バルク交換スプリング磁石の製造方法である。
【0028】請求項14に記載の発明は、請求項1〜7
のいずれか1項に記載のバルク交換スプリング磁石を用
いてなるモータ、磁界センサ、回転センサ、加速度セン
サ、またはトルクセンサである。
【0029】
【発明の効果】以上のように構成された本発明によれ
ば、各請求毎に次のような効果を奏する。
【0030】請求項1に記載の発明にあっては、原料粉
末間にホウ素および酸素が凝集した構造をすることによ
り、低温又は短時間で焼結が可能となり、結晶粒の粗大
化を抑制することができる。その結果、原料粉末の理論
密度に近いバルク交換スプリング磁石において良好な磁
石特性(最大エネルギー密度)を実現することが可能と
なった。
【0031】請求項2および3に記載の発明にあって
は、ハード相とソフト相の割合のバランスにより磁石の
保磁力と磁束密度が高いレベルで実現されるため高性能
のバルク交換スプリング磁石が得られる。
【0032】請求項4に記載の発明にあっては、粒子間
化合物の熱安定性が維持されバルク交換スプリング磁石
の緻密化が向上し、また粒子間の結晶成長抑制効果が向
上した、高性能のバルク交換スプリング磁石を得ること
ができる。
【0033】請求項5に記載の発明にあっては、緻密化
が促進され、高性能なバルク交換スプリング磁石が得ら
れる。
【0034】請求項6および7に記載の発明にあって
は、原料粉末の表面積増大を抑制して磁石特性を向上さ
せることができ、また原料充填率を向上させて高密度の
バルク交換スプリング磁石を得られる。
【0035】請求項8および9に記載の発明にあって
は、請求項1〜7の効果を有するバルク交換スプリング
磁石を得ることができる。
【0036】請求項10および11に記載の発明にあっ
ては、原料粉末方法を規定することにより、より高性能
のバルク交換スプリング磁石を得ることができる。
【0037】請求項12および13に記載の発明にあっ
ては、必要量の酸素が供給されてバルク体の緻密化及び
粒子間の結晶成長抑制効果が向上し、磁石粉末自体の酸
化を抑制することができ、磁石特性が向上する。
【0038】請求項14に記載の発明にあっては、請求
項1〜7の効果を有するバルク交換スプリング磁石を利
用した各種製品を得ることができる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的構成につい
て詳細に説明する。
【0040】本願の第1の発明は、原料粉末を緻密化し
てなり、前記緻密化された原料粉末の粒子間にホウ素原
子および酸素原子が凝集した構造を有する、永久磁石相
(ハード相)および軟磁性相(ソフト相)とを含んでな
るバルク交換スプリング磁石である。
【0041】原料粉末は、所望の元素を含むアモルファ
スに近い状態で得ることが好ましく、液体急冷法、メカ
ニカルアロイ法、アトマイズ法など各種公知の方法が適
用可能であり、また、ジョークラッシャー、ブラウンミ
ル等の粉砕手段を適宜適用することができる。このう
ち、液体急冷法を用いた方法は、アモルファス化が十分
になされるため本発明において好ましいプロセスの一つ
である。
【0042】なお、本発明において、「緻密化」とは加
圧や焼結などにより原料粉末の密度を向上させることを
いい、「凝集」とは所定の元素について原料粉末におけ
る濃度分布と比較して、緻密化された交換スプリング磁
石の濃度分布が偏在化して上昇している状態をいう。
【0043】緻密化の方法としては、アモルファスに近
い状態を持つ原料粉末を型に充填しこれを圧縮下で加熱
することができる。このとき原料粉末の間にホウ素原子
と酸素原子を凝集させることによりハード相とソフト相
とが小さな結晶粒として混在し、磁石特性が損われてい
ない、原料粉末の理論密度付近の密度を有するバルク状
態の交換スプリング磁石を製造することができる。すな
わち、本発明においてはホウ素原子および酸素原子が粉
末粒子間に凝縮する磁石構造を持つことにより、粉末粒
子間に存在するホウ素原子および酸素原子が粒子間の緻
密化を促進し、加えて、粉末粒子間の粒成長を抑制する
効果がある。このため、従来の焼結条件に対して低温又
は短時間で焼結が可能となり、従来の焼結において問題
となっていた結晶粒の粗大化を抑制することができる。
その結果、粉末の理論密度に近いバルク交換スプリング
