JP2002095970A - メタノールの水蒸気改質触媒およびそれを用いる水素製造法 - Google Patents
メタノールの水蒸気改質触媒およびそれを用いる水素製造法Info
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Abstract
ことのできる新規なメタノ−ルの水蒸気改質触媒を提供
し、更に、該触媒を用いた効率的な水素の製造方法を提
供する。 【解決手段】 銅ならびに亜鉛ならびに、パラジウム及
び/又は白金を含んでなり、かつパラジウム及び/又は
白金に対する銅の原子比が0.5〜10であり、銅に対
する亜鉛の原子比が0.1〜10であることを特徴とす
るメタノールの水蒸気改質触媒、及び、該触媒の存在下
にメタノ−ルを水蒸気改質することを特徴とする水素の
製造方法。
Description
気の存在下に分解して水素を得るのに用いられるメタノ
ールの水蒸気改質触媒、及び該触媒を用いる水素の製造
方法に関する。
ては、アルミナ等の担体上に、白金あるいはパラジウム
を担持させた触媒、又は銅、ニッケル、クロムあるいは
亜鉛等のような卑金属を担持させた触媒が数多く提案さ
れている。
択性に優れていることが広く知られている(触媒学会編
「触媒講座・第9巻」(1985年5月10日発行) 講談社、
P132〜134。一方では、これらの銅系元素からなる触媒
は活性は優れるが、熱安定性に問題があるとされてい
る。銅化合物にパラジウムや白金元素を含む触媒が知ら
れており、例えば、亜鉛、クロムを主成分とし銅、コバ
ルト、白金、パラジウム、ロジウム、ニッケル、マンガ
ン、マグネシウム、モリブデンの何れかを含有する触媒
が開示されている(特開昭57−56302)。また、
高温下で活性の劣化が小さく、高い触媒活性を示す触媒
としてアルミナを予めジルコニアで被覆した担体上に
銅、亜鉛、クロム、ニッケルからなる群の一種類以上の
金属に白金、パラジウムからなる群の一種類以上の金属
を担持させることで活性を向上させる方法が知られてい
る(特開昭57−7255)。活性および安定性に優れ
た触媒調製方法として、銅、亜鉛、アルミニウムおよび
希土類とジルコニウムの少なくとも一種類の金属を含有
し、さらにパラジウム、銀、レニウムおよび白金より選
ばれる少なくとも一種類の金属を含有する触媒の調製方
法が知られている(特開昭60−209255)。ま
た、耐久性の高い触媒として、酸化銅、酸化亜鉛、酸化
アルミニウムおよび酸化ケイ素を必須成分とする金属酸
化物で構成された触媒であり、任意成分として酸化ジル
コニウム、酸化ガリウム、酸化パラジウムを任意成分と
して含んでいてもよいことが開示されている(特開平1
0−309466)。以上のように銅および白金、パラ
ジウムを含有する触媒が多く知られているが、これらは
白金、パラジウム対する銅原子比の比較的高い範囲に限
られている。銅系触媒の一般的調製法として混練法、共
沈法、Cuメッキ法、Cu溶射法等が知られているが触
媒の最小粒径に限界があり、活性ならびに耐久性の優れ
た方法として超微粒子の合金系触媒が開示されている
(特開平07−116517、特開平07−26570
4、特開平08−215571、特開平08−2155
76)。しかし、公知のいずれの方法も活性および耐久
性の双方が充分でないのが実状である。
ている触媒の欠点を解消して、触媒活性及び耐久性の両
方を十分に満足することのできる新規なメタノールの水
蒸気改質触媒を提供するのであり、更には該触媒を用い
た、効率的な水素の製造方法を提供するものである。
を解決すべく鋭意検討した結果、従来それだけでは活性
が極めて低いパラジウム及び/または白金元素を銅、亜
鉛系触媒に多量に加えることにより驚くべきことに、耐
久性のみならず触媒活性も向上することを見いだし本発
明を完成するに至った。
金を含んでなり、かつパラジウム及び/又は白金に対す
る銅の原子比が0.5〜10であり、銅に対する亜鉛の
原子比が0.1〜10であることを特徴とするメタノー
ルの水蒸気改質触媒。 パラジウム及び/又は白金を含んでなり、かつパラ
ジウム及び/又は白金に対する銅の原子比が0.5〜5
であるに記載のメタノールの水蒸気改質触媒。 パラジウム及び/又は白金を含んでなり、かつパラジ
