JPH10273617A - 撥水性コーティング膜 - Google Patents
撥水性コーティング膜Info
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- JPH10273617A JPH10273617A JP8001797A JP8001797A JPH10273617A JP H10273617 A JPH10273617 A JP H10273617A JP 8001797 A JP8001797 A JP 8001797A JP 8001797 A JP8001797 A JP 8001797A JP H10273617 A JPH10273617 A JP H10273617A
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- hydrophobic
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Abstract
(57)【要約】
【課題】疎水性微粒子が強固に付着して耐久性に優れ、
かつ、極めて撥水性の高いコーティング膜。 【解決手段】疎水性処理された無機微粒子とポリフッ化
ビニリデン系重合体を含む疎水性高分子化合物とからな
り、膜中にポリフッ化ビニリデン系重合体が少なくとも
2重量%含まれているコーティング膜。表面に凸部と凹
部の高低差が0.5ないし50μm、隣り合う凸部との
間隔が0.5〜50μmの凹凸を形成させるとよい。膜
面における水の静止接触角が155度を超える撥水性コ
ーティング膜がとくに有用である。水滴が転がる、水と
の摩擦抵抗が小さくなるなどの特徴があるので、アンテ
ナ、屋根、鉄塔などの着氷防止用コーティング膜、船底
用コーティング膜、自動車、列車、航空機などのガラス
用コーティング膜などへの利用が期待される。
かつ、極めて撥水性の高いコーティング膜。 【解決手段】疎水性処理された無機微粒子とポリフッ化
ビニリデン系重合体を含む疎水性高分子化合物とからな
り、膜中にポリフッ化ビニリデン系重合体が少なくとも
2重量%含まれているコーティング膜。表面に凸部と凹
部の高低差が0.5ないし50μm、隣り合う凸部との
間隔が0.5〜50μmの凹凸を形成させるとよい。膜
面における水の静止接触角が155度を超える撥水性コ
ーティング膜がとくに有用である。水滴が転がる、水と
の摩擦抵抗が小さくなるなどの特徴があるので、アンテ
ナ、屋根、鉄塔などの着氷防止用コーティング膜、船底
用コーティング膜、自動車、列車、航空機などのガラス
用コーティング膜などへの利用が期待される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、疎水性微粒子が強
固の付着して耐久性に優れ、かつ極めて高い撥水性を有
するコーティング膜に関する。
固の付着して耐久性に優れ、かつ極めて高い撥水性を有
するコーティング膜に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、水の静止接触角が90度以上
の材料の表面に凹凸をつけると、表面積が大きくなるた
め接触角が大きくなり、130度を超える撥水性表面の
得られることが知られている。さらにこの表面を、いわ
ゆるフラクタル構造にすると160度を超えるような極
めて大きな撥水性、すなわち超撥水性の表面が得られる
ことも知られている(日経サイエンス1995年9月
号、10〜12頁)。この超撥水性面では水滴が転がり
落ち、水中に沈めると表面に空気層を形成するという特
異な性質を示す。
の材料の表面に凹凸をつけると、表面積が大きくなるた
め接触角が大きくなり、130度を超える撥水性表面の
得られることが知られている。さらにこの表面を、いわ
ゆるフラクタル構造にすると160度を超えるような極
めて大きな撥水性、すなわち超撥水性の表面が得られる
ことも知られている(日経サイエンス1995年9月
号、10〜12頁)。この超撥水性面では水滴が転がり
落ち、水中に沈めると表面に空気層を形成するという特
異な性質を示す。
【0003】このような超撥水性表面は、たとえば特殊
な塗料を所要の表面に塗布しコーティング膜を形成して
得ることができる。超撥水性表面のコーティング膜を形
成するには、シリカなどの微粒子の表面を疎水性化合物
で覆い、得られた疎水性微粒子を適宜、所要の表面に塗
布してコーティング膜を形成する方法が提案されてい
る。しかし、得られたコーティング膜は超撥水性を示す
ものの、疎水性微粒子が剥離しやすい欠点があった。こ
の欠点を改良する方法として、疎水性のバインダー樹脂
などを用いて強固なコーティング膜を形成する方法が提
案されている。
な塗料を所要の表面に塗布しコーティング膜を形成して
得ることができる。超撥水性表面のコーティング膜を形
成するには、シリカなどの微粒子の表面を疎水性化合物
で覆い、得られた疎水性微粒子を適宜、所要の表面に塗
布してコーティング膜を形成する方法が提案されてい
る。しかし、得られたコーティング膜は超撥水性を示す
ものの、疎水性微粒子が剥離しやすい欠点があった。こ
