JP2002097387A - 無機粒子の水性分散体の製造方法 - Google Patents

無機粒子の水性分散体の製造方法

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JP2002097387A
JP2002097387A JP2000287788A JP2000287788A JP2002097387A JP 2002097387 A JP2002097387 A JP 2002097387A JP 2000287788 A JP2000287788 A JP 2000287788A JP 2000287788 A JP2000287788 A JP 2000287788A JP 2002097387 A JP2002097387 A JP 2002097387A
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aqueous dispersion
inorganic particles
particles
filter
coarse particles
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JP2000287788A
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Hidenori Suzuki
秀紀 鈴木
Nobuo Kawahashi
信夫 川橋
Katsuyuki Kakigi
克之 柿木
Yoshihisa Nakase
吉久 中瀬
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JSR Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長時間保管しておいても沈降物が発生しにく
いなど分散安定性が良好であり、粒子の粗大凝集体が極
めて少ない、優れた特性の無機粒子の水性分散体の製造
方法を提供する。 【解決手段】 無機粒子を水系媒体体中に分散させ、最
大遠心加速度の積算値が4,500,000G・sec
未満の遠心力を印加して粗大粒子を遠心分離することを
特徴とする無機粒子の水性分散体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化粧品、塗料、半
導体ウェハーの研磨用スラリー等に用いることができ、
保管中の増粘やゲル化、沈降分離などの問題がない、安
定性の高い無機粒子の水性分散体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】化粧品、塗料、半導体ウェハーの研磨用
スラリーとして、無機粒子の水性分散体が用いられてい
る。しかし、無機粒子は2次凝集が激しいため、その水
性分散体を製造する場合には、水中で凝集体を破壊・解
砕する必要がある。凝集体の破壊が不十分であると、保
管中に水性分散体が経時的に増粘したりゲル化したりし
て流動性を失って使用できなくなるという問題、保管中
に凝集体が沈殿して分離するという問題、半導体ウェハ
ーの研磨の際に粗大な凝集体により研磨面にスクラッチ
が発生するという問題等が生ずる。無機粒子の凝集体を
破壊・解砕して水性分散体を製造する方法としては、ワ
ーリングブレンダーやハイシェアミキサーのような高速
撹拌型の分散装置を使用する方法(特開平3−5011
2号公報)や、ジェットストリームミキサーのような粉
体導入混合分散機、或いは歯付きコロイドミル/ディゾ
ルバー/スキム攪拌機を組み合わせた装置(日本アエロ
ジル(株)カタログNo.19「アエロジルの取り扱い
方法」P38)を用いる方法が、従来より知られてい
る。しかしながら、何れの方法も、凝集体を十分に破壊
・解砕できず、用途に鑑みて無視できない量の粒径5μ
m以上の粗大粒子が残留して、増粘したりゲル化した
り、凝集体が沈殿して分離するという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記した従
来の技術の問題点を背景になされたものであり、長時間
保管しておいても沈降物が発生しにくいなど分散安定性
が良好であり、粒子の粗大凝集体が極めて少なく、例え
ば半導体ウェハーの研磨に使用する際にスクラッチの発
生が少ない、優れた特性の無機粒子の水性分散体の製造
方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、無機
