JP2002088024A - エステル類及びアミド類の製造方法 - Google Patents

エステル類及びアミド類の製造方法

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JP2002088024A JP2000279935A JP2000279935A JP2002088024A JP 2002088024 A JP2002088024 A JP 2002088024A JP 2000279935 A JP2000279935 A JP 2000279935A JP 2000279935 A JP2000279935 A JP 2000279935A JP 2002088024 A JP2002088024 A JP 2002088024A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パラジウム触媒の存在下で有機ハロゲン化物
とアルコールとの混合物又は有機ハロゲン化物と第1級
もしくは第2級アミンとの混合物に対して一酸化炭素を
反応させる方法において、そのパラジウム触媒を経済的
に回収し、再使用することのできる工業的方法を提供す
る。 【解決手段】 パラジウムを含む触媒及び塩基の存在下
に、有機ハロゲン化物とアルコールとの混合物に一酸化
炭素を反応させて対応するエステルを製造する方法にお
いて、該反応を第4級アンモニウム塩からなるイオン性
流体の存在下で行うことを特徴とするエステルの製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機ハロゲン化物
とアルコールとの混合物に一酸化炭素を反応させてエス
テルを製造する方法及び有機ハロゲン化物と第1級もし
くは第2級アミンとの混合物に一酸化炭素を反応させて
アミドを製造する方法に関するものである。
【0002】エステルやアミドは医薬、農薬のような各
種化合物の製造原料又は合成中間体として広く利用され
ており極めて有用な化合物群である。また、ケトエステ
ルやケトアミドは生理活性を有する化合物であるα−ア
ミノ酸や、α−ヒドロキシ酸に容易に誘導できる有用な
化合物である。
【0003】
【従来の技術】パラジウム触媒の存在下、有機ハロゲン
化物とアルコールとの混合物又は有機ハロゲン化物と第
1級もしくは第2級アミンとの混合物に対して、一酸化
炭素をシングルもしくはダブルカルボニル化反応させる
ことにより、対応するエステル及びケトエステル、又は
対応するアミド及びケトアミドを製造する方法は公知で
ある。例えば、シングルカルボニル化反応によるエステ
ルやアミドの製造方法はR.F.Heckらにより系統
的に検討されている(J.Org.Chem.,39
巻,1974年,3318頁.及びJ.Org.Che
m.,39巻,1974年,3327頁.)。また、
J.Organomet.Chem.,233巻,19
82年,C64頁;J.Mol.Catal.,32
巻,1985年,115頁;Bull.Chem.So
c.Jpn.,68巻,1995年,433頁.にはダ
ブルカルボニル化反応によるケトエステルやケトアミド
の製造方法が開示されている。
【0004】一方、これらのカルボニル化反応に使用さ
れたパラジウムを含む触媒の回収に関する手段は未だ確
立されていない。一般的には、均一系触媒反応において
触媒を回収する方法としては、種々の方法が提案されて
いる。例えば水溶性の触媒を用いて反応を水−有機相の
二相にて行い、反応後に生成物を含む有機相と触媒を含
む水相に分離する方法が挙げられる(例えば、Ange
w.Chem.Int.Ed.Engl.,32巻,1
993年,1524−1544頁.)。しかしこの場合
には配位子として水溶性のものを使用する必要がある
上、二相系で反応を行うため反応速度の大幅な低下が見
られる場合が多い。さらにエステルやアミドを目的とす
るカルボニル化反応の場合には、溶媒としての水そのも
のが求核剤として有機ハロゲン化物と反応するため、水
を使用することはできない。従って、有機ハロゲン化物
のカルボニル化によるエステル及びケトエステルの合成
方法や、アミド及びケトアミドの合成法において、パラ
ジウム等の高価な触媒を使用した場合、触媒の回収及び
再使用の技術の確立が必要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、パラジウム
触媒の存在下で有機ハロゲン化物とアルコールとの混合
物又は有機ハロゲン化物と第1級もしくは第2級アミン
