JP2002097819A - 送電鉄塔の組立て方法および送電鉄塔組立て装置 - Google Patents
送電鉄塔の組立て方法および送電鉄塔組立て装置Info
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Abstract
を掛けず、活線状態のまま高い鉄塔を簡易かつ安全に構
築することができる市街地における元位置鉄塔建替えに
好適な鉄塔組立て方法と組立て装置を提供する。 【解決手段】既設送電鉄塔Aの所要側面を開放し、既設
送電鉄塔内に構築した塔体基礎1の周りにせり上げ装置
を据付け、既設送電鉄塔Aの外部に準備した鋼管を単位
長さに分割した鉄塔部材6a〜6iの最上位の鉄塔部材
6aを既設送電鉄塔Aの開放側面bから搬入し、これを
せり上げ装置により既設送電鉄塔内で所要高までせり上
げ、該鉄塔部材6aに次位の鉄塔部材6bを接続し既設
鉄塔内で上位側の鉄塔部材6aの振れを防止しながら全
体をせり上げ、次位の鉄塔部材6bに開放側面から搬入
した下位の鉄塔部材6cを接続してせり上げる。かかる
工程を既設送電鉄塔Aから上位側の鉄塔部材が所要長さ
突出するまで繰り返し、最下位の鉄塔部材6iを塔体基
礎1に連結することにより鋼管単体鉄塔Tを構築する。
Description
送電鉄塔の組立て方法および鉄塔組立て装置に関する。
る支柱を組み付け連結し、支柱間にブレース類を連結し
て構成されている。かかる送電鉄塔は、建設されてから
長年月を経ると、周辺に高架構造物や高層建造物が出現
することなどにより電線地上高の不足が生ずる。この対
策としては、既設の送電鉄塔を解体しその敷地に新たな
送電鉄塔を建設することが考えられる。しかし、送電鉄
塔の周辺は年月の経過とともに開発が進んで人家が密集
していることが多く、この場合、スペースの狭い用地で
新たに鉄鋼材を組み付け、しかもそれを活線条件下で実
施することは不可能に近く、多大の時間と費用さらには
周辺住民の活動の制限が不可避的である。このため、鉄
塔建替えが必要とされながらその実施が遅れていたもの
である。
解決するためになされたもので、その目的とするところ
は、既設送電鉄塔内用地内でしかも既設鉄塔に荷重を掛
けず、活線状態のまま高い鉄塔を簡易かつ安全に構築す
ることができる市街地における元位置鉄塔建替えに好適
な鉄塔組立て方法を提供することにある。また、本発明
の他の目的は、前記方法の実施に好適な鉄塔組立て装置
を提供することにある。
め、第1発明は、既設送電鉄塔の所要側面を開放すると
ともに頂部を切除し、既設送電鉄塔内に塔体基礎を構築
するとともにこの周りにせり上げ装置を据付け、既設送
電鉄塔の外部には鋼管を単位長さに分割した鉄塔部材を
準備し、既設送電鉄塔の開放側面から最上位の鉄塔部材
を搬入し、これをせり上げ装置により既設送電鉄塔内で
所要高までせり上げ、該最上位の鉄塔部材に次位の鉄塔
部材を接続し既設鉄塔内で上位側の鉄塔部材の振れを防
止しながら全体をせり上げ、次位の鉄塔部材に開放側面
から搬入した下位の鉄塔部材を接続してせり上げ、かか
る工程を既設送電鉄塔から上位側の鉄塔部材が所要長さ
突出するまで繰り返し、最下位の鉄塔部材を塔体基礎に
連結して鋼管単体鉄塔を構築することを特徴としてい
る。
え付けられ、内側複数箇所にガイドレールを縦設した枠
状の架台と、前記架台内に配され、前記ガイドレールに
沿って移動する転輪を外側に有し、内側には各鉄塔部材
の円周上数か所に対する複数の吊りアームを有する昇降
自在なせり上げ用搬器と、前記架台の頂部に設けられ、
せり上げた鉄塔部材に接続した下位の鉄塔部材をせり上
げ用搬器の吊りアームと連結して吊り上げるべくせり上
げ用搬器が降下している間、上位側の鉄塔部材を一時的
に支える支持手段と、前記支持手段よりも上方に設けら
れ、鉄塔部材のせり上げ時に上位側の鉄塔部材が垂直状
に保たれつつ上昇されるように半径方向から保持するガ
イドサポート手段とを備えていることを特徴としてい
