JP2002095489A - L−アスパラギン酸の製造方法 - Google Patents

L−アスパラギン酸の製造方法

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彰 川上
Fumioki Shimoyama
文興 下山
Masaharu Mukoyama
正治 向山
Shinzo Yasuda
信三 安田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 原料液を固定化酵素に接触させることによっ
てL−アスパラギン酸を製造する方法において、原料液
のpHの許容範囲を拡大する方法の提供。 【解決手段】 固定化酵素を充填した反応器に原料液を
接触させることによりL−アスパラギン酸を生成せしめ
る工程を含むL−アスパラギン酸の製造方法において、
原料からL−アスパラギン酸への98%の転化率を得る
のに必要な固定化酵素の最少量(最少固定化酵素量)に
比べて1.1倍以上の量の固定化酵素を使用することを
特徴とするL−アスパラギン酸の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、L−アスパラギン
酸の改良された製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】L−アスパラギン酸の製造方法として、
酵素的方法、例えばフマル酸又はマレイン酸とアンモニ
ウムイオンとから、酵素反応によりL−アスパラギン酸
を生成せしめる方法が知られている。
【0003】L−アスパラギン酸の酵素的製造方法の典
型的な例として、フマル酸とアンモニウムイオン、特に
フマル酸アンモニウムをL−アスパラギン酸に転換する
酵素系、特にアスパルターゼを用いる方法が知られてい
る。この方法においては、フマル酸とアンモニウムイオ
ン又はフマル酸アンモニウムをL−アスパラギン酸に転
換する酵素、例えばアスパルターゼを固定化し、この固
定化酵素を充填した反応器に、フマル酸とアンモニウム
イオン、又はフマル酸アンモニウムを含有する原料液を
通液することにより、フマル酸とアンモニウムイオン、
又はフマル酸アンモニウムをL−アスパラギン酸に転換
せしめ、L−アスパラギン酸(アンモニウム塩)を含有
する反応液からL−アスパラギン酸を析出分離する。
【0004】なお、上記の方法においては、反応器から
流出した反応液には、アンモニウム塩の形でL−アスパ
ラギン酸が含有されており、反応液にフマル酸を添加し
て酸性化することによりL−アスパラギン酸を析出−分
離し、分離した後のフマル酸含有液にアンモニアを添加
して中和することにより、フマル酸アンモニウムを含有
する液を調製し、これを原料液として再循環利用する方
法が用いられる。
【0005】上記の方法において、フマル酸等の原料を
L−アスパラギン酸に転換する酵素の活性はpH値により
非常に影響を受ける。例えば、Journol of Solid-Phase
Biochemistry, Vol.3, No.4 (1978) (文献1)によれ
ば、大腸菌のアスパルターゼを固定化して用いて、フマ
ル酸をL−アスパラギン酸に転換する酵素反応の活性は
pH8.6附近において最高であり、このpH値からわずか
に塩基性側又は酸性側にシフトすることにより、活性は
急激に低下する(258頁Fig.8を参照のこと)。
【0006】従って、このような状況下で、工業的に有
利にL−アスパラギン酸を製造するには、原料溶液のpH
を精密に制御する必要があり、そのために高価な設備を
必要とする。他方、原料液のpHコントロールが不十分な
場合、原料であるフマル酸からL−アスパラギン酸への
転化率が低下し、製造コストが上昇することになる。従
って、原料溶液の許容されるpH範囲を広くすることが望
まれる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、原料
液を固定化酵素に接触させることにより原料をL−アス
パラギン酸に転換する工程を含むL−アスパラギン酸の
製造方法において、原料液の許容されるpH範囲を拡大す
ることにより、原料液の精密なpHコントロールを必要と
