JPH08195126A - 着氷雪防止型送電線 - Google Patents
着氷雪防止型送電線Info
- Publication number
- JPH08195126A JPH08195126A JP7006024A JP602495A JPH08195126A JP H08195126 A JPH08195126 A JP H08195126A JP 7006024 A JP7006024 A JP 7006024A JP 602495 A JP602495 A JP 602495A JP H08195126 A JPH08195126 A JP H08195126A
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- JP
- Japan
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- water
- transmission line
- power transmission
- snow
- film body
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-
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A30/00—Adapting or protecting infrastructure or their operation
- Y02A30/14—Extreme weather resilient electric power supply systems, e.g. strengthening power lines or underground power cables
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- Paints Or Removers (AREA)
- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
- Insulated Conductors (AREA)
- Silicon Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目 的】 着氷雪が殆どない送電線を提供する。
【構 成】 送電線1を表面に微細な凹凸を有し、かつ
少なくとも前記凹凸の凸部の頂部を撥水性材料で形成し
た膜体4で被覆した着氷雪防止型送電線。
少なくとも前記凹凸の凸部の頂部を撥水性材料で形成し
た膜体4で被覆した着氷雪防止型送電線。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は降雪地帯に敷設される送
電線であってこの送電線へ氷又は雪の付着を防止するよ
うにした着氷雪防止型送電線に関するものである。
電線であってこの送電線へ氷又は雪の付着を防止するよ
うにした着氷雪防止型送電線に関するものである。
【0002】
【従来の技術】豪雪地帯に敷設される架空送電線は冬期
に着氷雪が生じ易く、このような着氷雪が生じると電線
の重量増加や風による圧力抵抗の増加を招きその結果送
電線の断線事故や場合によって鉄塔の倒壊事故を引き起
こす危険性がある。このような問題からこの種の送電線
への着氷雪を防止する必要があることが知られている。
に着氷雪が生じ易く、このような着氷雪が生じると電線
の重量増加や風による圧力抵抗の増加を招きその結果送
電線の断線事故や場合によって鉄塔の倒壊事故を引き起
こす危険性がある。このような問題からこの種の送電線
への着氷雪を防止する必要があることが知られている。
【0003】その着氷雪の付着を防止する手段として電
線に適当な間隔で着氷雪防止用リングを装着する方法、
あるいは電線の外周に低キューリー点を有する磁性体で
形成した着氷雪防止用部材を装着する方法等が知られて
いる。ところが前者のリング状の着氷雪防止用部材を用
いても充分な着氷雪防止を行なうことができず、また後
者の磁性体で形成した着氷雪防止用部材を用いた場合に
は送電線に所定量以上の電流が流れている必要があり、
例えば、深夜の少ない負荷では磁界によるジュール発熱
が十分得られないために送電線に付着した氷雪を溶融す
ることができないという問題がある。
