JP2002088828A - 貯水管およびそれを積層した地下貯水構造物 - Google Patents

貯水管およびそれを積層した地下貯水構造物

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JP2002088828A
JP2002088828A JP2000276880A JP2000276880A JP2002088828A JP 2002088828 A JP2002088828 A JP 2002088828A JP 2000276880 A JP2000276880 A JP 2000276880A JP 2000276880 A JP2000276880 A JP 2000276880A JP 2002088828 A JP2002088828 A JP 2002088828A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】水を貯留する剛性が高く、低コスト・軽量の貯
水管、およびそれを積層した地下貯水構造物において、
地中空間を効率的に使用し、積層作業が容易で施工期間
を短く抑え、地下貯水構造物の上部表面層からの荷重に
耐え、かつ、空隙率の高い地下貯水構造物を提供するこ
とにある。 【解決手段】貯水管10を多層に積層して地下貯水構造
物Sを形成し、この側部と底部を遮水部材23で被覆す
る。さらに、この遮水部材23と、地面20に形成され
た凹所21内の底部21aおよび側壁21bとの間に
は、遮水部材23を保護する保護シート22を介在させ
る。次に、この地下貯水構造物Sの上部を透水シート2
2bで覆い、土で埋めて表面層4を形成する。25a
は、積層した貯水管10に接するように柱状に立設した
取水管で、多数の流通孔26を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空洞部に水を貯留
する貯水管、およびそれを積層した地下貯水構造物、特
に、洪水調整のための雨水調整槽、雨水利用を目的とし
た貯水・散水のための貯水槽、火災・地震等の非常時用
水のための貯水槽等に使用され、雨水利用の促進や土地
の有効活用を図り得る地下貯水構造物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、雨水や地下水等を貯留して有効利
用するため地下貯水構造物により人工地中空間を形成す
る方法として、本出願人は、例えば特願平9−2181
9号にて提案した。これは、図11、図12に示すよう
に、地面100に凹所101を形成して、凹所101内
に中空柱状体102を層状もしくは柱状に積層すると共
に、中空柱状体102の上部に人工の表面層103を形
成して中空柱状体102を地中に埋設し、地中空間10
4を形成するようにしたものである。中空柱状体102
は円形パイプで形成され、例えば滑り止め材105、1
06を介在させて積層されており、地中空間104内に
液体を給液し得る給液手段107と、地中空間104内
の液体を取液し得る取液手段108が設けられている。
また、積層された複数の中空柱状体102の外周部には
多孔板からなる板体109が配設されている。これによ
り、地中空間を有効に活用し、かつ、多くの貯水空間を
確保することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この地
中空間を形成する方法では、中空柱状体である円形パイ
プを凹所内に積層する場合、特に水平方向に層状に積層
する場合、積層途中で円形パイプが崩れる恐れがある。
これを防止するためには各円形パイプの間に滑り止め材
を配設する必要があり、積層する作業が繁雑で時間がか
かり、施工期間を短縮することは難しく、すでに使用中
の駐車場に地下貯水構造物を施工する場合や、隣接する
家屋の増改築等により、貯水容量の増量を必要とする場
合には適さない。
【0004】また、円形パイプからなる中空柱状体を積
層し、その上部に人工の表面層を形成して中空柱状体を
地中に埋設し、地中空間を形成した場合、上部の表面層
の荷重すべてがが中空柱状体に負荷されることになるた
め、中空柱状体自体の剛性が必要になってくる。円形パ
イプ等の剛性を増大させるには、高強度材を使用する
か、パイプの肉厚を厚くすることが考えられるが、これ
では高コストになり実用的ではない。また、所望の空隙
率を確保できなくなるという新たな問題も生じて、改善
が望まれていた。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、地中空間を有効に使用しつつ、空隙率を高め
ることができると共に、正確な貯水量を確保し、埋設作
