JP2002139090A - 油圧緩衝器のバルブ構造 - Google Patents

油圧緩衝器のバルブ構造

Info

Publication number
JP2002139090A
JP2002139090A JP2000332326A JP2000332326A JP2002139090A JP 2002139090 A JP2002139090 A JP 2002139090A JP 2000332326 A JP2000332326 A JP 2000332326A JP 2000332326 A JP2000332326 A JP 2000332326A JP 2002139090 A JP2002139090 A JP 2002139090A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
chamber
suction valve
window frame
suction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000332326A
Other languages
English (en)
Inventor
Shusaku Nogami
修作 野上
Taiga Nakagawa
大雅 中川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kayaba Industry Co Ltd filed Critical Kayaba Industry Co Ltd
Priority to JP2000332326A priority Critical patent/JP2002139090A/ja
Publication of JP2002139090A publication Critical patent/JP2002139090A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 撓み剛性を小さくすることなしに吸込み弁D
Vを滑らかに開弁させ、減衰力の不連続に起因する油圧
緩衝器の異音の発生を抑制すること。 【解決手段】 シリンダ21内をピストンロッド1に締
結されたピストン5を介して上部室Aと下部室Bとを区
画するとともに、シリンダの下部に設けたバルブケース
115を介して下部室とタンク室Dに連通する底部室C
とを区画し、バルブケースの上側開口窓115Dに対向
させた吸込み弁DVと下側開口窓115Cに対向させた
圧側減衰弁BVとにより、ピストンロッドが下降する際
の圧側減衰力を制御する油圧緩衝器において、吸込み弁
が当接するバルブケースの上面側に、内周側に形成され
た上側ボス部115Eと、上側ボス部の上端面に連なり
当該上側ボス部の外周側に半径方向に伸びる放射状窓枠
115Kと、放射状窓枠に連なる円弧状の弧状窓枠11
5Jとによって包囲された複数の扇形の上側開口窓11
5Dを隔設し、上側開口窓の弧状窓枠の吸込み弁に対す
る接触長さを短縮することにより、収縮行程から伸長行
程に切り替わる際の吸込み弁の開弁圧力を低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車の懸架装置な
ど車体の振動を抑制する油圧緩衝器に関し、特に減衰力
発生構造の改良に関するものである。
【0001】
【従来の技術】この種の油圧緩衝器としては、例えば図
3に示すようなものが知られている。まず構造の概要を
図面に基づいて説明する。油圧緩衝器を車両に取り付け
た状態では図3と上下関係が同じであるので、以下、図
3の上下関係で部材の位置或いは部位を説明する。
【0002】車体と車輪との間に結合部材を介して取付
けられる油圧緩衝器は、車体側に取り付けられるピスト
ンロッド1にピストン5と伸側減衰力を制御するピスト
ンバルブを組み付けそれを摺動自在に収容するととも
に、下端部に圧側減衰力を制御するベースバルブを装着
したシリンダ21を車輪側に取り付けられる外筒22に
収容し、外気を遮断するシール24とロッドガイド23
とを収容したパッキンケース25を外筒22の上部から
嵌挿した後、外筒22の上端部を全周溶接等により密封
して形成されている。そして、シリンダ21と外筒22
の間にはタンク室Dが形成される。
【0003】作動油の充満したシリンダ21内をピスト
ンロッド1が上昇する際には、密閉された上部室Aの作
動油は、ピストンバルブを介して下部室Bに流出し、こ
の際の通路抵抗が伸側減衰力となる。ピストンロッド1
の上昇によって不足するピストンロッド退出体積分の作
動油は、前記シリンダ21の下端部に配設されたベース
