JP2002298751A - プレス成形性に優れたブラウン管用シャドウマスク - Google Patents

プレス成形性に優れたブラウン管用シャドウマスク

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JP2002298751A
JP2002298751A JP2001100811A JP2001100811A JP2002298751A JP 2002298751 A JP2002298751 A JP 2002298751A JP 2001100811 A JP2001100811 A JP 2001100811A JP 2001100811 A JP2001100811 A JP 2001100811A JP 2002298751 A JP2002298751 A JP 2002298751A
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effective hole
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Toshihiro Hatori
敏洋 羽鳥
Takafumi Hideshima
啓文 秀島
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子ビーム通過孔が形成された有効孔部と、
その有効孔部の周縁に設けられて電子ビーム通過孔が形
成されていない非有効孔部との間で発生するプレス成形
性に関わる問題を解消したプレス成形性に優れたブラウ
ン管用シャドウマスクを提供する。 【解決手段】 電子ビーム通過孔が形成された有効孔部
2と、その有効孔部2の周縁に設けられて電子ビーム通
過孔が形成されていない非有効孔部3とからなるブラウ
ン管用シャドウマスク1であって、その非有効孔部3
は、非有効孔部3の外周側から内周側に向かって金属比
率を徐々に減少させるハーフエッチング領域6を有し、
そのハーフエッチング領域6に、複数のハーフエッチン
グ孔を形成することによって、上記課題を解決する。こ
のとき、ハーフエッチング領域6の内周近傍の金属比率
と、有効孔部2の外周近傍の金属比率との差が10%以
内であることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プレス成形性に優
れたブラウン管用のシャドウマスクに関し、更に詳しく
は、電子ビーム通過孔が形成されていない非有効孔部
(スカート部)のプレス成形性を向上させたブラウン管
用シャドウマスクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】プレス成形されてブラウン管に装着され
るブラウン管用シャドウマスク101(以下、シャドウ
マスクという。)は、図8および図9に示すように、電
子ビーム通過孔51が形成されている有効孔部102
と、電子ビーム通過孔51が形成されていない非有効孔
部103とから構成される。非有効孔部103(一般的
にはスカート部といわれている。)は、エッチング加工
により電子ビーム通過孔51が形成されて金属比率が小
さくなっている有効孔部102に比べ、大きな強度とな
っている。なお、有効孔部102に形成されている電子
ビーム通過孔51は、通常、電子ビームが出射する側の
大口径からなる表側開口部52と、電子ビームが入射す
る側の小口径からなる裏側開口部53とから構成されて
いる。
【0003】シャドウマスク101は、プレス成形され
てブラウン管に装着される。このときのプレス成形は、
スカート部である非有効孔部103を折り曲げることに
よって行われる。しかし、何も処理されていない非有効
孔部103を有するシャドウマスクにおいては、金属比
率が小さくて比較的強度の小さい有効孔部102と、強
度の大きい非有効孔部103との境界部分で、プレス成
形に基づいたシワ、凹凸、割れ等が発生するおそれがあ
った。また、強度の大きい非有効孔部103の折り曲げ
によってスプリングバックが発生することがあり、その
スプリングバックの作用により、有効孔部102に凹み
が発生するおそれがあった。
【0004】従来、こうした問題に対しては、特開平9
−35657号に開示されているように、非有効孔部1
03であるスカート部の長辺領域及び短辺領域のそれぞ
れに円形状またはスリット状の複数の応力吸収孔61を
設けると共に、その応力吸収孔61の配置密度を変化さ
せることによって、特にコーナー部で発生するスプリン