の欠点を改良する方法として、疎水性のバインダー樹脂
などを用いて強固なコーティング膜を形成する方法が提
案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記提案の疎
水性バインダー樹脂を用いる方法で得られたコーティン
グ膜は、ある程度の撥水性を保持しているが十分ではな
く、とくに水中での空気層の保持力が小さくなって期待
の効果を得られ難い傾向がある。そこで本発明者は疎水
性微粒子が強固に付着して耐久性に優れ、かつ、極めて
撥水性の高いコーティング膜を得ることを目的に研究を
行い、本発明を完成することができた。
水性バインダー樹脂を用いる方法で得られたコーティン
グ膜は、ある程度の撥水性を保持しているが十分ではな
く、とくに水中での空気層の保持力が小さくなって期待
の効果を得られ難い傾向がある。そこで本発明者は疎水
性微粒子が強固に付着して耐久性に優れ、かつ、極めて
撥水性の高いコーティング膜を得ることを目的に研究を
行い、本発明を完成することができた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記の研究
の結果、疎水性無機微粒子と、ポリフッ化ビニリデン系
重合体またはポリフッ化ビニリデン系重合体を含む疎水
性高分子化合物とからなるコーティング膜が、疎水性微
粒子の剥離がなく耐久性に優れ、かつ極めて高い撥水性
を有することを見出だした。すなわち、前記の課題は、
疎水性処理された無機微粒子とポリフッ化ビニリデン系
重合体を含む疎水性高分子化合物とからなり、膜中にポ
リフッ化ビニリデン系重合体が少なくとも2重量%含ま
れていることを特徴とする本発明の撥水性コーティング
膜により解決することができる。本発明の撥水性コーテ
ィング膜において無機微粒子としては、ケイ素、チタ
ン、アルミニウム、ジルコニウム、アンチモン、スズお
よびタングステンのいずれかの酸化物、および炭素のう
ちの、1種または2種以上の粒子混合物があげられる。
疎水性処理された無機微粒子が、フッ素および/または
アルキル基を有しておれば、さらに効果的である。
の結果、疎水性無機微粒子と、ポリフッ化ビニリデン系
重合体またはポリフッ化ビニリデン系重合体を含む疎水
性高分子化合物とからなるコーティング膜が、疎水性微
粒子の剥離がなく耐久性に優れ、かつ極めて高い撥水性
を有することを見出だした。すなわち、前記の課題は、
疎水性処理された無機微粒子とポリフッ化ビニリデン系
重合体を含む疎水性高分子化合物とからなり、膜中にポ
リフッ化ビニリデン系重合体が少なくとも2重量%含ま
れていることを特徴とする本発明の撥水性コーティング
膜により解決することができる。本発明の撥水性コーテ
ィング膜において無機微粒子としては、ケイ素、チタ
ン、アルミニウム、ジルコニウム、アンチモン、スズお
よびタングステンのいずれかの酸化物、および炭素のう
ちの、1種または2種以上の粒子混合物があげられる。
疎水性処理された無機微粒子が、フッ素および/または
アルキル基を有しておれば、さらに効果的である。
【0006】本発明では、好ましい疎水性高分子化合物
の一つに、実質的にポリフッ化ビニリデン系重合体が単
独で構成する組成物があげれれる。この他、好ましい疎
水性高分子化合物として、少なくとも50重量%のポリ
フッ化ビニリデン系重合体と、シリコーン系重合体、オ
レフィン系重合体、アクリル系重合体、ポリエーテルサ
ルフォン系重合体、ポリフェニレンサルファイド系重合
体、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂およびポリイミド樹脂
からなる高分子体の群から選ばれる1種以上の高分子体
(A)とからなる組成物があげられる。また、少なくと
も50重量%のポリフッ化ビニリデン系重合体と、ポリ
テトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンとヘ
キサフルオロプロピレンの共重合体、テトラフルオロエ
チレンとパーフルオロアルコキシエチレンの共重合体、
およびエチレンとテトラフルオロエチレンの共重合体か
らなる含フッ素高分子体の群から選ばれた1種以上の高
分子体(B)とからなる疎水性高分子化合物も好適であ
る。
の一つに、実質的にポリフッ化ビニリデン系重合体が単
独で構成する組成物があげれれる。この他、好ましい疎
水性高分子化合物として、少なくとも50重量%のポリ
フッ化ビニリデン系重合体と、シリコーン系重合体、オ
レフィン系重合体、アクリル系重合体、ポリエーテルサ
ルフォン系重合体、ポリフェニレンサルファイド系重合
体、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂およびポリイミド樹脂
からなる高分子体の群から選ばれる1種以上の高分子体
(A)とからなる組成物があげられる。また、少なくと
も50重量%のポリフッ化ビニリデン系重合体と、ポリ
テトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンとヘ
キサフルオロプロピレンの共重合体、テトラフルオロエ
チレンとパーフルオロアルコキシエチレンの共重合体、
およびエチレンとテトラフルオロエチレンの共重合体か
らなる含フッ素高分子体の群から選ばれた1種以上の高
分子体(B)とからなる疎水性高分子化合物も好適であ
る。
【0007】そして、疎水性処理された無機微粒子と、
疎水性高分子化合物を構成する高分子成分のうちの少な
くとも1成分とが化学的に結合していることが好まし
い。さらにまた、撥水性コーティング膜の表面には微小
な凹凸があって、凸部と凹部の高低差が0.5ないし5
0μm、隣り合う凸部との間隔が0.5ないし50μm
であるとコーティング膜の特性の向上に効果的である。
膜の表面に、直径が1nmないし0.5μmの微細な穴
が無数に形成されておれば、これも効果的である。そし
て水の静止接触角が155度を超えている本発明の撥水
性コーティング膜がとくに有用である。本発明におい
て、コーティング膜の表面の凹凸、膜表面の微細な穴の
径、穴の分布は、走査型電子顕微鏡写真から測定した値
である。また、水の静止接触角は接触角計による測定値
である。
疎水性高分子化合物を構成する高分子成分のうちの少な
くとも1成分とが化学的に結合していることが好まし
い。さらにまた、撥水性コーティング膜の表面には微小
な凹凸があって、凸部と凹部の高低差が0.5ないし5
0μm、隣り合う凸部との間隔が0.5ないし50μm
であるとコーティング膜の特性の向上に効果的である。
膜の表面に、直径が1nmないし0.5μmの微細な穴
が無数に形成されておれば、これも効果的である。そし
て水の静止接触角が155度を超えている本発明の撥水
性コーティング膜がとくに有用である。本発明におい
て、コーティング膜の表面の凹凸、膜表面の微細な穴の
径、穴の分布は、走査型電子顕微鏡写真から測定した値
である。また、水の静止接触角は接触角計による測定値
である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明について具体例をあげて詳
しく説明する。本発明の撥水性コーティング膜を構成す
る疎水性無機微粒子は、コーティング膜表面に微細な凹
凸や微細空孔を形成する作用を有する。無機微粒子とし
ては、ケイ素、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、
アンチモン、スズ、タングステンなどの酸化物、または
炭素の微粒子が好ましく用いられる。無機微粒子の大き
さは、数平均粒径(相当直径)が50μmを超えない程
度の、好ましくは1nmから100nm程度の超微粒
子、およびこれらの超微粒子が凝集した1nmから50
μm程度の微粒子が適当である。本発明に使用する無機
微粒子の形状に格別の制限はなく、その結晶形態や凝集
状態により球状、円柱状などをはじめ各種の形状を取り
得る。
しく説明する。本発明の撥水性コーティング膜を構成す
る疎水性無機微粒子は、コーティング膜表面に微細な凹
凸や微細空孔を形成する作用を有する。無機微粒子とし
ては、ケイ素、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、
アンチモン、スズ、タングステンなどの酸化物、または
炭素の微粒子が好ましく用いられる。無機微粒子の大き
さは、数平均粒径(相当直径)が50μmを超えない程
度の、好ましくは1nmから100nm程度の超微粒
子、およびこれらの超微粒子が凝集した1nmから50
μm程度の微粒子が適当である。本発明に使用する無機
微粒子の形状に格別の制限はなく、その結晶形態や凝集
状態により球状、円柱状などをはじめ各種の形状を取り
得る。
【0009】本発明に使用する無機微粒子は表面が疎水
性である必要があり、通常、疎水性を付与するために処
理されている。疎水性を付与するために使用される化合
物や処理方法に特別の制限はないが、表面にフッ素やア
ルキル基が付与されることが好ましい。無機微粒子表面
にフッ素やアルキル基を含有させる方法は適宜に選択す
ればよく、たとえば、シリル化剤、チタンカップリング
剤、アルキルアルミニウム等の有機金属化合物を用いる
方法がある。なかでも使い易さとコストの点でシリル化
剤が好ましい。
性である必要があり、通常、疎水性を付与するために処
理されている。疎水性を付与するために使用される化合
物や処理方法に特別の制限はないが、表面にフッ素やア
ルキル基が付与されることが好ましい。無機微粒子表面
にフッ素やアルキル基を含有させる方法は適宜に選択す
ればよく、たとえば、シリル化剤、チタンカップリング
剤、アルキルアルミニウム等の有機金属化合物を用いる
方法がある。なかでも使い易さとコストの点でシリル化
剤が好ましい。
【0010】シリル化剤は、無機材料に対して親和性あ
るいは反応性を有する加水分解性シリル基に、アルキル
基、アリール基、フッ素を含有したフルオロアルキル基
等を結合させた化合物である。ケイ素に結合した加水分
解性基としては、アルコキシ基、ハロゲン、アセトキシ
基があげられるが、通常、メトキシ基、エトキシ基等の
アルコキシ基、塩素が好ましく用いられる。例えば、ト
