JP2002088311A - 付着物易除去被覆の製造方法 - Google Patents

付着物易除去被覆の製造方法

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JP2002088311A
JP2002088311A JP2000283247A JP2000283247A JP2002088311A JP 2002088311 A JP2002088311 A JP 2002088311A JP 2000283247 A JP2000283247 A JP 2000283247A JP 2000283247 A JP2000283247 A JP 2000283247A JP 2002088311 A JP2002088311 A JP 2002088311A
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Kenji Kono
研二 河野
Noriaki Otani
紀昭 大谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水によって膨潤する樹脂成分からなる付着物
を繰り返し容易に除去できる付着物易除去被覆を、架橋
反応を低エネルギーでかつ別工程や設備投資を必要とせ
ずに製造できるようにする。 【解決手段】 水によって膨潤する樹脂成分からなる付
着物を繰り返し容易に除去できる付着物易除去被覆を、
ヒドラジド基の反応を用いて製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、水によって付着
物を容易に除去できる被膜を物体表面に設けることによ
って、物体を繰り返し容易に清浄にして繰り返し再利用
することを可能にした付着物易除去被覆の製造方法に関
する。
【0002】なお、この発明の付着物易除去被覆は、そ
の性質上、付着物の付着を阻止するものではなく、付着
を許容するものであって、この付着物を水処理だけで容
易に除去できるようにしたものであるため、本明細書中
におけるこの発明の被覆を付着物易除去被覆と称した。
【0003】
【従来の技術】従来、付着物を除去することは容易では
なく、液状の油程度であっても水に界面活性剤を加えて
多大な手間を掛けて洗浄するか、人体・環境に問題のあ
る有機溶剤を用いて溶解させる必要があった。
【0004】特に、ワックス状、固体状になると界面活
性剤ではほとんど困難になる場合が多く、有機溶剤を用
いるか、あるいは機械的に掻き落とす等重労働が必要と
なり、完全に除去できなかったり、被付着物を傷めた
り、さらには除去不可能である場合も多い。
【0005】このため、表面に剥離または溶解可能な被
覆を形成し、それと共に付着物を除去することが行われ
ているが、その度に新たな被膜を形成しなければならな
かったり、余分な廃棄物を生じる等、本質的な解決方法
とは言えない。
【0006】また、繰り返し付着物を除去できるような
被覆としてはテフロン(登録商標)被覆があるが、コス
トが高かったり、被覆できる表面が限られたり、透明性
が低い等の問題あることから、あるいは付着物が簡単に
取れ過ぎて印字のように付着した状態での使用が難しい
ことから利用範囲は狭かった。
【0007】さらに、OHPフィルムやOA紙のように
付着物であるインクが除去できないために多量に廃棄さ
れ、環境問題等を生じている場合もあった。
【0008】そこで、このような問題点を解決する手段
として、本発明者らは、既に、水によって膨潤するが流
出して消失しない、親水性でかつ空気中常温で固体状の
樹脂を主成分とする膜からなる付着物易除去被覆を物体
の表面に固定化することを提案した(特開平6−222
604号参照)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】水に繰り返し膨潤する
ことが可能な樹脂成分を得るには、樹脂を架橋すること
が有効である。しかし、原材料まで戻して再生する「リ
サイクル」よりは小さいものの、架橋反応には一般的に
熱や紫外線・電子線等のエネルギーが必要である。これ
は設備があっとしても工程が増えたり電力を大量に消費
したり、また場合によっては設備投資が必要になるなど
製造コストを増大させる要因となる。特に大量・高速に
製造される紙の製造においてはこれらのエネルギーを付
与可能な設備を備えていない場合が多く、製造困難であ
ったり、製造できても価格が高くなり普及を阻害する可
能性があった。
【0010】
【本発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上
記のエネルギーを小さく抑え、既存の設備での製造を容
易にしてコストを下げ、付着物を除去して繰り返し使う
ことが可能な製品の普及を促して、環境への負荷の低減
を目指すことである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の目的を達成する
ために鋭意検討を重ねた結果、ヒドラジド基の反応を用
いて製造することにより、多量の熱や紫外線・電子線等
