JP2002117785A - シャドウマスク - Google Patents

シャドウマスク

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JP2002117785A
JP2002117785A JP2000308995A JP2000308995A JP2002117785A JP 2002117785 A JP2002117785 A JP 2002117785A JP 2000308995 A JP2000308995 A JP 2000308995A JP 2000308995 A JP2000308995 A JP 2000308995A JP 2002117785 A JP2002117785 A JP 2002117785A
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JP2000308995A
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Yoshinori Hirobe
吉紀 広部
Takuya Ogio
卓也 荻尾
Akira Makita
明 牧田
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フラット型ブラウン管に使用された後のシャ
ドウマスクの衝撃強度を向上させることを目的とし、貫
通孔の断面形状およびその寸法を貫通孔の形成位置に応
じて変化させたシャドウマスクを提供する。 【解決手段】 電子ビームが入射する側の裏側孔部と、
該電子ビームが出射する側の表側孔部とから形成される
貫通孔を配列してなり、被照射面に所定形状のビームス
ポットを形成するシャドウマスクにおいて、該シャドウ
マスクの周辺部に形成された貫通孔2bを、その裏側孔
部4bの端部9から稜線部8eまでの断面高さであって
そのシャドウマスク外周側の側壁10eにかかる断面高
さhが、そのシャドウマスクの中心に形成された貫通孔
2aにおける断面高さkよりも大きくすることによっ
て、上記課題を解決する。このとき、その断面高さh
を、シャドウマスクの板厚tの19%以上27%以下と
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブラウン管用のシ
ャドウマスクに関し、更に詳しくは、特にフラット型ブ
ラウン管に好ましく使用される衝撃強度に優れたシャド
ウマスクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図8は、一般的なシャドウマスク51の
断面形態の一例である。シャドウマスク51は、ブラウ
ン管内に装着され、磁気シールドのためおよびブラウン
管の蛍光面に円形のビームスポットを形成させるために
使用される。このようなシャドウマスク51には、所定
の形状の貫通孔が所定のパターンで形成されている。そ
の貫通孔の形成は、金属薄板をエッチング加工すること
によって行われる。
【0003】貫通孔は、電子ビームが入射する側の裏側
孔部と、電子ビームが出射する側の表側孔部とから形成
される。その表側孔部は、裏側孔部よりも大きな面積で
形成されている。また、表側孔部の面積および裏側孔部
の面積は、シャドウマスク51の各部でほぼ同じ大きさ
で形成されている。
【0004】具体的には、図8に示すように、シャドウ
マスク51の中央部に設けられた貫通孔52aと、シャ
ドウマスク51の周辺部に設けられた貫通孔52bと
は、裏側孔部54a、54bに対する表側孔部53a、
53bの形成位置が異なっている。しかしながら、その
表側孔部53a、53bそれぞれの開孔寸法や開孔面積
は、その形成位置に関わらずほぼ同じ大きさで形成され
ている。また、裏側孔部54a、54bそれぞれの開孔
寸法や開孔面積も、その形成位置に関わらずほぼ同じ大
きさで形成されている。さらに、周辺部の貫通孔52b
においては、その表側孔部54bの側壁であってシャド
ウマスク51の外周側の側壁55bにかかる部分で電子
ビームが遮光されないように、表側孔部53bの開孔寸
法や開孔面積が中央部の表側孔部53aの開孔寸法や開
