JP2002093338A - ブラウン管用シャドウマスク - Google Patents

ブラウン管用シャドウマスク

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JP2002093338A
JP2002093338A JP2000283500A JP2000283500A JP2002093338A JP 2002093338 A JP2002093338 A JP 2002093338A JP 2000283500 A JP2000283500 A JP 2000283500A JP 2000283500 A JP2000283500 A JP 2000283500A JP 2002093338 A JP2002093338 A JP 2002093338A
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JP2000283500A
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Yoshinori Hirobe
吉紀 広部
Takuya Ogio
卓也 荻尾
Akira Makita
明 牧田
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カラーブラウン管の蛍光面上に略長方形のビ
ームスポットを一様に形成するためのシャドウマスクを
提供する。 【解決手段】 ブラウン管の蛍光面上に略長方形のビー
ムスポットを形成するための多数のスロット10からな
るブラウン管用シャドウマスクにおいて、そのスロット
10は、電子ビームが入射する側の略長方形の裏側孔部
2と、電子ビームが出射する側の略長方形の表側孔部3
と、裏側孔部2の側壁4、…、7および表側孔部3の側
壁14、…、17で形成される稜線部とを有し、裏側孔
部2の端部から稜線部までの断面高さであって、スロッ
ト10の長尺方向両側における断面高さと、スロット1
0の短尺方向両側における断面高さとの差を0〜10μ
mの範囲内にしたことによって、上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラーブラウン管
の蛍光面上に略長方形のビームスポットを一様に形成す
るために、形成されるスロットの稜線部の断面高さを均
一化したブラウン管用シャドウマスクに関する。
【0002】
【従来の技術】図7は、多数のスロットからなるカラー
ブラウン管用シャドウマスク71の全体図である。シャ
ドウマスク71は、スロット形成部72とスカート部7
3とから構成されている。スロットを通過する電子ビー
ムは、その中央部22においてはスロットに対して真っ
直ぐに入射し、A〜Hの各領域を含む外周部21におい
てはスロットに対して斜めに入射する。そのため、シャ
ドウマスクは、形成されるスロットの位置に応じてスロ
ットを構成する表側孔部の形成位置と裏側孔部の形成位
置とが調整されている。
【0003】図8は、シャドウマスクの各部に形成され
るスロット81を構成する略長方形の表側孔部83と略
長方形の裏側孔部82との位置関係を示す概略図であ
る。スロット81は、電子ビーム84が入射する側の裏
側孔部82と、電子ビーム84が出射する側にその通過
の邪魔にならないように形成される大面積の表側孔部8
3と、裏側孔部82の側壁と表側孔部83の側壁とで形
成される稜線部91、92(図9を参照。)とから構成
されている。
【0004】シャドウマスクの中央部22のスロット8
1は、図8(i)に示すように、表側孔部83が裏側孔
部82を略中央に配置するように形成される。一方、シ
ャドウマスクの外周部21、例えば図7に示すY座標軸
上のA領域、X座標軸上のC領域および対角座標軸上の
E領域のスロット81は、図8の(ii)(iii)(iv)
にそれぞれ示すように、表側孔部83が、スロット81
に対して斜めに入射する電子ビーム84の通過の邪魔に
ならないように、裏側孔部82に対してシャドウマスク
61の外周側にシフトするように形成される。
【0005】このような形態で形成されるスロット81