グバックの問題を解決していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の手段では、スプリングバックの問題を未だ十分
に解決できたとはいえず、さらに、有効孔部と非有効孔
部との境界部分でのシワ、凹凸、割れ等の問題も解決で
きていないという現状であった。
【0006】本発明は、電子ビーム通過孔が形成された
有効孔部と、その有効孔部の周縁に設けられて電子ビー
ム通過孔が形成されていない非有効孔部との間で発生す
るプレス成形性に関わる問題を解消したプレス成形性に
優れたブラウン管用シャドウマスクを提供するものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、電子ビーム通過孔が形成された有効孔部と、当該有
効孔部の周縁に設けられて電子ビーム通過孔が形成され
ていない非有効孔部とからなるブラウン管用シャドウマ
スクであって、前記非有効孔部は、当該非有効孔部の外
周側から内周側に向かって金属比率を徐々に減少させる
ハーフエッチング領域を有し、当該ハーフエッチング領
域には複数のハーフエッチング孔が配列されていること
に特徴を有する。
【0008】この発明によれば、非有効孔部は、その非
有効孔部の外周側から内周側に向かって金属比率を徐々
に減少させるハーフエッチング領域を有し、そのハーフ
エッチング領域には複数のハーフエッチング孔が配列さ
れているので、その非有効孔部の内周側におけるハーフ
エッチング領域の金属比率を減少させることができ、有
効孔部と非有効孔部との強度差を小さくすることができ
る。こうした強度差の縮小により、シャドウマスクを容
易且つ成形性よくプレス成形することができる。そし
て、有効孔部と非有効孔部との境界部分でのシワ、凹
凸、割れ等の発生を防ぐことができ、スプリングバック
の問題を解消することができる。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のプレス成形性に優れたシャドウマスクにおいて、前記
ハーフエッチング領域の内周近傍の金属比率と、前記有
効孔部の外周近傍の金属比率との差が、10%以内であ
ることに特徴を有する。
【0010】この発明によれば、ハーフエッチング領域
の内周近傍の金属比率と、その有効孔部の外周近傍の金
属比率との差が、10%以内であるので、ハーフエッチ
ング領域を有する非有効孔部と有効孔部との強度差を縮
小することができ、プレス成形性に優れたシャドウマス
クとすることができる。
【0011】請求項3に記載の発明は、請求項1または
請求項2に記載のプレス成形性に優れたシャドウマスク
において、前記ハーフエッチング領域には、前記非有効
孔部の外周側から内周側に向かって開口面積を徐々に大
きくしたハーフエッチング孔が順次配列されていること
に特徴を有する。
【0012】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
のプレス成形性に優れたシャドウマスクにおいて、前記
ハーフエッチング孔は、非有効孔部の外周線に平行な二
辺の長さが同じ矩形状であり、前記非有効孔部の外周側
から内周側に向かって前記外周線に直交する二辺の長さ
が徐々に長くなるように形成されていることに特徴を有
する。
【0013】請求項5に記載の発明は、請求項3に記載
のプレス成形性に優れたシャドウマスクにおいて、前記
ハーフエッチング孔は、相似する矩形状であり、前記非
有効孔部の外周側から内周側に向かって開口面積が徐々
に大きくなるように形成されていることに特徴を有す
る。
【0014】請求項6に記載の発明は、前記ハーフエッ
チング領域には、前記非有効孔部の外周側から内周側に
向かってピッチを徐々に小さくした同一の大きさからな
る矩形状のハーフエッチング孔が順次配列されているこ
とに特徴を有する。
【0015】請求項7に記載の発明は、請求項3に記載
のプレス成形性に優れたシャドウマスクにおいて、前記
ハーフエッチング領域には、先端が前記非有効孔部の外
周側に向いたくさび形状のハーフエッチング孔が、非有
効孔部の外周線方向を指すように配列していることに特
徴を有する。
【0016】請求項3〜請求項7に記載の発明は、有効
孔部と非有効孔部との強度差を緩やかに変化させるハー
フエッチング孔が形成されたハーフエッチング領域の形
態であり、そうした形態によって、プレス成形時に発生
しうる従来の問題を解消し、プレス成形性に優れたシャ
ドウマスクとすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明のプレス成形性に優れたブ
ラウン管用シャドウマスク1は、プレス成形されてブラ