磁石において良好な磁石特性を実現することが可能とな
った。
【0044】特に、原料粒子間にホウ素原子のみならず
酸素原子を同時に含有させたバルク構造を取ることによ
って、ホウ素原子のみの場合に比べて粒子の結晶成長を
抑制する効果が飛躍的に向上する。これはB−O化合物
の熱的安定性に起因するものと考えられる。また、本発
明の構造を有するバルク磁石の機械的強度が向上する効
果も認められている。
【0045】緻密化された原料粉末の粒子間への酸素原
子の供給源としては、原料粉末にすでに含有されている
酸素、酸素濃度の高い雰囲気下での粉末のハンドリン
グ、緻密化工程における雰囲気からの供給、などが考え
られるが、これらに限定されるものではない。しかしな
がら、一般的に希土類含有磁石材料は酸化による磁石特
性の劣化が生じるため、必要以上の酸素原子の導入は好
ましくない。なお、ホウ素原子は、原料粉末中に予め含
有させることができる。
【0046】ハード相は、上述したように高保磁力の材
料からなる永久磁石の相であり各種公知の材料を用いる
ことが可能であり、具体例としてはイットリウムを含む
希土類元素(ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオ
ジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テル
ビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツ
リウム、イッテルビウム、ルテチウム)、鉄および/ま
たはコバルト、並びにホウ素を含有する系などが挙げら
れる。
【0047】ソフト相は、上述したように高磁束密度の
材料からなる軟磁性の相であり各種公知の材料を用いる
ことが可能であり、具体例としては鉄および/またはコ
バルトを含む系が挙げられ、より具体的には、α−Fe
相、α−Fe相の一部がコバルト、ホウ素、イットリウ
ムを含む希土類元素などで置換されたもの(Fe−B化
合物、Fe−Co化合物、など)が挙げられる。
【0048】原理的にはハード相とソフト相との組み合
わせは任意に選択可能であるが、高い磁気特性を得るた
めにはハード相、ソフト相ともに高い飽和磁化を有する
ものの組み合わせが望ましい。なお、交換スプリング磁
石中には、ハード相およびソフト相以外の結晶相とし
て、Fe3Zr相などが含まれることがある。
【0049】磁石材料の組成としては、ハード相とソフ
ト相とを同時に有し、また、原料粉末間にホウ素原子お
よび酸素原子が凝集する構造を実現する組成であれば制
約はないが、Ndが4〜11原子%、Bが3〜8原子
%、残部が遷移金属で構成される場合(具体的には、磁
石材料組成式がNdxFe100-x-yyであって、x=4
〜11、y=3〜8である場合)に、ハード相とソフト
相の割合のバランスにより磁石の保磁力と磁束密度が高
いレベルで実現されるため高性能の磁石が得られるため
好ましく、Ndが7.5〜10.5原子%、Bが5.5
〜7.5原子%である場合(具体的には、磁石材料組成
式がNdxFe100-x-yyであって、x=7.5〜1
0.5、y=5.5〜7.5である場合)がより好まし
い。なお、Ndについては一部をPrおよび/またはD
yで置換してもよく、遷移金属はFeを主成分とするが
一部をCoで置換したものであってもよい。また、ホウ
素原子および酸素原子の凝集を助長し磁石特性を向上さ
せるため、遷移金属の一部として少量の元素を添加する
ことが好ましい。最適な添加元素及び添加量としては、
V、Nb、Cr、Cu、Zn、およびTiからなる群よ
り選択される1種類以上の元素を0.4〜5.0原子%
程度添加することが好ましい。なお、磁石材料中の元素
濃度の分析は、誘導結合プラズマ発光分析法により行う
ことができる。
【0050】本発明のバルク交換スプリング磁石は、バ
ルク交換スプリング磁石の粒子内にもホウ素原子および
酸素原子を含有しており、粒子内のホウ素原子濃度およ
び酸素原子濃度と、粒子間の凝集部におけるホウ素原子
濃度および酸素原子濃度との差が、磁石特性に大きく影
響を与える。実験検討の結果、緻密化された原料粉末の
粒子内部におけるホウ素原子の濃度に対する緻密化され
た原料粉末の粒子間のホウ素原子の濃度の比(粒子間濃
度/粒子内部濃度)が1.2以上で、前記緻密化された
