JP2004264531A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】一対の無端状ベルトの接触部(ニップ部)における密着性を高めて記録材上の未定着画像への熱伝達効率を高め、定着性を向上するとともに省エネルギー化を達成し、かつブレやズレのない良好な定着画像を得られるようにする。
【解決手段】本発明は、接触して走行する一対の無端状ベルト13,16と、その一対の無端状ベルトの少なくとも一方を加熱する手段を有し、一対の無端状ベルトの接触部(ニップ部)で未定着画像が形成された記録材を挟持して搬送し、未定着画像を加熱して記録材に定着する定着装置であって、前記一対の無端状ベルト13,16のニップ部のベルト面を、ベルト走行方向と略垂直な方向に弾性変形させる部材17を設ける。この部材17は、ニップ部の一方の無端状ベルト13の裏面に接触して配置され、ニップ部のベルト面を湾曲させる曲面を有する部材であり、かつ加熱手段を構成する加熱部材である。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録材上に形成された未定着画像を定着する定着装置、及び電子写真方式あるいは静電記録方式を用いて記録材上に現像剤による未定着画像を形成した後、この未定着画像を前記定着装置を用いて記録材上に定着させて永久画像を得る複写機、プリンタ、プロッタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来,記録材及び未定着トナーに熱及び圧力を与えて永久定着させるための方法としては、幅の狭いニップ部で高い面圧を与えて定着させる方法と、幅の広いニップ部で低い面圧を与えて定着させる方法があった。
上記定着方法のうちの前者では、ニップ部を形成するための例えば一対の回転体(例えば定着ローラーと加圧ローラー)が高面圧に耐えられるようにするために回転体自身の剛性を高める必要性があり、その手段としては回転体の肉厚を厚くするなどの方法があった。しかし、この方法では、回転体自身の熱容量が高くなってしまうために回転体を所定温度まで高めるのに時間を要し、朝一での立ち上がり時間が遅くなるという不具合があった。
【0003】
また,上記定着方法のうちの後者では、ニップ部にかかる面圧が低いために前者のような不具合はないが、次に記述するような不具合がある。
幅広のニップ部を形成するための方法としては一対の無端状ベルト(または無端状フィルム)を使用する方法が挙げられるが、この一対の無端状ベルト(例えば定着ベルトと加圧ベルト)を有する定着装置及び画像形成装置におけるニップ部の構成としては、一方の定着ベルトを加熱するための加熱手段として固定支持された加熱部材を設け、その加熱部材から定着ベルトを介して記録材上の未定着トナーへの熱伝達を高めるために、その加熱部材に圧接して他方側の加圧ベルトの裏面側にシリコンゴム等の弾性層を有した回転体型の加圧部材や、平面板上にシリコンゴム等の弾性層を有した加圧部材を設けることが挙げられる。この構成により、記録材及び未定着のトナーに対して長時間熱を与えることのできる幅広ニップ部を形成することが可能となるが、上記加熱部材と上記加圧部材とが接触する面積が多くなってしまうために、加熱部材から加圧部材への伝熱量が増え、結果として定着装置における消費電力量が高くなってしまうという不具合があった。
【0004】
従来から地球環境の保全のために省資源及び省エネルギーの要求が高まっている。このため電子写真方式や静電記録方式の画像形成装置においても省エネルギーのために消費電力を抑える動きが活発化しており、特に電力消費の激しい定着の分野で低温度定着化が研究されている。現状では200℃〜150℃程度の定着温度が一般的であり、定着装置の室温からの立ち上げ時間も1分〜5分程度かかっている。これを150℃以下、好ましくは100℃近辺で定着できることが省エネルギー化と定着立ち上げ時間低減のために望まれる。
【0005】
このような温度での定着を実現するためには、記録紙等の記録材上に画像を形成する現像剤として用いられるトナーの軟化点あるいは融点は100℃以下に下げざるをえないが、一般に結着剤の主成分が樹脂であるトナーを構成する同一種の有機高分子物質は、融点が下がると溶融粘度の低下が避けられない。これは樹脂の融点が分子量に依存していることにあり、当然分子量が低ければ分子鎖のからみ合いが緩くなり、相互作用が弱くなることにより溶融粘度は下がると考えられる。従って超低融点トナーを使って定着を行った場合、融点以降、急激な粘度の低下が起こる。このため有効なゴム域幅が狭く、紙上のトナーを定着加熱部材側にオフセットしないようにすることが困難である。
このような問題を解決するために無端状の定着ベルトを用い、溶融したトナーを密着したまま放熱させて固化した後に、ベルトから分離させることでオフセットを防止することが考えられる。
【0006】
しかしながら、加熱、放熱の工程を安定的に行うためには、トナー面をベルトに密着させて、その期間は加圧を行っている必要がある。そして長い加熱、放熱幅で加圧を行っているとユニットの駆動トルクが上がってしまい、定着装置を駆動するのが難しくなるという問題がある。また加圧力を緩めると密着が弱まり、定着熱が伝わりにくくなり定着不良が起きたり、搬送中の記録紙のブレなどで画像にブレが発生してしまうという問題がある。
【0007】
ここで、オフセットを防止する手段として、特許文献1記載の従来技術では、定着ローラーにかけられた無端状ベルトの表面にフレッシュエヤーを供給するダクトを連結した冷却ファンを設け、溶融状態にあるトナーが記録紙上に凝縮することで、オフセットを防止している。しかし、この場合には、加圧ローラーの圧力によるユニットトルクの上昇と、冷却時までベルトと記録紙の密着を維持するのが困難だという問題がある。
【0008】
特許文献2記載の従来技術では、複数のローラにかけられた定着ベルトと、加熱手段と、記録紙の搬送路の先端、後端とその間に各ガイドローラーを備えて、紙を押さえて画像面を定着ベルトに密着させて搬送するようにしている。しかし、この場合、各ガイドローラーの加圧力によるユニットトルクの増加と、ガイドローラーの当たっていない部分での紙の浮きや画像ブレが問題である。
【0009】
特許文献3記載の従来技術では、加熱ローラーと定着ローラーの間に架橋された無端状定着ベルトと、下方より圧接する加圧ローラーを備え、定着ローラーと加熱ローラーは加圧ローラーに当接し、該当接部間でニップを形成するようにしている。しかし、この場合、定着ローラーと加熱ローラーが加圧ローラーに当接することによるトルクの上昇と、定着ニップ内で曲率を持って記録紙を搬送することによる画像のブレが問題である。
【0010】
【特許文献1】
特開平5−019646号公報
【特許文献2】
特開平10−221982号公報
【特許文献3】
特開平2000−89593号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術による問題点を解決するためになされたものであり、一対の無端状ベルトの接触部(ニップ部)で未定着画像が形成された記録材を挟持して搬送し、未定着画像を加熱して記録材に定着する定着装置において、上記ニップ部における密着性を高めて未定着画像への熱伝達効率を高め、定着性を向上するとともに省エネルギー化を達成し、かつブレやズレのない良好な定着画像を得られるようにすることを目的とする。また、本発明は、定着性を向上するとともに省エネルギー化を達成し、かつブレのない良好な定着画像を得られる定着装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための手段として、請求項1に係る発明は、接触して走行する一対の無端状ベルトと、その一対の無端状ベルトの少なくとも一方を加熱する手段を有し、一対の無端状ベルトの接触部(以下、ニップ部と言う)で未定着画像が形成された記録材を挟持して搬送し、未定着画像を加熱して記録材に定着する定着装置であって、前記一対の無端状ベルトのニップ部のベルト面を、ベルト走行方向と略垂直な方向に弾性変形させる部材を設けたことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の定着装置において、前記部材は、前記ニップ部の一方の無端状ベルトの裏面に接触して配置され、前記一対の無端状ベルトのニップ部のベルト面を湾曲させる部材であることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項2記載の定着装置において、前記一対の無端状ベルトのニップ部のベルト面を湾曲させる部材は加熱手段を構成する加熱部材であり、該加熱部材のベルトと接触する面を曲面で構成したことを特徴とする。
