JP2002093621A - 電子部品及び製造方法及び無線端末装置 - Google Patents

電子部品及び製造方法及び無線端末装置

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JP2002093621A
JP2002093621A JP2000277787A JP2000277787A JP2002093621A JP 2002093621 A JP2002093621 A JP 2002093621A JP 2000277787 A JP2000277787 A JP 2000277787A JP 2000277787 A JP2000277787 A JP 2000277787A JP 2002093621 A JP2002093621 A JP 2002093621A
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groove
electronic component
conductive film
signal
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Application number
JP2000277787A
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English (en)
Inventor
Masanobu Kuroki
政信 黒木
Hiromi Sakida
広実 崎田
Kenzo Isozaki
賢蔵 磯▲崎▼
Katsumi Sasaki
勝美 佐々木
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、Q値の高い(損失が小さな)電子
部品及び製造方法及び無線端末装置を提供することを目
的とする。 【解決手段】 本発明は、基台13と、基台13に設け
られた溝14と、溝14からはみ出すように溝14内に
一部を設けた導電膜15と、導電膜15と電気的に接合
され、基台13の両端部に設けられた一対の外部電極1
6,17とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動体通信などの
電子機器に用いられ、特に高周波回路等に好適に用いら
れる電子部品及び製造方法及び無線端末装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】図13は従来の電子部品を示す図であ
る。
【0003】図13において、1は基体、2は基体1の
上に設けられた導電膜、3は導電膜に設けられた溝であ
り、この溝3によってコイル部が形成されている。4,
5は端子部で、端子部4,5と前記コイル部は電気的に
接続されている。6はコイル部を保護する保護材であ
る。
【0004】また、図14も従来の電子部品を示す図で
ある。
【0005】図14において、7は基体で、基体7には
スパイラル状の溝8が設けられている。溝8内には導電
膜9が設けられ、この導電膜でコイル部が形成されてい
る。10,11は端子部で、端子部10,11と導電膜
9は電気的に接合されている。12はコイル部を覆う保
護材である。このタイプの先行例としては、特開昭61
−264707号公報,特開昭56−129304号公
報,実開昭63−51401号公報,特開平2−583
13号公報等が挙げられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、携帯電
話などの通信機器の小型化や軽量化に伴って、電子部品
の小型化が求められてきているが、特に電子部品の中で
もインダクタンス素子については、サイズが小さくなれ
ばなるほど、損失が大きくなる(Q値が劣化する)とい
う問題点がった。特に、素子の大きさが、0603サイ
ズ(幅及び高さが0.3mmで長さが0.6mm)や0
402サイズ(幅及び高さが0.2mmで長さが0.4
mm)になってくると、顕著にQ値劣化が生じていま
う。
【0007】更に、現在電子部品の主流となっている1
005サイズ(幅及び高さが0.5mmで長さが1.0
mm)のインダクタンス素子においても、携帯電話など
の高性能かを進めるに当たり更に高いQ値を有するもの
が要望されている。
【0008】図13に示す構造の電子部品においては、
導電膜2自体に溝3をレーザー加工などで構成している
ので、素子の小型化等を行うと、溝3間に形成される導