孔面積よりもやや大きめに形成されるという実例もあ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】こうしたタイプのシャ
ドウマスクを、表示面側が曲面形状になっている一般的
なブラウン管に使用した場合、ブラウン管に落下衝撃等
が加わってもあまり大きな問題は生じていなかった。
【0006】しかしながら、そのシャドウマスクを、表
示面側が平らで蛍光面側のアールが一般的なブラウン管
よりも大きいフラット型のブラウン管に使用すると、落
下衝撃等によってシャドウマスクの中央部分が凹むおそ
れがあることが確認された(図7の破線部を参照。)。
【0007】本発明は、上記問題を解決すべくなされた
ものであって、特にフラット型ブラウン管に使用された
後のシャドウマスクの衝撃強度を向上させることを目的
とし、貫通孔の断面形状およびその寸法を貫通孔の形成
位置に応じて変化させたシャドウマスクを提供するもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、電子
ビームが入射する側の裏側孔部と、該電子ビームが出射
する側の表側孔部とから形成される貫通孔を配列してな
り、被照射面に所定形状のビームスポットを形成するシ
ャドウマスクにおいて、該シャドウマスクの周辺部に形
成された貫通孔は、該裏側孔部の端部から稜線部までの
断面高さであって該シャドウマスク外周側の側壁にかか
る断面高さが、該シャドウマスクの中心に形成された貫
通孔における該断面高さよりも大きいことに特徴を有す
る。
【0009】この発明によれば、裏側孔部の端部から稜
線部までの断面高さであってシャドウマスク外周側の側
壁にかかる断面高さが、シャドウマスクの中心に形成さ
れた貫通孔におけるその断面高さよりも大きいので、こ
のように形成された貫通孔を備えるシャドウマスクの周
辺部は中央部よりもエッチングされていない金属部分が
多くなる。そのため、シャドウマスクの中央部はその周
辺部よりも相対的に軽くなり、しかもその中央部は相対
的に重くなった高強度の周辺部で支えられるので、シャ
ドウマスクがブラウン管に装着された後に落下衝撃等の
応力が加わってもシャドウマスクに凹み等の変形が起こ
らない。
【0010】請求項2の発明は、請求項1に記載のシャ
ドウマスクにおいて、前記裏側孔部の端部から稜線部ま
での断面高さであって前記シャドウマスク外周側の側壁
にかかる断面高さが、該シャドウマスクの板厚の19%
以上27%以下であることに特徴を有する。
【0011】この発明によれば、裏側孔部の端部から稜
線部までの断面高さであってシャドウマスク外周側の側
壁にかかる断面高さを、そのシャドウマスクの板厚の1
9%以上27%以下とした。この範囲の断面高さを有す
る貫通孔をその周辺部に備えるシャドウマスクは、ブラ
ウン管に装着された後に落下衝撃等の応力が加わっても
凹み等の変形が起こらない。さらに、このシャドウマス
クは、貫通孔の寸法バラツキに基づく外観不良もなく、
ハレーションも問題ないレベルである。
【0012】請求項3の発明は、請求項1または請求項
2に記載のシャドウマスクにおいて、前記周辺部に形成
された貫通孔を含むシャドウマスク全域の貫通孔につい
て、前記裏側孔部の端部から稜線部までの断面高さであ
って該シャドウマスク外周側の側壁にかかる断面高さ
が、該シャドウマスクの最外周に形成された貫通孔にお
いて同一であり、該最外周に形成された貫通孔と該シャ
ドウマスクの中心の貫通孔との間に位置する貫通孔にお
ける該断面高さが、所定の変化率で連続的または段階的
に変化することに特徴を有する。
【0013】この発明によれば、シャドウマスクの最外
周に形成された貫通孔において、裏側孔部の端部から稜
線部までの断面高さであってシャドウマスク外周側の側
壁にかかる断面高さが同一であるので、シャドウマスク
の最外周が同程度の強度になるように形成することがで
きる。さらに、最外周に形成された貫通孔とシャドウマ
スクの中心の貫通孔との間に位置する貫通孔における前
記の断面高さが、所定の変化率で連続的または段階的に
変化するので、シャドウマスクの強度を最外周から中心
に向かって徐々に且つ規則的に変化させることができ
る。こうしたシャドウマスクは、その強度バランスが極
めて規則的になるので、ブラウン管に装着した後に落下
