JP2002096390A - ライナー管 - Google Patents
ライナー管Info
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- JP2002096390A JP2002096390A JP2000288963A JP2000288963A JP2002096390A JP 2002096390 A JP2002096390 A JP 2002096390A JP 2000288963 A JP2000288963 A JP 2000288963A JP 2000288963 A JP2000288963 A JP 2000288963A JP 2002096390 A JP2002096390 A JP 2002096390A
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- Japan
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- liner tube
- resin composition
- easily deformable
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Abstract
(57)【要約】
【課題】既設管路内への挿入作業が容易でしかも耐薬品
性に優れたライナー管を提供することを目的としてい
る。 【解決手段】加熱および内側からの加圧のうち少なくと
も加熱によって挿入された既設管路の内周面に沿う形状
に変形するライナー管において、易形状変形性樹脂組成
物からなる易変形層と、この易変形層より内側に設けら
れ易形状変形性樹脂組成物より耐薬品性に優れた樹脂組
成物からなる内層とを少なくとも備える構成とした。
性に優れたライナー管を提供することを目的としてい
る。 【解決手段】加熱および内側からの加圧のうち少なくと
も加熱によって挿入された既設管路の内周面に沿う形状
に変形するライナー管において、易形状変形性樹脂組成
物からなる易変形層と、この易変形層より内側に設けら
れ易形状変形性樹脂組成物より耐薬品性に優れた樹脂組
成物からなる内層とを少なくとも備える構成とした。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ライナー管に関す
る。
る。
【0002】
【従来の技術】老朽化した既設管路を更生するために、
たとえば、特開平8−118465号公報等に開示され
ているような「ライナー管」と称される熱可塑性樹脂管
が既に提案され、広く実用化されている。
たとえば、特開平8−118465号公報等に開示され
ているような「ライナー管」と称される熱可塑性樹脂管
が既に提案され、広く実用化されている。
【0003】すなわち、ライナー管は、ポリエチレン、
ポリプロピレンあるいはポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹
脂からなる外径が略既設管路の内径と同じである円筒管
が、配向変形可能温度域内で断面形状が円形から例えば
断面Uの字になるように折り曲げ成形されて断面を元の
円筒管の断面より小さくなっているとともに、このライ
ナー管を加熱及び内圧付加を加えれば元の円筒形に膨張
復元するようになっている。したがって、既設管路内に
容易に挿入できるとともに、既設管路内に挿入したの
ち、このライナー管を加熱及び内圧付加すれば元の円筒
形に膨張復元して既設管路内面をこのライナー管で樹脂
ライニングして老朽化した既設管路を更生できるように
なっている。
ポリプロピレンあるいはポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹
脂からなる外径が略既設管路の内径と同じである円筒管
が、配向変形可能温度域内で断面形状が円形から例えば
断面Uの字になるように折り曲げ成形されて断面を元の
円筒管の断面より小さくなっているとともに、このライ
ナー管を加熱及び内圧付加を加えれば元の円筒形に膨張
復元するようになっている。したがって、既設管路内に
容易に挿入できるとともに、既設管路内に挿入したの
ち、このライナー管を加熱及び内圧付加すれば元の円筒