しないでL−アスパラギン酸を製造することができる方
法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決すべく種々検討した結果、原料をほぼ完全にL−
アスパラギン酸に転化するために必要な最少の固定化酵
素量に比べて多くの固定化酵素を使用することにより、
原料液の許容されるpH域を大巾に拡大することができる
ことを見出し、本発明を完成した。
【0009】従って、本発明は、固定化酵素に原料液を
接触させることによりL−アスパラギン酸を生成せしめ
る工程を含むL−アスパラギン酸の製造方法において、
原料からL−アスパラギン酸への98%の転化率を得る
のに必要な固定化酵素の最少量(最少固定化酵素量)に
比べて1.1倍以上の量の固定化酵素を使用することを
特徴とする方法を提供する。
【0010】前記のL−アスパラギン酸の製造方法は、
典型的にはフマル酸とアンモニウムイオン又はフマル酸
アンモニウムをL−アスパラギン酸に変換することがで
きる酵素系を含有する固定化酵素に、フマル酸とアンモ
ニウムイオン又はフマル酸アンモニウムを含有する原料
液を接触させることによりL−アスパラギン酸を生成せ
しめる工程を含む方法である。好ましくは、最少固定化
酵素量に比べて1.1倍以上10倍以下の量の固定化酵
素を使用する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の方法において用いる固定
化酵素のための酵素の由来としては、微生物が好まし
く、例えば、大腸菌、シュードモナス、シトロバクター
等が挙げられる。例えば、大腸菌(Escherichia coli)
K−12株(IFO3301)、シュードモナス・フル
オレセンス (Pseudomonas fluorescens)(IFO308
1)などが挙げられるが、これらに限定されず、アスパ
ルターゼを産生することが知られている種々の微生物を
用いることができ、アスパルターゼの由来の選択は、本
発明を特徴付けるものではない。
【0012】さらに、上記のごとく、生来的にアスパル
ターゼ生産能を有する微生物に限らず、それらの微生物
からクローニングされた、アスパルターゼをコードする
DNAを遺伝子工学的に導入した組換え微生物であって
もよい。固定化するための酵素としては、上記のごとき
微生物菌体自体でもよく、あるいはアスパルターゼを含
有する菌体を破砕したもの、菌体からの酵素抽出物、種
々の程度まで精製した粗精製酵素、または純粋な酵素で
あることができる。しかしながら、固定化酵素の製造コ
スト等の観点から、培養菌体それ自体を用いるのが好ま
しい。
【0013】固定化の担体としては、セルロース、アル
ギン酸、カラギーナン、マンナンゲルなどの天然系高分
子、あるいは、イオン交換樹脂やポリビニルアルコー
ル、ポリアクリルアミドなどの適当な合成高分子を常法
により用いることができる。これらの中でも、特に、球
状のスチレンジビニルベンゼン共重合体イオン交換樹脂
を担体として用い、次の一般式(I)
【0014】
【化1】
【0015】(式中、Yは直接結合であるか、又は次式
【化2】
【0016】により表される2価基であり、R1 及びR
2 は相互に独立に水素原子又は有機残基であり、
【化3】 は陰イオンを表し、そしてnは100〜5000の数で
ある)により表されるポリマーと菌体あるいは菌体処理
物を混合し球状スチレンジビニルベンゼン共重合体イオ
ン交換樹脂表面に被覆することにより前記担体に固定化
したものを用いることができる。
【0017】前記式(I)において、R1 又はR2 で表
される有機残基としては、例えば、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基、tert−ブチル基などの炭素数10個
以下のアルキル基が挙げられ、特にメチル基が好まし
い。さらに、ハロゲンやヒドロキシル基等の置換基を有
する有機残基を使用することができ、例えば、4−クロ
ロ−2−ジメチルペンチル基、3−エチル−2,5−ジ
クロロヘプチル基、2−ヒドロキシ−3,5−ジメチル
ノニル基など、好ましくは3−クロロ−2−ヒドロキシ
