JP2002088466A - 真空アーク蒸発装置 - Google Patents

真空アーク蒸発装置

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JP2002088466A
JP2002088466A JP2000282012A JP2000282012A JP2002088466A JP 2002088466 A JP2002088466 A JP 2002088466A JP 2000282012 A JP2000282012 A JP 2000282012A JP 2000282012 A JP2000282012 A JP 2000282012A JP 2002088466 A JP2002088466 A JP 2002088466A
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    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/32Gas-filled discharge tubes
    • H01J37/32009Arrangements for generation of plasma specially adapted for examination or treatment of objects, e.g. plasma sources
    • H01J37/32055Arc discharge
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/32Gas-filled discharge tubes
    • H01J37/32431Constructional details of the reactor
    • H01J37/3266Magnetic control means

Abstract

(57)【要約】 【課題】 真空アーク蒸発源と磁気フィルタとを組み合
わせた真空アーク蒸発装置において、磁気フィルタの磁
場強度を高めてプラズマの輸送効率を高める場合にで
も、ガス導入を行わなくても真空アーク蒸発源において
アーク放電の維持を可能にする。 【解決手段】 この真空アーク蒸発装置10cでは、真
空アーク蒸発源20の陰極30の前方を取り囲む円筒状
または円環状の陽極36の外周部に、円筒状または円環
状の磁性部材46を取り付け、両者36、46を同電位
にしている。この磁性部材46は強磁性体から成る。こ
れによって、磁気フィルタ50の作る磁力線58の内
で、陽極36またはその近傍を通るものが多くなり、そ
の結果、アーク放電によって陰極30から放出された電
子が陽極36に到達しやすくなり、強磁場時でもアーク
放電の維持が可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば自動車部
品、機械部品、工具、金型、レンズ、ガラス、半導体基
板等の基体の表面に薄膜を形成することに用いられる真
空アーク蒸発装置に関し、より具体的には、真空アーク
蒸発源で生成したプラズマを磁場によって湾曲させて輸
送して、当該プラズマから粗大粒子を除去して導出する
磁気フィルタを備える真空アーク蒸発装置において、磁
気フィルタの磁場強度を高めてプラズマの輸送効率を高
める場合に、真空アーク蒸発源におけるアーク放電の維
持が困難になることを防止する手段に関する。
【0002】
【従来の技術】真空アーク放電によって陰極を蒸発させ
て陰極物質を含むプラズマを生成する真空アーク蒸発源
を用いて、この真空アーク蒸発源で発生させたプラズマ
中のイオン(この明細書では正イオンを意味する)を負
バイアス電圧等によって基体に引き込んで基体の表面に
薄膜を形成する手法は、真空アーク蒸着法またはアーク
式イオンプレーティング法と呼ばれており、成膜速度が
大きい、膜の密着性が高い等の特長を有している。
【0003】成膜速度が大きいのは、真空アーク放電を
利用して陰極から陰極物質を大量に蒸発させることがで
きるからである。膜の密着性が高いのは、上記プラズマ
中のイオンを、負バイアス電圧等による電界によって基
体に引き込んで衝突させることができるからである。
【0004】しかし、真空アーク蒸発源の陰極から蒸発
させる陰極物質には、成膜に好ましい微小粒子の他に、
例えば直径が数μm〜数十μm程度という粗大粒子(こ
れはドロップレットまたはマクロパーティクルとも呼ば
れる)が含まれており、この粗大粒子が基体に飛来して
付着してしまい、これが原因で膜表面の平滑性や基体に
対する膜の密着性が低下するという問題がある。
【0005】この粗大粒子の問題を解決する一手段とし
て、図11に示すように、上記のような真空アーク蒸発
源20と、それで生成したプラズマ38を磁場によって
湾曲させて輸送して粗大粒子を除去して導出する磁気フ
ィルタ50とを組み合わせた真空アーク蒸発装置10a
が提案されている。
【0006】真空アーク蒸発源20は、この例では、陰
極ホルダ24に取り付けられた陰極30と、この陰極3
0の蒸発面32よりも前方(この明細書では陰極物質3
4の蒸発方向を言う)に配置された円筒状または円環状
の陽極36とを有していて、両者30、36間の真空ア
ーク放電によって陰極30を蒸発させて陰極物質(即
ち、陰極30を構成する物質。以下同じ)34を含むプ
ラズマ38を生成するものである。
【0007】陰極30は、成膜しようとする膜の種類に
応じた所望の材料(例えばチタン等の金属、TiAl 等
の合金、炭素(グラファイト)等)から成る。陽極36
は、通常は銅から成る。陰極ホルダ24は、非磁性の金
属から成る。
【0008】この例では陽極36は電気的に接地されて
おり、この陽極36と陰極30との間には、アーク電源
44から、陰極30を負極側にして、例えば数十V〜1
00V程度のアーク放電電圧が印加される。40はトリ
ガ電極、42は絶縁物である。
【0009】陰極ホルダ24は、この例では、絶縁物2
6を介して、磁気フィルタ50を構成する輸送管52の
一端の蓋をする支持板28に取り付けられている。この
陰極ホルダ24の背面部には、磁界によって、アークス
ポット(アーク放電の陰極点)を陰極30の蒸発面32
内に拘束する磁石(例えば永久磁石)22が設けられて
いる。
【0010】磁気フィルタ50は、この例では、湾曲し
た輸送管52と、この輸送管52に沿って湾曲した磁場
を形成する磁気コイル54と、この磁気コイル54を励
磁する直流電源56とを備えている。磁気コイル54
は、図示例のような複数のトロイダルコイルでも良い
し、輸送管52の外周部に沿って巻かれたソレノイドコ