ウム及び/又は白金に対する銅の原子比が0.5〜3で
あるに記載のメタノールの水蒸気改質触媒。 銅ならびに亜鉛ならびに、パラジウム及び/又は白金
を含んでなる触媒が、共沈法により調製され、200℃
から470℃で焼成された〜に記載のメタノール改
質触媒。 〜のいずれかに記載の触媒の存在下にメタノー
ルを水蒸気改質することを特徴とする水素の製造方法。
気改質触媒は、銅の他に亜鉛、パラジウム及び/又は白
金を必須成分としてなるものである。この触媒において
は、パラジウム又は白金に対する銅の原子比が0.5〜
10となる範囲である。パラジウム及び/又は白金のみ
の場合、耐久性は向上するものの活性は極めて低い。一
方、銅亜鉛のみの場合、活性は高いが耐久性は極めて小
さい。本発明においては、パラジウム及び/又は白金元
素に対する銅の原子比が0.1〜10の時、活性および
耐久性が驚くべきことに極めて高いことを見い出した。
パラジウム及び/又は白金元素に対する銅の原子比が
0.1未満では触媒の活性が低下し、10を越えると耐
久性が低下する。好ましくは0.5〜5となる範囲であ
り、特に好ましくは0.5〜3となる範囲である。触媒
をパラジウム及び白金の両方が含まれる構成とする場合
には、これらの総和に対する銅の原子比が0.1〜10
となる範囲であり、好ましくは0.5〜5となる範囲で
あることがより好ましい。さらに好ましくは0.5〜3
となる範囲である。
改質触媒では、亜鉛をも含む構成とすることが、その触
媒活性がより高まることから必要である。亜鉛の含有比
率は亜鉛/銅の原子比が0.1〜10となる範囲であ
り、好ましくは0.2〜4となる範囲である。また、本
発明の目的を損なわない範囲であれば、他の酸化物を含
む構成であっても構わない。
ことが可能である。例えば触媒学会編「触媒講座・第5
巻」(1986年11月1日発行・ 講談社)に記載があるよ
うな、一般的な方法により調製することができる。銅、
亜鉛を公知の方法で調製した後に、パラジウムあるいは
白金を含浸するなどして担持させた場合には、十分な活
性、耐久性が得ら難い。共沈により触媒を製造する場
合、金属塩溶液を塩基性炭酸塩、重炭酸塩溶液と、pH6
〜9の範囲において常温から約80℃の温度範囲で混合
し、析出した共沈物(触媒前駆体)を常温ないし約50
℃の温度範囲で洗浄し、常温で濾過し、約100〜16
0℃の温度範囲で乾燥し、焼成する方法が挙げられる。
触媒の焼成温度は低温である方が好ましく約200℃か
ら470℃の範囲で焼成することが好ましい。高温で焼
成する場合には触媒のシンタリングを引き起こし、活性
が低下するため、470℃を超える温度では好ましくな
い。また低温の100℃未満の場合には共沈で調製され
た触媒前駆体の分解が不十分となり活性が得られない。
以上の方法により得られる触媒は液相あるいは、気相で
水素処理し反応に用いることが好ましい。
した方法により製造した後、次いで打錠成型するか、あ
るいは押し出し成型による成型触媒として用いることが
できる他、ムライト、コージェライトなどのセラミック
担体や、シリカクロス、スポンジ状金属焼結多孔板等の
上に担持せしめたハニカム状とすることも可能である。
上記した触媒の存在下に、好ましくは、これにメタノー
ル及び水(水蒸気)を接触させる形態により行われる。
この際のメタノール改質反応の条件は、好ましくは、反
応温度150〜600℃、反応圧力は好ましくは、50
kg /cm2G以下、特に好ましくは30kg/cm2G〜常圧であ
る。またメタノールに対する水の比率は、好ましくは、
メタノール1モルに対して水0.5〜30モルの範囲、
これらメタノールと水との混合蒸気の空間速度は好まし
くは50〜50,000hr-1、特に好ましくは100〜
15,000hr -1の範囲である。また、必要に応じて水
素ガス、一酸化炭素ガス、炭酸ガス、窒素、及び空気等
を加えて反応を行わせることもできる。
上記メタノール及び水を触媒に接触させることにより可
能であり、特に装置スケール等に制約を受けるようなも
のでもなく、またその触媒との接触方式は、固定床方式
や流動床方式等といった、従来公知の任意の反応様式で
実施することができる。
