JP2002089304A - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents
内燃機関の可変動弁装置Info
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Abstract
作動角変更機構10と、吸気弁2の作動角の中心位相
(吸気位相)を変化させる電動式の位相変更機構20
と、を備える。例えば極低負荷・極低回転域からの加速
時には、冷機時では位相変更機構20を優先的に駆動
し、暖機後では作動角変更機構10を優先的に駆動す
る。
Description
(以下、必要に応じて吸気作動角と略す)を変化させる
作動角変更機構と、吸気弁の作動角の中心位相(以下、
必要に応じて吸気位相と略す)を変化させる位相変更機
構と、を有する内燃機関の可変動弁装置に関する。
吸気弁のバルブリフト量及び作動角を変化させるバルブ
リフト量変更機構と、吸気弁の開閉タイミング(作動角
の中心位相)を変化させるバルブタイミング変更機構
と、を備えた可変動弁装置が開示されている。この公報
では、低回転域ではバルブリフト量を変化させずに、バ
ルブタイミング変更機構により吸気位相のみを変化させ
ている。
機構を備えた装置では、機関運転状態が変化する過渡
期、特に機関回転数を増加させる加速時のように、吸気
弁の作動角及び位相の双方を変化させる際に、一時的に
吸気弁の開閉時期が望ましくない状態となって、運転性
能の低下を招くおそれがある。例えば、両変更機構によ
り最小作動角及び最遅角位相に設定されたアイドル状態
からの加速時に、作動角のみを増加させると、吸気弁の
閉時期が過度に遅くなって、トルクが一時的に低下する
おそれがある。
も、冷機時と暖気後とで同じ様に両変更機構を駆動制御
すると、冷機時又は暖機時の一方で有効にトルクを増加
させることができないことがある。
たものであり、機関加速時にトルクを迅速かつ効率的に
増加させることを一つの目的としている。
発明は、吸気弁の作動角を変化させる作動角変更機構
と、吸気弁の作動角の中心位相を変化させる電動式の位
相変更機構と、を有する内燃機関の可変動弁装置におい
て、機関加速時には、機関回転数又は機関温度の少なく
とも一方に基づいて、作動角変更機構又は位相変更機構
の一方を優先的に駆動させることを特徴としている。
も、機関回転数又は機関温度に基づいて、優先的に駆動
させる変更機構を切換制御する。これにより、加速時に
おけるトルクの落ち込みを防止して、機関運転性能の向
上を図ることが可能となる。
における吸気弁の作動角の中心位相が、機関冷機時では
暖機後よりも遅角側に設定されることを特徴としてい
る。
転域からの加速時には、冷機時では位相変更機構を優先
的に駆動し、暖機後では作動角変更機構を優先的に駆動
することを特徴としている。
時には、冷機時では位相変更機構を優先的に駆動し、暖
機後では作動角変更機構を優先的に駆動することを特徴
としている。
低負荷域からの加速時には、極低回転域では位相変更機
構を優先的に駆動し、低回転域では作動角変更機構を優
先的に駆動することを特徴としている。
構が電動式であることを特徴としている。
る吸気弁の作動角が、冷機時では暖機後よりも小さくな
るように設定されていることを特徴としている。
構が、上記吸気駆動軸に相対回転可能に外嵌されて、吸
気弁を開閉させる揺動カムと、上記吸気駆動軸に偏心し
て設けられた駆動カムと、この駆動カムに相対回転可能
に外嵌するリング状リンクと、上記制御軸に偏心して設
けられた制御カムと、この制御カムに相対回転可能に外
嵌するとともに、一端が上記リング状リンクに連結され
たロッカアームと、このロッカアームの他端と上記揺動
カムとに連結されたロッド状リンクと、を有することを
特徴としている。
回転角度を検出する手段と、この吸気駆動軸の回転角度
に基づいて吸気弁の作動角の実中心位相を検知する位相
検知手段と、上記制御軸の回転角度を検出する手段と、
この制御軸の回転角度に基づいて吸気弁の実作動角を検
知する作動角検知手段と、を有し、上記位相検知手段に
より実中心位相が検知される際に、上記作動角検知手段
