JP2002088256A - 熱伝導性高分子組成物及び熱伝導性成形体 - Google Patents

熱伝導性高分子組成物及び熱伝導性成形体

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JP2002088256A
JP2002088256A JP2000281702A JP2000281702A JP2002088256A JP 2002088256 A JP2002088256 A JP 2002088256A JP 2000281702 A JP2000281702 A JP 2000281702A JP 2000281702 A JP2000281702 A JP 2000281702A JP 2002088256 A JP2002088256 A JP 2002088256A
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heat
graphitized carbon
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polymer composition
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Masayuki Hida
雅之 飛田
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Polymatech Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた熱伝導性を有し、電子機器等における
放熱部材、伝熱部材あるいはそれらの構成材料として好
適な熱伝導性高分子組成物及び熱伝導性成形体を提供す
る。 【解決手段】 熱伝導性高分子組成物に含有される黒鉛
化炭素繊維は、X線回折法による黒鉛層間の面間隔(d
002)が0.3370nm未満で、かつ、(101)
回折ピークと(100)回折ピークのピーク強度比(P
101/P100)が1.15以上である。この黒鉛化
炭素繊維は、メソフェーズピッチを原料に用いて紡糸、
不融化及び炭化の各処理を順次行った後に粉砕し、その
後黒鉛化して得られるものであり、その繊維直径が5〜
20μm、平均粒径が5〜500μmである。熱伝導性
成形体は、熱伝導性高分子組成物を所定の形状に成形す
ることにより得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた熱伝導性を
有する熱伝導性高分子組成物及び熱伝導性成形体に関す
るものである。さらに詳しくは、電子機器等において半
導体素子や電源、光源などの電子部品が発生する熱を効
果的に外部へ放散させるための放熱部材、伝熱部材ある
いはそれらの構成材料として好適な熱伝導性高分子組成
物及びその熱伝導性高分子組成物からなる熱伝導性成形
体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器においては、高性能化、
小型化及び軽量化に伴う半導体パッケージの高密度実装
化、LSIの高集積化及び高速化によって、各種の電子
部品で発生する熱を効果的に外部へ放散させる熱対策が
非常に重要な課題になっている。従来、この熱対策とし
て、プリント配線基板、半導体パッケージ、放熱板、筐
体等を熱伝導性に優れる材料(熱伝導性高分子組成物)
で形成すること、放熱板等の放熱部材と発熱源との間に
熱伝導性を有する高分子グリスや前記熱伝導性高分子組
成物よりなるシート材(熱伝導性成形体)を介在させる
ことなどが実施されている。
【0003】従来の熱伝導性高分子組成物及び熱伝導性
成形体としては、高分子材料に熱伝導性充填剤として、
酸化アルミニウムや窒化ホウ素、窒化アルミニウム、酸
化マグネシウム、酸化亜鉛、炭化ケイ素、石英、水酸化
アルミニウムなどの金属酸化物、金属窒化物、金属炭化
物、金属水酸化物などを充填したものが知られている。
【0004】また、炭素繊維や黒鉛粉末を熱伝導性充填
剤として配合した熱伝導性高分子組成物及び熱伝導性成
形体も知られている。具体的には、黒鉛粉末を熱可塑性
樹脂に充填した熱伝導性樹脂成形品(特開昭62−13
1033号公報)、カーボンブラックや黒鉛などを含有
するポリエステル樹脂組成物(特開平4−246456
号公報)、一方向に引揃えた炭素繊維に黒鉛粉末と熱硬
化性樹脂を含浸した機械的強度の高い熱伝導性成形品
(特開平5−17593号公報)、断面構造を特定した
ピッチ系炭素繊維を利用した熱伝導性材料(特開平5−
222620号公報)、粒径1〜20μmの人造黒鉛を
配合したゴム組成物(特開平5−247268号公
報)、特定のアスペクト比の黒鉛化炭素繊維をシリコー
ンゴムなどの高分子に分散した熱伝導性シート(特開平
9−283955号公報)、結晶面間隔が0.330〜
0.340nmの球状黒鉛粉末をシリコーンゴムに配合
した組成物及び放熱シート(特開平10−298433
号公報)、特定の加熱処理を施した黒鉛微粒子をシリコ
ーンゴムに配合した導電性と熱伝導性とを有するシリコ
ーンゴム組成物(特開平11−158378号公報)、
特定長さの炭素繊維をシリコーンゴムに配合した導電性
と熱伝導性に優れる組成物(特開平11−279406
号公報)等である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、発熱量が一
段と増大し続ける最近の電子機器においては、熱対策と
して適用される熱伝導性高分子組成物及び熱伝導性成形
体に、より一層優れた熱伝導性が要求されており、上述
した従来の熱伝導性高分子組成物及び熱伝導性成形体で
は、そのニーズに十分応えることができないという問題
があった。
【0006】本発明は、上記のような従来技術に存在す
る問題点に着目してなされたものである。その目的とす
るところは、優れた熱伝導性を有し、電子機器等におけ
る放熱部材、伝熱部材あるいはそれらの構成材料として
好適な熱伝導性高分子組成物及び熱伝導性成形体を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明は、高分子材料と、熱伝導
性充填剤として黒鉛化炭素繊維とを含有する熱伝導性高
分子組成物であって、X線回折法による前記黒鉛化炭素
繊維の黒鉛層間の面間隔(d002)が0.3370n
m未満で、かつ、(101)回折ピークと(100)回
折ピークのピーク強度比(P101/P100)が1.