ウン管に装着されるシャドウマスクであって、図1〜図
7に示すように、電子ビーム通過孔が形成された有効孔
部2と、その有効孔部2の周縁に設けられて電子ビーム
通過孔が形成されていない非有効孔部3とからなるもの
である。そして、その非有効孔部3は、非有効孔部3の
外周側から内周側に向かって金属比率を徐々に減少させ
るハーフエッチング領域6を有し、そのハーフエッチン
グ領域6には複数のハーフエッチング孔11、12、1
3、21、22、31が配列されてなるものである。
【0018】以下、本発明の各構成について詳しく説明
する。
【0019】本発明のシャドウマスク1は、プレス成形
されてブラウン管に装着されるものであり、例えば図9
に示すような電子ビーム通過孔51が形成された有効孔
部2と、その有効孔部2の周縁に設けられて電子ビーム
通過孔51が形成されていない非有効孔部3とからなる
ものである。
【0020】有効孔部2は、電子ビームをブラウン管の
蛍光面上の所定に位置に所定の形状と大きさでランディ
ングさせるための多数の電子ビーム通過孔51が形成さ
れている領域である。
【0021】有効孔部2に形成された電子ビーム通過孔
51は、例えば図9に示すように、電子ビームが出射す
る側に設けられる表側開口部52と、電子ビームの入射
する側に設けられる裏側開口部53とから形成される円
形孔である。電子ビーム通過孔51の形状は、図9に示
す円形には限定されず、略円形、楕円形状、略楕円形状
であってもよい。なお、シャドウマスクの有効孔部2の
周辺部においては、表側開口部52は、裏側開口部53
から入射した電子ビームの通過の邪魔にならないよう
に、裏側開口部53に対し、シャドウマスク1の中心C
からの距離に対応した寄り目量でシャドウマスク1の外
周寄りにシフトして形成されている(図9(b)を参
照。)。
【0022】非有効孔部3は、シャドウマスク1をプレ
ス成形(折り曲げ等)する領域であり、上述の有効孔部
2以外の領域、すなわち電子ビーム通過孔51が形成さ
れていないスカート部といわれる領域である。本発明に
おいては、この非有効孔部3にハーフエッチング領域6
が形成されている。
【0023】ハーフエッチング領域6は、非有効孔部3
の外周側から内周側に向かって金属比率を徐々に減少さ
せるという役割を有する部分である。こうした役割を有
するハーフエッチング領域6により、非有効孔部3のハ
ーフエッチング領域6における金属比率と、有効孔部2
の金属比率とを同じ値または近似する値とすることがで
きる。このとき、ハーフエッチング領域6の内周近傍の
金属比率と、有効孔部2の外周近傍の金属比率との差を
10%以内とすることが好ましく、5%以内とすること
がより好ましい。こうした範囲にすることにより、非有
効孔部3と有効孔部2との境界部分4の強度差を縮小す
ることができる。
【0024】さらに、各部の金属比率としては、シャド
ウマスク原板の金属比率を100%とした場合、電子ビ
ーム通過孔51が形成された有効孔部2の金属比率は、
通常、50〜70%程度となっている。なお、更に詳し
く説明すれば、CRTモニター用のシャドウマスクにお
いては50〜60%の金属比率で有効孔部が形成され、
テレビ用のシャドウマスクにおいては60〜70%の金
属比率で形成される。本発明においては、有効孔部2と
非有効孔部3との境界部分4の近傍に形成されたハーフ
エッチング領域6の金属比率を、CRTモニター用のシ
ャドウマスクにおいてはその有効孔部2の金属比率と同
じ50〜60%程度とすることが好ましく、テレビ用の
シャドウマスクにおいてもその有効孔部2の金属比率と
同じ60〜70%程度とすることが好ましい。そして、
ハーフエッチング領域6の外周線の近傍の金属比率を、
CRTモニター用のシャドウマスクにおいては70〜9
0%程度とすることが好ましく、テレビ用のシャドウマ
スクにおいては90〜100%程度とすることが好まし
い。本発明においては、ハーフエッチング領域6を上記
の範囲の金属比率で形成することによって、プレス成形
性に優れたシャドウマスクとすることができる。
【0025】金属比率を調節する手段としては、ハーフ
エッチング領域6およびそこに形成されるハーフエッチ
ング孔の形状を、後述する第1の形態から第3の形態の
ようにすることができる。さらに、ハーフエッチング孔
の深さを所定の深さに設定することによって調節するこ
ともできる。なお、その深さは、シャドウマスク原板の
60〜70%の範囲内の所定の値に設定することが好ま
しい。
【0026】ハーフエッチング領域6は、プレス成形性
を向上させるのに必要な所定の位置に形成されることが