形に膨張復元して既設管路内面をこのライナー管で樹脂
ライニングして老朽化した既設管路を更生できるように
なっている。
【0004】ところで、配向変形可能温度域とは、たと
えば、通常のポリ塩化ビニルの場合、ガラス転移温度
(以下「Tg」と記す)以上(Tg+40℃)以下であ
る。そして、樹脂をこの温度域に保った状態で変形させ
た場合、樹脂に分子レベルでの配向が起こる。つまり、
ライナー管は、樹脂に分子レべルでの配向が生じている
ので、この状態で再び加熱し、上記と同程度の温度に昇
温すれば、変形させる前の形状に復元するようになって
いる。
えば、通常のポリ塩化ビニルの場合、ガラス転移温度
(以下「Tg」と記す)以上(Tg+40℃)以下であ
る。そして、樹脂をこの温度域に保った状態で変形させ
た場合、樹脂に分子レベルでの配向が起こる。つまり、
ライナー管は、樹脂に分子レべルでの配向が生じている
ので、この状態で再び加熱し、上記と同程度の温度に昇
温すれば、変形させる前の形状に復元するようになって
いる。
【0005】また、既設管路へのライナー管の引込みを
容易にするため、ポリ塩化ビニルに熱可塑性エラストマ
ーを添加し、高温域(75℃程度)の弾性率を低下させ
る方法も提案されている(特表平6−508647号公
報参照)。すなわち、ポリ塩化ビニルと相溶可能な熱可
塑性エラストマーをポリ塩化ビニルに添加して得られる
樹脂組成物は、Tgがポリ塩化ビニルより低くなる。し
たがって、このようなポリ塩化ビニルよりTgが低くな
った樹脂組成物を用いて製造したライナー管は、エラス
トマー添加なしのTgの高い樹脂組成物を用いたライナ
ー管に比べ、低温で元の状態に復元させることができ
る。つまり、施工時の加熱温度を低く抑えることができ
てエネルギーコストの削減を図ることができる。
容易にするため、ポリ塩化ビニルに熱可塑性エラストマ
ーを添加し、高温域(75℃程度)の弾性率を低下させ
る方法も提案されている(特表平6−508647号公
報参照)。すなわち、ポリ塩化ビニルと相溶可能な熱可
塑性エラストマーをポリ塩化ビニルに添加して得られる
樹脂組成物は、Tgがポリ塩化ビニルより低くなる。し
たがって、このようなポリ塩化ビニルよりTgが低くな
った樹脂組成物を用いて製造したライナー管は、エラス
トマー添加なしのTgの高い樹脂組成物を用いたライナ
ー管に比べ、低温で元の状態に復元させることができ
る。つまり、施工時の加熱温度を低く抑えることができ
てエネルギーコストの削減を図ることができる。
【0006】しかしながら、ポリ塩化ビニルに熱可塑性
エラストマーなどを添加した場合、ポリ塩化ビニル単独
の場合と比べ、高温域で使用した場合、耐薬品性に問題
がでる恐れがある。すなわち、Tg以上の温度では、分
子の活動が活発となり、耐薬品性が大きく低下する。ま
た、熱可塑性エラストマーにも、ポリ塩化ビニルより耐
薬品性の低いエラストマーがあり、添加するエラストマ
ーによっては、低温度域でも耐薬品性に劣ってしまう場
合がある。
エラストマーなどを添加した場合、ポリ塩化ビニル単独
の場合と比べ、高温域で使用した場合、耐薬品性に問題
がでる恐れがある。すなわち、Tg以上の温度では、分
子の活動が活発となり、耐薬品性が大きく低下する。ま
た、熱可塑性エラストマーにも、ポリ塩化ビニルより耐
薬品性の低いエラストマーがあり、添加するエラストマ
ーによっては、低温度域でも耐薬品性に劣ってしまう場
合がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑みて、既設管路内への挿入作業が容易でしかも
耐薬品性に優れたライナー管を提供することを目的とし
ている。
事情に鑑みて、既設管路内への挿入作業が容易でしかも
耐薬品性に優れたライナー管を提供することを目的とし
ている。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の請求項1に記載の発明にかかるライ
ナー管(以下、「請求項1のライナー管」と記す)は、
加熱および内側からの加圧のうち少なくとも加熱によっ
て挿入された既設管路の内周面に沿う形状に変形するラ
イナー管において、易形状変形性樹脂組成物からなる易
