JP2002099173A - 定着装置 - Google Patents

定着装置

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JP2002099173A
JP2002099173A JP2000286204A JP2000286204A JP2002099173A JP 2002099173 A JP2002099173 A JP 2002099173A JP 2000286204 A JP2000286204 A JP 2000286204A JP 2000286204 A JP2000286204 A JP 2000286204A JP 2002099173 A JP2002099173 A JP 2002099173A
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endless belt
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roll
heating roll
fixing
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JP2000286204A
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English (en)
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Sadao Okano
貞夫 岡野
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 定着対象の記録シートPを無端ベルト30に
当接させた状態で冷却構造体50により冷却してから剥
離する方式の定着装置において、長期使用に対しても無
端ベルト30の磨耗劣化が少なく冷却構造体50による
無端ベルト及び定着対象の記録シートP等に対する安定
した冷却がなされ、良好な定着を行うことができるよう
にする。 【解決手段】 無端ベルト30の内周面に熱溶解性離型
剤(例えばワックス)61を供給する離型剤供給装置6
0を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式を用
いたプリンタ、複写機等の画像形成装置において形成さ
れるトナー像を記録シートに定着する定着装置に係り、
特に、定着対象の記録シートを加熱加圧した後に無端ベ
ルトに当接させた状態で冷却手段により冷却してから剥
離する方式の定着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真法を用いた画像形成装置
に使用される定着装置として、加熱ロールとこのロール
に間隔を空けて配設される剥離用ロールとに少なくとも
張架されて回転走行する無端ベルトと、この無端ベルト
を加熱ロールに圧接する加圧ロールと、無端ベルトの加
熱ロールから剥離ロールにむかうベルト内周面に接して
冷却する冷却構造体とを備え、その無端ベルトを加熱ロ
ール、冷却構造体、剥離用ロールの順番で通過する方向
に回転走行させるとともに、トナー像を担持する記録シ
ートを、加熱ロールに架かる無端ベルトと加圧ロールと
の間の圧接域(ニップ部)に導入し、かかる無端ベルト
に当接させた状態で冷却構造体が接触する部分を通過さ
せて剥離用ロールに架かる部分まで搬送して剥離させる
ことにより、トナー像を記録シートに定着させる方式の
定着装置が提案されている(例えば、特開平4−216
580号公報、特開平5−72926号公報など)。
【0003】このうち特開平4−216580号公報に
記載の定着装置は、冷却構造体として無端ベルトの内周
面に接離可能に配設した空冷式の冷却ロールを適用した
ものであり(その図3、図5などを参照)、また、特開
平5−72926号公報に記載の定着装置は、冷却構造
体として無端ベルトの内周面との接触面に多数の空気流
通孔が開設された空冷ボックスを適用したものである
(その図2、図3などを参照)。そして、このような定
着装置はいずれも、トナー像を担持した記録シートを加
熱加圧した後に無端ベルトに当接した状態で冷却ロール
又は空冷ボックスの冷却作用により冷却してから無端ベ
ルトから剥離することにより定着を行うようになってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