との混合物に対して一酸化炭素を反応させる方法におい
て、そのパラジウム触媒を経済的に回収し、再使用する
ことのできる工業的方法を提供することをその課題とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく、鋭意検討した結果、第4級アンモニウム
塩からなるイオン性流体を溶媒として反応を実施するこ
とにより、反応終了後、生成物であるカルボニル化合物
は減圧蒸留又は溶媒抽出により分離可能であり、使用し
たパラジウムを含む触媒は、なお十分な触媒活性を保持
しつつイオン性流体中に存在しており、これを再び反応
に使用し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明
をなすに至った。即ち、本発明によれば、パラジウムを
含む触媒及び塩基の存在下に、有機ハロゲン化物とアル
コールとの混合物に一酸化炭素を反応させて対応するエ
ステルを製造する方法において、該反応を第4級アンモ
ニウム塩からなるイオン性流体の存在下で行うことを特
徴とするエステルの製造方法が提供される。また、本発
明によれば、(i)パラジウムを含む触媒及び塩基の存
在下、さらに第4級アンモニウム塩からなるイオン性流
体の存在下において、有機ハロゲン化物とアルコールと
の混合物に一酸化炭素を反応させて対応するエステルを
生成させる反応工程と、(ii)該反応工程で得られた反
応生成液からそれに含まれるエステルを分離する分離工
程とからなり、該分離工程で得られるエステルを分離し
た後の残液を該反応工程へ循環再利用することを特徴と
するエステルの製造方法が提供される。さらに、本発明
によれば、パラジウムを含む触媒及び塩基の存在下に、
有機ハロゲン化物と第1級もしくは第2級アミンとの混
合物に一酸化炭素を反応させて対応するアミドを製造す
る方法において、該反応を第4級アンモニウム塩からな
るイオン性流体の存在下で行うことを特徴とするアミド
の製造方法が提供される。さらにまた、本発明によれ
ば、(i)パラジウムを含む触媒及び塩基の存在下、さ
らに第4級アンモニウム塩からなるイオン性流体の存在
下において、有機ハロゲン化物と第1級もしくは第2級
アミンとの混合物に一酸化炭素を反応させて対応するア
ミドを生成させる反応工程と、(ii)該反応工程で得ら
れた反応生成液からそれに含まれるアミドを分離する分
離工程とからなり、該分離工程で得られるアミドを分離
した後の残液を該反応工程へ循環再利用することを特徴
とするアミドの製造方法が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において反応原料として用
いる有機ハロゲン化物は、一酸化炭素を用いるカルボニ
ル化反応に用いられるものであり、従来公知の各種のも
のが用いられる。この有機ハロゲン化物は、通常、その
沸点が−100〜300℃、好ましくは−30〜250
℃、より好ましくは10〜250℃の範囲にあるもので
ある。
【0008】本発明で用いる好ましい有機ハロゲン化物
には、ハロゲンとして塩素、臭素又は沃素を含有する芳
香族化合物及び脂肪族化合物が包含される。この場合、
芳香族ハロゲン化合物において、その芳香環の炭素数は
6〜20、好ましくは6〜15である。なお、芳香環に
は、ベンゼン環の他、ナフタレン環、アントラセン環、
フェナントレン環及びピレン環等の縮合多環系芳香環及
びビフェニル、ターフェニル等の鎖状多環系芳香環等が
包含される。前記芳香環には、ハロゲン原子の他、反応
に不活性な置換基、例えば、炭素数1〜6の低級アルキ
ル基、炭素数1〜6の低級アルキル基を有するアルコキ
シ基やアルコキシカルボニル基、アシル基等の置換基を
有することができる。芳香環に結合するハロゲン原子の
数は1〜5であることができるが、好ましくは1つであ
る。前記芳香環の具体例を示すと、フェニル、トリル、
キシリル、ナフチル等のアリール基;ベンジル、フェネ
チル、ナフチルメチル等のアリールアルキル基(アラル
キル基)等が挙げられる。
【0009】脂肪族ハロゲン化合物には、鎖状及び環状
のものが包含される。鎖状のものには、飽和及び不飽和
の直鎖状及び分岐鎖状のものが包含される。この鎖状の
飽和脂肪族ハロゲン化合物において、その骨格脂肪族基
(アルキル基)の炭素数は1〜20、好ましくは1〜1
0である。鎖状の不飽和脂肪族ハロゲン化合物におい
て、その骨格脂肪族基(アルケニル基)の炭素数は2〜
20、好ましくは2〜10である。環状の脂肪族ハロゲ
ン化合物には、飽和及び不飽和のものが包含される。こ
