JP2002088715A - 橋梁用サドルの出口部における止水構造 - Google Patents
橋梁用サドルの出口部における止水構造Info
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Abstract
出口部で確実にグラウトの漏れを止めることができ、か
つ施工性に優れる止水構造と止水方法とを提供する。 【解決手段】 管内に複数本の緊張材が貫通して配置さ
れ、管4と緊張材の間にグラウトが充填された橋梁用サ
ドルの出口部における止水構造である。管4の出口部に
は、各緊張材を所定の間隔で配置するスペーサ20が配置
される。このスペーサ20から順次外側に向かって留め板
30、弾性材50および押え板60を具える。留め板30には緊
張材との間に樹脂40の充填部を具える。そして、留め板
30と押え板60との間で弾性材50を圧縮し、変形させるこ
とで弾性材50と緊張材との隙間を封止して、留め板に充
填する樹脂の漏れを止める。
Description
おける止水構造と止水方法に関するものである。特に、
サドル部内に配置される各緊張材の隙間からグラウトが
漏れることを防止する止水構造と止水方法に関するもの
である。
ドル部は、主塔内に埋設された鋼管内に複数本の緊張材
が貫通して配置され、鋼管と緊張材の間にグラウトが充
填された構造である。このサドル部では、鋼管の端部で
グラウトの漏れを防止する止水が必要となる。従来、こ
の止水は、ウェスまたは樹脂を用いて行っていた。すな
わち、鋼管の出口部で各緊張材の間あるいは緊張材と鋼
管との間にウェスを充填したり、樹脂を充填したりする
ことで止水を行っていた。
術では、グラウト止めが確実でなく、施工性が悪
い、と言う2つの問題があった。
て出ており、緊張材間および緊張材と鋼管との隙間が非
常に狭く、この狭い隙間に止水するためのウェスや樹脂
を十分に充填することは極めて困難なためである。
部で確実にグラウトの漏れを止めることができ、かつ施
工性に優れる止水構造と止水方法とを提供することにあ
る。
による隙間の封止と樹脂の充填とを組み合わせることで
上記の目的を達成する。
本の緊張材が貫通して配置され、管と緊張材の間にグラ
ウトが充填される橋梁用サドルの出口部における止水構
造である。管の出口部には、各緊張材を所定の間隔で配
置するスペーサーが配置される。このスペーサから順次
外側に向かって留め板、弾性材および押え板を具える。
留め板と押え板との間で弾性材を圧縮し、変形させるこ
とで弾性材と緊張材との隙間を封止する。そして、留め
板には緊張材との間に樹脂の充填部を具え、この充填部
に樹脂が充填される。
変形による隙間の封止により留め板と緊張材との間から
樹脂が漏れることを防止し、さらに、留め板内に樹脂の
充填を行うことでスペーサと緊張材との隙間からグラウ
トが漏れることを防止して、確実にグラウトの漏れを防
止することができる。
緊張材が貫通して配置され、管と緊張材の間にグラウト
が充填される橋梁用サドルの出口部における止水方法で
ある。緊張材を管の内側と外側とに区画し、管の内側か
ら外側へのグラウトの漏れを樹脂の充填により抑制す
る。また、この樹脂は弾性材の変形を利用して封止され
る。
する。図1は本発明止水構造を用いたエクストラドーズ
ド橋における主塔のサドル部の部分断面図である。図1
ではほぼ右半分しか示していないが、実際には、これと
ほぼ線対称の構造が図1の左側にも存在する。
主塔を構成するコンクリート1内に高密度ポリエチレン
製の外管2が埋設され、外管2の外周には螺旋状の補強筋
3が配置され、外管2の内部には内管となる鋼管4が挿入
されている。外管2と鋼管4との間には内管スペーサ5が
介在されて、外管内での鋼管4の位置を保持している。
この鋼管4は、曲げを持って構成され、内部に複数本の
緊張材6が貫通されている。図1では、緊張材6は2本の
み例示し、他は省略している。鋼管4の両端部は、主塔
のコンクリート1から露出している。ここでは図1のリ
ングナット7から右側がコンクリートから露出している
部分である。破線は主塔の側面を示している。鋼管4の
両端部には止水構造が形成され、鋼管内と緊張材6との
間に形成される空間に充填されるグラウトの漏れを防止
する。緊張材6にはPC鋼ストランドを用いている。そし
て、主塔を貫通した緊張材6の両端部は、橋桁に定着具
を介して固定される(図示せず)。
面図を図2に示す。外管2の外周にはサポートプレート1
0が装着され、このサポートプレート10には、鋼管4の外
周にねじ込まれたリングナット7がネジ止めされてい
る。サポートプレート10は外管2の外側にはめ込まれる