15以上であることを要旨とする。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の熱伝導性高分子組成物において、前記黒鉛化炭素繊維
は、メソフェーズピッチを原料に用いて紡糸、不融化及
び炭化の各処理を順次行った後に粉砕し、その後黒鉛化
して得られるものであり、その繊維直径が5〜20μ
m、平均粒径が5〜500μmであることを要旨とす
る。
【0009】請求項3に記載の発明は、請求項1又は請
求項2に記載の熱伝導性高分子組成物を所定の形状に成
形してなることを要旨とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した実施形
態を詳細に説明する。本実施形態における熱伝導性高分
子組成物は、高分子材料と、熱伝導性充填剤として特定
の黒鉛化炭素繊維とを含有している。そして、その熱伝
導性高分子組成物を所定の形状に成形したものが本実施
形態における熱伝導性成形体である。
【0011】まず、熱伝導性充填剤として用いられる黒
鉛化炭素繊維について説明する。ここで用いられる黒鉛
化炭素繊維は、X線回折法による黒鉛層間の面間隔(d
002)が0.3370nm未満で、かつ、(101)
回折ピークと(100)回折ピークのピーク強度比(P
101/P100)が1.15以上である。面間隔(d
002)が0.3370nm以上又はピーク強度比(P
101/P100)が1.15未満の場合は、得られる
熱伝導性高分子組成物及び熱伝導性成形体に十分な熱伝
導性を持たせることができず不適当である。尚、黒鉛層
間の面間隔(d002)の下限値は、理論値として算出
される0.3354nmであり、ピーク強度比(P10
1/P100)の上限値は、3である。
【0012】ここで、X線回折法とは、X線源にCuK
α、標準物質に高純度シリコンを使用して回折パターン
を測定するものである。面間隔(d002)は、(00
2)回折パターンのピーク位置と半値幅から求められ
る。また、ピーク強度比(P101/P100)は、得
られた回折線図にベースラインを引き、このベースライ
ンから(101)(2θ≒44.5度)、(100)
(2θ≒42.5度)の各ピークの高さ(P101)、
(P100)を測定し、(P101)を(P100)で
除して求められる。
【0013】黒鉛化炭素繊維の原料としては、例えば、
ナフタレンやフェナントレン等の縮合多環炭化水素化合
物、石油系ピッチや石炭系ピッチ等の縮合複素環化合物
等が挙げられる。その中でも石油系ピッチ又は石炭系ピ
ッチが好ましく、特に光学的異方性ピッチ、すなわちメ
ソフェーズピッチが好ましい。これらは、一種を単独で
用いても、二種以上を適宜組み合わせて用いてもよい
が、メソフェーズピッチを単独で用いること、すなわち
メソフェーズピッチ含有量100%の黒鉛化炭素繊維が
最も好ましい。
【0014】黒鉛化炭素繊維の形態としては、繊維状
(繊維状の形態が維持された粉砕品や切断品も含む)、
ウィスカー状、マイクロコイル状、ナノチューブ状等が
挙げられるが、特に限定されない。
【0015】黒鉛化炭素繊維の繊維直径は、好ましくは
5〜20μm、より好ましくは5〜15μm、特に好ま
しくは8〜12μmである。繊維直径が5μmよりも小
さかったり20μmよりも大きいと、生産性が低下する
ため好ましくない。
【0016】黒鉛化炭素繊維の平均粒径は、好ましくは
5〜500μm、より好ましくは15〜100μm、特
に好ましくは15〜45μmである。平均粒径が5μm
よりも小さいと、黒鉛化炭素繊維同士の接触が少なくな
って熱の伝導経路が不十分になるために、熱伝導性高分
子組成物及び熱伝導性成形体の熱伝導性が低下する。逆
に平均粒径が500μmよりも大きいと、黒鉛化炭素繊
維が嵩高くなるために高分子材料中に高濃度で充填させ
ることが困難となる。尚、黒鉛化炭素繊維の平均粒径の
値は、レーザー回折方式による粒度分布から算出するこ
とができる。
【0017】黒鉛化炭素繊維の熱伝導率は特に限定され
ないが、繊維の長さ方向における熱伝導率で400W/
m・K以上が好ましく、800W/m・K以上がより好
ましく、1000W/m・K以上が特に好ましい。
【0018】黒鉛化炭素繊維は、電解酸化などによる酸
化処理によって、あるいはカップリング剤やサイジング
剤で処理することによって表面を改質させたものでもよ
い。この場合には、高分子材料との濡れ性や充填性を向
上させたり、界面の剥離強度を改良したりすることがで
きる。また、無電解メッキ法、電解メッキ法、真空蒸
着、スパッタリング、イオンプレーティングなどの物理
的蒸着法、化学的蒸着法、塗装、浸漬、微細粒子を機械
的に固着させるメカノケミカル法などの方法によって金
属やセラミックスを表面に被覆させたものでもよい。
【0019】次に、高分子材料について説明する。高分
子材料としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラ
ストマー、熱硬化性樹脂、架橋ゴム等が挙げられる。
【0020】熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のエチ