【0013】
請求項4に係る発明は、請求項3記載の定着装置において、前記一対の無端状ベルトとして、定着ベルトと加圧ベルトを備え、該定着ベルトと加圧ベルト間に未定着画像が形成された記録材を挟持して搬送し、未定着画像を定着ベルトに密着させて加熱し、引き続き密着状態を維持して搬送し放熱させた後、画像面を定着ベルトから分離する構成であり、前記加熱部材として、前記ニップ部の定着ベルト裏面に接触して定着ベルトを加熱する固定式加熱体を備え、該固定式加熱体の接触面はベルト走行方向及びそれに直交する長手方向で大曲率の湾曲円筒曲面を持っていることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項4記載の定着装置において、前記固定式加熱体の接触面の(半径の逆数で規定される)曲率は、ベルト走行方向で直径1000mmの円の曲率より大きく、直径100mmの円の曲率より小さいことを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項4または5記載の定着装置において、前記固定式加熱体の接触面の(半径の逆数で規定される)曲率は、ベルト走行方向に直交する長手奥行き方向で直径5000mmの円の曲率より大きく、直径200mmの円の曲率より小さいことを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項4,5または6記載の定着装置において、前記固定式加熱体は抵抗体が加熱ケース内に配置されているものであるとき、前記加熱ケースのベルト接触面の厚みは2mm以下であることを特徴とする。
請求項8に係る発明は、請求項7記載の定着装置において、前記加熱ケースの熱伝導率は50W/m℃以上であることを特徴とする。
請求項9に係る発明は、請求項7または8記載の定着装置において、前記加熱ケースのベルト接触面は鏡面加工がなされていることを特徴とする。
請求項10に係る発明は、請求項4〜9のいずれか一つに記載の定着装置において、無端状定着ベルトは厚みが100μm以下であることを特徴とする。
【0014】
請求項11に係る発明は、請求項3記載の定着装置において、前記一対の無端状ベルトとして、定着ベルトと加圧ベルトを備え、前記加熱部材として、前記ニップ部の定着ベルト裏面に接触して定着ベルトを加熱するために設けられた少なくとも一つ以上の被加熱体及び該被加熱体を加熱するための少なくとも一つ以上の発熱体を備え、前記被加熱体の定着ベルトと直接接する面は、ベルト走行方向に対して凸型の曲面であることを特徴とする。
請求項12に係る発明は、請求項11記載の定着装置において、前記被加熱体と直接接する定着ベルトに対して前記ニップ部で接触する加圧ベルトは、そのベルト走行方向に対して同方向に与えられたテンション(張力)により前記記録材を定着ベルトに押し圧(加圧)することを特徴とする。
請求項13に係る発明は、請求項11または12記載の定着装置において、前記被加熱体の定着ベルトと直接接する凸型曲面は、曲率がR20以上、R500以下であることを特徴とする。
請求項14に係る発明は、請求項11〜13のいずれか一つに記載の定着装置において、前記被加熱体の凸型曲面のベルト走行方向上流位置に、回転体型の加圧手段が設けられていることを特徴とする。
請求項15に係る発明は、請求項11〜13のいずれか一つに記載の定着装置において、前記被加熱体の凸型曲面のベルト走行方向最上流位置よりもさらに上流位置に一対の回転体が設けられていることを特徴とする。
請求項16に係る発明は、請求項15記載の定着装置において、前記一対の回転体のうち、少なくとも一方の回転体を加熱するための発熱手段が具備されていることを特徴とする。
請求項17に係る発明は、請求項11〜16のいずれか一つに記載の定着装置において、前記被加熱体を加熱するための発熱体が、ベルト走行方向に対して直角方向に複数分割されていることを特徴とする。
請求項18に係る発明は、請求項11〜17のいずれか一つに記載の定着装置において、前記被加熱体を加熱するための発熱体が、ベルト走行方向に対して被加熱体上の中央部よりも上流側に設置されていることを特徴とする。
請求項19に係る発明は、請求項11〜18のいずれか一つに記載の定着装置において、前記被加熱体の厚さが、ベルト走行方向に対して上流側にいくほど厚くなることを特徴とする。
【0015】
請求項20に係る発明は、請求項4〜19のいずれか一つに記載の定着装置において、前記定着ベルトがニッケル、ステンレス、もしくはアルミニウム製の金属ベルトであることを特徴とする。
請求項21に係る発明は、請求項4〜19のいずれか一つに記載の定着装置において、前記定着ベルトがポリイミド系樹脂、もしくはポリベンゾイミダゾール系樹脂の樹脂ベルトであることを特徴とする。
【0016】
請求項22に係る発明は、像担持体上に潜像を形成し、該潜像を現像剤で現像して可視画像を形成する手段と、前記像担持体上の画像を記録材に転写する手段と、前記記録材上の未定着画像を定着する手段を備えた画像形成装置において、前記定着手段として、請求項1〜22のいずれか一つに記載の定着装置を備えたことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
[実施形態1]
まず、請求項1〜10,20〜22に係る発明の実施形態を説明する。
本実施形態では無端状の定着ベルトと加圧ベルトの接触部(ニップ部)のベルト面を、ベルト走行方向と略垂直な方向に弾性変形させる部材、より具体的には定着ベルトの裏面に接触して配置され、一対の無端状ベルトのニップ部のベルト面を湾曲させる加熱部材を設け、その湾曲したニップ部で未定着画像(例えばトナー像)を形成した記録材を挟んで搬送することにより記録材との密着性を高め、記録材表面のトナー像を定着ベルトに密着させて加熱し、ニップ部の下流側で放熱させた後に定着ベルトからトナー面を分離するようにしている。このような構成を用いると定着ベルトからの分離時にトナー像は凝固しているため、結着剤の主成分が樹脂からなり100℃程度で溶融する低粘度のトナーを用いても定着ベルト側にオフセットすることが防止され、低温度定着が容易になる。このため良好な省エネルギー定着システムが得られることになる。
【0018】
より具体的に説明すると、本実施形態では図2に示すように、定着ベルト13裏面より固定式加熱体17により、定着ベルト13を加熱し、加熱された定着ベルト13と加圧ベルト16に記録紙を挟みこんで搬送し、記録紙上のトナーを加熱、放熱させる。この時、固定式加熱体17と定着ベルト13との接触面は、図2に示すようなベルト進行方向及び長手奥行き方向で大曲率を持った湾曲円筒曲面状であるようにしている。
