JP2002089607A - 油圧緩衝器の減衰力発生構造 - Google Patents

油圧緩衝器の減衰力発生構造

Info

Publication number
JP2002089607A
JP2002089607A JP2000279166A JP2000279166A JP2002089607A JP 2002089607 A JP2002089607 A JP 2002089607A JP 2000279166 A JP2000279166 A JP 2000279166A JP 2000279166 A JP2000279166 A JP 2000279166A JP 2002089607 A JP2002089607 A JP 2002089607A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
auxiliary
sub
leaf
piston
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000279166A
Other languages
English (en)
Inventor
Shoichiro Matsunaga
昌一郎 松永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kayaba Industry Co Ltd filed Critical Kayaba Industry Co Ltd
Priority to JP2000279166A priority Critical patent/JP2002089607A/ja
Publication of JP2002089607A publication Critical patent/JP2002089607A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 油圧緩衝器SAの減衰力の不連続を小さくし
て、これに起因する異音の発生を抑制すること。 【解決手段】 逆止弁CVと吸い込み弁DVとをそれぞ
れピストン5とバルブケース15の上部シート面に当接
するとともに、外環側に補助ポート103Bを設けた補
助バルブ103と、補助ポートを覆孔し且つ補助バルブ
とより板厚を薄くして撓みやすくしたサブバルブ102
と、補助バルブとサブバルブの撓みの支点となる補助環
座101と、リーフバルブ3と、リーフバルブの撓みの
支点となる環座7とを順に重ねて構成し、補助環座の板
厚により補助バルブとサブバルブの外周側の撓み量を調
整することにより、これらのバルブの合成された撓み剛
性を制御し、ピストン速度の低速域では、サブバルブを
補助ポートから作用する小さい差圧で開弁させ、ピスト
ン速度の高速域では、補助ポート前後の高い差圧で補助
バルブとサブバルブの外周側を撓ませながらサブバルブ
をリーフバルブに当接させ、ピストン速度に応じて順次
補助バルブとサブバルブとリーフバルブの合成された撓
み剛性を大きくして、減衰力の不連続をなくしたこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車の懸架装置な
ど車体の振動を抑制する油圧緩衝器に関し、特に減衰力
発生構造の改良に関するものである。
【0001】
【従来の技術】この種の油圧緩衝器としては、例えば、
図3に示す従来技術のようなものが知られているが、ま
ず、その構造の概要を図面に基づいて説明する。
【0002】車体と車輪との間に結合部材を介して取付
けられる油圧緩衝器は、ピストンロッド1にピストン5
を結合して、当該ピストンに逆止弁CV及び伸側減衰弁
PVからなるピストンバルブを配設し、ピストンを摺動
自在に収容し且つ下端部に吸込み弁DV及び圧側減衰弁
BVからなるベースバルブを配設したシリンダ21を外
筒22に収容し、外気を遮断するシール24とロッドガ
イド23とを収容したパッキンケース25を外筒22の
上部から嵌挿した後、外筒22の上端部を全周溶接等に
より密封して形成されている。そして、シリンダ21と
外筒22の間にはタンク室Dが形成される。
【0003】作動油の充満したシリンダ21内をピスト
ンロッド1が上昇する際には、密閉された上部室Aの作
動油は、伸側減衰弁PVを介して下部室Bに流出し、こ
の際の通路抵抗が伸側減衰力となる。
【0004】ピストンロッド1の上昇によって不足する
ピストンロッド退出体積分の作動油は、前記シリンダ2
1の下端部に配設された吸込み弁DVを介してタンク室