電膜2の幅が狭くなり、Q値を高くすることは困難であ
る。
【0009】又、図14に示す構造の電子部品において
も、実質的に溝8内に形成される導電膜9の膜厚で決定
されており、やはり小型化等を行うと、導電膜9の膜厚
も薄くなり、Q値を高くすることは困難である。
【0010】本発明は、上記従来の課題を解決するもの
で、Q値の高い(損失が小さな)電子部品及び製造方法
及び無線端末装置を提供することを目的とする。
【0011】また、生産性の高い電子部品及び製造方法
及び無線端末装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、基台と、基台
に設けられた溝と、溝からはみ出すように溝内に一部を
設けた導電膜と、導電膜と電気的に接合され、基台の両
端部に設けられた一対の外部電極とを備えた。
【0013】
【発明の実施の形態】請求項1記載の発明は、基台と、
前記基台に設けられた溝と、前記溝からはみ出すように
前記溝内に一部を設けた導電膜と、前記導電膜と電気的
に接合され、基台の両端部に設けられた一対の外部電極
とを備えたことを特徴とする電子部品とすることで、溝
内に導電膜の一部を埋設することで、導電膜の断面を大
きくでき、同じサイズの電子部品と比較して、非常にQ
値を向上させることができる。
【0014】請求項2記載の発明は、溝の底部を弧状と
した請求項1記載の電子部品とすることで、コイル線に
近い断面を有する導電膜を形成することができる。
【0015】請求項3記載の発明は、導電膜を下地層と
鍍金層で構成した請求項1記載の電子部品とすること
で、絶縁性を有する基台上に良好な導電膜を簡単に形成
することができる。
【0016】請求項4記載の発明は、基台の側面にマス
ク層を形成し、前記マスク層と前記基台の側面部の一部
を取り除き、その後に、前記基台の少なくとも前記マス
ク層及び前記溝を設けた部分に下地層を形成し、前記マ
スク層を取り除いて、少なくとも前記溝の内部に前記下
地層を残留させ、その後電解鍍金にて前記下地層の上に
鍍金層を形成したことを特徴とする電子部品の製造方法
とすることで、効率よく高いQ値を得ることができる電
子部品を製造でき、生産性が向上する。
【0017】請求項5記載の発明は、表示手段と、デー
タ信号もしくは音声信号の少なくとも一方を送信信号に
変換するか受信信号をデータ信号もしくは音声信号の少
なくとも一方に変換する変換手段と、前記送信信号及び
前記受信信号を送受信するアンテナと、各部を制御する
制御手段を備えた無線端末装置であって、発信回路,フ
ィルタ回路,アンテナ部及び各段とのマッチング回路周
辺部等の少なくとも一つに請求項1〜3いずれか1記載
の電子部品を用いたことを特徴とする無線端末装置とす
ることで、非常にQ値の高い電子部品を用いることによ
って、容易に装置の小型軽量化を実現できる、音質など
も良くなる。
【0018】以下、本発明における電子部品及び無線端
末装置の実施の形態についてインダクタンス素子を例に
挙げて具体的に説明する。
【0019】図1,図2はそれぞれ本発明の一実施の形
態における電子部品の一例として挙げたインダクタンス
素子を示す斜視図及び側断面図である。
【0020】図1,2において、13は絶縁材料などを
プレス加工,押し出し法等を施して構成されている基台
で、基台13の全側面に渡って溝14がスパイラル状に
形成されている。溝14は、レーザ光線等を基台13に
照射することによって形成したり、基台13に砥石等を
当てて機械的に形成されている。15は溝14の中及び
溝14の周りにはみ出すように形成されたスパイラル状
の導電膜で、この導電膜15によってコイル部が形成さ
れる。導電膜15は、メッキ法やスパッタリング法等の
蒸着法等によって基台13上に設けられる。
【0021】16,17は基台13の両端部上に設けら
れた外部電極で、この外部電極16,17は導電膜15
と電気的に接続されているとともに、回路基板などの上
に形成されたランドパターンなどと直接或いは半田や鉛
フリー半田を介して間接的に接合される。
【0022】また、本実施の形態のインダクタンス素子
は、長さL1,幅L2,高さL3は以下の通りとなって
いることが好ましい。
【0023】L1=0.2〜2.0mm(好ましくは
0.3〜1.1mm) L2=0.1〜1.0mm(好ましくは0.1〜0.6
mm) L3=0.1〜1.0mm(好ましくは0.1〜0.6
mm) (なお、L1,L2,L3のそれぞれの寸法誤差は0.