リメチルシリル化剤、アルキルシラン類、アリールシラ
ン類、フルオロアルキルシラン類をあげることができ
る。
るいは反応性を有する加水分解性シリル基に、アルキル
基、アリール基、フッ素を含有したフルオロアルキル基
等を結合させた化合物である。ケイ素に結合した加水分
解性基としては、アルコキシ基、ハロゲン、アセトキシ
基があげられるが、通常、メトキシ基、エトキシ基等の
アルコキシ基、塩素が好ましく用いられる。例えば、ト
リメチルシリル化剤、アルキルシラン類、アリールシラ
ン類、フルオロアルキルシラン類をあげることができ
る。
【0011】トリメチルシリル化剤はとくに限定されな
いが、たとえば、トリメチルクロロシラン、ヘキサメチ
ルジシラザン、n−トリメチルシリルイミダゾール、ビ
ス(トリメチルシリル)ウレア、トリメチルシリルアセ
トアミド、ビストリメチルシリルアセトアミド、トリメ
チルシリルイソシアネート、トリメチルメトキシシラ
ン、トリメチルエトキシシラン等をあげることができ
る。アルキルシラン類としては、とくに限定されない
が、たとえば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリ
エトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチル
ジエトキシシラン、t−ブチルジメチルクロロシラン、
t−ブチルジフェニルクロロシラン、トリイソプロピル
クロロシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソ
ブチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシ
シラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−ヘキサデ
シルトリメトキシシラン、1,6−ビス(トリメトキシ
シリル)ヘキサン、ジメチルシリルジイソシアネート、
メチルシリルトリイソシアネート等をあげることができ
る。
いが、たとえば、トリメチルクロロシラン、ヘキサメチ
ルジシラザン、n−トリメチルシリルイミダゾール、ビ
ス(トリメチルシリル)ウレア、トリメチルシリルアセ
トアミド、ビストリメチルシリルアセトアミド、トリメ
チルシリルイソシアネート、トリメチルメトキシシラ
ン、トリメチルエトキシシラン等をあげることができ
る。アルキルシラン類としては、とくに限定されない
が、たとえば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリ
エトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチル
ジエトキシシラン、t−ブチルジメチルクロロシラン、
t−ブチルジフェニルクロロシラン、トリイソプロピル
クロロシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソ
ブチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシ
シラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−ヘキサデ
シルトリメトキシシラン、1,6−ビス(トリメトキシ
シリル)ヘキサン、ジメチルシリルジイソシアネート、
メチルシリルトリイソシアネート等をあげることができ
る。
【0012】アリールシラン類としては、とくに限定さ
れないが、たとえば、フェニルトリメトキシシラン、ジ
フェニルジメトキシシラン、フェニルシリルトリイソシ
アネート等を挙げることができる。フルオロアルキルシ
ラン類としては、とくに限定されないが、たとえば、パ
ーフルオロオクチルエチルトリエトキシシラン、パーフ
ルオロブチルエチルトリメトキシシラン、3,3,3−
トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等を挙げるこ
とができる。
れないが、たとえば、フェニルトリメトキシシラン、ジ
フェニルジメトキシシラン、フェニルシリルトリイソシ
アネート等を挙げることができる。フルオロアルキルシ
ラン類としては、とくに限定されないが、たとえば、パ
ーフルオロオクチルエチルトリエトキシシラン、パーフ
ルオロブチルエチルトリメトキシシラン、3,3,3−
トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等を挙げるこ
とができる。
【0013】次に、本発明の疎水性高分子化合物を構成
するポリフッ化ビニリデン系重合体としては、フッ化ビ
ニリデンの単独重合体、フッ化ビニリデンと他のビニル
モノマーとの共重合体、たとえばエチレン、プロピレ
ン、フッ化ビニル、テトラフルオロエチレン、ヘキサフ
ルオロプロピレンなどとの共重合体をあげることができ
る。なかでもフッ化ビニリデンの単独重合体、フッ化ビ
ニリデンとテトラフルオロエチレンおよび/またはヘキ
サフルオロプロピレンとの共重合体が好ましい。また、
