JP2002089642A - 摩擦ローラ式変速機 - Google Patents

摩擦ローラ式変速機

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JP2002089642A
JP2002089642A JP2000274607A JP2000274607A JP2002089642A JP 2002089642 A JP2002089642 A JP 2002089642A JP 2000274607 A JP2000274607 A JP 2000274607A JP 2000274607 A JP2000274607 A JP 2000274607A JP 2002089642 A JP2002089642 A JP 2002089642A
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center
rollers
wedge
outer ring
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JP2000274607A
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Inventor
Ryoichi Otaki
大滝  亮一
Shunpei Sarashina
俊平 更科
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NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 両方向の回転力を伝達する構造で、大きな回
転力を伝達できると共に、高い伝達効率を得られる構造
を実現する。 【解決手段】 中心ローラ4aの外周面と外輪15aの
内周面との間に存在する環状空間23の軸方向中央部
に、回転のみ自在に支持した1個のガイドローラ10
と、回転及び円周方向の変位自在に支持した2個のウェ
ッジローラ11a、11bとを設ける。これと共に、こ
れら2個のウェッジローラ11a、11bの軸方向両側
に、それぞれ回転のみ自在に支持した補助ガイドローラ
36、36を、各側毎に2個ずつ、合計4個設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、各種機械装置に
組み込んで、減速或は増速しつつ両方向の回転運動を伝
達する摩擦ローラ式変速機の改良に関し、高い伝達効率
を維持しつつ、大きな回転力の伝達を行なえる構造を実
現するものである。
【0002】
【従来の技術】摩擦ローラ式変速機は、遊星歯車式等の
歯車式変速機に比べて、高速で運転した場合にも発生す
る騒音が小さい。この為、例えば摩擦ローラ式変速機を
電動モータの出力部に組み付けて減速機として使用し、
この電動モータの回転運動を減速すると共にトルクを増
大させる構造が、例えば特開平8−210455号公報
に記載されている。この公報等に記載された一般的な摩
擦ローラ式変速機は、各ローラの周面同士の当接圧を、
伝達すべきトルクの変動に拘らず、常に一定のままに保
持している。この為、伝達効率が必ずしも良好とは言え
ない。良好な伝達効率を確保する為には、伝達すべきト
ルクが小さい場合に上記当接圧を低くし、反対に伝達す
べきトルクが大きい場合に上記当接圧を高くする事が考
えられる。一方、遊園地の遊戯具、或は足漕ぎ式のボー
トの如く、ペダルを踏んで駆動する装置で、しかもペダ
ルを両方向に回転させる可能性がある部分に組み込む摩
擦ローラ式変速機は、伝達すべきトルクの方向に拘ら
ず、このトルクの伝達を自在とする必要がある。
【0003】この様に、伝達すべきトルクの方向に拘ら
ず、このトルクの伝達を自在とし、且つ、伝達すべきト
ルクの大きさに応じて、各ローラの周面同士の当接圧を
変化させる構造として、米国特許第4709589号明
細書には、図7〜10に示す様な摩擦ローラ式変速機が
記載されている。この従来の摩擦ローラ式変速機は、有
底円筒状の本体1とこの本体1の基端開口部を塞ぐ蓋体
2とから成る固定のハウジング3内に中心ローラ4の内
半部(図7の右半部)を、上記蓋体2の略中央部に形成
した通孔5を通じて挿入している。尚、この通孔5は、
上記蓋体2の中心から、少しだけ外れた位置に設けてい
る。又、上記中心ローラ4の外半部(図7の左半部)で
上記蓋体2から突出した部分には、入力軸6の端部を結
合固定している。
【0004】又、上記ハウジング3の内側で上記中心ロ
ーラ4の周囲部分には、3本の支持軸7a、7b、7c
を、それぞれこの中心ローラ4と平行に配置している。
即ち、これら各支持軸7a、7b、7cの一端部(図7
の左端部)を上記蓋体2に支持すると共に、他端部(図
7の右端部)を連結板8に支持している。尚、これら3
本の支持軸7a、7b、7cのうち、図8〜10の上部
中央に位置する1本の支持軸7aは、その両端部を上記
蓋体2及び連結板8に形成した嵌合孔に圧入固定してい
る。従って、この支持軸7aが、上記ハウジング3内で
円周方向或は直径方向に変位する事はない。
【0005】これに対して、図8〜10の下部左右両側
に位置する残り2本の支持軸7b、7cは、両端部を上
記蓋体2及び連結板8に対し、上記ハウジング3の円周
方向及び直径方向に関して若干の変位自在に支持してい
る。この為に、上記蓋体2及び連結板8の一部で上記支
持軸7b、7cの両端部に整合する部分には、図9に示
す様に、上記両支持軸7b、7cの外径よりも大きな内
径を有する支持孔9、9を形成し、これら各支持孔9、