バルブを介してタンク室Dに連なる底部室Cより補充さ
れる。
【0004】つぎに、伸側減衰力を制御するピストンバ
ルブについて説明する。
【0005】ピストンロッド1の下端部には上部よりも
小径のインロー部1Aが設けられ、ここにリーフバルブ
3と切欠きリーフバルブ4からなる逆止弁CVの最大撓
みを規制するバルブストッパ2,外端が逆止弁CVの撓
みの支持径となる環座7,リーフバルブ3,当該リーフ
バルブ3の下側に重畳され外周に切欠き4Aを設けた切
欠きリーフバルブ4,上面が切欠きリーフバルブ4に対
向するピストン5を順次嵌挿する。
【0006】シリンダ21内を上部室Aと下部室Bに区
画し外周にガイド5Sを巻着したピストン5には、上部
室Aに連通する円環状の上側開口窓5Dと円環状の下側
開口窓5Cとを連通する内周ポート5Bが穿孔されると
ともに、下部室Bと円環状の外側開口窓5Eとを連通す
る外周ポート5Aが穿孔されている。
【0007】続いて、下側開口窓5Cに対向するリーフ
バルブ6からなる伸側減衰弁PV,外端が伸側減衰弁P
Vの撓みの支持径となる環座7,伸側減衰弁PVの最大
撓みを規制するバルブストッパ8を順次組み付け、最後
にピストンナット9をインロー部1Aのねじ部に螺着
し、締付け工具により締結することによりピストンバル
ブが構成される。
【0008】作動油の充満したシリンダ21内をピスト
ンロッド1が上昇する所謂伸長工程において、ピストン
速度が小さくピストン5の下側開口窓5Cと下部室B間
の圧力差が小さい所謂低速域においては、伸側減衰弁P
Vは下側開口窓5Cを覆窓している。このため上部室A
の圧油は、切欠きリーフバルブ4の切欠き4Aを通り、
ピストン5の外側開口窓5E及び外周ポート5Aを介し
て下部室Bに流出し、この際の通路抵抗により、ピスト
ン速度のほぼ2乗に比例する低速域の伸側減衰力を発生
する。
【0009】ピストン速度が増大するのに伴い、切欠き
リーフバルブ4の切欠き4Aを通過する流量が増え切欠
き前後の圧力差が増大するとともに、内周ポート5Bを
介して上部室Aに連通するピストン5の下側開口窓5C
と下部室B間の圧力差も大きくなる。
【0010】ピストン速度が中速域に近づくにつれ、下
側開口窓5Cに対向して配設されている伸側減衰弁PV
の外周側が、その合成された撓み剛性に打ち勝って、下
側開口窓5Cの外側シート部から押し開かれ、作動油が
下部室Bに流出し、この際の通路抵抗と内周ポート5B
の通路抵抗とにより中速域以降の伸側減衰力を発生す
る。リーフバルブ6からなる伸側減衰弁PVの撓み剛性
と内周ポート5Bの通路面積を適当に選択することによ
り、所要の減衰力特性を得ることができる。
【0011】つぎに、圧側減衰力を制御するベースバル
ブについて説明する。まず、ガイド11の軸部11A
に、外端がリーフバルブ13と切欠きリーフバルブ14
からなる吸込み弁DVの撓みの支持部となる環座17,
リーフバルブ13,当該リーフバルブ13の下側に重畳
され外周に切欠き14Aを設けた切欠きリーフバルブ1
4,上面が切欠きリーフバルブ14に対向するバルブケ
ース15を順次嵌挿する。
【0012】シリンダ21の下端部に嵌着され下部室B
と底部室Cとを区画するバルブケース15には、下部室
Bに連通する円環状の上側開口窓15Dと円環状の下側
開口窓15Cとを連通する内周ポート15Bが穿孔され
るとともに、底部室Cと円環状の外側開口窓15Eとを
連通する外周ポート15Aが穿孔されている。
【0013】続いて、ガイド11の軸部11Aに、上記
バルブケース15の下側開口窓15Cに対向するリーフ
バルブ16からなる圧側減衰弁BV,更に、外端が圧側
減衰弁BVの撓みの支持径となる環座17,圧側減衰弁
BVの最大撓みを規制するバルブストッパ18を順次組
み付け、最後に、ガイド11の軸部11Aの下端部を工
具により加締めることによりベースバルブが構成され
る。
【0014】作動油の充満したシリンダ21内をピスト
ンロッド1が下降する所謂収縮工程において、ピストン
速度が小さくバルブケース15の下側開口窓15Cと底
部室C間の圧力差が小さい所謂低速域においては、圧側
減衰弁BVは下側開口窓15Cを覆窓している。このた
めピストン5を介して容積の拡大する上部室Aに補充さ
れる分を除いた下部室Bの圧油は、切欠きリーフバルブ
14の切欠き14A,バルブケース15の外側開口窓1
5E,外周ポート15Aを介して底部室Cに開放され、
この際の通路抵抗により、ピストン速度のほぼ2乗に比
例する低速域の圧側ベース減衰力を発生する。
【0015】ここで、ピストン5を介して容積の拡大す
る上部室Aに補充される下部室Bの圧油は、ピストン速