このようにすると記録紙がベルトのニップ部に進入した時に長手奥行き方向に湾曲して、記録紙の張力によって湾曲中心方向に対して微小な押圧力を持つ。そしてこの押圧力によって定着ベルト13に記録紙が密着し、ニップ内に空気層が形成されるのが防止されることになる。そして、ベルト進行方向で湾曲していることから定着ニップ内での紙のばたつき、浮き上がりが抑えられるので定着ベルト面と加圧ベルト16のテンションだけで記録紙上のトナー像と定着ベルト面が密着し、加圧ベルト背面からの押圧機構が無くても安定した記録紙の密着搬送が行えるので、該定着装置の駆動トルクを大幅に低減することができる。また、定着ニップ内で安定して加熱することができ、定着ベルト13の加熱温度としては100℃程度の低温度でもトナー中に十分に熱が伝わり、安定した低温度定着が可能になる。そして放熱工程まで一貫し密着したまま搬送することで、画像のブレを防止することができるので、画像品質の良好な省エネルギー定着が可能になる。
【0019】
本実施形態の定着装置では、上記の構成に加えて、固定式加熱体接触面の(半径の逆数で規定される)曲率はベルト走行方向(記録紙搬送方向)で直径1000mmの円の曲率より大きく、直径100mmの円の曲率より小さいようにしている。これは該曲率が1000mm径より大きくなると記録紙が湾曲して発生する張力が不十分であり、密着性が得られない。また、曲率が100mm径より小さくなると、記録紙搬送時に記録紙の表と裏での移動スピード差ができて密着性が落ち、画像のズレが発生しやすくなる。このため搬送方向の曲率は直径1000mmの円の曲率より大きく、直径100mmの円の曲率より小さくするのが良い。このようにすると加圧機構が無くても、必要な加熱、放熱期間で定着ベルトと記録紙の間で十分な密着が得られ、安定した低温度定着が可能になる。そして、放熱工程まで一貫し密着したまま搬送することで、画像のブレを防止することができるので、画像品質の良好な省エネルギー定着が可能になる。
【0020】
本実施形態の定着装置では、上記の構成に加えて、固定式加熱体接触面の(半径の逆数で規定される)曲率はベルト走行方向(記録紙搬送方向)に直角の長手奥行き方向で直径5000mmの円の曲率より大きく、直径200mmの円の曲率より小さいようにしている。これは該曲率が5000mm径より大きくなると用紙が湾曲して発生する張力が不十分であり、密着性が得られない。また、曲率が200mm径より小さくなると、長手奥行き方向の中央と端部で速度差が出て記録紙が定着ニップ部に進入した時に、記録紙にシワが発生しやすくなる。このため記録紙搬送方向に直角の長手奥行き方向での曲率は直径5000mmの円の曲率より大きく、直径200mmの円の曲率より小さくするのが良い。このようにすると加圧機構が無くても、必要な加熱、放熱期間で定着ベルトと記録紙の間で十分な密着が得られ、安定した低温度定着が可能になる。そして、放熱工程まで一貫し密着したまま搬送することで、画像のブレを防止することができるので、画像品質の良好な省エネネルギー定着が可能になる。
【0021】
本実施形態の定着装置では、上記の構成に加えて、固定式加熱体は電熱抵抗体が加熱ケース内に配置されているものであり、該加熱ケースのベルト接触面の厚みは2mm以下であるようにしている。これは定着装置においては電熱抵抗体によって湾曲した加熱ケース部を常に均一に加熱して、該湾曲加熱ケースと接触する定着ベルトの加熱を行って定着に用いるが、加熱ケースの熱容量が小さいほど、電熱抵抗体からの熱が急速に定着ベルトに伝わるため温度維持制御が容易であり、また、一定温度に維持するための電力も少なくて済む。そして、熱容量は体積に比例するため、加熱ケースの厚みは2mm以下が良い。このようにすると加圧機構が無くても、必要な加熱、放熱期間で定着ベルトと記録紙の間で十分な密着が得られ、安定した低温度定着が可能になる。そして、放熱工程まで一貫し密着したまま搬送することで、画像のブレを防止することができるので、画像品質の良好な省エネルギー定着が可能になる。
【0022】
本実施形態の定着装置では、上記の構成に加えて、固定式加熱体の加熱ケースの熱伝導率は50W/m℃以上であるようにしている。この熱伝導率は高いほど固定式加熱体を通電した際に瞬時に湾曲加熱体の全体に温度が伝わり、なおかつ湾曲加熱ケースと接触する定着ベルトに対しても同時に熱を伝えることが可能になる。このようなことから加熱ケース材質としては熱伝導率が高いアルミニウム、銀、金などの金属薄板が好ましい。このようにすると加圧機構が無くても、必要な加熱、放熱期間で定着ベルトと記録紙の間で十分な密着が得られ、安定した低温度定着が可能になる。そして、放熱工程まで一貫し密着したまま搬送することで、画像のブレを防止することができるので、画像品質の良好な省エネルギー定着が可能になる。
【0023】
本実施形態の定着装置では、上記の構成に加えて、加熱ケース接触面は鏡面加工がなされているようにしている。このようにすると湾曲加熱ケース面に対する定着ベルトの密着性が上がり、ベルト駆動時に加熱ケースとの間に空気を挟んで浮き上がるなどの不具合が起きず、良好なベルト加熱、定着が可能になる。このようにすると加圧機構が無くても、必要な加熱、放熱期間で加圧ベルトと記録紙の間で十分な静電的密着が得られ、加圧ベルト背面からの押圧手段が不用であるためにユニットの駆動トルクを大幅に低減することができる。また、走行方向に長い加熱ニップ、放熱ニップを実現できるので、画像のブレを防止した良好な低温度定着装置の実現が可能になる。
【0024】
本実施形態の定着装置では、上記の構成に加えて、無端状定着ベルトは厚みが100μm以下であるようにしている。これは本実施形態の定着装置においては電熱抵抗体によって湾曲した加熱ケース部を加熱し、該湾曲加熱ケースと接触する定着ベルトの加熱を行って定着に用いるが、該定着ベルトの熱容量が小さいほど、電熱抵抗体からの熱が急速に定着ベルトに伝わるため定着温度維持制御が容易であり、また、一定温度に維持するための電力も少なくて済む。そして、熱容量は体積に比例するため、定着ベルトの厚みは100μm以下が良い。このようにすると加圧機構が無くても、必要な加熱、放熱期間で定着ベルトと記録紙の間で十分な密着が得られ、安定した低温度定着が可能になる。そして、放熱工程まで一貫し密着したまま搬送することで、画像のブレを防止することができるので、画像品質の良好な省エネルギー定着が可能になる。
【0025】
本実施形態の定着装置では、上記の構成に加えて、定着ベルトがニッケル、ステンレス(SUS)、もしくはアルミニウム製の金属ベルトであるようにしている。これは本実施形態の定着装置においては電熱抵抗体によって湾曲した加熱ケース部を加熱し、該湾曲加熱ケースと接触する定着ベルトの加熱を行って定着に用いるが、定着ベルトの熱容量が小さいほど、電熱抵抗体からの熱が急速に定着ベルトに伝わるため定着温度維持制御が容易であり、また、一定温度に維持するための電力も少なくて済む。そして、熱容量は体積に比例するため、薄膜に成形できて、高強度、高耐熱、高熱伝導性であることが好ましい。このため、ニッケル、ステンレス、もしくはアルミニウム製の金属ベルトにより良好なベルト加熱、定着が可能になる。このようにすると加圧機構が無くても、必要な加熱、放熱期間で定着ベルトと記録体の間で十分な密着が得られ、安定した低温度定着が可能になる。そして、放熱工程まで一貫し密着したまま搬送することで、画像のブレを防止することができるので、画像品質の良好な省エネルギー定着が可能になる。
【0026】
また、本実施形態の定着装置では、定着ベルトの別の例として、該定着ベルトがポリイミド系樹脂、もしくはポリベンゾイミダゾール系樹脂等の樹脂ベルトであるようにしている。これは本実施形態の定着装置においては電熱抵抗体によって湾曲した加熱ケース部を加熱し、該湾曲加熱ケースと接触する定着ベルトの加熱を行って定着に用いるが、定着ベルトの熱容量が小さいほど、電熱抵抗体からの熱が急速に定着ベルトに伝わるため定着温度維持制御が容易であり、また、一定温度に維持するための電力も少なくて済む。そして、熱容量は体積に比例するため、薄膜に成形できて、高強度、高耐熱性であることが好ましい。このため、ポリイミド系樹脂、もしくはポリベンゾイミダゾール系樹脂等の樹脂ベルトにより良好なベルト加熱、定着が可能になる。このようにすると加圧機構が無くても、必要な加熱、放熱期間で定着ベルトと記録紙の間で十分な密着が得られ、安定した低温度定着が可能になる。そして、放熱工程まで一貫し密着したまま搬送することで、画像のブレを防止することができるので、画像品質の良好な省エネルギー定着が可能になる。