好ましい。その所定の位置としては、ブラウン管に対応
したシャドウマスクのプレス成形仕様に応じて任意に設
計することができる。そのハーフエッチング領域6を、
プレス成形によって折り曲げ等される部位とその近傍部
のみに形成してもよい。通常、非有効孔部2のうちシャ
ドウマスク1の有効孔部2と非有効孔部3との境界部分
4から数ミリ乃至十数ミリ程度離れた位置から非有効孔
部3の外周線5に向かって形成される。非有効孔部3の
外周線5からは、かなり間隔をあけてあってもよく、特
に限定されない。また、非有効孔部3の全域に設けても
よい。
【0027】ハーフエッチング領域6には、複数のハー
フエッチング孔11、12、13、21、22、31が
配列されている。こうした形態としては、非有効孔部3
の外周側(外周線5側)から内周側(境界部分4側)に
向かって開口面積を徐々に大きくしたハーフエッチング
孔を順次配列する第1の形態、非有効孔部3の外周側か
ら内周側に向かってピッチを徐々に小さくした同一の大
きさからなる矩形状のハーフエッチング孔を順次配列し
た第2の形態、先端が非有効孔部3の外周側に向いたく
さび形状からなるハーフエッチング孔が非有効孔部3の
外周線5の方向を指すように配列した第3の形態、等を
好ましく挙げることができる。第1〜第3の形態に係る
ハーフエッチング孔を配列したことによって、有効孔部
2と非有効孔部3との強度差を緩やかに変化させること
ができる。なお、ハーフエッチング孔は、電子ビーム通
過孔51を構成する大口径の表側開口部52と同じ側の
面に形成されていることが製造上の点から好ましい。
【0028】先ず、第1の形態について説明する。
【0029】第1の形態は、図2〜図4に例示するよう
に、非有効孔部3の外周側から内周側に向かって開口面
積を徐々に大きくしたハーフエッチング孔11、12、
13を順次配列したものである。
【0030】図2および図3において、非有効孔部3の
外周側から内周側に向かって順次配列されるハーフエッ
チング孔11、12は、非有効孔部3の外周線5に平行
な二辺の長さが同じ固定辺41、42と、その外周線5
に直交する二辺の長さが徐々に長くなる可変辺43、4
4とで構成される。これらのハーフエッチング孔11、
12は、図2および図3に示すように、非有効孔部3の
外周側から内周側に向かって形成されている。図2にお
いては、固定辺41、42の長さが短いハーフエッチン
グ孔11を整列させ、図3においては、固定辺41、4
2の長さが長いハーフエッチング孔12を整列させてい
る。
【0031】なお、図3に示すハーフエッチング孔12
においては、図2に示す複数のハーフエッチング孔11
をY方向(外周線5に平行な方向)に包含するような所
定の長さで形成したり、非有効孔部3を一周するような
長い長さで帯状に形成することもできる。
【0032】各ハーフエッチング孔11、12の深さ
や、各ハーフエッチング孔相互間のX方向(外周線5の
直交する方向)の間隔Wは、各部分での金属比率を考慮
して任意に設計される。その設計に際しては、ハーフエ
ッチング孔11、12が形成されたハーフエッチング領
域6の内周近傍(境界部分4の近傍)の金属比率を、有
効孔部2の外周近傍(境界部分4の近傍)の金属比率と
同じか近似させるようにすることが好ましい。例えば、
深さにおいては、シャドウマスク原板の厚さの70〜8
0%程度とすることが好ましい。
【0033】可変辺43、44の長さDは、一次式(リ
ニアに)または二次式で変化させることが好ましい。可
変辺43、44の長さDは、ハーフエッチング領域6の
幅をL、ハーフエッチング領域6のうちで最も境界部分
4に近く形成されたハーフエッチング孔における可変辺
43、44の長さをD0、係数をαとした場合に、D=
D0−αL、または、D=D0−αL2 等の関係式で表
すことができる。なお、係数αは、板厚とエッチング方
式に関連するものである。このような関係で可変辺4
3、44の長さDを規定することによって、有効孔部2
と非有効孔部3と間の強度差、および、非有効孔部3内
での強度差を緩やかに変化させることができ、プレス成
形性に優れたシャドウマスクとすることができる。
【0034】開口面積は、可変辺43、44の長さと固
定辺41、42の長さとを乗じた値で表される。したが
って、開口面積は、上述した可変辺43、44の長さD
の変化に基づき、非有効孔部3の外周側から内周側に向
かって一次式または二次式で変化することとなる。
【0035】図4は、第1の形態のさらに他の一例を示
す拡大平面図である。図4において、相似する矩形状の