衝撃等の応力が加わってもシャドウマスクに変形が起こ
らないと共に、ハレーションも問題ないレベルである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明について図面を参照
しつつ説明する。
【0015】図1は、本発明のシャドウマスク1に形成
された貫通孔2の断面形態の一例を示す断面図であり、
(a)はシャドウマスク1の中心に形成された貫通孔の
断面形態であり、(b)はシャドウマスク1の外周に形
成された貫通孔の断面形態である。図2は、貫通孔2
a、2bの断面形態の他の一例を示す断面図である。図
3は、図1と図2に示す各部の貫通孔2a、2cの形状
の一例を示す正面図である。また、図4は、シャドウマ
スク1の各部に形成される貫通孔の位置関係を説明する
模式的な正面図である。
【0016】本発明のシャドウマスク1は、金属薄板を
エッチング加工することにより、所定の形状の貫通孔を
所定のパターンで形成したものである。そのパターン
は、通常、貫通孔を略最密充填構造またはそれに近似す
る構造で配列してなるものである。こうした形状のシャ
ドウマスク1は、ブラウン管に装着されて、磁気シール
ドのため、およびブラウン管の蛍光面に所定形状のビー
ムスポットを形成するために使用される。ビームスポッ
トの形状は、円形、または略長方形からなるスロット形
の何れでもよく、何れの場合にも本発明の技術思想を適
用できる。なお、以下においては、便宜的に、円形のビ
ームスポットを形成するシャドウマスクを例に挙げて説
明する。
【0017】先ず、貫通孔の正面形態について説明す
る。
【0018】貫通孔2a、2bは、図1〜図3に示すよ
うに、電子ビームが入射する側の裏側孔部4a、4b
と、ブラウン管の蛍光面側に位置して電子ビームが出射
する側の表側孔部3a、3bとから形成される。表側孔
部3a、3bは、裏側孔部4a、4bよりも大きな面積
で形成される。こうした貫通孔2a、2bは、電子ビー
ムの一部を裏側孔部4a、4bの端部9や側壁10によ
り遮光することができ、円形のビームスポットをブラウ
ン管の蛍光面上の所定の位置に所定の大きさで形成させ
ることができる。
【0019】貫通孔2a、2bを構成する表側孔部3
a、3bと裏側孔部4a、4bとの位置関係は、図1〜
図3に示すように、図4に示すシャドウマスク1の周辺
部21と中央部22とでは異なっている。さらに、同じ
周辺部21であっても、表側孔部3a、3bと裏側孔部
4a、4bとの位置関係は、X軸、Y軸および対角軸の
各部で異なっている。こうした相違は、電子ビームが表
側孔部3bの側壁であってシャドウマスク外周側の側壁
5bにかかる部分で遮光されるのを防いだものであり、
そのような位置関係にすることによって、円形のビーム
スポットをブラウン管の蛍光面上の所定の位置に所定の
大きさで形成することができる。ここで、シャドウマス
ク1の中央部22とは、図4に示すように、シャドウマ
スク1の中心を含む部分である。また、シャドウマスク
1の周辺部21とは、外周部分を含んだA〜Hに例示さ
れる部分であり、ここでは、最外周の貫通孔から10m
m程度内側に入った部分を含む範囲を指している。
【0020】具体的には、シャドウマスク1の中央部2
2においては、シャドウマスク1に向かって電子ビーム
がほぼ真っ直ぐに照射されるので、裏側孔部4aの中心
位置と表側孔部3aの中心位置はほぼ同じであればよ
い。一方、シャドウマスク1の周辺部21においては、
シャドウマスク1に向かって電子ビームが斜めに照射さ
れるので、裏側孔部4bの中心位置と表側孔部3bの中
心位置は、その貫通孔2bが形成される位置A〜H(図
4を参照。)によって変化させる必要がある。つまり、
貫通孔2bがシャドウマスクの中心からどの方向に形成
されるかによって、その貫通孔2bの表側孔部3bは、
裏側孔部4bに対してシャドウマスク外周側にシフトす
るように形成される。さらに、貫通孔2bを形成する位
置が中心部22から周辺部21側に行くにしたがって、
その貫通孔2bの表側孔部3bは、裏側孔部4bに比べ
て徐々にシャドウマスク外周側にシフトするように形成
される。このとき、その表側孔部3bの形状は、中央部
22から周辺部21に行くに従って、円形形状から楕円