の環状の脂肪族ハロゲン化合物において、その骨格脂肪
族基(シクロアルキル基、シクロアルケニル基)の炭素
数は3〜20、好ましくは6〜10である。前記骨格脂
肪族基には、ハロゲン原子の他、反応に不活性な置換
基、例えば、炭素数1〜6の低級アルキル基を有するア
ルコキシ基やアルコキシカルボニル基、アシル基等の脂
肪族系置換基や、アリール基、アラルキル基等の芳香族
系置換基を有することができる。脂肪族基に結合するハ
ロゲン原子の数は1〜5であることができるが、好まし
くは1つである。前記脂肪族基の具体例を示すと、メチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、
ヘプチル、オクチル等のアルキル基;ビニル、プロペニ
ル、シンナミル等のアルケニル基が挙げられる。
【0010】本発明の製造方法に好適な有機ハロゲン化
物としては、例えば、クロロベンゼン、ブロモベンゼ
ン、ヨードベンゼン、ベンジルクロライド、1−ブロモ
ナフタレン、ヨウ化メチル、アミルクロライド、アミル
ブロマイド、アミルヨージド、オクチルクロライド、オ
クチルブロマイド、オクチルヨージド、ビニルクロライ
ド、ビニルブロマイド、ビニルヨージド、アリルクロラ
イド、アリルブロマイド、アリルヨージド、シンナミル
クロライド、シンナミルブロマイド、シンナミルヨージ
ド等が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0011】本発明においては、前記有機ハロゲン化物
は、アルコールとの混合物の形態で反応原料として用い
られる。この場合のアルコールには、脂肪族アルコール
及び芳香族アルコールが包含される。脂肪族アルコール
には、鎖状及び環状のものが包含される。鎖状のものに
は、飽和及び不飽和の直鎖状及び分岐鎖状のものが包含
される。この鎖状の飽和脂肪族アルコールにおいて、そ
の骨格脂肪族基(アルキル基)の炭素数は1〜20、好
ましくは1〜10である。鎖状の不飽和脂肪族アルコー
ルにおいて、その骨格脂肪族基の炭素数は2〜20、好
ましくは2〜10である。環状の脂肪族アルコールに
は、飽和及び不飽和のものが包含される。この環状の脂
肪族アルコールにおいて、その骨格脂肪族基(シクロア
ルキル基、シクロアルケニル基)の炭素数は、3〜2
0、好ましくは6〜10である。前記骨格脂肪族基に
は、水酸基の他、反応に不活性な置換基、例えば、炭素
数1〜6の低級アルキル基を有するアルコキシ基やアル
コキシカルボニル基、アシル基等の脂肪族系置換基や、
アリール基、アラルキル基等の芳香族系置換基を有する
ことができる。脂肪族基に結合する水酸基の数は1〜3
であることができるが、好ましくは1つである。
【0012】前記芳香族アルコールにおいて、その骨格
芳香族基(アリールアルキル基)の炭素数は7〜20、
好ましくは7〜15である。なお、芳香族基に含まれる
芳香環には、ベンゼン環の他、ナフタレン環、アントラ
セン環、フェナントレン環及びピレン環等の縮合多環系
芳香環及びビフェニル、ターフェニル等の鎖状多環系芳
香環等が包含される。前記芳香族基には、水酸基の他、
反応に不活性な置換基、例えば、炭素数1〜6の低級ア
ルキル基、炭素数1〜6の低級アルキル基を有するアル
コキシ基やアルコキシカルボニル基、アシル基等の置換
基を有することができる。芳香族基に結合する水酸基の
数は、1〜3であることができるが、好ましくは1つで
ある。
【0013】原料アルコールの具体例としては、例え
ば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−
プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、
t−ブタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコ
ール等が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。原料アルコールの使用量には特に制限はないが、一
般には原料としての有機ハロゲン化物に対して少なくと
も化学量論的量使用する。
【0014】本発明においては、前記有機ハロゲン化物
は、第1級もしくは第2級アミンとの混合物の形態で反
応原料として用いられる。この場合の第1級もしくは第
2級アミン(以下、単にアミンとも言う)には、脂肪族
アミン、芳香族アミン及び環状アミンが包含される。脂
肪族アミンには、鎖状及び環状のものが包含される。鎖
状のものには、飽和及び不飽和の直鎖状及び分岐鎖状の