これらのポリフッ化ビニリデン共重合体は、単独で用い
ても、複数を混合して用いてもよい。ポリフッ化ビニリ
デン系重合体は、実質的に単独で本発明の疎水性高分子
化合物として好ましく用いることができる。実質的とい
うのは後述する各種の添加剤を添加することができる意
味である。
するポリフッ化ビニリデン系重合体としては、フッ化ビ
ニリデンの単独重合体、フッ化ビニリデンと他のビニル
モノマーとの共重合体、たとえばエチレン、プロピレ
ン、フッ化ビニル、テトラフルオロエチレン、ヘキサフ
ルオロプロピレンなどとの共重合体をあげることができ
る。なかでもフッ化ビニリデンの単独重合体、フッ化ビ
ニリデンとテトラフルオロエチレンおよび/またはヘキ
サフルオロプロピレンとの共重合体が好ましい。また、
これらのポリフッ化ビニリデン共重合体は、単独で用い
ても、複数を混合して用いてもよい。ポリフッ化ビニリ
デン系重合体は、実質的に単独で本発明の疎水性高分子
化合物として好ましく用いることができる。実質的とい
うのは後述する各種の添加剤を添加することができる意
味である。
【0014】また、物理的強度向上、コスト削減などの
ために、シリコーン系重合体、オレフィン系重合体、ア
クリル系重合体、ポリエーテルサルフォン系重合体、ポ
リフェニレンサルファイド系重合体、エポキシ樹脂、ウ
レタン樹脂、ポリイミド樹脂の群から選ばれた1種以上
の高分子体(A)を、ポリフッ化ビニリデン系重合体に
併用し、疎水性高分子化合物として用いることができ
る。これらの化合物の中ではシリコーン系重合体、オレ
フィン系重合体またはアクリル系重合体も好ましく用い
られる。しかし、疎水性高分子化合物中に含まれるポリ
フッ化ビニリデン系重合体が、50重量%を下回ると撥
水力が低下し好ましくない。
ために、シリコーン系重合体、オレフィン系重合体、ア
クリル系重合体、ポリエーテルサルフォン系重合体、ポ
リフェニレンサルファイド系重合体、エポキシ樹脂、ウ
レタン樹脂、ポリイミド樹脂の群から選ばれた1種以上
の高分子体(A)を、ポリフッ化ビニリデン系重合体に
併用し、疎水性高分子化合物として用いることができ
る。これらの化合物の中ではシリコーン系重合体、オレ
フィン系重合体またはアクリル系重合体も好ましく用い
られる。しかし、疎水性高分子化合物中に含まれるポリ
フッ化ビニリデン系重合体が、50重量%を下回ると撥
水力が低下し好ましくない。
【0015】これらのうち、シリコーン重合体として
は、一般的なジメチルシロキサン構造を繰り返し単位と
して有するものがあげられ、末端や側鎖に有機基を有す
るものを用いることができる。前記の有機基としては、
たとえば、アルキル基、アリール基、水酸基、アミノ
基、エポキシ基、カルボキシル基、メタクリル基、メル
カプト基、エステル基、アルコキシ基、フッ化アルキル
基などをあげることができる。これらは単独で用いてい
ても、複数を用いてもよい。
は、一般的なジメチルシロキサン構造を繰り返し単位と
して有するものがあげられ、末端や側鎖に有機基を有す
るものを用いることができる。前記の有機基としては、
たとえば、アルキル基、アリール基、水酸基、アミノ
基、エポキシ基、カルボキシル基、メタクリル基、メル
カプト基、エステル基、アルコキシ基、フッ化アルキル
基などをあげることができる。これらは単独で用いてい
ても、複数を用いてもよい。
【0016】オレフィン系重合体としては、ポリプロピ
レン、ポリ−4−メチルペンテンなどをあげることがで
きる。アクリル系重合体としては、アクリル酸メチル、
アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸n−ブチルなどのアクリル酸エステル系モノマーの
単独重合体または、これらアクリル酸エステル系モノマ
ー同士、これらと他のビニル重合性モノマー、たとえ
ば、スチレン、ブタジエンなどとの共重合体をあげるこ
とができる。
レン、ポリ−4−メチルペンテンなどをあげることがで
きる。アクリル系重合体としては、アクリル酸メチル、
アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸n−ブチルなどのアクリル酸エステル系モノマーの
単独重合体または、これらアクリル酸エステル系モノマ
ー同士、これらと他のビニル重合性モノマー、たとえ
ば、スチレン、ブタジエンなどとの共重合体をあげるこ
とができる。
【0017】また、ポリフッ化ビニリデン系重合体に加
えて、他の含フッ素系高分子体、すなわちポリテトラフ
ルオロエチレン、テトラフルオロエチレンとヘキサフル
オロプロピレンの共重合体、テトラフルオロエチレンと
パーフルオロアルコキシエチレンの共重合体、およびエ
チレンとテトラフルオロエチレンの共重合体からなる含
フッ素高分子体の群から選ばれた1種以上の高分子体
(B)を含む組成物も好ましい疎水性高分子化合物の併
用成分として用いることができる。しかし、疎水性高分
子化合物中に含まれるポリフッ化ビニリデン系重合体
は、50重量%以上であることが好ましい。なお、疎水
性高分子化合物の併用成分に高分子体(A)と分子体
(B)とを共用してもよい。