業が容易で施工期間を短く抑え、地下貯水構造物の上部
からの荷重に耐え得る貯水管、およびそれを積層した地
下貯水構造物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成すべ
く、本発明のうち請求項1記載の発明は、合成樹脂を一
体成形してなる筒体であって、この筒体の空洞部に水を
貯留するようにした貯水管において、前記筒体の軸方向
断面が凹凸をなし、この凹凸を軸線方向等間隔に形成し
た。このように貯水管を形成ことにより、管の肉厚を厚
くすることなく、また、高強度材等を使用することな
く、貯水管自体の断面係数を高めて剛性を増大させ、低
コストで軽量、かつ、空洞部の容積を充分確保して空隙
率を高めることができる。
【0007】また、請求項2に記載の発明は、前記筒体
の軸方向断面を、複数の環状ひだにより凹凸に形成した
ものである。このような貯水管を積層する場合、その外
周部の凹凸を互いに係合させて積層することができ、所
定の地中空間内での空隙率をさらに高めることができる
と共に、長手方向のパイプ相互のずれを防止することが
できる。
【0008】また、請求項3に記載の発明は、前記筒体
の軸方向断面を、連続した螺旋状ひだにより凹凸に形成
したものである。このような貯水管を積層する場合、そ
の外周部の同士を互いに係合させて積層することがで
き、所定の地中空間内での空隙率を高めることができる
と共に、長手方向、径方向に亙ってパイプ相互のずれを
防止することができる。したがって、従来の円形パイプ
を積層して、地中貯水構造物を形成する場合のように、
滑り止め材を各円形パイプ間に介在させる必要がなくな
り、作業性向上を図ることができ、施工期間の短縮が可
能となる。
【0009】また、請求項4に記載の発明は、前記筒体
の最大径部に複数の孔を形成したものである。このよう
に複数の孔を有する貯水管であると、積層する場合、孔
の方向を揃えなくても貯留した水は出入りすることがで
きる。また、最大径部に孔を形成したことにより、渇水
時等に、山部と谷部とで形成される凹部に水が貯留し、
この貯留水を完全に有効利用できないといった不具合を
解消することができる。
【0010】また、請求項5に記載の発明は、地中に凹
所を形成し、この凹所内に前記した請求項1乃至4いず
れかに記載の貯水管を水平に積層すると共に、この貯水
管の上部に人工の表面層を形成して貯水管を地中に埋設
した地下貯水構造物である。このように剛性が高い貯水
管を積層することにより、貯水管の上部の表面層を有効
に活用することができ、また、低コストで軽量なため、
積層する作業性を向上することができ、施工期間の短縮
化と相俟って施工の低コスト化が図れる。
【0011】また、請求項6に記載の発明は、前記積層
した貯水管の少なくとも底部、側壁を遮水部材にて覆う
構造とすることにより、貯水管内に土砂等の侵入するの
を防止し、上部から浸透してくる雨水等をこの地下貯水
構造物内に、有効に貯留することができる。
【0012】また、請求項7に記載の発明は、前記積層
した貯水管の外側を透水部材にて覆うことにより、洪水
調整のための雨水調整槽として、雨水等を簡便な手段で
一時貯留することができる。
【0013】また、請求項8に記載の発明は、前記貯水
管に連通する給水手段、および取水手段を設けた地下貯
水構造物とすることにより、隣接して形成する集水手段
等からの雨水等を積極的にこの地下貯水構造物に貯留す
ると共に、必要な時に必要な量の水を汲み出すことも可
能となり、有効、かつ、低コストで多くの水を利用する
ことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係る貯水
管の一実施例を示し、図1(a)が、その部分縦断面
図、(b)が、図1(a)のI―I線矢視断面図、図2
(a)が本発明に係る貯水管の他の実施例を示し、図2
(a)が、その部分縦断面図、(b)が、図2(a)の
II―II線矢視断面図である。
【0015】図1において、貯水管1はポリエチレン等
の合成樹脂や廃材を一体成形して形成され、筒状をなし
ている。貯水管1の軸方向断面は、複数の環状ひだ2に
より凹凸をなしている。この環状ひだ2の山部2aと、
谷部2bとは同じ形状に、また、軸線方向等間隔に形成
されている。この貯水管1は、例えば、最大外径が15
0〜500mm、肉厚が3〜10mmで、環状ひだ2の
高さが肉厚の5倍程度、長さが1〜5mのものが使用さ
れ、従来の円形パイプなら肉厚20mm程度の剛性を有
している。この貯水管1を柱状に立設する場合は良い
が、水平に積層するような場合だと、図に示すように、
渇水時に水Wが貯留することになり、有効に利用するこ
とができなくなる。
【0016】こうした不具合を解消するため、図2に示