のエネルギーを必要とせず、比較的低温・短時間、ある
いは室温にて、水に繰り返し膨潤することが可能な樹脂
成分を得るのに必要な架橋反応を生じさせることができ
ることを見出した。しかも十分なポットライフも得るこ
とが可能であり、特殊な設備を必要とすることなく、低
コストで生産することが可能になった。
【0012】ヒドラジドの反応により水によって膨潤す
る樹脂成分を生成するためには、樹脂成分内に架橋を生
じることが必要であり、したがってヒドラジド基を2個
以上、あるいはヒドラジド基と反応性の官能基を合わせ
て2個以上有する物質を架橋剤として用いるか、樹脂に
ヒドラジド基を導入する必要がある。
【0013】架橋剤として用いることが可能なヒドラジ
ド基を2個以上有する物質としては、例えば、カルボヒ
ドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジ
ド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、
アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、ス
ベリン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデ
カンジオヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、ナフトエ
酸ジヒドラジド、ビスベンゼンジヒドラジド、ピリジン
ジヒドラジド、シクロヘキサンジヒドラジド、酒石酸ジ
ヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イミノジ酢酸ジヒ
ドラジド、クエン酸トリヒドラジド、シクロヘキサント
リカルボン酸トリヒドラジド、ポリアクリル酸ヒドラジ
ド等が挙げられる。
【0014】架橋剤として用いることが可能なヒドラジ
ド基と反応性の官能基を合わせて2個以上有する物質と
しては、例えば、サリチル酸ヒドラジド、ヒドロキシナ
フトエ酸ヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジ
ヒドラジド、イミノジ酢酸ジヒドラジ等が挙げられる。
また、これらの物質のヒドラジド基以外の反応性官能基
を用いて樹脂に予め結合することにより、樹脂にヒドラ
ジド基を導入することができる。
【0015】ヒドラジド基が反応する相手の官能基とし
ては、カルボニル基、エポキシ基(グリシジル基)、等
が挙げられ、特に前者は室温での反応が可能なため非常
に少ないエネルギー、既存の設備で生産が可能になる。
このような官能基を含む物質としては、例えば、ダイア
セトンアクリルアミドを共重合した樹脂、グリシジル基
を有するモノマーを共重合した樹脂、ポリエポキシ化合
物等が挙げられる。
【0016】また、剥離流出を抑制するために、水に浸
漬したときに、被覆した物体の表面から剥離することの
ない接着性・耐剥離性を有することが必要であり、被覆
する物体の表面に処理を施したり、または被覆する物体
の表面に該物体とは異なる層を設けることも有効であ
る。
【0017】たとえば、接着性を向上するために、パラ
クロロフェノール、トリフロロ酢酸、シランカップリン
グ剤、チタンカップリング剤、アジド化合物、各種重合
物等による処理または表面層を用いることができる。ま
た、被覆と被覆する物体の膨潤率が異なる場合には、こ
れらの間に生じる歪みを吸収するために、膨潤率が中程
度の表面層を用いることもできる。
【0018】この発明の物体の表面に固定化される樹脂
成分は、水によって膨潤する親水性の樹脂が主成分であ
ることを必要とするが、このような樹脂としては例え
ば、極性の官能基または親水鎖を有する樹脂が挙げら
れ、極性の官能基または親水鎖の具体例としては、カル
ボン酸基、水酸基、スルホン酸基、アミド基、アミノ
基、リン酸基またはそれらの塩、ポリエチレングリコー
ル鎖等が挙げられる。
【0019】これらの官能基または親水鎖を有する樹脂
としては、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロ
イルオキシエチルコハク酸、ビニルアルコール、ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、ジヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド−2
−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミ
ド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−
(メタ)アクリリルグリシンアミド、N−イソプロピル
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロ
ピル(メタ)アクリルアミド、ビニルピロリドン、N,
N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アリ
