JP2002097152A - 抗腫瘍組成物 - Google Patents

抗腫瘍組成物

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Kunihiko Ishitani
邦彦 石谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】新規な抗腫瘍組成物、NK細胞活性増強用組成
物、血中アンモニア濃度低下用組成物、癌免疫応答誘導
組成物を提供すること。 【解決手段】マッシュルームエキスを有効成分とする抗
腫瘍組成物、NK細胞活性増強用組成物、血中アンモニ
ア濃度低下用組成物、癌免疫応答誘導組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗腫瘍組成物、N
K細胞活性増強用組成物、血中アンモニア濃度低下用組
成物及び癌免疫応答誘導組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ナチュラルキラー細胞(以下、NK細胞
という)は、極めて多様な機能を有していることが知ら
れている。即ち、(1)腫瘍細胞の発生・増殖・転移抑
制、(2)感染症の抑制、(3)免疫機能の増強及び制御、
(4)疾患への関与、などである。最近では(5)慢性疲労症
候群にも関与しているといわれている。通常、ヒトの細
胞分裂において、正常細胞の他に、まれに腫瘍細胞が発
生するといわれているが、発生した腫瘍細胞を殺傷する
のはNK細胞だといわれている。これはNK細胞が非特
異的に各種腫瘍細胞を攻撃し、LAK細胞への変化によ
って腫瘍に対する免疫学的監視機能を持っているためで
ある。
【0003】NK細胞は、インターフェロン、インター
ロイキン−1、インターロイキン−2、インターロイキ
ン−3、GM−CSFあるいはTNFを産生することに
より、キラー活性が増強されることが知られている。こ
れによりウイルスや寄生虫、真菌、一般の細菌などに対
し、これらを殺傷する能力が増強される。NK細胞はま
た、各種サイトカインを産生し、造血幹細胞の増殖・分
化を抑制する事により免疫機能の制御も行っている。G
−CSF、M−CSF、GM−CSFなどのサイトカイ
ンの産生は、キラー活性を増強し、移植臓器の拒絶反
応、自己免疫疾患、糖尿病、消化器疾患など各種疾患に
関与していることが知られている。NK細胞はこのよう
に多様な機能を有する生体にとって重要な細胞である。
【0004】従来、外科手術、化学療法及び放射線療法
が悪性腫瘍の三大療法となっているが、未だ充分な成果
が上がっていないのが現状である。殊に、長期間繁用さ
れる化学療法剤にあっては、総じて副作用が極めて強い
のみならず、抗腫瘍効果が不定で、大腸癌、食道癌等の
固形癌や、転移能の高い腫瘍には、有効な薬物はほとん
ど存在しない。さらに最近、エイズなどの患者や慢性疲
労症候群では、NK細胞活性が低下していることがわか
ってきた。これはNK細胞活性の増強により、エイズや
慢性疲労症候群発症の予防や治療が可能であることを示
唆している。
【0005】このため、抗腫瘍効果を高めることを期待
して様々な多剤併用療法が試みられているが、副作用の
重複や増強、新たな障害や薬害等をもたらし、著しい生
活の質(QOL)の低下、治療による体力の消耗や寿命
の短縮等も少なからず発生している。結核菌もしくは溶
連菌の菌体懸濁液等を注射することにより、NK細胞活
性がわずかに上昇することが知られているが、痛みや、
悪心などの副作用が強く、患者ごとに細かい対応が必要
なこともあり、有効に使い切れていないのが現状であ
る。
【0006】悪性腫瘍に対する新しい療法として種々の
免疫療法が提案されているが、研究段階であり、副作用
の少ない有効な免疫療法剤の早期実現が待たれている。
たとえば、NK細胞活性を増強することにより、癌細胞
のアポトーシス(プログラムされた細胞死)を誘導し、
癌組織を萎縮もしくは縮退できることが知られている。
これまでに、数多くの多糖類がNK細胞を誘導すること
が知られている。しかしながら、NK細胞の活性は、血
中アンモニア濃度に依存している事が予想されているの
で、元来これらのアンモニア濃度が高い多くの患者に
は、効果があまり期待できなかった。投与経路について
も血管や腫瘍局所等への注射が主体であり、有用性の高
い経口用の抗悪性腫瘍剤は皆無に等しいのが現状であ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、上記問題点のない新規な抗腫瘍組成物を提供するこ
とである。本発明の他の目的は、NK細胞活性増強用組
成物を提供することである。本発明の更に他の目的は、
血中アンモニア濃度低下用組成物を提供することであ
る。本発明の更に他の目的は、癌免疫応答誘導組成物を
提供することである。本発明の別の目的は、非侵襲的な
手段である経口投与により、副作用なしに悪性腫瘍を効
果的に抑制又は予防することができる組成物を提供する
ことである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者はマッシュルー
ムエキスが血中アンモニア濃度を効果的に低下させるこ