粒子を水系媒体体中に分散させ、最大遠心加速度の積算
値が4,500,000G・sec未満の遠心力を印加
して粗大粒子を遠心分離することを特徴とする無機粒子
の水性分散体の製造方法である。ここで、最大遠心加速
度とは、無機粒子の水性分散体を遠心分離する際の回転
軸心Cから最大半径Rmax の位置(遠心分離対象の水性
分散体が入れられている容器内の最外位置)での遠心加
速度をいう(図1参照)。また、Gは重力加速度であ
る。また、粗大粒子とは、粒径5μm以上の無機粒子を
いう。粒径5μm以上の粗大粒子数が、スラリー中の固
形分濃度20wt%換算で5000個/mL以下であれ
ば、化学機械研磨用スラリーとして用いることができる
(=用いた場合にスクラッチを発生させない)と考えら
れるため、本願では、粗大粒子を粒径5μm以上と定義
している。換言すれば、本願の製造方法によって粗大粒
子が除去された水性分散体では、該水性分散体中の粗大
粒子数が、固形分濃度20wt%換算で5000個/m
L以下、好ましくは3000個/mL以下、更に好まし
くは1000個/mL以下に低減されている。最大遠心
加速度の積算値が4,500,000以上であると、粗
大粒子ばかりでなく、目的とする無機粒子の水性分散体
(例えば、半導体ウェハーの研磨用の水性分散体)に必
要な微細な粒子まで分離されてしまうため好ましくな
い。最大遠心加速度の積算値は、好ましくは300,0
00〜1,500,000G・sec、更に好ましくは
600,000〜1,200,000G・secであ
る。最大遠心加速度の積算値が300,000G・se
c未満であると、粗大粒子を十分に遠心分離することが
できない。請求項2の発明は、請求項1の製造方法に於
いて、最大遠心加速度が2,500G未満であることを
特徴とする。最大遠心加速度が2,500G以上になる
と、粗大粒子を分離することはできるが、目的物である
無機粒子の水性分散体(例:半導体ウェハーの研磨用の
水性分散体・CMPスラリー)にとって必要な微細粒子
まで分離されてしまわないようにするために、遠心力の
印加時間を精密に制御する必要が生ずる。そのような制
御は困難な場合があるため好ましくない。最大遠心加速
度は、好ましくは500〜2,250G、更に好ましく
は1,000〜2,000Gである。最大遠心加速度が
500G未満であると、粗大粒子を実用的な時間内に十
分に遠心分離することができない。遠心分離装置に用い
るロータは特に限定されない。公知のアングルロータ、
スウィングロータ、連続遠心ロータ等を用いることがで
きる。無機粒子を水系媒体中に分散させる方式は特に限
定されないが、例えば、攪拌ブレードを副回転軸により
回転させつつ副回転軸を主回転軸により回転させる遊星
方式を用いることができる。また、無機粒子を吸引しな
がら水系媒体中に直接分散する粉体導入混合分散機や、
流体を衝突させて分散させる高圧ホモジナイザー、或い
はビーズミルのような分散機を用いることができる。な
お、遊星方式の混練機については本出願人の出願である
特開平12−458号公報(JSR7748)の段落番
号0008に詳述されている。また、粉体導入混合分散
機と高圧ホモジナイザーとビーズミルについては特開平
12−458号公報の段落番号0013に詳述されてい
る。このため、ここでの説明は省略する。なお、上記の
混練機や分散装置は、無機粒子の水性分散体中への金属
汚染をできるだけ防ぐため、ポリウレタンやテフロン
(登録商標)やエポキシ樹脂等のライニングや、ジルコ
ニア等のセラミックスライニングを、内壁や撹拌羽根等
の接液部・接粉部に施して、耐磨耗性を高めたものが好
ましい。無機粒子を水系媒体中に分散させる濃度は、1
0〜90重量%、好ましくは40〜85重量%、さらに
好ましくは50〜80重量%である。固形分濃度が10
重量%より少ないと、分散効率が悪いため、得られた水
性分散体中に凝集物が多量に残り、保管中に沈降・分離
するという問題が生ずる。一方、濃度が90重量%より
高いと、分散装置の負荷が大きすぎて攪拌動作が停止す
るという問題が生じたり、その状態で無理に攪拌動作を
続けると過剰に分散されてしまうため、再凝集により1
0μm以上の粗大粒子が多量に発生する場合もある。
【0005】請求項3の発明は、請求項1の製造方法に
於いて、さらに、粗大粒子を遠心分離した後の水性分散
体をフィルターで濾過することを特徴とする。フィルタ
ーとしては、例えば、濾過材の孔構造が入口側で粗く、