えて、他の含フッ素系高分子体、すなわちポリテトラフ
ルオロエチレン、テトラフルオロエチレンとヘキサフル
オロプロピレンの共重合体、テトラフルオロエチレンと
パーフルオロアルコキシエチレンの共重合体、およびエ
チレンとテトラフルオロエチレンの共重合体からなる含
フッ素高分子体の群から選ばれた1種以上の高分子体
(B)を含む組成物も好ましい疎水性高分子化合物の併
用成分として用いることができる。しかし、疎水性高分
子化合物中に含まれるポリフッ化ビニリデン系重合体
は、50重量%以上であることが好ましい。なお、疎水
性高分子化合物の併用成分に高分子体(A)と分子体
(B)とを共用してもよい。
【0018】本発明のコーティング膜において、膜中に
ポリフッ化ビニリデン系重合体が少なくとも2重量%含
まれていることが必要であって、これより少ないと十分
な撥水効果を得ることができない。さらに、疎水性無機
微粒子と疎水性高分子化合物を構成するポリフッ化ビニ
リデン系重合体などの重合体とがとが化学的に結合する
のは好ましいことである。化学結合の種類に制限はない
がなかでも共有結合が好ましい。疎水性無機微粒子が疎
水性高分子化合物と直接結合していてもよいし、適当な
有機化学種、たとえば、反応性シランカップリング剤な
どを介し結合していてもよい。また、本発明の実施を阻
害しない限り、必要があればコーティング膜に消泡剤、
表面調整剤、UV吸収剤、光安定剤、増粘剤、触媒、硬
化剤などの添加剤を加えることができる。
ポリフッ化ビニリデン系重合体が少なくとも2重量%含
まれていることが必要であって、これより少ないと十分
な撥水効果を得ることができない。さらに、疎水性無機
微粒子と疎水性高分子化合物を構成するポリフッ化ビニ
リデン系重合体などの重合体とがとが化学的に結合する
のは好ましいことである。化学結合の種類に制限はない
がなかでも共有結合が好ましい。疎水性無機微粒子が疎
水性高分子化合物と直接結合していてもよいし、適当な
有機化学種、たとえば、反応性シランカップリング剤な
どを介し結合していてもよい。また、本発明の実施を阻
害しない限り、必要があればコーティング膜に消泡剤、
表面調整剤、UV吸収剤、光安定剤、増粘剤、触媒、硬
化剤などの添加剤を加えることができる。
【0019】本発明のコーティング膜表面は微細な凹凸
を有するのが特徴である。しかし、凸部と凹部との高低
差が大きすぎたり、凸部の間隔が大きすぎると空気の保
持性能が悪くなるので、凸部と凹部との高低差は、好ま
しくは0.5から50μm、さらに好ましくは1から2
0μmの範囲である。凸部の間隔は、0.5から50μ
m、さらに好ましくは1から20μmの範囲である。さ
らに、本発明のコーティング膜表面には、微細な空穴が
存在するのが特徴である。直径1nmから0.5μm程
度の無数の空穴が有効である。穴は径が大きすぎると、
空気の保持性能が悪くなる傾向がある。
を有するのが特徴である。しかし、凸部と凹部との高低
差が大きすぎたり、凸部の間隔が大きすぎると空気の保
持性能が悪くなるので、凸部と凹部との高低差は、好ま
しくは0.5から50μm、さらに好ましくは1から2
0μmの範囲である。凸部の間隔は、0.5から50μ
m、さらに好ましくは1から20μmの範囲である。さ
らに、本発明のコーティング膜表面には、微細な空穴が
存在するのが特徴である。直径1nmから0.5μm程
度の無数の空穴が有効である。穴は径が大きすぎると、
空気の保持性能が悪くなる傾向がある。
【0020】
【実施例】本発明を実施例をあげて、さらに具体的に説
明する。本実施例において、コーティング膜の水の静止
接触角は、接触角計(CA−D型:協和界面科学(株)
製)を用いて測定した。コーティング膜の空気層保持力
は、コーティング膜を水を満たした容器に入れ、容器を
超音波洗浄機(UT−204:シャープ(株)製)にセ
ットして超音波をあてた時(200W、39kHz)の
空気層の剥離状態を目視で観察して評価した。
明する。本実施例において、コーティング膜の水の静止
接触角は、接触角計(CA−D型:協和界面科学(株)
製)を用いて測定した。コーティング膜の空気層保持力
は、コーティング膜を水を満たした容器に入れ、容器を
超音波洗浄機(UT−204:シャープ(株)製)にセ
ットして超音波をあてた時(200W、39kHz)の
空気層の剥離状態を目視で観察して評価した。
【0021】実施例1 パーフルオロオクチルエチルトリエトキシシラン(AY
43−158E:東レ・ダウコーニング・シリコーン
(株)製)200重量部を350重量部のトルエンに溶
解した溶液に、無機微粒子として多孔質シリカ微粒子
(平均粒径:1.8μm、平均細孔径:210オングス
トローム、サイシリア350:富士シリシア(株)製)
100重量部を少しずつ投入し、20日間室温で放置し
て疎水性処理を行い、フッ素処理多孔質シリカ微粒子を
得た。さらに、得られたフッ素処理多孔質シリカ微粒子
80重量部、ポリフッ化ビニリデン系樹脂(KFポリマ
ー#2300:呉羽化学(株)製)を10重量%含むN
−メチルピロリドン溶液200重量部、およびメチルエ