ハーフエッチング孔13は、非有効孔部3の外周側から
内周側に向かって開口面積が徐々に大きくなるように形
成されている。
【0036】相似形からなる各ハーフエッチング孔13
の各辺の長さおよびその長さを乗じてなる開口面積は、
一次式(リニアで)または二次式で変化させることが好
ましく、上述と同様に、ハーフエッチング領域6の幅を
L、ハーフエッチング領域6で最も境界部分4に近く形
成されたハーフエッチング孔の任意の一辺の長さをD
0、係数をαとした場合に、上記と同じ関係式で表すこ
とができる。
【0037】また、各ハーフエッチング孔13の深さや
各ハーフエッチング孔相互間のX方向の間隔Wについて
も、上述と同様に、各部分での金属比率を考慮して任意
に設計される。
【0038】次に、第2の形態について説明する。
【0039】第2の形態は、図5および図6に例示する
ように、非有効孔部3の外周側から内周側に向かってピ
ッチPを徐々に小さくした同一の大きさからなる矩形状
のハーフエッチング孔21、22を、順次配列したもの
である。図5および図6においては、上述の第1の形態
とは異なり、同一形状のハーフエッチング孔21、22
を異なるピッチで形成し、配列させたものである。
【0040】ハーフエッチング孔21、22の形状とし
ては、図5に示すような正方形状であっても、図6に示
すようにY方向に長く延びた長方形状であってもよく特
に限定されない。また、ハーフエッチング孔21、22
の深さについても、第1の形態における場合と同様に、
各部分での金属比率を考慮して任意に設計される。
【0041】ハーフエッチング孔相互間のピッチPは、
非有効孔部3の外周側から内周側に向かって徐々に小さ
くなっている。その変化率は、上述の第1の形態におけ
る可変辺の長さDの変化率と同程度とすることができ
る。そうしたピッチPでハーフエッチング孔21、22
を形成することによって、有効孔部2と非有効孔部3と
間の強度差、および、非有効孔部3内での強度差を緩や
かに変化させることができ、プレス成形性に優れたシャ
ドウマスクとすることができる。
【0042】次に、第3の形態について説明する。
【0043】第3の形態は、図7に例示するように、先
端32が非有効孔部3の外周側に向いたくさび形状のハ
ーフエッチング孔31を、非有効孔部3の外周線5の方
向を指すように配列させたものである。
【0044】くさび形状のハーフエッチング孔31は、
外周線5側に細長く尖った鋭角先端を有する二等辺三角
形状のもの(図7参照。)でも直角三角形状のものでも
よい。また、鈍角先端を有するものでも直角三角形状の
ものでもよく、特に限定されない。こうした形状からな
るハーフエッチング孔31が形成されていることによっ
て、非有効孔部3の外周側から内周側に向かって、その
金属比率を徐々に小さくすることができる。そのハーフ
エッチング孔31の形状に基づく金属比率の変化率とし
ては、上述の第1の形態や第2の形態の場合のような可
変辺の長さや開口面積の変化率と同程度とすることが好
ましい。したがって、そうした変化率となるように、く
さび状からなるハーフエッチング孔31の形が設計され
る。そうした形状からなるハーフエッチング孔31をY
方向に所定のピッチPで形成し、配列することによっ
て、有効孔部2と非有効孔部3と間の強度差、および、
非有効孔部3内での強度差を緩やかに変化させることが
でき、プレス成形性に優れたシャドウマスクとすること
ができる。
【0045】以上の第1の形態から第3の形態は、およ
そ0.1〜0.13mmの板厚のシャドウマスクに好ま
しく適用される。こうした厚さからなる本発明のシャド
ウマスク1は、その非有効孔部3にハーフエッチング領
域6を設けることによって、プレス成形性を向上させる
ことができる。また、シャドウマスク1の大きさは特に
限定されず、17インチ、19インチまたはその他の大
きさからなる任意のインチサイズのブラウン管に装着さ
れるシャドウマスクであってもよい。シャドウマスク1
の素材についても限定されない。
【0046】次に、シャドウマスクの製造方法について
説明する。
【0047】本発明のシャドウマスク1は、従来公知の
方法で製造することができる。通常、フォトエッチング
工程が利用され、連続したインライン装置で製造され
る。例えば、金属薄板の両面に水溶性コロイド系フォト
レジスト等を塗布し、乾燥する。その後、その表面に
は、表側開口パターンおよびハーフエッチング孔パター
ンが形成されたフォトマスクを密着させ、裏面にも、裏
側開口パターンが形成されたフォトマスクを密着させ、
高圧水銀等の紫外線によって露光し、水で現像する。な