変形層と、この易変形層より内側に設けられ易形状変形
性樹脂組成物より耐薬品性に優れた樹脂組成物からなる
内層とを少なくとも備える構成とした。
るために、本発明の請求項1に記載の発明にかかるライ
ナー管(以下、「請求項1のライナー管」と記す)は、
加熱および内側からの加圧のうち少なくとも加熱によっ
て挿入された既設管路の内周面に沿う形状に変形するラ
イナー管において、易形状変形性樹脂組成物からなる易
変形層と、この易変形層より内側に設けられ易形状変形
性樹脂組成物より耐薬品性に優れた樹脂組成物からなる
内層とを少なくとも備える構成とした。
【0009】本発明の請求項2に記載の発明にかかるラ
イナー管(以下、「請求項2のライナー管」と記す)
は、請求項1のライナー管において、内層を可塑性付与
剤非含有樹脂組成物で形成し、易変形層を可塑性付与剤
含有樹脂組成で形成するようにした。
イナー管(以下、「請求項2のライナー管」と記す)
は、請求項1のライナー管において、内層を可塑性付与
剤非含有樹脂組成物で形成し、易変形層を可塑性付与剤
含有樹脂組成で形成するようにした。
【0010】本発明の請求項3に記載の発明にかかるラ
イナー管(以下、「請求項3のライナー管」と記す)
は、請求項2のライナー管において、可塑性付与剤非含
有樹脂組成物を構成する樹脂および可塑性付与剤含有樹
脂組成物を構成する樹脂として平均重合度600以上2
000以下のポリ塩化ビニルを用いるようにした。
イナー管(以下、「請求項3のライナー管」と記す)
は、請求項2のライナー管において、可塑性付与剤非含
有樹脂組成物を構成する樹脂および可塑性付与剤含有樹
脂組成物を構成する樹脂として平均重合度600以上2
000以下のポリ塩化ビニルを用いるようにした。
【0011】本発明の請求項4に記載の発明にかかるラ
イナー管(以下、「請求項4のライナー管」と記す)
は、加熱および内側からの加圧のうち少なくとも加熱に
よって挿入された既設管路の内周面に沿う形状に変形す
るライナー管において、易形状変形性樹脂組成物からな
る易変形層と、この易変形層より内側に設けられ易変形
層よりガラス転移温度が高い樹脂組成物からなる内層と
を備える構成とした。
イナー管(以下、「請求項4のライナー管」と記す)
は、加熱および内側からの加圧のうち少なくとも加熱に
よって挿入された既設管路の内周面に沿う形状に変形す
るライナー管において、易形状変形性樹脂組成物からな
る易変形層と、この易変形層より内側に設けられ易変形
層よりガラス転移温度が高い樹脂組成物からなる内層と
を備える構成とした。
【0012】本発明の請求項5に記載の発明にかかるラ
イナー管(以下、「請求項5のライナー管」と記す)
は、請求項1〜請求項4のいずれかライナー管におい
て、内層の厚さを0.1mm以上(管の最大肉厚の1/
4)以下とした。
イナー管(以下、「請求項5のライナー管」と記す)
は、請求項1〜請求項4のいずれかライナー管におい
て、内層の厚さを0.1mm以上(管の最大肉厚の1/
4)以下とした。
【0013】本発明において、内層を構成する樹脂組成
物としては、特に限定されないが、ポリエチレン,ポリ
プロピレン、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂が単独で
用いられても構わないし、これらの熱可塑性樹脂に必要
に応じて成形する際の成形性、熱安定性、機械的物性な
どを向上させるために、ポリメチルメタクリレート系の
加工助剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線
吸収剤、滑剤、充填剤、衝撃改良剤、難燃剤、顔料、塗
料等を適宜添加されたものでも構わない。
物としては、特に限定されないが、ポリエチレン,ポリ
プロピレン、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂が単独で
用いられても構わないし、これらの熱可塑性樹脂に必要
に応じて成形する際の成形性、熱安定性、機械的物性な
どを向上させるために、ポリメチルメタクリレート系の
加工助剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線
吸収剤、滑剤、充填剤、衝撃改良剤、難燃剤、顔料、塗