形または楕円形に近似する開孔形状へと徐々に遷移する
ように偏平した「略楕円形状」であることが好ましい。
こうすることによって、貫通孔2bの表側孔部3bが、
電子ビームを必要以上に遮光するのを防ぐことができ
る。
【0021】次に、貫通孔の断面形状について説明す
る。
【0022】本発明は、シャドウマスク1の周辺部21
に形成された貫通孔2bにおいて、その貫通孔2bにお
ける裏側孔部4bの端部9から稜線部8eまでの断面高
さであってそのシャドウマスク外周側の側壁10eにか
かる断面高さhを、そのシャドウマスク1の中心に形成
された貫通孔2aにおける裏側孔部4aの端部9から稜
線部8までの断面高さkよりも大きくすることによって
所期の目的を達成する。なお、「稜線部8e」とは、裏
側孔部4bの側壁10eと表側孔部3bの側壁5bとに
よって形成される部分である。また、以下の説明におい
て特に断らない限り、「シャドウマスク1の周辺部21
に形成された貫通孔2bにおける裏側孔部4bの端部9
から稜線部8eまでの断面高さであってそのシャドウマ
スク外周側の側壁10eにかかる断面高さh」を単に
「断面高さh」といい、「シャドウマスク1の中心に形
成された貫通孔2aにおける裏側孔部4aの端部9から
稜線部8までの断面高さk」を単に「断面高さk」とい
う。
【0023】特に、本発明においては、断面高さhが、
シャドウマスクの板厚tの19%以上27%以下である
ことが好ましい。このとき、より好ましくは19%以上
25%以下である。こうした断面高さhと板厚tとの関
係は、厳密にはシャドウマスクの規格、例えばシャドウ
マスクのサイズ、貫通孔の大きさや形状等によって若干
影響されるが、17インチ用から21インチ用のシャド
ウマスクにおいては、上述の範囲を好ましく適用するこ
とができる。
【0024】このような範囲の断面高さhを有する周辺
部21の貫通孔においては、裏側孔部4bよりも著しく
大きい開孔面積でエッチングされた表側孔部3bの空間
体積が、断面高さhが大きくなった分だけ減少したこと
となる。表側孔部3bの空間体積のこうした減少は、周
辺部21の貫通孔全体における空間体積を減少させるこ
ととなるので、周辺部21の貫通孔は中央部22の貫通
孔2aよりもエッチングされていない金属部分が相対的
に多くなる。そのため、シャドウマスク1の中央部22
は周辺部21よりも相対的に軽くなり、しかもその中央
部22は相対的に重くなった高強度の周辺部21で支え
られることになる。その結果、ブラウン管に装着された
後に落下衝撃等の応力が加わっても、シャドウマスク1
に凹み等の変形が起こらない。
【0025】断面高さhは、エッチングマスクパターン
やエッチング条件を変更することによって上述した好ま
しい範囲に調整することができる。断面高さhを上述の
範囲に調整するには、周辺部21に形成される裏側孔部
4bの開孔幅Pを従来同様の所定の大きさに保持しつ
つ、裏側孔部4bが従来よりも深くなるようにエッチン
グすることが必要となる。そのための具体的手段として
は、従来よりもやや小さい寸法のエッチングパターンを
使用する方法や、エッチング液の噴射圧を高くする方法
を、個々にまたは同時に適用することができる。こうし
た手段によって、開孔幅方向よりも深さ方向の寸法を相
対的に大きくすることができる。
【0026】断面高さhが19%未満の場合には、表側
孔部3bの空間体積を十分に減少させることができない
ので、中央部22の貫通孔を構成する金属部分に比べて
周辺部21の貫通孔を構成する金属部分を相対的に多く
することができない。その結果、そうしたシャドウマス
ク1をブラウン管に装着した後に落下衝撃等の応力が加
わると、その周辺部21は中央部を支えることができ
ず、シャドウマスク1に凹み等の変形が起こる場合があ
る。
【0027】一方、断面高さhが27%を超える場合に
は、表側孔部3bの空間体積については十分に減少させ
ることはできるものの、稜線部8b、…、8eの位置精
度が悪くなる。その結果として、貫通孔2bの大きさが
ばらついたり、貫通孔2bを通過する電子ビームが必要
以上に遮光されることがある。
【0028】以上、貫通孔の断面形状について、断面高
さh(すなわちシャドウマスク1の周辺部21に形成さ