出口側で細かく、且つ、入口側から出口側へ向かうにつ
れて連続的に又は段階的に細かくなるように設計されて
いるデプス型のフィルターを用いることができる。濾過
前に必要に応じて希釈してもよい。デプス型のフィルタ
ーで濾過することにより、粗大な凝集体がほとんど無い
無機粒子の水性分散体を得ることができる。なお、デプ
ス型のフィルターでなくとも、同等の作用効果を奏する
フィルターであれば、用いることができる。
【0006】(1)無機粒子:本願発明で水系媒体中に
分散される無機粒子としては、酸化ケイ素、酸化アルミ
ニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アンチモ
ン、酸化クロム、酸化ゲルマニウム、酸化バナジウム、
酸化タングステン、酸化鉄、酸化セリウム、酸化マンガ
ン、酸化亜鉛等の金属酸化物を例示できる。これらの中
では、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸
化セリウムが、特に好ましい。また、これらの無機酸化
物は、ヒュームド法(高温火炎加水分解法)やナノフェ
ーズテクノロジー社法(金属蒸発酸化法)等の気相法で
合成した無機酸化物が高純度であるため好ましい。ま
た、ヒュームド法で合成された無機酸化物は、高純度で
ある上に比較的安価であるため、さらに好ましい。な
お、無機酸化物は一種以上を混合して使用しても良い。
【0007】(2)遠心分離装置:遠心分離とは、遠心
力の場に於いて液体中から固体を分離する手法であり、
本願発明では、無機粒子の水性分散体中から粗大粒子を
除去する(=該水性分散体の用途に鑑みて無視できる量
まで低減する)ために用いる。図1は遠心分離装置にセ
ットされるロータ(連続遠心ロータ)の断面を模式的に
示す。図示のように、回転軸(軸芯をCで示す)により
所定速度で回転されているロータ50の流体供給口52
から、導入路53を経て、分離槽55内へ、無機粒子の
水性分散体を連続的に供給する。供給された水性分散体
には回転による遠心力が加わるため、該水性分散体中の
粗大粒子は、外側方向(回転軸芯Cを中心とする半径方
向外方)へ沈降する。水性分散体は上記のように連続的
に供給されているため、粗大粒子が沈降・分離された後
の水性分散体は徐々に押し上げられて、導出路56を経
て外部へ排出されて回収される。これにより、粗大粒子
が十分に低減された無機粒子の水性分散体を得る。上記
は連続遠心ロータを用いた場合の説明であるが、アング
ルロータやスウィングロータを用いた場合も、同様に、
無機粒子の水性分散体中から粗大粒子が遠心力で沈降・
分離される。異なる点は、無機粒子の水性分散体がチュ
ーブに封入されてロータに設定される点であり、このた
め、連続的な処理を行うことはできない。なお、アング
ルロータは超高速回転が可能であるため、非常に大きな
Gを無機粒子の水性分散体に印加できるという利点があ
る。
【0008】(3)フィルター:遠心分離法後に残留し
ている粗大粒子を更に低減するため、遠心分離工程後の
無機粒子の水性分散体をフィルター処理することが望ま
しい。フィルターとしては、カートリッジタイプのデプ
スフィルター(アドバンテック東洋社製,日本ポール社
製等)や、バッグ式のデプスフィルター(ISP社製
等)を用いることができる。また、プリーツタイプのフ
ィルターも用いることができる。その中でも、デプス型
フィルターが好ましい。デプス型フィルターとは、濾過
材が十分に厚く(例:0.2〜2cm)、該濾過材を通
過する流体中から多量の異物を捕集できるフィルターで
ある。例えば、図2(b)の上段に示すように、孔構造
が流体の侵入(入口)側で粗く、排出(出口)側で細か
く、且つ、侵入側から排出側へ向かうにつれて連続的に
又は段階的(段階は、1段階でもよく、2段階以上でも
よい)に細かくなるように設計された厚さdの濾過材が
用いられている。このような構造では、粗大粒子の中で
も比較的大きな粒子は侵入側付近で捕集され、比較的小
さな粒子は排出側付近で捕集され、全体として、粗大粒
子はフィルターの厚み方向の各部分で捕集される。その
結果、粗大粒子の捕集が十分に行われるとともにフィル
ターが目詰まりし難くなってその寿命を長くできる効果
がある。また、望ましくは図2(b)の下段に示すよう
に、繊維の太さが流体の侵入(入口)側で太く、排出
(出口)側で細く設計されることにより、空隙率が、流
体の侵入側と排出側の間で略一様とされた濾過材を用い