9に、上記両支持軸7b、7cの両端部を緩く係合させ
ている。そして、これら各支持軸7a、7b、7cの中
間部周囲に、それぞれが中間ローラであるガイドローラ
10及びウェッジローラ11a、11bを、それぞれラ
ジアルニードル軸受12により、回転自在に支持してい
る。尚、上記連結板8は、上記蓋体2の内面(上記ガイ
ドローラ10及びウェッジローラ11a、11bを設置
した空間側の面で、図7の右面)の一部で、上記ガイド
ローラ10及びウェッジローラ11a、11bから外れ
た位置に突設した突部13、13に突き当て、連結ボル
ト14、14により、上記蓋体2に連結固定している。
【0006】又、上記ハウジング3の内側で上記ガイド
ローラ10及びウェッジローラ11a、11bを囲む部
分には、円環状の外輪15を、回転自在に設けている。
この外輪15の内周面中央部は直径方向内方に突出させ
る事により、土手状の凸部16とし、この凸部16の内
周面を第二の円筒面17としている。そして、この第二
の円筒面17と、上記ガイドローラ10及びウェッジロ
ーラ11a、11bの外周面である第三の円筒面18、
18とを当接自在としている。又、上記外輪15には、
結合ブラケット19の外径側端部を外嵌固定し、この結
合ブラケット19の中心部に、出力軸20の内端部(図
7の左端部)を結合固定している。この出力軸20は、
前記ハウジング3を構成する本体1の中央部に形成した
第二の通孔21を回転自在に挿通して、このハウジング
3外に突出させている。
【0007】上記ガイドローラ10及びウェッジローラ
11a、11bの外周面である、上記各第三の円筒面1
8、18は、それぞれ前記中心ローラ4の外周面に設け
た第一の円筒面22と、上記外輪15の内周面に設けた
上記第二の円筒面17とに当接させている。上記中心ロ
ーラ4の中心と上記出力軸20及び外輪15の中心とは
互いに偏心している。即ち、前述の様に、上記中心ロー
ラ4を挿通する通孔5は、上記ハウジング3の中心から
少しだけ外れた位置に設けているのに対して、上記出力
軸20を挿通する第二の通孔21は、上記ハウジング3
の中心に設けている。又、この第二の通孔21の内側に
回転自在に支持した出力軸20と外輪15とは、互いに
同心である。従って、上記中心ローラ4と上記外輪15
及び出力軸20とは、上記通孔5のハウジング3の中心
からのずれ量δ(図7参照)分だけ、互いに偏心してい
る。そして、上記中心ローラ4の外周面に設けた上記第
一の円筒面22と上記外輪15の内周面に設けた上記第
二の円筒面17との間に存在して上記ガイドローラ10
及びウェッジローラ11a、11bが設けられた環状空
間23の幅寸法が、このδなる偏心量に見合う分だけ、
円周方向に関して不同になっている。
【0008】この様に、上記環状空間23の幅寸法を円
周方向に関して不同にした分、上記ガイドローラ10及
びウェッジローラ11a、11bの外径を異ならせてい
る。即ち、上記外輪15に対し中心ローラ4が偏心して
いる側(図7〜10の下側)に位置するウェッジローラ
11a、11bの径を、互いに同じとすると共に比較的
小径にしている。これに対し、上記外輪15に対し中心
ローラ4が偏心しているのと反対側(図7〜10の上
側)に位置するガイドローラ10の径を、上記両ウェッ
ジローラ11a、11bよりも大きくしている。そし
て、これら3個の、それぞれが中間ローラであるガイド
ローラ10及びウェッジローラ11a、11bの外周面
である第三の円筒面18、18を、上記第一、第二の円
筒面22、17に当接させている。
【0009】尚、それぞれが中間ローラである、上記1
個のガイドローラ10及び2個のウェッジローラ11
a、11bのうち、ガイドローラ10を支持した支持軸
7aは、前述の様に、上記ハウジング3内に固定してい
る。これに対して、ウェッジローラ11a、11bを支
持した支持軸7b、7cは、やはり前述した様に上記ハ
ウジング3内に、円周方向及び直径方向に関して若干の
変位を自在に支持している。従って、上記ウェッジロー
ラ11a、11bも、上記ハウジング3内で円周方向及
び直径方向に関して若干の変位自在である。そして、前
記蓋体2のシリンダ孔24、24内に装着した圧縮コイ
ルばね25、25等の弾性材により、上記各ウェッジロ
ーラ11a、11bを支持した支持軸7b、7cを、こ
れら各支持軸7b、7cに回転自在に支持したウェッジ
ローラ11a、11bを前記環状空間23の幅の狭い部
分に向け移動させるべく、弾性的に軽く押圧している。
【0010】上述の様に構成する従来の摩擦ローラ式変
速機の場合、例えば、上記中心ローラ4が、作動状態を
示す図10に矢印イで示す様に、時計方向に回転する
と、上記1対のウェッジローラ11a、11bが、同図
に矢印ロで示す様に、上記各支持軸7b、7cを中心に
反時計方向に回転し、前記外輪15が同じく矢印ハで示
す様に反時計方向に回転する。そして、この様に上記1
対のウェッジローラ11a、11bが矢印ロで示す様に
回転し、これら各ウェッジローラ11a、11bを挟持
した中心ローラ4及び外輪15がそれぞれ矢印イ、ハに
示す様に回転すると、上記各ウェッジローラ11a、1
1b全体が、それぞれ図10に矢印ニで示す様に、時計
方向に変位する傾向となる。
【0011】即ち、上記1対のウェッジローラ11a、
11bは、矢印イ方向に回転する上記中心ローラ4か
ら、上記矢印ニ方向の力を受け、これら各ウェッジロー
ラ11a、11b自身が矢印ロ方向に回転する事で外輪
15の内周面に設けた第二の円筒面17との当接部から
受ける反作用により、やはり上記矢印ニ方向の力を受け