度が小さくピストン5の外側開口窓5Eと上部室A間の
圧力差が小さい所謂低速域においては、リーフバルブ3
と切欠きリーフバルブ4からなる逆止弁CVは外側開口
窓5Eを覆窓している。このため、下部室Bの圧油はピ
ストン5の外周ポート5Aを通り、切欠きリーフバルブ
4の切欠き4Aを介して上部室Aに流出し、この際の通
路抵抗により、ピストン速度のほぼ2乗に比例する低速
域の圧側背面減衰力を発生する。当該圧側背面減衰力を
上記圧側ベース減衰力に付加したものが低速域の圧側減
衰力となる。
【0016】ピストン速度が増大するのに伴い、切欠き
14Aを通過する流量が増え切欠き前後の圧力差が増大
するとともに、リーフバルブ13の通孔13A,当該通
孔13Aと連通する切欠きリーフバルブ14の開口部1
4B,バルブケース15の上側開口窓15D,内周ポー
ト15Bを介して下部室Bに連通するバルブケース15
の下側開口窓15Cと、底部室C間との圧力差も大きく
なる。
【0017】このため、ピストン速度が中速域に近づく
につれ、下側開口窓15Cに対向して配設されているリ
ーフバルブ16からなる圧側減衰弁BVの外周側が、そ
の合成された撓み剛性に打ち勝って下側開口窓15Cの
外側シート部から押し開かれ、作動油が底部室Cに流出
し、この際の通路抵抗と内周ポート15Bの通路抵抗と
により中速域以降の圧側ベース減衰力を発生する。
【0018】ここで、容積の拡大する上部室Aには、ピ
ストン5の外周ポート5Aを通り、リーフバルブ3と切
欠きリーフバルブ4からなる逆止弁CVの合成された撓
み剛性に打ち勝って、逆止弁CVが外側開口窓5Eの外
側シート部5Fから押し開かれ、下部室Bから作動油が
補充され、この際の通路抵抗により中速域以降の圧側背
面減衰力を発生する。当該圧側背面減衰力を上記圧側ベ
ース減衰力に付加したものが中速域以降の圧側減衰力と
なる。
【0019】逆に、ピストンロッド1が上昇する際に
は、底部室Cからバルブケース15の外周ポート15A
を通り、リーフバルブ13と切欠きリーフバルブ14か
らなる吸込み弁DVの撓み剛性に打ち勝って、吸込み弁
DVが外側開口窓15Eの外側シート部15Fから押し
開かれ、ピストンロッド1の退出体積分の作動油が下部
室Bに補充される。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】油圧緩衝器が伸長行程
から収縮行程に切り替わる際には、下部室Bの圧力が圧
側減衰力によって増大するので、逆止弁CVは下部室B
と圧力が減少する上部室A間の差圧によって速やかに開
弁するとともに、吸込み弁DVは、圧力が増大する下部
室Bと底部室C間の差圧によって速やかに閉弁する。一
方、収縮行程から伸長行程に切り替わる際には、上部室
Aの圧力が伸側減衰力によって速やかに増大するので、
逆止弁CVは上部室Aと下部室B間の差圧によって速や
かに閉弁する。しかし、底部室Cの圧力はタンク室D内
に封入されたガスの圧力(標準型:1bar,低圧ガス
型:3bar)と同一で、底部室Cと下部室B間の差圧
は上記封入ガス圧を越えることができないので、この小
さな差圧で吸込み弁DVを遅滞なく滑らかに開弁させる
ことは難しい。
【0021】このため収縮行程から伸長行程に切り替わ
る際に、ピストン速度の低速域においては下部室Bへの
吸い込み不足を生じ、下部室Bの圧力が一時的に低下す
るので、ピストンロッドにはピストンバルブ側で発生す
る本来の伸側減衰力に、上記下部室Bの圧力低下に起因
する下部室B側への吸引力が加わるため、図5のL部で
示すように、伸側減衰力の立ち上がり勾配が急になり、
減衰力の不連続を生じてしまう。
【0022】吸込み弁DVを滑らかに開弁させる方法と
しては、その撓み剛性を小さくするか、或いは、外側開
口窓15Eの受圧面積を増加することが考えられるが、
吸込み弁DVは収縮行程時の圧側減衰力に対応する下部
室Bの圧力に耐える必要があるため、撓み剛性の低減に
は限界がある。一方、外側開口窓15Eの受圧面積の増
加にはスペース上の制約がある。
【0023】吸込み弁DVの開弁圧力は、上記吸込み弁
自身の撓み剛性と、上側開口窓15Kを形成する環状の
外周シート部15F及び中間シート部15Gからなる2
条のシート部と吸込み弁DVとの当接面の吸着力によっ
て決まることが知られている。底部室Cと下部室B間の
差圧は、タンク室D内に封入されたガスの封入ガス圧を
越えることができないので、小さな差圧で作動しなけれ
ばならない吸込み弁DVの開弁圧力に占める吸着力の影
響は大きい。
【0024】ここで上記吸込み弁DVは、内周側が固定
されており外周側から徐々に開弁するので、吸込み弁D