すように、貯水管3の外周には多数の流通孔4が形成さ
れている。この流通孔4は、環状ひだ5の山部5aの頂
部に形成するのが良く、水平に積層する場合においても
雨水等の水が浸入することができると共に、この貯水管
3を積層して地下貯水構造物として使用する場合は、外
周部に貯留した水がこの流通孔4を通して互いに流通す
ることができる。これら流通孔4は周方向に4〜6個等
配にて形成され、積層する時に簡便に位相合わせを行う
ことができ、作業性が向上する。
【0017】図3は、本発明に係る貯水管の他の実施例
を示し、図3(a)が、その部分縦断面図、(b)が、
図3(a)のIII―III線矢視断面図、図4(a)が本発
明に係る貯水管の他の実施例を示し、図4(a)が、そ
の部分縦断面図、(b)が、図4(a)のIV―IV線矢視
断面図である。
【0018】貯水管6の軸方向断面は、連続した螺旋状
ひだ7により凹凸に形成されている。図1に例示した実
施例同様、この貯水管6を柱状に立設して使用する場合
は良いが、水平に積層して地下貯水構造物として使用す
る場合は、螺旋状ひだ7によって形成される山部7aと
谷部7b間の連続した螺旋溝9内に水Wが貯留し、渇水
時にポンプ等で貯留した水すべてを有効に汲み出すこと
ができない。
【0019】こうした不具合を解消するため、図2に示
す実施例と同様、図4に示すように、貯水管10に形成
された螺旋状ひだ11の山部11aには複数個の流通孔
12が形成されている。軸線方向等間隔に連続して形成
された山部11aと谷部11bは、形状が同じであれば
良く、この螺旋状ひだ11のリード角等は問わない。ま
た、山部11a、谷部11bの頂部は円弧状に丸めるこ
とにより、この貯水管10同士を容易に積層することが
でき、作業性が向上する。
【0020】図5は前記した有孔の貯水管3を水平方向
に積層した状態を示し、(a)は(b)のV―V線矢視断
面図部分、(b)は部分底面図を示す。環状ひだ5の山
部5aと谷部5bとを相互に係合させ、貯水管3の長手
方向のずれを防止することができる。貯水管3の山部5
aには複数個の流通孔4を形成しているため、特に流通
孔4の位相を合わせる必要はなく、貯水管3内に貯留し
た水、あるいは、貯水管3の外周部に貯留した水は、隣
接した貯水管3、3を流通することができる。ここに示
した積層方法だと、第1層目の貯水管3、3は、山部5
aと谷部5bとを係合させることはできるが、第2層目
の貯水管3は、隣接する第1層目の貯水管3、3の山部
5aと谷部5bの両者に係合させることはできない。し
たがって、一方は山部5aの頂部同士が接触することに
なる。
【0021】第1層目の貯水管3、3と、第2層目の貯
水管3、3のそれぞれ山部5aと谷部5bの両者を係合
させるためには、図6に示すような積層方法を採用する
と良い。すなわち、第2層目の貯水管3を、第1層目の
貯水管3、3の中央ではなく、位置をδだけオフセット
させている。これにより、第1層目の貯水管3、3のう
ち一方の山部5aと谷部5b、第2層目の貯水管3の山
部5aと谷部5bとが係合し、積層作業時に、貯水管
3、3が長手方向にずれるのを防止することができる。
なお、前記した図5と同一部位には同じ符号を付け、そ
の詳細な説明は省略する。
【0022】図7は前記した有孔の貯水管10を水平方
向に積層した状態を示し、(a)は(b)のVII―VII線
矢視断面図、(b)は部分底面図を示す。螺旋状ひだ1
1の山部11aと谷部11bとを相互に係合させ、第1
層目、第2層目の貯水管10、10、10の長手方向だ
けでなく、径方向のずれをも防止することができる。こ
れらの山部11aと谷部11bは、連続した螺旋状ひだ
11によって形成されているため、積層作業時のずれ防
止だけでなく、貯水管10の上部からの荷重に対しても
ずれを防止することができる。したがって、滑り止め材
等を使用する必要はなくなり、作業性を格段に向上させ
ることができると共に、貯水管10自体の剛性アップに
加え、上部からの荷重を分散して、各層における貯水管
10、10、10、…にて支持することができ、上部か
らの荷重に対して強固に耐え得ることができる。
【0023】また、隣接するすべての貯水管10の山部
11aと谷部11bとを互いに係合させて積層すること
ができるため、所定の地中空間内で、強固で高い空隙率
を有する地下貯水構造物を形成することができ、土地の
有効活用や雨水等の有効利用において、低コスト・軽量
で、かつ、積層作業が容易で施工期間が短くでき、その
実用性は格段に高い。
【0024】次に、前記した有孔の貯水管10、10を
水平状態に積層して地下貯水構造物を形成する方法に関
して詳細に説明する。図8は雨水等を貯留し、散水のた