により実作動角を検知して、吸気弁の作動角の目標値を
設定することを特徴としている。
数又は機関温度に応じて、機関加速時におけるトルクを
効率的に増加させて、機関運転性の向上を図ることがで
きる。
冷機アイドル時等においても位相を確実に変化させるこ
とができる。このため、請求項2に係る発明のように、
アイドル等の極低負荷域で、冷機時の吸気位相を暖機後
よりもさらに遅角化できる。
冷機始動時等には吸気弁の開時期を大幅に遅角化させ
て、ガス流動を強化し、燃焼改善及び排気清浄化を図る
ことができる。一方、暖機後は冷機時に比して吸気位相
を相対的に進角させることにより、吸入抵抗を抑制し、
燃費向上を図ることができる。つまり、冷機時における
排気性能の向上と暖気後における燃費向上とを高いレベ
ルで両立させることができる。
負荷・極低回転域又は始動時からの加速時に、冷機時に
は位相変更機構により位相を優先的に進角させることに
より、加速過渡時のトルクの落ち込みを確実に回避でき
る。また、冷機時よりも位相が進角している暖気時に
は、作動角変更機構により作動角を優先的に増加させる
ことにより、トルクを迅速かつ効率的に増加させること
ができる。
ける極軽負荷域から加速する場合、吸入時間が十分にあ
る極低回転時には、位相変更機構を優先的に駆動して吸
気位相の遅角を速やかに解消し、吸入時間が減少する低
回転時には、作動角変更機構を優先的に駆動して作動角
を拡大させて吸入空気量増加を図ることにより、過渡時
におけるトルクを効率的に増加させることができる。
にかかわらず、作動角変更機構により吸気弁の作動角を
速やかに変化させることができる。このため、例えば冷
機始動時等に作動角の増加に遅れを生じ易い油圧駆動式
の場合に比して、冷機時における最小作動角を十分に小
さく設定することができ、これにより、冷機始動時にお
けるガス流動が更に強化されて、燃焼が改善し、更なる
排気清浄化を図ることができる。
の作動角が暖機始動時よりも更に小さくなるため、ガス
流動が更に強化されて燃焼が改善され、更なる排気性能
の向上を図ることができる。一方、暖気始動時には、冷
機始動時に比して作動角が相対的に大きくなり、吸入抵
抗が抑制されるため、燃費性能の向上を図ることができ
る。
な構造の両変更機構を互いに干渉することなく配置する
ことが可能である。特に、この作動角変更機構では、駆
動カムの軸受部分や制御カムの軸受部分等の各部材の連
結部分が面接触となっているため、潤滑が行い易く、耐
久性,信頼性に優れているとともに、作動角を変更させ
る際の抵抗も低く抑制される。また、吸気弁を駆動する
揺動カムが吸気駆動軸と同軸上に配置されているため、
例えば揺動カムを吸気駆動軸とは異なる別の支軸で支持
するような構成に比して、制御精度に優れているととも
に、装置自体がコンパクトなものとなり、車両搭載性が
良い。
は、クランクシャフトと連動して回転する吸気駆動軸の
回転毎に検知される一方、実作動角は、制御軸の角度に
基づいて検知されるため、任意のタイミングで検知する
ことができる。そこで、実吸気位相が検知されるタイミ
ングで、実作動角を検知して、作動角の目標値を設定す
ることにより、作動角及び位相を同時期に精度良く検知
することが可能で、その制御精度が向上する。
態を図面を参照して説明する。
弁装置を示している。各気筒には一対の吸気弁2が設け
られ、これら吸気弁2の上方には中空状の吸気駆動軸3
が気筒列方向に延在している。吸気駆動軸3には、吸気
弁2のバルブリフタ2aに当接して吸気弁2を開閉駆動
する揺動カム4が相対回転可能に外嵌している。
に、吸気弁2の作動角の中心位相(吸気位相)を略一定
としたままで吸気弁2の作動角及びバルブリフト量を変
化させる電動式の作動角変更機構10が設けられてい
る。また、吸気駆動軸3の一端部に、図外のクランクシ
ャフトに対する吸気駆動軸3の位相を変化させることに
より、吸気位相を変化させる電動式の位相変更機構20
が配設されている。
すように、吸気駆動軸3に偏心して設けられる駆動カム
11と、この駆動カム11に相対回転可能に外嵌するリ
ング状リンク12と、吸気駆動軸3と略平行に気筒列方