のうち、特にシャドウマスク71の外周部21に形成さ
れるスロットにおいては、斜めに入射する電子ビーム8
4がスロット81の側壁で遮断されてしまい、その結
果、電子ビーム84をブラウン管の蛍光面上に所定の形
状でランディングさせることができないという問題があ
った。図9は、こうした問題を説明する概略図である。
【0006】図9(i)は、図7のX座標軸上のC領域
に形成されるスロット81の形状を示ている。このスロ
ット81は、表側孔部83を裏側孔部82に対して外周
側にシフトするように形成される。このとき、スロット
81の中心部Aを通過する電子ビーム84は、図9(ii
i)の断面図に示すように、薄肉の稜線部91、92
(ステップともいう。以下同じ。)が形成された側壁9
3、94の間を所望の幅Wで通過することができる。こ
れに対し、スロット81の長尺方向の上端部Bを通過す
る電子ビーム84は、図9(iv)の断面図に示すよう
に、厚肉の稜線部91、92が形成された側壁93、9
4によって遮断され、所望の幅Wで通過することができ
なくなる。
【0007】このように、スロット81の中心部Aと長
尺方向の上端部Bとで側壁の形状、特に裏側孔部82の
端部95、96から稜線部91、92までの断面高さ、
が異なるのは、表側孔部83と裏側孔部82との位置関
係に起因するエッチング進行速度の相違によるものであ
る。すなわち、スロットの中心部Aでは、表側孔部83
からのエッチング進行速度が大きくなるので、断面高さ
の小さい稜線部91、92が形成される。これに対し
て、スロットの上端部Bでは、表側孔部83からのエッ
チング進行速度が小さくなるので、相対的に裏側孔部8
2からのエッチングが進行して断面高さの大きい稜線部
91、92が形成される。
【0008】このような形態のスロット81において
は、入射した電子ビーム84がスロット81の長尺方向
両側に形成された断面高さの大きい稜線部91、92で
遮断される。その結果、スロット81を通過して蛍光面
上にランディングする電子ビーム84のスポット80
は、図9(iii)に示すように、スポット80の長尺方
向両側がブラウン管の蛍光面の中央を通るY座標軸に近
づくように湾曲した形状になるという問題があった。そ
して、こうしたスポット80の変形は、電子ビーム84
の入射角が大きいときほど、すなわち前記のY座標軸か
ら離れて左右方向に向かうほど大きくなるという問題が
あった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来、上述した問題に
対しては、特開平1−320738号公報、特開平2−
86027号公報および本出願人の先行出願において検
討されている。これらの先行技術では、断面高さの小さ
い稜線部と断面高さの大きい稜線部の関係はそのままに
して、スロット81に形成される貫通孔(以下「孔部」
という。)の形状を変化させることによって解決してい
る。
【0010】すなわち、特開平1−320738号公報
および特開平2−86027号公報においては、スロッ
トの孔部を、図10(a)に示すように、シャドウマス
クの中央を通るY座標軸から離れる側の稜線部92のう
ちスロットの長尺方向両側付近の稜線部92を膨らませ
た形状とすることによって上記の問題を解決している。
このとき、スロットの孔部の長尺方向両側は、一方の場
合と両方の場合(図10(a)を参照。)が開示されて
いる。また、本出願人の先行出願においては、裏側孔部
82の端部95、96と稜線部91、92の位置関係を
さらに詳細に検討し、スロットの孔部全体を、図10
(b)に示すように、裏側孔部82の長尺方向両側がY
座標軸から遠ざかるように湾曲して形成することによっ
て上記の問題を解決している。
【0011】しかしながら、上述の従来の先行技術にお
いては、シャドウマスク上のスロット形成位置に応じ
て、孔部の形状を湾曲させたり、孔部の長尺方向の両側
付近を膨らませたりすることとなるので、複雑な設計が
要求される。しかも、シャドウマスク上のスロット形成
位置に応じて、膨らませる程度や湾曲の程度を調整する
必要がある。
【0012】また、蛍光面のアールが異なるブラウン管