定着対象の記録シートを加熱加圧後に無端ベルトに当接
させた状態で冷却をして剥離する方式の定着装置にあっ
ては、冷却構造体として前記した空冷ボックスのように
固定配設して無端ベルトの内周面に摺擦させて冷却を行
う形態のものを適用する場合、次のような課題がある。
【0005】すなわち、まず、かかる形態の冷却構造体
が少なくとも定着動作時において無端ベルトの内周面に
常に摺擦されているため、長期使用により無端ベルトが
磨耗劣化してしまうという課題である。また、無端ベル
トは冷却構造体によって定着対象の記録シート等が素早
くかつ効率よく冷却されるようにするため、そのベルト
厚を薄くして熱容量を下げる必要があるが、かかる薄い
無端ベルトは上記したような冷却構造体の摺擦によって
磨耗劣化しやすくなる傾向にあるため、無端ベルト自体
の寿命が非常に短くなってしまうという課題である。
【0006】本発明は、このような課題に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、上述したよう
に定着対象の記録シートを加熱加圧後に無端ベルトに当
接させた状態でそのベルト内周面に接触する冷却構造体
により冷却をして剥離する方式の定着装置として、長期
使用に対しても無端ベルトの磨耗劣化が少なく冷却構造
体による無端ベルト及び定着対象の記録シート等に対す
る安定した冷却がなされ、良好な定着を行うことができ
る定着装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成し得る本
発明の定着装置は、加熱ロールと、この加熱ロールと間
隔をあけて配設される剥離用部材と、この剥離用部材と
前記加熱ロールとに少なくとも張架されて回転走行する
無端ベルトと、この無端ベルトを前記加熱ロールに圧接
させる加圧ロールと、前記無端ベルトの内周面側に配設
され、その無端ベルトのうち前記加熱ロールから前記剥
離用部材に至る側のベルト内周面部分を接触しながら冷
却する冷却構造体とを備え、前記無端ベルトを前記加熱
ロール、前記冷却構造体、前記剥離用部材の順番で通過
する方向に回転走行させるとともに、トナー像を担持す
る記録シートを、前記加熱ロールに架かる前記無端ベル
トと前記加圧ロールとの間の圧接域に導入し、その無端
ベルトに当接させた状態で前記冷却構造体が接触する部
分を通過させて前記剥離用部材に架かる部分まで搬送し
て剥離させることにより前記トナー像を記録シートに定
着させる定着装置において、前記無端ベルトの内周面に
熱溶解性離型剤を供給する離型剤供給装置を具有するこ
とを特徴とするものである。
【0008】ここで、上記剥離用部材は、通常ロール等
の回転体のものであるが、無端ベルトを張架支持して円
滑に回転走行させることが可能であれば固定配設するパ
ッド状物等の固定部材であっても構わない。
【0009】また、上記冷却構造体は、定着時に加熱さ
れる定着ベルトを押圧しながら冷却する(実際には定着
対象の記録シートを無端ベルトが介在した状態で冷却す
る)ことができるものであれば如何なる構成のものであ
っても適用可能であるが、例えば、その全体の形態につ
いて大別すれば、回転するように配設されるロール形態
又はベルト形態のものや、固定配設される形態のものが
挙げられる。その冷却方式は、空冷式をはじめ、冷却媒
体を利用した方式(水、冷媒などを循環させる方式)な
どが適用可能である。好ましい冷却構造体としては、無
端ベルトの内周面との広い接触面積が確保でき冷却効率
が良くなり、しかも簡易な構成であるという観点から、
例えば無端ベルトに放熱部材を押圧接触させるとともに
その放熱部材を空冷する構成のものである。また、冷却
構造体の無端ベルトを押圧しながら冷却する押圧冷却面
については、無端ベルトとの密着性を確保する観点か
ら、まず平滑な面であることが望ましく、さらにはベル
ト回転方向に対して曲率をもつ曲面であることがより望
ましい。さらに、上記押圧冷却面の無端ベルトに対する
押圧量は、その接触押圧により無端ベルトが曲げられた
状態で回転走行する部位において搬送途中の記録シート
がそのベルトから剥がれることのない適度なレベルとす
ることを基準にして設定するとよい。
【0010】そして、上記離型剤供給装置において供給
する熱溶解性離型剤は、熱により溶解して離型性を発揮
する材料である。その溶解するための熱は、少なくとも
定着動作時に溶解して離型剤として機能することができ