【0027】
さらに、本実施形態では、像担持体上に潜像を形成し、該潜像を現像剤で現像して可視画像を形成する手段と、像担持体上の画像を記録材に転写する手段と、記録材上の未定着画像を定着する手段を備えた画像形成装置において、定着手段として上記構成の定着装置を用いるので、省エネルギーで画像品質の良好な画像形成を行うことができる。
【0028】
以下、本実施形態の具体的な実施例について説明する。
(実施例1−1)
図1は本発明の一実施例を示す画像形成装置の概略構成図である。図1において、符号1は像担持体の一例である光導電性の感光体ドラム1であり、この感光体ドラム1の周囲には、電子写真プロセスにより画像形成を行うための帯電装置2、半導体レーザー発光装置3、現像装置4、転写搬送ベルト6、クリーニング装置7などが配設されている。また、転写搬送ベルト6の搬送方向下流側には定着装置8が配設されている。画像形成動作が開始されると、感光体ドラム1の表面が帯電装置2により均一に帯電された後、画像データに応じて半導体レーザー発光装置3からのレーザー光により感光体ドラム表面が露光され静電潜像が形成される。次いで現像装置4の現像ローラ4−2で担持し摩擦帯電させたトナーにより感光体ドラム1上の潜像が現像され可視像化する。この現像行程にタイミングを合わせて図示しない給紙部よりレジストローラ5を介して記録紙が転写搬送ベルト6に搬送され、転写搬送ベルト6上で記録紙に感光体ドラム1よりトナー像が転写される。そして、転写搬送ベルト6により未定着のトナー像が記録紙上に乗ったまま定着装置8に搬送され、定着装置8により記録紙上のトナーが加熱、溶融されて定着された後、機外の図示しない排紙トレイ等にに排出される。
【0029】
図2は上記画像形成装置に用いられる定着装置8の一例を示す概略構成図である。この定着装置では、上側の2つの回転体(上テンションローラー)11,12に定着ベルト13が掛けられており、該定着ベルト13には2つの回転体(上テンションローラー)11,12により所定のテンション(張力)が付与されている。また、下側の2つの回転体(下テンションローラー)14,15に加圧ベルト16が掛けられており、該加圧ベルト16には2つの回転体(下テンションローラー)14,15により所定のテンション(張力)が付与されている。そして、定着ベルト13と加圧ベルトに挟まれたニップ部に、搬送経路Aより進入してきた記録紙を挟みこみ、上下のベルト13,16のテンションによって記録紙のバタツキ、空気の挟みこみを防止する。尚、上側の2つの回転体(上テンションローラー)11,12と、下側の2つの回転体(下テンションローラー)14,15はベルトを介して圧接しており、図中左側の上下のローラー12,15は連動して回転し定着ベルト13と加圧ベルト16を回動する駆動ローラとなっている。また、加熱部材である固定式加熱体17は、定着ベルト13の裏面より円筒曲面を持って接触し、定着ベルト13を加熱している。
【0030】
図3は上記固定式加熱体17の概略を示す斜視図である。固定式加熱体17は電熱抵抗体が加熱ケース21に配置されているものであり、該加熱ケース21のベルト接触面の厚みは2mm以下であるようにしている。より具体的には、加熱ケース21は1mm厚のアルミニウム材で成型されており、熱伝導率は230W/m℃である。そして、ベルト走行方向(記録紙搬送方向)では径500mm円の曲率Rを持ち、長手奥行き方向においては径1000mm円の曲率Rを持つようにしている。定着ベルト13は上テンションローラー11,12で図中の矢印の方向に回動され、記録紙を図中の矢印AからBへ向けて搬送するように進行し、加熱ケース21の鏡面加工された接触面22で接触、加熱される。そして、加熱ケース21上には電熱抵抗体として電熱抵抗線23が配置されており、該加熱ケース21を必要な温度に維持制御している。尚、図示していないが、加熱ケース21上には温度制御用に温度検知素子が設けられている。
【0031】
このような構成で固定式加熱体17の制御温度を105℃に設定し200mm/secのスピードで搬送させたところ、低トルクでスムーズな搬送が可能になり、ブレの防止された良好な画像が得られた。そして、画像形成に低融点トナーを用い、105℃という低温度での省エネルギー定着が可能になった。
【0032】
尚、本実施例で使用したトナー、定着ベルト、加圧ベルトの具体的な構成は以下の通りである。
・使用トナー:
環化イソプレン:70wt%
カルナウバワックス:30wt%
カーボンブラック:10重量部
負帯電性の荷電制御剤:1重量部
このトナーの軟化点は80℃であり、定着下限温度は85℃である。
・使用定着ベルト:導電処理ポリイミド(厚み80μm)
・使用ガイドベルト:絶縁性ポリイミド(厚み80μm)
【0033】
(実施例1−2)
本実施例では、実施例1−1と同様な構成の定着装置を用いるが、固定式加熱体17の加熱ケース21をステンレスで成型したものを用いたところ熱伝導率は20W/m℃であり、定着ベルト13に加熱ムラが生じて均一な定着性が得られなかった。そこで固定式加熱体17の加熱ケース12を鉄で成型したものを用いたところ熱伝導率は80W/m℃であり、通電加熱後、即座に均一な温度制御が可能になった。そして、固定式加熱体17の加熱ケース21の制御温度を105℃に設定して200mm/secのスピードで搬送させたところ、低トルクでスムーズな搬送が可能になり、ブレの防止された良好な画像が得られた。そして,画像形成に低融点トナーを用い、105℃という低温度での省エネルギー定着が可能になった。
【0034】
(実施例1−3)
本実施例では、実施例1−1と同様な構成の定着装置を用いるが、定着ベルト13として厚み120μmのアルミニウム製電鋳ベルトを用いたところ、定着ベルト13の湾曲加熱ケース面への密着性が悪化し、定着ベルト13に加熱ムラが生じて均一な定着性が得られなかったが、定着ベルト13の厚みが90μmのものを用いたところ、通電加熱後、即座に均一な温度制御が可能になった。そして、固定式加熱体17の加熱ケース21の制御温度を105℃に設定して200mm/secのスピードで搬送させたところ、低トルクでスムーズな搬送が可能になり、ブレの防止された良好な画像が得られた。
【0035】
(実施例1−4)
本実施例では、実施例1−1と同様な構成の定着装置を用いるが、定着ベルト13として厚み80μmの塩化ビニール系耐熱ベルトを用いたところ、ベルト周長が伸びてテンションがかからなくなり、定着ニップ内に空気が入り、記録紙のベルト密着性が悪化し、均一な定着性が得られなかった。そこで定着ベルト13としてポリベンゾイミダゾール系樹脂で厚み80μmのものを用いたところ、通電加熱後、即座に均一な温度制御が可能になった。そして、固定式加熱体17の加熱ケース21の制御温度を105℃に設定して200mm/secのスピードで搬送させたところ、低トルクでスムーズな搬送が可能になり、ブレの防止された良好な画像が得られた。
【0036】
[実施形態2]
次に、請求項1〜3、11〜22に係る発明の実施形態を説明する。
本実施形態では、一つの無端状ベルトの接触部(ニップ部)のベルト面を、ベルト走行方向と略垂直な方向に弾性変形させる部材、より具体的には一方のベルトの裏面に接触して配置され、一対の無端状ベルトのニップ部のベルト面を湾曲させる加熱部材を設けている。そして、具体例としては、例えば図4に示すように、一対の無端状ベルトとして、定着ベルト33と加圧ベルト36を備え、前記加熱部材として、前記ニップ部の定着ベルト33の裏面に接触して定着ベルト33を加熱するために設けられた少なくとも一つ以上の被加熱体37及び該被加熱体を加熱するための少なくとも一つ以上の発熱体38を備え、被加熱体37の定着ベルト33と直接接する面は、ベルト走行方向に対して凸型の曲面であることを特徴としており、このように被加熱体37が定着ベルト33と直接接する面を凸型の曲面とすることで、両者の密着性を高めて被加熱体37から未定着トナーTへの熱伝達効率を高め、良好な画像を得ることができる。尚、必要に応じて前記被加熱体上には温度制御用の温度検知素子が設けられる。