る。この結果、上記1対のウェッジローラ11a、11
bのうち、一方(図8〜10の右方)のウェッジローラ
11aが前記環状空間23の幅の狭い部分に向けて、他
方(図8〜10の左方)のウェッジローラ11bが前記
圧縮コイルばね25の弾力に抗して上記環状空間23の
幅の広い部分に向けて、それぞれ移動する傾向になる。
【0012】この結果、上記一方のウェッジローラ11
aの外周面に設けた第三の円筒面18が、上記中心ロー
ラ4の外周面に設けた第一の円筒面22と上記外輪15
の内周面に設けた第二の円筒面17とを強く押圧する。
そして、上記一方のウェッジローラ11aの外周面に設
けた第三の円筒面18と上記第一の円筒面22との当接
部である内径側当接部26、及び、この第三の円筒面1
8と上記第二の円筒面17との当接部である外径側当接
部27の当接圧が高くなる。これに対して、上記他方の
ウェッジローラ11bは、上述の様に環状空間23の幅
の広い部分に向けて移動する傾向となる為、この他方の
ウェッジローラ11bに関する内径側、外径側両当接部
26、27の当接圧は喪失する。
【0013】上述の様に一方のウェッジローラ11aに
関する内径側、外径側両当接部26、27の当接圧が高
くなると、それぞれがこの一方のウェッジローラ11a
の外周面に設けた第三の円筒面18により押圧される部
材である、上記中心ローラ4と外輪15とのうちの少な
くとも一方の部材が、組み付け隙間、或は弾性変形等に
基づき、それぞれの直径方向に亙り僅かに変位する。こ
の結果、前記ガイドローラ10に関する内径側、外径側
両当接部15、16の当接圧が高くなる。上記一方のウ
ェッジローラ11aを上記環状空間23の幅の狭い部分
に向け移動させようとする力は、上記中心ローラ4から
上記外輪15に伝達するトルクの大きさに応じて変化す
る。そして、この力が大きくなる程、上記ウェッジロー
ラ11a及びガイドローラ10に関する内径側、外径側
両当接部26、27の当接圧が大きくなる。そして、こ
の様な作用に基づき、上記伝達するトルクに応じた当接
圧を自動的に選定して、摩擦ローラ式変速機の伝達効率
を確保する。
【0014】上述の様な摩擦ローラ式変速機の構造は、
円周方向に関して対称である。この為、上記中心ローラ
4が図10の矢印イと反対方向(反時計方向)に回転す
る場合に、上記摩擦ローラ式変速機の作動状態並びにト
ルクの伝達方向は、円周方向に関して上述した場合(上
記中心ローラ4が矢印イの方向に回転する場合)と逆に
なる。この様に図7〜10に示した摩擦ローラ変速機の
場合には、上記中心ローラ4から上記外輪15への両方
向のトルク伝達を行なえる。
【0015】尚、上述の例は、中心ローラ4を入力側と
し、外輪15を出力側とする事により、摩擦ローラ式変
速機を減速機として利用する場合に就いて示した。これ
に対して、外輪15を入力側とし、中心ローラ4を出力
側とする事により、摩擦ローラ式変速機を増速機として
利用する場合も、入出力の方向が逆になる以外、上述し
た場合と同様の作用により、上記外輪15と中心ローラ
4との間で両方向のトルク伝達を行なえる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上述した様な従来の摩
擦ローラ式変速機の場合には、上記中心ローラ4(又は
上記外輪15)の回転方向に関係なく、これら中心ロー
ラ4と外輪15との間で両方向のトルク伝達を行なえる
が、大きなトルクを伝達する事が難しい。この理由に就
いて、以下に説明する。上述した通り、上記従来構造の
場合には、上記中心ローラ4と上記外輪15との間で伝
達すべきトルクを、2個の中間ローラ{1個のガイドロ
ーラ10及び何れか一方のウェッジローラ11a(11
b)}に関する内径側、外径側両当接部26、27を介
して伝達する。又、図11に示す様に、上記2個の中間
ローラである、ガイドローラ10と何れか一方のウェッ
ジローラ11a(11b)との各中心軸O10、O11同士
は、上記中心ローラ4の中心軸O4 を挟んで互いに直径
方向に関し180度反対側には存在しない。言い換えれ
ば、上記ガイドローラ10及び何れか一方のウェッジロ
ーラ11a(11b)の各中心軸O10、O11と上記中心
ローラ4の中心軸O4 とを結ぶ1対の線分A、B同士の
なす角度θが、180度よりも大幅に小さい(θ≪
π)。
【0017】この為、上記中心ローラ4及び外輪15に
は、上記ガイドローラ10及び何れか一方のウェッジロ
ーラ11a(11b)から、それぞれ異なる方向の力
F、Fが加わる。そして、これら各力F、Fの合力とし
て、上記中心ローラ4と上記外輪15に、それぞれ同図
の矢印αで示す方向の力が加わる。この様な矢印αで示
した力は、上記中心ローラ4及び外輪15を、それぞれ
上記ガイドローラ10及び何れか一方のウェッジローラ
11a(11b)から退避させる方向に加わる。しかも
この矢印αで示した力の大きさは、上記中心ローラ4と
上記外輪15との間で伝達すべきトルクが大きくなる程
大きくなる。この結果、これら中心ローラ4と上記外輪
15との間で大きなトルクを伝達しようとすると、これ
ら中心ローラ4及び外輪15が上記ガイドローラ10及
び何れか一方のウェッジローラ11a(11b)から退
避する傾向が強くなる。そして、これらガイドローラ1
0及び何れか一方のウェッジローラ11a(11b)に
関する内径側、外径側両当接部26、27の面圧が低下
し、これら各当接部26、27で滑りが発生する様にな
って、上記トルクを伝達できなくなる。又、この様に各
当接部26、27で滑りが発生する為、摩擦ローラ式変
速機によるトルクの伝達効率が低下する。本発明の摩擦