ルアミンまたはこれらの塩、アミノ基の4級化物、ポリ
エチレングリコール等の、単独重合物、共重合物、上記
以外の物質との共重合物等が挙げられる。
【0020】樹脂の親水性は水に対する後退接触角によ
り評価することが可能であり、水に対する後退接触角が
40度以下、より好ましくは20度以下、さらに好まし
くは10度以下のほぼ0度の親水性である樹脂が好適に
利用される。
【0021】水に対する後退接触角は、水滴を樹脂フィ
ルム上に形成し、この水を注射器等で吸い上げ、水滴の
端が内側に移動し初めたときの、水が樹脂に接する角度
を分度器等で求めることができる。なお、付着物を除去
するために特定の水溶液、たとえば電解質を含む水溶液
を必要とする場合で、その処理によって被覆の親水性が
変化する場合には、その水溶液に浸漬・乾燥後測定する
必要がある。
【0022】また、この発明の付着物易除去被覆は、水
によって膨潤することが必要であるが、効果的に付着物
を除去するためには、膨潤率が1.5倍以上であることが
好ましい。重量膨潤率は、テフロンシート上に被覆を作
製する溶液を厚めに塗布し、乾燥した後、所定の架橋反
応等の処理を施して得た試料を、細かく砕いて1gを底
が網状の容器に入れ、この容器の下部を水に一晩の間浸
漬し、以上の操作の前後の重量差から求めることができ
る。
【0023】また、この付着物易除去被覆には、膨潤す
る樹脂成分のほか、必要に応じて、他の各種の物質を含
ませるようにしてもよく、たとえば、無機または有機粉
末、帯電防止剤、可塑剤、潤滑剤、染料、顔料、分散
剤、上記目的以外の樹脂などを含ませてもよい。
【0024】なお、この発明における付着物易除去被覆
の厚さは、0.05μm以上50μm以下であることが好
ましく、0.1μm以上30μm以下であることがさらに
好ましい。薄い場合には繰り返し使用回数が少なくな
り、厚い場合には付着物除去時に付着物易除去被覆の損
傷を生じ易い。
【0025】また、この発明の付着物易除去被覆は、形
状または被覆を維持するため空気中常温で固体であるこ
とが必要であり、実用性を考慮すると、乾燥時の引っ掻
き強度が荷重を100gとした鉛筆引っ掻き試験で6B
以上であれば、多くの場合好ましく、2B以上であれば
より好ましい。また、上記付着物易除去被覆どうしを接
触させたときに粘着または接着を生じないことは実用上
好ましい。
【0026】さらに、この発明の付着物易除去被覆は、
被覆であるため用途によっては透明性を有することが好
ましい場合が多い。用途にもよるが、一般に透明性は全
光線または波長550nmの光線の透過率が50%以上
であることが好ましく、70%以上であることがさらに
好ましい。
【0027】また、被覆する基材がシート状であるもの
は幅広い応用が可能であり、たとえば、除去可能な付着
物がインクである場合が挙げられる。これはこの発明が
優れた効果を発揮する代表的な例であり、その中でも特
に、インクの付着方法が複写、印字または印刷である場
合は、オフィス等で発生する紙ゴミの問題等の解決に非
常に有効である。
【0028】中でもコピー機による複写や、プリンタや
タイプライタ等による印字または印刷による紙ゴミの増
加は著しく、したがって上記シート状の基材上の被覆
が、これらに用いられるインクと親和性を有して複写、
印字または印刷可能であり、これらのインクの除去に用
いることは非常に有効である。
【0029】また、電子写真複写方式のコピーやレーザ
ー方式のプリンタに用いられるトナーインクに対応する
ことは、最近のオフィスにおける使用量から考えて、特
に有効である。
【0030】また、その他の方式による印字または印刷
に用いられるインクに対応することももちろん有効であ
り、それらのインクの例としてはインクジェットイン
ク、感熱リボンインク、インパクトインク、タイプライ
タリボンインクなどが挙げられる。
【0031】これらの場合、シート状の基材上の被覆
が、複写、印字または印刷によるインクの付着工程の前
後において劣化を受けない耐熱性、機械特性を有するこ
とが好ましい。
【0032】また、シート状の基材としては、用途に応
じて樹脂フィルム、紙、金属ホイルまたはそれらの複合
材または積層材等を好適に用いることができ、複写、印
字または印刷が可能な可撓性および厚さを有することが
好ましく、インクの付着および除去工程の前後において
平面性を維持するものが好ましい。言い換えれば、平面
性を維持可能な耐熱性、耐水性、機械特性または形状記
憶性を有することが好ましい。
【0033】また被覆が、複写、印字または印刷による
インクの付着および付着したインクの除去工程の前後に
おいて平面性を維持可能な収縮率または膨張率であるこ
とも好ましい。なお、シート両面に被覆を設ける場合に
は、収縮率、膨張率の影響が両面で相殺されるため、比
較的広い範囲の収縮率または膨張率の被覆が使用可能で
ある。維持される平面性は、通常シートを平面上に置い
たときに最も浮き上がった部分の浮き上がり幅が20mm
以内であることが好ましい。
【0034】また、インクの付着方法が、複写、印字ま
たは印刷である場合も含めて、特定の筆記具によるイン