る。空隙率とは、流体の通過方向に直交する平面内の単
位断面積当りの空隙の割合である。このように空隙率が
略一様であると濾過時の圧力損失が小さくなり、粗大粒
子の捕集条件が厚さ方向で略一様となる。このため、比
較的低圧のポンプを用いることができる。中空円筒形状
のデプスカートリッジフィルターの例であるフィルター
201を図2(a)に示す。また、バッグ式(袋状)フ
ィルターの例であるフィルター202を図3(b)に示
す。中空円筒形状のデプスカートリッジフィルター20
1は、濾過材の厚みを所望の厚さに設計できる利点があ
る。バッグ式フィルター202は、流体が袋内から袋外
へ通過するようにフィルター装置((図3(a)のフィ
ルター部200)内に設置することで、交換時にフィル
ター202と一緒に被濾過物を除去できるという効果を
得る。カートリッジフィルター201やバッグ式フィル
ター202等を、例えば、図3(a)のようにフィルタ
ー部200内にセットして用いると、遠心分離後の無機
粒子の水性分散体中に残留している粒径5μm以上の粗
大粒子を更にに低減できるため、この無機粒子の水性分
散体(スラリー)を半導体ウェハーの研磨用に用いる
と、スクラッチの発生を十分に防止できる効果を得る。
図3(a)は、分散工程と濾過工程を行うシステムを示
す。図示のシステムでは、分散機101内の水系媒体中
に無機粒子を添加して分散させ、この無機粒子の水性分
散体をタンク102内に貯留した後、該タンク102か
ら送り出してポンプPによりフィルター部200へ圧送
し、該フィルター部200内にセットしたフィルター2
01(又はフィルター202でもよい)により濾過し、
弁V1を経て再びタンク102内に戻すという循環が繰
り返される。これにより、無機粒子の水性分散体内の粗
大粒子が十分に低減される。弁V1を閉じ、且つ、弁V
2を開くことにより、粗大粒子低減後の無機粒子の水性
分散体が、タンク300内に貯留される。なお、図3
(a)では、循環式のシステムが示されているが、1回
パス方式のシステムを用いてもよい。また、1回パス方
式の場合は、加圧ポンプPに代えて、タンクを空気圧等
で加圧してフィルター処理してもよい。また、孔構造が
大きいフィルターを前段に組み合わせてプレフィルター
として使用すると、更に目詰まりし難くなり、デプス型
フィルターの寿命を長くできる効果がある。
【0009】(4)平均粒子径:本発明の方法によって
製造される無機粒子の水性分散体中に於ける2次粒子の
平均粒子径は、0.01〜2μm、好ましくは0.02
〜1μm、更に好ましくは0.03〜0.8μmであ
る。0.01μm未満では、無機粒子の水性分散体の有
する粘度が非常に高くなって良好な分散安定性が得られ
ない。2μmを超えると、安定性が悪くなって沈降が生
じる。2次粒子の平均粒子径が上記範囲内になるように
するためには、無機粒子原料の種類の選択や、分散工程
での条件を調整すればよい。例えば、高圧ホモジナイザ
ーを用いる場合であれば、その圧力及び処理回数を調整
すればよい。また、ビーズミルを用いる場合であれば、
その回転数とビーズサイズ等を調整すればよい。
【0010】(5)付加的事項: (5-1) 添加方法:本発明では、無機粒子を連続的又は間
欠的に添加しながら水系媒体中に分散させることが望ま
しい。初めから多量の無機粒子を添加すると、均一に分
散させることが困難なばかりでなく、負荷が大きすぎて
攪拌機が停止するという問題も生ずる。このため、固形
分濃度が20重量%程度までは、速やかに投入し、更に
添加する場合は、混練機の電流値(負荷)を監視しつつ
過負荷にならないように連続的または間欠的に添加す
る。無機粒子の投入装置としては、スクリューで搬送す
る方式等を挙げることができる。 (5-2) 酸又はアルカリの添加:本発明を酸の存在下で実
施すると混練効果を高めることができるため、短時間で
均一化できるとともに、最終的に得られる無機粒子の水
性分散体(希釈される場合は該希釈後の水性分散体)の
安定性が向上するため好ましい。酸を添加する場合は、
最終的に得られる無機粒子の水性分散体(希釈される場
合は該希釈後の水性分散体)のpHが7〜2の範囲が好
ましい。酸の添加の時期は、あらかじめ水系分散媒中に
添加する方法、無機粒子の添加前、無機粒子の添加途
中、無機粒子の添加後、混練途中、混練後、の何れの工
程でも良い。好ましくは、無機粒子の添加前である。無
機粒子の添加前の時期に酸を添加すると、比較的スムー
ズに無機粒子を添加できる。また、酸を添加して混練り