めの貯水槽や、火災・地震等、非常時用水のための貯水
槽等として使用される雨水貯留型の地下貯水構造物を示
す正面図で、地面20に形成された凹所21内に、貯水
管10を多層に積層している。この積層された貯水管1
0が地下貯水構造物Sを形成し、その中に貯まった雨水
等の水の漏れを防ぐために、側部と底部を遮水部材23
で被覆する。この遮水部材23は、簡便なゴムシートや
ビニールシート等で形成されたものを使用しているが、
使用用途に応じて強固なコンクリートやブロック等で形
成しても良く、適宜に変更することができる。さらに、
凹所21の底部21a、および側壁21bには、遮水部
材23を保護し、給水を妨げない透水性の保護シート2
2を配設する。保護シート22は、フェルト製のシート
等が使用される。さらに、側壁21bの遮水部材23と
貯水管10の間に透水性の保護板22aを介在させる
と、側壁21bの土砂の圧力に対して、より強固に耐え
ることができる。この保護板22aは、合成樹脂の廃材
を成形して形成した板材からなっている。
【0025】次に、この地下貯水構造物Sの上部を透水
シート22bで覆い、土で埋めて表面層24を形成す
る。この透水シート22bには反毛フェルト等が使用さ
れている。上部に配設されるこの透水シート22bと貯
水管10の間に保護板22aを介在させても良い。
【0026】25aは、積層した貯水管10に接するよ
うに柱状に立設した取水管で、貯水管10と同じ物を使
用しても良いが、多数の流通孔26を有する円形管を使
用している。この取水管25aは、コンクリート等で形
成されたものを使用しているが、貯水管10と同様、合
成樹脂を成形して形成したものを使用ても良い。取水管
25aの開口部27は地面20に臨み、図示しない電動
ポンプ等を付設してなる取水手段25を設置することに
より、必要な時に地中に埋設した地下貯水構造物Sに貯
留した水を汲み上げることができる。貯水管10の内
部、および貯水管10の外周部に貯留した水は、流通孔
12(図7参照)を介して流通し、さらに、流通孔26
を介して取水管25a内に流入することができる。取水
管25aは、積層した貯水管10の開口部と外周部に接
しておれば良く、地下貯水構造物Sの中央、端部どちら
に立設されても良い。
【0027】さらに、凹所21の近傍に集水桝28を配
設し、雨水を積極的に引込み、沈砂桝29を経由して最
上層の貯水管10に連通させることにより、地下貯水構
造物Sの上部表面層24から浸透してくる雨水に加え
て、集水桝28、沈砂桝29とからなる給水手段30を
付設することにより、雨水を効率よく貯留することがで
きる。また、大雨時、余剰の雨水を排出する余水吐管3
1を最上層の貯水管10に連通させて設け、図示しない
側溝に導いても良い。
【0028】なお、前記した地下貯水構造物を工場敷地
内に埋設し、この地中空間内に工場で使用した水や、特
定の液体を貯留し、この液体を再利用する場合等、保護
部材の上部にコンクリートからなる遮水部材を配設し、
全周をコンクリート等の遮水部材で覆い、図示しない給
水手段により、工場で使用した液体を供給するようにし
ても良い。また、取水管と電動ポンプ等からなる取水手
段により貯留した水を汲み上げ、必要な時に再利用する
ことができる。コンクリート等、強固な遮水部材で地下
貯水構造物の全周を覆うことにより、地下貯水構造物に
所定の剛性を持たせることができるため、その上部にあ
る表面層の荷重や凹所の側方土の圧力にも充分に耐える
ことができ、地震等の発生時に崩壊することのない高強
度の地下貯水構造物を形成することもできる。
【0029】図9は雨水等を一時貯留し、洪水調整のた
めの雨水調整槽等として使用される雨水浸透型の地下貯
水構造物を示す正面図で、地面20に形成された凹所2
1内に、貯水管10を多層に積層している。貯水管10
の一方の開口端部には、予め砂利やごみが貯水管10に
侵入するのを防ぐ保護板22aを配設する。そして、地
下貯水構造物Sの全表面を透水シート22bで覆い、雨
水を浸透させて貯水管10内に一時貯留するようにして
いる。
【0030】地下貯水構造物Sの他方の開口端部には沈
砂槽33を設け、その上部は集水桝28に、下部は排水
管34にそれぞれ連通している。雨水はこの集水桝28
から沈砂槽33内に流入し、砂利、泥等を底部に沈殿さ
せた後、貯水管10に流入していく。一方、地下貯水構
造物S内に雨水が充満した場合は、沈砂槽33の下部に
ある排水管34から排出するようになっている。この排
水管34にオリフィス等を設けることにより、雨水の排
水圧と量を適宜調整することもできる。
【0031】図10は、雨水浸透型と雨水貯留型とを組
み合わせた地下貯水構造物を示す平面図で、地面20に