線に適当な間隔で着氷雪防止用リングを装着する方法、
あるいは電線の外周に低キューリー点を有する磁性体で
形成した着氷雪防止用部材を装着する方法等が知られて
いる。ところが前者のリング状の着氷雪防止用部材を用
いても充分な着氷雪防止を行なうことができず、また後
者の磁性体で形成した着氷雪防止用部材を用いた場合に
は送電線に所定量以上の電流が流れている必要があり、
例えば、深夜の少ない負荷では磁界によるジュール発熱
が十分得られないために送電線に付着した氷雪を溶融す
ることができないという問題がある。
【0004】前記問題を解決する方法として送電線を撥
水性材料よりなる膜体で被覆することが考えられ、例え
ば実開昭63−2321号、実開平3−35610号又
は特開平5−94720号として提案されている。
水性材料よりなる膜体で被覆することが考えられ、例え
ば実開昭63−2321号、実開平3−35610号又
は特開平5−94720号として提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで前記のように
送電線を従来の撥水性材料よりなる膜体で被覆した場合
は通常の送電線に比較して着氷雪は少ないが、使用期間
の経過と共に着氷防止効果が低下するという問題があっ
た。この問題は、使用時間の経過と共に撥水性であった
表面に空気中の塵や埃が付着して撥水性が低下するため
と考えられる。
送電線を従来の撥水性材料よりなる膜体で被覆した場合
は通常の送電線に比較して着氷雪は少ないが、使用期間
の経過と共に着氷防止効果が低下するという問題があっ
た。この問題は、使用時間の経過と共に撥水性であった
表面に空気中の塵や埃が付着して撥水性が低下するため
と考えられる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は前記従来技術の
問題点を解決するためになされたものであって、送電線
の表面を微細な凹凸を有し、かつ少なくとも前記凹凸の
凸部の頂部を撥水性材料で形成した膜体で被覆した着氷
雪防止型送電線を提供するものである。そしてこの撥水
性材料は、撥水性樹脂、表面に疎水化処理を施した無機
酸化物の粉末、又は親水性樹脂の表面処理により撥水性
を付与した材料の一種又は二種以上が用いられる。
問題点を解決するためになされたものであって、送電線
の表面を微細な凹凸を有し、かつ少なくとも前記凹凸の
凸部の頂部を撥水性材料で形成した膜体で被覆した着氷
雪防止型送電線を提供するものである。そしてこの撥水
性材料は、撥水性樹脂、表面に疎水化処理を施した無機
酸化物の粉末、又は親水性樹脂の表面処理により撥水性
を付与した材料の一種又は二種以上が用いられる。
【0007】また、微細な凹凸は凸部の間隔sが0.1
〜50μm、好ましくは0.3〜30μmで凸部の高さ
hと間隔sとの比h/sが0.3〜5の範囲となるよう
形成され、この微細な凹凸は勿論、膜体表面に単独に形
成されてもよくかつ比較的大なる凹凸表面に、この微細
な凹凸を形成してもよい。
〜50μm、好ましくは0.3〜30μmで凸部の高さ
hと間隔sとの比h/sが0.3〜5の範囲となるよう
形成され、この微細な凹凸は勿論、膜体表面に単独に形
成されてもよくかつ比較的大なる凹凸表面に、この微細
な凹凸を形成してもよい。
【0008】
【作 用】前記のように改善された表面を有する膜体に
おいては、表面に水を接触させないような空間、即ち微
細な凹凸が形成されるとともに、少なくとも凸部の頂部
は撥水性材料、即ち水との接触角が90°以上の材料で
形成されているため、水分を含んだ雪が表面に接触して
も雪と表面の真の接触面積が極めて小さく、また表面自
身の撥水性により表面と水との間の付着力も小さいため
これらの相乗効果で雪の付着力は大幅に低下する。即ち
着氷雪を防止することができる。
おいては、表面に水を接触させないような空間、即ち微
細な凹凸が形成されるとともに、少なくとも凸部の頂部
は撥水性材料、即ち水との接触角が90°以上の材料で
形成されているため、水分を含んだ雪が表面に接触して
も雪と表面の真の接触面積が極めて小さく、また表面自
身の撥水性により表面と水との間の付着力も小さいため
これらの相乗効果で雪の付着力は大幅に低下する。即ち
着氷雪を防止することができる。
【0009】
【実 施 例】以下図1乃至図5を参照して本発明によ