プロピル基を用いることができる。また、陰イオンとし
ては、例えば、F- ,Cl- ,Br- ,I-等のハロゲ
ンイオンが挙げられる。
【0018】この方法で固定化して作成した固定化アス
パルターゼは圧力損失が少なく、拡散層も薄いので拡散
抵抗が小さく、高SVでの反応に使用することができ
る。本発明に用いられる原料溶液は、例えばフマル酸ア
ンモニウム塩溶液、すなわちフマル酸をアンモニアによ
り中和した塩水溶液である。中和に用いるアンモニアの
使用量は特に限定されないが、基質液中のフマル酸に対
して、好ましくは1.8〜2.8倍モル、より好ましく
は2.0〜2.4倍モルの範囲である。基質液のpHは特
に限定されないが、25℃の温度条件下で、好ましくは
6〜11、より好ましくは7〜10、最も好ましくは
7.5〜9.5の範囲にする。
【0019】反応の際のフマル酸濃度は通常5〜25重
量%の範囲が好ましいが、生産性と得られるL−アスパ
ラギン酸の純度、フマル酸塩の溶解度を考慮すると特に
12〜25重量%の範囲で反応させるのが効果的であ
る。また基質媒体にはさらに、塩化マンガン、硫酸マン
ガンなどのマンガン塩、又は塩化マグネシウム、硫酸マ
グネシウムなどのマグネシウム塩、コバルト塩などの2
価金属塩を添加することが望ましく、好ましくは0.1
〜50mM、より好ましくは1〜10mMの濃度で添加する
ことが望ましい。
【0020】本発明の原料液は、水に新たにフマル酸を
混合したスラリーに所定のアンモニアを添加して調製す
ることができるが、この原料溶液は主として運転初期に
おいて用いられる。本発明の普通の態様によれば、固定
化酵素を通過した反応液は、反応により生成したL−ア
スパラギン酸、並びに未反応のかなりの量のアンモニウ
ムイオン及び少量の未反応のフマル酸を含有しており、
この反応液にフマル酸を加えて酸性化することによりL
−アスパラギン酸を析出せしめてこれを採取し、フマル
酸を多量に含有する母液にアンモニアを添加することに
よりpHを調製し、これを原料液として再循環使用する。
【0021】本発明は、固定化酵素に原料液を接触させ
ることによりL−アスパラギン酸を生成せしめる工程を
含むL−アスパラギン酸の製造方法において、原料例え
ばフマル酸からL−アスパラギン酸への98%の転化率
を得るのに必要な固定化酵素の最少量(最少固定化酵素
量)に比べて1.1倍以上の量の固定化酵素を用いるこ
とを特徴としている。
【0022】最少固定化酵素量は次のようにして得るこ
とができる。まず、固定化酵素の至適pHを決定する。こ
のためには、いかなるpHにおいても98%の転化率が達
成されないような少量の固定化酵素を用い、それに、一
定濃度の原料(例えばフマル酸アンモニウム)を含有す
る種々のpHの原料液を、一定の流速により通液し、固定
化酵素から出た反応液のフマル酸の減少量を測定する。
この様な条件下で反応を行って、原料溶液のpH値と転化
率との関係をグラフ化すれば、例えば図1において中空
三角形で示すような折線が得られる。この例において
は、至適pHが8.6であることがわかる。
【0023】次に、このようにして決定した至適pHにお
ける最少固定化酵素量を実験的に決定する。一般に、転
化率は、固定化酵素に対する原料液の流速に依存する。
すなわち、流速を速くすれば転化率は低下し、流速を遅
くすれば転化率は上昇する。従って、最少固定化酵素量
は、あらかじめ定めた所定の流速について決定される。
【0024】例えば、固定化酵素の容器として所定の内
径を有するカラムに至適pHを有する原料液を一定の流速
〔液量/時間〕により流し、そのカラムに充填する固定
化酵素の量を変えて、カラムから流出する反応液のフマ
ル酸の減少量を測定し、さらに転化率を算出する。上記
のごとき一定条件下で、カラム中に充填された固定化酵
素の量を変えれば、固定化酵素が非常に少ない場合に
は、転化率は98%に達しない。しかし、固定化酵素の
量を段階的に増加すれば、ある量においてはじめて転化
率が98%に達する。この時の固定化酵素量が最少固定
化酵素量である。
【0025】最少固定化酵素量において、原料液のpHを
変えて通液し、原料液のpHと転化率との関係をグラフ化
すれば、例えば図1の黒正方形記号で示した折線グラフ