(例えばフラット形ブラウン管)やインチサイズの異な
るブラウン管に対しては、電子ビームの入射角度がそれ
ぞれ異なることとなる。そのため、シャドウマスクの製
造において、同じエッチングパターンを援用できないと
いう不都合もある。
【0013】本発明は、上記問題を解決したものであっ
て、カラーブラウン管の蛍光面上に略長方形のビームス
ポットを一様に形成するためのブラウン管用シャドウマ
スクを提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、ブラ
ウン管の蛍光面上に略長方形のビームスポットを形成す
るための多数のスロットからなるブラウン管用シャドウ
マスクにおいて、前記スロットは、電子ビームが入射す
る側の略長方形の裏側孔部と、該電子ビームが出射する
側の略長方形の表側孔部と、該裏側孔部の側壁および該
表側孔部の側壁で形成される稜線部とを有し、前記裏側
孔部の端部から前記稜線部までの断面高さであって、前
記スロットの長尺方向両側における断面高さHと、該ス
ロットの短尺方向両側における断面高さhとの差が、0
〜10μmの範囲内であることに特徴を有する。
【0015】この発明によれば、スロットの長尺方向両
側における稜線部の断面高さHとスロットの短尺方向両
側における稜線部の断面高さhとの差が0〜10μmの
範囲内であるので、裏側孔部の側壁および表側孔部の側
壁によって形成される稜線部までの断面高さh、Hが、
スロット全域に渡ってほぼ均一となる。そのため、本発
明のシャドウマスクに形成されるスロットは、ブラウン
管の蛍光面上にランディングするスポットの長手方向の
両端が欠けないように、長尺方向両側付近を通過する電
子ビームを通過させることができる。こうした本発明の
シャドウマスクによれば、略長方形のスポットをブラウ
ン管の蛍光面上の所定の位置に一様に形成することがで
きる。さらに、シャドウマスク上のスロット形成位置に
応じて、スロットの形状を湾曲させたり、スロットの孔
部の長尺方向の両側付近を膨らませたりする必要もな
い。そのため、複雑な設計が不要となる。
【0016】請求項2の発明は、請求項1に記載のブラ
ウン管用シャドウマスクにおいて、前記範囲内の断面高
さHと断面高さhとの差を有するスロットが、該シャド
ウマスクの全域において形成されていることに特徴を有
する。
【0017】この発明によれば、前記の範囲内の断面高
さHと断面高さhとの差を有するスロットが、シャドウ
マスクの全域において形成されているので、略長方形の
スポットをブラウン管全域の蛍光面上の所定の位置に一
様に形成することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明について図面を参照
しつつ説明する。
【0019】図1は、本発明のブラウン管用シャドウマ
スク(以下「シャドウマスク」という。)の中央部22
に形成されたスロット10の一例を示す正面図であり、
図2は、図1のスロット10の短尺方向のA1−A1断
面図(i)と短尺方向のB1−B1断面図(ii)であ
り、図3は、図1のスロット10の長尺方向のC1−C
1断面図である。また、図4は、本発明のシャドウマス
クの周辺部21に形成されたスロット20の一例を示す
正面図であり、図5は、図4のスロット20の短尺方向
のA2−A2断面図(i)と短尺方向のB2−B2断面
図(ii)であり、図6は、図4のスロット20の長尺方
向のC2−C2断面図である。
【0020】本発明のシャドウマスクは、金属薄板をエ
ッチングすることによって形成され、スロットタイプの
孔部が形成されるシャドウマスクに共通する所定のパタ
ーンを有するものである。シャドウマスクは、図7に示
すように、スロット10、20が形成されているスロッ
ト形成部72と、スロット10、20が形成されていな
いスカート部73とから構成される。こうしたシャドウ
マスクは、ブラウン管に装着されて、磁気シールドのた
め、およびブラウン管の蛍光面に略長方形のビームスポ
ットを形成するために使用される。
【0021】スロット10、20は、図1と図4に示す
ように、カラーブラウン管の蛍光面上に略長方形のビー
ムスポットを一様に形成するための略長方形の孔部30