Dに連なる底部室Cより下部室Bに補充される。
【0005】逆に、ピストンロッド1が下降する際に
は、密閉された下部室Bの作動油は、まず、逆止弁CV
を介して負圧となる上部室Aに補充され、この際の通路
抵抗により圧側背面減衰力を発生する。
【0006】この分を除いたピストンロッド侵入体積分
の作動油は、シリンダ21の下端部に装着された圧側減
衰弁BVを介して下部室Bよりタンク室Dに連なる底部
室Cに流出し、この際の通路抵抗により圧側ベース減衰
力を発生する。当該圧側ベース減衰力と上記圧側背面減
衰力の和が圧側減衰力なる。
【0007】つぎに、図3に示す従来技術に係わる油圧
緩衝器のピストンバルブについて説明する。ピストンロ
ッド1の下端部には上部よりも小径のインロー部1Aが
設けられ、ここに、リーフバルブ3及び切欠きリーフバ
ルブ4の最大撓みを規制するバルブストッパ2,外径が
リーフバルブ3及び切欠きリーフバルブ4からなる逆止
弁の撓みの支持径となる図4(A)に示す環座7,図4
(B)に示すリーフバルブ3,当該リーフバルブ3の下
側に重畳され外周に切欠き4Bを設けた図4(C)に示
す切欠きリーフバルブ4を順次嵌挿する。
【0008】続いて、上記逆止弁に対向するとともに外
周にピストンバンド5Fを巻着した図4(D)に示すピ
ストン5を嵌挿する。シリンダ21内を上部室Aと下部
室Bに区画するピストン5には、下部室Bに連通する外
周ポート5A及び上部室Aに連通する内周ポート5Bが
形成され、内周ポート5Bの下部には円環状の開口窓5
Eが形成されている。
【0009】上記開口窓5Eには、例えば外径が順に小
さくなるリーフバルブ6A,6B,6Cからなる伸側減
衰弁PVを対向させる。これらリーフバルブは要求され
る減衰力によっては外径が全て6Aと同一でもよい。
【0010】続いて、外径が当該リーフバルブの撓みの
支持径となる環座7,リーフバルブの最大撓みを規制す
るバルブストッパ8を順次組み付け、最後にピストンナ
ット9をインロー部1Aのねじ部に螺着し、締付け工具
により締結することによりピストンバルブが構成され
る。
【0011】作動油の充満したシリンダ21内をピスト
ンロッド1が上昇する所謂伸側行程において、ピストン
速度が小さくピストン下部の開口窓5Eと下部室B間の
圧力差が小さい所謂低速域においては、リーフバルブ6
A,6B,6Cからなる伸側減衰弁PVは、前記開口窓
5Eを覆窓している。
【0012】このため上部室Aの圧油は、逆止弁CVを
構成する切欠きリーフバルブ4の切欠き4Bを通ってピ
ストン上部の開口窓5Cに流入し、ピストンの外周ポー
ト5Aを介して下部室Bに開放され、この際の通路抵抗
により低速域の伸側減衰力を発生する。
【0013】ピストン速度が増大するに伴い切欠き4B
を通過する流量も増え、切欠き4B前後の圧力差も増大
する。ピストン速度が中速域に近づくにつれ、バルブス
トッパの通孔2A,リーフバルブの通孔3A,切欠きリ
ーフバルブの通孔4A,ピストンの内周ポート5Bを介
して上部室Aに連通するピストン下部の開口窓5Eと下
部室Bの圧力差が大きくなるので、開口窓5Eに対向し
て配設されているリーフバルブ6Aの外周側が、下側の
リーフバルブ6B,6Cとの合成された撓み剛性に打ち
勝って、開口窓5Eの外側シート面から押し開かれ、作
動油が下部室Bに流出し、この際の通路抵抗により伸側
減衰力を発生する。
【0014】ところで、外径が順に小さくなるリーフバ
ルブ6A,6B,6Cからなる伸側減衰弁は、外径が大
きいリーフバルブ6Aから開き始め、撓みの増加ととも
にリーフバルブ6Aがリーフバルブ6B,6Cを順々に
押し倒して撓み剛性が徐々に大きくなるので、切欠きリ
ーフバルブ4の切欠き4Bは必ずしも必要ではない。切
欠き4Bを設けない場合は、ピストン速度の微低速域か
らリーフバルブ6Aが開くので、伸側減衰力は、リーフ
バルブ6Aの撓み剛性によりピストン速度にほぼ比例し
てリニアに立ち上がることになる。
【0015】つぎに、ベースバルブについて説明する。
まず、ガイド11の軸部11Aに、リーフバルブ13及
び切欠きリーフバルブ14からなる吸込み弁DVの最大
撓みを規制するバルブストッパ12,外径がリーフバル
ブ13及び切欠きリーフバルブ14の撓みの支持径とな
る図4(E)に示す環座17,図4(F)に示すリーフ
バルブ13,当該リーフバルブ13の下側に重畳され外
周に切欠き14Bを設けた図4(G)に示す切欠きリー
フバルブ14を順次嵌挿し、次に、上面が上記吸込み弁
に対向する図4(H)に示すバルブケース15を嵌挿す
る。