短筒部11と、短筒部11の一端にフランジ状に設けられた
プレート部12とを具える。鋼管4にはグラウトの注入パ
イプ15が接続され、この注入パイプ15が外管2を経て短
筒部11を貫通し、さらにプレート部12を貫通して外部に
引き出されている。そして、鋼管の出口部には、外側に
向かって順次スペーサ20、留め板30、弾性材50、押え板
60が設けられ、グラウトの止水構造を構成する。以下、
各構成要素毎に詳しく説明する。
緊張材6を所定の間隔で保持するスペーサ20がはめ込ま
れている。このスペーサ20は、図3に示すように、鋼管
4の内径にほぼ対応する円柱状体で、軸方向に各緊張材6
の貫通孔21を具えている。また、スペーサ20の一端に
は、フランジ状に形成されて鋼管端部に当接することで
スペーサが鋼管内部に入り込むことを防止する止め部22
が形成されている。スペーサ20は緊張材6を所定の間隔
で保持できる構成であれば良く、緊張材6が挿入される
際の摩擦で摩耗し難い材質で構成されることが好まし
い。本例では、スペーサ20の材質を高密度ポリエチレン
とし、サイズを軸方向の長さ90mm、止め部の外径126m
m、止め部以外の個所の外径119mmとした。
め板30が配置されている。留め板30は、図4に示すよう
に、一端側に筒状部31を、他端側に板状部32を有する円
盤状のものである。板状部には軸方向に緊張材の貫通孔
33を有し、筒状部31には径方向に貫通する樹脂の充填孔
34を有する。充填孔34は外周をほぼ4等分する位置に合
計4箇所設けられている。
く長手方向に一定しているが、筒状部の内径は一端側が
大きく、途中から段差部35を経て小さく構成されてい
る。鋼管端部への装着は、筒状部31がスペーサ20に対向
する向きとして行う。この装着により、段差部35にはス
ペーサの止め部22がはめ込まれ、スペーサ20と筒状部31
とで囲まれる空間が樹脂充填部となる(図2参照)。こ
の充填部には、後述するように樹脂40が充填される。
貫通するボルト用孔36が合計6つ形成されている。この
ボルト用孔36は後述する締付機構のボルト70が貫通され
る孔である。
チレンとし、サイズを厚さ60mm、外径160mmとした。
配置する。この弾性材50は、図5に示すように、緊張材
の貫通孔51を具える円盤状のものである。留め板30と後
述する押え板60との間に挟まれて圧縮され、変形するこ
とで弾性材50と緊張材6の間を封止して樹脂の漏れを抑
制する。弾性材50は適度に弾性変形し易く、かつ緊張材
挿入時の摩擦に対して摩耗し難い材質で構成することが
好ましい。通常のクロロプレンゴムやウレタンゴムでは
耐摩耗性の点で不充分なことが多い。本例では、弾性材
50の材質を緊張材を挿入する際の耐摩耗性に優れたハネ
ナイト(商品名)とし、そのサイズを厚さ30mm、外径129m
mとした。
が配置される。この押え板60も、図6に示すように、緊
張材6の貫通孔61を有する円盤状のものである。押え板6
0の一端側には、弾性材50がはめ込まれる凹部62が形成
されている。
貫通するボルト用孔63が合計6つ形成されている。この
ボルト用孔63は後述する締付機構のボルト70が貫通され
る孔である。
外径160mm、材質を高密度ポリエチレンとした。
めに締付機構を用いる。本例では、押え板60、留め板30
を順次貫通して鋼管4の開口部端面にねじ込まれるボル
ト70(図2参照)を用いる。すなわち、留め板30と押え
板60のボルト用孔36、63にボルト70を貫通し、このボル
ト70を締め付けることで押え板60をスペーサ側に押し付
け、留め板30との間に圧縮力を作用させる。この圧縮力
により弾性材50は変形され、弾性材50と緊張材6の間を
封止する。
は、短時間で硬化する速効性のものが好ましい。樹脂の
充填により、留め板からのグラウトの漏れを確実に防止
する。この樹脂40は緊張材6とスペーサ20との隙間なら
びに留め板30と緊張材6との隙間に速やかに充填され、
かつ容易に流れ出ることのない程度の適度な粘性を有す
る樹脂が好ましい。本例では、粘度が25℃において50〜
90Pa・sのエポキシ系樹脂を用いた。
組み立て方を説明する。 鋼管内に全緊張材を挿入完了後、スペーサ20、留め板
30、弾性材50、押え板60をスライドさせてサドル側に引
き寄せる。この引き寄せは、人力でも可能であるが、人
力によるスライドが困難な場合、レバーブロックを用い
ても良い。たとえば、押え板の外側に環状の引き込み治
具(図示せず)を配置し、引き込み治具とリングナット
7との間をレバーブロックを装着した鎖でつなぎ、レバ
ーブロックを操作することでスペーサ20、留め板30、弾
性材50、押え板60をリングナット側にスライドする。