料等を適宜添加されたものでも構わない。
【0014】また、易変形層を構成する樹脂組成物とし
ては、特に限定されないが、ポリエチレン,ポリプロピ
レン、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂とこれらの熱可
塑性樹脂に相溶性を有する熱可塑性のエラストマー、可
塑剤などの可塑性付与剤との混合組成物が挙げられ、必
要に応じてこの混合組成物に成形する際の成形性、熱安
定性、機械的物性などを向上させるために、ポリメチル
メタクリレート系の加工助剤、熱安定剤、酸化防止剤、
帯電防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、充填剤、衝撃改良
剤、難燃剤、顔料、塗料等を適宜添加されたものでも構
わない。
ては、特に限定されないが、ポリエチレン,ポリプロピ
レン、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂とこれらの熱可
塑性樹脂に相溶性を有する熱可塑性のエラストマー、可
塑剤などの可塑性付与剤との混合組成物が挙げられ、必
要に応じてこの混合組成物に成形する際の成形性、熱安
定性、機械的物性などを向上させるために、ポリメチル
メタクリレート系の加工助剤、熱安定剤、酸化防止剤、
帯電防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、充填剤、衝撃改良
剤、難燃剤、顔料、塗料等を適宜添加されたものでも構
わない。
【0015】上記熱可塑性のエラストマーとしては、ポ
リ塩化ビニルの場合、特に限定されないが、たとえば、
EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)、NBR(ニト
リルゴム)などが挙げられる。一方、可塑剤としては、
ポリ塩化ビニルの場合、特に限定されないが、たとえ
ば、DOP(ジ−2−エチルヘキシルフタレート)、D
BP(ジブチルフタレート)、DMP(ジメチルフタレ
ート)などが挙げられる。
リ塩化ビニルの場合、特に限定されないが、たとえば、
EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)、NBR(ニト
リルゴム)などが挙げられる。一方、可塑剤としては、
ポリ塩化ビニルの場合、特に限定されないが、たとえ
ば、DOP(ジ−2−エチルヘキシルフタレート)、D
BP(ジブチルフタレート)、DMP(ジメチルフタレ
ート)などが挙げられる。
【0016】ポリ塩化ビニル樹脂の可塑性付与剤として
は、上記のものが挙げられるが、DOP、DBP、DM
Pなどの可塑剤は、長期の使用による成形品表面へのブ
リード、溶出、他への移行などの問題があるため、EV
A、NBRなどの熱可塑性エラストマーを使用すること
が好ましい。内層および易変形層にポリ塩化ビニルを用
いる場合、請求項3のライナー管のようにポリ塩化ビニ
ルの平均重合度を600以上2000以下とすることが
好ましい。 すなわち、平均重合度が小さ過ぎると成形
品の機械的物性、特に耐衝撃性、引張強度などが低下
し、平均重合度が大き過ぎると成形時の溶融粘度が高く
なり、成形しにくくなる恐れがある。そして、これらの
物性、外観、成形性を考慮した場合、平均重合度が80
0以上1400以下であることがより好ましい。
は、上記のものが挙げられるが、DOP、DBP、DM
Pなどの可塑剤は、長期の使用による成形品表面へのブ
リード、溶出、他への移行などの問題があるため、EV
A、NBRなどの熱可塑性エラストマーを使用すること
が好ましい。内層および易変形層にポリ塩化ビニルを用
いる場合、請求項3のライナー管のようにポリ塩化ビニ
ルの平均重合度を600以上2000以下とすることが
好ましい。 すなわち、平均重合度が小さ過ぎると成形
品の機械的物性、特に耐衝撃性、引張強度などが低下
し、平均重合度が大き過ぎると成形時の溶融粘度が高く
なり、成形しにくくなる恐れがある。そして、これらの
物性、外観、成形性を考慮した場合、平均重合度が80
0以上1400以下であることがより好ましい。
【0017】内層の厚さは、請求項5のライナー管のよ