る程度の熱であればよい。この定着装置の場合には無端
ベルトが加熱ロールに張架されている関係上、その加熱
ロールから得られる熱を利用することが望ましい。
【0011】このような熱溶解性離型剤としては、例え
ば、下記するような高温(70℃以上)軟化性のワック
スが好適である。すなわち、ポリエチレン、ポリプロピ
レン等の合成ワックス類や、カルナウバワックス、キャ
ンデリラワックス、ライスワックス、もく蝋等の植物性
ワックス類や、蜜蝋、ラノリン、鯨蝋等の動物性ワック
ス類や、硬化ヒマシ油、ヒドロキシステアリン酸、脂肪
酸アミド、フェノール脂肪酸エステル等の油脂系ワック
ス類等である。熱溶解性離型剤は、粉体として使用する
ことも可能であるが、飛散等がなく取り扱いが簡単な固
形体として使用することが望ましい。固形体として使用
する場合、その形態については特に制約されず、例えば
板状等の固定設置に適した形態や、ロール状等の回転設
置に適した形態等が挙げられる。
【0012】また、離型剤供給装置は、熱溶解性離型剤
を固形体として使用する場合、その熱溶解性離型剤の固
形体を無端ベルトの内周面に接触させた状態で熱溶解性
離型剤を直接供給するように構成してもよいが、その接
触による無端ベルトへの不要な負荷をかけることを回避
する観点からは、その熱溶解性離型剤の固形体を無端ベ
ルトが架けられている加熱ロールの表面に接触させた状
態等で付与した後、かかる加熱ロール等の表面から無端
ベルトの内周面に転移させるようにして熱溶解性離型剤
を間接的に供給するように構成することが好ましい。さ
らに、この離型剤供給装置は、熱溶解性離型剤を固形体
として無端ベルトの内周面や加熱ロール等の表面に接触
させた状態で供給する場合、その離型剤の余分な消費を
避けたり、あるいはその供給量の調整を行うことができ
るという観点から、その離型剤の固形体を無端ベルトの
内周面や加熱ロール等の表面に対して離接可能に配設す
るように構成することが好ましい。
【0013】このような定着装置によれば、特に離型剤
供給装置により無端ベルトの内周面に熱溶解性離型剤が
供給されるため、その無端ベルトの内周面とその内周面
に接触する冷却構造体との間で発生する摩擦や磨耗が軽
減される。
【0014】このような本発明の定着装置は、電子写真
方式を用いた多色又は単色の画像形成装置の定着装置と
して使用することができるほか、定着装置を装備する多
色又は単色の画像形成装置に連結して使用するようにし
てもよい。特に後者の場合にあっては、例えば、画像形
成装置側の定着装置で1回目の定着を行った後にその画
像形成装置に連結する本発明の定着装置で2回目の定着
を行うようにしたり、あるいは、画像形成装置側の定着
装置による定着を行わず、本発明の定着装置による定着
のみを行うようにすることが可能である。
【0015】
【発明の実施の形態】[実施の形態1]図1〜図3は、
本発明の実施の形態1に係る定着装置の要部を示すもの
で、図1はその定着装置の概要図、図2は図1のII−II
線で示す方向から見たときの定着装置内の冷却構造体を
示す概略断面図、図3は定着装置内の離型剤供給装置を
示す概要図である。
【0016】この実施の形態1に係る定着装置は、加熱
ロール10と、剥離用ロール20と、無端ベルト30
と、加圧ロール40と、冷却構造体50と、離型剤供給
装置60とでその主要部が構成されている。図中におい
て符号Pは記録シート、Tはトナー像を示す。
【0017】上記加熱ロール10は、アルミニウム、ス
テンレス等からなる円筒状のロール芯材11上に被覆層
12を形成したロール本体と、そのロール芯材11の内
部空間に配設される加熱用ハロゲンランプ13とで構成
されている。被覆層12は、例えば、シリコンゴム等か
らなる厚さが0.5〜5mm程度の弾性体層と、その弾
性体層の表面に形成されるフッ素系樹脂(PFA等)等
からなる厚さが10〜200μm程度の表面層などで形
成されている。この加熱ロール10は、図示されていな
い支持フレームに回転自在に支持されているとともに、
公知の回転駆動手段により所定の方向(A)に回転駆動
されるようになっている。また、この加熱ロール10
は、加熱用ハロゲンランプ13により所定の定着加熱温
度(例えば120〜180℃)になるまで加熱され、し
かも、そのハロゲンランプ13の加熱動作が加熱ロール
表面の温度を測定する図示されていない温度検知センサ
による検知情報に基づきフィードバック制御されて所定
の定着加熱温度に保持されるようになっている。