ローラ式変速機は、この様な不都合を解消すべく発明し
たものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の摩擦ローラ式変
速機は、前述した従来構造と同様に、外周面を第一の円
筒面とした中心ローラと、内周面を第二の円筒面として
この中心ローラの周囲に、この中心ローラに対する相対
回転を自在に設けられた外輪と、上記第一の円筒面と上
記第二の円筒面との間の環状空間内に、上記中心ローラ
と平行に配置された3本以上の支持軸と、これら各支持
軸により回転自在に支持され、それぞれの外周面を上記
第一、第二の各円筒面と当接自在な第三の円筒面とした
3個以上の中間ローラとを備える。そして、上記中心ロ
ーラの中心と上記外輪の中心とを偏心させる事により、
上記環状空間の幅寸法を円周方向に関して不同にし、上
記3個以上の中間ローラのうちの2個の中間ローラを少
なくとも上記環状空間の円周方向に変位自在に支持して
ウェッジローラとし、残りの中間ローラを実質的に上記
環状空間の何れの方向にも変位不能に支持してガイドロ
ーラとすると共に、上記中心ローラ及び外輪が何れかの
方向に回転した場合に、上記ウェッジローラとなる2個
の中間ローラのうちの何れか一方の中間ローラを上記環
状空間の幅の狭い部分に向け、円周方向に関してこれら
ウェッジローラとなる2個の中間ローラ同士で互いに逆
方向に移動自在とする事により、上記中心ローラと上記
外輪との間で両方向の回転力を伝達自在としている。
【0019】特に、本発明の摩擦ローラ式変速機に於い
ては、上記環状空間の内側で軸方向に関して上記ウェッ
ジローラとなる各中間ローラの両側に隣接する、各側毎
に2個所ずつの合計4個所位置に、それぞれ上記中心ロ
ーラと平行に配置した支持軸により回転自在に、且つ、
実質的に上記環状空間の何れの方向にも変位不能に支持
され、それぞれの外周面を上記第一、第二の各円筒面と
当接自在な第三の円筒面とした、合計4個の補助ガイド
ローラを設けている。
【0020】
【作用】上述の様に構成する本発明の摩擦ローラ式変速
機の場合には、前述の図7〜10に示した従来の摩擦ロ
ーラ式変速機の場合と同様、ウェッジローラとなる2個
の中間ローラのうちの何れか一方の中間ローラが環状空
間の幅の狭い部分に向け移動する事に基づき、中心ロー
ラと外輪との間で両方向の回転力の伝達を自在とする。
特に、本発明の摩擦ローラ式変速機の場合には、環状空
間の内側で軸方向に関してウェッジローラとなる各中間
ローラの両側に、それぞれ補助ガイドローラを設けてい
る。この為、回転力の伝達時に、ウェッジローラとなる
2個の中間ローラのうちの他方の中間ローラが環状空間
の幅の広い部分に向け退避すると共に、この退避した中
間ローラ以外の中間ローラが上記中心ローラ及び外輪を
強く押圧した場合でも、この退避した中間ローラの軸方
向両側に存在する2個の補助ガイドローラが、中心ロー
ラと外輪との間で突っ張る。この為、これら中心ローラ
及び外輪が、上記退避した中間ローラ以外の中間ローラ
から退避する方向に変位する事はない。
【0021】即ち、本発明の摩擦ローラ式変速機の場
合、回転力の伝達時には、上記ウェッジローラとなる一
方の(環状空間の幅の狭い部分に向け移動する)中間ロ
ーラ及びガイドローラとなる残りの中間ローラ及び各側
毎に2個ずつ合計4個の補助ガイドローラの各外周面に
設けた第三の円筒面と、中心ローラの外周面に設けた第
一の円筒面及び外輪の内周面に設けた第二の円筒面と
が、それぞれ強く当接する。又、伝達すべき回転力が大
きくなる事に伴い、上記各円筒面同士の当接部の当接圧
が大きくなった場合でも、中心ローラ及び外輪が、上記
各中間ローラから退避する方向に変位する事はない。こ
の為、上記各当接部の当接圧を十分に確保して、これら
各当接部で滑りが生じる事を防止できる。この為、大き
な回転力を伝達できると共に、高い伝達効率を得られ
る。
【0022】
【発明の実施の形態】図1〜5は、本発明の実施の形態
の第1例を示している。本例の摩擦ローラ式変速機は、
有底円筒状の本体1aとこの本体1aの端部開口を塞ぐ
蓋体2aとから成る固定のハウジング3a内に、中心ロ
ーラ4aを、このハウジング3aの軸方向(図1、5の
左右方向)に配置している。又、上記蓋体2aの外面
(図1の右面)略中央部には、ブロック28を結合固定
している。これら蓋体2a及びブロック28の略中央部
には、それぞれ通孔5、29を、互いに同心に形成して
いる。尚、これら各通孔5、29は、上記ハウジング3
aの中心から少しだけ外れた位置に設けている。そし
て、これら各通孔5、29の内側に入力軸6aの先半部
(図1の左半部)を挿通すると共に、この入力軸6aの
先半部を1対の玉軸受30、30により回転のみ自在に
支持している。そして、互いに同心に配置した上記中心
ローラ4aの基端部(図1、5の右端部)と上記入力軸
6aの先端部とを、互いに結合している。
【0023】本例の場合、上記中心ローラ4aは、上記
入力軸6aにより回転駆動自在としつつ、ラジアル方向
に関する若干の変位自在に設けている。この為に、図示
の例では、上記中心ローラ4aの基端面に係合凸部31
を、上記入力軸6aの先端面に係合凹溝32を、それぞ
れ直径方向に亙って形成すると共に、これら係合凸部3
1と係合凹溝32とを緩く係合させている。この様に係
合凸部31と係合凹溝32とを緩く係合させる為に、こ
の係合凹溝32の幅寸法をこの係合凸部31の幅寸法よ
りも少し大きくしている。そして、この様な構成を採用
する事により、上記中心ローラ4aと上記入力軸6aと