原料粉末の粒子内部における酸素原子の濃度に対する前
記緻密化された原料粉末の粒子間の酸素原子の濃度の比
(粒子間濃度/粒子内部濃度)が1.2以上であること
が好ましいことが明らかになった。この範囲とすること
で粒子間化合物の熱安定性が維持され、バルク体の緻密
化が向上する。さらに粒子間の結晶成長抑制効果が向上
する。
【0051】なお、緻密化された原料粉末の粒子間にホ
ウ素原子および酸素原子が凝集した部位の厚さが磁石特
性にとって重要であり、65nm以上であることが好ま
しい。この範囲とすることで緻密化が促進されて焼結後
の磁石の密度が向上し、従って、高性能な磁石材料が得
られる。
【0052】原料粉末の粒径は、緻密化が容易となる粒
度分布を持つことが望ましい。そのため粒径が20μm
〜500μmの粉末を使用することが好ましい。この範
囲とすることで原料粉末の表面積増大を抑制して酸化の
影響を低減させ磁石特性を向上させることができ、また
原料充填率を向上させて高密度のバルク磁石を実現でき
る。さらなる緻密化促進のためには、粒径が80〜20
0μmの粉末を使用することが好ましい。なお、本発明
において粉末の粒径とは、光学顕微鏡を用いて写真撮影
を実施し、その写真内に観察される粒子の最も長い部分
の径を測定して平均した値をいう。
【0053】本願第2の発明は、原料粉末を圧力300
〜1200MPaで圧縮する段階と、前記圧力で加圧し
た状態で、25℃から昇温速度5〜40℃/minで5
50〜800℃の保持温度まで温度上昇させる段階と、
前記保持温度で0.01〜10min保持し、前記原料
粉末を焼結させる段階とを含む、請求項1〜7のいずれ
か1項に記載のバルク交換スプリング磁石の製造方法で
ある。
【0054】原料粉末を圧縮する段階の温度は特に限ら
れるものではないが、作業の容易さ、コストの観点から
作業環境の温度下で圧縮することが好ましい。また、作
業環境としては、原料粉末が酸化により劣化することを
防ぐため、湿度などの環境に配慮することが好ましい。
【0055】本発明に係るバルク化された交換スプリン
グ磁石の緻密化プロセスとしては、型に充填された粉末
を圧縮下で加熱することが有効である。これを実現する
ためには、ホットプレスや放電プラズマ焼結などの適用
が可能である。特に、放電プラズマ焼結は昇温速度の制
御が容易であり、正確な温度プロファイルを実現しやす
いので好ましい。また、型材に関しての制限はなく所望
の型材を適宜使用できる。圧縮下での加熱処理の際のプ
ロセス条件としては、緻密化を促進して磁石性能を向上
させ、原料粉末の理論密度の95%程度以上を容易に得
るために、圧縮圧力は300MPa以上が好ましい。圧
縮力の増加により緻密化は促進されるが、生産性を考慮
すると圧縮圧力は1200MPa以下であることが適当
である。
【0056】また、昇温速度は5〜40℃/minが適
当である。この範囲とすることで原料粉末間のホウ素原
子及び酸素原子の凝集部を増加させることが可能であ
り、その結果、緻密化が向上する。また、試料内の温度
分布をほぼ均一なものとすることができ、均一なバルク
体が得られる。
【0057】さらに、保持温度及び保持時間を適切な範
囲とすることで良好な磁気特性を得ることができる。こ
れらの条件は詳細な検討の結果、保持温度は550〜8
00℃、保持時間は0.01〜10分が適切である。こ
の範囲とすることでハード相とソフト相の結晶粒成長が
抑制されて磁石特性の向上がもたらされ、焼結体の密度
も向上する。
【0058】なお、圧縮圧力は500〜1200MP
a、昇温速度は10〜25℃/min、保持温度は65
0〜700℃、保持時間は3分以下であることがそれぞ
れ好ましく、磁石特性をさらに向上させることができ
る。
【0059】原料粉末を作製する方法として液体急冷法
を用いる場合は、急冷の際のロール周速度の影響が大き
い。このとき、アモルファス含有量の確保、および生産
性を考慮するとロール周速度10〜60m/secで作
製した急冷薄帯であることが好ましい。さらにはアモル
ファス中に微細な結晶質が混在すると磁石特性の向上が
顕著であり、この効果を得るためにロール周速度は15
〜35m/secであることがより好ましい。
【0060】その中で、原料粉末を焼結する段階の圧力
は1×10-4〜9.5Paであることが好ましく、2×