を有するものである。そして、そのスロット10、20
は、電子ビーム29が入射する側の略長方形の裏側孔部
2と、電子ビーム29が出射する側の略長方形の表側孔
部3と、裏側孔部2の側壁4、…、7および表側孔部3
の側壁14、…、17によって形成される稜線部24、
…、27とを有してなるものである。表側孔部3は、電
子ビーム29の通過の邪魔にならないように、裏側孔部
2よりも著しく大きな面積でエッチングされている。こ
うしたスロット10、20は、電子ビーム29の一部を
裏側孔部2の端部31、…、34や側壁4、…、7によ
り遮光して、略長方形のビームスポットをブラウン管の
蛍光面上の所定の位置に所定の大きさで形成させること
ができる。
【0022】スロット10、20を構成する裏側孔部2
と表側孔部3の位置関係は、図1と図4に示すように、
電子ビーム29の入射角度と入射方向を考慮して設定さ
れ、シャドウマスクの周辺部21と中央部22とでは異
なる。さらに、同じ周辺部21であっても、その位置関
係は、X座標軸、Y座標軸および対角座標軸の各部で異
なる。こうした位置関係の相違は、電子ビーム29が、
表側孔部3の側壁14、…、17のうち、シャドウマス
ク外周側の側壁にかかる部分で遮光されるのを防いだも
のである。位置関係が調整されたスロット10、20
は、略長方形のビームスポットをブラウン管の蛍光面上
の所定の位置に所定の大きさで形成することができる。
【0023】具体的には、図1と図4に示すように、シ
ャドウマスクの中央部22の形成されるスロット10に
おいては、スロット10に向かって電子ビーム29がほ
ぼ真っ直ぐに入射する。そのため、裏側孔部2の中心位
置Nと表側孔部3の中心位置Mはほぼ同じであればよ
い。一方、シャドウマスクの周辺部21に形成されたス
ロット20においては、スロット20に向かって電子ビ
ーム29が斜めに入射する。そのため、裏側孔部2の中
心位置Nと表側孔部3の中心位置Mは、そのスロット2
0が形成されるA〜Hの各領域(図3を参照。)によっ
て変化させる必要がある。つまり、スロット20がシャ
ドウマスクの中心からどの方向に形成されるかによっ
て、そのスロット20の表側孔部3は、裏側孔部2に対
してシャドウマスク外周側にシフトするように形成され
る。さらに、スロット20を形成する位置が中心部22
から周辺部21に向かうにしたがって、そのスロット2
0の表側孔部3は、裏側孔部2に比べて徐々にシャドウ
マスク外周側にシフトするように形成される。こうする
ことによって、電子ビーム29が、スロット20の表側
孔部3によって必要以上に遮光されるのを防ぐことがで
きる。
【0024】本発明は、上述の位置関係となるように裏
側孔部2と表側孔部3が形成されたスロット10、20
を有するシャドウマスクにおいて、スロット10、20
の長尺方向両側における稜線部26、27の断面高さH
と、スロット10、20の短尺方向両側における稜線部
24、25断面高さhとの差を0〜10μm、好ましく
は0〜5μmの範囲内とすることによって所期の目的を
達成する。なお、「断面高さ」とは、裏側孔部2の端部
31、…、34から稜線部24、…、27までの高さを
いい、「稜線部」とは、裏側孔部2の側壁4、…、7
と、表側孔部3の側壁14、…、17とが厚さ方向の中
間部分において接触する部分をいう。
【0025】先ず、シャドウマスクの中央部22に形成
されるスロット10の形態について説明する。
【0026】シャドウマスクの中央部22に形成される
スロット10は、図1〜図3に示すように、略長方形の
裏側孔部2が略長方形の表側孔部3の中心に位置するよ
うに形成される。従って、裏側孔部2の開孔中心Nと表
側孔部3の開孔中心Mはそれぞれ一致し、図2の短尺方
向と図3の長尺方向の両方において、エッチングによっ
て形成されるスロット10の断面形状は左右対称であ
る。
【0027】このスロット10の短尺方向両側の稜線部
24、25の断面高さh1、…、h4(以下、これらを
総称するときは「断面高さh」という。)は、図2
(i)に示す孔部中央の断面高さh1、h2および図2
(ii)に示す孔部下側の断面高さh3、h4の何れにお