【0018】上記剥離用ロール20は、無端ベルト30
を所定の曲率で曲げた状態で張架することによりそのベ
ルト30に当接した状態で搬送される定着対象の記録シ
ートPが剥がれることを促すためのロールであり、例え
ばステンレス、アルミニウム等の金属材料にて形成され
ている。この剥離用ロール20は、図示されていない支
持フレームに回転自在に支持されているとともに、バネ
等からなる公知の張力付与機構によって無端ベルト30
に張力を付与する方向に対し弾性的に付勢されるように
なっている。
【0019】上記無端ベルト30は、厚さが30〜20
0μm程度のベルト基材とその基材の外周面側に形成さ
れる厚さが10〜200μm程度の弾性離型層とで構成
されている。このうちベルト基材については、ポリイミ
ド、ポリアミド等の耐熱性樹脂やニッケル、アルミニウ
ム等の金属材料を用いて形成される。また、弾性離型層
については、耐熱性に優れたシリコーン系ゴム、フッ素
系ゴム等にて形成される。この無端ベルト30の外周面
(具体的には弾性離型層の表面)は、できる限り平滑面
(鏡面に近いもの)であることが望ましい。また、この
無端ベルト30は、加熱ロール10と剥離用ロール20
の間に張架され、加熱ロール10の回転駆動により図中
の矢印A方向に回転走行するようになっている。
【0020】加圧ロール40は、無端ベルト30を加熱
ロール10に圧接させるように配設されるものであり、
例えば前記した加熱ロール10のロール本体と同じ層構
造からなるものである。なお、この加圧ロール40に
は、必要に応じて加熱ロール10と同様に、加熱用ハロ
ゲンランプ13を配設して加熱機能を付加してもよい。
この加圧ロール40は、図示されていない支持フレーム
に回転自在に支持されているとともに、所定の圧力で圧
接方向に付勢されるように図示されていない公知の加圧
機構に支持されている。また、この加圧ロール40の圧
接により、当該ロール40と加熱ロール10に架かる無
端ベルト30との間には所定幅の圧接部Nが形成される
(図1、図3)。
【0021】冷却構造体50は、無端ベルト30の加熱
ロール10から剥離用ロール20に至るまでの側のベル
ト内周面部分をそのベルト外周面側にむかって押圧しな
がら冷却する放熱部材51と、この放熱部材51にエア
ーを供給して空冷する空冷機構52とで構成されてい
る。
【0022】このうち放熱部材51は、図1や図2に示
すように、複数枚の放熱フィン51aが無端ベルト30
の幅方向(その回転方向Aと直交する方向)に沿って平
行して並んだ状態で形成されたアルミニウム製等のヒー
トシンクからなるものであり、その底面が無端ベルト3
0の内周面を押圧する押圧冷却(吸熱)面51b(図3
b)として形成されているものである。この押圧冷却面
51bは、その断面形状がほぼ矩形状であり、その全面
が平滑な平面からなるものである。押圧冷却面51bに
ついては、無端ベルト30との密着性を高める観点から
すると、ベルト回転方向Aに沿って曲率をもつ曲面とす
ることが好ましい。一方、空冷機構52は、送風ファン
53と、吸気ファン54と、送風ファン53から放熱部
材51を通過して吸気ファン54に至るように連通する
通気ダクト55とで構成されている。この冷却構造体5
0においては、例えば定着対象の記録シートPを如何な
る所要条件(通過時間)で何度まで冷却する必要がある
かによって放熱部材51の放熱効率や空冷機構52の空
冷能率などが適宜設定される。また、この冷却構造体5
0による空冷動作(ファン53、54の稼動)は、加熱
ロール10が所定の定着温度に加熱された後において一
連の定着動作が実行される間行われるように設定されて
いる。
【0023】上記離型剤供給装置60は、図1や図3a
に示すように、熱溶解性離型剤としてのワックス61
(70〜150℃程度で熱溶解するもの)を加熱ロール
10の表面に接触させて付与(塗布)した後、その加熱
ロール10の表面から無端ベルト30の内周面に転移さ
せて供給する方式のものである。この実施の形態では、
ワックス61を加熱ロール10のロール幅と同じ長さの
板形状に成形した固形体とし、この固形体のワックス6
1を加熱ロール10の表面に対して進退可能に支持され
たホルダー62に保持させている。また、そのホルダー
62は、例えば偏心カム機構63により加熱ロール10
の表面に対して進退移動(矢印C,D方向に変位)する
ようになっており、これにより固形体のワックス61が