うに、0.1mm以上(管の最大肉厚の1/4)以下が好
ましく、0.5mm以上(管の最大肉厚保の1/8)以下
がより好ましい。すなわち、内層の厚みが薄くなりすぎ
ると押出し成形では成形できなくなる恐れがあり、内層
の厚みが厚くなりすぎると、内層と易変形層でTgが異
なるため、易変形層のTgを低下させることによる、低
温での容易に管を復元させることが困難になる恐れがあ
る。
うに、0.1mm以上(管の最大肉厚の1/4)以下が好
ましく、0.5mm以上(管の最大肉厚保の1/8)以下
がより好ましい。すなわち、内層の厚みが薄くなりすぎ
ると押出し成形では成形できなくなる恐れがあり、内層
の厚みが厚くなりすぎると、内層と易変形層でTgが異
なるため、易変形層のTgを低下させることによる、低
温での容易に管を復元させることが困難になる恐れがあ
る。
【0018】なお、本発明のライナー管は、易変形層の
外側にさらに薄い保護層等を設けるようにしても構わな
いし、接着剤層または粘着剤層を設けるようにしても構
わない。
外側にさらに薄い保護層等を設けるようにしても構わな
いし、接着剤層または粘着剤層を設けるようにしても構
わない。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を、
図面を参照しつつ詳しく説明する。図1は本発明にかか
るライナー管の第1の実施の形態をあらわしている。
図面を参照しつつ詳しく説明する。図1は本発明にかか
るライナー管の第1の実施の形態をあらわしている。
【0020】図1に示すように、このライナー管1a
は、既設管路の内径とほぼ同じ外径をした円筒管が略U
字形に変形したような形状をしていて、内層11と、こ
の内層11の外側に設けられた易変形層12とを備えて
いる。内層11は、平均重合度400以上1000以下
の可塑性付与剤を含まないポリ塩化ビニルに滑剤,加工
助剤,顔料等を含んだ樹脂組成物によって形成され、ポ
リ塩化ビニルが少なくとも管の周方向に延伸されてい
る。
は、既設管路の内径とほぼ同じ外径をした円筒管が略U
字形に変形したような形状をしていて、内層11と、こ
の内層11の外側に設けられた易変形層12とを備えて
いる。内層11は、平均重合度400以上1000以下
の可塑性付与剤を含まないポリ塩化ビニルに滑剤,加工
助剤,顔料等を含んだ樹脂組成物によって形成され、ポ
リ塩化ビニルが少なくとも管の周方向に延伸されてい
る。
【0021】また、内層11の厚みは、0.1mm以上
(ライナー管1aの最大肉厚の1/4以下)になってい
る。易変形層12は、平均重合度400以上1000以
下の可塑性付与剤としてNBRを含むポリ塩化ビニルに
滑剤,加工助剤,顔料等を含んだ内層11を構成する樹
脂組成物より低いTgを有する樹脂組成物によって形成
され、ポリ塩化ビニルが少なくとも管の周方向に延伸さ
れている。
(ライナー管1aの最大肉厚の1/4以下)になってい
る。易変形層12は、平均重合度400以上1000以
下の可塑性付与剤としてNBRを含むポリ塩化ビニルに
滑剤,加工助剤,顔料等を含んだ内層11を構成する樹
脂組成物より低いTgを有する樹脂組成物によって形成
され、ポリ塩化ビニルが少なくとも管の周方向に延伸さ
れている。
【0022】このライナー管1aは、図2に示すような
金型2を用いて以下のようにして製造することができ
る。図2に示すように、金型2は、ランド部21と、コ
ア(マンドレル)22との間に成形通路23を有し、2
つの樹脂供給口24,25と、これらの樹脂供給口2
4,25から供給された樹脂組成物を成形通路23へそ
れぞれ管状に展開して供給する2つの樹脂供給路26,
27とを備えている。
金型2を用いて以下のようにして製造することができ
る。図2に示すように、金型2は、ランド部21と、コ
ア(マンドレル)22との間に成形通路23を有し、2
つの樹脂供給口24,25と、これらの樹脂供給口2
4,25から供給された樹脂組成物を成形通路23へそ
れぞれ管状に展開して供給する2つの樹脂供給路26,
27とを備えている。
【0023】成形通路23は、図2のA部で図3(a)
に示すように断面円形をし、図2のB部で図3(b)に
示すように断面円形から徐々に一方の壁が他方の壁の方
へ入り込むように変形し、図2のC部で図3(c)に示