イルでも良い。この磁気コイル54が発生する磁力線5
8の一部を図11中に概略的に示すが、輸送管52の内
面にほぼ沿っている。この磁力線58の、陰極300お
よび陽極36付近の様子は図12に示す。
【0011】輸送管52を湾曲させる角度αは、真空ア
ーク蒸発源20の陰極30の蒸発面32から、成膜室6
0内の基体64が直線的に見通せない程度にするのが好
ましい。より具体的には、例えば90度程度にするのが
好ましい。
【0012】なお、磁気コイル54の近くの部材、例え
ば輸送管52、支持板28および成膜室60等は、磁気
コイル54が作る磁力線58(磁場)を乱さないため
に、非磁性体で構成している。
【0013】上記のような真空アーク蒸発源20および
磁気フィルタ50を備える真空アーク蒸発装置10a
を、この例では、成膜しようとする基体64を保持する
ホルダ62を収納した成膜室60に、輸送管52の他端
(真空アーク蒸発源20とは反対側の端)が基体64に
向くように接続しており、これによって膜形成装置を構
成している。このような膜形成装置は、真空アーク蒸着
装置またはアーク式イオンプレーティング装置とも呼ば
れる。輸送管52内は、成膜室60と共に、図示しない
真空排気装置によって真空排気される。
【0014】真空アーク蒸発源20によって生成された
プラズマ38は、磁気フィルタ50中をその磁場に沿っ
て輸送されて磁気フィルタ50の他端部から導出され、
成膜室60内の基体64の近傍に導かれる。その際、プ
ラズマ38中に含まれている粗大粒子は、電荷を持たな
いものは磁場の影響を受けずに直進して輸送管52の内
壁に衝突するので、磁気フィルタ50からは導出され
ず、基体64に到達しない。また、電荷を持つ場合で
も、磁場中での螺旋運動の半径(ラーマー半径)が質量
に比例して極端に大きくなるため、輸送管52の内壁や
当該内壁に突設したフィン(図示省略)等に衝突して消
滅(付着)する。その結果、磁気フィルタ50からは、
粗大粒子を殆ど含まないプラズマ38が導出され、それ
が基体64の近傍に導かれる。従って、粗大粒子が基体
64に付着することを防止することができる。
【0015】このとき、基体64に負バイアス電圧を印
加する等して、基体64の電位をプラズマ38の電位よ
りも低く設定しておくことによって、当該電位差によっ
て、前述したようにプラズマ38中のイオンを基体64
に引き込んで衝突させることができる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上記真空アーク蒸発装
置10aにおいては、磁気フィルタ50の磁気コイル5
4が発生する磁場強度(磁束密度)を高くする方が、磁
気フィルタ50によるプラズマ38の輸送効率が向上す
るので、磁気フィルタ50から導出されるプラズマ38
の量が多くなり、ひいては基体64に対する成膜速度が
向上する。
【0017】ところが、上記磁場強度を高くすると、そ
れに伴って真空アーク蒸発源20の陰極30および陽極
36付近の磁場強度も高くなり、アーク放電によって陰
極30から放出された電子37が、図12に示すよう
に、磁気コイル54が発生する磁力線58に強く捕捉さ
れて陽極36の内側の空間を素通りしてしまい、陽極3
6に到達しにくくなる。磁気コイル54による磁場強度
を高くするほど、当該磁気コイル54が発生する多くの
磁力線58は陽極36の内側空間を通り抜けるようにな
るので、電子37は陽極36に入射せずに素通りしやす
くなる。このように陰極30から放出された電子37が
陽極36に到達しにくくなると、陰極30と陽極36と
の間のアーク放電の維持が困難になる。即ち、両者3
0、36間で初期放電が生じにくくなると共に、その後
の放電維持も困難になる。
【0018】このように、従来の真空アーク蒸発装置1
0aでは、磁気フィルタ50の磁場強度を高めてプラズ
マ38の輸送効率を高めようとすると、真空アーク蒸発
源20でのアーク放電の維持が困難になり、プラズマ3
8の輸送効率向上と真空アーク蒸発源20でのアーク放
電維持とを両立させることが困難であるという課題があ
る。
【0019】特に、陰極30が炭素または炭素を主成分
とする材料から成る場合には、磁気フィルタ50の磁場
強度を高めたときのアーク放電維持は一層困難になる。
これは、炭素またはそれを主成分とする材料は元々アー
ク放電が難しいことに加えて、陰極30からの電子37
が上述のように陽極36に到達しにくくなってアーク放
電を更に困難にするからである。
【0020】なお、陰極30が、アーク放電維持の難し
い炭素またはそれを主成分とする材料から成る場合は、
あるいはその他の材料の場合でも、輸送管52内に例え
ば不活性ガスや反応性ガス等のガスを導入して陰極30
付近のガス圧を敢えて高くすることによって、アーク放
電維持を容易にするという方法が考えられるけれども、
そのようにすると別の問題が生じる。即ち、アーク放電
で生じたガスイオンがプラズマ38中に多量に含まれる
ようになり、それが成膜に悪影響を及ぼすようになる。
例えば、当該ガスイオンが基体64に多量に入射して、
基体64の表面に形成される薄膜の膜質が変化したり、
膜中の内部応力が増大したり、基体64が不必要に加熱
されたりする。
【0021】そこでこの発明は、真空アーク蒸発源と磁
気フィルタとを組み合わせた真空アーク蒸発装置におい
て、磁気フィルタの磁場強度を高めてプラズマの輸送効
率を高める場合にでも、ガス導入を行わなくても真空ア
ーク蒸発源においてアーク放電の維持を可能にすること
を主たる目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】この発明に係る真空アー
ク蒸発装置の一つは、前記真空アーク蒸発源の陰極の蒸
発面よりも前方であってしかも陽極の近傍に磁性部材を
設けたことを特徴としている。
【0023】このような磁性部材を設けることによっ
て、磁気フィルタが作る磁力線(換言すれば磁束。以下
同じ)の内で、真空アーク蒸発源の陰極から陽極付近の
磁力線の状態を、アーク放電の維持に都合の良い状態に
制御することができる。具体的には、上記のような磁性
部材を陽極近傍に設けることによって、磁気フィルタが
作る磁力線の一部が当該磁性部材に引き寄せられるよう
になるので、陰極から陽極またはその近傍にかけての領
域を通る磁力線が増加する。この作用は、磁気フィルタ
の磁場強度を高めたときにも得られる。
【0024】上記のような磁力線はアーク放電の維持に
有効に作用するものであり、これが増加することによっ
て、アーク放電によって陰極から放出された電子の内
で、陽極またはその近傍を通る上記磁力線に捕捉されて