る。
分割され連結されることにより所定高さが得られるよう
になっており、しかも最下位の架台部分が既設送電鉄塔
内の基礎に設けたリブに連結されるリブを有している。
また、前記ガイドサポート手段は、支持手段のフレーム
上に立設された複数本のガイドレールと、それらガイド
レールに沿って移動可能な台車と、台車に装備され鉄塔
部材の径の変化に対応可能な可変長の連結要素とを備え
ている。さらに、支持手段は、複数の油圧シリンダと、
先端に鉄塔部材の外周に対するクランプ部材を有し前記
油圧シリンダによって水平面内で傾動可能な複数のアー
ムとを備えている。
参照して説明する。図1ないし図16は本発明による送
電鉄塔の組立て方法の一例を示している。本発明は、ま
ず、既設送電鉄塔内での作業スペースの確保と新設鉄塔
用の鉄塔部材の搬入およびせり上げのために前作業を実
施する。すなわち、第1ステップとして、図1のよう
に、上方への新設鉄塔の突出を可能にするために、既設
送電鉄塔(以下既設鉄塔と称す)Aの頂部aを切断す
る。そして、既設鉄塔Aに設備されている地線を移線
し、さらに、既設鉄塔Aの下半部領域の側面に開口部b
を形成する。しかし、既設鉄塔Aの腕金はそのままにし
ており、送電線は活線状態にされる。
敷地内に基礎工事を行い、新規鉄塔の基礎を構築する。
この方法は任意であり、たとえば、既設鉄塔の敷地内を
掘削し、基礎体Cを前記開口部bから搬入して掘削孔に
挿入し、鉄筋組をしてコンクリートを打設することで行
われる。そして、このときに基礎から多数本の据付け用
ボルトdを突設させておく。
端部(脚部材)1を設けるとともに、その基礎天端部1
を取り囲むようにせり上げ装置の架台2を据え付ける。
前記基礎天端部1は、周囲に据付け用ボルトdを挿通す
るためのフランジ100を有し、据付け用ボルトdの頂
部にナットを螺合することにより強固に基礎と一体化さ
れる。基礎天端部1は頂部に連結用フランジ101を有
し、胴部にはたとえば90度間隔で半径方向に張り出す
リブ102が設けられている。
入搬出と組立てを容易にし、また、既設鉄塔Aの開口部
bの大きさを鉄塔の強度に不安を生じさせずに済む必要
最少限の大きさにするために、ベース部2A、中間架台
部2B,頂部架台部2Cなど複数の部分に分割されてい
る。
礎天端部1の周りのコンクリート面に接地する4本の脚
部200とそれらを相互につなぐ横梁部201を有し、
さらに横梁部201の内側には前記リブ102に対応す
るリブ202が突設されている。それらリブ102,2
02は連結ボルトにより締結され、それによりベース部
2Aと基礎天端部1とが一体化されるので、せりあげ用
の架台2は安定した据付け状態とされる。ベース部2A
の側方にはクライミングウインチEが据え付けられる。
の開口部bから中間架台部2Bおよび頂部架台部2Cが
クレーンGで順次搬入され、前記ベース部2Aに据付け
連結されることにより、図8と図9に示すように、所要
高さのせりあげ用の架台2が組み立てられる。
れ、また、架台2の上部には新設用の鉄塔部材のせり上
げ時に、上位側の鉄塔部材を半径方向から一時的に支え
る支持手段4が据付けられ、その支持手段4の上に、鉄
塔部材のせり上げ時に上位側の鉄塔部材が傾斜せず垂直
状に保たれるように半径方向から支持・ガイドするガイ
ドサポート手段5が据付け固定される。そして、せり上
げ用搬器3は多連シーブを介して前記クライミングウイ
ンチEに接続される。中間または頂部架台部2B,2C
は適宜控え用のワイヤロープによって既設鉄塔Aの基部
と連結される。以上で準備が完了する。
た複数本の単位鋼管からなっている。すなわち、図10
や図14に示すように、直径がたとえば400〜140
0mmの範囲で順次変化した所要の単位長さ(たとえば
2〜6mの範囲)の鋼管が使用される。図14では、一
例として9本の鉄塔部材6a〜6iが示されており、図
10は最上位から3番目までの鉄塔部材6a,6b,6