れた貫通孔2bにおける裏側孔部4bの端部9から稜線
部8eまでの断面高さであってそのシャドウマスク外周
側の側壁10eにかかる高さh)を上記のように規定す
ると、端部9から稜線部8b、8c、8dまでの高さ
も、稜線部8eまでの断面高さhにあわせて大きい値で
形成されることとなる。そのため、稜線部8e以外の稜
線部8b、8c、8d側の金属部分を相対的に多くする
ことができるので、周辺部21の強度アップに都合がよ
い。しかも、稜線部8b、8c、8d側の断面高さは、
シャドウマスク外周側の稜線部8eに比べて電子ビーム
の通過に影響を及ぼしにくい部位であるので、特にその
高さを規定する必要はなく、稜線部8eまでの上記範囲
に規定された断面高さhに追従して設定することができ
る。
【0029】さらに、本発明のシャドウマスクにおいて
は、上述の手段に加えて、周辺部21の貫通孔における
開孔幅Tを小さくすることにより、周辺部21の強度を
増してシャドウマスクの耐衝撃性を向上させることもで
きる。このとき、その開孔幅Tを、板厚tの1.20倍
以上1.46倍以下に設定することが好ましい。なお、
この開孔幅Tは、シャドウマスク1が装着されるブラウ
ン管の大きさ、ブラウン管の蛍光面側のアールの大き
さ、シャドウマスク1の厚さ、円形またはスロット形状
等からなる貫通孔の形状、支持部材によって支持される
シャドウマスクの装着形態、プレス成形時の加工条件、
落下衝撃等の大きさ、等々によって任意に設計される。
また、端部7eの座標位置と稜線部8eの座標位置との
間の長さUは、その貫通孔2bが形成される座標位置に
基づいた電子ビームが入射する角度と、裏側孔部4bの
端部9から稜線部8eまでの断面高さhと、板厚tとに
よって自動的に決定される設計事項である。
【0030】さらに、本発明のシャドウマスクにおいて
は、上述の手段に加えて、シャドウマスク1の中心側の
端部7bおよび側壁6bの座標位置をその表側孔部3b
の中心に向かわせることによっても、その貫通孔2bの
金属部分を相対的に多くすることができるので、周辺部
21の強度アップに都合がよい。
【0031】なお、開孔幅Tを小さくしたり、端部7b
および側壁6bの座標位置をその表側孔部3bの中心に
向かわせる場合において、端部7c、7dの座標位置と
稜線部8c、8dの座標位置との間の長さWや、端部7
bの座標位置と稜線部8bの座標位置との間の長さVを
必要以上に短くすると、その稜線部8b、8c、8dの
位置精度が悪くなり、貫通孔2bの孔径がばらつくこと
がある。従って、その長さW、Vはこうした点を考慮し
て設定されるが、実際の製造上、外観品質が維持される
長さVの下限は約10μmである。
【0032】次に、断面高さhを連続的または段階的に
変化させる態様について説明する。
【0033】シャドウマスクに形成された貫通孔は、そ
の断面高さhがシャドウマスク上の各部において連続的
または段階的に変化するように形成されていることが好
ましく、以下の2つの態様を採用することができる。
【0034】図5と図6は、表側孔部の開孔幅を連続的
または段階的に変化させた態様の一例を説明する模式的
な正面図である。
【0035】第一の態様は、図5に示すように、貫通孔
2bの断面高さhが、シャドウマスク31の中心からの
距離に応じて所定の変化率で連続的または段階的に変化
する態様である。
【0036】この態様において、シャドウマスク31の
中心からの距離を同じくする同心円上またはその同心円
近傍の貫通孔は、その断面高さhが同じになる。シャド
ウマスク31の中心からの距離に応じて変化する断面高
さhの変化率は、一次的(一次式)であっても二次的
(二次式)であってもよく特に限定されない。例えば、
19インチ用のシャドウマスクの場合においてその好ま
しい変化率をシャドウマスクの板厚t(mm)との関係
で表すと、その断面高さh(mm)は、t×(1.92
308×10-1+8.72144×10-7×R2 )とな
る。ここで、Rは中心からの距離(mm)である。な
お、このとき、最外周から10mm内側に入り込んだ領
域として規定する周辺部21における貫通孔2bの断面
高さhを、板厚tの19%以上27%以下の範囲内にな
るように調整することが好ましい。以上の関係は、19
インチ用以外のシャドウマスクにおいても同じであり、