と、NK細胞活性と血中アンモニア濃度が密接な相関を
有することを見出し、本発明を完成するに至った。本発
明は、マッシュルームエキスを有効成分とする抗腫瘍組
成物を提供するものである。本発明はまた、マッシュル
ームエキスを有効成分とするNK細胞活性増強用組成物
を提供するものである。本発明はさらに、マッシュルー
ムエキスを有効成分とする血中アンモニア濃度低下用組
成物を提供するものである。本発明はさらに、マッシュ
ルームエキスを有効成分とする癌免疫応答誘導組成物を
提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】NK細胞は、抗体の介在なしに直
接癌細胞やウイルスに感染した細胞を攻撃することが知
られている。マッシュルームエキスは、血中アンモニア
濃度を下げることにより、NK細胞を増殖させ、NK細
胞活性増強を主たる作用機序として、患者に重篤な副作
用を伴うことなく、このNK細胞の腫瘍細胞へのアポト
ーシスによって腫瘍増殖抑制効果を発現するものと考え
られる。本発明の抗腫瘍組成物は、このような全く新し
い作用機序をもつ新規な抗悪性腫瘍剤である。本発明
は、従来、確実な治療法がなく、看過されてきた極めて
悪性の腫瘍に対して、新しい治療法を提供するものであ
り、既存の抗癌療法との併用等によって治癒率の一層の
向上に資するものである。
【0010】一般的にNK細胞は、血中アンモニアの濃
度が高いとその活性が弱くなることが知られていたが、
具体的に血中アンモニア濃度を下げる方法はこれまでに
知られていなかった。一方、マッシュルームエキスを経
口投与することにより、アンモニアを主体とする便臭が
激減することが知られていたが、血中アンモニア濃度が
減少するかどうかについては知られていなかった。本発
明者は、マッシュルームエキスを経口投与すると、便臭
が激減するだけでなく、血中アンモニア濃度も大幅に減
少すること、またこの血中アンモニア濃度の減少に伴
い、NK細胞活性が顕著に増大することを見出した。こ
れは全く新しいメカニズムによるNK細胞の増強法であ
る。本発明のマッシュルームエキスを有効成分とする抗
腫瘍剤は、長期連続投与が可能であり、他の薬剤との併
用も可能である。このため、外科療法や放射線治療など
が適用できない悪性腫瘍や、その効果が認められない悪
性腫瘍への新しい治療法を提供するものである。特に、
血中アンモニア濃度が増大し、NK細胞活性が低下して
癌が発生しやすい条件が整っている中高年齢者において
は、癌発生の予防効果が期待できるものである。
【0011】マッシュルームエキスの原料となるマッシ
ュルームとしては、アガリカス・ビスポラスが好まし
い。なお広く食用に供されている子実体を有する菌類で
あれば、特に制限されない。このような菌類の例として
は、椎茸、ヒラタケ、シメジ等が挙げられる。この明細
書においてマッシュルームエキスとは、このような菌類
の抽出物も含むものとする。
【0012】マッシュルームエキスの抽出溶媒として
は、水、アルコール類(例えば、エチルアルコール、グ
リセリン、プロピレングリコール等)、有機酸(例えば、
乳酸、酢酸等)、無機塩類(例えば、イーストフード等)
を含む水溶液、或いはこれらの2種以上の混合物が挙げ
られる。
【0013】マッシュルームエキスを抽出する溶媒のp
Hは酸性(好ましくはpH1〜6、より好ましくはpH
3.0〜5.0)が好ましい。酸としては、塩酸、硫酸、リン
酸、などの鉱酸や、酢酸、乳酸、酪酸、パルミチン酸、
酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイ
ン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、カンフ
ァースルホン酸等の有機酸が用いられる。これらのうち
好ましいものは有機酸であり、さらに好ましくはリンゴ
酸及びクエン酸である。これらの酸の添加量は、必要な
pHとするのに適切な量であるが、例えば、抽出溶媒
中、0.05〜2.0質量%である。しかしながら、抽出は中
性pHでも可能である。その場合は、適当な塩類、例え
ば、上記の有機酸や無機酸のアルカリ金属塩、アルカリ
土類金属塩、具体的には、リンゴ酸ナトリウム、クエン
酸カリウム、食塩、塩化カルシウム等や、界面活性剤、
親水性溶媒、例えば、エチルアルコール、プロピレング
リコール、マクロゴール、エトキシ化イソステアリルア
ルコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル類等などの追加成分を加えて、中性で抽出することも
できる。これらの塩、その他の添加剤の添加量はそれぞ
れ、好ましくは0.05〜2.0質量%である。抽出は、細か
く破砕あるいはスライスした新鮮なマッシュルーム子実
体1質量部に抽出溶媒2〜10質量部を加え、好ましくは
40℃〜120℃、さらに好ましくは80℃で2時間以
上、90℃で30分以上行えばよい。マッシュルームエ
キスの製造方法については、特許第2930323号、米国特
許第5639470号、欧州特許第381055号に詳細に記載され
ている。
【0014】本発明のマッシュルームエキスを有効成分
とする組成物は、経口的に、ヒトを含む、ほ乳動物に投