【0037】
本実施形態の定着装置では、上記の構成に加えて、被加熱体37と直接接する定着ベルト33に対してニップ部で接触する加圧ベルト36は、そのベルト走行方向に対して同方向に与えられたテンション(張力)により記録材(例えば記録紙)Sを定着ベルト33に押し圧(加圧)する構成としており、これにより低消費電力化を測ることが可能となる。
また、本実施形態の定着装置では、上記の構成に加えて、被加熱体37の定着ベルト33と直接接する凸型曲面は、曲率がR20以上、R500以下としており、このように被加熱体37の凸型曲面の曲率Rの値を指定することで、この曲率Rが小さいときに発生してしまう「画像ズレ」の問題を解決し、良好な画像を得ることが可能となる。
【0038】
本実施形態の定着装置では、上記の構成に加えて、図5に示すように、被加熱体37の凸型曲面のベルト走行方向上流位置に、回転体型の加圧手段34,42を設けることにより、ニップ先端部で記録材及び未定着トナーに圧力を与えて、トナー間の空隙を減少させて熱伝達効率を高め、定着性の向上を図り、良好な画像を得ることが可能となる。
また、本実施形態の定着装置では、上記の構成に加えて、図6に示すように、被加熱体37の凸型曲面のベルト走行方向最上流位置よりもさらに上流位置に一対の回転体31,34を設けることにより、この回転体間で未定着トナーの転写された記録材を狭持することによって圧力を与えて、トナー間の空隙を減少させて熱伝達効率を高め、定着性の向上を図り、良好な画像を得ることが可能となる。また、本実施形態における構成では、記録材及び未定着トナーに圧力を与える手段が一対の回転体31,34であるために、一対のベルトを駆動させるための駆動トルクの低減を図ることが可能となる。
さらに本実施形態の定着装置では、上記の構成に加えて、一対の回転体31,34のうち、少なくとも一方の回転体31を加熱するための発熱手段41を設けることにより、ニップ部よりも上流位置で記録材及び未定着トナーに対し圧力だけでなく熱も与えることで、定着性の向上及びより良好な画像を得ることが可能となる。
【0039】
本実施形態の定着装置では、上記の構成に加えて、図7に示すように、被加熱体37を加熱するための発熱体38を、ベルト走行方向に対して直角方向に複数分割することにより、幅広のニップ部内の温度をより均一に制御・保持し、記録材及び未定着トナーに対して与える熱量をより適正化し、定着性の向上及び良好な画像を得て、低消費電力量化を達成することが可能となる。
また、本実施形態の定着装置では、上記の構成に加えて、図8に示すように、被加熱体37を加熱するための発熱体38を、ベルト走行方向に対して被加熱体上の中央部よりも上流側に設置することにより、最先端部における熱供給量を高めるとともに、定着性の向上及び良好な画像を得ることが可能となる。
さらに本実施形態の定着装置では、上記の構成に加えて、図9に示すように、被加熱体37の厚さが、ベルト走行方向に対して上流側にいくほど厚くなるようにすることにより、先端部における熱容量を高め、先端部における熱伝達効率を高めるとともに、定着性の向上及び良好な画像を得ることが可能となる。
【0040】
本実施形態の定着装置では、上記の構成に加えて、定着ベルト33がニッケル、ステンレス、もしくはアルミニウム製の金属ベルトであるようにしている。これは本実施形態の定着装置においては発熱体によって被加熱体を加熱し、被加熱体と接触する定着ベルトの加熱を行って定着に用いるが、定着ベルトの熱容量が小さいほど、発熱体からの熱が急速に定着ベルトに伝わるため定着温度維持制御が容易であり、また一定温度に維持するための電力も少なくて済む。そして、熱容量は体積に比例するため、薄膜に成形できて、高強度、高耐熱、高熱伝導性であることが好ましい。このため、ニッケル、ステンレス、もしくはアルミニウム製の金属ベルトにより良好なベルト加熱、定着が可能になる。
【0041】
また、本実施形態の定着装置では、定着ベルト33の別の例として、該定着ベルトがポリイミド系樹脂、もしくはポリベンゾイミダゾール系樹脂等の樹脂ベルトであるようにしている。これは本実施形態の定着装置においては発熱体によって被加熱体を加熱し、被加熱体と接触する定着ベルトの加熱を行って定着に用いるが、定着ベルトの熱容量が小さいほど、発熱体からの熱が急速に定着ベルトに伝わるため定着温度維持制御が容易であり、また、一定温度に維持するための電力も少なくて済む。そして、熱容量は体積に比例するため、薄膜に成形できて、高強度、高耐熱性であることが好ましい。このため、ポリイミド系樹脂、もしくはポリベンゾイミダゾール系樹脂等の樹脂ベルトにより良好なベルト加熱、定着が可能になる。
【0042】
さらに、本実施形態では、像担持体上に潜像を形成し、該潜像を現像剤で現像して可視画像を形成する手段と、像担持体上の画像を記録材に転写する手段と、記録材上の未定着画像を定着する手段を備えた画像形成装置において、定着手段として上記構成の定着装置を用いるので、省エネルギーで画像品質の良好な画像形成を行うことができる。
【0043】
以下、本実施形態の具体的な実施例について説明する。尚、画像形成装置の実施例は図1と同様であるので、ここでは画像形成装置の説明は省略し、定着装置8の実施例について説明する。
【0044】
(実施例2−1)
図4は本発明の第2の実施形態の一実施例を示す定着装置の概略構成図である。図4に示す定着装置では、一対の無端状ベルトとして、定着ベルト33と加圧ベルト36を備え、加熱部材として、ニップ部の定着ベルト33の裏面に接触して定着ベルト33を加熱するために設けられた少なくとも一つ以上の被加熱体37及び該被加熱体を加熱するための少なくとも一つ以上の発熱体38を備えている。そして、被加熱体37が定着ベルト33と直接接触する面(図では被加熱体37の下面)が凸型の曲面になっている。また、図示していないが、被加熱体37上には温度制御用に温度検知素子が設けられている。
定着ベルト33は2つの回転体(入口ローラー31と出口ローラー32)とテンションローラー39に掛けられており、スプリング39aによりテンションローラー39に付与された押圧力によって、定着ベルト33にはテンション(張力)が与えられているために、より確実に被加熱体37の凸型曲面へ定着ベルト33が密着できるようになっている。このことによって、より効率良く熱伝達が行われる。また、定着ベルト33とは別のもう一方の加圧ベルト36は2つの回転体(入口ローラー34と出口ローラー35)とテンションローラー40に掛けられており、加圧ベルト36を被加熱体37の凸型曲面に沿って密着させるために、スプリング40aによりテンションローラー40に付与された押圧力によって加圧ベルト36にはテンション(張力)が与えられている。
【0045】
本実施例の定着装置では、図4の構成から、定着ベルト33と加圧ベルト36のニップ部においては、被加熱体37の対向部に加圧部材が存在しないことがわかる。未定着トナーTの転写された記録材Sはニップ部において二つのベルト33,36によって図中の矢印A方向に狭持搬送され、加圧ベルト36にテンション(張力)がかけられていることによって記録材Sを定着ベルト33へ押し圧(加圧)する。
被加熱体37の材料としては、熱伝導率の高い材質が好ましく、具体的にはアルミニウムやジュラルミンや銅や、これらを使用した合金などが挙げられる。また、被加熱体37を加熱するための発熱体38としては、抵抗発熱体などが挙げられる。また、発熱手段としてはこの限りでなく、その他に誘導加熱方式(IH方式)などを用いることも挙げられる。