cを代表的に示している。各鉄塔部材は、上下端部に接
続用のフランジ60,61が設けられ、かつ、少なくと
も下端付近の周面に穴付きブラケット62がたとえば9
0度間隔で設けられる。また、好適には、前記ガイドサ
ポート手段5との連結のためのブラケット類が配設され
る。なお、既設鉄塔Aの頂部aから突出しあるいは頂部
付近に位置することになる鉄塔部材は、その径に応じて
現場溶接にて接続されるので、その場合にはフランジは
設けられないくてもよい。
詳細を説明しておく。図17ないし図20はその一実施
例を示している。せりあげ用の架台2の中間架台部2B
と頂部架台部2Cは、図17と図19のように、4隅の
柱フレーム20とこれらを結ぶ横梁材21を備え、全体
として平面が矩形枠を呈するように構成されており、既
設鉄塔の開口部bと同じ側面には鉄塔部材6a〜6iの
搬入に適する開口22bが設けられている。また、中間
架台部2Bと頂部架台部2Cの4隅の柱フレーム20に
は、それぞれ溝形鋼などからなるガイドレール23が縦
設されている。
0を有し、フレーム30の対向する2面に前記クライミ
ングウインチEからのせり上げ用ロープeの端末がシー
ブを介して連結されており、また、フレーム30の各隅
の上下端部には前記架台2のガイドレール23に接する
転輪31,31が取り付けられている。また、せり上げ
用搬器3のフレーム30内側には、鉄塔部材6a〜6h
と半径方向から連結してせり上げ力を伝達するための複
数組の吊りアーム32が設けられている。
6hの前記穴付きブラケットとピンないしボルト連結さ
れるヨーク状の連結部を先端に有しているが、鉄塔部材
6a〜6hは前述したように直径が400〜1200m
mの範囲で変化している。そのため、各組の吊りアーム
32は、図17のように、基端がフレーム30にピボッ
ト軸320にて角度可変に枢支される。さらに、吊り角
度ができるだけ変化しないようにするため、各吊りアー
ム32は少なくとも、大径対応用の第1段部32aと小
径対応用の第2段部32bとを軸によって連結・分離可
能につないでいる。
ム32との連結が解かれ、せり上げ用搬器3が下降して
下位の鉄塔部材を吊りアーム32と連結するまでの間、
1本以上の上位側の鉄塔部材を半径方向からクランプし
て垂直を保つように支えるためのものであるが、もちろ
ん、垂直荷重を一時的に支える機能も有している。この
支持手段4は、頂部架台部2Cに据え付けられ内側に鉄
塔部材が貫通される空間を形成した矩形状の台枠フレー
ム40と、この台枠フレーム40内の対偶位置に横置さ
れた1対の手動操作型の油圧シリンダたとえばジャッキ
シリンダ41,41と、基端が台フレーム40に枢支さ
れ、自由端側に鉄塔部材と接するクランプ部材43を首
振り可能に連結した1組の水平アーム42,42とを備
えている。
は水平アーム42,42の中間部位に連結されている。
クランプ部材43は鉄塔部材との接触面にゴムなどの弾
性部材430が取り付けられている。支持手段4は半径
方向すなわち既設鉄塔との間にスペースがある場合に
は、鉄塔部材の軸線と直角状に油圧シリンダを配置し、
油圧シリンダのピストンロッド先端にクランプ部材を連
結する構成としてもよい。しかし、この構成では大型化
を避けられず、既設鉄塔A内への搬出入に難点がある。
前記のような構成にした場合には、コンパクトでしかも
鉄塔部材の径の変化に自在に対応することができる利点
がある。
の台枠フレーム40上に45度角度をずらせるように設
けた支持座45に下部が固定された複数基のガイドレー
ル50と、各ガイドレール50に沿って昇降可能な複数
の台車51と、それぞれの台車51に装備され鉄塔部材
の径の変化に対応可能なように繰出し繰込可能(可変
長)な連結要素52とを備えている。
らなっていて、少なくとも90度間隔で4本配置され
る。その間隔は架台2を突出する鉄塔部材の最大径のも
のが適度のゆとりをもって移動しうる大きさとする。ガ