いても、ほぼ同じ高さである。その断面高さhは、シャ
ドウマスクのインチサイズや板厚によって任意に設定さ
れ形成されるが、一般的な25インチ用から29インチ
用として使用される板厚0.20〜0.25mmのシャ
ドウマスクにおいては、20〜45μmの範囲内で断面
高さhが設定され形成される。そして、設定された断面
高さhのバラツキは、−5〜+5μmの範囲である。
【0028】また、スロット10の長尺方向両側の稜線
部26、27においても、その断面高さH1、H2(以
下、これらを総称するときは「断面高さH」という。)
は、ほぼ同じ高さである。この断面高さHは、上述した
短尺方向両側の稜線部24、25の断面高さhとの差が
0〜10μm、好ましくは0〜5μmの範囲内となるよ
うに形成することが好ましい。従って、長尺方向両側の
稜線部26、27の断面高さHは、短尺方向両側の稜線
部24、25の断面高さhに基づいて設定され形成され
る。なお、製造上の容易さを考慮すると、断面高さH
は、断面高さhよりも0〜+10μm、好ましくは0〜
+5μmである。
【0029】従って、シャドウマスクの中央部22に形
成されるスロット10において、その孔部30を構成す
る稜線部24、…、27の断面高さh、Hは、稜線部全
周に渡って0〜10μm、好ましくは0〜5μmの範囲
内である。
【0030】次に、シャドウマスクの周辺部21に形成
されるスロット20の形態について説明する。
【0031】シャドウマスクの周辺部21であるE領域
(図7を参照。)に形成されるスロット20は、図4〜
図6に示すように、略長方形の表側孔部3が略長方形の
裏側孔部2の形成位置からシャドウマスク外周側にシフ
トするように形成される。従って、裏側孔部2の開孔中
心Nと表側孔部3の開孔中心Mは一致せず、図5の短尺
方向と図6の長尺方向の両方においても、エッチングに
よって形成されるスロット20の断面形状が左右対称に
ならない形態となる。
【0032】このスロット20の短尺方向両側の稜線部
24、25の断面高さhは、図5(i)に示す孔部中央
の断面高さh1、h2および図5(ii)に示す孔部下側
の断面高さh3、h4の何れにおいても、ほぼ同じ高さ
である。そして、その断面高さhは、上述の中央部22
のスロット10における断面高さhと同じ範囲内、すな
わち20〜45μmの範囲内で設定され形成される。そ
して、設定された断面高さhのバラツキも上記同様−5
〜+5μmの範囲である。
【0033】また、スロット20の長尺方向両側の稜線
部26、27においても、その断面高さH1、H2はほ
ぼ同じ高さである。この断面高さHも、上述の中央部2
2のスロット10における断面高さHと同様に、短尺方
向両側の稜線部24、25の断面高さhとの差が0〜1
0μm、好ましくは0〜5μmの範囲内となるように形
成されることが好ましい。なお、製造上の容易さを考慮
すると、断面高さHは、断面高さhよりも0〜+10μ
m、好ましくは0〜+5μmである。
【0034】従って、シャドウマスクの周辺部21に形
成されるスロット20において、その孔部30を構成す
る稜線部24、…、27の断面高さh、Hは、稜線部全
周に渡って0〜10μmの範囲内である。
【0035】以上説明したように、本発明のシャドウマ
スクにおいては、そこに形成されるスロット10、20
の長尺方向両側における稜線部26、27の断面高さH
と、スロット10、20の短尺方向両側における稜線部
24、25の断面高さhとの差が0〜10μm、好まし
くは0〜5μmの範囲内にある。しかも、その断面高さ
H、hは、スロット全域に渡ってほぼ均一となってい
る。そのため、本発明のシャドウマスクに形成されるス
ロット10、20は、通過させるべき電子ビーム29の
一部が、孔部30を構成する側壁4、…、7、14、
…、17および稜線部24、…、27で遮光されること
なく、電子ビーム29を一様に通過させることができ
る。
【0036】断面高さHと断面高さhとの差が10μm
を超えると、通過させるべき電子ビーム29の一部が、
孔部30を構成する側壁4、…、7、14、…、17お
よび稜線部24、…、27で遮光されることがあり、電
子ビーム29を一様に通過させることができなくなるこ
