JP2002088426A - 微細な鋳造組織を有する銅合金およびこれにより成る電気電子用部品 - Google Patents

微細な鋳造組織を有する銅合金およびこれにより成る電気電子用部品

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JP2002088426A
JP2002088426A JP2000277605A JP2000277605A JP2002088426A JP 2002088426 A JP2002088426 A JP 2002088426A JP 2000277605 A JP2000277605 A JP 2000277605A JP 2000277605 A JP2000277605 A JP 2000277605A JP 2002088426 A JP2002088426 A JP 2002088426A
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Noriyuki Nomoto
詞之 野本
慶平 ▲冬▼
Kiyouhei Fuyu
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Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気電子用部品に使用されているCu−Fe
合金の熱圧延時の粒界割れを、銅合金の鋳造組織を微細
化することにより防止する。 【解決手段】 Fe:1.5〜2.5重量%、P:0.
001〜0.1重量%、Zn:0.01〜1.0重量
%、更にV、Cr、Nb、Moのうち1種若しくは2種
の元素を合計で10〜200ppm含有し、残部がCu
と不可避的不純物から成る銅合金を鋳造し、従来のCu
−Fe合金より格段に微細な鋳造構造を得た。導電率、
強度、伸びは従来合金とほぼ同等であり、熱間圧延時の
粒界割れは大幅に減少した。本発明の合金より生成され
た薄条は表面欠陥がなく、各種の精密・微細な加工に対
応できることから、半導体装置用リードフレームをはじ
め、各種の電気電子用部品に応用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は微細な鋳造組織を有
する銅合金、およびこれより成る電気電子用部品に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、Fe:1.5〜3.0重量%
(以下すべて重量%)、P:0.001〜0.1%、Z
n:0.01〜1.0%を含有し、残部がCuと不可避
不純物からなる銅合金は、高強度・高導電率を兼備した
銅合金として、半導体装置用リードフレームやコネクタ
ー等の電気電子用部品に使用されてきた。この銅合金
は、通常前記成分組成となるように溶解して銅合金溶湯
を調整し、連続鋳造または半連続鋳造により鋳塊を作製
する。得られた鋳塊を800〜1050℃の高温にて熱
間圧延して熱延板とし、ついで水冷した後面削し、冷間
圧延・時効処理・表面研磨を繰り返した後、最終圧延
し、歪み取り焼鈍を施すことにより銅合金条を製造す
る。この銅合金条にプレス加工、エッチング加工等を施
した後、めっきすることによりICやLSI等の半導体
装置用リードフレームやコネクター等の電気電子部品に
加工する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の鋼合金で
は、Fe濃度が2.5%よりも高いと鋳造時に粗大なF
eの晶出物が生成し、これが製品に残存すると曲げ割れ
の起点となったり、めっき不良を起こしたりすることが
知られている。従って、通常これ以下のFe濃度とする
が、Fe濃度を下げていくと鋳造組織が粗大化し、熱間
圧延時に粒界割れを起こし易いという問題があった。こ
の原因の一つとして、鋳造時に結晶粒界にFeとPなど
の化合物が析出しやすく、これらが熱間加工性を悪くさ
せることが考えられている。そこで、このような熱間圧
延時の粒界割れ防止上、鋳造組織微細化による熱間加工
性向上策を講じてきた。しかし、鋳造速度および冷却条
件等の鋳造条件の改善のみでは、十分に鋳造組織を微細
化することができなかった。
【0004】本発明は、微細な鋳造組織を有し、かつ導
電率、強度、伸びなどの特性がFe:1.5〜2.5
%、P:0.001〜0.1%、Zn:0.01〜1.
0%、を含有し、残部がCuと不可避不純物からなる従
来銅合金よりも微細な鋳造組織を有する銅合金を得るこ
とを目的とする。更に本発明の目的は、前記銅合金によ
り構成され、また前記銅合金により構成された部分を含
む電気電子用部品を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上の事情に
基づいてなされたものであり、Fe:1.5〜2.5
%、P:0.001〜0.1%、Zn:0.01〜1.
0%、残部がCuと不可避不純物からなる従来銅合金に
おいて、V、Cr、Nb、Moのうち1種若しくは2種
の元素を合計で10〜200ppm添加することによっ
て、微細な鋳造組織を得ることに要旨が存在する。
【0006】以下に本発明の鋳造組織が微細な電気電子
部品用銅合金の詳細について説明する。本発明は従来の
Cu−Fe合金にV、Cr、Nb、Moのうち1種若し
くは2種の元素を添加し、導電率、強度、伸びなどの
特性が従来銅合金と同等の値を維持したまま鋳造組織を
微細化しようとするものであり、各々の添加元素の選定
理由および作用は以下のとおりである。
【0007】Fe:1.5〜2.5% Feは主にCu中に析出することによって、強度と耐熱
性を向上させる作用がある。1.5%未満ではその効果
を得るには十分でなく、一方、2.5%を超えて含有す
ると、鋳造時に粗大なFeの晶出物が生成し、これが製
品に残存すると曲げ割れの起点となったり、めっき不良
を起こしたりする。従って、Feの含有量は1.5〜
2.5%に定めた。一層好ましい範囲は、2.0から
2.3%である。
【0008】P:0.001〜0.1% Pは溶解鋳造中に溶湯に混入する酸素を説酸する作用が
ある。0.001%未満ではその効果を得るには十分で
なく、一方0.1%を超えて含有すると、脱酸効果に飽
和傾向がみられ、鋳造時にFeとの化合物となって結晶
粒界などに析出しやすく、芯割れや隙間圧延時の粒界割
れの原因になり悪影響を及ぼす。従って、Pの含有量は
0.001〜0.1%に定めた。一層好ましい範囲は、
0.01〜0.05%である。
【0009】Zn:0.01〜1.0% Znは半田濡れ性を向上させるとともに、脱酸、脱ガス
作用やCuのマイグレーションの抑制作用がある。0.