10-4〜3Paであることがより好ましい。この範囲で
加圧することによって、磁石特性を劣化させずに緻密化
が可能である。すなわち、必要量の酸素が供給されてバ
ルク体の緻密化及び粒子間の結晶成長抑制効果が向上
し、また原料粉末粒子間のみに酸素原子が供給されるこ
とで磁石粉末内部にまで酸素原子が拡散しするのを抑
え、磁石粉末自体の酸化を抑制して磁石特性が向上す
る。
【0061】以上のような種々の適切な条件が存在する
ものの、原料粉末の粒子間に存在するホウ素原子及び酸
素原子の凝集部の存在により、従来の焼結プロセスに比
べて低温かつ短時間のプロセスによって、交換スプリン
グ磁石の磁気特性を損なうことなく、原料粉末の理論密
度近くまで密度を向上させることが可能となった。
【0062】本願第3の発明は、前記記載のバルク交換
スプリング磁石を用いてなるモータ、磁界センサ、回転
センサ、加速度センサ、またはトルクセンサである。本
発明に係るバルク交換スプリング磁石は、従来のボンド
磁石とした交換スプリング磁石では得られなかった高性
能な磁石が実現できるため、この磁石をモータ、磁界セ
ンサ、回転センサ、加速度センサ、トルクセンサ等に応
用した場合、製品の小型軽量化を促進することができ、
例えば、自動車用部品に適用した場合には飛躍的な燃費
の向上が可能となる。
【0063】本発明に係る交換スプリング磁石の厚さは
特に制限されるものではなく、用途に応じて適宜調節す
ることが好ましい。また、交換スプリング磁石の形状
も、用途に応じて適宜調節することが好ましく、特に制
限されるものではない。
【0064】一方、希土類磁石は酸化されやすいので、
交換スプリング磁石の表面には保護膜を設けることもで
きる。保護膜の構成は特に限定されるものではなく、磁
石特性に応じて好適な組成を選択し、充分な保護効果が
得られるように厚さを決定すればよい。保護膜の具体例
としては、金属膜、無機化合物膜、有機化合物膜が挙げ
られる。金属膜としては、Ti、Ta、Ca、Mo、N
i等が挙げられ、無機化合物膜としては、TiN、Fe
N、CrN等の遷移金属窒化物膜や、NiO、FeO等
の遷移金属酸化膜が挙げられ、有機化合物膜としては、
エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、ポリエ
ステル等からなる樹脂膜が挙げられる。保護膜の厚さ
は、保護膜を金属膜または無機化合物膜から構成する場
合は、0.01〜10μm程度とすることが好ましく、
保護膜を有機化合物から構成する場合は、3〜10μm
程度であることが好ましい。
【0065】交換スプリング磁石の加工には、各種公知
技術を適宜適用できる。すなわち、研削(外面研削、内
面研削、平面研削、成型研削)、切断(外周切断、内周
切断)、ラッピング、面取りなどの加工を実施できる。
加工用具としては、ダイヤモンド、GC砥石、外内周切
断機、外内周研削機、平面研削機、NC旋盤、フライス
盤、マシニングセンターなどが用いることができる。
【0066】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0067】<実施例1>図1は、NdxFe100-x-y
y組成において、以下の製造条件で得られたバルク磁石
のx及びyの変化に対する磁石特性(最大エネルギー
積)の相対値を示している。 ・組成:NdxFe100-x-yy ・原料粉末作製条件:液体急冷法、ロール周速度=20
m/sec ・原料粉末粒径:100μm ・焼結条件:加圧力=800MPa、昇温速度20℃/
min、保持温度675℃、保持時間5min、焼成時
雰囲気圧力=2.6×10-4Pa 図1から明らかなように、x=4〜11、y=3〜8に
おいて磁石の最大エネルギー積が向上し、x=7.5〜
10.5、y=5.5〜7.5であるときに効果が顕著
なことが分かる。また、一部をPr又はDyで置換した
もの、Feの一部をCoで置換したもの、FeまたはC
oの一部として少量の元素を添加(V、Nb、Cr、C
u、Zn、およびTiからなる群より選択される1種類
以上の元素が0.4〜5.0原子%程度)したものにお
いても、同様の組成範囲で磁石特性の向上を確認した。
【0068】<実施例2>図2は、NdxFe100-x-y
y、x=4〜11、y=3〜8組成のバルク磁石に関し