とがある。
【0037】こうしたスロット10、20を有するシャ
ドウマスクは、スロット10、20の孔部形状とほぼ同
じ略長方形となる電子ビーム29のスポットを、ブラウ
ン管の蛍光面上の所定の位置にランディングさせること
ができる。本発明のシャドウマスクを使用したカラーブ
ラウン管は、蛍光面全域に渡って所望の輝度とすること
ができると共に、R、G、Bの発光むらもない。特に、
断面高さHと断面高さhとの差を5μm以下にした場合
には、輝度と色むら度合いにおいて極めて安定で優れた
ものとすることができる。
【0038】また、本発明においては、断面高さHと断
面高さhが上述した範囲内となるスロットを、シャドウ
マスクの全域において形成することが好ましい。こうし
た形態のシャドウマスクは、形成されたスポット形状と
ほぼ同じ形状のスポットをブラウン管全域の蛍光面上の
所定の位置に一様に形成することができる。
【0039】なお、断面高さH、hを、シャドウマスク
の板厚に対して約10〜18%にすると、シャドウマス
クをプレスする際に大きなプレス圧力が加わったとして
も、稜線部24、…、27が曲がったり欠けたりするこ
とがない。
【0040】次に、本発明のシャドウマスクの製造方法
について説明する。
【0041】シャドウマスクは、スロットタイプのシャ
ドウマスクに使用される所定パターンを有するフォトマ
スクを使用することによって、従来公知の方法で形成す
ることができる。通常、フォトエッチング工程を有する
連続したインライン装置で製造される。例えば、先ず、
金属薄板の両面に水溶性コロイド系フォトレジスト等を
塗布し、乾燥させる。その後、その表面に表側孔部3用
のパターンを形成したフォトマスクを密着させ、裏側に
裏側孔部2用のパターンを形成したフォトマスクを密着
させ、高圧水銀等の紫外線によって露光し、水で現像す
る。
【0042】レジスト膜画像で周囲がカバーされた金属
露出状態のスロット部分は、所定の条件に調節されたエ
ッチング液が吹き付けられることによって、上述した特
有の形状で形成される。特に、本発明のシャドウマスク
を製造するにあたっては、例えば、47.8Be′の塩
化第二鉄水溶液を用い、温度68℃・噴射圧力3kg/
cm2 の条件で、各方向の断面高さが均一になるように
吹き付けることによって、上述した所定の範囲内の断面
高さを有する特有のスロット形態を一定のバラツキの範
囲内で形成することができる。このとき、エッチング液
の液はけを良くするようにすることによって、各方向の
断面高さを均一にできる。なお、エッチングは、熱処理
等された後、両面側から塩化第二鉄溶液をスプレー状に
噴射させて行われる。その後、水洗い、剥離等の後工程
を連続的に行うことによってシャドウマスクが製造され
る。
【0043】こうした製造方法によって、例えば、29
インチカラーブラウン管用シャドウマスクを製造した。
【0044】板厚0.22mmのFe−Ni合金の薄板
を用い、シャドウマスクの各部において、約550×7
50μmの略長方形の表側孔部3と、約180×600
μmの略長方形の裏側孔部2とからなるスロットを形成
した。このとき、エッチング条件としては、47.8B
e′の塩化第二鉄水溶液を用い、温度68℃・噴射圧力
3kg/cm2 の条件で、各方向の断面高さが均一にな
るように吹き付けた。図1〜図3で示したような中央部
22での断面高さh1、…、h4は32μm±約3μm
であり、断面高さH1、H2は36μm±約4μmであ
った。また、図4〜図6で示したような周辺部21での
断面高さh1、…、h4は33μm±約3μmであり、
断面高さH1、H2は38μm±約4μmであった。こ
うして得られたシャドウマスクは、その何れのスロット
においても、断面高さHと断面高さhとの差が、全ての
スロット間において、0〜10μmの範囲内であった。
【0045】このシャドウマスクをプレス加工して29
インチカラーブラウン管に装着した。製造されたカラー
ブラウン管は、電子ビームが所定の位置にランディング
するので、蛍光面全域に渡って所望の輝度とすることが