することにより凝集体を一度十分に破壊・解砕した後で
あれば、そのまま混練りを継続させながらアルカリを添
加して、希望のpHにすることも可能である。その場
合、pHは7〜12の範囲が好ましい。酸としては、例
えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸や、酢酸、
フタル酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ポ
リアクリル酸、マレイン酸、ソルビン酸等の有機酸、等
を用いることができる。好ましくは、1価の酸である塩
酸、硝酸、酢酸である。アルカリとしては、例えば、水
酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、ア
ンモニア等の無機塩基、エチレンジアン、トリエチルア
ミン、ピペラジンなどのアミン類、等を用いることがで
きる。 (5-3) 添加剤:酸やアルカリの他、添加剤として、分子
量数千から数万のポリアクリル酸のような分散剤やポリ
アクリルアミドのような粘度調製剤を添加することによ
り、さらに分散性を向上させることができる。 (5-4) 希釈:前記の分散工程(混練工程)で得られた無
機粒子の水性分散体は、混練工程後に希釈することが望
ましい。希釈する程度は混練時の固形分濃度によって異
なるが、水系媒体で希釈することにより、混練時の固形
分濃度よりも5重量%程度以上低下させることが望まし
い。混練工程時の固形分濃度のままでは高粘度であるた
め取り扱いが困難であるばかりでなく、保管中に更に増
粘したり、ゲル化するという問題が生ずる。希釈後の固
形分濃度は、保管・輸送時の取り扱い易さを考慮する
と、例えば、2〜10重量%程度である。なお、この範
囲よりも高い濃度で保管・輸送することは可能である
が、例えば、50重量%程度で保管等すると、再分散に
手間取るという事情がある。希釈する方法としては、混
練機に水系媒体を直接投入する方法が、混練機より取り
出し易くなるため好ましい。本発明では、混練工程の
後、更に均一性を高めるために、さらに別の混練機や分
散装置を用いて分散処理することもできる。その場合に
は、例えば、コーレス型高速攪拌分散機、ホモミキサ
ー、高圧ホモジナイザー、又はビーズミルを、好ましく
用いることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例によって具
体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。以下の記載において、遠心前後と濾過後の各水
性分散体中の粗大粒子数は、パーティクルカウンタ(R
ION社製,機種名・KL−11)を用いて測定した。
また、平均粒径は、大塚電子(株)製のレーザー粒径解
析システム(LPA−3000S/3100」を用いて
測定した。
【0012】実施例1: (a)無機粒子の水性分散体の調製:ヒュームド法シリ
カ(アエロジル#50;日本アエロジル(株)製)15
kgを、粉末導入混合分散機(商品名・ジェットストリ
ームミキサーTDS;三田村理研工業(株)製)で吸引
しながら、イオン交換水60kg中に分散(予備分散)
させた。得られた水性分散体(予備分散体)を、焼結ダ
イヤモンド製分散ユニットを備えた高圧ホモジナイザー
(商品名・マイクロフルイダイザーM210B;みづほ
工業(株)製)を用い、圧力800kg/cm2 で分散
(本分散)処理した。得られた水性分散体(本分散体)
を攪拌しながら、濃度20wt%の水酸化カリウム水溶
液を添加してpH10に調整した。この時点での水性分
散体中の固形分濃度は20wt%、粗大粒子数は37,
800個/mLであった。 (b)遠心分離.上記のように調製した無機粒子(シリ
カ)の水性分散体から粗大粒子を低減する工程として、
遠心分離処理を行った。遠心機としては(株)日立工機
製の日立高速冷却遠心機CR22Eを用い、ロータとし
ては同遠心機用の連続ロータR18Cを用いた。遠心処
理時の条件は、流量400mL/分、加重(最大遠心加
速度)1,000G、回転時間10分である。また、こ
れらより求められる最大遠心加速度の積算値は600,
000G・secである。得られた上澄み液(導出路5
6(図1参照)を経て導出された水性分散体)を採取し
て、該水性分散体中の固形分濃度及び粗大粒子数を測定
したところ、19.2wt%にて1,010個/mLで
あった。この値は、固形分濃度20wt%当たり1,0