チルケトン720重量部を、ホモジナイザーを用いて攪
拌混合し微粒子を十分に分散させ、含有固形分中、疎水
性処理シリカ微粒子が80重量%、ポリフッ化ビニリデ
ン系樹脂が20重量%のコーティング用塗料を得た。
43−158E:東レ・ダウコーニング・シリコーン
(株)製)200重量部を350重量部のトルエンに溶
解した溶液に、無機微粒子として多孔質シリカ微粒子
(平均粒径:1.8μm、平均細孔径:210オングス
トローム、サイシリア350:富士シリシア(株)製)
100重量部を少しずつ投入し、20日間室温で放置し
て疎水性処理を行い、フッ素処理多孔質シリカ微粒子を
得た。さらに、得られたフッ素処理多孔質シリカ微粒子
80重量部、ポリフッ化ビニリデン系樹脂(KFポリマ
ー#2300:呉羽化学(株)製)を10重量%含むN
−メチルピロリドン溶液200重量部、およびメチルエ
チルケトン720重量部を、ホモジナイザーを用いて攪
拌混合し微粒子を十分に分散させ、含有固形分中、疎水
性処理シリカ微粒子が80重量%、ポリフッ化ビニリデ
ン系樹脂が20重量%のコーティング用塗料を得た。
【0022】スライドガラス上に、プレイマーとしてシ
リコーンRTVコーティング剤(Sコート58:信越化
学工業(株)製)を約20μmの厚さで70×150×
0.8mmの鋼板(SPCC−SD:日本テストパネル
(株)製)に塗布し、得られた撥水性コーティング塗料
をスプレー・ガン(W−61:小形岩田塗装機工業
(株)製)を用い、インレット圧力0.29Mpaでコ
ーティングした。室温で1昼夜放置した後、100℃で
1時間乾燥した。
リコーンRTVコーティング剤(Sコート58:信越化
学工業(株)製)を約20μmの厚さで70×150×
0.8mmの鋼板(SPCC−SD:日本テストパネル
(株)製)に塗布し、得られた撥水性コーティング塗料
をスプレー・ガン(W−61:小形岩田塗装機工業
(株)製)を用い、インレット圧力0.29Mpaでコ
ーティングした。室温で1昼夜放置した後、100℃で
1時間乾燥した。
【0023】得られたコーティング膜は指で擦っても剥
離せず、膜と水の静止接触角は162度であった。ま
た、コーティング膜の表面の凹凸の高低差は平均して約
5μm、隣合う凸部の間隔は平均して約5μmであっ
た。さらに、水を含ませたガーゼを用い、1Mpaの荷
重で10往復摩擦した後、再度水の静止接触角を測定し
たところ、160度であって変化がなかった。また、超
音波を当てて空気層の保持力を評価したところ、30分
間経っても空気層は90%以上保持されていた。得られ
たコーティング膜は、超撥水性を保持し、かつ、耐久性
に優れていた。
離せず、膜と水の静止接触角は162度であった。ま
た、コーティング膜の表面の凹凸の高低差は平均して約
5μm、隣合う凸部の間隔は平均して約5μmであっ
た。さらに、水を含ませたガーゼを用い、1Mpaの荷
重で10往復摩擦した後、再度水の静止接触角を測定し
たところ、160度であって変化がなかった。また、超
音波を当てて空気層の保持力を評価したところ、30分
間経っても空気層は90%以上保持されていた。得られ
たコーティング膜は、超撥水性を保持し、かつ、耐久性
に優れていた。
【0024】比較例1 実施例1で得たフッ素処理多孔質シリカ微粒子100重
量部、2−プロパノール450重量部、酢酸エチル45
0重量部からなるコーティング塗料を、実施例1と同様
にプライマーを塗布したスライドガラスにスプレー・コ
ーティングした。室温で一昼夜放置した後、100℃で
1時間乾燥した。得られたコーティング膜の水の静止接
触角は163度であり、超撥水性を示した。しかし、指
で擦るとコーティングした微粒子が剥離した。また、超
音波を当てて空気層の保持力を評価したところ、1分間
で50%の空気層がなくなり、膜も一部剥離していた。
量部、2−プロパノール450重量部、酢酸エチル45
0重量部からなるコーティング塗料を、実施例1と同様
にプライマーを塗布したスライドガラスにスプレー・コ
ーティングした。室温で一昼夜放置した後、100℃で
1時間乾燥した。得られたコーティング膜の水の静止接
触角は163度であり、超撥水性を示した。しかし、指
で擦るとコーティングした微粒子が剥離した。また、超
音波を当てて空気層の保持力を評価したところ、1分間
で50%の空気層がなくなり、膜も一部剥離していた。
【0025】
【発明の効果】本発明の撥水性コーティング膜は、疎水
性微粒子が剥離し難く撥水性が大で耐久性に優れ、空気
膜の保持性能が大きい。水滴が転がる、水との摩擦抵抗
が小さくなるなどの特徴があるので、アンテナ、屋根、
鉄塔などの着氷防止用コーティング膜、船底用コーティ
ング膜、自動車、列車、航空機などのガラス用コーティ
ング膜などへの利用が期待される。
性微粒子が剥離し難く撥水性が大で耐久性に優れ、空気
膜の保持性能が大きい。水滴が転がる、水との摩擦抵抗
が小さくなるなどの特徴があるので、アンテナ、屋根、
鉄塔などの着氷防止用コーティング膜、船底用コーティ
ング膜、自動車、列車、航空機などのガラス用コーティ