す断面形状、図2のD部で図1に示す最終的に得ようと
するライナー管1aの断面形状に変形している。
に示すように断面円形をし、図2のB部で図3(b)に
示すように断面円形から徐々に一方の壁が他方の壁の方
へ入り込むように変形し、図2のC部で図3(c)に示
す断面形状、図2のD部で図1に示す最終的に得ようと
するライナー管1aの断面形状に変形している。
【0024】そして、内層11となる樹脂組成物を押出
機から第1の樹脂供給口24および供給用通路26を介
して成形通路23に連続的に供給するとともに、易変形
層12となる樹脂組成物を押出機から第2の供給口25
および供給用通路27を介して成形通路23に連続的に
供給し、まず、図3(a)に示す円形の断面形状をした
二層構造の賦形物に賦形したのち、押出機の押出圧力に
よりこの賦形物を成形通路23の断面形状に沿うように
変形させながら金型出口からライナー管1a形状にして
連続的に押し出すようになっている。
機から第1の樹脂供給口24および供給用通路26を介
して成形通路23に連続的に供給するとともに、易変形
層12となる樹脂組成物を押出機から第2の供給口25
および供給用通路27を介して成形通路23に連続的に
供給し、まず、図3(a)に示す円形の断面形状をした
二層構造の賦形物に賦形したのち、押出機の押出圧力に
よりこの賦形物を成形通路23の断面形状に沿うように
変形させながら金型出口からライナー管1a形状にして
連続的に押し出すようになっている。
【0025】連続的に押し出されたライナー管1aは、
図示していないが、冷却後、巻き取り装置でスプールに
巻回されるようになっている。
図示していないが、冷却後、巻き取り装置でスプールに
巻回されるようになっている。
【0026】このライナー管1aは、以上のように、可
塑性付与剤を含む樹脂組成物からなる易変形層12の内
側に、可塑性付与剤を含まない樹脂組成物からなる内層
11を備えているので、耐薬品性に優れている。内層1
1の厚みが0.1mm以上管の肉厚の1/4以下である
ので、低温加熱でも容易に既設管路に沿う形状に形状復
元する。
塑性付与剤を含む樹脂組成物からなる易変形層12の内
側に、可塑性付与剤を含まない樹脂組成物からなる内層
11を備えているので、耐薬品性に優れている。内層1
1の厚みが0.1mm以上管の肉厚の1/4以下である
ので、低温加熱でも容易に既設管路に沿う形状に形状復
元する。
【0027】また、ライナー管を加熱するとともに内圧
をかけるために、ライナー管内に蒸気を通すが、内層1
1のTgが高いため、内層11が蒸気の熱で傷むことが
なく、易変形層12に徐々に熱を伝えることができる。
をかけるために、ライナー管内に蒸気を通すが、内層1
1のTgが高いため、内層11が蒸気の熱で傷むことが
なく、易変形層12に徐々に熱を伝えることができる。
【0028】図4は本発明にかかるライナー管の第2の
実施の形態をあらわしている。図4に示すように、この
ライナー管3は、折り畳んだ一方の端部が他方端部の内
側に入り込んだような断面形状をしている以外は、上記
ライナー管1aと同様になっている。
実施の形態をあらわしている。図4に示すように、この
ライナー管3は、折り畳んだ一方の端部が他方端部の内
側に入り込んだような断面形状をしている以外は、上記
ライナー管1aと同様になっている。
【0029】このライナー管3のような断面形状にする
と、断面積が小さくなり、スプールにより密に巻回する
ことができる。
と、断面積が小さくなり、スプールにより密に巻回する
ことができる。
【0030】図5は本発明にかかるライナー管の第3の
実施の形態をあらわしている。図5に示すように、この
ライナー管4は、管中央に向かって両側から凹んだよう
な形状をしている以外は、上記ライナー管1aと同様に
なっている。
実施の形態をあらわしている。図5に示すように、この
ライナー管4は、管中央に向かって両側から凹んだよう
な形状をしている以外は、上記ライナー管1aと同様に
なっている。
【0031】本発明のライナー管は、上記の実施の形態
に限定されない。たとえば、上記の実施の形態では、金
型内に成形品形状に徐々に賦形するようになっている
が、円筒形の成形体を金型から押し出したのち、この成