【0046】
尚、被加熱体37が定着ベルト33と直接接触する凸型曲面の曲率としては、前述したようにR20以上R500以下が最も望ましい。曲率がR20よりも小さい場合には、その曲率が小さいことが原因となり、ニップ部において定着ベルト33と加圧ベルト36との間に線速差が生まれ、記録材S上に形成された未定着トナーTの画像がズレてしまう不具合が生じる。また、曲面の曲率をR500以上にした場合には、その曲率が大きいことが原因となり、定着ベルト33及び加圧ベルト36を被加熱体37に十分密着させるためには非常に高いベルトテンションが必要になり、その強いテンションに対して両ベルトの引っ張り強度が不十分である。
【0047】
定着ベルト33の構成としては、ニッケル電鋳やステンレス(SUS)もしくはアルミニウムといった金属製のものや、ポリイミド系樹脂もしくはポリベンゾイミダゾール系樹脂等の樹脂製のベルトを用いた単層構成のものが挙げられる。また、ベルト構成としては前述した素材のものを基材として表層にシリコンゴム等の弾性層を設けたものや、さらにその表層にトナー離型性向上のためにPFA(四フッ化−パーフルオロアルキルビニルエーテル樹脂)あるいはPTFE(四フッ化エチレン樹脂)等のフッ素系物質のコーティングを施したものや、PFAあるいはPTFE等のフッ素系物質のチューブを被せた複数層からなる構成が挙げられる。
【0048】
(実施例2−2)
次に図5は本発明の第2の実施形態の別の実施例を示す定着装置の概略構成図である。図5に示す定着装置の基本的な構成は図4と略同様であるが、図5の実施例では、被加熱体37の凸型曲面のベルト走行方向最上流位置に回転体型の加圧手段34,42が設けられていることが示されている。すなわち、図5に示す構成では、加圧ベルト36を支持する2つの回転体(ローラー)34,35のうち、ベルト走行方向上流側のローラー34を被加熱体37の凸型曲面のベルト走行方向最上流位置に配置すると共に、該ローラー34を加圧するスプリング42等を設けて回転体型の加圧手段としている。この加圧手段のローラー34の構成としては、金属製の芯金の上にシリコンゴム等の弾性層のみを設けたものや、その弾性層のさらに表層にトナー離型性の高い物質であるPFAあるいはPTFE等のフッ素系物質のコーティングを施したものや、あるいはこれらフッ素系物質のチューブを被せたものが挙げられる。この加圧手段のローラー34による面圧としては、ニップ部において加圧ベルト36が定着ベルト33に対して与える面圧よりも高いことが望ましい。
【0049】
また、図5に示すように、定着ベルト33側の入口ローラー31には、そのローラー31を加熱するためのハロゲンヒータ等の発熱手段41が設けられていれば、ニップ侵入前にあらかじめ定着ベルト33を予備加熱することができるので、より望ましい。発熱手段41としてはハロゲンヒータに限らず、誘導加熱方式(IH方式)を採用しても良い。また、設置場所としては図5に示すようなローラー内部に限らず、ローラーの外部から加熱する方法でも良い。入口ローラ31の構成としては、発熱手段41から定着ベルト33への熱伝達効率を高めるために、熱伝導性の高い材料が好ましく、例えばアルミニウム、ステンレス(SUS)、鉄(Fe)等の金属製のものや、これらの材料を含んだ合金が望ましい。また、発熱手段41を有する入口ローラ31の表面処理としては、耐磨耗性を高めるためにPFAやPTFE等のフッ素系の樹脂でコーティングしても良い。
【0050】
(実施例2−3)
次に図6は本発明の第2の実施形態のさらに別の実施例を示す定着装置の概略構成図である。図6に示す定着装置の基本的な構成は図5と略同様であるが、図6の実施例では、ニップ部よりもベルト走行方向上流位置に一対の回転体31,34が設けられている。すなわちこの例では、定着ベルト33側の回転体(入口ローラー)31と、加圧ベルト36側の回転体(入口ローラー)34とが、ニップ部よりもベルト走行方向上流位置で接触するように配置したものである。尚、この2つの回転体のうちの一方の回転体31には発熱手段41が設けられている。また、この2つの回転体の他方の回転体34には加圧手段42が設けられているため、この回転体同士は圧接していることがわかる。この圧力によりニップ侵入前に未定着トナー間の空隙は減少され、トナー間の熱伝導率が高められる。
【0051】
定着ベルト側の入口ローラー31に設けられる発熱手段41の一例としてはハロゲンヒータが挙げられる。また、その他に誘導加熱方式(IH方式)等も挙げられる。発熱手段41の設けられた入口ローラー31の構成としては、発熱手段41から定着ベルト33への熱伝達効率を高めるために、熱伝導性の高い材料が好ましく、例えばアルミニウム、ステンレス(SUS)、鉄(Fe)等の金属製のものや、これらの材料を含んだ合金が望ましい。また、入口ローラー31の表面処理としては、耐磨耗性を高めるためにPFAやPTFE等のフッ素系の樹脂でコーティングしても良い。
また、加圧ベルト側の入口ローラ34の構成としては、金属製の芯金の上にシリコンゴム等の弾性層のみを設けたものや、その弾性層のさらに表層にトナー離型性の高い物質であるPFAあるいはPTFE等のフッ素系物質のコーティングを施したものや、あるいはこれらフッ素系物質のチューブを被せたものが挙げられる。この一対の回転体31,34が圧接している部分にかかる面圧としては、ニップ部において加圧ベルト36が定着ベルト33に対して与える面圧よりも高いことが望ましい。
【0052】
(実施例2−4)
次に図7は本発明の第2の実施形態のさらに別の実施例を示す定着装置の概略構成図である。図7に示す定着装置の基本的な構成は図6と略同様であるが、図7の実施例では、被加熱体37上に設置された発熱体38が定着ベルト33の走行方向に対して直角方向に複数分割されている。この分割された発熱体のそれぞれ個々の発熱体38を独立で制御することによって、ニップ部入口から出口までの間の被加熱体37の温度をより高精度に制御することが可能となる。複数分割されたそれぞれの発熱体38は同一形状、同一特性のものを使用すれば部品種が削減できるためコスト低減につながる。また、それぞれが異形状、異特性のものを使用すれば、被加熱体37をより様々な温度で制御することができる。
【0053】
(実施例2−5)
次に図8は本発明の第2の実施形態のさらに別の実施例を示す定着装置の概略構成図である。図8に示す定着装置の基本的な構成は図6または図7と略同様であるが、図8の実施例では、被加熱体37上に設置された発熱体38が定着ベルト33の走行方向に対して被加熱体37上の中央よりも上流側に設置されている。このことにより、定着に必要な所定温度に達していない定着ベルト33がこのニップ入口部に進入してきた際にも、被加熱体37の中央よりも上流側の温度を瞬時に昇温することができる。尚、この発熱体38は一つに限らず、図7と同様に複数設置されているほうが被加熱体37の温度をより高精度に制御できる。
【0054】
(実施例2−6)