ング膜などへの利用が期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 辺見 昌弘 滋賀県大津市園山1丁目1番1号東レ株式 会社滋賀事業場内 (72)発明者 徳永 純一郎 岡山県玉野市玉3丁目1番1号三井造船株 式会社玉野事業所内
Claims (10)
- 【請求項1】疎水性処理された無機微粒子とポリフッ化
ビニリデン系重合体を含む疎水性高分子化合物とからな
り、膜中にポリフッ化ビニリデン系重合体が少なくとも
2重量%含まれていることを特徴とする撥水性コーティ
ング膜。 - 【請求項2】無機微粒子が、ケイ素、チタン、アルミニ
ウム、ジルコニウム、アンチモン、スズおよびタングス
テンのいずれかの酸化物、および炭素のうちの、1種以
上の粒子からなることを特徴とする、請求項1記載の撥
水性コーティング膜。 - 【請求項3】疎水性処理された無機微粒子がフッ素を有
することを特徴とする、請求項1または2記載の撥水性
コーティング膜。 - 【請求項4】疎水性処理された無機微粒子がアルキル基
を有することを特徴とする、請求項1ないし3のいずれ
かに記載の撥水性コーティング膜。 - 【請求項5】疎水性高分子化合物が、実質的にポリフッ
化ビニリデン系重合体の単独でなることを特徴とする、
請求項1ないし4のいずれかに記載の撥水性コーティン
グ膜。 - 【請求項6】疎水性高分子化合物が、少なくとも50重
量%のポリフッ化ビニリデン系重合体と、シリコーン系
重合体、オレフィン系重合体、アクリル系重合体、ポリ
エーテルサルフォン系重合体、ポリフェニレンサルファ
イド系重合体、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂およびポリ
イミド樹脂からなる高分子体の群から選ばれる1種以上
の高分子体(A)とからなることを特徴とする、請求項
1ないし4のいずれかに記載の撥水性コーティング膜。 - 【請求項7】疎水性高分子化合物が、少なくとも50重
量%のポリフッ化ビニリデン系重合体と、ポリテトラフ
ルオロエチレン、テトラフルオロエチレンとヘキサフル
オロプロピレンの共重合体、テトラフルオロエチレンと
パーフルオロアルコキシエチレンの共重合体、およびエ
チレンとテトラフルオロエチレンの共重合体からなる含
フッ素高分子体の群から選ばれた1種以上の高分子体
(B)とからなることを特徴とする、請求項1ないし4
のいずれかに記載の撥水性コーティング膜。 - 【請求項8】疎水性処理された無機微粒子と、疎水性高
分子化合物を構成する高分子成分のうちの少なくとも1
成分とが化学的に結合していることを特徴とする、請求
項1ないし7のいずれかに記載の撥水性コーティング
膜。 - 【請求項9】表面に、凸部と凹部の高さの差が0.5な
いし50μmであって、隣り合う凸部との間隔が0.5
ないし50μmの凹凸が形成されていることを特徴とす
る、請求項1ないし8のいずれかに記載の撥水性コーテ
ィング膜。 - 【請求項10】水の静止接触角が155度を超えている
ことを特徴とする、請求項1ないし9のいずれかに記載
の撥水性コーティング膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8001797A JPH10273617A (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | 撥水性コーティング膜 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8001797A JPH10273617A (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | 撥水性コーティング膜 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10273617A true JPH10273617A (ja) | 1998-10-13 |
Family
ID=13706546
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8001797A Withdrawn JPH10273617A (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | 撥水性コーティング膜 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10273617A (ja) |
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---|---|---|---|---|
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-
1997
- 1997-03-31 JP JP8001797A patent/JPH10273617A/ja not_active Withdrawn
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