ものが包含される。この鎖状の飽和脂肪族アミンにおい
て、その骨格脂肪族基(アルキル基)の炭素数は1〜2
0、好ましくは1〜10である。鎖状の不飽和脂肪族ア
ミンにおいて、その骨格脂肪族基の炭素数は2〜20、
好ましくは2〜10である。環状の脂肪族アミンには、
飽和及び不飽和のものが包含される。この環状の脂肪族
アミンにおいて、その骨格脂肪族基(シクロアルキル
基、シクロアルケニル基)の炭素数は、3〜20、好ま
しくは6〜10である。前記脂肪族基には、アミノ基の
他、反応に不活性な置換基、例えば、炭素数1〜6の低
級アルキル基を有するアルコキシ基やアルコキシカルボ
ニル基、アシル基等の脂肪族系置換基、アリール基、ア
ルアルキル基等の芳香族系置換基を有することができ
る。脂肪族基に結合するアミノ基の数は1〜3であるこ
とができるが、好ましくは1つである。
【0015】前記芳香族アミンにおいて、その骨格芳香
族基(アリール基、アリールアルキル基)の炭素数は6
〜20、好ましくは6〜15である。なお、芳香族基に
含まれる芳香環には、ベンゼン環の他、ナフタレン環、
アントラセン環、フェナントレン環及びピレン環等の縮
合多環系芳香環及びビフェニル、ターフェニル等の鎖状
多環系芳香環等が包含される。前記芳香族基には、アミ
ノ基の他、反応に不活性な置換基、例えば、炭素数1〜
6の低級アルキル基、炭素数1〜6の低級アルキル基を
有するアルコキシ基やアルコキシカルボニル基、アシル
基等の置換基を有することができる。芳香族基に結合す
るアミノ基の数は、1〜3であることができるが、好ま
しくは1つである。
【0016】前記環状アミンには、その環構成原子が3
〜15個、好ましくは3〜11個のものが包含される。
環状アミンは単環式化合物であってもよいし、多環式化
合物であってもよい。環中に含まれるそのアミノ基の数
は1〜3個であることができるが、好ましくは1つであ
る。環状アミンにおける骨格環には、ピロール環、イミ
ダゾール環、ピラゾール環、イソインドール環、インド
ール環、プリン環、カルバゾール環、フェノチアジン
環、フェノキサジン環、ピロリン環、ピロリジン環、イ
ミダゾリン環、ピラゾリンジン環、ピラゾリン環、ピペ
リジン環、ピペラジン環、イソインドリン環、モルホリ
ン環等が包含される。前記環状アミンの骨格環には、反
応に不活性な置換基、例えば、炭素数1〜6の低級アル
キル基、炭素数1〜6の低級アルキル基を有するアルコ
キシ基やアルコキシカルボニル基、アシル基等の脂肪族
系置換基や、アリール基、アラルキル基等の芳香族系置
換基を有することができる。
【0017】前記第1級もしくは第2級アミンの具体例
としては、例えば、アニリン、ピロリジン、ベンジルア
ミン、ジエチルアミン、ジメチルアミン、ジイソプロピ
ルアミン、ジプロピルアミン等が挙げられるが、これら
に限定されるものではない。これら原料としての第1級
もしくは第2級アミンの使用量には特に制限は無いが、
一般には原料としての有機ハロゲン化物に対して少なく
とも化学量論的量使用する。塩基として用いる第3級ア
ミンを加える代わりに、有機ハロゲ化物に対して過剰量
の第1級もしくは第2級アミンを使用して反応を実施す
ることも可能である。
【0018】本発明においては、前記有機ハロゲン化物
とアルコールとの混合物に対して、パラジウムを含む触
媒及び塩基の存在下及び第4級アンモニウム塩からなる
イオン性流体の存在下において、一酸化炭素を反応させ
る。これによって、対応するエステル(ケトエステルを
含む)を得ることができる。また、本発明においては、
前記有機ハロゲン化物と第1級もしくは第2級アミンと
の混合物に対して、パラジウムを含む触媒及び塩基の存
在下及び第4級アンモニウム塩からなるイオン性流体の
存在下において、一酸化炭素を反応させる。これによっ
て、対応するアミド(ケトアミドを含む)を得ることが
できる。
【0019】本発明において用いる前記カルボニル化反
応自体は公知の反応である。そして、この反応をパラジ
ウムを含む触媒及び塩基の存在下で行うことも公知であ
る。前記カルボニル化反応は、パラジウムを含む触媒の
使用が必須であり、触媒が存在しない場合には、カルボ
ニル化合物は全く生成しない。パラジウムを含む触媒と
しては従来公知の種々の構造のものを用いることができ
るが、好適なものとして、例えば、塩化パラジウム、酢
酸パラジウム、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジ
ウム、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム等の