レン−α−オレフィン共重合体、ポリメチルペンテン、
ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニ
ル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコ
ール、ポリアセタール、フッ素樹脂(ポリフッ化ビニリ
デン、ポリテトラフルオロエチレン等)、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエ
チレンナフタレート、ポリスチレン、ポリアクリロニト
リル、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ABS樹
脂、ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂、変性PP
E樹脂、脂肪族ポリアミド類、芳香族ポリアミド類、ポ
リイミド、ポリアミドイミド、ポリメタクリル酸類(ポ
リメタクリル酸メチル等のポリメタクリル酸エステ
ル)、ポリアクリル酸類、ポリカーボネート、ポリフェ
ニレンスルフィド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホ
ン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルケトン、ポリ
ケトン、液晶ポリマー、アイオノマー等が挙げられる。
【0021】熱可塑性エラストマーとしては、スチレン
−ブタジエン共重合体及びスチレン−イソプレンブロッ
ク共重合体とそれらの水添物、スチレン系熱可塑性エラ
ストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、塩化ビ
ニル系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性
エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、
ポリアミド系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
【0022】熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ポ
リイミド樹脂、ビスマレイミド、ベンゾシクロブテン、
フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフ
タレート、シリコーン樹脂、ポリウレタン、ポリイミド
シリコーン、熱硬化型PPE樹脂、熱硬化型変性PPE
樹脂等が挙げられる。
【0023】架橋ゴムとしては、天然ゴム、ブタジエン
ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴ
ム、ニトリルゴム、水添ニトリルゴム、クロロプレンゴ
ム、エチレン−プロピレン共重合ゴム、塩素化ポリエチ
レン、クロロスルホン化ポリエチレン、ブチルゴム、ハ
ロゲン化ブチルゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、シリ
コーンゴム等が挙げられる。
【0024】これらの高分子材料の中でも耐熱性などの
温度特性及び電気的信頼性の点から、シリコーンゴム、
エポキシ樹脂、ポリウレタン、不飽和ポリエステル、ポ
リイミド、ビスマレイミド樹脂、ベンゾシクロブテン樹
脂、フッ素樹脂、PPE樹脂及び熱可塑性エラストマー
より選ばれる少なくとも一種が好ましい。これらの高分
子材料は、一種を単独で用いても、二種以上を適宜組み
合わせて用いてもよく、二種以上の高分子材料からなる
ポリマーアロイを使用してもよい。また、高分子材料の
架橋方法については特に限定されず、熱硬化、光硬化、
湿気硬化等、公知の架橋方法を採用することができる。
【0025】尚、これらの高分子材料は用途や要求性能
に応じて適宜選択して用いられる。例えば誘電率、誘電
正接が小さく、かつ高周波領域での周波数特性を要求さ
れる配線基板用途には、フッ素樹脂、熱硬化型PPE樹
脂、熱硬化型変性PPE樹脂及びポリオレフィン系樹脂
が好ましい。接着剤用途には、エポキシ樹脂、ポリイミ
ド、アクリル樹脂等の接着性高分子が好ましい。グリス
用途にはシリコーン樹脂等が好ましい。印刷、ポッティ
ング、塗装等が可能な熱伝導性ペースト用途及び熱伝導
性塗料用途には、液状エポキシ樹脂、液状ポリエステル
樹脂、液状ポリイミド樹脂及び液状シリコーンが好まし
い。
【0026】続いて、上記の黒鉛化炭素繊維と高分子材
料とを含有する熱伝導性高分子組成物、及びその熱伝導
性高分子組成物を所定の形状に成形した熱伝導性成形体
について説明する。
【0027】熱伝導性高分子組成物に含まれる高分子材
料と黒鉛化炭素繊維の比は、目的とする最終製品の要求
性能によって適宜決定されるが、100重量部の高分子
材料に対して黒鉛化炭素繊維を20〜500重量部とす
るのが好ましく、40〜300重量部がより好ましい。
黒鉛化炭素繊維の配合量が20重量部よりも少ないと、
得られる熱伝導性高分子組成物及び熱伝導性成形体の熱
伝導率が小さくなって放熱特性が低下する。逆に500
重量部を超えると、配合組成物の粘度が増大して黒鉛化