イドレール50の高さは適宜設定されるが、好ましく
は、既設鉄塔Aの切断された頂部aに達するかまたはそ
の近傍に達する寸法を有している。したがって、ガイド
レール50は所定長さに分割されたものを、継手によっ
て連結することにより構成される。
0によって連結されており、各台車51はガイドレール
50に外れないように接する複数組のコロ510を有し
ている。可変長の連結要素52は、手動ジャッキや入子
式のロッドなどでもよいが、この例では台車51に取り
付けられたレバーブロックやチェーンブロックからなっ
ており、繰出し巻き込みされるチェーン520が先端の
フックで鉄塔部材のブラケットに連結され、あるいは鉄
塔部材の外周に巻回される。なお、架台2の中間等適所
には図17のように作業用デッキ9が設置される。
説明する。本発明は、基本的には、図14のように、細
径の鉄塔部材(鉄塔最上位となるべき部分)6から相対
的に太径の鉄塔部材6b,6c…6hを既設鉄塔A内に
順次搬入し、上位の鉄塔部材と下位の鉄塔部材とを接続
し、せり上げる操作を必要な塔高さになるまで反復し、
最下位の太径の鉄塔部材6iをそれより上方の一連の頭
部体と接続するとともに、前記基礎天端部1と剛結し、
図16に示すような鋼管単体鉄塔Tを得るのである。
いる。詳しく説明すると、基礎天端部1の天頂には側方
から内部に手を挿入してボルト締結操作が可能な組立て
ベース7を固定しておく。まず、外部クレーンにより最
上用の細径の第1鉄塔部材6aを吊り上げ、既設鉄塔A
の開口部bから既設鉄塔内に搬入し、せりあげ用の架台
2の開口部22bを通して内部に取り込み、組立てベー
ス7上に受支させる。
最上レベルに移動されている。次いでせり上げ用搬器3
の下降により第1鉄塔部材6aはせり上げ用搬器3に遊
嵌される形となり、せり上げ用搬器3が下限位置で停止
されたときに90度間隔に位置する各吊りアーム32,
32を第1鉄塔部材6aの穴付きブラケット62とそれ
ぞれ係合させ、ボルトなどで連結する。この状態が図1
1(a)である。
既設鉄塔Aに接触しあるいは倒れる危険を防止するた
め、鉛直度の監視制御手段を装備させる。具体的には、
図12のように、第1鉄塔部材6aの下端フランジ部6
1にXおよびYの両方向の傾斜角度を検出可能な傾斜角
度検出器8を取り付け、該傾斜角度検出器8の出力部と
接続したケーブル80を架台基部に導き、傾斜表示器8
1に接続する。この傾斜表示器81を常時監視し、せり
上げ中に万一所定の傾きが発生したときには、警報を発
するとともにクライミングウインチE等の作動を停止さ
せ、傾斜を修復する。傾斜表示器81は場合よってはC
PUを含むコントローラと接続され、警報とクライミン
グウインチE等の作動系とを自動的に制御するようにし
てもよい。
せ、せり上げ用搬器3を上昇させる。 せり上げ中、せ
り上げ用搬器3は各隅に設けられている転輪31がそれ
ぞれ架台2のガイドレール23にはまった状態で移動し
てゆくため、せり上げ用搬器3は安定性よく移動する。
また、第1鉄塔部材6aは90度ごとに吊りアーム3
2,32に連結固定されているので、せり上げ用搬器3
内で横ぶれせず、安定した垂直状態に支持されつつ、せ
り上げ用搬器3とともに移動され、第1鉄塔部材6aの
上半部は支持手段4のレベルよりも上位に突出する。
bは図11(a)のようにクレーンGにより吊られて待
機している。所定揚程までせり上げられた第1鉄塔部材
6aがその位置に保持されると、前記第2鉄塔部材6b
が架台内に搬入され、下端のフランジ61をもって第1
鉄塔部材6aの直下の組立てベース7上に受支される。
フランジ61は必要に応じて組立てベース7に仮止めさ
れる。この状態でせり上げ用搬器3は少し下降され、第
2鉄塔部材6bの上端のフランジ60と第1鉄塔部材6
aの下端のフランジ61とが接続される。この接続作業
は、第2鉄塔部材6bが中空上に吊られた状態ではな
く、組立てベース7上に立てられた状態であるため容易