形体を配向可能温度域に加熱した状態で金型後方に設け
られた変形装置でライナー管形状に変形するようにして
も構わない。
に限定されない。たとえば、上記の実施の形態では、金
型内に成形品形状に徐々に賦形するようになっている
が、円筒形の成形体を金型から押し出したのち、この成
形体を配向可能温度域に加熱した状態で金型後方に設け
られた変形装置でライナー管形状に変形するようにして
も構わない。
【0032】
【実施例】以下に、本発明の実施例をより詳しく説明す
る。
る。
【0033】(実施例1〜6) (1)易変形層用樹脂組成物 樹脂:重合度P:1000 100重量部 安定剤:錫系安定剤 添加剤:NBR 16重量部 その他:(滑剤+加工助剤+顔料) トータル2重量部 Tg:56℃ (2)内層用樹脂組成物 樹脂:重合度P:1000 100重量部 安定剤:錫系安定剤 その他:(滑剤+加工助剤+顔料) トータル2重量部 Tg:83.5℃
【0034】上記(1)(2)の樹脂組成物を用いて、
表1に示すパイプ外径,肉厚、内層厚さの円筒形パイプ
を押出成形金型から連続的に押し出すとともに、易変形
層を「Tg+20℃」の温度にした状態で、変形装置に
よって連続的に図1に示す断面形状に変形させてライナ
ー管のサンプルを得た。
表1に示すパイプ外径,肉厚、内層厚さの円筒形パイプ
を押出成形金型から連続的に押し出すとともに、易変形
層を「Tg+20℃」の温度にした状態で、変形装置に
よって連続的に図1に示す断面形状に変形させてライナ
ー管のサンプルを得た。
【0035】
【表1】
【0036】(比較例1)上記(1)の樹脂組成物のみ
を用いて単層とした以外は、実施例1と同様にしてライ
ナー管のサンプルを得た。
を用いて単層とした以外は、実施例1と同様にしてライ
ナー管のサンプルを得た。
【0037】(比較例2)上記(2)の樹脂組成物のみ
を用いて単層とした以外は、実施例1と同様にしてライ
ナー管のサンプルを得た。
を用いて単層とした以外は、実施例1と同様にしてライ
ナー管のサンプルを得た。
【0038】上記実施例1〜6および比較例1,2で得
られたサンプルの(内層厚さ/肉厚)、復元性および耐薬
品性について調べその結果を表2にあわせて示した。な
お、復元性については、各サンプルを(1)の樹脂組成物
の「Tg+20℃」である76℃および(2)の樹脂組成
物の「Tg+20℃」である103.5℃にそれぞれ昇
温し、サンプルが各加熱温度で元の円管形状に復元する
かどうかの確認を行った。
られたサンプルの(内層厚さ/肉厚)、復元性および耐薬
品性について調べその結果を表2にあわせて示した。な
お、復元性については、各サンプルを(1)の樹脂組成物
の「Tg+20℃」である76℃および(2)の樹脂組成
物の「Tg+20℃」である103.5℃にそれぞれ昇
温し、サンプルが各加熱温度で元の円管形状に復元する
かどうかの確認を行った。
【0039】
【表2】
【0040】上記の結果から、本発明のライナー管の管
内面が耐薬品性に優れているとともに、ほぼ「内層厚さ
/肉厚」が「1/4」のとき、低温でもパイプの復元が
内層材料の剛性に阻害されずに復元可能であることがよ
くわかる。
内面が耐薬品性に優れているとともに、ほぼ「内層厚さ
/肉厚」が「1/4」のとき、低温でもパイプの復元が
内層材料の剛性に阻害されずに復元可能であることがよ
くわかる。
【0041】
【発明の効果】本発明にかかるライナー管は、以上のよ
うに構成されているので、既設管路内への挿入作業が容
易でしかも耐薬品性に優れている。
うに構成されているので、既設管路内への挿入作業が容
易でしかも耐薬品性に優れている。
【図1】本発明にかかるライナー管の第1の実施の形態
をあらわす断面図である。
をあらわす断面図である。
【図2】図1のライナー管の製造に用いる金型の断面図
である。
である。
【図3】図2の金型の成形通路の断面形状の変化を説明
する説明図であって、同図(a)は図2のA−A線断面
図、同図(b)は図2のB−B線断面図、同図(c)は
図2のC−C線断面図である。
する説明図であって、同図(a)は図2のA−A線断面
図、同図(b)は図2のB−B線断面図、同図(c)は
図2のC−C線断面図である。