ほか、ホスフィンを配位子とするジクロロビス(トリフ
ェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリイ
ソプロピルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリ
フェニルホスフィン)パラジウム等も好ましい結果をも
たらす。また、第3級ホスフィンや第3級ホスファイト
を配位子として含まない錯体と第3級ホスフィンや第3
級ホスファイトを反応系中で混合し、第3級ホスフィン
や第3級ホスファイトを配位子とするパラジウム錯体を
発生させてそのまま触媒として用いる方法も好ましい態
様である。その場合の配位子は、一般には第3級ホスフ
ィンや第3級ホスファイトを配位子として含まない錯体
中のパラジウム原子に対して、1ないし50当量の範囲
から選ばれ、好ましくは1ないし20当量の範囲で選ば
れる。これらいずれかの方法で有利な性能を発揮する配
位子としては、種々の第3級ホスフィンや第3級ホスフ
ァイトを挙げることができる。好適に用いることができ
る配位子を例示すると、トリフェニルホスフィン、フェ
ニルジメチルホスフィン、トリ−オルト−トリルホスフ
ィン、トリ−パラ−トリルホスフィン、トリ(1−ナフ
チル)ホスフィン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィ
ノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プ
ロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタ
ン、トリフェニルホスファイト等が挙げられる。これに
組み合わせて用いられる、第3級ホスフィンや第3級ホ
スファイトを配位子として含まない錯体としては、例え
ば、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、ジクロロビス
(アセトニトリル)パラジウム、ジクロロビス(ベンゾ
ニトリル)パラジウム等が有利であるが、これらに限定
されるものではない。これらの触媒の使用量はいわゆる
触媒量で良く、一般的には有機ハロゲン化物に対して1
モル%以下で十分であり、通常、0.01〜1モル%の
割合で用いられる。
【0020】前記塩基には、有機塩基及び無機塩基が包
含される。有機塩基には、第1級アミン、第2級アミン
及び第3級アミンが包含される。一方、無機塩基には、
アルカリ性化合物(アルカリ金属化合物、アルカリ土類
金属化合物)が包含される。前記塩基としては、従来公
知の各種のものが用いられる。その具体例としては、例
えば、トリエチルアミン、ジエチルアミン、トリブチル
アミン、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酸化カルシ
ウム等が挙げられる。これらの塩基使用量は一般に、原
料としての有機ハロゲン化物に対して少なくとも化学量
論的量使用する。但し、原料としての第1級もしくは第
2級アミンを有機ハロゲン化物に対して過剰量加えた場
合には使用しなくても良い。
【0021】本発明においては、溶媒として第4級アン
モニウム塩からなるイオン性流体を使用する。このイオ
ン性流体は、触媒として使用されるパラジウムを含む錯
体を溶解するものである。また、第4級アンモニウム塩
は、非常に高い沸点を有しているため、実質上、蒸気圧
が無く反応後生成物分離のため蒸留を行う際、揮発によ
る溶媒の損失がない。従って、溶媒の揮発に基づく毒性
も考慮する必要が無い。さらに、エーテル類、クロロホ
ルム、ジクロロメタン、ベンゼン、トルエン、ヘキサン
など通常の有機溶媒と混和しないため、蒸留により分離
することが困難な高沸点反応生成物は、これら有機溶剤
を用いた溶媒抽出法により分離することが可能である。
【0022】本発明で用いる第4級アンモニウム塩とし
ては、アルキルアンモニウムカチオン、N,N−ジアル
キルイミダゾリウムカチオン、N−アルキルビリジニウ
ムカチオンを有する第4級アンモニウム塩を好ましく用
いることができる。アルキルアンモニウムカチオンを有
する第4級アンモニウム塩は、下記一般式(1)で表さ
れる。
【化1】 [NR ・ X (1) N,N−ジアルキルイミダゾリウムカチオンを有する第
4級アンモニウム塩は、下記一般式(2)で表される。
【化2】 N−アルキルピリジニウムカチオンを有する第4級アン
モニウム塩は、下記一般式(3)で表される。