である。接続は、通常の場合、フランジ60,61同士
をボルト締結することで行われるが、既設鉄塔Aの切断
されている頂部の開口寸法と鉄塔部材の径によっては、
ボルト結合でなしに現場溶接で接続する。
bの接続が終わると、支持手段4を作動させて第1鉄塔
部材6aを半径方向からクランプする。すなわち、油圧
シリンダ41,41を作動すれば、ピストンロッドの伸
長によって1組の水平アーム42,42が水平面上で内
方へ傾動し、先端のクランプ部材43,43が第1鉄塔
部材6aの約180度対称位置をしっかりと把持する。
向(これは吊りアーム32,32との連結位置と45度
程度変位している)にあるガイドサポート手段5の可変
長の連結要素52,52を連結する。これは台車51に
装備されているレバーブロックなどを操作して条体を繰
出し、条体の先端を鉄塔部材6aの金具に連結し、ある
いは鉄塔部材外周に巻止めすることで行われる。これが
図11(b)の状態である。
組の吊りアーム32,32と第1鉄塔部材6aの穴付き
フランジとの連結を解除し、クライミングウインチEを
作動させてせり上げ用搬器3を第2鉄塔部材6bの周り
で下降させる。これにより最第1と第2の鉄塔部材6
a,6bは一時的に支持手段4によって半径方向から支
持され、せり上げ用搬器3の降下中の周方向の位置ず
れ、傾きの発生が防止される。
ば、吊りアーム32,32を第2鉄塔部材6bの穴付き
フランジ62と連結する。これを確認したならば、支持
手段4を開放側に作動させて第1鉄塔部材6aの保持を
解除するとともに、クライミングウインチEを作動して
せり上げ用搬器3を上昇させる。図11(c)はこの状
態であり、これにより、第2鉄塔部材6bおよびこれと
接続一体化されている第1鉄塔部材6aはせり上げられ
る。
上方において円周上の複数個所でガイドサポート手段5
の連結要素52,52に連結されており、連結要素5
2,52の基部の台車51,51は垂直上の各ガイドレ
ール50,50にコロ510,510によって係合して
いる。このため、鉄塔部材6aのせり上がりに伴って連
結要素52,52を搭載している台車51,51はガイ
ドレール50,50に沿って同期移動し、連結要素5
2,52により半径方向から牽引されている第1鉄塔部
材6aは、横ぶれすることなく、垂直を保ってスムーズ
に上昇してゆく。第1鉄塔部材6aが垂直状にせり上げ
られるため、第1鉄塔部材6aと接続されている第2鉄
塔部材6bは、せり上げ用搬器3の吊りアーム32,3
2に引っ張られて円滑に上昇する。
り、第2鉄塔部材6bが頂部架台部分2Cから上方に突
出すると、既設鉄塔Aの外部に待機していた第3鉄塔部
材6cが架台2内に搬入され、組立てベース7上に立て
られる。そして、第2位鉄塔部材6bの下端フランジと
前述したような方法で接続される。そして、この接続が
完了すると、支持手段4が作動され、第2鉄塔部材6b
を軸線と直角方向から一時的に把持固定する。そして、
せり上げ用搬器3の吊りアーム32,32の第2鉄塔部
材6bとの連結が解除され、せり上げ用搬器3が第3鉄
塔部材6cの下方まで下降され、前回と同じように吊り
アーム32,32を第3鉄塔部材6cの穴付きフランジ
62,62と連結する。吊りアーム32,32は基端が
フレームに枢支されかつ複数の節によって角度可変であ
り、かつ節が取外し可能となっているため、鉄塔部材の
外径の変化に自在に追従することができる。
ならば、支持手段4を開放側に作動させて第2鉄塔部材
6bの保持を解除するとともに、クライミングウインチ
Eを作動してせり上げ用搬器3を上昇させる。これによ
って第1ないし第3鉄塔部材6a,6b,6cは一体一
連の状態でせり上げられ、その時に、架台2の上方で
は、第1鉄塔部材6aを半径方向から支えているガイド
サポート手段5の台車51,51がガイドレール50,
50に沿って上方へと同期移動する。したがって、第1
鉄塔部材6aの高さレベルは第3鉄塔部材6cの長さ分