【0016】シリンダ21の下端に嵌着され下部室Bと
底部室Cを区画するバルブケース15には、底部室Cに
連通する外周ポート15A及び下部室Bに連通する内周
ポート15Bが形成されている。
【0017】続いて、ガイド11の軸部に、上記バルブ
ケース下部の開口窓15Eに対向するとともに、外径が
順に小さくなるリーフバルブ16A,16B,16Cか
らなる圧側減衰弁BV,更に外径が当該リーフバルブの
撓みの支持径となる環座17,リーフバルブの最大撓み
を規制するバルブストッパ18を順次組み付け、最後
に、ガイド11の軸部下端を工具により加締めることに
よりベースバルブが構成される。上記リーフバルブは要
求される減衰力によっては外径が全て16Aと同一でも
よい。
【0018】作動油の充満したシリンダ21内をピスト
ンロッド1が下降する所謂圧側行程において、伸縮工程
の切り替わり時のようにピストン速度が小さく、バルブ
ケース下部の開口窓15Eと底部室C間の圧力差が小さ
い所謂低速域においては、リーフバルブ16A,16
B,16Cからなる圧側減衰弁は、前記開口窓15Eを
覆窓している。
【0019】このため上部室Aに補充される分を除いた
下部室Bの圧油は、吸い込み弁を構成する切欠きリーフ
バルブ14の切欠き14Bを介して底部室Cに開放さ
れ、この際の通路抵抗により低速域の圧側減衰力を発生
する。
【0020】ピストン速度が増大するに伴い切欠き14
Bを通過する流量も増え、切欠き14B前後の圧力差も
増大する。ピストン速度が中速域に近づくにつれ、バル
ブストッパの通孔12A,リーフバルブの通孔13A,
切欠きリーフバルブの通孔14A,バルブケースの内周
ポート15Bを介して下部室Bに連通するバルブケース
下部の開口窓15Eと底部室Cの圧力差が大きくなるの
で、開口窓15Eに対向して配設されているリーフバル
ブ16Aの外周側が、下側のリーフバルブ16B,16
Cとの合成された撓み剛性に打ち勝って、開口窓15E
の外側シート面から押し開かれ、作動油が底部室Cに流
出しこの際の通路抵抗により圧側減衰力を発生する。
【0021】逆に、ピストンロッド1が上昇する際に
は、底部室Cからバルブケースの外周ポート15Aを通
り、リーフバルブ13及び切欠きリーフバルブ14から
なる吸込み弁DVの合成された撓み剛性に打ち勝ってそ
の外周側を押し開き、ピストンロッド1の退出体積分の
作動油が下部室Bに補充される。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】ピストンバルブとベー
スバルブは構造が類似しているので、以下、ピストンバ
ルブ(ベースバルブ)の形式でまとめて説明する。
【0023】油圧緩衝器が伸長行程から収縮行程(収縮
行程から伸長行程)に切り替わる際には、切欠きリーフ
バルブ4及びリーフバルブ3からなるピストンバルブ側
の逆止弁(以下、必要に応じて逆止弁4,3と略称)
と、切欠きリーフバルブ14及びリーフバルブ13から
なるベースバルブ側の吸込み弁(以下、必要に応じて吸
込み弁14,13と略称)は、下部室Bと上部室A(底
部室Cと下部室B)間の差圧の増加に応じて滑らかに開
弁することが望ましい。
【0024】図4(D)に示すピストン5の外側シート
面Pa,中間シートPb,内側シート面Pc(図4
(H)に示すバルブケース15の外側シート面Ba,中
間シートBb,内側シート面Bc)は、内側シート面P
c(Bc)を基準にして外側シート面Pc(外側シート
面Bc)を僅かに高く(例えば、+0.010mm)し
ている。これは、油圧緩衝器の非作動時に、逆止弁4,
3(吸込み弁14,13)と対向する各シート面が内側
から外側にかけて無理なく当接して、当接部からの漏れ
を防止するとともに、油圧緩衝器の作動時には、外側か
ら順に開くようにして不規則な油圧変動を防止すること
により、油圧変動に伴う異音の発生を抑制している。
【0025】しかし、重畳して組み付けられているピス
トンバルブ側の逆止弁4,3(ベースバルブ側の吸込み
弁14,13)には、初期撓みが付加されることにな
る。この結果、逆止弁4,3(吸込み弁14,13)
は、下部室Bと上部室A(底部室Cと下部室B)間の差
圧が一定値を越えないと開弁しないので、減衰力に不連
続を生じる要因となる。
【0026】減衰力の不連続を小さくするには各シート
面の高さの差を小さくすればよいが、高さの差はもとも
と僅少に設定してあるので、下記の如く製造コストが増
大し好ましくない。すなわち、逆止弁4,3(吸込み弁
14,13)の開口面積は、外側シート面Pa(外側シ