る着氷雪防止型送電線の一実施例を説明する。図1は送
電線1の断面図であって、この送電線1は鋼心2の外周
にアルミ素線3をより合わせて構成され、この送電線1
の表面に膜体4を形成している。
る着氷雪防止型送電線の一実施例を説明する。図1は送
電線1の断面図であって、この送電線1は鋼心2の外周
にアルミ素線3をより合わせて構成され、この送電線1
の表面に膜体4を形成している。
【0010】この膜体4は、図2にも示されるように、
微細な凹凸が形成されている。この膜体4の断面を拡大
して見ると、凸部5の間隔sが0.1〜50μm、好ま
しくは0.3〜30μmで形成されている。更に、この
凸部5の高さhと間隔sの比h/sが0.3〜5程度に
形成される。本発明者等の実験結果から判断すると、こ
の凸部5の高さhと間隔sとの比h/sが0.3以下に
なると撥水性が十分でなく着氷雪防止効果が低減する。
また、このh/sが5以上になると表面は大きな粗度を
持つため氷雪が表面に引っ掛かりやすくなり、着氷雪防
止効果が低減することが確認されている。従って、着氷
雪防止効果の点においては、h/sは0.3〜5、好ま
しくは0.3〜4.5程度である。
微細な凹凸が形成されている。この膜体4の断面を拡大
して見ると、凸部5の間隔sが0.1〜50μm、好ま
しくは0.3〜30μmで形成されている。更に、この
凸部5の高さhと間隔sの比h/sが0.3〜5程度に
形成される。本発明者等の実験結果から判断すると、こ
の凸部5の高さhと間隔sとの比h/sが0.3以下に
なると撥水性が十分でなく着氷雪防止効果が低減する。
また、このh/sが5以上になると表面は大きな粗度を
持つため氷雪が表面に引っ掛かりやすくなり、着氷雪防
止効果が低減することが確認されている。従って、着氷
雪防止効果の点においては、h/sは0.3〜5、好ま
しくは0.3〜4.5程度である。
【0011】この凸部5が形成されている膜体4の少な
くともその表面は撥水性材料で形成される。この撥水性
材料は、水との接触角が90°以上の材料であればよ
く、例えばポリラトラフルオロエチレン、疎水性シリカ
の粉末、ポリエチレン、ポリプロピレンまたは親水性樹
脂であっても表面処理により撥水性を付与した材料が用
いられる。
くともその表面は撥水性材料で形成される。この撥水性
材料は、水との接触角が90°以上の材料であればよ
く、例えばポリラトラフルオロエチレン、疎水性シリカ
の粉末、ポリエチレン、ポリプロピレンまたは親水性樹
脂であっても表面処理により撥水性を付与した材料が用
いられる。
【0012】次に、送電線1の表面に微細な凹凸を有す
る膜体4を形成する方法について説明する。第1の膜体
の構造:図3に示すように送電線1の表面に塗料を塗布
して形成した塗料層6の表面に、有機溶媒に分散した疎
水性微細粒子7を塗布し、乾燥と共にこの疎水性微細粒
子7を塗料層6の表面に露出させる等の方法によって膜
体4が形成されるか、あるいは微細粒子7は塗料層6中
に一部が没入するように塗料が軟化状態にある時に投射
等の方法によって設けられる。
る膜体4を形成する方法について説明する。第1の膜体
の構造:図3に示すように送電線1の表面に塗料を塗布
して形成した塗料層6の表面に、有機溶媒に分散した疎
水性微細粒子7を塗布し、乾燥と共にこの疎水性微細粒
子7を塗料層6の表面に露出させる等の方法によって膜
体4が形成されるか、あるいは微細粒子7は塗料層6中
に一部が没入するように塗料が軟化状態にある時に投射
等の方法によって設けられる。
【0013】第2の膜体の構造:図4は膜体4の他の構
造を示すものであって、この膜体4は送電線1の表面に
塗布した塗料層6の表面に微細粒子8を吹き付けや投射
等の方法で付着させたり、また、このような微細粒子8
を塗料の中にあらかじめ含有させて塗布して表面に微細
な凹凸を形成した後、この表面にさらに有機溶媒に分散
した前記微細粒子8よりも小径の微細粒子9を塗布する
等の方法によって二重構造凹凸構造をもつ膜体4が形成
される。
造を示すものであって、この膜体4は送電線1の表面に
塗布した塗料層6の表面に微細粒子8を吹き付けや投射
等の方法で付着させたり、また、このような微細粒子8
を塗料の中にあらかじめ含有させて塗布して表面に微細
な凹凸を形成した後、この表面にさらに有機溶媒に分散