52個/mLに相当し、CMPスラリーとしての用途に
支障ない程度まで粗大粒子数が十分に低減されていた。
この水性分散体を25℃で30日間の放置したが、増
粘、ゲル化および沈殿物生成のいずれもまったく認めら
れなかった。
【0013】実施例2: (a)無機粒子の水性分散体の調製:実施例1と同じで
ある。したがって、固形分濃度は20wt%、粗大粒子
数は37,800個/mLである。 (b)遠心分離:実施例1と同じである。したがって、
固形分濃度は19.2wt%、粗大粒子数は1,010
個/mLである。この値は、固形分濃度20wt%換算
で1,052個/mLに相当する。 (c)濾過:上記のように遠心分離処理した無機粒子
(シリカ)の水性分散体の粗大粒子数を更に低減する工
程として、濾過処理を行った。即ち、100Lの耐圧容
器に遠心分離後の水性分散体を入れ、0.8Kg/cm
2 の窒素で加圧しながら、カートリッジの長さが25c
m、液が通過するフィルターの繊維の厚みが2cm、5
μm粒子捕捉性能が100%である、ポリプロピレン製
のデプスカートリッジフィルター(プロファイル,MC
Y1001Y050:日本ポール(株)製)を1回通過
させるフィルター処理を行った。得られた無機粒子の水
性分散体中の固形分濃度及び粗大粒子数を測定したとこ
ろ、18.5wt%にて430個/mLであった。この
値は、固形分濃度20wt%当たり465個/mLに相
当し、上記(b)の遠心分離処理後よりも更に粗大粒子
数が低減されていた。この水性分散体を25℃で30日
間の放置したが、増粘、ゲル化および沈殿物生成のいず
れもまったく認められなかった。
【0014】実施例3: (a)無機粒子の水性分散体の調製:実施例1と同じで
ある。したがって、固形分濃度は20wt%、粗大粒子
数は37,800個/mLである。 (b)遠心分離:遠心機として、(株)日立工機製の日
立高速冷却遠心機CR22Eに代えて関西遠心分離機製
作所製の遠心機KBS−14を用いて遠心分離処理を行
った。なお、KBS−14は遠心沈降無孔バスケット型
の遠心機であるため、ロータは不要である。遠心処理時
の条件は、流量600mL/分、加重1,700G、回
転時間8分である。また、これらから求まる最大遠心加
速度の積算値は816,000G・secである。得ら
れた上澄み液を採取して該水性分散体中の固形分濃度及
び粗大粒子数を測定したところ、18.6wt%にて7
53個/mLであった。この値は、固形分濃度20wt
%当たり810個/mLに相当し、CMPスラリーとし
ての用途に支障ない程度まで粗大粒子数が十分に低減さ
れていた。また、二次粒子の平均粒子径を測定したとこ
ろ0.20μmであった。この水性分散体を25℃で3
0日間の放置したが、増粘、ゲル化および沈殿物生成の
いずれもまったく認められなかった。
【0015】実施例4: (a)無機粒子の水性分散体の調製:実施例1と同じで
ある。したがって、固形分濃度は20wt%、粗大粒子
数は37,800個/mLである。 (b)遠心分離:遠心機として実施例3と同じ機種(関
西遠心分離機製作所製の遠心機KBS−14)を用い、
流量800mL/分、加重2,025G、回転時間8
分、最大遠心加速度の積算値972,000G・sec
という条件で、遠心処理を行った。得られた上澄み液を
採取して該水性分散体中の固形分濃度及び粗大粒子数を
測定したところ、18.3wt%にて675個/mLで
あった。この値は、固形分濃度20wt%当たり738
個/mLに相当し、CMPスラリーとしての用途に支障
ない程度まで粗大粒子数が十分に低減されていた。ま
た、二次粒子の平均粒子径を測定したところ0.2μm
であった。この水性分散体を25℃で30日間の放置し
たが、増粘、ゲル化および沈殿物生成のいずれもまった
く認められなかった。
【0016】実施例5: (a)無機粒子の水性分散体の調製:実施例1と同じで
ある。したがって、固形分濃度は20wt%、粗大粒子
数は37,800個/mLである。 (b)遠心分離:遠心機としては(株)日立工機製の遠
心機CR26Hを用い、ロータとしては同遠心機用のア
ングルロータR26A(又はR24A)を用いた。上記
(a)で調整した水性分散体を上記アングルロータ用の
2本のプラスチックチューブに封入して、回転軸芯に対
して相互に180°の角度を成すように上記アングルロ
ータにセットした。2,000Gの最大遠心加重(最大
遠心加速度が2,000G)を10分間印加する回転を