を、回転力の伝達を自在に、且つ、ラジアル方向に関す
る若干の相対変位自在に結合している。尚、この様に中
心ローラ4aと入力軸6aとを回転力の伝達を自在に、
且つ、ラジアル方向に関する若干の相対変位自在に結合
する為の構造は、図示の様なものに限らず、緩いスプラ
イン係合、或は緩いキー係合でも良い。
【0024】又、上記ハウジング3aの内側で上記中心
ローラ4aの軸方向中央部の周囲部分には、3本の支持
軸7a、7b、7cを、それぞれこの中心ローラ4aと
平行に配置している。即ち、これら各支持軸7a、7
b、7cの一端部(図1の右端部、図3の奥端部)を上
記蓋体2aに結合した第一の連結板33に支持すると共
に、他端部(図1の左端部、図3の手前側端部)をこの
第一の連結板33に結合した第二の連結板34に支持し
ている。尚、これら3本の支持軸7a、7b、7cのう
ち、図1、3の下部に位置する1本の支持軸7aは、そ
の両端部を上記第一の連結板33及び第二の連結板34
に形成した嵌合孔に圧入固定している。従って、この支
持軸7aが、上記ハウジング3a内で円周方向或は直径
方向に変位する事はない。
【0025】これに対して、図3の上部左右両側(図1
の上側)に位置する残り2本の支持軸7b、7cは、両
端部を上記第一の連結板33及び第二の連結板34に対
し、上記ハウジング3aの円周方向及び直径方向に亙る
若干の変位自在に支持している。この為に、上記第一の
連結板33及び第二の連結板34の一部で上記支持軸7
b、7cの両端部に整合する部分には、図3に示す様
に、上記両支持軸7b、7cの外径よりも大きな幅及び
長さを有する支持孔9a、9aを形成し、これら各支持
孔9a、9aに、上記両支持軸7b、7cの両端部を緩
く係合させている。そして、これら各支持軸7a、7
b、7cの中間部周囲に、それぞれが中間ローラである
ガイドローラ10及びウェッジローラ11a、11b
を、それぞれラジアルニードル軸受12aにより、回転
自在に支持している。尚、図示の例では、このラジアル
ニードル軸受12aとして、転動体(ニードル)を複列
に配置したものを使用している。
【0026】又、上記ハウジング3aの内側で上記中心
ローラ4aの軸方向両端部の周囲部分には、それぞれ2
本ずつの支持軸7d、7dを、それぞれこの中心ローラ
4aと平行に配置している。即ち、上記中心ローラ4a
の基端部周囲部分に配置した2本の支持軸7d、7dの
一端部(図2の奥端部)を上記蓋体2aに支持すると共
に、他端部(図2の手前側端部)を上記第一の連結板3
3に支持している。これに対して、上記中心ローラ4a
の先端部(図1、5の左端部)周囲部分に配置した2本
の支持軸7d、7dの一端部(図4の奥端部)を上記第
二の連結板34に支持すると共に、他端部(図4の手前
側端部)をこの第二の連結板34に結合した第三の連結
板35に支持している。
【0027】又、図2〜4に示す様に、上記2本ずつの
支持軸7d、7dの配設位置の、後述する環状空間23
の円周方向に関する位相は、それぞれ本例の摩擦ローラ
式変速機の停止時(非動力伝達時)での、上記各ウェッ
ジローラ11a、11bを支持した2本の支持軸7b、
7cの位相と一致させている。又、上記2本ずつの支持
軸7d、7dは、その両端部を上記蓋体2a及び上記第
一〜第三の各連結板33、34、35に形成した嵌合孔
に圧入固定している。従って、これら2本ずつの支持軸
7d、7dが、上記ハウジング3a内で円周方向或は直
径方向に変位する事はない。そして、これら2本ずつの
支持軸7d、7dの中間部周囲に、それぞれ補助ガイド
ローラ36、36を、それぞれラジアルニードル軸受1
2により、回転自在に支持している。又、上記図2〜4
及び図5に示す様に、上記2本ずつの支持軸7d、7d
により支持した上記各補助ガイドローラ36、36の、
環状空間23の円周方向に関する配置の位相は、それぞ
れ本例の摩擦ローラ式変速機の停止時での、上記各ウェ
ッジローラ11a、11bの位相と一致する。尚、本例
の場合、上記補助ガイドローラ36の幅寸法は、前記ガ
イドローラ10及びウェッジローラ11a、11bの幅
寸法よりも小さくしている(但し、図5は大略図である
為、各ローラの幅寸法はそれぞれ等しく表している)。
【0028】又、上記蓋体2aの内面(図1の左面)及
び上記第一、第二の各連結板33、34の片面(図1の
左面)の各一部で、それぞれ上記ガイドローラ10及び
ウェッジローラ11a、11b或は上記補助ガイドロー
ラ36、36から外れた位置には、突部13a、13a
を突設している。上記第一〜第三の各連結板33、3
4、35は、それぞれの他面(図1の右面)に上記突部
13a、13aの先端面を突き当てた状態で、連結ボル
ト14a、14aにより、上記蓋体2aに連結固定して
いる。又、本例の場合、前記中心ローラ4aの先端面中
心部に鋼球37を圧入固定し、この鋼球37を、上記第
三の連結板35の他面中心部に突き当てて、ピボット軸
受を構成している。このピボット軸受は、上記中心ロー
ラ4aの回転を自在としつつ、この中心ローラ4aの軸
方向に関する位置決めを図る為に設けている。
【0029】又、前記ハウジング3aの内側で、上記ガ
イドローラ10及びウェッジローラ11a、11b並び
に上記各補助ガイドローラ36、36を囲む部分には、
円筒状の外輪15aを、回転自在に設けている。そし
て、上記ガイドローラ10及びウェッジローラ11a、
11b及び上記各補助ガイドローラ36、36の各外周
面である第三の円筒面18、18を、上記中心ローラ4
aの外周面に設けた第一の円筒面22と、上記外輪15