した前記微細粒子8よりも小径の微細粒子9を塗布する
等の方法によって二重構造凹凸構造をもつ膜体4が形成
される。
【0014】このように粒径の異なる微細粒子を多段に
使用することによって膜体4の表面に複合凹凸表面に形
成することができる。この複合凹凸表面は、微細粒子の
大きさの選定と、多層構造とによってその表面に所望の
微細な凹凸を形成することができるのである。このよう
に、微細粒子を含有する塗料を使用し、あるいは塗料の
表面に微細粒子を投射したり、散布してこの微細粒子を
付着させて微細粒子が表面に突出するか、あるいはこの
微細粒子自身の形状を現す凹凸であって、その表面が撥
水性になっている膜体4は、物理的接触に対して性能が
劣化せず良好な着氷雪防止効果のある耐久表面を形成す
ることができ、その効果を持続させることができる。
使用することによって膜体4の表面に複合凹凸表面に形
成することができる。この複合凹凸表面は、微細粒子の
大きさの選定と、多層構造とによってその表面に所望の
微細な凹凸を形成することができるのである。このよう
に、微細粒子を含有する塗料を使用し、あるいは塗料の
表面に微細粒子を投射したり、散布してこの微細粒子を
付着させて微細粒子が表面に突出するか、あるいはこの
微細粒子自身の形状を現す凹凸であって、その表面が撥
水性になっている膜体4は、物理的接触に対して性能が
劣化せず良好な着氷雪防止効果のある耐久表面を形成す
ることができ、その効果を持続させることができる。
【0015】なお、微細粒子として使用する無機酸化物
の疎水化処理では、通常炭化水素表面処理剤あるいはフ
ッ素含有表面処理剤が用いられるが、両者を比較すると
後者の方が化学的安定性、粒子表面の低表面エネルギー
化に優れている。従って、膜体表面への塵や埃の付着防
止、耐久性の観点から後者の使用が望ましい。 (実験例)本発明の効果を実証するため送電線の着氷雪
防止性能評価試験を実施した。
の疎水化処理では、通常炭化水素表面処理剤あるいはフ
ッ素含有表面処理剤が用いられるが、両者を比較すると
後者の方が化学的安定性、粒子表面の低表面エネルギー
化に優れている。従って、膜体表面への塵や埃の付着防
止、耐久性の観点から後者の使用が望ましい。 (実験例)本発明の効果を実証するため送電線の着氷雪
防止性能評価試験を実施した。
【0016】試験には1mの長さに切断した直径28.
5mmの送電線(1本の鋼線を中心にアルミ撚り線を使
用した。試験期間は平成5年12月から平成6年3月中
旬までとして新潟市で試験を実施した。本評価試験で
は、本発明の表面処理を施した送電線と比較用として裸
送電線、及び市販の撥水塗料を塗布した送電線の3種類
を用意した。
5mmの送電線(1本の鋼線を中心にアルミ撚り線を使
用した。試験期間は平成5年12月から平成6年3月中
旬までとして新潟市で試験を実施した。本評価試験で
は、本発明の表面処理を施した送電線と比較用として裸
送電線、及び市販の撥水塗料を塗布した送電線の3種類
を用意した。
【0017】裸送電線への撥水表面処理は次のようにし
て行った。 1)撥水塗料の塗布 市販のシリコーン系撥水塗料を前記送電線に膜厚100
μm程度になるようにスプレーガンで塗布し、室温にて
乾燥させ塗膜を得た。同様の方法で本撥水塗料を平滑な
金属平板に塗布して室温にて乾燥させ撥水塗膜を得た。
そしてこの塗膜表面に直径2mmの蒸留水の水滴を滴下
して接触角計により接触角を測定したところ、106°
であった。また、水滴をのせた金属平板を徐々に傾斜さ
せて水滴が転がり落ち始める時の傾斜角、即ち転落角を
測定しようとしたところ水滴は金属平板に付着したまま
で転落しなかった 2)本発明の表面処理 まず、市販のエポキシ系塗料を下地として前記送電線の
被覆の上に膜厚100μm程度になるようにスプレーガ
ンで塗布して室温にて十分に乾燥させた。
て行った。 1)撥水塗料の塗布 市販のシリコーン系撥水塗料を前記送電線に膜厚100
μm程度になるようにスプレーガンで塗布し、室温にて
乾燥させ塗膜を得た。同様の方法で本撥水塗料を平滑な
金属平板に塗布して室温にて乾燥させ撥水塗膜を得た。
そしてこの塗膜表面に直径2mmの蒸留水の水滴を滴下
して接触角計により接触角を測定したところ、106°
であった。また、水滴をのせた金属平板を徐々に傾斜さ
せて水滴が転がり落ち始める時の傾斜角、即ち転落角を