行った。即ち、最大遠心加速度の積算値が1,200,
000G・secになる遠心処理を行った。遠心処理
後、得られた上澄み液を採取して、該水性分散体中の固
形分濃度及び粗大粒子数を測定したところ、18.1w
t%にて629個/mLであった。この値は、固形分濃
度20wt%当たり695個/mLに相当し、CMPス
ラリーとしての用途に支障ない程度まで粗大粒子数が十
分に低減されていた。また、二次粒子の平均粒子径は
0.2μmであった。この水性分散体を25℃で30日
間の放置したが、増粘、ゲル化および沈殿物生成のいず
れもまったく認められなかった。
【0017】比較例1: (a)無機粒子の水性分散体の調製:実施例1と同じで
ある。したがって、固形分濃度は20wt%、粗大粒子
数は37,800個/mLである。 (d)濾過:分散処理後の無機粒子の水性分散体につい
て、遠心分離処理することなく、濾過処理を試みた。フ
ィルターとしては、デプスカートリッジフィルターに代
えてプリーツカートリッジフィルター(ウルチポア,M
CY1001U030Z:日本ポール(株)製)を用い
た。しかし、2Lフィルター処理した段階でフィルター
が完全に詰まり、処理不能であった。
【0018】比較例2: (a)無機粒子の水性分散体の調製:実施例1と同じで
ある。したがって、固形分濃度は20wt%、粗大粒子
数は37,800個/mLである。 (b)遠心分離:遠心機として実施例3や4と同じ機種
(関西遠心分離機製作所製の遠心機KBS−14)を用
い、流量200mL/分、加重5,000G、回転時間
30分、最大遠心加速度の積算値9,000,000G
・secという条件で、遠心処理を行った。得られた上
澄み液からはシリカが完全に除去されており、CMPス
ラリーとして用いることはできなくなっていた。
【0019】
【発明の効果】本発明によると、長時間保管しておいて
も沈降物が発生しにくいなど分散安定性が良好であり、
粒子の粗大凝集体が極めて少なく、例えば半導体ウェハ
ーの研磨に使用する際にスクラッチの発生がない、優れ
た特性の無機粒子の水性分散体の製造方法を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】連続ロータの構造を模式的に示す説明図。
【図2】(a)は中空円筒形状のデプス型のカートリッ
ジフィルターを模式的に示す斜視図、(b)はデプス型
フィルターの厚み方向の孔構造と遷移径を説明する模式
図。
【図3】(a)は図2のデプス型フィルターを用いて濾
過するシステムの一例を示す構成図、(b)は袋錠のデ
プス型フィルターを模式的に示す斜視図。
【符号の説明】
200 フィルター部 201 デプスカートリッジフィルター 202 バッグ式フィルター 50 ロータ(連続ロータ) 52 流体供給口 53 導入路 55 分離槽 56 導出路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柿木 克之 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 (72)発明者 中瀬 吉久 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 4C083 AB171 AB172 AB211 AB271 CC01 DD42 EE01 4J037 AA08 AA11 AA15 AA18 AA19 AA22 AA24 EE21 EE28 EE33 EE43 EE48 FF15 FF23

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機粒子を水系媒体中に分散させ、最大
    遠心加速度の積算値が4500000G・sec未満の
    遠心力を印加して粗大粒子を遠心分離することを特徴と
    する無機粒子の水性分散体の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に於いて、 最大遠心加速度が2500G未満であることを特徴とす
    る無機粒子の水性分散体の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に於いて、さらに、 粗大粒子を遠心分離した後の水性分散体をフィルターで
    濾過することを特徴とする無機粒子の水性分散体の製造
    方法。
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