JP2002090084A - フィンとその製造方法及び該フィンを備えた熱交換器 - Google Patents

フィンとその製造方法及び該フィンを備えた熱交換器

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JP2002090084A
JP2002090084A JP2000278983A JP2000278983A JP2002090084A JP 2002090084 A JP2002090084 A JP 2002090084A JP 2000278983 A JP2000278983 A JP 2000278983A JP 2000278983 A JP2000278983 A JP 2000278983A JP 2002090084 A JP2002090084 A JP 2002090084A
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fin
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water
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hydrophilic
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JP2000278983A
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Shinichiro Kobayashi
真一郎 小林
Shotaro Mishina
正太郎 三科
Hirokazu Fujino
宏和 藤野
Kazunari Kasai
一成 笠井
Takashi Yoshioka
俊 吉岡
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超親水性あるいは超撥水性の表面をもつフィ
ンとその製造方法、及び該フィンを備えた着霜の少ない
熱交換器を提供する。 【解決手段】 基材1表面の親水性あるいは撥水性のコ
ーティング層2にプラズマ照射により微細凹凸4を形成
することで、フィン表面を超親水性あるいは超撥水性と
することができ、該フィンを備えた熱交換器ではフィン
表面への着霜が可及的に防止され、またこの熱交換器を
備えた空気調和機では除霜運転に伴う暖房運転の中断が
ほとんどなく、快適な暖房運転を実現できる。また、フ
ィンの製造を、基材1表面をプラズマ照射で洗浄する第
1工程と、基材1表面の下地・防食処理を行う第2工程
と、親水性あるいは撥水性のコーティング層2を形成す
る第3工程と、コーティング層2にプラズマ照射で微細
凹凸4を形成する第4工程で行うことで、超親水性ある
いは超撥水性をもつフィンを安価に得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、超親水性あるい
は超撥水性をもつフィンとその製造方法及びこのフィン
を備えて構成される熱交換器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ヒートポンプ式空気調和機においては、
低外気温下での暖房運転時には室外機の熱交換器のフィ
ン表面に着霜が生じ、暖房能力の低下を招来し、延いて
は除霜運転に伴う暖房運転の中断によって暖房快適性を
損ねるという問題があった。
【0003】かかる問題を解決すべく従来より種々の方
法、例えば、伝熱ヒータの熱エネルギーにより着霜を抑
制する方法とか、露点低下物質を用いた科学的方法と
か、表面処理によってフィン表面の排水性を高める方法
等が提案されているが、その中でも、特にフィンの表面
処理による方法、即ち、フィン表面に親水化処理あるい
は撥水化処理を施して親水性あるいは撥水性を高める方
法は、他の方法のような付加的なシステムを必要としな
いことから、実用上最も好ましい方法と考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、フィン表面
への親水化処理とは、フィン表面に親水性のコーティン
グ層を形成し、霜の原因となる付着水分をフィン表面に
馴染み易くして重力による流下排出の促進を図る方法で