同様の傾向で断面高さを変化させ、設定することが好ま
しい。
【0037】こうした態様のシャドウマスク31は、同
心円状の強度分布となる。そのため、シャドウマスク3
1の強度バランスは極めて規則的になり、シャドウマス
ク31の強度を中心から外周に向かって徐々に強くする
ことができる。このシャドウマスク31は、ブラウン管
に装着された後に落下衝撃等の応力が加わっても、凹み
等の変形が起こらない。
【0038】第二の態様は、図6に示すように、貫通孔
2bの断面高さhが、その最外周の貫通孔2bにおいて
同一高さで形成されている態様である。そして、その貫
通孔2bの断面高さhと、シャドウマスク41の中心に
おける貫通孔2aの断面高さkとの間の貫通孔にかかる
断面高さが、所定の変化率で連続的または段階的に変化
する。
【0039】この態様においては、貫通孔の断面高さh
は、同一の断面高さhからなる最外周の貫通孔2bから
中心の貫通孔2aに向かって変化し、その変化率は、一
次的(一次式)であっても二次的(二次式)であっても
よく特に限定されない。例えば、19インチ用のシャド
ウマスクの場合においてその好ましい変化率をシャドウ
マスクの板厚t(mm)との関係で表すと、シャドウマ
スクの中心からの位置を特定する平面座標(x、y)位
置における貫通孔の断面高さh(mm)は、t×(1.
92308×10-1+1.367608×10-6×x2
+2.407315×10-6×y2 −8.559846
×10-11×(x×y)2 )となる。ここで、平面座標
(x、y)は中心からの座標長さ(mm)である。な
お、このとき、最外周から10mm内側に入り込んだ領
域として規定する周辺部21における貫通孔の断面高さ
hは、板厚tの19%以上27%以下となるように調整
することが好ましい。以上の関係は、19インチ用以外
のシャドウマスクにおいても同じであり、同様の傾向で
断面高さhを変化させ、設定することが好ましいこうし
た態様のシャドウマスク41は、その強度バランスが極
めて規則的になり、シャドウマスク41の強度を、シャ
ドウマスク41の中心から同一強度で形成された外周部
分に向かって徐々に強くすることができる。このシャド
ウマスク41は、ブラウン管に装着された後に落下衝撃
等の応力が加わっても、凹み等の変形が起こらない。本
発明のシャドウマスクにおいては、ハレーションの問題
を考慮すると、上述した第一の態様よりも第二の態様で
あることが好ましく、さらにその変化率が一次的である
よりも二次的であることが好ましい。
【0040】次に、本発明のシャドウマスクをブラウン
管内に装着した態様について説明する。図7は、シャド
ウマスクをフラット型のブラウン管63に装着した態様
を示す説明図である。なお、図7において、実線は、落
下衝撃等が加わった後の本発明のシャドウマスク61を
表し、破線は、落下衝撃等が加わった後に凹みが発生し
た従来タイプのシャドウマスク62を表している。
【0041】本発明のシャドウマスク61は、一般的な
ブラウン管よりも表示面側が平らで蛍光面側のアールが
大きいフラット型のブラウン管31に好ましく使用する
ことができる。そして、落下衝撃等が加わった後であっ
ても、シャドウマスク61の中央部分が凹む等の変形が
起こらない。
【0042】次に、上述したシャドウマスクの製造方法
の一例について説明する。なお、言うまでもなく、本発
明のシャドウマスクは、下記の製造方法に限定されな
い。
【0043】シャドウマスク1は、従来公知の方法で形
成することができる。通常、フォトエッチングの各工程
で行われ、連続したインライン装置で製造される。例え
ば、金属薄板の両面に水溶性コロイド系フォトレジスト
等を塗布し、乾燥する。その後、その表面には、上述し
たような表側孔部の形状パターンを形成したフォトマス
クを密着させ、裏面には、裏側孔部の形状パターンを形
成したフォトマスクを密着させ、高圧水銀等の紫外線に
よって露光し、水で現像する。なお、表側孔部のパター
ンを形成したフォトマスクと、裏側孔部のパターンを形
成したフォトマスクの位置関係およびその形状は、得ら
れるシャドウマスクに形成された表側孔部と裏側孔部と
の位置関係およびそれらの大きさに考慮して設計され、