Vの開弁圧力に占める吸着力の大きさは、まず外周シー
ト部15F、次に中間シート部15Gの順になる。本発
明は以上のような実情に鑑みてなされたものであり、そ
の目的とするところは、撓み剛性を小さくすることなし
に吸込み弁DVを遅滞なく滑らかに開弁させ、減衰力の
不連続に起因する異音の発生を抑制することのできる油
圧緩衝器を提供することである。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明は、シリンダ内を
ピストンロッドに締結されたピストン5を介して上部室
と下部室とを区画するとともに、シリンダの下部に設け
たバルブケースを介して下部室とタンク室に連通する底
部室とを区画し、バルブケース15の外側開口窓に対向
させた吸込み弁と下側開口窓に対向させた圧側減衰弁と
により、ピストンロッドが下降する際の圧側減衰力を制
御する油圧緩衝器を前提とする。
【0026】課題を解決するため本発明の採った手段
は、上記吸込み弁が当接するバルブケースの上面側に、
内周側に形成された上側ボス部と、上側ボス部の上端面
に連なり当該上側ボス部の外周側に半径方向に伸びる放
射状窓枠と、当該放射状窓枠に連なる円弧状の弧状窓枠
とによって包囲された複数の扇形の上側開口窓を隔設
し、当該上側開口窓の弧状窓枠の吸込み弁に対する接触
長さを短縮することにより、収縮行程から伸長行程に切
り替わる際の吸込み弁の開弁圧力を低減することであ
る。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明に係わる油圧緩衝器は、図
3の従来技術と同じ基本構造を備え、ピストンロッド1
がその下端部に装着されたピストン5を介して、シリン
ダ21内に移動自在に挿入されるとともに、上部室Aと
下部室Bを区画する。また、シリンダ21の下端部には
バルブケース115が嵌着され、同じく下部室Bとタン
ク室Dに連通する底部室Cを区画している。
【0028】本発明は、吸込み弁DVの吸着力を低減す
る構造に関するものである。まず、本発明の第1実施形
態を、図1に示す要部断面図及び図2に示すバルブケー
ス115の上面図に基づいて説明する。ベースバルブの
特徴は、バルブケース115の上面側に、上側ボス部1
15Eと、上側ボス部115Eの上端面に連なり当該上
側ボス部の外周側に半径方向に伸びる放射状窓枠115
Kと、当該放射状窓枠に連なる円弧状の弧状窓枠115
Jとによって包囲された複数(n=2,3,4…)の扇
形の上側開口窓115Dを隔設したことである。
【0029】ここで、圧側減衰力を制御する本発明に係
わるベースバルブについて説明する。まず、ガイド11
の軸部11Aに、外端がリーフバルブ113からなる吸
込み弁DVの撓みの支持部となる環座17,吸込み弁D
V,上端面が吸込み弁DVに対向するバルブケース11
5を順次嵌挿する。リーフバルブ113は必要に応じて
複数枚重ねて使用する。
【0030】シリンダ21の下端部に嵌着され下部室B
と底部室Cとを区画するバルブケース115には、吸込
み弁DVが当接する円環状の上側開口窓115Dを底部
室Cに連通する外周ポート115Aが穿孔されるととも
に、下部室Bに連通する上面側のU字状の凹部通路11
5Lを下側開口窓115Cに連通する内周ポート15B
が穿孔されている。
【0031】続いて、ガイド11の軸部11Aに、上記
バルブケース115の下側開口窓115Cに対向し外周
側に切欠き114Aを設けた切欠きリーフバルブ114
とリーフバルブ16からなる圧側減衰弁BV,更に、外
端が圧側減衰弁BVの撓みの支持径となる環座17,圧
側減衰弁BVの最大撓みを規制するバルブストッパ18
を順次組み付け、最後に、ガイド11の軸部11Aの下
端部を工具により加締めることによりベースバルブが構
成される。ベースバルブの作動及び減衰力の発生につい
ては、前記従来技術とほぼ同様であるので詳しい説明は
省略する。
【0032】前述したように、吸込み弁DVに対する吸
着力の影響は外周側ほど大きいので、従来構造の内外2
条の環状シート部(図3の外周シート部15F及び中間
シート部15G)に対して、本発明に係わる扇形の上側
開口窓115Dを、例えば図2に示すように4個設けた
実施例においては、弧状窓枠115Jの周長の和を、上
記従来構造の外周シート部15Fに対してほぼ半減
(0.5倍)させることができる。吸着力は円周方向の
当接長さにほぼ比例するので、従来構造の外周シート部
15Fの吸着力をQとした場合、従来構造の外周シート
部15Fと本発明に係わる弧状窓枠115Jが同径であ
るとすれば、弧状窓枠115Jの合計した吸着力は0.