性試験例を挙げ、更に説明するが、本発明の範囲はこれ
ら記載により何らの制限を受けるものではない。以下に
おいて、%は全て質量基準である。
三水和物 [Cu(NO3)2・3H2O] 1.49g、硝酸亜鉛・六水和物
[Zn(NO3)2・6H2O] 10.06gを純水200mlに溶解し水溶液
とした。次に、この水溶液に1Nの炭酸ナトリウム[Na2C
O3]を、室温下にて攪拌混合しながら溶液のpHが6.6乃
至6.8になるまで添加した。生成したスラリーを150分間
攪拌した後、生成した沈殿を減圧濾過し、蒸留水にて十
分に洗浄した。その後、濾別した沈殿を乾燥器中で80℃
で12時間乾燥させた後、空気中、電気炉で350℃で3時間
焼成した。得られた酸化物を打錠成型、粉砕した後に、
その1mlを採取した。これを小型反応管に充填し、H2/N2
=1/9の混合ガスGHSV=6000[ hr-1 ]にて還元処理を行
い、触媒を得た。
硝酸銅・三水和物 2.39gを添加することにより銅/パラ
ジウム原子比=1となるようにした他は、実施例1と同様
な方法で触媒を調製した。
硝酸銅・三水和物 3.43gを添加することにより銅/パ
ラジウム原子比=2となるようにした他は、実施例1と同
様な方法で触媒を調製した。
硝酸銅・三水和物 3.76gを添加することにより銅/パ
ラジウム原子比=2.5なるようにした他は、実施例1と同
様な方法で触媒を調製した。
硝酸銅・三水和物 4.01gを添加することにより銅/パラ
ジウム原子比=3となるようにした他は、実施例1と同様
な方法で触媒を調製した。
酸銅・三水和物 4.64gを添加することにより銅/パラ
ジウム原子比=5となるようにした他は、実施例1と同様
な方法で触媒を調製した。
酸銅・三水和物 5.09gを添加することにより銅/パラ
ジウム原子比=8となるようにした他は、実施例1と同様
な方法で触媒を調製した。
硝酸銅・三水和物 5.26gを添加することにより銅/パ
ラジウム原子比=10となるようにした他は、実施例1と
同様な方法で触媒を調製した。
に塩化白金酸・六水和物2.53gを添加し、硝酸銅・三水
和物 2.95gを添加することにより銅/白金原子比=2.5
となるようにした。これら試薬を純水200mlに溶解し水
溶液とし、アンモニア水溶液を室温下にて攪拌混合し、
溶液のpHを6.6〜6.8になるまで添加した。その他の操作
は実施例1と同様な方法で触媒を調製した。
に塩化白金酸・六水和物2.30gを添加し、硝酸銅・三水
和物 3.22gを添加することにより銅/白金原子比=3と
なるようにした。これら試薬を純水200mlに溶解し水溶
液とし、アンモニア水溶液を室温下にて攪拌混合し、溶
液のpHを6.6〜6.8になるまで添加した。その他の操作は
実施例1と同様な方法で触媒を調製した。
に塩化白金酸・六水和物1.70gを添加し、硝酸銅・三水
和物 3.97gを添加することにより銅/白金原子比=5と
なるようにした。これら試薬を純水200mlに溶解し水溶
液とし、アンモニア水溶液を室温下にて攪拌混合し、溶
液のpHを6.6〜6.8になるまで添加した。その他の操作は
実施例1と同様な方法で触媒を調製した。
炉で400℃で3時間焼成した。その他は実施例1と同様な
方法を用いて触媒を調製した。
炉で470℃で3時間焼成した。その他は実施例1と同様な
方法を用いて触媒を調製した。
炉で500℃で3時間焼成した。その他は実施例1と同様な
方法を用いて触媒を調製した。
炉で600℃で3時間焼成した。その他は実施例1と同様な
方法を用いて触媒を調製した。
ず、硝酸銅・三水和物6.07gを添加した以外は、実施例
1と同様な方法で触媒を調製した。
硝酸銅・三水和物 5.64gを添加することにより銅/パ
ラジウム比=20となるようにした他は、実施例1と同様
な方法で触媒を調製した。
硝酸銅・三水和物 5.89gを添加することにより銅/パ
ラジウム比=50となるようにした他は、実施例1と同様
な方法で触媒を調製した。
硝酸銅・三水和物 0.70gを添加することにより銅/パ
ラジウム比=0.2となるようにした他は、実施例1と同
様な方法で触媒を調製した。
金触媒について、メタノールの水蒸気改質反応の活性を
測定した。原料として54.2重量%のメタノール水溶液