ある。また、フィン表面への撥水化処理とは、フィン表
面に撥水性のコーティング層を形成し、霜の原因となる
付着水分を球状化させてフィン表面からの重力による落
下排出を促進する方法である。
【0005】ところが、現状の親水性あるいは撥水性の
表面処理剤では、親水性あるいは撥水性を格段に高めて
超親水性あるいは超撥水性とすることは困難であり、従
って、フィンの表面処理に親水性あるいは撥水性のコー
ティング層を形成する表面処理のみによってフィン表面
への着霜を十分に防止することはできず、暖房能力の向
上という点において不満の残るものである。尚、「親水
性」及び「撥水性」とは、フィン表面における水の濡れ
度合いを示すものであって、フィン表面に対する水の接
触角(水接触角)によって把握され、一般に水接触角が
90度以下であるときに「親水性」といい、水接触角が
90°以上であるときに「撥水性」という。また、「超
親水性」とは例えば水接触角が15°以下の場合をい
い、「超撥水性」とは例えば水接触角が120°以上の
場合をいう。
【0006】一方、通常、フィン表面に表面処理によっ
てコーティング層を形成する場合、その前処理として、
基材の表面の洗浄を行うが、従来はアルカリ系、酸性の
洗浄剤などによって行うようにしていたが、アルカリ
系、酸性廃液による環境負荷の増大、あるいは処理工程
の複雑化という問題があり、これらを改善することも必
要である。
【0007】さらに、熱交換器のフィンにおいては、そ
の形状とか構造等によってフィン部位間において着霜度
合(即ち、伝熱負荷)に差がある一方、フィン表面に設
けられるコーティング層はフィンの伝熱効率の低下要因
となるものであって伝熱効率の向上という観点からはコ
ーティング層が少ないほど良いといえる。従って、フィ
ン性能という観点からは、着霜の生じ易い部分のみにコ
ーティング層を設けて親水面あるいは撥水面とすること
が有効であり、熱交換器の設計に際してはかかる点も考
慮することが必要となる。
【0008】そこで本願発明は、超親水性あるいは超撥
水性の表面をもつフィンとその製造方法、及び該フィン
を備えた着霜の少ない熱交換器を提供することを目的と
してなされたものである。
【0009】
【発明の技術的背景】物質の表面の濡れ性については、
様々な観点から研究がなされており、これらの研究成果
の一つとして、物質表面に微細な凹凸を形成すること
で、親水性表面についてはさらに親水性を高め、また撥
水性表面についてはさらに撥水性を高めることができる
ことが知られるに至った。
【0010】即ち、今、微細な凹凸を設けていない物質
表面の水接触角を「θ」、微細な凹凸を設けた場合の物
質表面の水接触角を「θf」、微細な凹凸を設けたこと
による表面積の増加倍数を「r」とした場合、これらの
間には「cosθf=r・cosθ」なる関係式が成り
立ち、物質表面の表面積が増加するほど(即ち、「r」
のあたいが大きくなるほど)、右辺の絶対値が大きくな
るとする。従って、かかる関係式に基づけば、親水性表
面の場合にはその水接触角θは90°以下であることか
ら、「r」の増大によって右辺の値が大きくなるに伴っ
て、左辺の水接触角「θf」の値が小さくなり、親水性
がより一層高められ、また、撥水性表面の場合にはその
水接触角θは90°以上であることから、「r」の増大
によって右辺の値が大きくなるに伴って、左辺の水接触
角「θf」の値も大きくなり、撥水性がより一層高めら
れることになるものである。
【0011】本願発明者らは、物質表面に微細な凹凸を
設けることでその表面の親水性あるいは撥水性をさらに
高めてこれを超親水性あるいは超撥水性とし得ることに
着目し、これをフィン表面の処理に適用してこれを超親
水性あるいは超撥水性とすることに想到したものであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願発明ではかかる課題
を解決するための具体的手段として次のような構成を採
用している。
【0013】本願の第1の発明にかかるフィンでは、薄
板状の基材1の表面に設けられた親水性のコーティング
層2の全域に又は一部領域にプラズマ照射により微細凹
凸4,4,・・を形成したことを特徴としている。
【0014】本願の第2の発明にかかるフィンでは、薄
板状の基材1の表面に設けられた撥水性のコーティング