お、表側開口パターンおよびハーフエッチング孔パター
ンが形成されたフォトマスクと、裏側開口パターンが形
成されたフォトマスクとの位置関係およびその形状は、
形成される電子ビーム通過孔およびハーフエッチング孔
の形状等を考慮して設計され、配置される。レジスト膜
画像で周囲がカバーされた金属の露出部分は、各部のエ
ッチング進行速度の相違に基づいて、上述したような各
々の形状で形成される。なお、エッチング加工は、熱処
理等された後、両面側から塩化第二鉄溶液をスプレー等
して行われる。その後、水洗い、剥離等の後工程を連続
的に行うことによってシャドウマスクが製造される。
【0048】次に、こうして得られたシャドウマスクを
プレス加工する。本発明のシャドウマスク1は、プレス
加工によっても有効孔部2と非有効孔部3との境界部分
4でのシワ、凹凸、割れ等の発生を防ぐことができ、ス
プリングバックの問題を解消することができる。
【0049】
【実施例】以下に、実施例と比較例を示し、本発明をさ
らに具体的に説明する。
【0050】(実施例1)厚さ0.12mmの17イン
チブラウン管用のシャドウマスク1を上述の方法によっ
て製造した。このシャドウマスク1は、円形形状からな
る電子ビーム通過孔を形成した有効孔部2と、後述する
各寸法のハーフエッチング孔を形成した幅30mmの非
有効孔部3とで構成されている。有効孔部2の金属比率
は、シャドウマスク原板の70%とした。
【0051】非有効孔部3には、幅L28.5mmのハ
ーフエッチング領域6を形成した。このハーフエッチン
グ領域6は、有効孔部2と非有効孔部3との境界部分4
から0.5mmの間隔を隔てた位置から、外周方向に向
かって形成し、外周線5から1.0mm内側に入った位
置まで形成した。
【0052】実施例1に係るハーフエッチング孔11を
図2に示す第1の形態で形成した。固定辺41、42の
長さを0.15mmとし、深さを80μmとした。可変
辺43、44は、境界部分4に最も近く形成されたハー
フエッチング孔での長さを0.25mmとし、上述した
二次式(D=D0−αL2 )に基づいて外周方向(X方
向)に向かって徐々に短くした。ハーフエッチング孔相
互間のX方向の間隔Wを0.3mmとし、Y方向の間隔
を0.25mmとした。シャドウマスクの内周近傍の金
属比率は、エッチング加工されていない当初のシャドウ
マスク原板の70%であり、外周方向に向かって徐々に
高くし、外周近傍の金属比率を100%とした。こうし
て実施例1のシャドウマスクを作製した。
【0053】(実施例2)実施例2に係るハーフエッチ
ング孔を図5に示す第2の形態で形成した。なお、有効
孔部2および非有効孔部3については実施例1と同様に
形成した。
【0054】一辺の長さが0.15mm、深さが80μ
mの正方形からなるハーフエッチング孔21を形成し
た。そのハーフエッチング孔21を、外周側から内周側
に向けて、ピッチPが徐々に狭くなるように形成した。
そのピッチは、上述した一次式(D=D0−αL)に基
づいて変化させた。ハーフエッチング孔相互間のY方向
の間隔を0.25mmとした。境界部分4近傍の金属比
率は、シャドウマスク原板の70%であり、外周方向に
向かって徐々に高くし、外周線5近傍の金属比率を10
0%とした。こうして実施例2のシャドウマスクを作製
した。
【0055】(比較例1)比較例1に係るハーフエッチ
ング孔61を図10に示す形態で形成した。なお、有効
孔部2および非有効孔部3については実施例1と同様に
形成した。
【0056】ハーフエッチング領域6には、ドット径
0.15mm、深さ80μmのハーフエッチング孔61
をピッチ0.25mmで形成し配列した。シャドウマス
ク原板に対するハーフエッチング領域内の金属比率は各
部分で同じであり、その値は70%である。こうして比
較例1のシャドウマスクを作製した。
【0057】(評価および結果)実施例1〜3と比較例
1のシャドウマスクを用い、プレス成形性を評価した。
【0058】比較例1のシャドウマスクは、有効孔部2
と非有効孔部3との境界部分4にシワと凹凸が見られた
が、実施例1〜3のシャドウマスクは、境界部分4での
変形は全く見られず、スプリングバックもなかった。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のシャドウ
マスクによれば、その非有効孔部の内周側におけるハー
フエッチング領域の金属比率を減少させることができ、
有効孔部と非有効孔部との強度差を小さくすることがで
きるので、シャドウマスクを容易且つ成形性よくプレス
成形することができる。そして、有効孔部と非有効孔部