(H2O/CH3OH=1.5(モル/モル))を用い、反応条件とし
て反応温度250℃、常圧下にて、前記原料であるメタノ
ール水溶液の供給速度を単位触媒量あたり60(L-solv./L
-cat・h)にて行った。反応により生成した水素および二
酸化炭素の混合ガスのガス量を測定し、反応初期と、反
応開始より48時間後の活性の減少率から、活性低下率を
算出した。得られた活性試験結果を表1および図1に示
す。
らびに該触媒の活性試験結果から明らかなように、本発
明の触媒はその活性のみならず、耐久性に十分に優れる
ものであることがわかる。
ば、上記本発明の触媒を用いることにより、長期にわた
り効率のよい水素の製造が可能である。
生成速度の関係を示す図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 銅ならびに亜鉛ならびに、パラジウム及
び/又は白金を含んでなり、かつパラジウム及び/又は
白金に対する銅の原子比が0.5〜10であり、銅に対
する亜鉛の原子比が0.1〜10であることを特徴とす
るメタノールの水蒸気改質触媒。 - 【請求項2】 パラジウム及び/又は白金を含んでな
り、かつパラジウム及び/又は白金に対する銅の原子比
が0.5〜5である請求項1に記載のメタノールの水蒸
気改質触媒。 - 【請求項3】 パラジウム及び/又は白金を含んでな
り、かつパラジウム及び/又は白金に対する銅の原子比
が0.5〜3である請求項1に記載のメタノールの水蒸
気改質触媒。 - 【請求項4】 銅ならびに亜鉛ならびに、パラジウム及
び/又は白金を含んでなる触媒が、共沈法により調製さ
れ、200℃から470℃で焼成された請求項1〜3に
記載のメタノール改質触媒。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の触
媒の存在下にメタノールを水蒸気改質することを特徴と
する水素の製造方法。
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---|---|---|---|
JP2001218243A JP3727257B2 (ja) | 2000-07-18 | 2001-07-18 | メタノールの水蒸気改質触媒およびそれを用いる水素製造法 |
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JP2000-217509 | 2000-07-18 | ||
JP2001218243A JP3727257B2 (ja) | 2000-07-18 | 2001-07-18 | メタノールの水蒸気改質触媒およびそれを用いる水素製造法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP3727257B2 JP3727257B2 (ja) | 2005-12-14 |
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JP2001218243A Expired - Lifetime JP3727257B2 (ja) | 2000-07-18 | 2001-07-18 | メタノールの水蒸気改質触媒およびそれを用いる水素製造法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115634707A (zh) * | 2022-11-10 | 2023-01-24 | 南开大学 | 一种稀土双原子热催化材料及其合成方法与应用 |
-
2001
- 2001-07-18 JP JP2001218243A patent/JP3727257B2/ja not_active Expired - Lifetime
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CN115634707A (zh) * | 2022-11-10 | 2023-01-24 | 南开大学 | 一种稀土双原子热催化材料及其合成方法与应用 |
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