加熱ロール10の表面に接離する構成になっている。そ
して、この離型剤供給装置60は、定着動作開始信号を
受けると偏心カム機構63が作動してワックス61を加
熱ロール10の表面に接触させ、一連の定着動作が終了
した検知信号を受けると偏心カム機構63が再び作動し
てワックス61を加熱ロール10の表面から離間させる
ように設定されている。図3a中の符号64は、ホルダ
ー62を矢印D方向に弾性的に付勢するバネである。
【0024】また、この定着装置においては、電子写真
方式を利用したカラープリンタ等のカラー画像形成装置
で形成されたトナー像Tを担持する記録シートPが定着
対象物となる。このため、この定着装置では、かかるト
ナー像Tを担持する記録シートPを無端ベルト30と加
圧ロール40との間の前記圧接域Nに導入するように搬
送するための図示されていないベルト搬送装置等のシー
ト搬送手段が配設されている。また、この定着装置に
は、無端ベルト30が剥離用ロール20に到達する時点
で無端ベルト30から剥離される記録シートPを、定着
装置外にある収容トレイや他の後処理装置などに対して
排出する図示されていない排出ロール対等の排出手段が
配設されている。さらに、剥離用ロール20の記録シー
ト剥離排出側の近傍には、定着動作が終了したか否かを
検知するため、定着剥離後における記録シートPの通過
の有無を検知するシート検知センサが配設されている。
【0025】さらに、この定着装置の定着対象となる記
録シートPは、画像形成装置に適用可能である記録媒体
であれば特に制約されるものではないが、この定着装置
により光沢性に富む写真調の画像が得られるという観点
から、図5に例示するように基材100に熱可塑性樹脂
を主成分とする透明樹脂層120を積層形成したものが
使用される。基材100としては、画像形成用の普通
紙、コート紙や、印画紙等が挙げられる。透明樹脂層1
20を構成する熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹
脂、スチレン−アクリル酸エステル樹脂等が挙げられ
る。また、透明樹脂層120は、定着時の加熱加圧によ
り溶融してトナー像Tが埋め込まれる程度の層厚さから
なるものであることが好ましい。
【0026】次に、この定着装置の動作について図4や
図5を参照しながら説明する。
【0027】まず、定着動作開始信号が入力されると、
加熱ロール10が無端ベルト30を矢印A方向に回転走
行させるように回転駆動し始めるとともに、加熱用ハロ
ゲンランプ13が通電により発熱して加熱ロール10を
所定の定着温度まで加熱して保持するようになってい
る。この際、加圧ロール40は無端ベルト30を介して
加熱ロール10の回転に応じて従動回転し始める。ま
た、冷却構造体50の冷却機構52(各ファン53,5
4)は、加熱ロール10が所定の定着温度まで加熱され
た後であって定着動作が開始される前に作動し始める。
さらに、定着動作開始信号を受けると、離型剤供給装置
60においては偏心カム機構63が作動してワックス6
1が矢印C方向に変位させられて加熱ロール10の表面
に接触した状態となる。
【0028】これにより、定着ベルト30と加圧ロール
40との間の圧接域Nは所定の定着温度に加熱された状
態になり、また、無端ベルト30は冷却構造体50の放
熱部材51にて押圧されている部分を通過する際に放熱
作用により強制的に冷却された状態となる。さらに、離
型剤供給装置60のワックス61が加熱ロール10の加
熱温度により溶融されるため、その一部61aが加熱ロ
ール10の表面に塗布供給されるとともに、その加熱ロ
ール10の表面上のワックス61aが無端ベルト30の
内周面に順次転移することにより、無端ベルト30の内
周面にワックス61bが薄膜となって供給されることに
なる。
【0029】続いて、このような状態にある定着装置に
対して、図5aに示すように、画像形成装置側で画像情
報に応じて形成されたトナー像Tが転写された記録シー
トP(図5a)が、図示されていない用紙搬送装置によ
って定着ベルト30と加圧ロール40との間の圧接域N
に送り込まれる。これにより、記録シートPは、その圧
接域Nにおいてトナー像Tが加熱加圧されて溶融すると
ともに記録シートP(の透明樹脂層120)内に埋め込
まれるようになる(図5b)。そして、記録シートPは
圧接域Nを通過した後も無端ベルト30の外周面に当接
(密着)した状態でベルト30の回転にともなって矢印