炭素繊維を均一に分散させることが困難になり、また気
泡の混入が避けられず好ましくない。
【0028】さらに熱伝導性高分子組成物には、上述の
黒鉛化炭素繊維の他に、その他の熱伝導性充填剤、難燃
材、軟化剤、着色材、安定剤等を必要に応じて配合して
もよい。その他の熱伝導性充填剤としては、金属やセラ
ミックス、具体的には、銀、銅、金、酸化アルミニウ
ム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウ
ム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、水酸化アルミニウムのほ
か、金属被覆樹脂、上述の黒鉛化炭素繊維以外の黒鉛化
炭素繊維、黒鉛化されていない炭素繊維、天然黒鉛、人
造黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ等が挙げられる。
また、その形態としては、球状、粉状、繊維状、針状、
鱗片状、ウィスカー状、マイクロコイル状、単層ナノチ
ューブ、多層ナノチューブ状等が挙げられる。尚、最終
製品として特に電気絶縁性が要求される用途において
は、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ
素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、水酸
化アルミニウム等の電気絶縁性の充填剤が好ましい。ま
た、粘度を低下させるために揮発性の有機溶剤や反応性
可塑剤を添加してもよい。
【0029】シート状に成形した熱伝導性成形体(熱伝
導性シート)の場合、その硬度は用途に応じて適宜決定
してよいが、使用時の応力緩和性と追随性に関しては柔
軟なほど、すなわち低硬度ほど有利である。具体的な硬
度としては、ショアA硬度で70以下が好ましく、40
以下がより好ましく、アスカーC硬度で30以下のゲル
状のシリコーンゴムや熱可塑性エラストマーを高分子材
料として使用したものが特に好ましい。また、厚みも特
に限定されないが、好ましくは50μm〜10mm、よ
り好ましくは200μm〜5mmである。50μmより
も薄いと製造しにくく、また取り扱いにくい。10mm
よりも厚くなると熱抵抗が大きくなるので好ましくな
い。
【0030】次に上記の熱伝導性高分子組成物及び熱伝
導性成形体の使用方法を説明する。熱伝導性高分子組成
物及び熱伝導性成形体は、電子機器等において半導体素
子や電源、光源などの電子部品が発生する熱を効果的に
外部へ放散させるための放熱部材、伝熱部材あるいはそ
れらの構成材料等として用いられる。具体的には、シー
ト状に加工して半導体素子等の発熱部材と放熱器等の放
熱部材との間に介在させて用いたり、放熱板、半導体パ
ッケージ用部品、ヒートシンク、ヒートスプレッダー、
ダイパッド、プリント配線基板、冷却ファン用部品、ヒ
ートパイプ、筐体等に成形加工して用いたりする。
【0031】図1は、シート状の熱伝導性成形体を伝熱
部材として用いた例を示す図である。図1(a)に示す
例では、半導体素子11(ボールグリッドアレイ型半導
体パッケージ)と放熱板12との間に熱伝導性成形体1
3が介在されている。図1(b)に示す例では、半導体
素子11(チップサイズ型半導体パッケージ)とプリン
ト配線基板14との間に熱伝導性成形体13が介在され
ている。図1(c)に示す例では、半導体素子11(ピ
ングリッドアレイ型半導体パッケージ)とヒートシンク
15との間に熱伝導性成形体13が介在されている。図
1(d)に示す例では、複数の半導体素子11と筐体1
6との間に熱伝導性成形体13が介在されている。また
図2は、熱伝導性高分子組成物からなるグリス17(熱
伝導性グリス)を伝熱部材として用いた例を示す図であ
る。同図に示すグリス17は、半導体素子11(ボール
グリッドアレイ型半導体パッケージ)とヒートスプレッ
ダー18との間に介在されている。さらに図3は、熱伝
導性高分子組成物からなる接着剤(熱伝導性接着剤)1
9を伝熱部材として用いた例を示す図である。同図に示
す接着剤19は、ダイパッド20と半導体チップ21と
の間に介在されて両者を接着している。尚、半導体チッ
プ21はボンディングワイヤ22を介してリードフレー
ム23に接続され、これらの部品は封止剤24によって
封止されている。
【0032】次に、熱伝導性高分子組成物及び熱伝導性
成形体の製造方法を説明する。ピッチを原料とする繊維
状(繊維状の形態が維持された粉砕品や切断品)の黒鉛
化炭素繊維は、紡糸、不融化及び炭化の各処理を順次行
った後に粉砕又は切断し、その後黒鉛化して製造され
る。尚、粉砕又は切断は、炭化の後に限定されるもので
なく、不融化の後に行っても、黒鉛化の後に行ってもよ
いが、炭化の後が最も好ましい。黒鉛化後に粉砕又は切
断した場合には、繊維軸方向に発達した黒鉛層面に沿っ
て開裂が生じやすく、破断面表面積の割合が大きくなっ
て熱伝導性が低下するため好ましくない。
【0033】紡糸工程における紡糸方法としては、メル
トスピニング法、メルトブロー法、遠心紡糸法、渦流紡
糸法等が挙げられるが、紡糸時の生産性や得られる黒鉛
化炭素繊維の品質の観点からメルトブロー法が好まし