aの内周面に設けた第二の円筒面17とに、それぞれ当
接自在としている。
【0030】又、上記外輪15aの一端部(図1、5の
左端部)は、この外輪15aと同心に配置した出力軸2
0aの一端部(図1の右端部)に、回転力の伝達自在
に、且つ、ラジアル方向に関する若干の相対変位自在に
結合している。この為に、図示の例では、上記出力軸2
0aの一端部に結合板部38を固設している。そして、
この結合板部38の外周縁に形成した突片39、39と
上記外輪15aの一端縁に形成した切り欠き40、40
とを、ラジアル方向に関する若干の相対変位自在に係合
させている。又、この状態で、上記外輪15aの他端部
内周面に形成した係止溝41に止め輪42を係止して、
上記各突片39、39が上記各切り欠き40、40から
抜け出るのを防止している。又、上記出力軸20aは、
上記ハウジング3aを構成する本体1aの中央部に形成
した第二の通孔21を挿通して、このハウジング3a外
に突出させると共に、複列ラジアル玉軸受43により、
この第二の通孔21の内側に回転のみ自在に支持してい
る。
【0031】上述した様に、上記ガイドローラ10及び
ウェッジローラ11a、11b及び上記各補助ガイドロ
ーラ36、36の各外周面に設けた第三の円筒面18、
18は、それぞれ上記中心ローラ4aの外周面に設けた
第一の円筒面22と上記外輪15aの内周面に設けた第
二の円筒面17とに当接させている。又、この状態で、
前記入力軸6a及び中心ローラ4aの中心と上記出力軸
20a及び外輪15aの中心とは互いに偏心している。
即ち、前述した様に、上記中心ローラ4aと同心の入力
軸6aを挿通支持する各通孔5、29は、上記ハウジン
グ3aの中心から少しだけ外れた位置に設けているのに
対して、上記外輪15aと同心の出力軸20aを挿通支
持する第二の通孔21は、上記ハウジング3aの中心に
設けている。従って、上記中心ローラ4aと上記外輪1
5aとは、上記各通孔5、29のハウジング3aの中心
からのずれ量δ分だけ、互いに偏心している。そして、
上記第一の円筒面22と上記第二の円筒面17との間に
存在する環状空間23の幅寸法が、このδ分の偏心量に
見合う分だけ、円周方向に関して不同になっている。
【0032】この様に、上記環状空間23の幅寸法を円
周方向に関して不同にした分、この環状空間23内に配
置する上記ガイドローラ10及びウェッジローラ11
a、11b並びに上記各補助ガイドローラ36、36の
外径を異ならせている。即ち、上記外輪15aに対し中
心ローラ4aが偏心している側(図1〜5の上側)に位
置するウェッジローラ11a、11b並びに補助ガイド
ローラ36、36の径を、それぞれ同じとすると共に比
較的小径にしている。これに対して、上記外輪15aに
対し中心ローラ4aが偏心しているのと反対側(図1〜
5の下側)に位置するガイドローラ10の径を、上記ウ
ェッジローラ11a、11b並びに補助ガイドローラ3
6、36の径よりも大きくしている。そして、これらガ
イドローラ10及びウェッジローラ11a、11b及び
補助ガイドローラ36、36の各外周面に設けた第三の
円筒面18、18を、上記第一、第二の各円筒面22、
17に当接させている。
【0033】尚、上記ガイドローラ10及び補助ガイド
ローラ36、36を支持した各支持軸7a、7dは、前
述の様に、それぞれ上記ハウジング3a内に固定してい
る。これに対して、上記ウェッジローラ11a、11b
を支持した支持軸7b、7cは、やはり前述した様に上
記ハウジング3a内に、円周方向及び直径方向に亙る若
干の変位を自在に支持している。従って、上記ウェッジ
ローラ11a、11bも、上記ハウジング3a内で円周
方向及び直径方向に亙り若干の変位自在である。そこ
で、本例の場合には、前記第一、第二の各連結板33、
34のシリンダ孔24a、24a内に嵌挿した押圧ピン
44、44により、上記各ウェッジローラ11a、11
bを支持した支持軸7b、7cを、これらウェッジロー
ラ11a、11bを上記環状空間23の幅の狭い部分に
向け、円周方向に関し互いに逆方向に移動させるべく、
弾性的に軽く押圧している。尚、上記押圧ピン44の押
圧力は、この押圧ピン44の先端部に形成した鍔部と上
記シリンダ孔24aの奥面との間に設けた圧縮コイルば
ね25aにより発生させている。
【0034】上述の様に構成する本例の摩擦ローラ式変
速機の場合には、前述の図7〜10に示した従来の摩擦
ローラ式変速機の場合と同様、2個のウェッジローラ1
1a、11bのうちの何れか一方のウェッジローラ11
a(11b)が環状空間23の幅の狭い部分に向け移動
する事に基づき、中心ローラ4aと外輪15aとの間で
両方向の回転力の伝達を自在とする。特に、本発明の摩
擦ローラ式変速機の場合には、上記環状空間23の内側
で上記各ウェッジローラ11a、11bの軸方向両側
に、それぞれ補助ガイドローラ36、36を設けてい
る。この為、回転力の伝達時に、上記2個のウェッジロ
ーラ11a、11bのうちの他方のウェッジローラ11
b(11a)が上記環状空間23の幅の広い部分に向け
退避すると共に、上記一方のウェッジローラ11a(1
1b)及びガイドローラ10が上記中心ローラ4a及び
外輪15aを強く押圧した場合でも、上記他方のウェッ
ジローラ11b(11a)の軸方向両側に存在する2個
の補助ガイドローラ36、36が、上記中心ローラ4a
と外輪15aとの間で突っ張る。この為、本発明の場合
には、前述した従来構造の様に、上記中心ローラ4a及
び外輪15aが、上記一方のウェッジローラ11a(1
1b)及びガイドローラ10から退避する方向に変位す
る事はない。