【化3】 前記式中、R〜Rは、水素原子又は炭化水素基を示
し、Xは対イオンを示す。炭化水素基に含まれる炭素
数は1〜20、好ましくは1〜12である。この炭化水
素基には、脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基が包
含される。脂肪族炭化水素基には、鎖状のもの(アルキ
ル基、アルケニル基)及び環状のもの(シクロアルキル
基、シクロアルケニル基)が包含される。芳香族炭化水
素基には、アリール基及びアリールアルキル基が包含さ
れる。
【0023】前記対イオンXには、Cl、Br
等のハロゲンイオンの他、テトラフルオロボレート
(BF )、ヘキサフルオロホスフェート(P
)、トリフルオロメタンスルホナート(CF
)、ナイトレート(NO )、テトラクロロア
ルミネート(AlCl )、メチルスルフェート(C
SO )等が挙げられる。
【0024】本発明においては、第4級アンモニウム塩
としては、イミダゾリウムカチオンを含有するものや、
ピリジニウムカチオンを含有するもの等の使用が好まし
い。イミダゾリウムカチオンを含有するものとしては、
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1
−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロマイド、1−
ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−ヘ
キシル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−オ
クチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−デ
シル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−デシ
ル−3−メチルイミダゾリウムブロマイド、1−ドデシ
ル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−テトラ
デシル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−エ
チル−3−メチルイミダゾリウムテトラフロオロボレー
ト、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフロ
オロボレート、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウ
ムテトラフロオロボレート、1−エチル−3−メチルイ
ミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−ブチル
−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェー
ト、1−メチル−3−ブチルイミダゾリウムメチルスル
フェート、1、3−ジブチルイミダゾリウムメチルスル
フェート等が挙げられるが、これらに限定されるもので
はない。ピリジニウムカチオンを含有するものとして
は、4−メチル−ブチルピリジニウムクロライド、3−
メチル−ブチルピリジニウムクロライド、4−メチル−
ヘキシルピリジニウムクロライド、3−メチル−ヘキシ
ルピリジニウムクロライド、4−メチル−オクチルピリ
ジニウムクロライド、3−メチル−オクチルピリジニウ
ムクロライド、3、4−ジメチル−ブチルピリジニウム
クロライド、3、5−ジメチル−ブチルピリジニウムク
ロライド、4−メチル−ブチルピリジニウムテトラフル
オロボレート、4−メチル−ブチルピリジニウムヘキサ
フルオロホスフェート等が挙げられるがこれらに限定さ
れるものではない。本発明においては、これらのイオン
性流体(第4級アンモニウム塩)を単独で使用してもよ
いし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0025】イオン性流体の使用量は、特に限定されな
いが、必要以上に多量のイオン性流体を使用する事は反
応器の容量当たりの収量を低下させる。一方、イオン性
流体の量が極端に少ない場合には蒸留による反応生成物
分離後、液量が少ないため取り扱いが困難となる。さら
に、溶媒抽出法による反応生成物分離の際の相分離が困
難となる。従って溶媒の使用量は、原料として仕込まれ
る液体容量の総量に対し通常0.3〜3倍程度であり、
0.5〜1.5倍の範囲で行うのが本発明を有効に実施
する上で特に望ましい。