い。またメルトブロー法の場合、数十ポイズ以下の低粘
度で紡糸し、かつ高速冷却することによって、黒鉛層面
が繊維軸に平行に配列しやすくなるという利点もある。
【0034】メルトブロー法の場合、紡糸孔の直径は
0.1〜0.5mmが好ましく、0.15〜0.3mm
がより好ましい。紡糸孔の直径が0.1mmよりも小さ
いと目詰まりが生じやすく、また紡糸ノズルの製作が困
難になるため好ましくない。逆に0.5mmを超える
と、繊維直径が25μm以上と大きくなりやすく、また
繊維直径がばらつきやすくなり品質管理上も好ましくな
い。紡糸速度は、生産性の面から毎分500m以上が好
ましく、毎分1500mm以上がより好ましく、毎分2
000m以上が特に好ましい。紡糸温度は、原料ピッチ
の軟化点以上でピッチが変質しない温度以下であればよ
いが、通常は300〜400℃、好ましくは300〜3
80℃である。前記紡糸温度との関係から、原料ピッチ
の軟化点は230〜350℃が好ましく、250〜31
0℃がより好ましい。
【0035】不融化工程における不融化処理の方法とし
ては、二酸化窒素や酸素等の酸化性ガス雰囲気中で加熱
処理する方法、硝酸やクロム酸等の酸化性水溶液中で処
理する方法、光やγ線等により重合処理する方法等が挙
げられるが、空気中で加熱処理する方法が簡便なことか
ら好ましい。空気中で加熱処理する方法を採る場合、好
ましくは3℃/分以上、より好ましくは5℃/分以上の
平均昇温速度で、350℃程度まで昇温させながら加熱
処理することが望ましい。
【0036】続く炭化工程における炭化処理及び黒鉛化
工程における黒鉛化処理は、不活性ガス雰囲気中で加熱
処理することによって行われる。炭化処理の際の処理温
度は好ましくは250〜1500℃、より好ましくは5
00〜900℃である。また黒鉛化処理の際の処理温度
は好ましくは2500℃以上、より好ましくは3000
℃以上である。
【0037】粉砕又は切断処理には、ビクトリーミル、
ジェットミル、高速回転ミル等の粉砕機、又はチョップ
ド繊維で用いられる切断機等が使用される。粉砕又は切
断を効率よく行うためには、ブレードを取付けたロータ
を高速に回転させることにより、繊維軸に対して直角方
向に繊維を寸断する方法が適切である。この粉砕又は切
断処理によって生じる黒鉛化炭素繊維の平均粒径は、ロ
ータの回転数、ブレードの角度等を調整することにより
制御される。尚、繊維の粉砕方法としてはボールミル等
の磨砕機による方法もあるが、この方法の場合、繊維の
直角方向への加圧力が働いて繊維軸方向への縦割れの発
生が多くなるので不適当である。
【0038】上記のようにして得られた黒鉛化炭素繊維
と高分子材料とを混合し、必要に応じて脱泡操作などを
行うことで、目的とする熱伝導性高分子組成物が得られ
る。この混合の際には、ブレンダー、ミキサー、ロー
ル、押出機などの混合装置又は混練装置を使用してもよ
い。そして、得られた熱伝導性高分子組成物を、所定の
形状に成形することで熱伝導性成形体が得られ、特にシ
ート状に成形した場合には熱伝導性シートが得られる。
この成形の方法としては、プレス成形法、押出成形法、
射出成形法、注型成形法、ブロー成形法、カレンダー成
形法などが挙げられるほか、熱伝導性高分子組成物が液
状の場合には、塗装法、印刷法、ディスペンサー法、ポ
ッティング法などが挙げられる。また、シート状に成形
する場合には、圧縮成形法、注型成形法、押出成形法、
ブレード成形法、カレンダー成形法が好ましい。
【0039】以上詳述した本実施形態によれば次のよう
な効果が発揮される。 ・ 熱伝導性高分子組成物及び熱伝導性成形体に含まれ
る黒鉛化炭素繊維のX線回折法による黒鉛層間の面間隔
(d002)を0.3370nm未満とし、さらにピー
ク強度比(P101/P100)を1.15以上とする
ことにより、熱伝導性高分子組成物及び熱伝導性成形体
の熱伝導性を大幅に改善させることができる。このた
め、本実施形態における熱伝導性高分子組成物及び熱伝
導性成形体は優れた熱伝導性を発揮することができ、電
子機器等における放熱部材、伝熱部材あるいはそれらの
構成材料として好適に用いることができる。熱伝導性が
大幅に改善される理由は定かではないが、黒鉛化炭素繊
維を高分子材料中に分散させた場合、組成物として熱の
伝達経路が上記した黒鉛結晶のパラメータと非常に良く
相関しているものと考えられる。
【0040】・ 黒鉛化炭素繊維の原料としてメソフェ
ーズピッチを用いることにより、得られる熱伝導性高分
子組成物及び熱伝導性成形体の熱伝導性をさらに向上さ
せることができる。また、メソフェーズピッチ含有量1
00%の黒鉛化炭素繊維、すなわち黒鉛化炭素繊維の原
料としてメソフェーズピッチのみを用いた場合には、紡
糸性、品質の安定性をも向上させることができる。
【0041】・ 黒鉛化炭素繊維の繊維直径は5〜20
μm、平均粒径は5〜500μmとすることにより、高
分子材料に高濃度で充填させることできるとともに、得
られる熱伝導性高分子組成物及び熱伝導性成形体の熱伝
導性を向上させることができる。また工業的に生産も容
易である。
【0042】・ 粉砕又は切断を紡糸、不融化及び炭化
の各処理を順次行った後に行うようにすることで、繊維