01%未満ではその効果を得るには十分でなく、一方、
1.0%を超えて含有すると、導電率の低下をもたら
す。従って、Znの含有量は0.01〜1.0%に定め
た。一層好ましい範囲は、0.05から0.15%であ
る。
【0010】V、Cr、Nb、Mo:10〜200pp
m V、Cr、Nb、Moは鋳造組織を著しく微細化させる
作用がある。10ppm未満ではその効果を得るには十
分でなく、一方、200ppmを超えて含有すると、組
織の微細化効果に飽和傾向がみられるだけでなく、鋳肌
荒れ、導電率の低下などをもたらす。従って、V、C
r、Nb、Moの含有量は10〜200ppmに定め
た。一層好ましい範囲は50〜100ppmである。
【0011】
【発明の実施の形態】高周波溶解炉を用いて、大気中ア
ルミナ坩堝で木炭被覆下のもと無酸素銅を溶解し、第1
表に示す組成が得られるよう所定の合金元素を添加し、
銅合金溶湯を調整した後、1200℃の温度において断
面寸法10mm×70mmの鋳塊を連続鋳造した。N
o.2〜7が本発明合金、No.8〜11が比較合金に
相当する。このようにして得られた各合金鋳塊を溶体化
処理と2回の時効を挟んで冷間圧延し、最終圧延加工度
を75%として板厚0.2mmの銅合金薄帯を作製し
た。
【0012】鋳塊横断面の平均結晶粒径と、最終圧延後
の導電率および引張強さを第1表に示す。従来銅合金で
あるNo.1では平均結晶粒径が412μmであるのに
対し、本発明合金であるNo.2〜7では70〜90μ
mであり、組織が著しく微細化していることがわかる。
導電率は若干低く、引張強さはCr添加でやや高いもの
のそれ以外は大きな差はみられない。比較合金であるN
o.8〜11では添加元素の含有量が200ppm以上
であり、微細化効果に飽和傾向がみられる一方で導電率
や引張強さの低下がみられる。よって、V、Cr、N
b、Mo、含有量は組織の微細化効果と導電率や引張強
さ等のバランスを考え、10〜200ppmとした。望
ましい含有量としては、50〜100ppmが推奨され
る。
【0013】
【表1】
【0014】以上説明した通り、本発明の微細な鋳造組
織を有する銅合金によれば、熱間圧延時の粒界割れの発
生が著しく減少するばかりでなく、これを薄条に形成し
た場合の表面欠陥も無くなる。従ってこの薄条は、微細
・精密なプレス加工、打抜き加工、曲げ加工、メッキ等
に対応することができる。特にIC、LSIの容量が膨
大となると共にこれらの端子数も増加し、端子形状も微
細化しつつある現在、リードフレームの構造も微細化・
精密化し、特にそのピッチの挟小化が進みつつある。本
発明の銅合金は今後のリードフレームへの適用に極めて
有利である。上記のリードフレームの機能の高度化に伴
って、これに併用されるコネクターの端子数も増加する
と共に、各端子が小型化し、その機械的精度に加え、強
度が重視されつつある。本発明の銅合金により形成され
た薄条は、今後のコネクターの部品として極めて有望で
ある。
【発明の効果】以上説明した通り、本発明合金は従来の
Cu−Fe合金より鋳造組織が微細であり、かつ導電
率、強度、伸びなどの特性がこれとほぼ同等である。従
って、本発明により電気電子部品用銅合金としての特性
を損なうことなく、鋳造組織の微細化をはかることがで
きる。従来のCu−Fe合金は、熱間圧延時に粒界割れ
を起こし易いという問題があったが、本発明によってこ
れを大幅に低減することができ、製造歩留まりを大幅に
向上させることができる。また、本発明合金より生成さ
れた薄条は表面欠陥がなく、各種の精密・微細な加工に
対応できることから、各種の電気電子用部品に好適に応
用することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Fe:1.5〜2.5重量%、P:0.
    001〜0.1重量%、Zn:0.01〜1.0重量
    %、更にV、Cr、Nb、Moのうち1種若しくは2種
    の元素を合計で10〜200ppm含有し、残部がCu
    と不可避不純物から成ることを特徴とする微細な鋳造組
    織を有する銅合金。
  2. 【請求項2】 Fe:1.5〜2.5重量%、P:0.
    001〜0.1重量%、Zn:0.01〜1.0重量
    %、更にV、Cr、Nb、Moのうち1種若しくは2種
    の元素を合計で10〜200ppm含有し、残部がCu
    と不可避不純物から成る微細な鋳造組織を有する銅合金
    により構成されたことを特徴とする電気電子用部品。
  3. 【請求項3】 前記電気電子用部品は半導体装置用リー
    ドフレームであることを特徴とする請求項2に記載の電
    気電子用部品。
  4. 【請求項4】 前記電気電子用部品はコネクターである
    ことを特徴とする請求項2に記載の電気電子用部品。
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