み難い場合は、緊張材6を若干持ち上げて行えば良い。
性材、押え板が互いに接するように配置する。
3、36にボルト70を差し込み、ボルト70の先端を鋼管4の
端面にねじ込んで押え板60を締め付ける。ボルト頭部に
はばね座金や平座金を介在させることで、ボルト頭部が
押え板60に食い込んで締め付けが不十分にならないよう
にする。この締め付けにより、厚さが30mmの弾性材50が
15mm程度の厚さになるまで圧縮する。圧縮された弾性材
50は広がるように変形して、弾性材50と緊張材6の間を
封止する。
力まで緊張を行う。
する。このとき、4つある樹脂充填孔34のうち、最も下
部に位置する充填孔から樹脂を注入し、残りの3つの充
填孔からは樹脂40をオーバーフローさせることで、十分
に樹脂を充填させる。この作業により、留め板30とスペ
ーサ20とで囲まれる空間内および留め板30と緊張材6と
の隙間に樹脂40が充填される。
入パイプ15からサドル鋼管内にグラウトを注入・充填す
る。
入は、サポートプレート10から露出する注入パイプ15を
通して行う。このグラウト注入により、サドル内で緊張
材6が滑動しないようにする。
止水方法によれば、弾性材の変形による隙間の封止と樹
脂の充填とにより、施工性、特に施行時間が改善され、
確実にグラウト止めを行うことができる。
における主塔のサドル部の部分断面図である。
断面図である。
図である。
である。
である。
である。
Claims (2)
- 【請求項1】 管内に複数本の緊張材が貫通して配置さ
れ、管と緊張材の間にグラウトが充填された橋梁用サド
ルの出口部における止水構造であって、 前記各緊張材を管の出口部に所定の間隔で配置するスペ
ーサーと、 スペーサの外側に配置されて緊張材との間に樹脂充填部
を形成する留め板と、 樹脂充填部に充填されて留め板と緊張材との隙間を埋め
る樹脂と、 押え板と、 留め板と押え板との間で圧縮されて緊張材との隙間を封
止する弾性材とを具えることを特徴とする橋梁用サドル
の出口部における止水構造。 - 【請求項2】 管内に複数本の緊張材が貫通して配置さ
れ、管と緊張材の間にグラウトが充填された橋梁用サド
ルの出口部における止水方法であって、 前記緊張材を管の内側と外側とに区画し、 管の内側から外側へのグラウトの漏れを樹脂の充填によ
り抑制し、 この樹脂を弾性材の変形を利用して封止することを特徴
とする橋梁用サドルの出口部における止水方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000281135A JP3492612B2 (ja) | 2000-09-18 | 2000-09-18 | 橋梁用サドルの出口部における止水構造 |
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Publications (2)
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JP3492612B2 JP3492612B2 (ja) | 2004-02-03 |
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Family Applications (1)
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Country Status (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007255025A (ja) * | 2006-03-22 | 2007-10-04 | Japan Railway Construction Transport & Technology Agency | 橋梁用サドル構造 |
CN105672130A (zh) * | 2016-03-17 | 2016-06-15 | 安徽省交通规划设计研究总院股份有限公司 | 一种分丝管及其拉索组合件 |
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---|---|---|---|---|
JP4445905B2 (ja) * | 2005-08-04 | 2010-04-07 | 住友電工スチールワイヤー株式会社 | 止水構造ならびに止水方法 |
-
2000
- 2000-09-18 JP JP2000281135A patent/JP3492612B2/ja not_active Expired - Lifetime
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