02mm以下が好ましい。) L1が0.2mm以下であると、必要とするインダクタ
ンスを得ることができない。また、L1が2.0mmを
超えてしまうと、素子自体が大きくなってしまい、電子
回路等が形成された基板など(以下回路基板等と略す)
回路基板等の小型化ができず、ひいてはその回路基板等
を搭載した電子機器等の小型化を行うことができない。
また、L2,L3それぞれが0.1mm以下であると、
素子自体の機械的強度が弱くなりすぎてしまい、実装装
置などで、回路基板等に実装する場合に、素子折れ等が
発生することがある。また、L2,L3が1.0mm以
上となると、素子が大きくなりすぎて、回路基板等の小
型化、ひいては装置の小型化を行うことができない。
【0024】以上の様に構成されたインダクタンス素子
について、以下各部の詳細な説明をする。
【0025】まず、基台13の形状について説明する。
【0026】基台13は角柱状もしくは円柱状とするこ
とが好ましく、図1,2に示す様に基台13を角柱状と
することによって、実装性を向上させることができ、素
子の転がり等を防止できる等の効果を有する。また、基
台13を角柱状とする中でも特に四角柱状とすることが
非常に実装性や、素子の回路基板上での位置決めを容易
にする。なお、更に好ましくは底面が正方形の直方体と
することが更に実装性等を向上させることができる。更
に、基台13を角柱状とすることによって構造が非常に
簡単になるので、生産性がよく、しかもコスト面が非常
に有利になる。また、基台13の中央部に周回状に段差
部13a(断面が方形状或いは円形状等)を設けること
で、基台13の両端部に鍔部を設け、この段差部中に溝
等を設ける構成でも良い。
【0027】また、基台13の形状を円柱状とすること
によって、後述するように基台13に溝14をレーザ加
工等によって形成する場合、その溝14の深さなどを精
度よく形成することができ、特性のばらつきを抑えるこ
とができる。
【0028】基台13の構成材料としては、アルミナを
主成分とするセラミック材料が挙げられる。しかしなが
ら、単にアルミナを主成分とするセラミック材料を用い
ても上記諸特性を得ることはできない。すなわち、上記
諸特性は、基台13を作製する際のプレス圧力や焼成温
度及び添加物によって異なるので、作製条件などを適宜
調整しなければならない。具体的な作製条件として、基
台13の加工時のプレス圧力を2〜5t,焼成温度を1
500〜1600℃,焼成時間1〜3時間等の条件が挙
げられる。また、アルミナ材料の具体的な材料として
は、Al23が92重量%以上,SiO2が6重量%以
下,MgOが1.5重量%以下,Fe23が0.1%以
下,Na2Oが0.3重量%以下等が挙げられる。
【0029】また、基台13の構成材料として、フェラ
イト等の磁性材料で構成してもよい。基台13をフェラ
イト等の磁性材料で構成すると、高いインダクタンスを
有する素子を形成することができる。
【0030】また、溝14の底部は好ましくは角が存在
しないような断面が円弧状或いは楕円状等の形状とする
ことで、後述する導電膜15をコイル線の様に構成で
き、導電膜15の断面を大きくできるので損失を小さく
することができる。
【0031】次に導電膜15について説明する。
【0032】導電膜15の構成材料としては、銅,銀,
金,ニッケルなどの導電材料が挙げられる。この銅,
銀,金,ニッケル等の材料には、耐候性等を向上させた
めに所定の元素を添加してもよい。また、導電材料と非
金属材料等の合金を用いてもよい。構成材料としてコス
ト面や耐食性の面及び作り易さの面から銅及びその合金
がよく用いられる。導電膜15の材料として、銅等を用
いる場合には、まず、基台13に設けられた溝14内に
無電解メッキによって下地膜を形成し、その下地膜の上
に電解メッキにて所定の銅膜を形成して導電膜15が形
成される。更に、合金等で導電膜15を形成する場合に
は、スパッタリング法や蒸着法で構成することが好まし
い。
【0033】導電膜15は単層で構成してもよいが、多
層構造としてもよい。すなわち、構成材料の異なる導電
膜を複数積層して構成しても良い。例えば、基台13に
設けられた溝14の内壁に先ず銅膜を形成し、その上に
耐候性の良い金属膜(ニッケル等)を積層する事によっ
て、やや耐候性に問題がある銅の腐食を防止することが
できる。
【0034】導電膜15の形成方法としては、メッキ法
(電解メッキ法や無電解メッキ法など),スパッタリン
グ法,蒸着法等が挙げられる。この形成方法の中でも、
量産性がよく、しかも膜厚のばらつきが小さなメッキ法
がよく用いられる。
【0035】図3に示すように、導電膜15は溝14の
幅方向の両端部において、Tだけはみ出す様に構成され
ており、しかも溝14の深さよりもHだけ突出した構成
となっている。この様に構成することで、導電膜15の