陽極に到達するものが増加する。これによって、真空ア
ーク蒸発源における初期放電およびその後の放電維持が
容易になり、アーク放電が安定する。
【0025】その結果、磁気フィルタの磁場強度を高め
てプラズマの輸送効率を高める場合にでも、ガス導入を
行わなくても真空アーク蒸発源においてアーク放電の維
持が可能になるので、プラズマの輸送効率向上とアーク
放電維持とを、ガス導入を行わなくても両立させること
ができる。
【0026】前記磁性部材の電位は、真空アーク蒸発源
の陽極と同電位でも良いし、浮遊電位でも良いし、陽極
の電位と陰極の電位との間の中間電位でも良い。
【0027】前記磁性部材は、それと陰極の蒸発面との
間に陽極が位置するように配置するのが好ましい。その
ようにすれば、磁性部材が陰極の蒸発面と陽極との間を
遮らないので、陰極から放出されて上記磁力線に捕捉さ
れた電子が陽極に到達しやすくなる。磁性部材の電位が
上記浮遊電位または中間電位の場合は特に、上記のよう
に配置するのが好ましい。
【0028】前記磁性部材を、真空アーク蒸発源の陽極
に取り付けて、当該陽極と同電位にしても良い。
【0029】真空アーク蒸発源の陽極を磁性体で構成し
て、当該陽極が前記磁性部材を兼ねるようにしても良
い。
【0030】その他にも様々な実施の形態が採り得るの
で、それを以下に詳述する。
【0031】
【発明の実施の形態】図1は、この発明に係る真空アー
ク蒸発装置を備える膜形成装置の一例を示す断面図であ
る。図2は、図1中の陰極、陽極および磁性部材を拡大
して示す正面図である。図11に示した従来例と同一ま
たは相当する部分には同一符号を付し、以下においては
当該従来例との相違点を主に説明する。
【0032】この例の真空アーク蒸発装置10cにおい
ては、真空アーク蒸発源20の前述したような円筒状ま
たは円環状の陽極36の外周部に、円筒状または円環状
の磁性部材46を取り付け、当該磁性部材46を陽極3
6と同電位(具体的にはこの例では接地電位)にしてい
る。
【0033】陽極36は、前述したように陰極30の蒸
発面32よりも前方に配置されているので、その外周部
に取り付けた磁性部材46も、蒸発面32よりも前方に
位置していることになる。また、磁性部材46を陽極3
6の外周部に取り付けることによって、当該磁性部材4
6と陰極30の蒸発面32との間に陽極36が位置する
ようになる。
【0034】磁性部材46は、例えば鉄、ニッケル、コ
バルト、それらを含む合金、フェライト等の強磁性体か
ら成る。より具体的には、磁性部材46として、構造用
炭素鋼(例えばSS400)、フェライト系ステンレス
鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼(いずれも磁性ステ
ンレス鋼)、NiFe 、CoPt 等を用いることができ
る。
【0035】このような磁性部材46を設けることによ
って、前述した磁気フィルタ50(より具体的にはその
磁気コイル54)が作る磁力線58の内で、真空アーク
蒸発源20の陰極30から陽極36付近の磁力線58の
状態を、陰極30と陽極36間のアーク放電の維持に都
合の良い状態に制御することができる。
【0036】具体的には、上記のような磁性部材46を
陽極36の外周部に取り付けることによって、図3に示
す例のように、磁気フィルタ50の磁気コイル54が作
る磁力線58の一部が当該磁性部材46に引き寄せられ
るようになるので、真空アーク蒸発源20の陽極36ま
たはその近傍に向かう磁力線58が、より具体的には真
空アーク蒸発源20の陰極30から陽極36またはその
近傍を通る磁力線58が増加する。この作用は、磁気フ
ィルタ50の磁場強度を高めたときにも得られる。
【0037】上記のような磁力線58は、真空アーク蒸
発源20におけるアーク放電の維持に有効に作用するも
のであり、これが増加することによって、アーク放電に
よって陰極30から放出された電子の内で、陽極36ま
たはその近傍を通る上記磁力線58に捕捉されて陽極3
6に到達するものが増加する。図3中に、そのような陽
極36に到達する電子37を模式的に示す。これによっ
て、真空アーク蒸発源20における初期アーク放電およ
びその後のアーク放電維持が容易になり、アーク放電が
安定する。磁気フィルタ50の磁場強度を高めたときも
そうである。
【0038】その結果、磁気フィルタ50の磁場強度を
高めてプラズマ38の輸送効率を高める場合にでも、輸
送管52内に不活性ガス等の放電維持用のガス導入を行
わなくても、真空アーク蒸発源20においてアーク放電
の安定化および維持が可能になるので、磁気フィルタ5
0におけるプラズマ38の輸送効率向上と、真空アーク
蒸発源20におけるアーク放電維持とを、ガス導入を行
わなくても両立させることができる。
【0039】その結果、磁気フィルタ50において粗大
粒子を除去しつつ、プラズマ38を高効率で輸送して基
体64上に高速で成膜することができるようになると共
に、ガス導入に伴う成膜への前述したような悪影響を無
くすることができる。しかもこれらを、上記のような磁
性部材46を設けるという非常に簡単な構成によって実
現することができるので、装置が大がかりにならずに済
む。
【0040】陰極30が炭素から成る、あるいは炭素を
主成分とする材料から成る場合は、前述したように従来
はアーク放電維持が一層難しいという問題があったけれ
ども、この発明によれば陰極30がそのような炭素系材
料の場合にも、ガス導入を行わなくても、強磁場でのア
ーク放電の維持が可能になるので、効果は一層顕著にな
る。
【0041】磁性部材46の電位は、陽極36と同電位
でも良いし、浮遊電位でも良いし、陽極36の電位と陰
極30の電位との間の中間電位でも良い。磁性部材46
は、その電位ではなく、それに磁力線58を引き寄せる
ことによって陽極36に磁力線58を向かわせる作用が
重要だからである。他の実施例においても同様である。
【0042】磁性部材46の電位を陽極36と同電位に
するには、図1の例のように磁性部材46を陽極36に
取り付けるのが簡単であるが、両者を別に配置して電気
的に接続しても良い。磁性部材46を陽極36と同電位
にすると、両者間の電気絶縁を行わなくても良いので、
絶縁が楽になる。
【0043】図5は、磁性部材46の電位を浮遊電位に
する場合の例である。浮遊電位にする場合は、磁性部材
46を陽極36の外周近傍に陽極36から離して配置す
れば良い。または、磁性部材46と陽極36との間に絶
縁物を介在させても良い。磁性部材46を浮遊電位にす
ると、磁性部材46にイオン等の荷電粒子が入射しにく
くなるので、当該荷電粒子入射による磁性部材46の加