層2の全域に又は一部領域にプラズマ照射により微細凹
凸4,4,・・を形成したことを特徴としている。
【0015】本願の第3の発明にかかるフィンの製造方
法では、薄板状の基材1の表面をプラズマ照射によって
洗浄する第1工程と、洗浄された上記基材1の表面に下
地・防食処理を施す第2工程と、下地・防食処理が施さ
れた上記基材1の表面に親水化処理により親水性のコー
ティング層2を形成する第3工程と、上記コーティング
層2の全域に又は一部領域にプラズマ照射により微細凹
凸4,4,・・を形成する第4工程とからなることを特
徴としている。
【0016】本願の第4の発明にかかるフィンの製造方
法では、薄板状の基材1の表面をプラズマ照射によって
洗浄する第1工程と、洗浄された上記基材1の表面に下
地・防食処理を施す第2工程と、下地・防食処理が施さ
れた上記基材1の表面に撥水化処理により撥水性のコー
ティング層2を形成する第3工程と、上記コーティング
層2の全域に又は一部領域にプラズマ照射により微細凹
凸4,4,・・を形成する第4工程とからなることを特
徴としている。
【0017】本願の第5の発明にかかる熱交換器では、
伝熱管15の外周にフィン10を備えてなる熱交換器に
おいて、上記フィン10として、請求項1又は2に記載
のフィン3を用いたことを特徴としている。
【0018】
【発明の効果】本願発明ではかかる構成とすることによ
り次のような効果が得られる。
【0019】 本願の第1の発明にかかるフィンによ
れば、薄板状の基材1の表面に設けられた親水性のコー
ティング層2の全域に又は一部領域にプラズマ照射によ
り微細凹凸4,4,・・を形成しているので、該微細凹
凸4,4,・・の形成によって親水性の上記コーティン
グ層2の親水性がさらに高められ、これにより超親水性
をもったフィン表面が得られるものである。
【0020】 本願の第2の発明にかかるフィンによ
れば、薄板状の基材1の表面に設けられた撥水性のコー
ティング層2の全域に又は一部領域にプラズマ照射によ
り微細凹凸4,4,・・を形成しているので、該微細凹
凸4,4,・・の形成によって撥水性の上記コーティン
グ層2の撥水性がさらに高められ、これにより超撥水性
をもったフィン表面が得られるものである。
【0021】 本願の第3の発明にかかるフィンの製
造方法では、薄板状の基材1の表面をプラズマ照射によ
って洗浄する第1工程と、洗浄された上記基材1の表面
に下地・防食処理を施す第2工程と、下地・防食処理が
施された上記基材1の表面に親水化処理により親水性の
コーティング層2を形成する第3工程と、上記コーティ
ング層2の全域に又は一部領域にプラズマ照射により微
細凹凸4,4,・・を形成する第4工程とから構成して
いる。
【0022】従って、この発明のフィンの製造方法によ
れば、(a)上記第1工程においてはプラズマ照射によ
って上記基材1の表面の洗浄が行われるので、例えば従
来のようにアルカリ系、酸性の洗浄剤を用いて洗浄を行
う場合のような洗浄廃液が生じないことから、洗浄処理
時における環境負荷の低減が図れるとともに、洗浄工程
そのものの簡略化が図れ、延いてはコストダウンが促進
される、(b)洗浄処理が行われた上記基材1の表面に
対して上記第2工程において下地・防食処理を行った
後、上記第3工程において親水性のコーティング層2を
形成し、さらに上記第4工程において上記コーティング
層2の全域に又は一部領域にプラズマ照射により微細凹
凸4,4,・・を形成するという簡単な作業によって超
親水性の表面をもつフィンを安価に得ることができる、
等の効果が奏せられるものである。
【0023】 本願の第4の発明にかかるフィンの製
造方法では、薄板状の基材1の表面をプラズマ照射によ
って洗浄する第1工程と、洗浄された上記基材1の表面
に下地・防食処理を施す第2工程と、下地・防食処理が
施された上記基材1の表面に撥水化処理により撥水性の
コーティング層2を形成する第3工程と、上記コーティ
ング層2の全域に又は一部領域にプラズマ照射により微
細凹凸4,4,・・を形成する第4工程とから構成して
いる。
【0024】従って、この発明のフィンの製造方法によ
れば、(a)上記第1工程においてはプラズマ照射によ
って上記基材1の表面の洗浄が行われるので、例えば従