断面積を大きくすることができ、損失を小さくできるの
でQ値の大幅な向上を達成することができる。すなわ
ち、上述の通り、溝14からはみ出す様に導電膜15を
設けることで、まるで、コイル線の様に断面を丸くさせ
ることができるので、コイル線を巻き介したような構成
とすることができる。
【0036】なお、例えば導電膜15を銅あるいは銅合
金で作製する場合には、まず、少なくとも溝14内に無
電界鍍金で下地層15aを形成し、その下地層15aの
上に電解鍍金法等で鍍金層15bを形成して構成され
る。
【0037】また、導電膜15として、下地層15aを
無電界鍍金で金属膜を形成しその上に、鍍金層15bを
設ける構成の他に、焼き付けやスパッタリング方や蒸着
法等の薄膜形成技術を用いて、下地層15aをカーボン
単体層やカーボンに他の元素を添加した層、或いはNi
−Cr層などとした後に、その上に鍍金層15bを形成
しても良い。この様に、無電界鍍金で下地層15aを形
成する場合に比較して、鍍金液などが基台13に入り込
んで基台13の特性劣化が生じたりするなどの不具合を
抑えることができる。特に、1005サイズ(長さが約
1mm,高さ及び幅が約0.5mm)や0603サイズ
(長さが約0.6mm,高さ及び幅が約0.3mm)や
0402サイズ(長さが約0.4mm,高さ及び幅が約
0.2mm)の電子部品においては、基台13のサイズ
も必然的に小さくなり、上記鍍金液などの影響が大きく
表れてくるので、上述の様に、下地層15aを溶液など
を用いて形成しないカーボン単体層やカーボンに他の元
素を添加した層、或いはNi−Cr層とすることが好ま
しい。
【0038】次に端子部外部電極16,17について説
明する。
【0039】外部電極16,17は、例えば、導電膜1
5と同じ材料で構成されている。すなわち、本実施の形
態では、導電膜15を銅もしくは銅合金で構成する場
合、先ず、下地層15aを形成する工程と同じ工程で、
基台13の両端部にも下地層を付着させ、その後に、下
地層15aの上に電解鍍金法などで鍍金層15bを形成
する工程と同じ工程で、基台13の両端部上に設けられ
た下地層15aの上に鍍金層15bを形成し、基台13
の両端部に設けられた下地層15a及び鍍金層15bを
外部電極16,17とする。この様に、外部電極16,
17と導電膜15を同じ材料でしかも同じ工程で作製す
ることによって、様に外部電極16,17と導電膜15
との電気的接合を行うことができ、特性劣化の防止や、
生産性の向上を行うことができる。
【0040】また、外部電極16,17は全く導電膜1
5とは異なる材料もしくは導電膜15を形成する工程と
は全く別の工程で構成しても良い。例えば、基台13の
両端部に銀などの導電性材料を含む導電性ペーストを塗
布して焼き付けて外部電極16,17としても良い。
【0041】また、外部電極16,17の耐候性を向上
させる様にするには、外部電極16,17の上に、T
i,Ni,W,Cr等の腐食しにくい金属膜や、それら
金属材料の合金膜(Ni−Cr等)等の耐食膜を膜厚
0.5〜3μmの膜厚で構成することが良い。特に、N
i単体か若しくはNi合金を用いることが、特性面やコ
スト面等で優れている。
【0042】更に、外部電極16,17と回路基板など
との接合性を向上させるためには、外部電極16,17
或いは耐食膜の上に半田や鉛フリーの接合材(Sn単体
もしくはSnにAg,Cu,Zn,Bi,Inの少なく
とも一つを含ませた鉛フリー半田等)で構成された接合
膜を5〜10μmの膜厚で形成しても良い。
【0043】次に保護材18について説明する。
【0044】保護材18の具体的構成材料としては、ア
クリル系樹脂,エポキシ系樹脂,フッ素系樹脂,ウレタ
ン系樹脂,ポリイミド系樹脂などの樹脂材料の少なくと
も1つで構成されている。
【0045】また、保護材18としてはとしては、厚さ
が数十ミクロンで20V以上の耐圧を有することが好ま
しく、しかもハンダの融点である183℃で、燃焼した
り、蒸発しない特性を有するものが好ましい。なお、1
83℃で保護材18が軟化する程度のものは不具合は生
じない。
【0046】以上の様に構成されたインダクタンス素子
について、以下その製造方法について説明する。
【0047】まず、アルミナ等の絶縁材料をプレス成形
や押し出し法によって、数素子から数十素子分の基台1
3を作製し(図4)、基台13の表面を表面処理する。
表面処理することで基台13の表面の添加物や不純物を
浸食して粗すことで、基台13と下地層15a(無電界
鍍金による金属膜,カーボン層,Ni−Cr膜など)と
の密着性を良くすることができ、ひいては導電膜15と
基台13との密着強度を向上させることができる。な
お、基台13をアルミナを主成分とする材料で構成する
場合には、表面処理としてはフッ酸処理することが好ま