て、種々の作製条件で得られたバルク磁石の原料粒子間
のB濃度とO濃度を原料粉末内部と比較して、磁気特性
との関係を示しものである。図から明らかなようにB原
子とO原子の濃度比がいずれも1.2以上の場合におい
て磁石特性(最大エネルギー積)の向上が認められた。
【0069】<実施例3>図3は、NdxFe100-x-y
y、x=4〜11、y=3〜8組成のバルク磁石に関し
て、種々の作製条件で得られたバルク磁石の原料粒子間
のB原子及びO原子が凝集した部位の厚さと磁気特性と
の関係を示しものである。図から明らかなようにBとO
原子の凝集部の厚さが65nm以上において磁石特性
(最大エネルギー積)が向上していた。
【0070】<実施例4>図4は、Nd9Dy1Fe77
5Nb26組成のバルク磁石に関して、原料粉末粒径
と磁石特性(最大エネルギー積)の関係を示したもので
ある。バルク磁石の作製条件は下記である。 ・組成:Nd9Dy1Fe77Co5Nb26 ・原料粉末作製条件:液体急冷法、ロール周速度=30
m/sec ・焼結条件:加圧力=1000MPa、昇温速度24℃
/min、保持温度650℃、保持時間3min、雰囲
気圧力=2.6×10-4Pa 図4から分かるように、原料粉末粒径20〜500μm
において磁石特性が向上し、80〜200μmであると
き、より磁石特性が向上した。
【0071】<実施例5>図5は、Nd7Dy1Fe74
5Cr58組成のバルク磁石に関して、焼結時の加圧
力と磁石特性(最大エネルギー積)の関係を示したもの
である。バルク磁石の作製条件は下記である。 ・組成:Nd7Dy1Fe74Co5Cr58 ・原料粉末作製条件:液体急冷法、ロール周速度=15
m/sec ・焼結条件:昇温速度30℃/min、保持温度675
℃、保持時間5min、雰囲気圧力=2.6×10-4
a 図5から分かるように、加圧力300〜1200MPa
において磁石特性が向上し、500〜1200MPaで
あるとき、より磁石特性が向上した。
【0072】<実施例6>図6は、Nd4Tb1Fe81
7Cu34組成のバルク磁石に関して、焼結時の昇温
速度と磁石特性(最大エネルギー積)の関係を示したも
のである。バルク磁石の作製条件は下記である。 ・組成:Nd4Tb1Fe81Co7Cu34 ・原料粉末作製条件:液体急冷法、ロール周速度=50
m/sec ・焼結条件:加圧力=500MPa、保持温度640
℃、保持時間8min、雰囲気圧力=2.6×10-4
a 図から分かるように、昇温速度が5〜40℃/minに
おいて磁石特性が向上し、10〜25℃/minである
とき、より磁石特性が向上した。
【0073】<実施例7>図7は、Nd10Fe75Co8
16組成のバルク磁石に関して、焼結時の保持温度と
磁石特性(最大エネルギー積)の関係を示したものであ
る。バルク磁石の作製条件は下記である。 ・組成:Nd10Fe75Co816 ・原料粉末作製条件:液体急冷法、ロール周速度=15
m/sec ・焼結条件:加圧力=1000MPa、昇温速度が22
℃/min、保持時間0min、雰囲気圧力=2.6×
10-4Pa 図7から分かるように、保持温度が550〜800℃に
おいて磁石特性が向上し、650〜700℃であると
き、より向上した。
【0074】<実施例8>図8は、Nd8Dy1Fe75
427組成のバルク磁石に関して、焼結時の保持温
度と磁石特性(最大エネルギー積)の関係を示したもの
である。バルク磁石の作製条件は下記である。 ・組成:Nd8Dy1Fe75Co427 ・原料粉末作製条件:液体急冷法、ロール周速度=20
m/sec ・焼結条件:加圧力=300MPa、昇温速度が10℃
/min、保持温度が700℃、雰囲気圧力=2.6×
10-4Pa 図8から分かるように、保持時間は0〜10minにお
いて磁石特性が向上し、0〜3minであるとき、より
向上した。
【0075】<実施例9>図9は、Nd8Tb2Fe75
5Nb28組成のバルク磁石に関して、焼結時の保持
温度と磁石特性(最大エネルギー積)の関係を示したも
のである。バルク磁石の作製条件は下記である。 ・組成:Nd8Tb2Fe75Co5Nb28 ・原料粉末作製条件:液体急冷法 ・焼結条件:加圧力=1000MPa、昇温速度が25
℃/min、保持時間2min、保持温度が680℃、
雰囲気圧力=2.6×10-4Pa 図9から分かるように、ロール周速度は10〜60m/