来のようにアルカリ系、酸性の洗浄剤を用いて洗浄を行
う場合のような洗浄廃液が生じないことから、洗浄処理
時における環境負荷の低減が図れるとともに、洗浄工程
そのものの簡略化が図れ、延いてはコストダウンが促進
される、(b)洗浄処理が行われた上記基材1の表面に
対して上記第2工程において下地・防食処理を行った
後、上記第3工程において撥水性のコーティング層2を
形成し、さらに上記第4工程において上記コーティング
層2の全域に又は一部領域にプラズマ照射により微細凹
凸4,4,・・を形成するという簡単な作業によって超
撥水性の表面をもつフィンを安価に得ることができる、
等の効果が奏せられるものである。
【0025】 本願の第5の発明では、伝熱管15の
外周にフィン10を備えてなる熱交換器において、上記
フィン10として、請求項1又は2に記載のフィン3を
用いている。
【0026】従って、この発明の熱交換器によれば、上
記フィン10の表面は超親水性あるいは超撥水性をもつ
こととなり、例えばフィン表面が超親水性である場合に
は、該表面に付着した水滴は該表面への馴染みが極めて
良好であることから該表面に沿ってより迅速に流下排出
され、またフィン表面が超撥水性である場合には、該表
面に付着した水滴は該表面上において可及的に球状に近
い状態となり、該表面からより迅速に離脱して落下排出
され、これら何れの場合においても、フィン表面への着
霜が無着霜に近いほど可及的に防止される。この結果、
上記熱交換器を備えて構成される空気調和機において
は、暖房運転時におけるフィン表面への着霜が可及的に
防止されることから除霜運転及びこれに伴う暖房運転の
中断がほとんどなく、より快適な暖房運転が実現され
る。また、熱交換器のフィン表面への着霜が可及的に防
止されることから、空気調和機をより低外気温下で暖房
運転することができ、例えば空気調和機の設置可能地域
をより低温地域まで拡大することが可能となるものであ
る。
【0027】さらに、この発明の熱交換器においては、
フィン表面のうち、コーティング層2にプラズマ照射を
行った部位のみを局部的に超親水性あるいは超撥水性と
することができることから、例えばフィンの構造あるい
は形状上から着霜の発生し易い部位のみをプラズマ照射
によって局部的に超親水性面あるいは超撥水性面とし、
これ以外の部位にはコーティング層2を設けず(従っ
て、プラズマ照射も行わず)高い伝熱効率を確保するよ
うに構成することもできるものであり、かかる構成によ
れば、フィン表面への着霜防止と高伝熱効率の確保とを
両立した熱交換器を得ることができ、延いては、該熱交
換器を備えた空気調和機における暖房能力の向上が図れ
ることになる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本願発明を好適な実施形態
に基づいて具体的に説明する。
【0029】図1〜図3には、本願発明にかかる熱交換
器用のフィン3の製造工程を示している。即ち、図1
は、フィン3の本体部を構成するアルミ薄板でなる基材
1の表面を洗浄する第1工程と、洗浄された基材1の表
面に下地・防食処理を施す第2工程と、下地・防食処理
が施された基材1の表面に親水性あるいは撥水性のコー
ティング層2を形成する第3工程とを示している。ま
た、図2には第3工程で得られたコーティング層2の表
面に超親水化処理を施して超親水性の表面を得る第4工
程を、また図3には第3工程で得られたコーティング層
2の表面に超撥水化処理を施して超撥水性の表面を得る
第4工程を、それぞれ示している。以下、この超親水性
の表面をもつフィン3の製造方法(以下、「第1の製造
方法」という)と、超撥水性の表面をもつフィン3の製
造方法(以下、「第2の製造方法」という)とをそれぞ
れ個別に説明する。
【0030】第1の製造方法 第1の製造方法では、先ず、アルミ薄板でなる基材1の
表面の洗浄処理を行う。即ち、図1の(イ)に示すよう
に、洗浄処理前の基材1の表面1a及び該表面1aに近
い表面層には、有機物とか酸化物等の不純物粒子32,
32,・・が付着あるいは拡散浸透しているので、次工
程のコーティング層2の形成処理に先立って、該表面1
aを洗浄して該不純物粒子32,32,・・の除去を行
う必要がある。この場合、この実施形態においては、従
来のようにアルカリ系、酸性洗浄剤を用いた洗浄ではな