5Qとなることを意味する。
【0033】本発明では吸着力に対する影響が小さいと
は言え従来構造にはない放射状窓枠115Kが追加され
ている。吸込み弁DVは同心円状の弧状窓枠115Jか
らは一気に離脱するのに対して、放射状窓枠115Kか
らは外周側より徐々に剥離されるので、本発明の放射状
窓枠115Kの吸着力は、従来構造の外周シート部15
Fの吸着力Qの0.1倍程度になることから、本発明の
第1実施形態に係わる吸込み弁の吸着力Vaは、Va=
(0.5+0.1)Qとなる。
【0034】一方、従来構造において外周シート部15
Fの周長を基準にして中間シート部15Gの周長が短い
(実施例では約0.8倍)ことから、従来構造の吸込み
弁に対向するシート部の接触長さに起因する吸着力は、
従来構造の外周シート部15Fの吸着力をQとして、V
c=(1+0.8)Qとなる。従って、本発明の第1実
施形態に係わる扇形の上側開口窓115Dに対する吸込
み弁DVの吸着力Vaは、従来構造の内外2条の環状シ
ート部からなる上側開口窓15Kに対する吸込み弁の吸
着力Vcに比べて、Va/Vc=(0.5+0.1)Q
/(1+0.8)Q=1/3に低減することができる。
【0035】更に、本発明に係わる扇形の上側開口窓1
15Dは、吸着力の低減は多少犠牲になるが、扇形の円
周方向の巾を拡げ受圧面積を大きくする第2実施形態の
方法によって開弁圧力を下げることも可能である。例え
ば弧状窓枠115Jの周長の和を、上記従来構造の外周
シート部15Fに対して2割減(0.8倍)に設計した
場合は、吸込み弁DVに対向する第2実施形態のシート
部の接触長さに起因する吸着力Vbは、前記第1実施形
態と同様な考察から、Vb=(0.8+0.1)Qとな
る。
【0036】従って、上記第2実施形態に係わる扇形の
上側開口窓に対する吸込み弁DVの吸着力Vbは、従来
構造の内外2条の環状シート部からなる上側開口窓15
Kに対する吸込み弁の吸着力Vcに比べて、Vb/Vc
=(0.8+0.1)Q/(1+0.8)Q=1/2に
低減することができる。この第2実施形態の方法による
場合は、上側開口窓115Dの受圧面積の増加による開
弁圧力の低減効果と、吸込み弁DVに対向する弧状窓枠
の接触長さに起因する吸着力の低減効果とを算出し、そ
の和が最大になるように設計すればよい。
【0037】以上詳述したように、本発明では吸込み弁
DVに対向するシート部の接触長さに起因する吸着力を
低減することができるので、吸込み弁DVの開弁圧力が
小さくなり、図4に示すように、収縮行程から伸長行程
に切り替わる際の減衰力の不連続がほぼ解消され、減衰
力の不連続に起因する異音の発生を抑制することができ
る。
【0038】
【発明の効果】以上詳述した通り本発明によれば、吸込
み弁に対向するシート部の接触長さに起因する吸着力を
低減することができるので、吸込み弁の開弁圧力が小さ
くなり、収縮行程から伸長行程に切り替わる際の減衰力
の不連続がほぼ解消され、減衰力の不連続に起因する異
音の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる油圧緩衝器の要部断面図であ
る。
【図2】本発明に係わるバルブケース15の上面図であ
る。
【図3】従来技術に係る油圧緩衝器の縦断面図である。
【図4】本発明に係わる油圧緩衝器の減衰力特性の一例
である。
【図5】従来技術に係る油圧緩衝器の減衰力特性の一例
である。
【符号の説明】
A 上部室 B 下部室 C 底部室 D タンク室 BV 圧側減衰弁 DV 吸込み弁 1 ピストンロッド 5 ピストン 21 シリンダ 115 バルブケース 115C 下側開口窓 115D 上側開口窓 115E 上側ボス部 115K 放射状窓枠 115J 弧状窓枠

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ内をピストンロッドに締結され
    たピストンを介して上部室と下部室とを区画するととも
    に、シリンダの下部に設けたバルブケースを介して下部
    室とタンク室に連通する底部室とを区画し、バルブケー
    スの上側開口窓に対向させた吸込み弁と下側開口窓に対
    向させた圧側減衰弁とにより、ピストンロッドが下降す
    る際の圧側減衰力を制御する油圧緩衝器において、上記
    吸込み弁が当接するバルブケースの上面側に、内周側に
    形成された上側ボス部と、上側ボス部の上端面に連なり
    当該上側ボス部の外周側に半径方向に伸びる放射状窓枠
    と、当該放射状窓枠に連なる円弧状の弧状窓枠とによっ
    て包囲された複数の扇形の上側開口窓を隔設し、当該上
    側開口窓の弧状窓枠の吸込み弁に対する接触長さを短縮