向へ延びる制御軸13と、この制御軸13に偏心して設
けられた制御カム14と、この制御カム14に相対回転
可能に外嵌するとともに、一端がリング状リンク12の
先端に連結されたロッカアーム15と、このロッカアー
ム15の他端と揺動カム4とに連結されたロッド状リン
ク16と、を有している。
よりギヤ列18を介して所定の制御範囲内で回転駆動さ
れる。エンジンコントロールユニットとしてのECU3
0は、角度検出センサ31,32から検出される吸気駆
動軸3及び制御軸13の角度の他、各種センサ等から検
出又は推定されるクランク角度,エンジン回転数,負
荷,水温等の機関運転条件に基づいて、燃料噴射及び点
火時期制御等の一般的なエンジン制御を行う他、上記電
動アクチュエータ17を駆動制御するとともに、後述す
る位相変更機構20を駆動制御し、吸気弁2の開閉時期
及び作動角を制御する。
動して吸気駆動軸3が回転すると、駆動カム11を介し
てリング状リンク12がほぼ並進移動するとともに、ロ
ッカアーム15が制御カム14の軸心周りに揺動し、ロ
ッド状リンク16を介して揺動カム4が揺動して吸気弁
2が開閉駆動される。
ことにより、ロッカアーム15の揺動中心となる制御カ
ム14の軸心位置が変化して揺動カム4の姿勢が変化す
る。これにより、吸気弁2の作動角の中心位相が略一定
のままで、吸気弁2の作動角(開閉期間)及びバルブリ
フト量が連続的に変化する。
ム11の軸受部分や制御カム14の軸受部分等の各部材
の連結部分が面接触となっているため、潤滑が行い易
く、耐久性,信頼性に優れているとともに、作動角を変
更させる際の抵抗も低く抑制される。また、吸気弁2を
駆動する揺動カム4が吸気駆動軸3と同軸上に配置され
ているため、例えば揺動カムを吸気駆動軸3とは異なる
別の支軸で支持するような構成に比して、制御精度に優
れているとともに、装置自体がコンパクトなものとな
り、車両搭載性が良い。
ている。この位相変更機構20の構成については、特開
平10−153105号公報にも開示されているように
公知であり、簡単に説明すると、クランクシャフトと同
期して回転する第1回転体21と、吸気駆動軸3ととも
に回転する第2回転体22との間に、ヘリカルスプライ
ンを介して両者21,22に噛合する環状のピストン2
3が介装されている。そして、このピストン23を電磁
ソレノイド24により軸方向へ駆動することにより、回
転体21,22の相対位相が変化して、クランクシャフ
トに対する吸気駆動軸3の位相が可変制御される。上記
の電磁ソレノイド24は、上述したECU30からの制
御信号により機関運転状態に応じて駆動制御される。
気作動角及び吸気位相の一設定例を説明する。なお、後
述する吸気位相の値は、進角側を正とするとP1<P2
<P3<P4<P5の関係にある。
説明する。アイドル等の極低負荷域(a2)では、吸気
位相を所定の遅角位相P2に設定するとともに、吸気作
動角を最小作動角に設定して、吸気弁の開時期を上死点
後、吸気弁の閉時期を下死点近傍とする。これにより、
残留ガスが低減されるとともに、ピストン上面が上死点
から吸気負圧に晒されず、ある程度ピストンが変位して
筒内が負圧となってから吸気弁が開くこととなるため
に、ポンプ損失が低減される。また、吸気作動角が最小
化されているため、フリクションが低減されるととも
に、ガス流動が強化され、燃料の霧化が促進される。こ
の結果、燃費及び排気性能の向上が図られる。
によるポンプ損失低減化及び高温の残留ガスによる燃焼
改善等を図るために、吸気弁開時期を上死点前とし、か
つ、主に吸入空気量(充填効率)の低減化によりポンプ
損失の低減を図るために、吸気弁閉時期を下死点前とす
る。そこで、上記の最小作動角よりも大きい所定の小作
動角に設定するとともに、吸気位相を最進角位相P5に
設定する。
低負荷域(b)では、主に燃焼悪化の防止及び残留ガス
の低減化を図るため、吸気作動角を上記の最小作動角か
ら小作動角の間の値に設定し、かつ、吸気位相を所定の
進角位相P4に設定する。これにより、有効圧縮比の増
加に伴うポンプ損失の低減化により燃費向上が図られ
る。