のごとく、至適pHにおいてのみ転化率が98%に達し、
至適pHからずれるに従って転化率は低下する。
【0026】図1は、所定の条件下で、カラムに充填し
た固定化酵素の高さを、50cm(中空三角印)、55cm
(黒正方形)、60cm(黒ヒシ形)、及び70cm(黒
丸)として示し、原料液のpH値と転化率との関係をグラ
フ化したものである。この条件下で、固定化酵素を55
cmの高さに充填した場合がほぼ最少固定化酵素量であ
る。60cm(最少固定化酵素量に対して約1.1倍)に
おいて転化率98%を得るためのpH値の許容範囲は拡大
しており、70cm(最少固定化酵素量に対して約1.4
倍)においては、転化率98%を得るのに許容されるpH
範囲におよそ8.2〜9.0に拡大している。
【0027】なお、固定酵素の充填高さ70cm(最少固
定化酵素量に対して約1.4倍)における、原料液のpH
と転化率との関係を具体的に示したのが図2における黒
丸で示した曲線であり、引用文献1のFig.8に示す
データを示したのがpH8.60にピークを有する曲線で
あり、最小固定化酵素量に対して約1.4倍の固定化酵
素を充填した場合にpH許容範囲が非常に広いことがわか
る。
【0028】以上の結果から、最少固定化酵素量に対し
て約1.1倍以上の量の固定化酵素を用いれば、原料液
のpH許容範囲を拡大するという本発明の効果が得られる
ことは明らかである。従って、最少固定化酵素量に対し
て、固定化酵素の量を1.2倍、1.5倍、2倍などと
増加させることにより、98%の転化率を得るために許
容されるpH範囲はますます拡大することが明らかであ
る。しかしながら、固定化酵素の製造コストや、反応容
器が大きくなることによる設備コスト等を考慮すれば、
最少固定化酵素量に対して、10倍以下、好ましくは5
倍以下、さらに好ましくは2倍以下の固定化酵素を使用
するのが好ましい。
【0029】
【実施例】次に、実施例により、本発明をさらに具体的
に説明する。参考例1固定化酵素の調製 大腸菌(E. coli ) IFO3301由来の、アスパルタ
ーゼをコードするDNAにより形質転換した大腸菌株P
asp E2(この作製方法については、特願平10−2
78571参照のこと)を、LB培地(ポリペプトン1
0g、酵母エキス5g、NaCl 10g、蒸留水1
L、121℃にて15分間オートクレーブ殺菌)にアン
ピシリン100ppm を含む培地3mlを入れた試験管10
本に接種して37℃で8時間培養後、同組成の培地にI
PTGを1mMを添加した培地100mlを入れた坂口フラ
スコ10本にそれぞれ1本ずつ接種し、30℃で一夜振
盪培養した。この培養液から、菌体を遠心分離によって
回収した。この菌体のアスパルターゼ活性を測定したと
ころ1.05moles L−アスパラギン酸生成/hr/g菌
体であった。
【0030】PAS−880(日東紡績製)をアルカリ
でpH7.0付近にしたもの70g及び脱イオン水230
gをよく混合し、先に回収した菌体を均一に分散させ
た。6Lのナス型フラスコにイオン交換樹脂(アンバー
ライトIRA−94SC1型オルガノ社製、平均粒径
0.5mm)300mlと0.5インチのテフロン(登録商
標)球200個を入れ、ここに先に得た菌体分散液の1
/6を入れ、30℃で回転させながらエバポレーターで
1時間乾燥し、菌体をイオン交換樹脂に被覆させた。こ
の操作を6回行った後、テフロン球を除去してビーズ状
の固定化アスパルターゼを得た。この固定化アスパルタ
ーゼの活性は3500Uであった。(1U=1μmoles
L−アスパラギン酸生成/min /ml固定化酵素)
【0031】実施例1.参考例1に記載したのと同様に
して調製した固定化酵素(活性値約1000U)を、内
径28.2mmのカラムに充填して密封系とし、18重量
%のフマル酸アンモニウムを含有する水溶液(pH8.1
〜9.2)をポンプにより5L/時の速度で固定化酵素
を充填(高さ50cm,55cm,60cm又は70cm)した
カラムに圧送した。カラム入口の温度は20℃とした。
出口温度は約33℃であった。結果を図1及び図2に示
す。この結果から、所与の条件下で、転化率98%を得