    することにより、収縮行程から伸長行程に切り替わる際
    の吸込み弁の開弁圧力を低減することを特徴とする油圧
    緩衝器のバルブ構造。
JP2000332326A 2000-10-31 2000-10-31 油圧緩衝器のバルブ構造 Pending JP2002139090A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000332326A JP2002139090A (ja) 2000-10-31 2000-10-31 油圧緩衝器のバルブ構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000332326A JP2002139090A (ja) 2000-10-31 2000-10-31 油圧緩衝器のバルブ構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002139090A true JP2002139090A (ja) 2002-05-17

Family

ID=18808547

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000332326A Pending JP2002139090A (ja) 2000-10-31 2000-10-31 油圧緩衝器のバルブ構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002139090A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20090090587A1 (en) * 2006-03-31 2009-04-09 Nifco Inc. Speed Responsive Damper and Impact Absorbing Damper Device
JP2017522514A (ja) * 2014-07-25 2017-08-10 ヒタチ オートモティブ システムズ アメリカズ インコーポレイテッドHitachi Automotive Systems Americas Inc. ショックアブソーバ

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20090090587A1 (en) * 2006-03-31 2009-04-09 Nifco Inc. Speed Responsive Damper and Impact Absorbing Damper Device
JP2017522514A (ja) * 2014-07-25 2017-08-10 ヒタチ オートモティブ システムズ アメリカズ インコーポレイテッドHitachi Automotive Systems Americas Inc. ショックアブソーバ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5115814B2 (ja) 緩衝器
KR102137287B1 (ko) 감쇠력 조정식 완충기
JP4840557B2 (ja) 減衰力調整式油圧緩衝器
US10203016B2 (en) Shock absorber
KR101710820B1 (ko) 완충 장치
JP2005344911A (ja) 油圧緩衝器
WO2019163579A1 (ja) 減衰バルブおよび緩衝器
JP2006038098A (ja) 油圧緩衝器
KR102140353B1 (ko) 완충기
JP2918523B2 (ja) 内在する水準調節装置を有するセルフポンプ式のハイドロニューマチックなサスペンションストラット
JP5809536B2 (ja) 車両用緩衝器
EP3333446B1 (en) Valve structure for buffer
JP2004257507A (ja) 油圧緩衝器
JP2008008471A (ja) 減衰力調整式油圧緩衝器
JP2002139090A (ja) 油圧緩衝器のバルブ構造
JP2002195335A (ja) 油圧緩衝器のバルブ構造
JP2001059539A (ja) 油圧緩衝器の減衰力発生構造
JP5106347B2 (ja) 液圧緩衝器
JP2002206584A (ja) 油圧緩衝器のバルブ構造
JP4564675B2 (ja) 油圧緩衝器のバルブ構造
JP2014231880A (ja) 緩衝器
JP2002195336A (ja) 油圧緩衝器のバルブ構造
JP4405657B2 (ja) 油圧緩衝器のバルブ構造
JP2003254374A (ja) 油圧緩衝器
JP2002168280A (ja) 油圧緩衝器のバルブ構造