を向上させるため、吸気位相を所定の中間位相P3又は
その近傍に設定するとともに、機関回転数の増加に伴っ
て吸気作動角を増加させる。例えば、全開・低速域
(d)では、IVOを略上死点とし、IVCを下死点後
に設定する。
定値以下の冷機状態におけるアイドル等の極低負荷域
(a1)では、触媒暖機が不十分のため、燃焼改善によ
る排気清浄化及び排温上昇を図るため、吸気作動角を最
小作動角、吸気位相を最遅角位相P1に設定し、IVO
を上死点よりも大幅に遅角させる。このような設定によ
り、ガス流動強化による燃料の霧化が促進されるととも
に、IVOの遅角化により筒内負圧を十分発達させた後
に吸気弁が開くこととなり、吸気弁の開時におけるガス
流動が更に強化される。
る低・中負荷域では、暖機状態のリフト特性(b),
(c)と同一にすると燃焼が悪化する可能性があるた
め、例えば低速・全開域のリフト特性(d)と略同一の
設定にする等の必要がある。
位相の設定制御の流れについて、図8のフローチャート
を参照して詳述する。S(ステップ)1において、アイ
ドル状態であると判定されると、S2へ進み、機関温度
等から冷機時か暖機後であるかが判定される。冷機時の
場合にはS3へ進み、吸気作動角を最小作動角に、吸気
位相を最遅角位相P1に設定する。一方、暖機時には、
吸気作動角を上記の最小値よりも大きい所定の小作動角
に、吸気位相を上記の遅角位相P2に設定する。
2)の設定と異なり、機関始動時等の極低負荷域におけ
る吸気弁の作動角が、機関冷機時では暖機後よりも小さ
くなるように設定されている。この場合、冷機始動時に
は、作動角が暖機時に比して小さくなるため、ガス流動
が強化されて燃焼が改善される。一方、暖気始動時に
は、冷機始動時に比して作動角が相対的に大きくなり、
吸入抵抗が抑制されるため、燃費性能の向上を図ること
ができる。
ら加速を行う場合について検討する。なお、図中のL1
は、加速前の運転状態における吸気作動角及び吸気位相
の基準設定に対応した基準特性を表している。また、L
2は、目標作動角及び目標位相に対応した目標特性を、
L3は、上記の基準特性L1に対して吸気作動角のみを
目標作動角へ向けて所定量変化させた状態の特性を、L
4は、基準特性L1に対して吸気位相のみを目標位相へ
向けて所定量変化させた状態の特性を、それぞれ表して
いる。
低負荷域(冷機アイドル状態)からの加速について考察
する。冷機アイドル状態では、上述したように吸気位相
が最遅角位相P1に設定されている。従って、極低負荷
域で、吸気作動角のみを増加させた場合、吸気弁閉時期
が過度に遅くなる等の理由で、トルクが一時的に減少す
るおそれがある。例えば図5に示す第1の回転数N1よ
りも低い回転域では、基準特性L1よりも作動角増加後
の特性L3のトルクが低くなっているため、作動角のみ
を変化させるとトルクが一時的に減少することとなる。
吸気位相のみを進角させても、確実にトルクが増加方向
へ向かう。従って、このような極低負荷・極低回転域か
らの加速時には、位相変更機構20による吸気位相の進
角化を優先的に行う。つまり、位相変更機構20のみを
駆動し、あるいは位相変更機構20による吸気位相の変
更量が作動角変更機構10による作動角の変更量よりも
十分に大きくなるように制御する。これにより、この加
速過渡時におけるトルクが確実に増加方向へ向かうこと
となり、過渡時のトルク低下を確実に回避できる。
定(最小作動角及び最遅角位相)L1は、主に燃焼改善
を図る目的で、極低回転域よりも回転数がある程度高い
低回転域でも使用される。しかしながら、機関回転数が
高くなってくると、同一作動角では吸入時間が減少する
ため、吸気位相のみを進角させても、全開トルクを効果
的に増加させることができない。従って、極低回転域
(例えば図5に示す作動角増加状態の特性L3と位相進
角状態の特性L4とでトルクが逆転する第2の回転数N
2以下の回転域)では、上述したように吸気位相を優先
的に進角させ、低回転域(例えば第2の回転数N2を越
える回転域)では、吸気作動角を優先的に増加させるこ
とにより、トルクを最も効率的に増加させることができ
る。
負荷域から加速を行う場合について考察する。暖気後の