だけ増すが、連結要素52,52により半径方向から牽
引されているため、横ぶれすることなく、垂直を保って
スムーズに上昇することができる。このせり上げ中の鉄
塔部材の垂直度は常時傾斜角度検出器8によって検出さ
れるので安全である。
下の漸次太径の鉄塔部材6d・・・が上位の鉄塔部材と
順次接続され、支持手段4による支持、せり上げ用搬器
3の吊りアーム32,32と鉄塔部材との連結解除、せ
り上げ用搬器3の下降、せり上げ用搬器3の吊りアーム
32,32の鉄塔部材との接続、支持手段4による支持
解除、せり上げ用搬器3の上昇という作業が繰り返され
ることにより、図14(c)〜(h)のように鉄塔が組
み立てられつつせりあげられてゆく。
6aを半径方向から支えているガイドサポート手段4の
台車51,51がガイドレール50,50に沿って上方
へと移動して連結要素52,52により横ぶれが防止さ
れる。ガイドサポート手段5の台車51,51がガイド
レール50,50の最上位に達すると、連結要素52,
52は鉄塔部材との連結が解除され、台車51,51を
ガイドレール50,50に沿って下降させられる。
2は求心方向に繰り出され、第1鉄塔部材6a位より下
位の鉄塔部材と連結しなおされる。連結要素52,52
は可変長であるから、鉄塔部材の径の変化に簡単に追従
することができ、これにより、鉄塔部材(塔体)は高さ
が増しても傾かずに安定してせりあげられる。かかるガ
イドサポート手段5の鉄塔部材に対する付替えは、各回
のせり上げごとに行われてもよいし、数回のせり上げご
とに1回行われてもよい。
例では第9鉄塔部材6i)が架台2内に搬入され、組立
てベース7を撤去した基礎天端部1に強固に接続され
る。そして、この第9鉄塔部材6iは、すでに相互に接
続されてせり上げられている鉄塔部分T’の最下位の第
8鉄塔部材6hと接続される。これで図14(h)のよ
うに既設鉄塔内に新規な鋼管鉄塔Tが建設されたことに
なる。
台2、支持手段4、ガイドサポート手段5を既設鉄塔A
内から撤去し、ラフタークレーンFなどにより鋼管鉄塔
Tの上部に腕金tを取り付け、それら腕金tに送電線を
架線する。そして、既設鉄塔Aを解体し、撤去する。こ
れで図16に示す新設単体鉄塔が完了する。本発明にお
いては、既設鉄塔の送電線を活線状態にしたままで鋼管
鉄塔Tを完成させるので、停電時間を最少限とすること
ができる大きなメリットがある。
きには、既設鉄塔Aを有効に活用してその敷地内でしか
も既設鉄塔Aに荷重をかけずかつまた送電線を活線状態
のまま容易に鉄塔を新設することができ、せり上げ時に
既設鉄塔内で上位鉄塔部分の振れを防止しながら行なう
ので、新設塔体が高くても安全かつスムーズにせり上げ
を行なうことができ、人家が密集し用地スペースが十分
にとれない場所においても短期間で円滑に元位置鉄塔建
替えを行なえるというすぐれた効果が得られる。
をかけることなく新設鉄塔を組み立てることができ、し
かも、架台2のガイドレール23,23に沿ってせり上
げ用搬器3が上昇し、このときに架台の上方では漸次高
さが増す新設鉄塔の上部をガイドサポート手段5で半径
方向から支えるので、次第に高さが増す鉄塔部材がせり
上げ中に横振れすることが無く、また、ガイドサポート
手段5より下方で支持手段4がせり上げ用搬器3の下降
し次のせり上げを開始する間、鉄塔部材を半径方向から
しっかりと支えるので、鉄塔部材の確実な安定性と垂直
性が確保され、安全かつスムーズに新規鉄塔建設を行な
えるというすぐれた効果が得られる。
数に分割されており、最下位の架台部分2Aが既設送電
鉄塔内の基礎に設けたリブ102に連結されるようにな
つているので、架台2が新設鉄塔基礎と一体化され、強
固に据え付けられ、したがって、せり上げ中に架台2が
ぐらついたりせず、安全かつスムーズに新規鉄塔のせり
上げを行なえるというすぐれた効果が得られる。
は、支持手段4のフレーム上に立設された複数本のガイ