熱が少なくて済み、磁性部材46の冷却が楽になる。
【0044】磁性部材46は、上記例のように陽極36
よりも外側(陽極36の半径方向の外側)、または陽極
36よりも下流側(陰極物質34の進行方向側)に配置
するのが好ましい。換言すれば、磁性部材46は、それ
と陰極30の蒸発面32との間に陽極36が位置するよ
うに配置するのが好ましい。そのようにすれば、磁性部
材46が陰極30の蒸発面32と陽極36との間を遮ら
ないので、陰極30から放出されて前述したような磁力
線58に捕捉された電子37(図3参照)が陽極36に
到達しやすくなる。磁性部材46の電位が上記浮遊電位
または中間電位の場合は特に、上記のように配置するの
が好ましい。もっとも、磁性部材46が陽極36と同電
位の場合は、磁性部材46を電気的には陽極の一部であ
ると見ることができるので、磁性部材46を敢えて上記
のように配置しなくても良い。
【0045】なお、真空アーク蒸発源20には、従来か
ら図4に示す例のように、陰極30の外周に、磁性材料
から成る環状のアークスポット拘束板48を設ける場合
がある。このアークスポット拘束板48は、より具体的
には、陰極30の蒸発面32とほぼ同じ平面上に、当該
蒸発面32の周囲を取り囲むように配置されている。こ
のアークスポット拘束板48は、磁性体なので、磁石2
2から出る磁束を整えて、アークスポットの動きを陰極
30の蒸発面32に限定する作用をする。
【0046】このようなアークスポット拘束板48と上
記磁性部材46とを併用しても良い。他の例においても
同様である。但し、アークスポット拘束板48と磁性部
材46とは、上記のように設けている場所も作用効果も
全く別であり、両者は別のものであるので、磁性部材4
6を設けずにアークスポット拘束板48を設けても、磁
性部材46が奏する前述したような作用効果をアークス
ポット拘束板48が奏することはできない。即ち、アー
クスポット拘束板48は、上記磁性部材46と違って、
陰極30の蒸発面32よりも前方であってしかも陽極3
6の近傍には設けられていないので、このようなアーク
スポット拘束板48では、陽極36に向かう磁力線58
を増やして強磁場時のアーク放電の維持を可能にする、
という作用効果を奏することはできない。
【0047】陰極30の蒸発面32と、陽極36および
磁性部材46との間の距離L1 およびL2 (図5参照)
は、あまり小さいとアーク放電の広がりが小さくなり、
あまり大きいとアーク放電の維持が困難になるので、例
えば30mm〜120mm程度にするのが好ましく、そ
の内でも50mm〜80mm程度にするのがより好まし
い。
【0048】この発明の他の実施の形態を説明すると、
陽極36と別に上記のような磁性部材46を設ける代わ
りに、図6に示す例のように、真空アーク蒸発源20の
陽極36を磁性体(より具体的には前述したような強磁
性体。以下同じ)で構成して、当該陽極36が前記磁性
部材を兼ねるようにしても良い。
【0049】そのようにすれば、陽極36自身が、磁気
コイル54が作る磁力線58を陽極36に引き寄せる作
用をするので、陽極36に向かう磁力線58を増やして
強磁場時のアーク放電の維持が可能になる。従って、上
記例の場合と同様に、磁気フィルタ50の磁場強度を高
めてプラズマ38の輸送効率を高める場合にでも、輸送
管52内にガス導入を行わなくても真空アーク蒸発源2
0においてアーク放電の維持が可能になる。
【0050】陽極36とは別に磁性部材46を設ける
と、それぞれの目的に都合の良い材質を選択することが
できる等の利点がある。例えば、陽極36には導電率お
よび熱伝導率の高い銅を用い、磁性部材46には安価で
透磁率の高い構造用炭素鋼等を用いることができる。陽
極36を強磁性体で構成して磁性部材を兼ねさせると、
部品点数が減り構成をより簡素化することができる等の
利点がある。後述する他の例においても同様である。
【0051】上記磁性部材46は、荷電粒子の流入や陰
極表面からの輻射熱等によって温度が上昇するので、当
該磁性部材46に、それを冷却水等の冷媒によって冷却
する冷却機構を設けるのが好ましい。そのようにするこ
とによって、磁性部材46の過大な温度上昇による変
形、損傷等を防止することができる。例えば、磁性部材
46の外周部に、冷却水が流される冷却パイプを沿わせ
ておけば良い。後述する他の例においても同様である。
【0052】図6に示した例のように、陽極36を磁性
体で構成してそれが磁性部材を兼ねる場合は、当該陽極
36に上記のような冷却機構を設けるのが好ましい。そ
のようにすることによって、陽極36の過大な温度上昇
による変形、損傷等を防止することができる。後述する
他の例においても同様である。
【0053】真空アーク蒸発源20は、複数の陰極30
を有していても良い。その場合は、例えば、複数個の陰
極30に対して共通の前述したような陽極36および磁
性部材46を設けても良い。図7は、陰極30が2個の
場合の例を示す。陽極36および磁性部材46の平面形
状は、図示例のように長円形でも良いし、楕円形等でも
良い。陽極36を磁性体で構成して磁性部材を兼ねさせ
る場合も同様である。
【0054】上記例はいずれも、真空アーク蒸発源20
の陽極36は陰極30の前方を取り囲む形状をしてお
り、この陽極36の外周部または外周近傍に、陰極30
の前方を取り囲む形状の磁性部材46を配置したもので
ある。あるいは、そのような形状の陽極36を磁性体で
構成して磁性部材を兼ねさせたものである。陰極30の
前方を取り囲む形状の例として、平面形状が円形、長円
形、楕円形、四角形等をした筒状、環状(板に穴をあけ
たものも含む)等が挙げられる。
【0055】陽極36をこのような形状にするのは、陰
極30の蒸発面32からの陰極物質34の蒸発およびプ
ラズマ38の導出に際して陽極36が陰に(邪魔に)な
りにくく好ましいからである。陽極36がこのような形
状の場合は特に、磁気フィルタ50の磁場強度を高くす
ると、図12に示したように、磁気コイル54が発生す
る磁力線58は陽極36の内側空間を通り抜けるように
なり、それに伴って陰極30から放出された電子37が
陽極36に入射せずに素通りしやすくなるので、上記の
ような磁性部材46を設けたり、あるいは陽極36を磁
性体で構成して磁性部材を兼ねさせたりすることによる
前記効果は顕著になる。
【0056】もっとも、真空アーク蒸発源20の陽極3
6は、例えば図8に示す例のように、陰極30の蒸発面
32の正面を避けて当該蒸発面32に沿って(例えば平
行に)配置された複数本(図示例では2本)の棒状をし
ていても良い。このような場合も、陽極36が陰極30