極低負荷域では、主に吸入抵抗を抑制して燃費向上を図
るために、上述したように吸気位相を最遅角位相P1よ
りも進角した暖機後遅角位相P2に設定している。つま
り、主に有効圧縮比を高めて燃焼の改善を図るために、
吸気弁閉時期を冷機時よりも進角化させている。従っ
て、仮に吸気位相のみを進角させると、有効圧縮比や充
填効率が低下し、有効にトルクを増加させることができ
ないことがある。そこで、このような暖機後の極低負荷
域からの加速時には、吸気作動角を優先的に増加させる
ことにより、トルクを効率的に増加させることができ
る。
合であっても、機関回転数又は機関温度(冷機又は暖
機)の少なくとも一方に基づいて、作動角変更機構10
又は位相変更機構20の一方を優先的に駆動させること
により、トルクを効率的に増加させることができ、運転
性の向上を図ることができる。
荷域から加速を行う場合について考察する。低負荷域か
らの加速時には、図7において特性L3及びL4の双方
とも基準特性L1よりトルクが高いことから明らかなよ
うに、作動角を増加させても位相を遅角させてもトルク
は増加する。しかしながら、図7において、作動角増加
状態の特性L3が位相遅角状態の特性L4よりも常にト
ルクが高いことから明らかなように、機関回転数にかか
わらず、作動角変更機構10による吸気作動角の増加を
位相変更機構20による吸気位相の遅角化よりも優先さ
せることにより、効率的にトルクを増加させることがで
きる。
うな中負荷域からの加速については、作動角の増加を優
先させるとIVOが過度に早くなって吸気弁とピストン
とが干渉する可能性があるので、好ましくは位相変更機
構20による吸気位相の遅角化を優先的に行う。
構20を電動式の構成としているため、機関温度(冷機
時・高温時)にかかわらず、吸気位相を速やかに変化さ
せることが可能となる。つまり、冷機時に位相変更遅れ
を生じやすい油圧駆動に対して、冷機時にも迅速に位相
を変化させることができる。これより、冷機始動時に吸
気弁開時期を大幅に遅角化させてガス流動を強化し、燃
焼の改善,排気清浄化を図ることができる。また、暖機
後には吸気位相を少し進角させることにより、吸入抵抗
を低減して燃費の向上を図る。これより、冷機時におけ
る排気の清浄化と暖気後の燃費向上とを高いレベルで両
立させることが可能となる。
としているため、冷機始動時や極低回転時においても確
実かつ迅速に吸気作動角を変更することができる。つま
り、このような電動式の作動角変更機構10を採用する
ことにより、例えば低速域でも作動角変更機構10を優
先的に駆動させることが可能となる。また、機関温度
(冷機時又は暖機後)にかかわらず作動角を迅速に増加
させることができる。このため、冷機時に作動角の増加
遅れを生じ易い油圧駆動式の構成に比して、最小作動角
を十分に小さく設定することが可能で、これより、冷機
始動時におけるガス流動を効果的に強化させて燃焼を改
善し、更なる排気の清浄化を図ることが可能となる。
動式としているため、上述したように、加速過渡期の途
中であっても、両変更機構10,20の優先度を切り換
えるような制御が可能となる。
動軸3の角度検出センサ31からの検出信号に基づい
て、クランク角度に対する吸気駆動軸3の中心位相の実
測値(実中心位相)を検知する構成の場合、吸気駆動軸
3の1回転毎に吸気位相が検知されることとなる。一
方、制御軸13の角度検出センサ32からの検出信号に
基づいて、吸気作動角の実測値(実作動角)を検知する
構成の場合、その検知間隔は自由であり、任意のタイミ
ングで実作動角を検知することができる。従って、実吸
気位相が検知されるタイミングにあわせて、実作動角を
検知することにより、同時期に検出される実吸気位相及
び実作動角に基づいて吸気作動角,吸気位相の目標値の
設定等の制御を行うことができ、その制御精度が向上す
る。
ャートを参照して詳述する。S11において、吸気駆動
軸3の角度検出センサ31からの検出信号に基づいて実
吸気位相が検知されると、S12へ進み、制御軸13の
角度検出センサ32の検出信号に基づいて、実作動角を
検知する。続くS13において、加速状態にあると判定