の縦割れを抑制することができる。さらには、黒鉛化処
理の際、粉砕又は切断して新たに露出した面において縮
重合反応、環化反応が進みやすい傾向にあることから、
熱伝導性に優れた黒鉛化炭素繊維を得やすいという利点
もある。
【0043】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形
態をさらに具体的に説明する。 (黒鉛化炭素繊維の試作例1)光学異方性で比重1.2
5の石油系メソフェーズピッチを原料として、幅3mm
のスリットの中に直径0.2mmφの紡糸孔を有するダ
イスを使用し、スリットから加熱空気を噴出させて、紡
糸温度360℃で溶融ピッチを牽引して平均直径13μ
mのピッチ系繊維を製造した。紡出された繊維をベルト
上に捕集してマットとし、空気中で室温から300℃ま
で平均昇温速度6℃/分で昇温して不融化処理した。引
続き、この不融化処理繊維を700℃で軽度に炭化処理
した後、高速回転ミルで粉砕して炭素繊維粉砕品を得
た。この炭素繊維粉砕品を、アルゴン雰囲気下で、23
00℃まで昇温後、2300℃で40分間保持し、次い
で3℃/分の速度で3000℃まで昇温し、さらに30
00℃で1時間保持してから降温し、黒鉛化された炭素
繊維粉砕品を製造した。この黒鉛化炭素繊維粉砕品(試
作例1)の密度、繊維直径、平均粒径、X線回折パラメ
ータ及び繊維の長さ方向における熱伝導率について測定
した結果を表1に示す。尚、繊維の長さ方向における熱
伝導率は、粉砕せずマット形状のまま同様の条件で黒鉛
化したものを用いて測定した。
【0044】(黒鉛化炭素繊維の試作例2)光学異方性
で比重1.25の石油系メソフェーズピッチを原料とし
て、幅3mmのスリットの中に直径0.2mmφの紡糸
孔を有するダイスを使用し、スリットから加熱空気を噴
出させて、紡糸温度360℃で溶融ピッチを牽引して平
均直径15μmのピッチ系繊維を製造した。紡出された
繊維をベルト上に捕集してマットとし、空気中で室温か
ら300℃まで平均昇温速度6℃/分で昇温して不融化
処理した。引続き、この不融化処理繊維を700℃で軽
度に炭化処理した後、高速回転ミルで粉砕して炭素繊維
粉砕品を得た。この炭素繊維粉砕品をアルゴン雰囲気下
で、2300℃まで昇温後、2300℃で40分間保持
し、次いで3℃/分の速度で3100℃まで昇温し、さ
らに3100℃で1時間保持してから降温し、黒鉛化さ
れた炭素繊維粉砕品を製造した。この黒鉛化炭素繊維粉
砕品(試作例2)の密度、繊維直径、平均粒径、X線回
折パラメータ及び繊維の長さ方向における熱伝導率につ
いて測定した結果を表1に示す。尚、繊維の長さ方向に
おける熱伝導率は、粉砕せずマット形状のまま同様の条
件で黒鉛化したものを用いて測定した。
【0045】(黒鉛化炭素繊維の試作例3)三菱化学株
式会社製の超高弾性率ピッチ系黒鉛化炭素繊維を高速回
転ミルで粉砕して黒鉛化炭素繊維粉砕品(試作例3)を
製造した。この黒鉛化炭素繊維粉砕品の密度、繊維直
径、平均粒径、X線回折パラメータ及び繊維の長さ方向
における熱伝導率について測定した結果を表1に示す。
【0046】(黒鉛化炭素繊維の試作例4)日本グラフ
ァイトファイバー株式会社製の超高弾性率ピッチ系黒鉛
化炭素繊維を高速回転ミルで粉砕して黒鉛化炭素繊維粉
砕品(試作例4)を製造した。この黒鉛化炭素繊維粉砕
品の密度、繊維直径、平均粒径、X線回折パラメータ及
び繊維の長さ方向における熱伝導率について測定した結
果を表1に示す。
【0047】
【表1】 (実施例1)試作例1の黒鉛化炭素繊維をシランカップ
リング剤で表面処理し、その処理後の黒鉛化炭素繊維2
00重量部と酸化アルミニウム粉末(昭和電工株式会社
製)40重量部と水酸化アルミニウム粉末(昭和電工株
式会社製)20重量部とを、付加型の液状シリコーンゴ
ム(東レダウコーニングシリコーン株式会社製)100
重量部に混合して熱伝導性高分子組成物を調製した。続
いて、この熱伝導性高分子組成物を加熱プレス成形し
て、厚さ2mmの熱伝導性成形体を作製した。この熱伝
導性成形体のアスカーC硬度は17、厚み方向における
熱伝導率は3.5W/m・Kであった。
【0048】(実施例2)実施例1において、試作例1
の黒鉛化炭素繊維に代えて試作例2の黒鉛化炭素繊維を
使用するように変更した。それ以外は実施例1と同様に
して熱伝導性成形体を作製した。この熱伝導性成形体の
アスカーC硬度は15、厚み方向における熱伝導率は
3.4W/m・Kであった。
【0049】(比較例1)実施例1において、試作例1
の黒鉛化炭素繊維に代えて試作例3の黒鉛化炭素繊維を
使用するように変更した。それ以外は実施例1と同様に
して熱伝導性成形体を作製した。この熱伝導性成形体の
アスカーC硬度は17、厚み方向における熱伝導率は
2.8W/m・Kであった。
【0050】(比較例2)実施例1において、試作例1
の黒鉛化炭素繊維に代えて試作例4の黒鉛化炭素繊維を
使用するように変更した。それ以外は実施例1と同様に
して熱伝導性成形体を作製した。この熱伝導性成形体の
アスカーC硬度は16、厚み方向における熱伝導率は
2.9W/m・Kであった。
【0051】(実施例3)試作例1の黒鉛化炭素繊維1