与することができる。例えば、本発明の組成物は、ゼリ
ー、みそ汁、スープ、ポタージュ、飴、煎餅、ビスケッ
ト、パン等の食品等と混合して経口投与することもでき
る。
【0015】本発明の組成物の投与単位形態は、上記食
品としての形態の他、治療目的に応じて適宜選択でき
る。具体的には、錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳
剤、顆粒剤、カプセル剤等が例示できる。ここで用いら
れる製剤担体としては、通常の薬剤に汎用される各種の
もの、例えば充填剤、増量剤、結合剤、崩壊剤、界面活
性剤、滑沢剤等の希釈剤ないし賦形剤等を例示できる。
【0016】錠剤の形態に成形するに際しては、担体と
して例えば、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、
尿素、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セル
ロース、ケイ酸等の賦形剤、水、エタノール、単シロツ
プ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキ
シメチルセルロース、セラツク、メチルセルロース、リ
ン酸カリウム、ポリビニルピロリドン等の結合剤、乾燥
デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、ラミナ
ラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリオ
キシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウリル硫
酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、デンプ
ン、乳糖等の崩壊剤、白糖、ステアリン酸、カカオバタ
ー、水素添加油等の崩壊抑制剤、第4級アンモニウム
塩、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促進剤、グリセリ
ン、デンプン等の保湿剤、デンプン、乳糖、カオリン、
ベントナイト、コロイド状ケイ酸等の吸着剤、精製タル
ク、ステアリン酸塩等の滑沢剤等を使用できる。更に錠
剤は必要に応じ通常の剤皮を施した錠剤、例えば、糖衣
錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコーティング
錠、二重錠、多層錠等とすることができる。
【0017】丸剤の形態に成形するに際しては、担体と
して例えば、ブドウ糖、乳糖、デンプン、カカオ脂、硬
化植物油、カオリン、タルク等の賦形剤、アラビアゴム
末、トラガント末、ゼラチン等の結合剤、ラミナラン、
カンテン等の崩壊剤等を使用できる。カプセル剤は本発
明の有効成分であるマッシュルームエキスを上記で例示
した各種の担体と混合し、硬質ゼラチンカプセル、軟質
カプセル等に充填して調製される。
【0018】更に上記各組成物には必要に応じて着色
剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等や他の医薬品を配
合してもよい。
【0019】本発明の組成物中に含まれるマッシュルー
ムエキスの量は特に限定されず、適宜選択すればよい
が、組成物中、乾燥質量換算で、好ましくは1〜80質
量%、さらに好ましくは5〜50質量%程度とするのが
よい。
【0020】本発明の組成物は経口投与するのが好まし
い。投与方法は、各種組成物の製剤形態、患者の年齢、
性別、患者の症状の程度、その他の条件に応じて決定さ
れる。例えば、錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳
剤、顆粒剤及びカプセル剤は経口投与される。
【0021】本発明の組成物の投与量は、用法、患者の
年齢、性別、疾患の程度、その他の条件により適宜選択
できる。通常、マッシュルーム抽出物(乾燥質量換算)を
0.01〜500mg/kg/日程度、好ましくは5〜10
0mg/kg/日程度、さらに好ましくは1〜80mg/kg/
日程度の範囲となる量を目安とするのがよい。これら本
発明の組成物は1日に1回又は2〜4回程度に分けて投
与することができる。
【0022】本発明の抗腫瘍組成物、とりわけ抗悪性腫
瘍剤を投与することにより治療できる悪性腫瘍として
は、特に制限はなく、例えば、食道癌、胃癌、肝臓癌、
胆のう・胆管癌、膵臓癌、結腸癌、直腸癌、頭頚部癌、
肺癌、乳癌、子宮頚癌、卵巣癌、膀胱癌、前立腺癌、睾
丸腫瘍、骨・軟部肉腫、皮膚癌、悪性リンパ腫、急性白
血病、エイズ、脳腫瘍等が挙げられる。さらにその作用
メカニズムがNK細胞を介していることが示唆されるの
で、これまで対応する治療法、治療薬がなかった慢性疲
労症候群にも有効であると考えられる。
【0023】
【実施例】以下に参考例、実施例、試験例を挙げ、本発
明をさらに詳しく説明する。これらは例示、説明のため
のものであって何ら本発明を限定するものではない。 参考例1 新鮮なマッシュルーム(アガリカス・ビスポラス)の子実
体1kgに、0.5質量%クエン酸水溶液3kgを加えてpH5.