A方向に搬送される。
【0030】次いで、無端ベルト30に当接した状態で
搬送される定着対象の記録シートPは、図4bに示すよ
うに、冷却構造体50の放熱部材51の押圧冷却面51
bにより押圧されるベルト部分(冷却領域)を無端ベル
ト30に当接した状態のままで通過するように搬送さ
れ、その通過の際に放熱部材51の放熱作用により冷却
される。すなわち、前記圧接域Nで加熱された記録シー
トP及びトナー像Tは、上記冷却領域を通過する間にそ
の保有する熱が無端ベルト30を介して放熱部材51に
伝達されて放熱される(図5c)。しかも、このときの
放熱は放熱部材51が空冷機構52により空冷されるた
め効率良く行われる。これにより、トナー像T及び記録
シートP(の透明樹脂層120)は、前記したトナー像
Tが記録シートP(の透明樹脂層120)内に埋め込ま
れるような状態でもって放熱作用により冷却されてほぼ
固まる。
【0031】この冷却領域を通過した記録シートPは、
図4cに示すように、無端ベルト30に当接した状態で
剥離用ロール20側まで搬送され、その剥離用ロール2
0に架かる無端ベルト30の曲率をもった回転状態と記
録シート自身の腰の強さ(剛性)とが相反することによ
り、剥離用ロール20に架かる無端ベルト部分から自然
に剥離される。これにより、定着が終了する。なお、こ
の無端ベルト30から剥離された記録シートPは、図示
されていない排出手段によって収容トレイ等に送られ
る。また、一連の定着が終了して最後の記録シートPが
シート検知センサで検知されると、離型剤供給装置60
においては偏心カム機構63が作動してワックス61が
矢印D方向に変位させられて加熱ロール10の表面から
離間した状態となる。
【0032】この定着装置による定着が正常になされる
と、特に冷却領域での冷却がムラなく一様に行われる結
果、図5dに示すように、トナー像Tが記録シートP
(の透明樹脂層120)内に一様に埋め込まれたような
状態で定着されるとともに、その定着後のシート表面
(透明樹脂層120の表面)が無端ベルト30の平滑な
表面にならって平滑性に優れた状態となるように定着さ
れる。すなわち、この定着後における記録シートP上の
画像は、表面凹凸による光の乱反射が少なく光沢性に富
み、写真画像に近似した高画質のものとして得られる。
【0033】そして、この定着装置においては、無端ベ
ルト30の内周面に離型剤供給装置60によってワック
ス61が塗布供給されるため、その回転走行する無端ベ
ルト30の内周面に接触する冷却構造体50があって
も、そのワックス61の存在により無端ベルト30の内
周面と冷却構造体50(厳密には放熱部材51の押圧冷
却面51b)との間で発生する摩擦や磨耗損傷が軽減さ
れる。このときのワックス61は、冷却構造体50によ
る冷却作用により少し固化(凝固)した状態となって、
離型作用が発現されているものと推測される。
【0034】これにより、冷却構造体50の摺擦による
無端ベルト30の磨耗劣化が大幅に低減され、その寿命
が長くなる。また、このように無端ベルト30の磨耗劣
化が少なくなるため、無端ベルト30の厚さを十分に薄
くしてその熱容量を小さくすることができる。この結
果、無端ベルト30の熱伝達効率が向上して放熱部材5
1による放熱効果も高まるため、定着対象の記録シート
Pをより確実にかつ安定して冷却することができる。ま
た、無端ベルト30の長寿命化により長期使用も可能と
なるため、上記安定した記録シートPの冷却を長期にわ
たり安定して行うことができる。
【0035】したがって、この定着装置では、長期にわ
たる冷却構造体による無端ベルト及び定着対象の記録シ
ート等に対する安定した冷却がなされ、良好な定着を行
うことができる。
【0036】そして、この定着装置による定着を記録シ
ートPの10万枚分実施したところ、無端ベルト30の
破損や破断がないことは勿論のこと、磨耗劣化も殆ど発
生していないことが確認された。また、比較のため、こ
の定着装置において離型剤供給装置60を設けず、無端
ベルトへのワックス供給を行わなかった場合について、
同様の枚数分の定着を試みたところ、定着そのものは同
様に良好に行うことができたが、無端ベルト30の内周
面に接触傷が発生し、また内周面が磨耗してしているこ
とが確認された。
【0037】ちなみに、この実施試験に際しては、ワッ
クス61としてカルナウバワックス(融点が70℃)を
使用し、そのベルト内周面への塗布量が0.01〜0.