次に図9は本発明の第2の実施形態のさらに別の実施例を示す定着装置の概略構成図である。図9に示す定着装置の基本的な構成は図6または図7と略同様であるが、図9の実施例では、被加熱体37の厚さが定着ベルト33の走行方向に対して上流側にあるほど厚い様子を示している。つまり、被加熱体37の上流側ほど熱容量が高くなるため、定着に必要な所定温度に達していない定着ベルト33がこのニップ入口部に進入してきた際にも、被加熱体37からベルトへ供給可能な熱量は上流側ほど大きい。よって、発熱体38から被加熱体37への熱伝達率がそれほど良好でない場合にも、被加熱体自身に熱量が予めプールされているために、被加熱体37から定着ベルト33への熱供給を比較的容易に行うことができる。尚、発熱体38は図9にあるような一つだけであるとは限らず、図7と同様に複数個設置されていて個々が独立に制御されているほうがより高精度に被加熱体37の温度を制御することができる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜3記載の定着装置においては、一対の無端状ベルトの接触部(ニップ部)のベルト面を、ベルト走行方向と略垂直な方向に弾性変形させる部材、より具体的には一方のベルトの裏面に接触して配置され、一対の無端状ベルトのニップ部のベルト面を湾曲させる加熱部材を設け、その湾曲したニップ部で未定着画像を形成した記録材を挟んで搬送することにより、記録材との密着性を高めながら、一対の無端状ベルトのトルクを低下させてスムーズな搬送が可能になり、かつトナーのオフセットを防止できる。また、ブレの防止された良好な画像が得られる省エネルギー定着システムが得られる。
【0056】
請求項4記載の定着装置においては、ニップ部の定着ベルト裏面に接触して定着ベルトを加熱する固定式加熱体を備え、該固定式加熱体の接触面はベルト走行方向及びそれに直交する長手方向で大曲率の湾曲円筒曲面を持っていることにより、定着ニップ内での紙のばたつき、浮き上がりが抑えられるので定着ベルト面と加圧ベルトのテンションだけで記録紙上のトナー像と定着ベルト面が密着し、加圧ベルト背面からの押圧機構が無くても安定した記録材の密着搬送が行えるので、駆動トルクを大幅に低減することができる。また、定着ニップ内で安定して加熱することができ、定着ベルトの加熱温度が100℃程度の低温度でもトナー中に十分に熱が伝わり、安定した低温度定着が可能になる。そして放熱工程まで一貫し密着したまま搬送することで、画像のブレを防止することができるので、画像品質の良好な省エネルギー定着が実現できる。
【0057】
請求項5記載の定着装置においては、固定式加熱体の接触面の(半径の逆数で規定される)曲率は、ベルト走行方向で直径1000mmの円の曲率より大きく、直径100mmの円の曲率より小さいので、加圧機構が無くても、必要な加熱、放熱期間で定着ベルトと記録材の間で十分な密着が得られ、安定した低温度定着が可能になる。そして放熱工程まで一貫し密着したまま搬送することで、画像のブレを防止することができるので、画像品質の良好な省エネルギー定着が実現できる。
また、請求項6記載の定着装置においては、固定式加熱体の接触面の(半径の逆数で規定される)曲率は、ベルト走行方向に直交する長手奥行き方向で直径5000mmの円の曲率より大きく、直径200mmの円の曲率より小さいので、加圧機構が無くても、必要な加熱、放熱期間で定着ベルトと記録材の間で十分な密着が得られ、安定した低温度定着が可能になる。そして放熱工程まで一貫し密着したまま搬送することで、画像のブレを防止することができるので、画像品質の良好な省エネルギー定着が実現できる。
【0058】
請求項7記載の定着装置においては、固定式加熱体は抵抗体が加熱ケース内に配置されているものであるとき、前記加熱ケースのベルト接触面の厚みは2mm以下であるので、加圧機構が無くても、必要な加熱、放熱期間で定着ベルトと記録材の間で十分な密着が得られ、安定した低温度定着が可能になる。そして放熱工程まで一貫し密着したまま搬送することで、画像のブレを防止することができるので、画像品質の良好な省エネルギー定着が実現できる。
また、請求項8記載の定着装置においては、前記加熱ケースの熱伝導率は50W/m℃以上であるので、加圧機構が無くても、必要な加熱、放熱期間で定着ベルトと記録材の間で十分な密着が得られ、安定した低温度定着が可能になる。そして放熱工程まで一貫し密着したまま搬送することで、画像のブレを防止することができるので、画像品質の良好な省エネルギー定着が実現できる。
さらに請求項9記載の定着装置においては、前記加熱ケースのベルト接触面は鏡面加工がなされているので、加圧機構が無くても、必要な加熱、放熱期間で加圧ベルトと記録材の間で十分な静電的密着が得られ、加圧ベルト背面からの押圧手段が不用であるためにユニットの駆動トルクを大幅に低減することができる。また、走行方向に長い加熱ニップ、放熱ニップを実現できるので、画像のブレを防止した良好な低温度定着が実現できる。
また、請求項10記載の定着装置においては、前記定着ベルトは厚みが100μm以下であるので、加圧機構が無くても、必要な加熱、放熱期間で定着ベルトと記録材の間で十分な密着が得られ、安定した低温度定着が可能になる。そして放熱工程まで一貫し密着したまま搬送することで、画像のブレを防止することができるので、画像品質の良好な省エネルギー定着が実現できる。
【0059】
請求項11記載の定着装置においては、ニップ部の定着ベルト裏面に接触して定着ベルトを加熱するために設けられた少なくとも一つ以上の被加熱体及び該被加熱体を加熱するための少なくとも一つ以上の発熱体を備え、被加熱体が定着ベルトと接触する面がベルト走行方向に対して凸型の曲面形状をなすため、被加熱体と定着ベルトがより密着し、被加熱体から定着ベルトへの熱伝達効率を高めることができるので、定着性向上及び良好な画像を得ることができ、画像品質の良好な省エネルギー定着が実現できる。
また、請求項12記載の定着装置においては、ニップ部において被加熱体の対向部に加圧部材を設けずに、定着ベルトと加圧ベルトにテンション(張力)をかけることで、その加圧ベルトを定着ベルトと被加熱体に密着加圧させる構成のため、被加熱体から熱伝達する部材の熱容量が上記ベルトのみで済むので、低消費電力化を図ることができ、画像品質の良好な省エネルギー定着が実現できる。
【0060】
請求項13記載の定着装置においては、前記被加熱体の凸型曲面の曲率をR20以上R500以下と大きな曲率値に指定することで、低曲率時に生じる「一対のベルトの線速差による画像ずれ」といった不具合を解消することができ、良好な画像を得ることができるので、画像品質の良好な省エネルギー定着が実現できる。
また、請求項14記載の定着装置においては、ニップ部最上流位置の被加熱体の対向部に回転型の加圧手段を設けることにより、ニップ最先端部において記録材および未定着画像に圧力を与えることができるので、その圧力により未定着画像間の空隙を減少させて被加熱体及び定着ベルトから未定着画像への熱伝達効率を高めることができ、画像品質の良好な省エネルギー定着が実現できる。
【0061】
請求項15記載の定着装置においては、ニップ部よりもさらに上流の位置に一対の回転体を設けて、ニップ部に進入する前の記録材及び未定着画像をこの回転体間で圧力を加えて狭持搬送することにより、未定着画像間の空隙を減少させることができ、ニップ部において被加熱体及び定着ベルトから未定着画像への熱伝達効率を高めることができるので、画像品質の良好な省エネルギー定着が実現できる。
請求項16記載の定着装置においては、ニップ部の最上流位置に設けられた一対の回転体のうちの少なくとも一方の回転体に発熱手段が設けられているため、ニップ部前にあらかじめ記録材及び未定着画像を加圧するだけでなく、両者に熱も与えることができるので、ニップ部に両者が進入する前に仮定着させることができ、より良好な画像を得ることができる。
【0062】
請求項17記載の定着装置においては、ニップ部において記録材及び未定着画像に熱を与える被加熱体を加熱するための発熱体が複数分割されているため、より高精度に被加熱体全体を加熱することができ、記録材及び未定着画像により適正な熱を与えることができるので、より良好な画像を得ることができる。また、複数の発熱体により被加熱体をより適正温度に加熱することができるので余分に加熱してしまうことがなく、低消費電力量化となり、画像品質の良好な省エネルギー定着が実現できる。
また、請求項18記載の定着装置においては、ニップ部内の先端部(ベルト走行方向中央部よりも上流側)の被加熱体上に発熱体を設置することにより、ニップ部内において最も熱供給量を必要とする先端部での熱供給を高めることができ、良好な画像を得ることができる.