ート面Ba)の円周長×開弁隙間で表されるが、伸縮の
切り替わり時のような低流量時においては、開口面積は
小さく開弁隙間も小さいので、各シート面の高さの差を
狭められた小さい範囲内でより厳しく管理せざるを得な
いためである。
【0027】本発明は、以上のような実情に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは、各シート面
の高さの差を厳しく管理しなくても、減衰力の不連続を
小さくして、減衰力の不連続に起因する異音の発生を抑
制することのできる油圧緩衝器を提供することである。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明は、シリンダ内に
シリンダと摺動するピストンを介して上部室と下部室と
を区画するとともに、シリンダの下部に設けたバルブケ
ースを介して上記下部室とタンク室に連通する底部室と
を区画し、ピストンに配設した逆止弁と伸側減衰弁とに
より、ピストンロッドが伸長する際の伸側減衰力を制御
し、バルブケースに配設した吸い込み弁と圧側減衰弁と
により、ピストンロッドが下降する際の圧側減衰力を制
御する油圧緩衝器を前提とするものである。
【0029】課題を解決するため本発明の採った手段
は、上記逆止弁と吸い込み弁とをそれぞれピストンとバ
ルブケースの上部シート面に当接するとともに、外環側
に補助ポートを設けた補助バルブと、補助バルブ上に重
ねて上記補助ポートを覆孔し且つ補助バルブとより板厚
を薄くして撓みやすくしたサブバルブと、サブバルブの
基端側上面に重ねて補助バルブとサブバルブの撓みの支
点となる補助環座と、補助環座上に重ねたリーフバルブ
と、リーフバルブの基端側上面に重ねてリーフバルブの
撓みの支点となる環座とで構成し、補助環座の板厚によ
り補助バルブとサブバルブの外周側の撓み量を調整する
ことにより、補助バルブとサブバルブとリーフバルブの
合成された撓み剛性を制御し、ピストン速度の低速域で
は、サブバルブを上記補助ポートから作用する小さい差
圧で開弁させ、ピストン速度の高速域では、補助ポート
前後の高い差圧で補助バルブとサブバルブの外周側を撓
ませながらサブバルブをリーフバルブに当接させ、ピス
トン速度に応じて順次補助バルブとサブバルブとリーフ
バルブの合成された撓み剛性を大きくして、減衰力の不
連続をなくしたことである。
【0030】上記補助バルブの外環に切欠きを設けれ
ば、ピストン速度の低速域における減衰力をより自由に
設定することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明に係わる油圧緩衝器は、図
3に示す従来技術と同じ基本構造を備え、ピストンロッ
ド1がその下端部に装着されたピストン5を介して、シ
リンダ21内に摺動自在に挿入されるとともに、上部室
Aと下部室Bを区画する。また、シリンダ21の下端部
にはバルブケース15が嵌着され、同じく下部室Bと底
部室Cを区画している。
【0032】まず、本発明に係わる油圧緩衝器の実施形
態を図1及び図2に基づいて説明する。従来技術と同一
部分には同一の符号を用い、特に必要のない部分につい
ては説明を省略する。
【0033】図1に示す本発明の実施例と従来技術との
相違は、ピストン5の上面に当接する図2(D)に示す
補助バルブ103の外環103Bに補助ポート103C
を設ける一方、図2(C)に示すサブバルブ102の外
環102Bが上記補助ポート103Cを覆孔するよう補
助バルブ103に重畳したものである。
【0034】補助バルブ103の窓103Aとサブバル
ブ102の窓102Aは互いに連通するとともに、外周
がサブバルブ102の撓みの支持径となる図2(B)に
示す補助環座101の外周側の隙間を介して上部室Aに
連通している。
【0035】この実施例では、補助バルブ103には補
助ポート103Cのみを設け、切欠きは設けない場合を
例示している。補助ポート103Cは、ピストン速度が
低速域の小流量を通過させればよいので、小さな開口面
積でよい。要求される減衰力によっては、補助バルブの
外環103Bに図2(H)に例示する113Dのような
切欠きを設けてもよい。
【0036】伸側減衰力の発生時に上部室Aと下部室B
間の差圧に耐えなければならない補助バルブ103は、
差圧に耐え得る板厚を必要とするため撓み剛性も大きい
が、サブバルブ102には補助バルブの補助ポート10
3Cの部分の差圧にのみ耐えればよいので、板厚を薄く
して撓み剛性を小さくすることができる。更にサブバル