形成された凹所21内に、前記した雨水浸透型と雨水貯
留型を併設し、上層の貯水管10を余水吐管31で連通
させたものである。なお、同様の部位には同じ符号を付
けて詳細な説明を省略するが、この浸透型、貯留型を併
用した地下貯水構造物は、両端部の集水桝28、沈砂桝
29、あるいは沈砂槽33等からなる給水手段30によ
り雨水等が地下貯水構造物内に流入し、取水管25a、
電動ポンプ(不図示)等からなる取水手段25から必要
な時に、必要な量の水を汲み上げることも、また、一
時、雨水をこの地下貯水構造物内に貯留させ、排水管3
4から適宜排水させることもできる。
【0032】ところで、前記各実施例においては、凹所
内に、貯水管を水平状態で積層した例を示したが、これ
に限らず、貯水管を柱状に立設して地下貯水構造物を形
成することもできる。また、上下方向に4層からなる貯
水管を千鳥状に積層した場合を示したが、凹所の容積、
または用途等によって、その貯水管の数や層の数、およ
び格子状に積層する等の積層の方法を適宜変更すること
も可能である。
【0033】ところで、前記各実施例においては、例え
ば雨水を再利用するため、給水手段30等で給水した雨
水を、遮水部材23で凹所21内に貯留する場合につい
て説明したが、例えば、洪水調整用の雨水調整槽として
使用し貯留された雨水を再利用しない場合は、遮水部材
23を透水シート22bとしたり、あるいは遮水部材2
3を取り外しても良い。この場合は、貯水管10内の雨
水が透水シート22bから地中に浸透するが、例えば洪
水時の多量な雨水を地中空間内に一時的に貯留して、雨
水の量を調整することができる。
【0034】また、地下貯水構造物Sを洪水調整用に使
用する場合には、必ずしも取水手段25や給水手段30
を設けることなく、雨水を表面層24から給水し、排水
管等で側壁から排水させるようにしても良い。
【0035】なお、上記各実施例における地下貯水構造
物は、コンピュータ解析による有限要素法により、その
貯水管の径、および肉厚を決定し、使用用途や使用容積
等から耐圧性を考慮し、貯留する水量、すなわち、構造
物の空隙率を適宜変更することが容易にできる。
【0036】また、上記実施例においては、地下貯水構
造物を現場にて形成する場合を示したが、施工現場とは
別の場所で予め積層させ、荷崩れを考慮せずに施工現場
に搬送することも可能である。この場合、所定のスペー
スに貯水管を積層し、バンド等の結束手段にてユニット
化するのが好適である。このようにすれば、現場での積
層作業は不要となり、格段に施工期間を短縮することが
できると共に、施工のコスト低減が可能となる。さら
に、前記各実施例においては、凹所が直方体形状である
場合について説明したが、例えば断面が逆台形状に適用
することもできる。
【0037】以上、本発明の実施の形態について説明を
行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定され
るものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨
を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実
施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特
許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の
範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更
を含む。
【0038】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1乃至4に
記載の発明によれば、雨水等の水を貯留させる貯水管に
おいて、その筒体の軸方向断面が凹凸をなし、この凹凸
を軸線方向等間隔に形成したので、貯水管自体の肉厚を
厚くすることなく、また、高強度材等を使用することな
く、断面係数を高めて剛性を増大させ、材料を最小限に
抑えた低コストで軽量、かつ、空洞部の容積を確保して
空隙率を高めることができる。また、請求項5乃至8に
記載の発明によれば、地中に凹所を形成し、この凹所内
に前記した請求項1乃至4いずれかに記載の貯水管を水
平に積層すると共に、この貯水管の上部に人工の表面層
を形成して貯水管を地中に埋設した地下貯水構造物であ
るので、剛性が高い貯水管を積層したことにより、貯水
管の上部の表面層を、何等制約されずに有効に活用する
ことができる。また、貯水管を積層する際に滑り防止手
段を使用することなく積層することができるため、施工
の作業性を向上することができる。したがって、低コス