さらに請求項19記載の定着装置においては、ニップ部内の先端部(ベルト走行方向中央部よりも上流側)の被加熱体上の厚さが最も厚いために、その部分の熱容量が最も高く、ニップ内において最も熱供給量を必要とする先端部での熱供給を高めることができ、良好な画像を得ることができる。
【0063】
請求項20記載の定着装置においては、請求項4〜19のいずれかの構成に加えて、前記定着ベルトがニッケル、ステンレス、もしくはアルミニウム製の金属ベルトであることにより、良好なベルト加熱、定着が可能になる。また、加圧機構が無くても、必要な加熱、放熱期間で定着ベルトと記録材の間で十分な密着が得られ、画像のブレを防止することができるので、画像品質の良好な省エネルギー定着が実現できる。
また、請求項21記載の定着装置においては、請求項4〜19のいずれかの構成に加え、前記定着ベルトがポリイミド系樹脂、もしくはポリベンゾイミダゾール系樹脂の樹脂ベルトであることにより、良好なベルト加熱、定着が可能になる。また、加圧機構が無くても、必要な加熱、放熱期間で定着ベルトと記録材の間で十分な密着が得られ、画像のブレを防止することができるので、画像品質の良好な省エネルギー定着が実現できる。
【0064】
請求項22記載の画像形成装置においては、定着手段として、請求項1〜22のいずれか一つに記載の定着装置を備えたことにより、定着性を向上するとともに省エネルギー化を達成し、かつブレのない良好な定着画像を得られ、省エネルギーで画像品質の良好な画像形成装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す画像形成装置の概略構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の一実施例を示す定着装置の概略構成図である。
【図3】図2に示す定着装置の固定式加熱体17の概略を示す斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施形態の一実施例を示す定着装置の概略構成図である。
【図5】本発明の第2の実施形態の別の実施例を示す定着装置の概略構成図である。
【図6】本発明の第2の実施形態のさらに別の実施例を示す定着装置の概略構成図である。
【図7】本発明の第2の実施形態のさらに別の実施例を示す定着装置の概略構成図である。
【図8】本発明の第2の実施形態のさらに別の実施例を示す定着装置の概略構成図である。
【図9】本発明の第2の実施形態のさらに別の実施例を示す定着装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1:感光体ドラム(像担持体)
2:帯電装置
3:半導体レーザー発光装置
4:現像装置
5:レジストローラ
6:転写搬送ベルト
7:クリーニング装置
8:定着装置
11,12:回転体(上テンションローラー)
13:定着ベルト
14,15:回転体(下テンションローラー)
16:加圧ベルト
21:加熱ケース
22:ベルト接触面
23:電熱抵抗線
31:回転体(入口ローラー)
32:回転体(出口ローラー)
33:定着ベルト
34:回転体(入口ローラー)
35:回転体(出口ローラー)
36:加圧ベルト
37:被加熱体
38:発熱体
39:テンションローラー
39a:スプリング
40:テンションローラー
40a:スプリング
41:発熱手段
42:スプリング(加圧手段)

Claims (22)

  1. 接触して走行する一対の無端状ベルトと、その一対の無端状ベルトの少なくとも一方を加熱する手段を有し、一対の無端状ベルトの接触部(以下、ニップ部と言う)で未定着画像が形成された記録材を挟持して搬送し、未定着画像を加熱して記録材に定着する定着装置であって、
    前記一対の無端状ベルトのニップ部のベルト面を、ベルト走行方向と略垂直な方向に弾性変形させる部材を設けたことを特徴とする定着装置。
  2. 請求項1記載の定着装置において、
    前記部材は、前記ニップ部の一方の無端状ベルトの裏面に接触して配置され、前記一対の無端状ベルトのニップ部のベルト面を湾曲させる部材であることを特徴とする定着装置。
  3. 請求項2記載の定着装置において、
    前記一対の無端状ベルトのニップ部のベルト面を湾曲させる部材は加熱手段を構成する加熱部材であり、該加熱部材のベルトと接触する面を曲面で構成したことを特徴とする定着装置。
  4. 請求項3記載の定着装置において、
    前記一対の無端状ベルトとして、定着ベルトと加圧ベルトを備え、該定着ベルトと加圧ベルト間に未定着画像が形成された記録材を挟持して搬送し、未定着画像を定着ベルトに密着させて加熱し、引き続き密着状態を維持して搬送し放熱させた後、画像面を定着ベルトから分離する構成であり、前記加熱部材として、前記ニップ部の定着ベルト裏面に接触して定着ベルトを加熱する固定式加熱体を備え、該固定式加熱体の接触面はベルト走行方向及びそれに直交する長手方向で大曲率の湾曲円筒曲面を持っていることを特徴とする定着装置。
  5. 請求項4記載の定着装置において、
    前記固定式加熱体の接触面の曲率は、ベルト走行方向で直径1000mmの円の曲率より大きく、直径100mmの円の曲率より小さいことを特徴とする定着装置。
  6. 請求項4または5記載の定着装置において、
    前記固定式加熱体の接触面の曲率は、ベルト走行方向に直交する長手奥行き方向で直径5000mmの円の曲率より大きく、直径200mmの円の曲率より小さいことを特徴とする定着装置。
  7. 請求項4,5または6記載の定着装置において、
    前記固定式加熱体は抵抗体が加熱ケース内に配置されているものであるとき、前記加熱ケースのベルト接触面の厚みは2mm以下であることを特徴とする定着装置。
  8. 請求項7記載の定着装置において、
    前記加熱ケースの熱伝導率は50W/m℃以上であることを特徴とする定着装置。
  9. 請求項7または8記載の定着装置において、
    前記加熱ケースのベルト接触面は鏡面加工がなされていることを特徴とする定着装置。
  10. 請求項4〜9のいずれか一つに記載の定着装置において、
    無端状定着ベルトは厚みが100μm以下であることを特徴とする定着装置。
  11. 請求項3記載の定着装置において、
    前記一対の無端状ベルトとして、定着ベルトと加圧ベルトを備え、前記加熱部材として、前記ニップ部の定着ベルト裏面に接触して定着ベルトを加熱するために設けられた少なくとも一つ以上の被加熱体及び該被加熱体を加熱するための少なくとも一つ以上の発熱体を備え、前記被加熱体の定着ベルトと直接接する面は、ベルト走行方向に対して凸型の曲面であることを特徴とする定着装置。
  12. 請求項11記載の定着装置において、
    前記被加熱体と直接接する定着ベルトに対して前記ニップ部で接触する加圧ベルトは、そのベルト走行方向に対して同方向に与えられたテンション(張力)により前記記録材を定着ベルトに押し圧(加圧)することを特徴とする定着装置。
  13. 請求項11または12記載の定着装置において、
    前記被加熱体の定着ベルトと直接接する凸型曲面は、曲率がR20以上、R500以下であることを特徴とする定着装置。
  14. 請求項11〜13のいずれか一つに記載の定着装置において、
    前記被加熱体の凸型曲面のベルト走行方向上流位置に、回転体型の加圧手段が設けられていることを特徴とする定着装置。
  15. 請求項11〜13のいずれか一つに記載の定着装置において、
    前記被加熱体の凸型曲面のベルト走行方向最上流位置よりもさらに上流位置に一対の回転体が設けられていることを特徴とする定着装置。
  16. 請求項15記載の定着装置において、
    前記一対の回転体のうち、少なくとも一方の回転体を加熱するための発熱手段が具備されていることを特徴とする定着装置。
  17. 請求項11〜16のいずれか一つに記載の定着装置において、
    前記被加熱体を加熱するための発熱体が、ベルト走行方向に対して直角方向に複数分割されていることを特徴とする定着装置。
  18. 請求項11〜17のいずれか一つに記載の定着装置において、
    前記被加熱体を加熱するための発熱体が、ベルト走行方向に対して被加熱体上の中央部よりも上流側に設置されていることを特徴とする定着装置。
  19. 請求項11〜18のいずれか一つに記載の定着装置において、
    前記被加熱体の厚さが、ベルト走行方向に対して上流側にいくほど厚くなることを特徴とする定着装置。
  20. 請求項4〜19のいずれか一つに記載の定着装置において、
    前記定着ベルトがニッケル、ステンレス、もしくはアルミニウム製の金属ベルトであることを特徴とする定着装置。
  21. 請求項4〜19のいずれか一つに記載の定着装置において、
    前記定着ベルトがポリイミド系樹脂、もしくはポリベンゾイミダゾール系樹脂の樹脂ベルトであることを特徴とする定着装置。
  22. 像担持体上に潜像を形成し、該潜像を現像剤で現像して可視画像を形成する手段と、前記像担持体上の画像を記録材に転写する手段と、前記記録材上の未定着画像を定着する手段を備えた画像形成装置において、
    前記定着手段として、請求項1〜22のいずれか一つに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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