しい。すなわち、フッ酸処理によって、基台13中に添
加物として入っているMgOやSiO2、また不純物と
して入っているFe23を浸食して基台13表面を粗
し、上述と同様の効果を得ることができる。
【0048】次に、少なくとも基台13に設けられた段
差部13a内に、後に基台13から剥がし易い材料で構
成されたマスク層19を基台13の側面全周に塗布する
(図5)。この時マスク層19としては、例えば、絶縁
性を有するエポキシ樹脂やレジストなどの樹脂材料が好
適に用いられる。
【0049】次に、レーザー加工や砥石加工などによっ
て、マスク層19と基台13の側面部分の一部を取り除
いたスパイラル状の溝20を形成する(図6)。又、こ
の時、溝20は基台13の両端部に達するように形成さ
れる。
【0050】次に基台13の少なくとも溝20を形成し
た部分に無電界鍍金法やスパッタ法等の手段によって、
導電性を有する下地層15a(0.5μm〜5μm)を
形成する(図7)。なお、本実施の形態では、生産性を
向上させるように、基台13全体に下地層15aを形成
することで、外部電極16,17の下地層15aも同一
工程で作製した。
【0051】次に剥離剤などを用いて、マスク層19を
除去すると、外部電極16,17が形成される部分と溝
14の底部に下地層15aが残留する(図8)。この
時、外部電極16,17の下地層15aと溝14内に設
けられた下地層15aは同一の膜であるので電気的に接
続されている。
【0052】次に、この状態で電解鍍金を施すと、下地
層15a上に鍍金膜が形成されることになり、図9に示
すように、溝14においては、溝14をはみ出す程度の
導電膜15が形成され(損失が少ない導電膜が形成さ
れ)、基台13の端部においては、膜厚が厚く特性のよ
い外部電極16,17が形成される。この状態でも、素
子としては完成するが、導電膜15で構成したコイル部
の耐候性などを向上させるには、図10に示すように、
導電膜15で構成されたコイル部を覆うようにエポキシ
樹脂などで構成された保護材18を基台13の側面全周
に設ける。
【0053】更に、外部電極16,17の耐候性や接合
性を向上させるには、保護材18を設けた後に、鍍金法
などを用いて、耐食膜や接合膜を積層して、図1、図2
に示す様な電子部品を完成させる。
【0054】図11及び図12はそれぞれ本発明の一実
施の形態における無線端末装置を示す斜視図及びブロッ
ク図である。図11及び図12において、29は音声を
音声信号に変換するマイク、30は音声信号を音声に変
換するスピーカー、31はダイヤルボタン等から構成さ
れる操作部、32は着信等を表示する表示部、33はア
ンテナ、34はマイク29からの音声信号を復調して送
信信号に変換する送信部で、送信部34で作製された送
信信号は、アンテナを通して外部に放出される。35は
アンテナ33で受信した受信信号を音声信号に変換する
受信部で、受信部35で作成された音声信号はスピーカ
ー30にて音声に変換される。36は送信部34,受信
部35,操作部31,表示部32を制御する制御部であ
る。
【0055】以下その動作の一例について説明する。
【0056】先ず、着信があった場合には、受信部35
から制御部36に着信信号を送出し、制御部36は、そ
の着信信号に基づいて、表示部32に所定のキャラクタ
等を表示させ、更に操作部31から着信を受ける旨のボ
タン等が押されると、信号が制御部36に送出されて、
制御部36は、着信モードに各部を設定する。即ちアン
テナ33で受信した信号は、受信部35で音声信号に変
換され、音声信号はスピーカー30から音声として出力
されると共に、マイク29から入力された音声は、音声
信号に変換され、送信部34を介し、アンテナ33を通
して外部に送出される。
【0057】次に、発信する場合について説明する。
【0058】まず、発信する場合には、操作部31から
発信する旨の信号が、制御部36に入力される。続いて
電話番号に相当する信号が操作部31から制御部36に
送られてくると、制御部36は送信部34を介して、電
話番号に対応する信号をアンテナ33から送出する。そ
の送出信号によって、相手方との通信が確立されたら、
その旨の信号がアンテナ33を介し受信部35を通して
制御部36に送られると、制御部36は発信モードに各
部を設定する。即ちアンテナ33で受信した信号は、受
信部35で音声信号に変換され、音声信号はスピーカー
30から音声として出力されると共に、マイク29から
入力された音声は、音声信号に変換され、送信部34を
介し、アンテナ33を通して外部に送出される。
【0059】なお、本実施の形態では、音声を送信受信
した例を示したが、音声に限らず、文字データ等の音声
以外のデータの送信もしくは受信の少なくとも一方を行
う装置についても同様な効果を得ることができる。