配置される。レジスト膜画像で周囲がカバーされた金属
の露出部分は、各部のエッチング進行速度の相違に基づ
いて、上述したような各々の形状で形成される。なお、
エッチング加工は、熱処理等された後、両面側から塩化
第二鉄溶液をスプレー等して行われる。その後、水洗
い、剥離等の後工程を連続的に行うことによってシャド
ウマスクが製造される。
【0044】
【実施例】以下に、実施例と比較例を示し、本発明をさ
らに具体的に説明する。
【0045】(実施例1)厚さt0.13mmのFe−
Ni合金からなる19インチブラウン管用のシャドウマ
スク1を、上述したシャドウマスクの製造方法によって
製造した。
【0046】このシャドウマスクは、ブラウン管の蛍光
面に円形のビームスポットを形成するタイプのシャドウ
マスクであり、表1に示すように、形成した貫通孔2
a、2bの密度を1768個/cm2 とし、シャドウマ
スク1の各部における裏側孔部4a、4bの開孔面積を
約0.01011mm2 とし、表側孔部3a、3bの開
孔面積については、シャドウマスク1の中心では約0.
03398mm2 とし、シャドウマスクの最外周ではそ
の全週に渡って約0.03024mm2 とした。
【0047】このシャドウマスクの最外周の貫通孔2b
の断面高さhを26μm(板厚比で約20%)とした。
なお、シャドウマスクの中心の貫通孔2aの断面高さk
は23μm(板厚比で約17.7%)である。そして、
シャドウマスクの中心と最外周との間に形成された貫通
孔の断面高さhは、同一の断面高さhを有する最外周の
貫通孔2bから中心に向かって二次式の関係で連続的に
小さくなるように変化させた。具体的には、0.023
+6.802721×10-8×R2 の関係式で変化させ
た。このとき、その最外周から内側に10mm入り込ん
だ領域(A〜Hの各部)に形成された貫通孔の断面高さ
hは、その領域内で板厚tの19%以上27%以下とし
た。
【0048】なお、このような形状からなる最外周の貫
通孔2bは、中心の貫通孔2aに比べて、金属量が1個
当たりの約0.8μg多くなっている。
【0049】このシャドウマスクをフラット形ブラウン
管に装着し、その後、ブラウン管に30G以上の衝撃荷
重を加えた。ブラウン管内に装着したシャドウマスクに
は、凹み等の変形は見られなかった。
【0050】(実施例2)厚さt0.13mmのFe−
Ni合金からなる19インチブラウン管用のシャドウマ
スク1を、実施例1と同様に製造した。実施例2のシャ
ドウマスクの最外周の貫通孔2bの断面高さhを30μ
m(板厚比で約23%)とした他は、実施例1と同じと
した。
【0051】なお、このような形状からなる最外周の貫
通孔2bは、中心の貫通孔2aに比べて、金属量が1個
当たりの約1.3μg多くなっている。
【0052】このシャドウマスクをフラット形ブラウン
管に装着し、その後、ブラウン管に30G以上の衝撃荷
重を加えた。ブラウン管内に装着したシャドウマスクに
は、凹み等の変形は見られなかった。
【0053】(比較例1、2)19インチのブラウン管
用のシャドウマスクについて、実施例1に準じて表1に
示すように形成した。
【0054】これらのシャドウマスクをフラット形ブラ
ウン管に装着し、その後、ブラウン管に30G以上の衝
撃荷重を加えた。ブラウン管内に装着したシャドウマス
クには、その中央部に図6に示すような凹みが見られ
た。
【0055】
【表1】
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のシャドウ
マスクによれば、中央部よりも周辺部の方がエッチング
されていない金属部分が多くなるので、シャドウマスク
の中央部はその周辺部よりも相対的に軽くなり、しかも
その中央部は相対的に重くなった高強度の周辺部で支え
られるので、シャドウマスクがブラウン管に装着された
後に落下衝撃等の応力が加わってもシャドウマスクに凹
み等の変形が起こらない。さらに、このシャドウマスク
は、貫通孔の寸法バラツキに基づく外観不良もなく、ハ
レーションも問題ないレベルである。
【0057】また、貫通孔の断面高さhをシャドウマス
クの板厚に対して所定の範囲に規定し、さらに、シャド
ウマスクの最外周と中心との間の貫通孔において外周と