【0035】即ち、本例の摩擦ローラ式変速機の場合、
回転力の伝達時には、上記一方のウェッジローラ11a
(11b)及びガイドローラ10及び上記軸方向両側で
2個ずつ合計4個の補助ガイドローラ36、36の各外
周面に設けた第三の円筒面18、18と、上記中心ロー
ラ4aの外周面に設けた第一の円筒面22及び上記外輪
15aの内周面に設けた第二の円筒面17とが、それぞ
れ強く当接する。又、伝達すべき回転力が大きくなる事
に伴い、上記各円筒面22、17、18同士の当接部の
当接圧が大きくなった場合でも、上記中心ローラ4a及
び外輪15aが、上記一方のウェッジローラ11a(1
1b)及びガイドローラ10から退避する方向に変位す
る事はない。この為、上記各円筒面22、17、18同
士の当接部の当接圧を十分に確保して、これら各当接部
で滑りが生じる事を防止できる。この為、大きな回転力
を伝達できると共に、高い伝達効率を得られる。
【0036】更に、本例の摩擦ローラ式変速機の場合に
は、上記ガイドローラ10及び補助ガイドローラ36、
36の外径や取付位置が多少ずれたり、構成各部材が弾
性変形したり、更には上記外輪15aが熱膨張した場合
でも、これらガイドローラ10及び補助ガイドローラ3
6、36の各外周面に設けた第三の円筒面18、18と
上記第一、第二の各円筒面22、17との当接圧を、設
計値通りに規制できる。即ち、上記ガイドローラ10及
び補助ガイドローラ36、36の外径や取付位置がずれ
た場合には、上記一方のウェッジローラ11a(11
b)が上記環状空間23の幅寸法が狭い部分に変位する
のに伴って、上記中心ローラ4a及び外輪15aがラジ
アル方向に変位する。そして、上記ガイドローラ10及
びウェッジローラ11a、11b及び補助ガイドローラ
36、36の各外周面に設けた第三の円筒面18、18
と、上記第一、第二の各円筒面22、17との当接部の
当接圧を、それぞれ設計値通りにする。従って、上記外
径や取付位置が多少ずれた場合でも、高い伝達効率を得
られる。
【0037】次に、図6は、本発明の実施の形態の第2
例を示している。本例の場合には、1対のウェッジロー
ラ11a、11bを支持した各支持軸7b、7cの押圧
機構を、上述した第1例の場合と異ならせている。即
ち、本例の場合には、第一、第二の各連結板33、34
(図1参照)のシリンダ孔24a、24a内に嵌挿した
押圧ピン44、44により、上記各支持軸7b、7c
を、上記各ウェッジローラ11a、11bを環状空間2
3の幅の広い部分に向け移動させる方向に、弾性的に軽
く押圧している。これと共に、上記第一、第二の各連結
板33、34の一部で、支持孔9a、9aを挟んで上記
各シリンダ孔24a、24aと180度反対側に設けた
第二のシリンダ孔45、45内に、それぞれ圧子46、
46を嵌挿している。そして、これら各圧子46、46
により上記各支持軸7b、7cを、上記押圧ピン44、
44による押圧力(圧縮コイルばね25a、25aの弾
力)に抗して、上記各ウェッジローラ11a、11bを
上記環状空間23の幅の狭い部分に向け移動させる方向
に押圧自在としている。
【0038】本例の場合、上記圧子46、46による押
圧力は、これら各圧子46、46の後端側に設けたカム
47、47により発生させている。これら各カム47、
47は、それぞれ蓋体2a(図1参照)及び第一の連結
板33を貫通する状態で設けたロッド48、48の端部
に結合固定(若しくは一体形成)している。又、これら
各ロッド48、48には、ハウジング3a外に設けたロ
ータリーソレノイド49(便宜上、図1に図示)により
回転力を、互いに独立して付与自在としている。上記各
圧子46、46に押圧力を付与する場合には、上記ロー
タリーソレノイド49により上記各カム47、47を、
上記各ロッド48、48を介して揺動させる。そして、
この様に各カム47、47を揺動させる事により、これ
ら各カム47、47の外周面を上記各圧子46、46の
後端面に押し付ける事で、これら各圧子46、46を上
記各支持軸7b、7cに向け押圧自在とする。尚、上述
の様に各ロッド48、48に回転力を、互いに独立して
付与自在である為、上記各圧子46、46により上記各
支持軸7b、7cを押圧する動作は、互いに独立して行
なえる。
【0039】上述の様に構成する本例の場合、中心ロー
ラ4aと外輪15aとの間で回転力の伝達を行なう際に
は、伝達すべき回転力の方向に応じて、何れか一方のウ
ェッジローラ11a(11b)を支持した支持軸7b
(7c)を、上記圧子46により押圧する。そして、こ
の何れか一方のウェッジローラ11a(11b)を環状
空間23の幅の狭い部分に向け移動させる。尚、この際
に他方のウェッジローラ11b(11a)は、前記押圧
ピン44による押圧力に基づき、上記環状空間23の幅
の広い部分に向け退避したままの状態となる。
【0040】これに対して、上記中心ローラ4aと上記
外輪15aとの間で回転力の伝達を行なわない(或は行
なえない様にする)場合には、上記両ウェッジローラ1
1a、11bを支持した両支持軸7b、7cを、何れも
上記圧子46、46により押圧しない。これにより、上
記両ウェッジローラ11a、11bを、それぞれ上記押
圧ピン44、44による押圧力に基づき、上記環状空間
23の幅の広い部分に退避させたままの状態とする。そ
の他の構成及び作用は、上述した第1例の場合と同様で
ある。
【0041】尚、上述の各例は、中心ローラ4aを入力
側とし、外輪15aを出力側とする事により、摩擦ロー
ラ式変速機を減速機として利用する場合に就いて示し
た。これに対して、外輪15aを入力側とし、中心ロー