ブ102は、外環102Bとの結合部102Cを1箇所
にして外環102Bを撓みやすくして、作動油が下部室
Bから上部室A側に還流する際の開弁圧力を小さくして
いる。
【0037】ピストンロッド1が伸長行程から収縮行程
に切り替わる際には、バルブケース15の内側シート面
から外側シート面にかけて付けられた階段状の僅かな段
差により初期撓みを与えられたベースバルブ側の図2
(G)に示すサブバルブ112が、図2(H)に示す補
助バルブ113の補助ポート113Cを直ちに覆孔し
て、サブバルブ112と補助バルブ113からなる吸込
み弁を閉じる。
【0038】この場合、下部室Bの作動油は、逆止弁C
Vを構成する補助バルブ103の補助ポート103Cを
介して、撓み剛性を小さく設定したサブバルブ102を
押し開き小さい開弁圧力で上部室Aに還流するので、逆
止弁がスムーズに開弁するため減衰力の不連続をなくす
ることができる。
【0039】ピストン速度が増大すると補助ポート10
3Cの通路抵抗が増え、補助バルブ103の外周側がシ
ート面から押し開かれ、増加する下部室からの流量を上
部室Aに還流させる。
【0040】ピストン速度が更に増大して通過流量が増
加すると、補助バルブ103の外周側の撓みが増加する
ので、補助バルブ103の上側に重畳されているサブバ
ルブ102の外周側が図2(A)に示すリーフバルブ3
に当接し、補助バルブ103,サブバルブ102,リー
フバルブ3からなる逆止弁CVの合成された撓み剛性は
大きくなる。
【0041】補助バルブ103及びサブバルブ102の
外周側がリーフバルブ3に当接する撓み量は、補助環座
101の厚さにより制御できるので、補助環座101の
厚さを適当に選定することによって、逆止弁の合成され
た撓み剛性を設定できることになる。
【0042】すなわち、ピストン速度の低速域では、補
助バルブ103,サブバルブ102,リーフバルブ3か
らなる本発明の逆止弁CVは、まず撓み剛性の小さいサ
ブバルブ102を押し開いてスムーズに開弁し、ピスト
ン速度の増大とともに補助バルブ103が次に開弁す
る。
【0043】ピストン速度が更に増大すると、補助バル
ブ103とサブバルブ102の外周側がリーフバルブ3
に当接してこれを押し倒すため、撓み剛性が順々に大き
くなり、作動油が通過する際の通路抵抗に基ずく背面減
衰力も緩やかに増加するので、減衰力の不連続に起因す
る異音の発生を抑制することができるのである。
【0044】以上、ピストンロッド1が伸長行程から収
縮行程に切り替わる際の作動を説明したが、逆に、ピス
トンロッド1が収縮行程から伸長行程に切り替わる際に
は、ピストン5の内側シート面から外側シート面にかけ
て付けられた階段状の僅かな段差により初期撓みを与え
られたサブバルブ102が、補助バルブ103の補助ポ
ート103Cを直ちに覆孔して逆止弁CVを閉塞する。
【0045】この場合、底部室Cの作動油は、吸込み弁
DVを構成する補助バルブ113の補助ポート113C
を介して、撓み剛性の小さいサブバルブ112を押し開
き小さい開弁圧力で下部室Bに補給されるので、減衰力
の不連続をなくすることができる。この結果、ピストン
速度が低速域の減衰力の不連続に起因する異音の発生を
抑制することができるのである。
【0046】この実施例では、補助バルブ113には補
助ポート113Cに加えて、ピストン速度が低速域の圧
側減衰力を制御する切欠き113Dを設けた場合を例示
しているが、この切欠き113Dを設けることにより圧
側減衰力の設定の自由度が増大する。
【0047】
【発明の効果】以下、ピストンバルブ側の逆止弁とベー
スバルブ側の吸込み弁は構造が類似しているので、以
下、発明の効果をまとめて説明する。ピストンロッドが
伸長行程から収縮行程(収縮行程から伸長行程)に切り
替わる際には、バルブケース(ピストン)の内側シート
面から外側シート面にかけて付けられた階段状の僅かな
段差により初期撓みを与えられたベースバルブ側(ピス
トンバルブ側)のサブバルブが、補助バルブの補助ポー
トを直ちに覆孔して、サブバルブと補助バルブからなる
吸込み弁(逆止弁)を閉塞する。
【0048】この場合、下部室(上部室)の作動油は、
逆止弁側の補助ポートを介して撓み剛性が小さいサブバ
ルブを押し開き小さい開弁圧力で上部室(下部室)に還
流するので、減衰力の不連続をなくすることができる。
この結果、ピストン速度が低速域の圧側減衰力の不連続
に起因する異音の発生を抑制することができるのであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる油圧緩衝器の要部断面図であ