【0026】本発明におけるカルボニル化反応工程に用
いる一酸化炭素の圧力には特に制限はないが、一般的に
は一酸化炭素を、有機ハロゲン化物に対して少なくとも
化学量論的量使用する。圧力は通常、500kg/cm
ゲージ圧以下の範囲から選ばれ、好ましくは5ないし
300kg/cmゲージ圧の範囲から選ばれる。反応
温度は、あまりに低温では反応が有利な速度で進行せ
ず、あまりに高温では触媒が分解するので、一般には室
温ないし300℃の範囲から選ばれ、好ましくは室温な
いし200℃から選ばれる。
【0027】本発明においては、分離工程において、前
記カルボニル化反応工程で得られる反応生成液から、カ
ルボニル化合物を分離回収する。そして、カルボニル化
合物を分離した後の残液(触媒を含むイオン性流体、塩
基等からなる)は、これを前記カルボニル化反応工程に
循環し、再使用する。
【0028】前記カルボニル化反応生成液からカルボニ
ル化合物の分離方法としては、蒸留法や溶媒抽出法など
の慣用の分離方法を使用することができる。溶媒抽出法
によりカルボニル化合物を抽出分離する場合、その抽出
溶媒としては、各種のエーテルの他、クロロホルム、ジ
クロロメタン、ベンゼン、トルエン、ヘキサンなど通常
の有機溶媒を用いることができる。
【0029】
【実施例】本発明を以下の実施例によってさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
【0030】実施例1 オートクレーブ中において、酢酸パラジウム3mg(ブ
ロモベンゼンに対して0.5モル%)、配位子としての
トリフェニルホスフィン14mg(ブロモベンゼンに対
して2モル%)を溶媒としてのイオン性流体である1−
ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホス
フェート2mlに溶解し、100℃で10分間攪拌し
た。室温まで冷却後、ブロモベンゼン0.28ml、ト
リエチルアミン0.37ml、メタノール0.54ml
を加え、室温において30kg/cm2の一酸化炭素ガ
スを充填した後、150℃で3時間反応させた結果、安
息香酸メチルが68%の収率で得られた。反応混合物を
一旦オートクレーブより取り出し、減圧蒸留により安息
香酸メチル及び未反応原料を、パラジウム触媒及び反応
副生成物としてのトリエチルアンモニウム塩を含むイオ
ン性流体から分離した。分離後のイオン性液体に再びブ
ロモベンゼン0.28ml、トリエチルアミン0.37
ml、メタノール0.54mlを加え、反応を3回繰り
返し実施した。安息香酸メチルの収率は以下のとおりで
あった。
【0031】実施例2 配位子としてのトリフェニルホスフィン70mg(ブロ
モベンゼンに対して10モル%)を使用し反応を5回く
り返し実施したほかは、実施例1と同様にして反応を行
った。安息香酸メチルの収率は以下のとおりであった。
【0032】実施例3 イオン性流体として1−ブチル−3−メチルイミダゾリ
ウムテトラフルオロボレートを使用し、反応を2回くり
返し実施したほかは、実施例1と同様にして反応を行っ
た。安息香酸メチルの収率は以下のとおりであった。
【0033】実施例4 配位子としてのトリフェニルホスフィン70mg(ブロ
モベンゼンに対して10モル%)を使用し反応を5回く
り返し実施したほかは、実施例3と同様にして反応を行
った。安息香酸メチルの収率は以下のとおりであった。
【0034】実施例5 反応温度80℃、ブロモベンゼンに代えてヨードベンゼ
ンを使用し、反応を2回くり返し実施したほかは、実施
例1と同様にして反応を行った。安息香酸メチルの収率
は以下のとおりであった。
【0035】実施例6 反応温度100℃において反応を3回くり返し実施した
ほかは、実施例5と同様にして反応を行った。安息香酸
メチルの収率は以下のとおりであった。
【0036】実施例7 配位子としてのトリフェニルホスフィン70mg(ブロ
モベンゼンに対して10モル%)を使用したほかは、実
施例6と同様にして反応を行った。安息香酸メチルの収
率は以下のとおりであった。
【0037】比較例1 溶媒としてのイオン性流体を使用せず反応を1回くり返
し実施したほかは、実施例1と同様にして反応を行っ
た。くり返し1回目における安息香酸メチルの収率は6
%であり、実施例1におけるくり返し1回目の収率57
%に比べ大きく低下した。
【0038】 実施例8 オートクレーブ中において、酢酸パラジウム6mg(ヨ
ードベンゼンに対して1モル%)、配位子としてのトリ
フェニルホスフィン28mg(ヨードベンゼンに対して