ラ4aを出力側とする事により、摩擦ローラ式変速機を
増速機として利用する場合も、入出力の方向が逆になる
以外、上述した各例の場合と同様の作用により、上記外
輪15aと上記中心ローラ4aとの間で両方向の回転駆
動力の伝達を行なえる。
【0042】尚、上述した本発明の摩擦ローラ式変速機
の場合には、2個のウェッジローラの軸方向両側に、そ
れぞれ2個ずつ、合計4個の補助ガイドローラを設けて
いる。これに対して、単に回転力伝達部の当接圧の確保
を図るだけであれば、2個のウェッジローラの軸方向片
側にのみ、2個の補助ガイドローラを設ける構造も考え
られる。但し、この様な構造の摩擦ローラ式変速機の場
合には、回転力の伝達時に中心ローラ及び外輪が変位し
て、これら中心ローラと外輪との中心軸同士が互いに非
平行になる。この様に中心ローラと外輪との中心軸同士
が非平行になると、これら中心ローラの外周面及び外輪
の内周面に対し、ウェッジローラ及びガイドローラ(中
間ローラ)の外周面が、これら各ローラの外周面の端縁
で当接する様になる。この結果、この当接部にエッジロ
ードに基づく過大面圧が発生し、互いに当接する両周面
の転がり疲れ寿命が低下する為、好ましくない。
【0043】
【発明の効果】本発明の摩擦ローラ式変速機は、以上に
述べた通り構成され作用する為、両方向の回転力を伝達
する構造で、大きな回転力を伝達できると共に、高い伝
達効率を得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す断面図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】同B−B断面図。
【図4】同C−C断面図。
【図5】中間ローラと補助ガイドローラとの位置関係を
大略的に示す、部分切断斜視図。
【図6】本発明の実施の形態の第2例を示す、図3と同
様の断面図。
【図7】従来構造の1例を示す断面図。
【図8】図7のD−D断面図。
【図9】同E−E断面図。
【図10】動力伝達時の各構成部材の作動状態を説明す
る為の、図8〜9と同方向から見た状態で示す略図。
【図11】動力伝達時に中心ローラ及び外輪に加わる力
を説明する為の、図8〜9と同方向から見た状態で示す
略図。
【符号の説明】
1、1a 本体 2、2a 蓋体 3、3a ハウジング 4、4a 中心ローラ 5 通孔 6、6a 入力軸 7a、7b、7c、7d 枢軸 8 連結板 9、9a 支持孔 10 ガイドローラ 11a、11b ウェッジローラ 12、12a ラジアルニードル軸受 13、13a 突部 14、14a 連結ボルト 15、15a 外輪 16 凸部 17 第二の円筒面 18 第三の円筒面 19 結合ブラケット 20、20a 出力軸 21 第二の通孔 22 第一の円筒面 23 環状空間 24、24a シリンダ孔 25、25a 圧縮コイルばね 26 内径側当接部 27 外径側当接部 28 ブロック 29 通孔 30 玉軸受 31 係合凸部 32 係合凹溝 33 第一の連結板 34 第二の連結板 35 第三の連結板 36 補助ガイドローラ 37 剛球 38 結合板部 39 突片 40 切り欠き 41 係止溝 42 止め輪 43 複列ラジアル玉軸受 44 押圧ピン 45 第二のシリンダ孔 46 圧子 47 カム 48 ロッド 49 ロータリーソレノイド

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周面を第一の円筒面とした中心ローラ
    と、内周面を第二の円筒面としてこの中心ローラの周囲
    に、この中心ローラに対する相対回転を自在に設けられ
    た外輪と、上記第一の円筒面と上記第二の円筒面との間
    の環状空間内に、上記中心ローラと平行に配置された3
    本以上の支持軸と、これら各支持軸により回転自在に支
    持され、それぞれの外周面を上記第一、第二の各円筒面
    と当接自在な第三の円筒面とした3個以上の中間ローラ
    とを備え、上記中心ローラの中心と上記外輪の中心とを
    偏心させる事により、上記環状空間の幅寸法を円周方向
    に関して不同にし、上記3個以上の中間ローラのうちの
    2個の中間ローラを少なくとも上記環状空間の円周方向
    に変位自在に支持してウェッジローラとし、残りの中間
    ローラを実質的に上記環状空間の何れの方向にも変位不
    能に支持してガイドローラとすると共に、上記中心ロー
    ラ及び外輪が何れかの方向に回転した場合に、上記ウェ
    ッジローラとなる2個の中間ローラのうちの何れか一方
    の中間ローラを上記環状空間の幅の狭い部分に向け、円
    周方向に関してこれらウェッジローラとなる2個の中間
    ローラ同士で互いに逆方向に移動自在とする事により、
    上記中心ローラと上記外輪との間で両方向の回転力を伝
    達自在とした摩擦ローラ式変速機に於いて、上記環状空
    間の内側で軸方向に関して上記ウェッジローラとなる各
    中間ローラの両側に隣接する、各側毎に2個所ずつの合
    計4個所位置に、それぞれ上記中心ローラと平行に配置
    した支持軸により回転自在に、且つ、実質的に上記環状
    空間の何れの方向にも変位不能に支持され、それぞれの
    外周面を上記第一、第二の各円筒面と当接自在な第三の
    円筒面とした、合計4個の補助ガイドローラを設けた事
    を特徴とする摩擦ローラ式変速機。
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