0以下とし、80℃で2時間抽出し、抽出物を約半分になる
まで減圧濃縮し、フィルターで濾過して抽出液2.5kgを
得た。これを凍結乾燥して40gのマッシュルームエキス
を得た。
【0024】参考例2 新鮮なマッシュルーム(アガリカス・ビスポラス)の子実
体10kgに、1質量%リンゴ酸水溶液20kgを加えてpH5.
0以下とし、70℃で70分間抽出した。抽出液20kgを10倍
濃縮して2kgの濃縮液を得た。この濃縮液2kgに、デキス
トリン1.64kgを加え、スプレードライ加工し、粉末1kg
を得た。これらの濃縮物、及び粉末は、株式会社リコム
から「シャンピニオンエキス」(登録商標)という商品名
で市販されている。
【0025】実施例1 参考例1で調製したマッシュルームエキス1質量部をゼ
リー500質量部に添加混合して、マッシュルームエキス
を含むゼリーを調製した。このゼリーはNK細胞活性増
強用として使用できる。
【0026】実施例2 参考例2の粉末1g、乳清カルシウム0.2g、イソマルト
オリゴ糖0.2g、セルロース0.1gを混合し、顆粒分包に
配合した。この配合物は血中アンモニア濃度低下用組成
物として使用できる。 実施例3 参考例2の粉末1gに粉末スープ又は粉末みそ汁又は固形
ブイヨンエキス又は粉末ポタージュをそれぞれ1〜5g加
え、癌免疫応答誘導組成物を調製した。
【0027】試験例1 以下の試験に同意する老人保健施設の高齢者13人を対
象として、実施例1で調製した、マッシュルームエキス
0.2gを含有するゼリー100gを1日2本、朝及び夕に、
一ヶ月間継続して摂食してもらった(マッシュルームエ
キス(固形分0.2質量%)として0.4g/日)。投与前と投
与後の血中アンモニア濃度とNK細胞活性、その他の血
液中各種細胞数の増減を比較した。
【0028】1) 血液検査:下記の検査のため、試食開
始前と試食1カ月後、各々12ml採血し、該当する保
存容器に分注し、試験に供した。
【0029】2) NK細胞活性:血液6mlを採血管
(保存液ヘパリン含有)に分注し、室温にて保存した。
K562細胞に取り込ませた放射性クロミウム−51の
放出をメルクマールとする方法により血中のNK細胞活
性を測定した。すなわちマッシュルームエキス投与前の
患者から10〜15mlの血液を採取し、PBS(リン
酸緩衝液を含む生理食塩水)で2倍に希釈、比重1.0
07のフィコール−コンレイ密度勾配液に重層、室温で
30分間1350r.p.m.で遠心分離した。単核球細胞を
集め、これを末梢血単核細胞(PBMC)とした。GIBC
OのRPMI 1640培地で3回洗浄した後、PBMCを10%
子牛血清(FCS)を含むRPMI 1640培地に懸濁し、細
胞濃度を5×106/mlになるように調整した。細胞
の生存率はトライパンブルーでチェックし、常に95%
以上を確保した。PBMCはマッシュルームエキス投与
後にも集められ、同様の処理が加えられた。
【0030】白血病細胞のK562細胞株が標的細胞と
して用いられた。この株は10%FCSを含むRPMI 164
0で培養され、5%CO2を含む空気中37℃の条件下、
放射性クロム酸ナトリウム(Na2 51CrO4、106細胞当た
り3.7MBq)で1時間ラベルした。標識後、細胞を
RPMI 1640で3回洗い、10%FCSを含むRPMI 1640で
105/mlになるよう調整した。NK細胞活性は標準
の4時間クロミウム放出分析法で測定した。それぞれ1
00μlのPBMCとK562細胞を50:1の割合で
96穴のマイクロプレートのなかで混合した。最大放出
量はK562細胞に界面活性剤を混合することにより決
定された。自発的な放出量はPBMCなしの培養K56
2細胞の放出量を基準にした。5%CO2を含む空気