できると共に、R、G、Bの発光むらもなかった。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のブラウン
管用シャドウマスクによれば、裏側孔部の側壁および表
側孔部の側壁によって形成される稜線部までの断面高さ
h、Hがスロット全域に渡ってほぼ均一となるので、形
成されたスロットは、ブラウン管の蛍光面上にランディ
ングするスポットの長手方向の両端が欠けないように、
長尺方向両側付近を通過する電子ビームを通過させるこ
とができる。その結果、本発明のシャドウマスクは、略
長方形のスポットをブラウン管の蛍光面上の所定の位置
に一様に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブラウン管用シャドウマスクの中央部
に形成されたスロットの一例を示す正面図である。
【図2】図1に示したスロットの短尺方向のA1−A1
断面図(i)と、短尺方向のB1−B1断面図(ii)で
ある。
【図3】図1に示したスロットの長尺方向のC1−C1
断面図である。
【図4】本発明のブラウン管用シャドウマスクの周辺部
に形成されたスロットの一例を示す正面図である。
【図5】図4に示したスロットの短尺方向のA2−A2
断面図(i)と、短尺方向のB2−B2断面図(ii)で
ある。
【図6】図4に示したスロットの長尺方向のC2−C2
断面図である。
【図7】シャドウマスクの各部に形成されるスロットの
位置関係を説明する模式的な正面図である。
【図8】シャドウマスク各部に形成されるスロットの表
側孔部と裏側孔部の位置関係を説明する模式的な正面図
である。
【図9】従来型のシャドウマスクのスロット(i)、そ
のスロットを通過して蛍光面上にランディングする電子
ビームのスポット形状(ii)、そのスロットの中心部の
断面形状(iii)およびそのスロットの上端付近の断面
形状(iv)を示す概略図である。
【図10】従来のシャドウマスクに形成されているスロ
ットの形状の一例を示す正面図である。
【符号の説明】
2、82 裏側孔部 3、83 表側孔部 4、5、6、7 裏側孔部の側壁 10、20、81 スロット 14、15、16、17、93、94 表側孔部の側壁 21 周辺部 22 中央部 24、25、26、27、91、92 稜線部 29、84 電子ビーム 30 孔部 31、32、33、34、95、96 裏側孔部の端部 71 シャドウマスク 72 スロット形成部 73 スカート部 80 スポット h、h1、h2、h3、h4 短尺方向両側の断面高さ H、H1、H2 長尺方向両側の断面高さ N 裏側孔部の開孔中心 M 表側孔部の開孔中心 W 電子ビームの幅
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牧田 明 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 5C031 EE02 EF07 EH04

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブラウン管の蛍光面上に略長方形のビー
    ムスポットを形成するための多数のスロットからなるブ
    ラウン管用シャドウマスクにおいて、 前記スロットは、電子ビームが入射する側の略長方形の
    裏側孔部と、該電子ビームが出射する側の略長方形の表
    側孔部と、該裏側孔部の側壁および該表側孔部の側壁で
    形成される稜線部とを有し、 前記裏側孔部の端部から前記稜線部までの断面高さであ
    って、前記スロットの長尺方向両側における断面高さH
    と、該スロットの短尺方向両側における断面高さhとの
    差が、0〜10μmの範囲内であることを特徴とするブ
    ラウン管用シャドウマスク。
  2. 【請求項2】 前記範囲内の断面高さHと断面高さhと
    の差を有するスロットが、該シャドウマスクの全域にお
    いて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の
    ブラウン管用シャドウマスク。
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