されると、S14へ進み、機関温度等に基づいて冷機状
態か暖機後かを判定する。冷機時の場合、S16へ進
み、機関回転数に基づいて極低回転域か低回転域かを判
定する。極低回転域の場合、S17へ進み、位相変更機
構20を優先的に駆動する制御を行う。一方、低回転域
の場合にはS18へ進み、作動角変更機構10を優先的
に駆動する制御を行う。
場合、S15へ進み、吸気弁開時期(IVO)が過度に
早いか否かを判定する。過度に早い場合は、上記のS1
7へ進み、位相変更機構20を優先的に駆動する制御を
行う。比較的遅いと判定された場合、上記のS16へ進
み、機関回転数に応じていずれの変更機構10,20を
優先的に駆動するかを判定する。
概略斜視図。
対応図。
図。
設定制御の流れを示すフローチャート。
ーチャート。
Claims (9)
- 【請求項1】 吸気弁の作動角を変化させる作動角変更
機構と、吸気弁の作動角の中心位相を変化させる電動式
の位相変更機構と、を有する内燃機関の可変動弁装置に
おいて、 機関加速時には、機関回転数又は機関温度の少なくとも
一方に基づいて、作動角変更機構又は位相変更機構の一
方を優先的に駆動させることを特徴とする内燃機関の可
変動弁装置。 - 【請求項2】 極低負荷域における吸気弁の作動角の中
心位相が、機関冷機時では暖機後よりも遅角側に設定さ
れることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変
動弁装置。 - 【請求項3】 極低負荷・極低回転域からの加速時に
は、冷機時では位相変更機構を優先的に駆動し、暖機後
では作動角変更機構を優先的に駆動することを特徴とす
る請求項2に記載の内燃機関の可変動弁装置。 - 【請求項4】 機関始動時の加速時には、冷機時では位
相変更機構を優先的に駆動し、暖機後では作動角変更機
構を優先的に駆動することを特徴とする請求項2に記載
の内燃機関の可変動弁装置。 - 【請求項5】 冷機時における極低負荷域からの加速時
には、極低回転域では位相変更機構を優先的に駆動し、
低回転域では作動角変更機構を優先的に駆動することを
特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関の
可変動弁装置。 - 【請求項6】 上記作動角変更機構が電動式であること
を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の内燃機関
の可変動弁装置。 - 【請求項7】 極低負荷域における吸気弁の作動角が、
冷機時では暖機後よりも小さくなるように設定されてい
ることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の内
燃機関の可変動弁装置。 - 【請求項8】 上記作動角変更機構が、上記吸気駆動軸
に相対回転可能に外嵌されて、吸気弁を開閉させる揺動
カムと、上記吸気駆動軸に偏心して設けられた駆動カム
と、この駆動カムに相対回転可能に外嵌するリング状リ
ンクと、上記制御軸に偏心して設けられた制御カムと、
この制御カムに相対回転可能に外嵌するとともに、一端
が上記リング状リンクに連結されたロッカアームと、こ
のロッカアームの他端と上記揺動カムとに連結されたロ
ッド状リンクと、を有することを特徴とする請求項1〜
7のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置。 - 【請求項9】 上記吸気駆動軸の回転角度を検出する手
段と、 この吸気駆動軸の回転角度に基づいて吸気弁の作動角の
実中心位相を検知する位相検知手段と、 上記制御軸の回転角度を検出する手段と、 この制御軸の回転角度に基づいて吸気弁の実作動角を検
知する作動角検知手段と、を有し、 上記位相検知手段により実中心位相が検知される際に、
上記作動角検知手段により実作動角を検知して、吸気弁
の作動角の目標値を設定することを特徴とする請求項8
に記載の内燃機関の可変動弁装置。
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