クの付着および除去が可能であることが一般に好まし
い。
【0035】この発明の物体の表面に固定化した樹脂成
分は、水によって膨潤することが必要であるが、特定の
用途、例えば上記インクの付着等においては、付着物の
除去に必要な膨潤が、特定の温度領域においてのみ得ら
れれば、実用上より好ましい。即ち使用時においては付
着物が付着するが除去されにくく、使用温度とは異なる
温度を用いる除去工程においてのみ付着物除去性が高い
のがより好ましい。たとえば、室温で使用されるもので
ある場合、上記温度領域が20℃以上であれば、使用に
おいても除去工程の設計においても好適であり、28℃
以上であればより好ましい。また,除去方法にもよる
が,膨潤率の違いが1.5倍以上あると上記実用上の効果
が得られやすい。
【0036】このような特定の温度領域でのみ効果を発
揮する樹脂としては、含窒素基および/または有機酸基
を有する樹脂またはこれらの樹脂の併用物が挙げられ、
含窒素基、有機酸基としては、アミド基、アミノ基、カ
ルボン酸基等が挙げられる。これらの官能基を有する樹
脂または樹脂の併用物としては、(メタ)アクリルアミ
ド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−
(メタ)アクリリルグリシンアミド、N−イソプロピル
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロ
ピル(メタ)アクリルアミド、ビニルピロリドン、(メ
タ)アクリル酸等の単独重合物、共重合物、上記以外の
物質との共重合物およびこれらの併用等が挙げられる。
【0037】代表的な例としては、ポリアクリル酸とポ
リアクリルアミド、ポリアクリル酸とポリアクリリルグ
リシンアミド、ポリアクリル酸とポリジメチルアクリル
アミド等の組み合わせがあり、例えば、最初の例では2
9℃以上の温度、水存在下で分子レベルの膨張が学問的
に証明されている〔上遠野浩樹他、表面談話会コロイド
懇話会編集、表面、30、32(1992)〕。
【0038】この発明は、水によって付着物を容易に除
去できるようにするものであり、付着物の除去工程が水
による洗浄であればより効果的である。水のみでは膨潤
が不十分で除去が難しい場合、あるいは膨潤速度を高め
て除去効率を高めたい場合などには、電解質、アルコー
ル等を含む水を用いることが効果的である場合が多い。
【0039】電解質としては、樹脂の種類に応じて塩、
塩基または酸を好適に用いることができる。その一例と
しては、重曹、食塩、酢酸、水酸化カリウム、水酸化ナ
トリウム、塩酸、硫酸、硝酸等の電解質、エチルアルコ
ール、イソプロピルアルコール、メチルアルコール等の
アルコール等が挙げられる。
【0040】また除去効率を高めるために界面活性剤等
を水に含めることも有効である。アニオン系、カチオン
系、ノニオン系いずれの界面活性剤も使用することがで
き、被覆の樹脂や除去する付着物の種類によって効果の
高い界面活性剤を選択して用いるのがよい。
【0041】なお、付着物の除去工程において使用する
水をそのまま廃棄する場合または水が直接人体に接触す
る可能性がある場合には、水に含まれる物質および被覆
から溶出する物質は、人体・環境に対する悪影響の小さ
い物質であることが好ましく、生分解性物質であること
がさらに好ましい。
【0042】この発明の付着物易除去被覆は、付着物を
除去することを目的として広く利用することが可能であ
り、例えば以下のように利用することができる。
【0043】インク類を除去することを目的として、O
HPシート、紙または紙同等品、セル画用シート等に使
用することができる。
【0044】油等の汚れを除去することを目的として
は、建材、家具、換気扇、灯油器具、電気製品、ガス器
具、道具類、食器、その他種々の日用品等に用いること
ができる。特に台所周り、機械等を使用する作業場、塗
料等を扱う作業場等、油や塗料等の汚れが発生し易い場
所に用いられるものに効果的である。
【0045】また、マスキングを目的として、塗装やグ
ラフィックスの作成等に用いることも可能である。な
お、水に膨潤するという優れた親水性から、曇り防止被
膜としても利用可能である。
【0046】このような応用に十分対応できることを、
電子写真複写方式のコピー機による複写において焼き付
けられるトナーインクという付着物の中でも特に強固に
付着した付着物の除去を例にとって示す。
【0047】
【実施例】次に、この発明の実施例について説明する。 <実施例1> メタクリル酸 16 重量部 アクリル酸 27 〃 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 49 〃 アクリルアミド 5 〃 N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート 5 〃 ダイアセトンアクリルアミド 4 〃 アゾビスイソブチロニトリル 1 〃 イソプロピルアルコール 357 〃
【0048】上記の組成からなる組成物を冷却器を取り
付けたフラスコ内に入れ、窒素気流下撹拌しながら70