【図4】本発明にかかるライナー管の第2の実施の形態
をあらわす断面図である。
をあらわす断面図である。
【図5】本発明にかかるライナー管の第2の実施の形態
をあらわす断面図である。
をあらわす断面図である。
1,3,4ライナー管 11 内層 12 易変形層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H025 EA01 EB23 ED02 4F100 AK01A AK01B AK04 AK07 AK15 AK15B AK68 AL09 BA02 BA25B CA04A DA11 DD31 JA05B JA07B JB01 JB01B JK06 YY00B 4F211 AA15 AD12 AG03 AG08 AH43 SA13 SC03 SD04 SD11 SG01 SH06 SP20 SP21
Claims (5)
- 【請求項1】加熱および内側からの加圧のうち少なくと
も加熱によって挿入された既設管路の内周面に沿う形状
に変形するライナー管において、易形状変形性樹脂組成
物からなる易変形層と、この易変形層より内側に設けら
れ易形状変形性樹脂組成物より耐薬品性に優れた樹脂組
成物からなる内層とを少なくとも備えることを特徴とす
るライナー管。 - 【請求項2】内層が可塑性付与剤非含有樹脂組成物で形
成され、易変形層が可塑性付与剤含有樹脂組成物で形成
されている請求項1に記載のライナー管。 - 【請求項3】可塑性付与剤非含有樹脂組成物を構成する
樹脂および可塑性付与剤含有樹脂組成物を構成する樹脂
が平均重合度600以上2000以下のポリ塩化ビニル
である請求項2に記載のライナー管。 - 【請求項4】加熱および内側からの加圧のうち少なくと
も加熱によって挿入された既設管路の内周面に沿う形状
に変形するライナー管において、易形状変形性樹脂組成
物からなる易変形層と、この易変形層より内側に設けら
れ易変形層よりガラス転移温度が高い樹脂組成物からな
る内層とを備えることを特徴とするライナー管。 - 【請求項5】内層の厚さが0.1mm以上(管の最大肉
厚の1/4)以下である請求項1〜請求項4のいずれか
に記載のライナー管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000288963A JP2002096390A (ja) | 2000-09-22 | 2000-09-22 | ライナー管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000288963A JP2002096390A (ja) | 2000-09-22 | 2000-09-22 | ライナー管 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002096390A true JP2002096390A (ja) | 2002-04-02 |
Family
ID=18772453
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000288963A Pending JP2002096390A (ja) | 2000-09-22 | 2000-09-22 | ライナー管 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002096390A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007023228A (ja) * | 2005-07-21 | 2007-02-01 | Nichias Corp | シール構造体及びその製造方法 |
-
2000
- 2000-09-22 JP JP2000288963A patent/JP2002096390A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007023228A (ja) * | 2005-07-21 | 2007-02-01 | Nichias Corp | シール構造体及びその製造方法 |
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