る。
【図2】(A)本発明の逆止弁を構成するリーフバルブ
の平面図である。 (B)本発明の逆止弁を構成する補助環座の平面図であ
る。 (C)本発明の逆止弁を構成するサブバルブの平面図で
ある。 (D)本発明の逆止弁を構成する補助バルブの平面図で
ある。 (E)本発明の吸込み弁を構成するリーフバルブの平面
図である。 (F)本発明の吸込み弁を構成する補助環座の平面図で
ある。 (G)本発明の吸込み弁を構成するサブバルブの平面図
である。 (H),(K)本発明の吸込み弁を構成する補助バルブ
の平面図である。
【図3】従来技術に係る油圧緩衝器の縦断面図である。
【図4】(A)従来技術の逆止弁に係わる環座の平面図
である。 (B)従来技術の逆止弁を構成するリーフバルブの平面
図である。 (C)従来技術の逆止弁を構成する切欠きリーフバルブ
の平面図である。 (D)ピストンの断面図である。 (E)従来技術の吸込み弁に係わる環座の平面図であ
る。 (F)従来技術の吸込み弁を構成するリーフバルブの平
面図である。 (G)従来技術の吸込み弁を構成する切欠きリーフバル
ブの平面図である。 (D)バルブケースの断面図である。
【符号の説明】
A 上部室 B 下部室 C 底部室 D タンク室 BV 圧側減衰弁 CV 逆止弁 DV 吸込み弁 PV 伸側減衰弁 1 ピストンロッド 5 ピストン 7,17 環座 15 バルブケース 21 シリンダ 101,111 補助環座 102,112 サブバルブ 103,113 補助バルブ 102B,112B サブバルブの外環 103B,113B 補助バルブの外環 103C,113C 補助ポート

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ内にシリンダと摺動するピスト
    ンを介して上部室と下部室とを区画するとともに、シリ
    ンダの下部に設けたバルブケースを介して上記下部室と
    タンク室に連通する底部室とを区画し、ピストンに配設
    した逆止弁と伸側減衰弁とにより、ピストンロッドが伸
    長する際の伸側減衰力を制御し、バルブケースに配設し
    た吸い込み弁と圧側減衰弁とにより、ピストンロッドが
    下降する際の圧側減衰力を制御する油圧緩衝器におい
    て、上記逆止弁と吸い込み弁とをそれぞれピストンとバ
    ルブケースの上部シート面に当接するとともに、外環側
    に補助ポートを設けた補助バルブと、補助バルブ上に重
    ねて上記補助ポートを覆孔し且つ補助バルブとより板厚
    を薄くして撓みやすくしたサブバルブと、サブバルブの
    基端側上面に重ねて補助バルブとサブバルブの撓みの支
    点となる補助環座と、補助環座上に重ねたリーフバルブ
    と、リーフバルブの基端側上面に重ねてリーフバルブの
    撓みの支点となる環座とで構成し、補助環座の板厚によ
    り補助バルブとサブバルブの外周側の撓み量を調整する
    ことにより、補助バルブとサブバルブとリーフバルブの
    合成された撓み剛性を制御し、ピストン速度の低速域で
    は、サブバルブを上記補助ポートから作用する小さい差
    圧で開弁させ、ピストン速度の高速域では、補助ポート
    前後の高い差圧で補助バルブとサブバルブの外周側を撓
    ませながらサブバルブをリーフバルブに当接させ、ピス
    トン速度に応じて順次補助バルブとサブバルブとリーフ
    バルブの合成された撓み剛性を大きくして、減衰力の不
    連続をなくしたことを特徴とする油圧緩衝器の減衰力発
    生構造。
  2. 【請求項2】 補助バルブの外環に切欠きを設けたこと
    を特徴とする請求項1に記載の油圧緩衝器の減衰力発生
    構造。
JP2000279166A 2000-09-14 2000-09-14 油圧緩衝器の減衰力発生構造 Pending JP2002089607A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000279166A JP2002089607A (ja) 2000-09-14 2000-09-14 油圧緩衝器の減衰力発生構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000279166A JP2002089607A (ja) 2000-09-14 2000-09-14 油圧緩衝器の減衰力発生構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002089607A true JP2002089607A (ja) 2002-03-27