く、プラズマ照射による洗浄方法を採用している。
【0031】具体的には、図7に示すように、プラズマ
ジェット発生機20を用い、該プラズマジェット発生機
20のノズル21から高速で射出されるプラズマジェッ
ト22を基材1の表面1aに照射することで行う。この
基材1の表面1aへのプラズマジェット22の照射によ
り、図1(ロ)に示すように、基材1の表面1a側の不
純物粒子32がプラズマジェット22中のプラズマ粒子
31と電気的に結合し、該プラズマ粒子31によって該
表面1aから離脱される。また、基材1の表面1a近く
に拡散浸透している不純物粒子32,32,・・は、該
表面1aへのプラズマ粒子の衝突によって該表面1aの
分子結合が活性化されることで該表面1aから離脱さ
れ、これらによって該表面1aの洗浄が行われる。
【0032】次に、この洗浄処理が完了した基材1の表
面1aに対して、下地・防食処理を施し、さらに下地・
防食処理が施された基材1の表面1aに対して親水化処
理を施し、図1(ハ)に示すように、該表面1a上に親
水性のコーティング層2を形成する。これで、親水性の
表面をもつフィン3が得られることになる。尚、このコ
ーティング層2は、基材1の表面1aへの親水性物質
(例えば、水ガラスとか、水溶性ポリアミド樹脂のよう
な有機高分子樹脂を主体とする物質)の塗着によって行
われるものであり、上記基材1の表面1aの全域又は一
部領域に選択的に形成することができる。
【0033】次に、図2(イ)に示すように基材1の表
面1aに親水性のコーティング層2が設けられた上記フ
ィン3に対して、さらに超親水化処理を行う。即ち、図
2(ロ)に示すように、プラズマジェット発生機20
(図7参照)を用いて、上記コーティング層2の表面に
プラズマ照射を行う。このプラズマ照射によって、上記
コーティング層2の表面にはプラズマ粒子が高速で叩き
つけられ、プラズマエッチング作用によって、図2
(ハ)に示すように、上記コーティング層2の表面に孔
径1μm以下の微細凹凸4,4,・・が形成される。
【0034】この微細凹凸4,4,・・の形成によっ
て、上記フィン3の表面、即ち、上記コーティング層2
の表面は、該コーティング層2がその性状としてもつ親
水性がより一層高められることで、超親水性をもつこと
になる。従って、図2(イ)に示すように親水化処理の
みが行われたフィン3の表面における水滴41と、図2
(ハ)に示すようにさらに超親水化処理が行われたフィ
ン3の表面における水滴42とを比較した場合、超親水
性表面における水滴42は、親水性表面における水滴4
1の場合よりもフィン3の表面に良く馴染み、薄膜状に
付着することになる。この結果、例えば、図4〜図6に
示すように、このフィン3を略鉛直方向に立てて、該フ
ィン3と伝熱管15とでクロスフィン型の熱交換器(参
照)を構成した場合、該フィン3の表面に付着した水滴
42は、該フィン3の表面に沿って迅速に流下排出さ
れ、該フィン3の表面における着霜あるいはこれを核と
する氷結が可及的に防止されることになるものである。
【0035】第2の製造方法 第2の製造方法では、先ず、アルミ薄板でなる基材1の
表面の洗浄処理を行う。即ち、図1の(イ)に示すよう
に、洗浄処理前の基材1の表面1a及び該表面1aに近
い表面層には、有機物とか酸化物等の不純物粒子32,
32,・・が付着あるいは拡散浸透しているので、次工
程のコーティング層2の形成処理に先立って、該表面1
aを洗浄して該不純物粒子32,32,・・の除去を行
う必要がある。この場合、この実施形態においては、従
来のようにアルカリ系、酸性洗浄剤を用いた洗浄ではな
く、プラズマ照射による洗浄方法を採用している。
【0036】具体的には、図7に示すように、プラズマ
ジェット発生機20を用い、該プラズマジェット発生機
20のノズル21から高速で射出されるプラズマジェッ
ト22を基材1の表面1aに照射することで行う。この
基材1の表面1aへのプラズマジェット22の照射によ
り、図1(ロ)に示すように、基材1の表面1a側の不
純物粒子32がプラズマジェット22中のプラズマ粒子
31と電気的に結合し、該プラズマ粒子31によって該
表面1aから離脱される。また、基材1の表面1a近く
に拡散浸透している不純物粒子32,32,・・は、該