トで施工期間の短縮化ができる。さらに、貯水管を積層
しても荷崩れを起こし難いため、施工現場以外の場所
で、予めこれらの地下貯水構造物をユニット化し、搬送
することも可能なため施工の低コスト化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明に係る貯水管の一実施例を示す部
分縦断面図 (b)図1(a)のI―I線矢視断面図
【図2】(a)本発明に係る貯水管の他の実施例を示す
部分縦断面図 (b)図2(a)のII―II線矢視断面図
【図3】(a)本発明に係る貯水管の他の実施例を示す
部分縦断面図 (b)図3(a)のIII―III線矢視断面図
【図4】(a)本発明に係る貯水管の他の実施例を示す
部分縦断面図 (b)図4(a)のIV―IV線矢視断面図
【図5】(a)図5(b)のV―V線矢視断面図 (b)本発明に係る貯水管を水平方向に積層した状態を
示した一実施例の部分底面図
【図6】(a)図6(b)のVI―VI線矢視断面図 (b)本発明に係る貯水管を水平方向に積層した状態を
示した他の実施例の部分底面図
【図7】(a)図7(b)のVII―VII線矢視断面図 (b)本発明に係る貯水管を水平方向に積層した状態を
示した部分底面図
【図8】本発明に係る地下貯水構造物の一実施例を示す
正面図
【図9】本発明に係る地下貯水構造物の他の実施例を示
す正面図
【図10】本発明に係る地下貯水構造物の他の実施例を
示す正面図
【図11】従来の地下貯水構造物を示す正面図
【図12】図11のA−A線矢視断面図
【符号の説明】
1、3、6、10・・・・・・・貯水管 2、5・・・・・・・・・・・・環状ひだ 2a、5a、7a、11a・・・山部 2b、5b、7b、11b・・谷部 W・・・・・・・・・・・・・・水 4、12、26・・・・・・・流通孔 7、11・・・・・・・・・・螺旋状ひだ 9・・・・・・・・・・・・・螺旋溝 20、100・・・・・・・・地面 21、101・・・・・・・・凹所 21a・・・・・・・・・・・底部 21b・・・・・・・・・・・側壁 22・・・・・・・・・・・・保護シート 22a・・・・・・・・・・・保護板 22b・・・・・・・・・・・透水シート 23・・・・・・・・・・・・遮水部材 24、103・・・・・・・・表面層 25・・・・・・・・・・・・取水手段 25a・・・・・・・・・・・取水管 27・・・・・・・・・・・・開口部 28・・・・・・・・・・・・集水桝 29・・・・・・・・・・・・沈砂桝 30・・・・・・・・・・・・給水手段 31・・・・・・・・・・・・余水吐管 33・・・・・・・・・・・・沈砂槽 34・・・・・・・・・・・・排水管 S・・・・・・・・・・・・・地下貯水構造物 102・・・・・・・・・・・中空柱状体 104・・・・・・・・・・・地中空間 105・・・・・・・・・・・滑り止め材 106・・・・・・・・・・・円形パイプ 107・・・・・・・・・・・給液手段 108・・・・・・・・・・・取液手段 109・・・・・・・・・・板体

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合成樹脂を一体成形してなる筒体であっ
    て、この筒体の空洞部に水を貯留するようにした貯水管
    において、前記筒体の軸方向断面が凹凸をなし、この凹
    凸を軸線方向等間隔に形成したことを特徴とする貯水
    管。
  2. 【請求項2】前記筒体の軸方向断面を、複数の環状ひだ
    により凹凸に形成した請求項1に記載の貯水管。
  3. 【請求項3】前記筒体の軸方向断面を、連続した螺旋状
    ひだにより凹凸に形成した請求項1に記載の貯水管。
  4. 【請求項4】前記筒体の最大径部に複数の孔を形成した
    請求項1乃至3いずれかに記載の貯水管。
  5. 【請求項5】地中に凹所を形成し、この凹所内に請求項
    1乃至4いずれかに記載の貯水管を積層すると共に、こ
    の貯水管の上部に人工の表面層を形成して貯水管を地中
    に埋設したことを特徴とする地下貯水構造物。
  6. 【請求項6】前記積層した貯水管の少なくとも底部、側
    壁を遮水部材にて覆った請求項5に記載の地下貯水構造
    物。
  7. 【請求項7】前記積層した貯水管の外側を透水部材にて
    覆った請求項5に記載の地下貯水構造物。
  8. 【請求項8】前記貯水管に連通する給水手段、および取
    水手段を設けた請求項5乃至7いずれかに記載の地下貯
    水構造物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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