Family

ID=18764214

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000279166A Pending JP2002089607A (ja) 2000-09-14 2000-09-14 油圧緩衝器の減衰力発生構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002089607A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008064225A (ja) * 2006-09-08 2008-03-21 Kayaba Ind Co Ltd 減衰バルブ構造
JP2008064224A (ja) * 2006-09-08 2008-03-21 Kayaba Ind Co Ltd 減衰バルブ構造
US8053058B2 (en) 2005-09-08 2011-11-08 Tocalo Co., Ltd. Spray-coated member having an excellent resistance to plasma erosion and method of producing the same
CN111457048A (zh) * 2020-05-19 2020-07-28 广州多耐减震科技有限公司 一种减震器的自适应液压缓冲器

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8053058B2 (en) 2005-09-08 2011-11-08 Tocalo Co., Ltd. Spray-coated member having an excellent resistance to plasma erosion and method of producing the same
JP2008064225A (ja) * 2006-09-08 2008-03-21 Kayaba Ind Co Ltd 減衰バルブ構造
JP2008064224A (ja) * 2006-09-08 2008-03-21 Kayaba Ind Co Ltd 減衰バルブ構造
CN111457048A (zh) * 2020-05-19 2020-07-28 广州多耐减震科技有限公司 一种减震器的自适应液压缓冲器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10203016B2 (en) Shock absorber
JPH09236147A (ja) 減衰力調整式油圧緩衝器
JP2006010069A (ja) 油圧緩衝器
EP2028391B1 (en) Device and application involving two parts working away from and towards each other and energy absorbing device
JPH10132012A (ja) 油圧ダンパ用フロート弁付きピストン
JP4453000B2 (ja) 油圧緩衝器
JP2002089607A (ja) 油圧緩衝器の減衰力発生構造
JP4356016B2 (ja) 油圧緩衝器
JPH1073141A (ja) 減衰力調整式油圧緩衝器
JP2004257507A (ja) 油圧緩衝器
JP2002195335A (ja) 油圧緩衝器のバルブ構造
WO2021192779A1 (ja) 緩衝器
JP2002206584A (ja) 油圧緩衝器のバルブ構造
JP2002168280A (ja) 油圧緩衝器のバルブ構造
JP2002139090A (ja) 油圧緩衝器のバルブ構造
JP4564675B2 (ja) 油圧緩衝器のバルブ構造
JP4898607B2 (ja) 空圧緩衝器のバルブ構造
JP3191229B2 (ja) 減衰バルブ
JP2001059539A (ja) 油圧緩衝器の減衰力発生構造
JPH08177932A (ja) 油圧緩衝器
JP5848636B2 (ja) 減衰バルブおよび緩衝器
JP2006183775A (ja) 油圧緩衝器
JP4564676B2 (ja) 油圧緩衝器のピストン又はバルブケース
JP2002195336A (ja) 油圧緩衝器のバルブ構造
JP2607428Y2 (ja) 油圧緩衝器