1g/cm2程度となる割合で塗布した。また、無端ベ
ルト30としては、熱硬化ポリイミドフィルムからなる
厚さ80μmのベルト基材に、シリコーン樹脂からなる
厚さ50μmの弾性離型層を形成したものを使用した。
さらに、このときの定着速度(加熱ロールの回転駆動速
度)については30mm/sとした。
【0038】[実施の形態2]図6は、本発明の実施の
形態2に係る定着装置の要部を示すものである。この実
施の形態に係る定着装置は、無端ベルト30を張架する
第3のベルト支持ロール25を追加するとともに、冷却
構造体50を無端ベルト30に対して接離可能に設けた
以外は実施の形態1に係る定着装置と同じ構成からなる
ものである。
【0039】すなわち、第3のベルト支持ロール25
は、テンション用ロールとして構成することができる。
また、必要により、このベルト支持ロール25はそのロ
ール端部(その軸受)を無端ベルト30の蛇行状況に応
じて上下方向等に変位(傾動)させて修正する蛇行防止
機能を付加してもよい。この支持ロール25を設けるこ
とにより、剥離用ロール20はテンション機能を持たせ
ず、単に固定配設される従動ロールとすることができ
る。
【0040】また、この実施の形態における冷却構造体
50は、図示されていない公知の変位機構(カム機構な
ど)によって変位可能(矢印E,F方向に変位可能)に
支持されている。このときの変位可能な支持は、冷却構
造体50の一端部側を変位可能に支持するように構成し
ても、その両端部を変位可能に支持するように構成して
もよい。そして、このような変位可能な冷却構造体50
は、非動作時には変位機構により冷却構造体50が矢印
E方向に変位させられて無端ベルト30から離間した状
態となり、定着動作時には変位機構により冷却構造体5
0が矢印F方向に変位させられて無端ベルト30の内周
面に押圧接触するようになっている。この変位動作の時
期は、離型剤供給装置60におけるワックス61の変位
動作の時期と同じにする。
【0041】このような定着装置によれば、実施の形態
1に係る定着装置と基本的に同じ定着を行うことができ
るうえに、次のような特有の作用効果が得られる。
【0042】すなわち、特に冷却構造体50が無端ベル
ト30に対して接離可能になっていることにより、冷却
構造体50が無端ベルト30を常時押圧して接触させて
いる場合に比べて、その押圧による無端ベルト30の磨
耗劣化をさらに低減できるうえ、その押圧による無端ベ
ルト30の熱変形の発生を防止することができる。
【0043】なお、この定着装置においては、冷却構造
体50の無端ベルト30への接離動作の時期は、必要に
より、離型剤供給装置60におけるワックス61の変位
動作の時期と異ならせても構わない。例えば、無端ベル
トから離間させる時期は、一連の定着動作が終了した後
にシート検知センサの情報に基づいて行うことに代え
て、その定着動作が終了した後に接触させたままで無端
ベルト3の空回転させて冷却し、その無端ベルト30が
所定の温度まで冷却された後に、離間させるように構成
してもよい。この場合には、無端ベルト30が十分冷却
されていない状態で無端ベルト30を停止させる場合に
比べて、無端ベルト30の熱変形の発生をより確実に防
ぐことが可能となる。
【0044】[他の実施の形態]実施の形態1、2に係
る定着装置においては、必要に応じて、剥離用ロール2
0に架けられる無端ベルト30からの記録シートPの剥
離を確実に行うための補助部材として剥離つめ機構を設
けたり、あるいは、無端ベルト30の外周面に付着する
付着物を除去するためのクリーニング装置などを設けて
もよい。
【0045】また、実施の形態1、2では、加熱ロール
10を回転駆動させて無端ベルト30を所定の方向Aに
回転走行させるようにした場合について例示したが、必
要によっては、剥離用ロール20や加圧ロール40を回
転駆動させて無端ベルト30を所定の方向Aに回転走行
させるように構成したり、あるいは、無端ベルト30を
直接専用の駆動手段によって回転走行させるように構成