20重量部と窒化ホウ素粉末(電気化学工業株式会社
製)20重量部と水酸化アルミニウム粉末(昭和電工株
式会社製)20重量部とを、低硬度スチレン系熱可塑性
エラストマー(理研ビニル工業株式会社製)100重量
部に混合し、2軸押出機でペレット化した。そのペレッ
トを使って押出成形法により厚さ3mmの熱伝導性成形
体を作製した。この熱伝導性成形体のショアA硬度は6
8、熱伝導率は2.6W/m・Kであった。
【0052】(実施例4)実施例3において、試作例1
の黒鉛化炭素繊維に代えて試作例2の黒鉛化炭素繊維を
使用するように変更した。それ以外は実施例3と同様に
して熱伝導性成形体を作製した。この熱伝導性成形体の
ショアA硬度は67、熱伝導率は2.4W/m・Kであ
った。
【0053】(比較例3)実施例3において、試作例1
の黒鉛化炭素繊維に代えて試作例3の黒鉛化炭素繊維を
使用するように変更した。それ以外は実施例3と同様に
して熱伝導性成形体を作製した。この熱伝導性成形体の
ショアA硬度は68、熱伝導率は1.8W/m・Kであ
った。
【0054】(実施例5)試作例2の黒鉛化炭素繊維を
シランカップリング剤で表面処理し、その処理後の黒鉛
化炭素繊維80重量部と酸化アルミニウム粉末(昭和電
工株式会社製)20重量部とを、ポリアセタール樹脂
(旭化成工業株式会社製)100重量部に混合し、2軸
押出機でペレット化した。そのペレットを使って射出成
形法により厚さ3mmの熱伝導性成形体を作製した。こ
の熱伝導性成形体の熱伝導率は2.1W/m・Kであっ
た。
【0055】(比較例4)実施例5において、試作例2
の黒鉛化炭素繊維に代えて試作例4の黒鉛化炭素繊維を
使用するように変更した。それ以外は実施例5と同様に
して熱伝導性成形体を作製した。この熱伝導性成形体の
熱伝導率は1.7W/m・Kであった。
【0056】(実施例6)試作例1の黒鉛化炭素繊維を
シランカップリング剤で表面処理し、その処理後の黒鉛
化炭素繊維160重量部と酸化アルミニウム粉末(昭和
電工株式会社製)20重量部とを、接着性高分子として
アミン系硬化剤を含むビスフェノールF型エポキシ樹脂
(油化シェルエポキシ株式会社製)100重量部に混合
して熱伝導性高分子組成物(接着剤)を調製した。この
熱伝導性高分子組成物を熱硬化させて厚み1mmの熱伝
導性成形体を作成した。この熱伝導性成形体の熱伝導率
は2.8W/m・Kであった。
【0057】(比較例5)実施例6において、試作例1
の黒鉛化炭素繊維に代えて試作例3の黒鉛化炭素繊維を
使用するように変更した。それ以外は実施例6と同様に
して熱伝導性成形体を作製した。この熱伝導性成形体の
熱伝導率は2.2W/m・Kであった。
【0058】(実施例7)図1(c)において、プリン
ト配線基板に実装した半導体パッケージとヒートシンク
との間に、実施例1の熱伝導性成形体を介在させて半導
体装置を組み立てた。この装置に通電し10分後の熱抵
抗を測定したところ、0.15℃/Wであった。
【0059】(比較例6)実施例7において、実施例1
の熱伝導性成形体に変えて比較例1の熱伝導性成形体を
使用するように変更した。それ以外は実施例7と同様に
して熱抵抗を測定したところ、0.22℃/Wであっ
た。上記の各例の結果より、比較例1〜5において使用
されている試作例3又は試作例4の黒鉛化炭素繊維を試
作例1又は試作例2に変更すると(実施例1〜6)、い
ずれの場合も熱伝導性が改善されることが示された。ま
た、実際の半導体装置において適用した実施例7と比較
例6の結果から、実施例1の熱伝導性成形体は、比較例
1の熱伝導性成形体に比べて熱抵抗を小さく抑えること
ができ、伝熱部材として好適に使用できることが示され
た。
【0060】なお、前記実施形態を次のように変更して
構成することもできる。 ・ 図1(b),(c)に示すシート状の熱伝導性成形
体13を熱伝導性高分子組成物よりなるグリス又は接着
剤に置き換えてもよい。
【0061】・ 図1(a)〜(d)及び図2に示すプ
リント配線基板14、図1(c)に示すヒートシンク1
5、図1(d)に示す筐体16及び図3に示す封止剤2
4を熱伝導性成形体で構成してもよい。この場合、熱の
放散効果を高めることができる。
【0062】次に、前記実施形態から把握できる技術的
思想について以下に記載する。 ・ X線回折法による黒鉛層間の面間隔(d002)が
0.3370nm未満で、かつ、(101)回折ピーク
と(100)回折ピークのピーク強度比(P101/P
100)が1.15以上であることを特徴とする黒鉛化
炭素繊維。このように構成した場合、熱伝導性充填剤と
して高分子材料に充填した場合に優れた熱伝導性を発揮
することができる。
【0063】・ 高分子材料と、熱伝導性充填剤として
黒鉛化炭素繊維とを含有する熱伝導性接着剤であって、
X線回折法による前記黒鉛化炭素繊維の黒鉛層間の面間
隔(d002)が0.3370nm未満で、かつ、(1
01)回折ピークと(100)回折ピークのピーク強度
比(P101/P100)が1.15以上であることを
特徴とする熱伝導性接着剤。このように構成した場合、
優れた熱伝導性を発揮することができる。
【0064】・ 高分子材料と、熱伝導性充填剤として