中、37℃4時間の保温の後で、上清を集め放射活性を
ガンマカウンターで測定した。
【0031】すべての分析はn=3で行い、値はその平
均値として計算された。細胞傷害性の割合は、(測定値
−自発活性値)/(最大値−自発活性値)×100とし
て計算された。すべての実験において、自発活性値は最
大放出値の10%以下であった。サンプル量に限りがあ
るため、測定は、PBMCとK562細胞が50:1の
割合のみで行われた。
【0032】3) アンモニア濃度測定用に血液1mlを
採血管(除蛋白液4ml含有)へ分注した。アンモニア
はネスラー試薬などを用いて分析することができるが、
より正確なデータを得るために、我々は奥田-藤井(血中
アンモニア直接比色定量法」最新医学:第21巻第3号622-
627頁、1966)の改良変法を用いた。
【0033】マッシュルームエキス投与前後のアンモニ
ア濃度(単位はppm)を図1に、NK細胞活性(単位は、血
液1μl中の個数)を、図2に示す。図1及び2から、血
中アンモニア濃度の減少とNK細胞活性の増加の間に
は、強い相関があることがわかる。すなわち、患者SA
と患者MHにおいては、血中アンモニア濃度が増加し、
NK細胞活性が減少しているのに対して、他の11人の
患者では、血中アンモニア濃度が減少し、NK細胞活性
が増加している。患者SAと患者MHにおいて、血中ア
ンモニア濃度が増加した理由は不明であるが、アンモニ
ア濃度の減少とNK細胞活性の増加が強い相関を有する
ことは明らかである。
【0034】
【発明の効果】本発明の組成物は、マッシュルームエキ
スを有効成分とするものであり、経口投与が可能であ
り、患者に負担がなくかつ副作用が全くない、若しくは
極めて少ない。本発明の組成物は、血中アンモニア濃度
を減少させてNK細胞の活性を増強することにより、N
K細胞がターゲットとする、たとえば、悪性腫瘍やエイ
ズなどの免疫性疾患、肝炎などのウイルス感染症、慢性
疲労症候群などの治療分野における、画期的な治療組成
物として有用である。とりわけ、初期癌から末期癌にま
で有効であり、長期連続投与が可能で、副作用もないこ
とからQOLの高い治療手段を提供するものである。そ
の性状から、他の薬剤、治療法との併用も多くの場合可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】マッシュルームエキス入りゼリー投与前と後で
の血中アンモニア濃度の比較を示す図面である。
【図2】マッシュルームエキス入りゼリー投与前と後で
のNK細胞活性の比較を示す図面である。グラフ縦軸の
単位は、NK細胞活性の増加率を示す。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マッシュルームエキスを有効成分とする
    抗腫瘍組成物。
  2. 【請求項2】 マッシュルームエキスを有効成分とする
    NK細胞活性増強用組成物。
  3. 【請求項3】 マッシュルームエキスを有効成分とする
    血中アンモニア濃度低下用組成物。
  4. 【請求項4】 マッシュルームエキスを有効成分とする
    癌免疫応答誘導組成物。
  5. 【請求項5】 マッシュルームが、アガリカス・ビスポ
    ラスである請求項1〜4のいずれか1項記載の組成物。
  6. 【請求項6】 マッシュルームエキスが、マッシュルー
    ム抽出液を濃縮またはフリーズドライまたは熱風乾燥し
    たものである請求項1〜5のいずれか1項記載の組成
    物。
  7. 【請求項7】 経口投与形態にある請求項1〜6のいず
    れか1項記載の組成物。
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