測定しようとしたところ水滴は金属平板に付着したまま
で転落しなかった 2)本発明の表面処理 まず、市販のエポキシ系塗料を下地として前記送電線の
被覆の上に膜厚100μm程度になるようにスプレーガ
ンで塗布して室温にて十分に乾燥させた。
【0018】次に、中間膜として有機溶媒で希釈したフ
ッ素系樹脂に平均粒径12μmの疎水性シリカ粒子を混
合した分散液を下地表面にスプレーガンで塗布して室温
にて十分に乾燥させた。そして、最後にフッ素含有表面
処理剤で疎水化処理した平均粒径1.8μmの疎水性シ
リカ粒子を有機溶媒で分散させた混合液を中間膜表面に
スプレーガンで吹き付け、図4に示すような二重凹凸構
造を有する塗膜を得た。
ッ素系樹脂に平均粒径12μmの疎水性シリカ粒子を混
合した分散液を下地表面にスプレーガンで塗布して室温
にて十分に乾燥させた。そして、最後にフッ素含有表面
処理剤で疎水化処理した平均粒径1.8μmの疎水性シ
リカ粒子を有機溶媒で分散させた混合液を中間膜表面に
スプレーガンで吹き付け、図4に示すような二重凹凸構
造を有する塗膜を得た。
【0019】1)と同様にして平滑な金属表面上に作製
した塗膜の水との接触角を測定した結果は167°であ
った。また、水滴の転落角は2°以下で、水滴は塗膜上
に乗せるものも困難なほど良く転がり、市販の撥水塗料
による塗膜に比べ極めて高い撥水性を示した。そしてこ
の時の表面の凹凸は凸部と凸部の平均間隔sは18.5
μm、高さhを表す10点平均粗さは26.7μm、h
/sは1.44であった。
した塗膜の水との接触角を測定した結果は167°であ
った。また、水滴の転落角は2°以下で、水滴は塗膜上
に乗せるものも困難なほど良く転がり、市販の撥水塗料
による塗膜に比べ極めて高い撥水性を示した。そしてこ
の時の表面の凹凸は凸部と凸部の平均間隔sは18.5
μm、高さhを表す10点平均粗さは26.7μm、h
/sは1.44であった。
【0020】試験では、フレームで構成された架台に、
膜体加工をしない裸送電線、市販の撥水塗料塗布送
電線、および本発明の表面処理送電線の3種を50c
m間隔で水平に乗せて送電線の両端を固定金具で架台に
固定した。そして、冬期の通常の風向きに対して送電線
が直角方向となるように架台の方向を調整し、送電線へ
の着雪状況を観察した。
膜体加工をしない裸送電線、市販の撥水塗料塗布送
電線、および本発明の表面処理送電線の3種を50c
m間隔で水平に乗せて送電線の両端を固定金具で架台に
固定した。そして、冬期の通常の風向きに対して送電線
が直角方向となるように架台の方向を調整し、送電線へ
の着雪状況を観察した。
【0021】その結果を表1に示したが、本試験により
本発明の表面処理送電線は、市販の撥水塗料塗布送電線
に比べ着雪防止性能と着雪後の落雪促進性能に優れてい
ることが確認できた。また、本発明の表面処理送電線で
は、送電線上部に付着した雪が日射や気温上昇によって
融雪の初期段階で送電線から容易に脱落するのが観察さ
れた。
本発明の表面処理送電線は、市販の撥水塗料塗布送電線
に比べ着雪防止性能と着雪後の落雪促進性能に優れてい
ることが確認できた。また、本発明の表面処理送電線で
は、送電線上部に付着した雪が日射や気温上昇によって
融雪の初期段階で送電線から容易に脱落するのが観察さ
れた。
【0022】なお、膜体加工をしない裸送電線、市販の
撥水塗料塗布送電線に円筒状に付着した雪は、多少の融
雪があってもこの送電線から脱落せず残存し、新たな風
雪があるとそこからさらに成長する現象がみられた。
撥水塗料塗布送電線に円筒状に付着した雪は、多少の融
雪があってもこの送電線から脱落せず残存し、新たな風
雪があるとそこからさらに成長する現象がみられた。
【0023】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よる着氷雪防止型送電線によれば、送電線を表面に微細
な凹凸を有し、かつ少なくとも凸部の頂部が撥水性材料
で形成された膜体で被覆したため、その表面に水を接触
させないような空間が形成されることになり、その結
果、雪と表面の実際の接触面積が極めて小さく、また膜
体の表面自身の高撥水性により、膜体の表面と水との間
の付着力も小さいため、これらの相乗効果で氷雪の付着
力は大幅に低下するという効果がある。