黒鉛化炭素繊維とを含有する熱伝導性グリスであって、
X線回折法による前記黒鉛化炭素繊維の黒鉛層間の面間
隔(d002)が0.3370nm未満で、かつ、(1
01)回折ピークと(100)回折ピークのピーク強度
比(P101/P100)が1.15以上であることを
特徴とする熱伝導性グリス。このように構成した場合、
優れた熱伝導性を発揮することができる。
【0065】・ 高分子材料と、熱伝導性充填剤として
黒鉛化炭素繊維とを含有する熱伝導性塗料であって、X
線回折法による前記黒鉛化炭素繊維の黒鉛層間の面間隔
(d002)が0.3370nm未満で、かつ、(10
1)回折ピークと(100)回折ピークのピーク強度比
(P101/P100)が1.15以上であることを特
徴とする熱伝導性塗料。このように構成した場合、優れ
た熱伝導性を発揮することができる。
【0066】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成されている
ため、次のような効果を奏する。請求項1に記載の発明
によれば、優れた熱伝導性を発揮することができ、電子
機器等における放熱部材、伝熱部材あるいはそれらの構
成材料として好適に用いることができる。
【0067】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
に記載の発明の効果に加え、熱伝導性をさらに向上させ
ることができる。請求項3に記載の発明によれば、熱伝
導性成形体において請求項1又は請求項2に記載の発明
の効果と同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)〜(d)は熱伝導性成形体の適用例を
示す側面図。
【図2】 熱伝導性高分子組成物からなるグリスの適用
例を示す側面図。
【図3】 熱伝導性高分子組成物からなる接着剤の適用
例を示す断面図。
【符号の説明】
13…熱伝導性成形体、17…熱伝導性高分子組成物か
らなるグリス、19…熱伝導性高分子組成物からなる接
着剤。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 5/08 D01F 9/145 H01L 23/373 C09K 5/00 D // D01F 9/145 H01L 23/36 M Fターム(参考) 4F071 AA01 AA02 AA03 AA11 AA12 AA12X AA13 AA15 AA15X AA20 AA20X AA21 AA22 AA22X AA24 AA25 AA26 AA27 AA28 AA28X AA29 AA32 AA33 AA34 AA34X AA40 AA41 AA42 AA45 AA46 AA49 AA50 AA51 AA53 AA54 AA55 AA60 AA62 AA64 AA67 AA78 AA79 AB03 AD01 AF44 AH12 BB01 BB02 BB03 BB04 BB05 BB06 BC01 BC07 4J002 AA001 AA011 AA021 AC031 AC061 AC071 AC081 AC091 AC111 BB031 BB061 BB121 BB151 BB171 BB181 BB231 BB241 BB271 BC031 BC061 BD031 BD041 BD101 BD141 BD151 BE021 BF021 BF031 BF051 BG041 BG061 BG101 BH021 BN151 BP011 CB001 CC031 CD001 CF061 CF071 CF081 CF101 CF211 CG001 CH051 CH071 CH091 CJ001 CK021 CL011 CL021 CL031 CL071 CM041 CN011 CN031 CP031 CP171 DA016 FA046 FD010 4L037 CS04 FA02 FA05 PA63 PP39 UA06 5F036 AA01 BA23 BB21 BD21

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子材料と、熱伝導性充填剤として黒
    鉛化炭素繊維とを含有する熱伝導性高分子組成物であっ
    て、X線回折法による前記黒鉛化炭素繊維の黒鉛層間の
    面間隔(d002)が0.3370nm未満で、かつ、
    (101)回折ピークと(100)回折ピークのピーク
    強度比(P101/P100)が1.15以上であるこ
    とを特徴とする熱伝導性高分子組成物。
  2. 【請求項2】 前記黒鉛化炭素繊維は、メソフェーズピ
    ッチを原料に用いて紡糸、不融化及び炭化の各処理を順
    次行った後に粉砕し、その後黒鉛化して得られるもので
    あり、その繊維直径が5〜20μm、平均粒径が5〜5
    00μmである請求項1に記載の熱伝導性高分子組成
    物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の熱伝導性
    高分子組成物を所定の形状に成形してなる熱伝導性成形
    体。
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