との境界部分でのシワ、凹凸、割れ等の発生を防ぐこと
ができ、スプリングバックの問題を解消することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシャドウマスクのハーフエッチング領
域を示す拡大平面図である。
【図2】第1の形態のハーフエッチング孔の一例を示す
拡大平面図である。
【図3】第1の形態のハーフエッチング孔の他の一例を
示す拡大平面図である。
【図4】第1の形態のハーフエッチング孔のさらに他の
一例を示す拡大平面図である。
【図5】第2の形態のハーフエッチング孔の一例を示す
拡大平面図である。
【図6】第2の形態のハーフエッチング孔の他の一例を
示す拡大平面図である。
【図7】第3の形態のハーフエッチング孔の一例を示す
拡大平面図である。
【図8】本発明のシャドウマスクの一例を示す全体平面
図である。
【図9】電子ビーム通過孔の正面図と断面図である。
【図10】従来のハーフエッチング領域の形態を示す拡
大平面図である。
【符号の説明】
1…シャドウマスク 2…有効孔部 3…非有効孔部 4…境界部分 5…外周線 6…ハーフエッチング領域 11、12、13、21、22、31…ハーフエッチン
グ孔 41、42…固定辺 43、44…可変辺 51…電子ビーム通過孔 52…表側開口部 53…裏側開口部 θ…くさび先端角度 L…ハーフエッチング領域の幅 D…ハーフエッチング項の可変辺の幅 D0…ハーフエッチング孔の境界部分直近の可変辺の幅 W…ハーフエッチング孔相互間の間隔 P…ハーフエッチング孔相互のピッチ C…シャドウマスクの中心
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5C031 EE03 EH05 EH06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子ビーム通過孔が形成された有効孔部
    と、当該有効孔部の周縁に設けられて電子ビーム通過孔
    が形成されていない非有効孔部とからなるブラウン管用
    シャドウマスクであって、 前記非有効孔部は、当該非有効孔部の外周側から内周側
    に向かって金属比率を徐々に減少させるハーフエッチン
    グ領域を有し、当該ハーフエッチング領域には複数のハ
    ーフエッチング孔が配列されていることを特徴とするプ
    レス成形性に優れたブラウン管用シャドウマスク。
  2. 【請求項2】 前記ハーフエッチング領域の内周近傍の
    金属比率と、前記有効孔部の外周近傍の金属比率との差
    が、10%以内であることを特徴とする請求項1に記載
    のプレス成形性に優れたシャドウマスク。
  3. 【請求項3】 前記ハーフエッチング領域には、前記非
    有効孔部の外周側から内周側に向かって開口面積を徐々
    に大きくしたハーフエッチング孔が順次配列されている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプレ
    ス成形性に優れたシャドウマスク。
  4. 【請求項4】 前記ハーフエッチング孔は、非有効孔部
    の外周線に平行な二辺の長さが同じ矩形状であり、前記
    非有効孔部の外周側から内周側に向かって前記外周線に
    直行する二辺の長さが徐々に長くなるように形成されて
    いることを特徴とする請求項3に記載のプレス成形性に
    優れたシャドウマスク。
  5. 【請求項5】 前記ハーフエッチング孔は、相似する矩
    形状であり、前記非有効孔部の外周側から内周側に向か
    って開口面積が徐々に大きくなるように形成されている
    ことを特徴とする請求項3に記載のプレス成形性に優れ
    たシャドウマスク。
  6. 【請求項6】 前記ハーフエッチング領域には、前記非
    有効孔部の外周側から内周側に向かってピッチを徐々に
    小さくした同一の大きさからなる矩形状のハーフエッチ
    ング孔が順次配列されていることを特徴とする請求項1
    または請求項2に記載のプレス成形性に優れたシャドウ
    マスク。
  7. 【請求項7】 前記ハーフエッチング領域には、先端が
    前記非有効孔部の外周側に向いたくさび形状のハーフエ
    ッチング孔が、非有効孔部の外周線方向を指すように配
    列していることを特徴とする請求項1または請求項2に
    記載のプレス成形性に優れたシャドウマスク。
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