よる着氷雪防止型送電線によれば、送電線を表面に微細
な凹凸を有し、かつ少なくとも凸部の頂部が撥水性材料
で形成された膜体で被覆したため、その表面に水を接触
させないような空間が形成されることになり、その結
果、雪と表面の実際の接触面積が極めて小さく、また膜
体の表面自身の高撥水性により、膜体の表面と水との間
の付着力も小さいため、これらの相乗効果で氷雪の付着
力は大幅に低下するという効果がある。
【図1】本発明による送電線の実施例を示す断面図であ
る。
る。
【図2】膜体の概略図である。
【図3】膜体の拡大断面図である。
【図4】他の実施例における膜体の拡大断面図である。
1 送電線 2 鋼心 3 アルミ素線 4 膜体 5 凸部 6 塗料 7 疎水性微細粒子 8 比較的大
なる疎水性微細粒子 9 比較的小なる疎水性微細粒子
なる疎水性微細粒子 9 比較的小なる疎水性微細粒子
Claims (4)
- 【請求項1】 送電線を表面に微細な凹凸を有し、かつ
少なくとも前記凹凸の凸部の頂部を撥水性材料で形成し
た膜体で被覆した着氷雪防止型送電線。 - 【請求項2】 撥水性材料が撥水性樹脂、表面に疎水化
処理を施した無機酸化物の粉末、又は親水性樹脂の表面
処理により撥水性を付与した材料の一種又は二種以上よ
りなる請求項1記載の膜体。 - 【請求項3】 凸部の間隔sが0.1〜50μmでかつ
高さhと間隔sとの比h/sが0.3〜5となるよう形
成された請求項1記載の膜体。 - 【請求項4】 比較的大なる凹凸表面に、この凹凸表面
より微細な凹凸が形成された二重凹凸構造を有する請求
項1記載の膜体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7006024A JPH08195126A (ja) | 1995-01-18 | 1995-01-18 | 着氷雪防止型送電線 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7006024A JPH08195126A (ja) | 1995-01-18 | 1995-01-18 | 着氷雪防止型送電線 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08195126A true JPH08195126A (ja) | 1996-07-30 |
Family
ID=11627122
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7006024A Withdrawn JPH08195126A (ja) | 1995-01-18 | 1995-01-18 | 着氷雪防止型送電線 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08195126A (ja) |
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001036190A1 (fr) * | 1999-11-16 | 2001-05-25 | Center For Advanced Science And Technology Incubation, Ltd. | Structure et film dont la surface presente une durete elevee et favorise le glissement de l'eau, et procede de preparation associe |
JP2005113110A (ja) * | 2003-09-17 | 2005-04-28 | Keio Gijuku | 表面処理剤及び材料及び表面処理方法 |
JP2008001781A (ja) * | 2006-06-21 | 2008-01-10 | Koito Mfg Co Ltd | 着雪氷防止用組成物及びその使用、並びに液体噴射装置 |
WO2008143065A1 (ja) * | 2007-05-14 | 2008-11-27 | Kazufumi Ogawa | 撥水撥油防汚性表面を有する着氷着雪防止アンテナ及び電線、碍子とその製造方法 |
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