の前方を取り囲む上記例の場合と同様に、磁気フィルタ
50の磁場強度を高くすると、陰極30から放出された
電子が陽極36に入射せずに素通りしやすくなる。
【0057】このような場合も、陰極30の蒸発面32
よりも前方であってしかも各陽極36の近傍に磁性部材
46をそれぞれ設ければ良い。例えば図8に示す例のよ
うに、磁性部材46を、それと陰極30の蒸発面32と
の間に陽極36が位置するように、各陽極36の近傍に
それぞれ配置すれば良い。あるいは、磁性部材46を設
ける代わりに、各陽極36を磁性体(強磁性体)で構成
して磁性部材を兼ねさせても良い。
【0058】この例の場合も、磁性部材46が、あるい
は磁性体で構成した陽極36自身が、磁気フィルタ50
の磁気コイル54が作る磁力線58を陽極36またはそ
の近傍に引き寄せる作用をするので、陽極36に向かう
磁力線58を増やして強磁場時のアーク放電の維持が可
能になる。従って、上記例の場合と同様に、磁気フィル
タ50の磁場強度を高めてプラズマ38の輸送効率を高
める場合にでも、輸送管52内にガス導入を行わなくて
も真空アーク蒸発源20においてアーク放電の維持が可
能になる。
【0059】図9に示す例のように、真空アーク蒸発源
20の陽極として、1本以上(図示例では1本)の棒状
の陽極36を、陰極30の蒸発面32の正面に当該蒸発
面32に沿って(例えば平行に)配置しても良い。この
場合は、必ずしも磁性部材46を設けたり、陽極36を
磁性体で構成しなくても良い。
【0060】これは、磁気フィルタ50の磁場強度を高
くして図12に示したように磁気コイル54が作る磁力
線58が蒸発面32の正面をその垂直方向に通るように
なっても、当該磁力線58と交差するように上記陽極3
6が存在することになるので、当該磁力線58に捕捉さ
れた電子37が陽極36に到達しやすくなり、アーク放
電の維持が可能になるからである。従って、上記各例の
場合と同様に、磁気フィルタ50の磁場強度を高めてプ
ラズマ38の輸送効率を高める場合にでも、輸送管52
内にガス導入を行わなくても真空アーク蒸発源20にお
いてアーク放電の維持が可能になる。
【0061】もっとも、図9の例の場合も、図8の例の
場合と同様に、磁性部材46を設けたり、陽極36を磁
性体(強磁性体)で構成することを併用しても良い。磁
性部材46を設ける場合は、それを、陰極30の蒸発面
32よりも前方であってしかも各陽極36の近傍に設け
れば良い。例えば図9に示す例のように、磁性部材46
を、それと陰極30の蒸発面32との間に陽極36が位
置するように、陽極36の近傍に配置すれば良い。
【0062】上記のようにすれば、より多くの磁力線5
8が陽極36またはその近傍を通るようになって電子3
7が陽極36により到達しやすくなるので、強磁場時の
アーク放電の維持がより容易になる。
【0063】また、図10に示す例のように、真空アー
ク蒸発源20の陽極として、1本以上(図示例では1
本)の棒状の陽極36を、その一端面35を陰極30の
蒸発面32に向けて、当該蒸発面32の正面に配置して
も良い。この場合も、必ずしも磁性部材46を設けた
り、陽極36を磁性体で構成しなくても良い。陽極36
は、必要に応じて、図10に示すようなものよりも長く
しても良い。
【0064】これは、磁気フィルタ50の磁場強度を高
くして図12に示したように磁気コイル54が作る磁力
線58が蒸発面32の正面をそのほぼ垂直方向に通るよ
うになっても、図10Bに示すように、当該磁力線58
に沿って上記陽極36が存在することになるので、当該
磁力線58に捕捉された電子37が陽極36に到達しや
すくなり、アーク放電の維持が可能になるからである。
従って、上記各例の場合と同様に、磁気フィルタ50の
磁場強度を高めてプラズマ38の輸送効率を高める場合
にでも、輸送管52内にガス導入を行わなくても真空ア
ーク蒸発源20においてアーク放電の維持が可能にな
る。
【0065】しかも、陽極36を上記のように配置する
と、蒸発面32から放出された電子37の磁場中でのラ
ーマー半径は小さいので、電子37は陽極36に衝突し
てアーク放電がうまく維持されるのに対して、プラズマ
38中のイオンは、重くてそのラーマー半径は電子37
のそれよりも遙かに大きいので(例えば、磁場強度にも
よるが、1cm以上にもなる)、陽極36に衝突せずに
下流側へ輸送される確率が高くなる。従って、図9の例
に比べて、プラズマ38の輸送効率が向上する。
【0066】もちろん、この図10および上記図9のい
ずれの場合も、陽極36や磁性部材46がプラズマ38
の輸送を妨げる割合を小さくするためには、陽極36や
磁性部材46を、安定なアーク放電維持を実現できる範
囲で、適当に細くする方が好ましい。
【0067】この図10の例の場合も、図9の例の場合
と同様に、磁性部材46を設けたり、陽極36を磁性体
(強磁性体)で構成することを併用しても良い。磁性部
材46を設ける場合は、それを、陰極30の蒸発面32
よりも前方であってしかも各陽極36の近傍に設ければ
良い。より具体的には、図10に示す例のように、磁性
部材46を、それと陰極30の蒸発面32との間に陽極
36が位置するように、陽極36の下流側の近傍に配置
すれば良い。
【0068】上記のようにすれば、より多くの磁力線5
8が陽極36またはその近傍を通るようになって電子3
7が陽極36により到達しやすくなるので、強磁場時の
アーク放電の維持がより容易になる。
【0069】図8〜図10に示した例の場合も、磁性部
材46の電位や、磁性部材46を陽極36に取り付ける
か否か、磁性部材46や陽極36に冷却機構を設けるか
否か、等については、これら以前の例の場合と同様であ
る。また、陰極30が炭素またはそれを主成分とする材
料から成る場合に効果が一層顕著になることも同様であ
る。
【0070】なお、磁気フィルタ50においては、磁気
コイル54の代わりに、複数の永久磁石を用いて、輸送
管52に沿って湾曲した磁場を形成しても良い。その場
合は直流電源56は不要である。
【0071】また、磁気フィルタ50の輸送管52は、
電気的に接地しても良いし、接地せずにバイアス電圧を
印加するようにしても良い。
【0072】
【実施例】(実施例1)図1に示したように磁性部材4
6を陽極36の外周部に固定した構造の真空アーク蒸発
装置10cを備える膜形成装置を用いて成膜試験を行っ
た。そのときの試験条件は以下に示すとおりであり、試
験結果を表1に示す。
【0073】SS400は、構造用炭素鋼の一種であ
る。磁気コイル54の電流は、4個のコイルで同電流と
した。また、表中の成膜速度比は、図13に示すよう
に、磁気フィルタを有しないタイプの真空アーク蒸発装