しても構わない。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の定着装置
によれば、長期使用に対しても無端ベルトの磨耗劣化が
少なく冷却構造体による無端ベルト及び定着対象の記録
シート等に対する安定した冷却がなされ、良好な定着を
行うことが可能となる。また、無端ベルトの磨耗劣化が
少なくなるため、そのベルトの厚さを薄くすることがで
き(例えば50μmから30μmに薄くする)、この結
果、無端ベルトの熱容量をより小さくできるため、冷却
構造体による記録シート等に対する冷却効果が向上し、
ひいてはより良好な定着が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1に係る定着装置の要部を示す概
要図。
【図2】 主に冷却構造体の構成を示す概略断面図。
【図3】 離型剤供給装置の構成及び動作状態を示す概
要図。
【図4】 定着動作の主な工程状態を示す概要図。
【図5】 トナー像の記録シートへの定着過程を示す概
要図。
【図6】 実施の形態2に係る定着装置の要部を示す概
要図。
【符号の説明】
10…加熱ロール、20…剥離用ロール(剥離用部
材)、30…無端ベルト、40…加圧ロール、50…冷
却構造体、60…離型剤供給装置、61…ワックス(熱
溶融性離型剤)、P…記録シート、T…トナー像、N…
圧接域。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱ロールと、この加熱ロールと間隔を
    あけて配設される剥離用部材と、この剥離用部材と前記
    加熱ロールとに少なくとも張架されて回転走行する無端
    ベルトと、この無端ベルトを前記加熱ロールに圧接させ
    る加圧ロールと、前記無端ベルトの内周面側に配設さ
    れ、その無端ベルトのうち前記加熱ロールから前記剥離
    用部材に至る側のベルト内周面部分を接触しながら冷却
    する冷却構造体とを備え、 前記無端ベルトを前記加熱ロール、前記冷却構造体、前
    記剥離用部材の順番で通過する方向に回転走行させると
    ともに、 トナー像を担持する記録シートを、前記加熱ロールに架
    かる前記無端ベルトと前記加圧ロールとの間の圧接域に
    導入し、その無端ベルトに当接させた状態で前記冷却構
    造体が接触する部分を通過させて前記剥離用部材に架か
    る部分まで搬送して剥離させることにより前記トナー像
    を記録シートに定着させる定着装置において、 前記無端ベルトの内周面に熱溶解性離型剤を供給する離
    型剤供給装置を具有することを特徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の定着装置において、 前記離型剤供給装置は、その熱溶解性離型剤を前記加熱
    ロールの表面に付与するように構成されていることを特
    徴とする定着装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の定着装置におい
    て、 前記熱溶解性離型剤としてワックスを使用することを特
    徴とする定着装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006243444A (ja) * 2005-03-04 2006-09-14 Fuji Xerox Co Ltd 定着装置及びこれを用いた画像形成装置
JP2007271688A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Canon Inc 画像形成装置
JP2013122524A (ja) * 2011-12-12 2013-06-20 Ricoh Co Ltd 光沢付与装置および画像形成装置
JP2013134421A (ja) * 2011-12-27 2013-07-08 Canon Inc 画像加熱装置

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