secにおいて磁石特性が向上し、15〜35m/se
cであるとき、より向上した。
【0076】<実施例10>図10は、Nd10Fe75
816組成のバルク磁石に関して、焼結時の保持温
度と磁石特性(最大エネルギー積)の関係を示したもの
である。バルク磁石の作製条件は下記である。 ・組成:Nd8Tb2Fe75Co5Nb28 ・原料粉末作製条件:液体急冷法、ロール周速度=20
m/sec ・焼結条件:加圧力=1000MPa、昇温速度が20
℃/min、保持時間0min、保持温度が650℃ 図10から分かるように、焼結時の雰囲気圧力は1×1
-4〜9.5Paにおいて磁石特性が向上し、2×10
-4〜3Paであるとき、より向上した。
【0077】<実施例11>図11は、バルク磁石を電
気自動車又はハイブリッド電気自動車の駆動用モータに
応用した例である。従来のボンド磁石を用いたモータと
の比較実験を行ったところ、最大トルクが1.4倍に増
加した。
【図面の簡単な説明】
【図1】 NdxFe100-x-yy組成において、以下の
製造条件で得られたバルク磁石のx及びyの変化に対す
る磁石性能の相対値を示す図である。
【図2】 NdxFe100-x-yy、x=4〜11、y=
3〜8組成のバルク磁石に関して、バルク磁石の原料粒
子間のB濃度とO濃度を原料粉末内部と比較して磁気特
性との関係を示す図である。
【図3】 NdxFe100-x-yy、x=4〜11、y=
3〜8組成のバルク磁石に関して、バルク磁石の原料粒
子間の高B及びO濃度部の厚さと磁気特性との関係を示
す図である。
【図4】 Nd9Dy1Fe77Co5Nb26組成のバル
ク磁石に関して、原料粉末粒径と磁石特性の関係を示す
図である。
【図5】 Nd7Dy1Fe74Co5Cr58組成のバル
ク磁石に関して、焼結時の加圧力と磁石特性の関係を示
す図である。
【図6】 Nd4Tb1Fe81Co7Cu34組成のバル
ク磁石に関して、焼結時の昇温速度と磁石特性の関係を
示す図である。
【図7】 Nd10Fe75Co816組成のバルク磁石
に関して、焼結時の保持温度と磁石特性の関係を示す図
である。
【図8】 Nd8Dy1Fe75Co427組成のバルク
磁石に関して、焼結時の保持温度と磁石特性の関係を示
す図である。
【図9】 Nd8Tb2Fe75Co5Nb28組成のバル
ク磁石に関して、焼結時の保持温度と磁石特性の関係を
示す図である。
【図10】 Nd10Fe75Co816組成のバルク磁
石に関して、焼結時の保持温度と磁石特性の関係を示す
図である。
【図11】 バルク磁石を電気自動車又はハイブリッド
電気自動車の駆動用モータに応用した例を示す図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 38/00 303 C22C 38/00 303D G01L 3/10 G01L 3/10 Z G01P 3/44 G01P 3/44 Z 15/105 G01R 33/038 G01R 33/038 H01F 41/02 G H01F 1/053 G01P 15/08 C 41/02 H01F 1/04 H (72)発明者 島田 宗勝 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 杉山 龍男 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 2G017 AA01 AD21 4K017 AA04 BA06 BB12 BB13 ED01 4K018 AA27 BA18 BB04 DA22 KA45 5E040 AA04 AA19 BD01 CA01 HB03 HB05 NN01 NN06 NN17 NN18 5E062 CD04 CE04 CG01

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料粉末を緻密化してなり、前記緻密化
    された原料粉末の粒子間にホウ素原子および酸素原子が
    凝集した構造を有する、永久磁石相および軟磁性相とを
    含んでなるバルク交換スプリング磁石。
  2. 【請求項2】 磁石材料組成式がNdxFe100-x-yy
    であって、x=4〜11、y=3〜8であることを特徴