置10bを用いたときの成膜速度との比である。比較に
用いた距離Dは、磁気フィルタを用いない場合は図13
に示すように陰極30の蒸発面32から基体64までの
距離とし、磁気フィルタ50を用いた場合は図1等に示
すように磁気フィルタ50の出口端から基体64までの
距離とし、共に350mmとした。これらは、他の実施
例および比較例においても同様である。
【0074】陰極30:炭素材(直径60mm×長さ3
0mmの円柱形) アーク電流:80A 磁気コイル54の電流:表中に示す 成膜室真空度:1×10-3Pa 陽極36:銅材(直径80mm×長さ50mm×厚さ2
mmの円筒形)、水冷式 磁性部材46:SS400材(直径84mm×長さ5m
m×厚さ2mmの円環状)、陽極電位 輸送管52へのガス導入:行わず
【0075】
【表1】
【0076】この表1の結果から分かるように、磁気コ
イル54の電流を10Aから150Aまで大きくして磁
気フィルタ50における磁場強度を高めても、全ての磁
気コイル電流で真空アーク蒸発源20においてアーク放
電維持が可能であった。しかもコイル電流150Aのと
きに、磁気フィルタ50を用いない場合の1/2という
高い成膜速度が得られた。これは、強磁場によって、磁
気フィルタ50におけるプラズマ38の輸送効率が高ま
ったからである。
【0077】(比較例)比較のために、図11に示した
従来の真空アーク蒸発装置10aを備える膜形成装置を
用いて成膜試験を行った。この真空アーク蒸発装置10
aは磁性部材を有しておらず、それ以外は上記実施例1
と同じ試験条件にした。その試験結果を表2に示す。
【0078】
【表2】
【0079】この表2の結果から分かるように、磁気コ
イル54の電流が10Aを超えると、真空アーク蒸発源
20においてアーク放電を維持することができなくなっ
た。従ってこの比較例で得られる成膜速度比は最大で1
/8であり、上記実施例1で得られた最大の成膜速度比
(1/2)の1/4(25%)しか得ることができなか
った。
【0080】(実施例2)図5に示したように磁性部材
46を陽極36の外周近傍に配置した構造の真空アーク
蒸発装置10cを備える膜形成装置を用いて成膜試験を
行った。この実施例2では、磁性部材46は、SS40
0から成り直径85mm×長さ5mm×厚さ2mmの円
環状をしており、陽極36とは電気的には絶縁して当該
磁性部材46を浮遊電位にした。それ以外は上記実施例
1と同じ試験条件にした。その試験結果を表3に示す。
【0081】
【表3】
【0082】この表3の結果から分かるように、上記実
施例1と同様の結果が得られた。
【0083】(実施例3)図6に示したように陽極36
を磁性体で構成して当該陽極36が磁性部材を兼ねてい
る真空アーク蒸発装置10cを備える膜形成装置を用い
て成膜試験を行った。この実施例3では、陽極36はS
S400から成り直径85mm×長さ5mm×厚さ2m
mの円環状をしており、水冷式とした。それ以外は上記
実施例1と同じ試験条件にした。その結果を表4に示
す。
【0084】
【表4】
【0085】この表4の結果から分かるように、上記実
施例1とほぼ同じ結果が得られた。即ち、磁気コイル5
4の電流を10Aから150Aまで大きくして磁気フィ
ルタ50における磁場強度を高めても、全ての磁気コイ
ル電流で真空アーク蒸発源20においてアーク放電維持
が可能であった。しかもコイル電流150Aのときに、
磁気フィルタ50を用いない場合の1/3という高い成
膜速度が得られた。
【0086】
【発明の効果】この発明は、上記のとおり構成されてい
るので、次のような効果を奏する。
【0087】請求項1記載の発明によれば、上記のよう
な磁性部材を陽極近傍に設けることによって、磁気フィ
ルタが作る磁力線の一部が当該磁性部材に引き寄せられ
るようになるので、真空アーク蒸発源の陰極から陽極ま
たはその近傍にかけての領域を通る磁力線が増加する。
その結果、アーク放電によって陰極から放出された電子
の内で、陽極またはその近傍を通る上記磁力線に捕捉さ
れて陽極に到達するものが増加し、それによって、真空
アーク蒸発源における初期放電およびその後の放電維持
が容易になり、アーク放電が安定する。
【0088】その結果、磁気フィルタの磁場強度を高め
てプラズマの輸送効率を高める場合にでも、ガス導入を
行わなくても真空アーク蒸発源においてアーク放電の維
持が可能になり、プラズマの輸送効率向上とアーク放電
維持とを、ガス導入を行わなくても両立させることがで
きる。
【0089】その結果、磁気フィルタにおいて粗大粒子
を除去しつつ、プラズマを高効率で輸送して基体上に高
速で成膜することができるようになると共に、ガス導入
に伴う成膜への前述したような悪影響を無くすることが
できる。しかもこれらを、上記のような磁性部材を設け
るという非常に簡単な構成によって実現することができ
るので、装置が大がかりにならずに済む。
【0090】請求項2記載の発明によれば、磁性部材が
陰極の蒸発面と陽極との間を遮らなくなるので、陰極か
ら放出されて上記磁力線に捕捉された電子が陽極に到達
しやすくなり、アーク放電の安定維持により都合が良く
なる、という更なる効果を奏する。
【0091】請求項3記載の発明によれば、陽極自身
が、磁気フィルタが作る磁力線を陽極に引き寄せる作用
をするので、陽極に向かう磁力線を増やして強磁場時の
アーク放電の維持が可能になる。従って、請求項1記載
の発明の上記効果と同様の効果を奏することができる。
しかも、部品点数が減り、構成をより簡素化することが
できる。
【0092】陽極が請求項4記載の発明のような場合、
磁性部材がなければ、磁気フィルタが発生する多くの磁
力線は陽極の内側空間を通り抜けるようになり、それに
伴って陰極から放出された電子が陽極に入射せずに素通
りしやすくなるのに対して、上記のような磁性部材を設
けることによって、磁力線を陽極またはその近傍に引き
寄せることができるので、請求項1記載の発明が奏する
上記効果と同様の効果をより顕著に奏することができ
る。
【0093】請求項5記載の発明によれば、陽極自身
が、磁気フィルタが作る磁力線を陽極に引き寄せる作用
をするので、陽極に向かう磁力線を増やして強磁場時の
アーク放電の維持が可能になる。従って、請求項4記載
の発明の上記効果と同様の効果を奏することができる。
しかも、部品点数が減り、構成をより簡素化することが
できる。
【0094】陽極が請求項6記載の発明のような場合
も、磁性部材がなければ、陽極が陰極の前方を取り囲む
場合と同様に、磁気フィルタの磁場強度を高くすると、
陰極から放出された電子が陽極に入射せずに素通りしや
すくなるのに対して、上記のような磁性部材を設けるこ