の間の断面高さhを連続的または段階的に変化させるこ
とによって、シャドウマスクの強度バランスを極めて規
則的にすることができる。その結果、ブラウン管に装着
した後に落下衝撃等の応力が加わってもシャドウマスク
に変形が起こらない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシャドウマスクに形成された貫通孔の
断面形態の一例を示す断面図であり、(a)はシャドウ
マスクの中心に形成された貫通孔の断面形態であり、
(b)はシャドウマスクの外周に形成された貫通孔の断
面形態である。
【図2】本発明のシャドウマスクに形成された貫通孔の
断面形態の他の一例を示す断面図であり、(a)はシャ
ドウマスクの中心に形成された貫通孔の断面形態であ
り、(b)はシャドウマスクの外周に形成された貫通孔
の断面形態である。
【図3】図1と図2に示す各部の貫通孔の形状の一例を
示す正面図である。
【図4】シャドウマスクの各部に形成される貫通孔の位
置関係を説明する模式的な正面図である。
【図5】シャドウマスクの開孔幅を連続的または段階的
に変化させた態様の一例を説明する模式的な正面図であ
る。
【図6】シャドウマスクの開孔幅を連続的または段階的
に変化させた態様の他の一例を説明する模式的な正面図
である。
【図7】シャドウマスクをフラット型のブラウン管に装
着した態様を示す説明図である。
【図8】一般的なシャドウマスクの断面形態の一例を示
す説明図である。
【符号の説明】
1、31、41、51、61、62 シャドウマスク 2a、2b、52a、52b 貫通孔 3a、3b、53a、53b 表側孔部 4a、4b、54a、54b 裏側孔部 5b、55b 外周側側壁 6b、6c、6d 側壁 7b、7e 表側孔部の端部 8、8b、8c、8d、8e 稜線部 9 裏側孔部の端部 10b、10e 裏側孔部の側壁 21 周辺部 22 中央部 63 フラット型のブラウン管 P 裏側孔部の開孔幅 S シャドウマスクの中心に形成された表側孔部の開孔
幅 T シャドウマスクの最外周に形成された表側孔部の開
孔幅 V、W 端部の座標位置と稜線部の座標位置との間の長
さ t シャドウマスクの板厚 h、k 断面高さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牧田 明 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 5C031 EE02 EF03 EG01 EG06 EH06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子ビームが入射する側の裏側孔部と、
    該電子ビームが出射する側の表側孔部とから形成される
    貫通孔を配列してなり、被照射面に所定形状のビームス
    ポットを形成するシャドウマスクにおいて、該シャドウ
    マスクの周辺部に形成された貫通孔は、該裏側孔部の端
    部から稜線部までの断面高さであって該シャドウマスク
    外周側の側壁にかかる断面高さが、該シャドウマスクの
    中心に形成された貫通孔における該断面高さよりも大き
    いことを特徴とするシャドウマスク。
  2. 【請求項2】 前記裏側孔部の端部から稜線部までの断
    面高さであって前記シャドウマスク外周側の側壁にかか
    る断面高さが、該シャドウマスクの板厚の19%以上2
    7%以下であることを特徴とする請求項1に記載のシャ
    ドウマスク。
  3. 【請求項3】 前記周辺部に形成された貫通孔を含むシ
    ャドウマスク全域の貫通孔について、前記裏側孔部の端
    部から稜線部までの断面高さであって該シャドウマスク
    外周側の側壁にかかる断面高さが、該シャドウマスクの
    最外周に形成された貫通孔において同一であり、該最外
    周に形成された貫通孔と該シャドウマスクの中心の貫通
    孔との間に位置する貫通孔における該断面高さが、所定
    の変化率で連続的または段階的に変化することを特徴と
    する請求項1または請求項2に記載のシャドウマスク。
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