表面1aへのプラズマ粒子の衝突によって該表面1aの
分子結合が活性化されることで該表面1aから離脱さ
れ、これらによって該表面1aの洗浄が行われる。
【0037】次に、この洗浄処理が完了した基材1の表
面1aに対して、下地・防食処理を施し、さらに下地・
防食処理が施された基材1の表面1aに対して撥水性処
理を施し、図1(ハ)に示すように、該表面1a上に撥
水性のコーティング層2を形成する。これで、撥水性の
表面をもつフィン3が得られることになる。尚、このコ
ーティング層2は、基材1の表面1aへの撥水性物質
(例えば、フッ素系ポリマーとかシリコン系樹脂等)の
塗着によって行われるものであり、上記基材1の表面1
aの全域又は一部領域に選択的に形成することができ
る。
【0038】次に、図3(イ)に示すように基材1の表
面1aに撥水性のコーティング層2が設けられた上記フ
ィン3に対して、さらに超撥水化処理を行う。即ち、図
3(ロ)に示すように、プラズマジェット発生機20
(図7参照)を用いて、上記コーティング層2の表面に
プラズマ照射を行う。このプラズマ照射によって、上記
コーティング層2の表面にはプラズマ粒子が高速で叩き
つけられ、プラズマエッチング作用によって、図2
(ハ)に示すように、上記コーティング層2の表面に孔
径1μm以下の微細凹凸4,4,・・が形成される。
【0039】この微細凹凸4,4,・・の形成によっ
て、上記フィン3の表面、即ち、上記コーティング層2
の表面は、該コーティング層2がその性状としてもつ撥
水性がより一層高められることで、超撥水性をもつこと
になる。従って、図3(イ)に示すように撥水化処理の
みが行われたフィン3の表面における水滴43と、図3
(ハ)に示すようにさらに超撥水化処理が行われたフィ
ン3の表面における水滴44とを比較した場合、超撥水
性表面における水滴44は、撥水性表面における水滴4
3の場合よりもフィン3の表面により球状に近い形態で
付着することになる。この結果、例えば、図4〜図6に
示すように、このフィン3を略鉛直方向に立てて、該フ
ィン3と伝熱管15とでクロスフィン型の熱交換器(参
照)を構成した場合、該フィン3の表面に付着した水滴
44は、該フィン3の表面からより迅速に落下排出さ
れ、該フィン3の表面における着霜あるいはこれを核と
する氷結が可及的に防止されることになるものである。
【0040】フィン3の熱交換器への適用について 上記各製造方法により得られるフィン3は、図4〜図6
に示すように伝熱管15との組み合わせによってクロス
フィン型の熱交換器を構成するものであるが、この場
合、上述の如く上記フィン3の表面全域に超親水化処理
あるいは超撥水化処理を施して超親水性あるいは超撥水
性フィンとし得ることは勿論であるが、プラズマ照射に
よる超親水化処理あるいは超撥水化処理という特徴を利
用すれば、超親水性あるいは超撥水性に基づくフィン表
面への着霜防止効果と、高伝熱効率による熱交換能力の
向上効果とを兼ね備えた実用上極めて有用なフィン3及
び熱交換器を得ることができるものである。
【0041】即ち、フィン3の表面へのコーティング層
2の形成は、該フィン3の基材1がもつ伝熱効率を低下
させる一因となるものであるため、伝熱効率の向上とい
う観点のみに立てば、コーティング層2の形成範囲(延
いては、超親水性あるいは超撥水性表面)をできるだけ
狭くした方が有利と言えるが、その一方で、該フィン3
により構成される熱交換器における熱交換能力の向上と
いう点においては該フィン3の表面を超親水性あるいは
超撥水性として着霜を防止することが有効であり、これ
ら両者は相反する要求と言える。従って、これら相反す
る要求を可及的に両立させるには、上記フィン3を組み
込んで熱交換器を構成した場合において、該フィン3の
全域のうち、特に着霜の生じ易い部位のみ局部的に超親
水性あるいは超撥水性をもたせ、それ以外の部位にはコ
ーティング層2を形成しないとするのが好適と考えられ
る。
【0042】しかも、かかる局部的な超親水化処理ある
いは超撥水化処理は、ピンチ効果により高密度エネルギ
ーを微小領域に照射し得るというプラズマジェットの特
性を利用することで容易に達成可能である。換言すれ
ば、プラズマ照射により超親水化処理あるいは超撥水化
処理を行うことで初めて、上記フィン3への局部的な超