とによって、磁気フィルタが作る磁力線を陽極またはそ
の近傍に引き寄せる作用をするので、陽極に向かう磁力
線を増やして強磁場時のアーク放電の維持が可能にな
る。従って、請求項1記載の発明が奏する上記効果と同
様の効果をより顕著に奏することができる。
【0095】請求項7記載の発明によれば、陽極自身
が、磁気フィルタが作る磁力線を陽極に引き寄せる作用
をするので、陽極に向かう磁力線を増やして強磁場時の
アーク放電の維持が可能になる。従って、請求項6記載
の発明の上記効果と同様の効果を奏することができる。
しかも、部品点数が減り、構成をより簡素化することが
できる。
【0096】請求項8記載の発明によれば、磁気フィル
タの磁場強度を高くしてそれが作る磁力線が陰極の蒸発
面の正面をそのほぼ垂直方向に通るようになっても、当
該磁力線と交差するように陽極が存在することになるの
で、当該磁力線に捕捉された電子が陽極に到達しやすく
なり、アーク放電の維持が可能になる。従って、上記他
の発明の場合と同様に、磁気フィルタの磁場強度を高め
てプラズマの輸送効率を高める場合にでも、ガス導入を
行わなくても真空アーク蒸発源においてアーク放電の維
持が可能になる。
【0097】請求項9または10に記載の発明によれ
ば、より多くの磁力線が陽極またはその近傍を通るよう
になって電子が陽極により到達しやすくなるので、強磁
場時のアーク放電の維持がより容易になる。
【0098】請求項11記載の発明によれば、磁気フィ
ルタの磁場強度を高くしてそれが作る磁力線が陰極の蒸
発面の正面をそのほぼ垂直方向に通るようになっても、
当該磁力線に沿って陽極が存在することになるので、当
該磁力線に捕捉された電子が陽極に到達しやすくなり、
アーク放電の維持が可能になる。従って、上記他の発明
の場合と同様に、磁気フィルタの磁場強度を高めてプラ
ズマの輸送効率を高める場合にでも、ガス導入を行わな
くても真空アーク蒸発源においてアーク放電の維持が可
能になる。
【0099】しかも、陽極を上記のように配置すると、
磁場中での電子とイオンのラーマー半径の違いから(前
者が小、後者が大)、電子は陽極に衝突してアーク放電
がうまく維持されるのに対して、プラズマ中のイオンは
陽極に衝突せずに下流側へ輸送される確率が高くなるの
で、請求項8記載の発明に比べてプラズマの輸送効率が
向上する。
【0100】請求項12または13に記載の発明によれ
ば、より多くの磁力線が陽極またはその近傍を通るよう
になって電子が陽極により到達しやすくなるので、強磁
場時のアーク放電の維持がより容易になる。
【0101】請求項14記載の発明によれば、陽極と磁
性部材間の電気絶縁を行わなくても良いので絶縁が楽に
なる、という更なる効果を奏する。
【0102】請求項15記載の発明によれば、磁性部材
にイオン等の荷電粒子が入射しにくくなるので、当該荷
電粒子入射による磁性部材の加熱が少なくて済み磁性部
材の冷却が楽になる、という更なる効果を奏する。
【0103】請求項16記載の発明によれば、陽極が磁
性部材の支持体を兼ねることができるので、磁性部材の
支持が簡単になる、という更なる効果を奏する。
【0104】請求項17記載の発明によれば、磁性部材
の過大な温度上昇による変形、損傷等を防止することが
できる、という更なる効果を奏する。
【0105】請求項18記載の発明によれば、陽極の過
大な温度上昇による変形、損傷等を防止することができ
る、という更なる効果を奏する。
【0106】請求項19記載の発明のように、陰極が炭
素から成る、あるいは炭素を主成分とする材料から成る
場合は、従来はアーク放電維持が一層難しいという問題
があったけれども、この発明によれば陰極がそのような
炭素系材料の場合にも、ガス導入を行わなくても、強磁
場時のアーク放電の維持が可能になるので、効果は一層
顕著になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る真空アーク蒸発装置を備える膜
形成装置の一例を示す断面図である。
【図2】図1中の陰極、陽極および磁性部材を拡大して
示す正面図である。
【図3】図1中の真空アーク蒸発装置の陰極および陽極
付近の磁力線の概略を示す図である。
【図4】この発明に係る真空アーク蒸発装置の他の例を
部分的に示す断面図である。
【図5】磁性部材の配置の他の例を示す図である。
【図6】この発明に係る真空アーク蒸発装置の更に他の
例を部分的に示す断面図である。
【図7】真空アーク蒸発源が陰極を二つ有する場合の陰
極、陽極および磁性部材の一例を拡大して示す正面図で
ある。
【図8】真空アーク蒸発源の陽極および磁性部材の他の
例を示すものであり、Aは正面図、Bは側面図である。
【図9】真空アーク蒸発源の陽極および磁性部材の他の
例を示すものであり、Aは正面図、Bは側面図である。
【図10】真空アーク蒸発源の陽極および磁性部材の他
の例を示すものであり、Aは正面図、Bは側面図であ
る。
【図11】従来の真空アーク蒸発装置を備える膜形成装
置の一例を示す断面図である。
【図12】図11中の真空アーク蒸発装置の陰極および
陽極付近の磁力線の概略を示す図である。
【図13】磁気フィルタを有しない従来の真空アーク蒸
発装置を備える膜形成装置の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
10c 真空アーク蒸発装置 20 真空アーク蒸発源 30 陰極 32 蒸発面 36 陽極 38 プラズマ 46 磁性部材 50 磁気フィルタ 52 輸送管 54 磁気コイル 58 磁力線
フロントページの続き (72)発明者 三宅 浩二 京都府京都市右京区梅津高畝町47番地 日 新電機株式会社内 Fターム(参考) 4K029 CA01 CA03 DA00 DB17 DD06 DE03

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陰極およびその蒸発面よりも前方に配置
    された陽極を有していて両者間の真空アーク放電によっ
    て陰極を蒸発させて陰極物質を含むプラズマを生成する
    真空アーク蒸発源と、この真空アーク蒸発源によって生
    成したプラズマを磁場によって湾曲させて輸送して粗大
    粒子を除去して導出する磁気フィルタとを備える真空ア
    ーク蒸発装置において、前記真空アーク蒸発源の陰極の
    蒸発面よりも前方であってしかも陽極の近傍に磁性部材
    を設けたことを特徴とする真空アーク蒸発装置。
  2. 【請求項2】 前記磁性部材を、それと陰極の蒸発面と
    の間に前記陽極が位置するように配置している請求項1