〜80℃で10時間反応させ、親水性の樹脂Aの30重
量%イソプロピルアルコール溶液を得た。次に、得られ
た親水性の樹脂Aの30重量%イソプロピルアルコール
溶液を使用し、下記の組成物を室温で混合撹拌して、樹
脂溶液を得た。
【0049】 樹脂Aの15重量%イソプロピルアルコール溶液 100 重量部 水酸化ナトリウム 1 〃 アジピン酸ジヒドラジド 0.75 〃 水 100 〃
【0050】次いで、得られた樹脂溶液を、厚さが10
0μmの易接着処理(ポリウレタン処理)を施したポリ
エチレンテレフタレートフィルム上に10μmの厚さで
塗布し、乾燥したのち、1週間室温で保存し、付着物易
除去被覆フィルムをつくった。
【0051】<比較例1>実施例1における樹脂合成の
組成においてダイアセトンアクリルアミドを除き、樹脂
溶液の調製においてアジピン酸ジヒドラジドの代わりに
エポキシ架橋剤(1,3−ビス(N,N−ジグリシジル
アミノメチル)シクロヘキサンを用いた以外は、実施例
1と同様にして付着物易除去被覆フィルムをつくった。
【0052】<比較例2>比較例1における塗布・乾燥
後の1週間室保存の代わりに110℃、5時間の高温処
理を施して、付着物易除去被覆フィルムをつくった。
【0053】<評価>各実施例および比較例で得られた
付着物易除去被覆フィルムに、電子複写方式のコピー機
で文字を複写してトナーインクを付着させ、重曹の1重
量%水溶液による複写文字の除去の状況を調べた。複写
機はゼロックス5075を用い、複写するパターンとし
ては1cm角のベタを用いた。下記表1はその結果であ
る。表中の「○」は文字が全て除去できたことを示し、
「×」は文字がほとんど除去できなかったことを示す。
【0054】
【表1】
【0055】
【発明の効果】上記表1から明らかなように、この発明
で得られた付着物易除去被覆(実施例1)は、比較例1
・2のヒドラジドの反応を用いていないものに比し、低
エネルギーで必要な特性が得られることがわかる。ま
た、焼き付けたトナーという付着物の中でも特に強固に
付着した付着物が短時間に除去できることから、他の付
着物についても同様であることはいうまでもない。
【0056】従って、この発明によって得られる付着物
易除去被覆は、架橋反応を低エネルギーでかつ別工程や
設備投資を必要とせずに製造することができ、物体の再
利用、そしてその普及に有効であることがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H020 AA07 AB02 4J038 CG011 CG171 CG191 CH121 CH171 CH201 CK031 DB001 GA03 GA06 GA07 GA09 GA13 GA14 JB17 KA03 MA06 MA09 NA05 NA06 NA26 NA27 PA18 PB02 PB05 PB06 PB09 PC02 PC08

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水によって膨潤する樹脂成分からなる付
    着物を繰り返し容易に除去できる付着物易除去被覆の製
    造方法であって、ヒドラジド基の反応を用いて製造する
    ことを特徴とする付着物易除去被覆の製造方法。
  2. 【請求項2】 ヒドラジド基を含む物質として、ヒドラ
    ジド基を2個以上含む物質を用いる、請求項1記載の付
    着物易除去被覆の製造方法。
  3. 【請求項3】 ヒドラジド基と反応する官能基としてカ
    ルボニル基を用いる、請求項1または2記載の付着物易
    除去被覆の製造方法。
  4. 【請求項4】 カルボニル基を含む物質としてダイアセ
    トンアクリルアミドを共重合した樹脂を用いる、請求項
    3記載の付着物易除去被覆の製造方法。
  5. 【請求項5】 ヒドラジド基と反応する官能基としてエ
    ポキシ基を用いる、請求項1または2記載の付着物易除
    去被覆の製造方法。
  6. 【請求項6】 水によって膨潤する樹脂成分は、水に対
    する膨潤率が1.5倍以上の樹脂である、請求項1ないし
    5のいずれかに記載の付着物易除去被覆の製造方法。
  7. 【請求項7】 水によって膨潤する樹脂成分は、水に対
    する接触角が40度以下の親水性の樹脂である、請求項
    1ないし6のいずれかに記載の付着物易除去被覆の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 該被覆が水溶性の物質を含む、請求項1
    ないし7のいずれかに記載の付着物易除去被覆の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 水によって膨潤する樹脂成分は、使用温
    度における水に対する膨潤率が、使用温度よりも高温に
    おける水に対する膨潤率よりも低い樹脂である、請求項
    1ないし8のいずかに記載の付着物易除去被覆の製造方
    法。
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