【0060】上記で説明した電子部品(図1,図2等に
示すもの)は、発信回路,フィルタ回路,アンテナ部及
び各段とのマッチング回路周辺部等の高いQを必要とす
る箇所の少なくとも一つに用いられ、その数は、一つの
無線端末装置に数個〜40個程度用いられている。上述
の様に小型であっても、非常に高いQ値を得ることがで
きる電子部品を用いることによって、装置の小型化や軽
量化を容易に行うことができる。
【0061】
【発明の効果】本発明は、基台と、基台に設けられた溝
と、溝からはみ出すように溝内に一部を設けた導電膜
と、導電膜と電気的に接合され、基台の両端部に設けら
れた一対の外部電極とを備えたことで、溝内に導電膜の
一部を埋設することで、導電膜の断面を大きくでき、同
じサイズの電子部品と比較して、非常にQ値を向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における電子部品の一例
として挙げたインダクタンス素子を示す斜視図
【図2】本発明の一実施の形態における電子部品の一例
として挙げたインダクタンス素子を示す側断面図
【図3】本発明の一実施の形態における電子部品の一例
として挙げたインダクタンス素子の部分拡大図
【図4】本発明の一実施の形態における電子部品の一例
として挙げたインダクタンス素子の製造工程を示す側断
面図
【図5】本発明の一実施の形態における電子部品の一例
として挙げたインダクタンス素子の製造工程を示す側断
面図
【図6】本発明の一実施の形態における電子部品の一例
として挙げたインダクタンス素子の製造工程を示す側断
面図
【図7】本発明の一実施の形態における電子部品の一例
として挙げたインダクタンス素子の製造工程を示す側断
面図
【図8】本発明の一実施の形態における電子部品の一例
として挙げたインダクタンス素子の製造工程を示す側断
面図
【図9】本発明の一実施の形態における電子部品の一例
として挙げたインダクタンス素子の製造工程を示す側断
面図
【図10】本発明の一実施の形態における電子部品の一
例として挙げたインダクタンス素子の製造工程を示す側
断面図
【図11】本発明の一実施の形態における無線端末装置
を示す斜視図
【図12】本発明の一実施の形態における無線端末装置
を示すブロック図
【図13】従来の電子部品を示す図
【図14】従来の電子部品を示す図
【符号の説明】
13 基台 14 溝 15 導電膜 16,17 外部電極 18 保護材 19 マスク層 20 溝 30 スピーカー 31 操作部 32 表示部 33 アンテナ 34 送信部 35 受信部 36 制御部
フロントページの続き (72)発明者 磯▲崎▼ 賢蔵 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 佐々木 勝美 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5E062 FF01 5E070 AA01 AB06 BA03 CB01 EA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基台と、前記基台に設けられた溝と、前記
    溝からはみ出すように前記溝内に一部を設けた導電膜
    と、前記導電膜と電気的に接合され、基台の両端部に設
    けられた一対の外部電極とを備えたことを特徴とする電
    子部品。
  2. 【請求項2】溝の底部を弧状としたことを特徴とする請
    求項1記載の電子部品。
  3. 【請求項3】導電膜を下地層と鍍金層で構成したことを
    特徴とする請求項1記載の電子部品。
  4. 【請求項4】基台の少なくとも側面にマスク層を形成
    し、前記マスク層と前記基台の側面部の一部を取り除
    き、その後に、前記基台の少なくとも前記マスク層及び
    前記溝を設けた部分に下地層を形成し、前記マスク層を
    取り除いて、少なくとも前記溝の内部に前記下地層を残
    留させ、その後電解鍍金にて前記下地層の上に鍍金層を
    形成したことを特徴とする電子部品の製造方法。
  5. 【請求項5】表示手段と、データ信号もしくは音声信号
    の少なくとも一方を送信信号に変換するか受信信号をデ
    ータ信号もしくは音声信号の少なくとも一方に変換する
    変換手段と、前記送信信号及び前記受信信号を送受信す
    るアンテナと、各部を制御する制御手段を備えた無線端
    末装置であって、発信回路,フィルタ回路,アンテナ部
    及び各段とのマッチング回路周辺部等の少なくとも一つ
    に請求項1〜3いずれか1記載の電子部品を用いたこと
    を特徴とする無線端末装置。
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