親水化処理あるいは超撥水化処理が可能となるものであ
る。
【0043】かかる観点から、図4及び図5に示すワッ
フル型のフィン3を備えた熱交換器においては、山形に
折曲するワッフル13のうち、最も着霜し易い谷稜線1
3a,13aと山稜線13bの近傍、及びフィンカラー
11とその座12部分のみに、局部的に超親水化処理あ
るいは超撥水化処理を施こしたものである。
【0044】また、図6に示すスリット型のフィン3を
備えた熱交換器においては、前縁効果によって最も着霜
し易い切起片14部分に局部的に超親水化処理あるいは
超撥水化処理を施こしたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィンの洗浄処理の工程説明図である。
【図2】フィンの超親水化処理の工程説明図である。
【図3】フィンの超撥水化処理の工程説明図である。
【図4】熱交換器のフィンに局部的な超親水化処理又は
超撥水化処理を施した状態を示す断面図である。
【図5】図4のV−V矢視図である。
【図6】熱交換器のフィンに局部的な超親水化処理又は
超撥水化処理を施した状態を示す断面図である。
【図7】フィンに対するプラズマ加工方法の説明図であ
る。
【符号の説明】
1は基材、2はコーティング層、3はフィン、4は微細
凹凸、10はフィン、11はフィンカラー、12は座、
13はワッフル、14は切起片、15は伝熱管、20は
プラズマジェット発生機、21はノズル、22はプラズ
マジェット、31はプラズマ粒子、32は不純物粒子、
41〜44は水滴である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤野 宏和 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内 (72)発明者 笠井 一成 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内 (72)発明者 吉岡 俊 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄板状の基材(1)の表面に設けられた
    親水性のコーティング層(2)の全域に又は一部領域に
    プラズマ照射により微細凹凸(4),(4),・・を形
    成してなることを特徴とするフィン。
  2. 【請求項2】 薄板状の基材(1)の表面に設けられた
    撥水性のコーティング層(2)の全域に又は一部領域に
    プラズマ照射により微細凹凸(4),(4),・・を形
    成してなることを特徴とするフィン。
  3. 【請求項3】 薄板状の基材(1)の表面をプラズマ照
    射によって洗浄する第1工程と、洗浄された上記基材
    (1)の表面に下地・防食処理を施す第2工程と、下地
    ・防食処理が施された上記基材(1)の表面に親水化処
    理により親水性のコーティング層(2)を形成する第3
    工程と、上記コーティング層(2)の全域に又は一部領
    域にプラズマ照射により微細凹凸(4),(4),・・
    を形成する第4工程とからなることを特徴とするフィン
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 薄板状の基材(1)の表面をプラズマ照
    射によって洗浄する第1工程と、洗浄された上記基材
    (1)の表面に下地・防食処理を施す第2工程と、下地
    ・防食処理が施された上記基材(1)の表面に撥水化処
    理により撥水性のコーティング層(2)を形成する第3
    工程と、上記コーティング層(2)の全域に又は一部領
    域にプラズマ照射により微細凹凸(4),(4),・・
    を形成する第4工程とからなることを特徴とするフィン
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 伝熱管(15)の外周にフィン(10)
    を備えてなる熱交換器であって、 上記フィン(10)として、請求項1又は2に記載のフ
    ィン(3)が用いられていることを特徴とする熱交換
    器。
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