ドレール50,50と、それらガイドレール50,50
に沿って昇降可能な台車51,51と、台車51,51
に装備され鉄塔部材の径の変化に対応して可変長の連結
要素52,52とを備えているので、径が漸次変化する
鉄塔部分の上部が常に半径方向から支えられながらスム
ーズにせり上げられることになり、倒れによる既設鉄塔
への荷重付加あるいは活線状態にある送電線の切断とい
ったトラブルの発生を回避することができるというすぐ
れた効果が得られる。
塔部材の外周に対するクランプ部材43を有しかつ油圧
シリンダ41によって水平面内で傾動可能なアーム42
を複数備えているので、鉄塔部材の径の変化に自在に追
従することができ、しかも油圧シリンダ41が外部へ突
出しないコンパクトな構造とすることができ、既設鉄塔
への搬出入や据付けが容易となるというすぐれた効果が
得られる。
第1ステップを示す正面図である。
る。
部材の第1から第3の鉄塔部材の例を示す側面図であ
る。
のせり上げ工程の説明図である。
説明図である。
す斜視図である。
て完了までの状態を段階的に示す側面図である。
面図である。
す側面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】既設送電鉄塔Aの所要側面を開放するとと
もに頂部を切除し、既設送電鉄塔内に塔体基礎1を構築
するとともにこの周りにせり上げ装置を据付け、既設送
電鉄塔Aの外部には鋼管を単位長さに分割した鉄塔部材
6a〜6iを準備し、既設送電鉄塔Aの開放側面bから
最上位の鉄塔部材6aを搬入し、これをせり上げ装置に
より既設送電鉄塔内で所要高までせり上げ、該鉄塔部材
6aに次位の鉄塔部材6bを接続し既設鉄塔内で上位側
の鉄塔部材6aの振れを防止しながら全体をせり上げ、
次位の鉄塔部材6bに開放側面から搬入した下位の鉄塔
部材6cを接続してせり上げ、かかる工程を既設送電鉄
塔Aから上位側の鉄塔部材が所要長さ突出するまで繰り
返し、最下位の鉄塔部材6iを塔体基礎1に連結して鋼
管単体鉄塔Tを構築することを特徴とする送電鉄塔の組
立て方法。 - 【請求項2】既設送電鉄塔A内の基礎上に据え付けら
れ、内側複数箇所にガイドレール23を縦設した枠状の
架台2と、 前記架台2内に配され、前記ガイドレール23に沿って
移動する転輪31を外側に有し、内側には各鉄塔部材の
円周上数か所に対する複数の吊りアーム32,32を有
する昇降自在なせり上げ用搬器3と、 前記架台2の頂部に設けられ、せり上げた鉄塔部材に接
続した下位の鉄塔部材をせり上げ用搬器3の吊りアーム
32,32と連結して吊り上げるべくせり上げ用搬器3
が降下している間、上位側の鉄塔部材を一時的に支える
支持手段4と、 前記支持手段4よりも上方に設けられ、鉄塔部材のせり
上げ時に上位側の鉄塔部材が垂直状に保たれつつ上昇さ
れるように半径方向から保持するガイドサポート手段5
とを備えていることを特徴とする送電鉄塔組立て装置。 - 【請求項3】架台2が高さ方向で複数に分割され連結さ
れることにより所定高さが得られるようになっており、
最下位の架台部分2Aが既設送電鉄塔内の基礎に設けた
リブ102に連結されるリブ202を有している請求項
2に記載の送電鉄塔組立て装置。 - 【請求項4】ガイドサポート手段5は、支持手段4のフ
レーム上に立設された複数本のガイドレール50,50
と、それらガイドレール50,50に沿って移動可能な
台車51,51と、台車51,51に装備され鉄塔部材
の径の変化に対応可能な可変長の連結要素52とを備え
ている請求項2に記載の送電鉄塔組立て装置。 - 【請求項5】支持手段4は、複数の油圧シリンダ41,
41と、先端に鉄塔部材の外周に対するクランプ部材4
3を有し前記油圧シリンダ41によって水平面内で傾動
可能な複数のアーム42,42とを備えている請求項2
に記載の送電鉄塔組立て装置。
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