    とする請求項1記載のバルク交換スプリング磁石。
  3. 【請求項3】 磁石材料組成式がNdxFe100-x-yy
    であって、x=7.5〜10.5、y=5.5〜7.5
    であることを特徴とする請求項1記載のバルク交換スプ
    リング磁石。
  4. 【請求項4】 前記緻密化された原料粉末の粒子内部に
    おけるホウ素原子の濃度に対する前記緻密化された原料
    粉末の粒子間のホウ素原子の濃度の比(粒子間濃度/粒
    子内部濃度)が1.2以上で、 前記緻密化された原料粉末の粒子内部における酸素原子
    の濃度に対する前記緻密化された原料粉末の粒子間の酸
    素原子の濃度の比(粒子間濃度/粒子内部濃度)が1.
    2以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    1項に記載のバルク交換スプリング磁石。
  5. 【請求項5】 前記緻密化された原料粉末の粒子間にホ
    ウ素原子および酸素原子が凝集した部位の厚さが65n
    m以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    1項に記載のバルク交換スプリング磁石。
  6. 【請求項6】 前記原料粉末の粒径が20〜500μm
    であることを特徴とする請求項1〜5記載のいずれか1
    項に記載のバルク交換スプリング磁石。
  7. 【請求項7】 前記原料粉末の粒径が80〜200μm
    であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に
    記載のバルク交換スプリング磁石。
  8. 【請求項8】 原料粉末を圧力300〜1200MPa
    で圧縮する段階と、前記圧力で加圧した状態で、25℃
    から昇温速度5〜40℃/minで550〜800℃の
    保持温度まで温度上昇させる段階と、前記保持温度で
    0.01〜10min保持し、前記原料粉末を緻密化さ
    せる段階とを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載
    のバルク交換スプリング磁石の製造方法。
  9. 【請求項9】 原料粉末を圧力500〜1200MPa
    で圧縮する段階と、前記圧力を加圧した状態で、25℃
    から昇温速度10〜25℃/minで650〜700℃
    の保持温度まで温度上昇させる段階と、 前記保持温度で0.01〜3min保持し、前記原料粉
    末を焼結する段階とを含む、請求項1〜7のいずれか1
    項に記載のバルク交換スプリング磁石の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記原料粉末は、ロール周速度10〜
    60m/secで作製した急冷薄帯であることを特徴と
    する請求項8または9に記載のバルク交換スプリング磁
    石の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記原料粉末は、ロール周速度15〜
    35m/secで作製した急冷薄帯であることを特徴と
    する請求項8または9に記載のバルク交換スプリング磁
    石の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記原料粉末を焼結する段階の圧力
    は、1×10-4〜9.5Paであることを特徴とする請
    求項8〜11のいずれか1項に記載のバルク交換スプリ
    ング磁石の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記原料粉末を焼結する段階の圧力
    は、2×10-4〜3Paであることを特徴とする請求項
    8〜11のいずれか1項に記載のバルク交換スプリング
    磁石の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の
    バルク交換スプリング磁石を用いてなるモータ、磁界セ
    ンサ、回転センサ、加速度センサ、またはトルクセン
    サ。
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