    記載の真空アーク蒸発装置。
  3. 【請求項3】 陰極およびその蒸発面よりも前方に配置
    された陽極を有していて両者間の真空アーク放電によっ
    て陰極を蒸発させて陰極物質を含むプラズマを生成する
    真空アーク蒸発源と、この真空アーク蒸発源によって生
    成したプラズマを磁場によって湾曲させて輸送して粗大
    粒子を除去して導出する磁気フィルタとを備える真空ア
    ーク蒸発装置において、前記真空アーク蒸発源の陽極を
    磁性体で構成したことを特徴とする真空アーク蒸発装
    置。
  4. 【請求項4】 陰極およびその蒸発面よりも前方に配置
    された陽極を有していて両者間の真空アーク放電によっ
    て陰極を蒸発させて陰極物質を含むプラズマを生成する
    真空アーク蒸発源と、この真空アーク蒸発源によって生
    成したプラズマを磁場によって湾曲させて輸送して粗大
    粒子を除去して導出する磁気フィルタとを備える真空ア
    ーク蒸発装置において、前記真空アーク蒸発源の陽極は
    陰極の前方を取り囲む形状をしており、この陽極の外周
    部または外周近傍に、陰極の前方を取り囲む形状の磁性
    部材を配置したことを特徴とする真空アーク蒸発装置。
  5. 【請求項5】 陰極およびその蒸発面よりも前方に配置
    された陽極を有していて両者間の真空アーク放電によっ
    て陰極を蒸発させて陰極物質を含むプラズマを生成する
    真空アーク蒸発源と、この真空アーク蒸発源によって生
    成したプラズマを磁場によって湾曲させて輸送して粗大
    粒子を除去して導出する磁気フィルタとを備える真空ア
    ーク蒸発装置において、前記真空アーク蒸発源の陽極は
    陰極の前方を取り囲む形状をしており、この陽極を磁性
    体で構成したことを特徴とする真空アーク蒸発装置。
  6. 【請求項6】 陰極およびその蒸発面よりも前方に配置
    された陽極を有していて両者間の真空アーク放電によっ
    て陰極を蒸発させて陰極物質を含むプラズマを生成する
    真空アーク蒸発源と、この真空アーク蒸発源によって生
    成したプラズマを磁場によって湾曲させて輸送して粗大
    粒子を除去して導出する磁気フィルタとを備える真空ア
    ーク蒸発装置において、前記真空アーク蒸発源の陽極
    は、陰極の蒸発面の正面を避けて当該蒸発面に沿って配
    置された複数本の棒状をしており、かつ磁性部材を、そ
    れと陰極の蒸発面との間に前記陽極が位置するように、
    前記各陽極の近傍にそれぞれ配置していることを特徴と
    する真空アーク蒸発装置。
  7. 【請求項7】 陰極およびその蒸発面よりも前方に配置
    された陽極を有していて両者間の真空アーク放電によっ
    て陰極を蒸発させて陰極物質を含むプラズマを生成する
    真空アーク蒸発源と、この真空アーク蒸発源によって生
    成したプラズマを磁場によって湾曲させて輸送して粗大
    粒子を除去して導出する磁気フィルタとを備える真空ア
    ーク蒸発装置において、前記真空アーク蒸発源の陽極
    は、陰極の蒸発面の正面を避けて当該蒸発面に沿って配
    置された複数本の棒状をしており、この各陽極を磁性体
    で構成したことを特徴とする真空アーク蒸発装置。
  8. 【請求項8】 陰極およびその蒸発面よりも前方に配置
    された陽極を有していて両者間の真空アーク放電によっ
    て陰極を蒸発させて陰極物質を含むプラズマを生成する
    真空アーク蒸発源と、この真空アーク蒸発源によって生
    成したプラズマを磁場によって湾曲させて輸送して粗大
    粒子を除去して導出する磁気フィルタとを備える真空ア
    ーク蒸発装置において、前記真空アーク蒸発源の陽極と
    して、1本以上の棒状の陽極を、陰極の蒸発面の正面に
    当該蒸発面に沿って配置したことを特徴とする真空アー
    ク蒸発装置。
  9. 【請求項9】 磁性部材を、それと前記陰極の蒸発面と
    の間に前記陽極が位置するように、前記各陽極の近傍に
    それぞれ配置している請求項8記載の真空アーク蒸発装
    置。
  10. 【請求項10】 前記各陽極を磁性体で構成している請
    求項8記載の真空アーク蒸発装置。
  11. 【請求項11】 陰極およびその蒸発面よりも前方に配
    置された陽極を有していて両者間の真空アーク放電によ
    って陰極を蒸発させて陰極物質を含むプラズマを生成す
    る真空アーク蒸発源と、この真空アーク蒸発源によって
    生成したプラズマを磁場によって湾曲させて輸送して粗
    大粒子を除去して導出する磁気フィルタとを備える真空
    アーク蒸発装置において、前記真空アーク蒸発源の陽極
    として、1本以上の棒状の陽極を、その一端面を陰極の
    蒸発面に向けて当該蒸発面の正面に配置したことを特徴
    とする真空アーク蒸発装置。
  12. 【請求項12】 磁性部材を、それと前記陰極の蒸発面
    との間に前記陽極が位置するように、前記各陽極の近傍
    にそれぞれ配置している請求項11記載の真空アーク蒸
    発装置。
  13. 【請求項13】 前記各陽極を磁性体で構成している請
    求項11記載の真空アーク蒸発装置。
  14. 【請求項14】 前記磁性部材の電位が前記陽極と同電
    位である請求項1、2、4、6、9または12記載の真
    空アーク蒸発装置。
  15. 【請求項15】 前記磁性部材の電位が浮遊電位である
    請求項1、2、4、6、9または12記載の真空アーク
    蒸発装置。
  16. 【請求項16】 前記真空アーク蒸発源の陽極に前記磁
    性部材を取り付け、当該磁性部材を陽極と同電位にして
    いる請求項1、2、4、6、9または12記載の真空ア
    ーク蒸発装置。
  17. 【請求項17】 前記磁性部材に、それを冷媒によって
    冷却する冷却機構を設けている請求項1、2、4、6、
    9または12記載の真空アーク蒸発装置。
  18. 【請求項18】 前記陽極に、それを冷媒によって冷却
    する冷却機構を設けている請求項3、5、7、10また
    は13記載の真空アーク蒸発装置。
  19. 【請求項19】 前記陰極は、炭素または炭素を主成分
    とする材料から成る請求項1ないし18のいずれかに記
    載の真空アーク蒸発装置。
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