るために必要な固定化酵素の量に対して、より多くの固
定化酵素を使用することにより、pHの許容範囲が拡大す
ることが明らかである。
【0032】実施例2.参考例1に記載したのと同様に
して調製した固定化酵素(活性値約3000U)を、内
径28.2mmのカラムに充填して密封系とし、18重量
%のフマル酸アンモニウムを含有する水溶液(pH7.7
〜9.5)をポンプにより10L/時の速度で固定化酵
素を充填(高さ40cm,45cm,50cm,60cm,70
cm又は80cm)したカラムに圧送した。カラム入口の温
度は20℃とした。出口温度は約33℃であった。結果
を図3及び図4に示す。この結果から、所与の条件下
で、転化率98%を得るために必要な固定化酵素の量に
対して、より多くの固定化酵素を使用することにより、
pHの許容範囲が拡大することが明らかである。
【0033】実施例2は、実施例1の場合に比較して比
活性が約3倍高い固定化酵素を使用し、流速を10L/
時として反応を行ったものである。図3から明らかな通
り、98%の転化率を得るのに必要な最小酵素量は45
cmであった。図4から明らかな通り、酵素量を160cm
として種々のpH値は有する基質溶液を反応させたとこ
ろ、非常に広いpH範囲にわたって高い転化率が得られ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、種々のpHを有する原料溶液を、一定速
度(5L/時)で流し、固定化酵素量(カラム中の固定
化酵素の高さ)を変えた場合の、pH値と転化率との関係
を示すグラフである(実施例1)。
【図2】図2は、図1における固定化酵素量70cmでの
原料溶液のpHと転化率との関係をプロットした折線グラ
フであり、曲線は、引用文献1に示すpHと相対活性との
関連を記載したものである(実施例1)。
【図3】図3は、種々のpHを有する原料溶液を、一定速
度(10L/時)で流し、固定化酵素量(カラム中の固
定化酵素の高さ)を変えた場合の、pH値と転化率との関
係を示すグラフである(実施例2)。
【図4】図4は、図3における固定化酵素量160cmで
の原料溶液のpHと転化率との関係をプロットした折線グ
ラフであり、曲線は、引用文献1に示すpHと相対活性と
の関連を記載したものである(実施例2)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 向山 正治 茨城県つくば市観音台1丁目25番地12 株 式会社日本触媒内 (72)発明者 安田 信三 茨城県つくば市観音台1丁目25番地12 株 式会社日本触媒内 Fターム(参考) 4B064 AE17 CA22 CA35 CA38 CB30 CC07 CC10 CC15 CD12 DA16

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定化酵素に原料液を接触させることに
    よりL−アスパラギン酸を生成せしめる工程を含むL−
    アスパラギン酸の製造方法において、原料からL−アス
    パラギン酸への98%の転化率を得るのに必要な固定化
    酵素の最少量(最少固定化酵素量)に比べて1.1倍以
    上の量の固定化酵素を使用することを特徴とするL−ア
    スパラギン酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記のL−アスパラギン酸の製造方法
    が、フマル酸とアンモニウムイオン又はフマル酸アンモ
    ニウムをL−アスパラギン酸に変換することができる酵
    素系を含有する固定化酵素に、フマル酸とアンモニウム
    イオン又はフマル酸アンモニウムを含有する原料液を接
    触させることによりL−アスパラギン酸を生成せしめる
    工程を含む方法である、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 最少固定化酵素量に比べて1.1倍以上
    10倍以下の量の固定化酵素を使用する、請求項1又は
    2に記載の方法。
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