4モル%)を溶媒としてのイオン性流体である1−ブチ
ル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェ
ート2mlに溶解し、100℃で10分間攪拌した。室
温まで冷却後、ヨードベンゼン0.3ml、トリエチル
アミン0.37ml、2−プロパノール1mlを加え、
室温において150kg/cm2の一酸化炭素ガスを充
填した後、80℃で18時間反応させた結果、ヨードベ
ンゼン転化率100%で、安息香酸イソプロピルを93
%及び、ベンゾイルギ酸イソプロピルを6%の収率で得
た。
【0039】実施例9 配位子としてのトリフェニルホスフィン140mg(ブ
ロモベンゼンに対して20モル%)を使用したほかは、
実施例8と同様にして反応を行った結果、ヨードベンゼ
ン転化率64%で、安息香酸イソプロピルを62%及
び、ベンゾイルギ酸イソプロピルを2%の収率で得た。
【0040】実施例10 配位子としてのトリフェニルホスフィンを使用せずに反
応を行ったほかは、実施例8と同様にして反応を行った
結果、ヨードベンゼン転化率86%で、安息香酸イソプ
ロピルを66%及び、ベンゾイルギ酸イソプロピルを1
7%の収率で得た。
【0041】実施例11 反応温度120℃で実施例8と同様にして反応を行った
結果、ヨードベンゼン転化率100%で、安息香酸イソ
プロピルを95%及び、ベンゾイルギ酸イソプロピルを
5%の収率で得た。
【0042】実施例12 イオン性流体として1−ブチル−3−メチルイミダゾリ
ウムテトラフルオロボレートを使用したほかは、実施例
8と同様にして反応を行った結果、ヨードベンゼン転化
率83%で、安息香酸イソプロピルを58%及び、ベン
ゾイルギ酸イソプロピルを25%の収率で得た。
【0043】実施例13 配位子としてのトリフェニルホスフィンを使用せずに反
応を行ったほかは、実施例12と同様にして反応を行っ
た結果、ヨードベンゼン転化率62%で、安息香酸イソ
プロピルを33%及び、ベンゾイルギ酸イソプロピルを
19%の収率で得た。
【0044】比較例2 溶媒としてのイオン性流体を使用せず実施したほかは、
実施例8と同様にして反応を行った結果、ヨードベンゼ
ン転化率14%で、安息香酸イソプロピルを7%及び、
ベンゾイルギ酸イソプロピルを6%の収率で得た。
【0045】実施例14 窒素ガス雰囲気下オートクレーブ中において、酢酸パラ
ジウム6mg(ヨードベンゼンに対して1モル%)、配
位子としてのトリフェニルホスフィン28mg(ヨード
ベンゼンに対して4モル%)を溶媒としてのイオン性流
体である1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサ
フルオロホスフェート2mlに溶解し、100℃で10
分間攪拌した。室温まで冷却後、ヨードベンゼン0.3
ml、ジエチルアミン1.38mlを加え、室温におい
て40kg/cm2の一酸化炭素ガスを充填した後、8
0℃で3時間反応させた結果、ヨードベンゼン転化率1
00%で、N、N−ジエチル−2−フェニルグリオキシ
ルアミドを76%及びN、N−ジエチルベンズアミドを
24%の収率で得た。
【0046】実施例15 5kg/cmの一酸化炭素ガスで6時間反応を行った
ほかは、実施例14と同様にして反応を行った結果、ヨ
ードベンゼン転化率22%で、N、N−ジエチル−2−
フェニルグリオキシルアミドを14%及びN、N−ジエ
チルベンズアミドを10%の収率で得た。
【0047】実施例16 ジエチルアミンに代えてジイソプロピルアミン1.86
mlを用い、120℃で6時間反応を行ったほかは、実
施例14と同様にして反応を行った結果、ヨードベンゼ
ン転化率31%で、N、N−ジイソプロピルベンズアミ
ドを16%の収率で得た。
【0048】実施例17 イオン性流体として1−ブチル−3−メチルイミダゾリ
ウムテトラフルオロボレートを使用したほかは、実施例
14と同様にして反応を行った結果、ヨードベンゼン転
化率100%で、N、N−ジエチル−2−フェニルグリ
オキシルアミドを83%及びN、N−ジエチルベンズア
ミドを17%の収率で得た。反応混合物を一旦オートク
レーブより取り出し、エーテル抽出によりN、N−ジエ
チル−2−フェニルグリオキシルアミド、N、N−ジエ
チルベンズアミド及び未反応原料を、パラジウム触媒及
び反応副生成物としてのアンモニウム塩を含むイオン性
流体から分離した。分離後のイオン性流体に再びヨード
ベンゼン0.3ml、ジエチルアミン1.38mlを加
え、反応を2回繰り返し実施した。その際のヨードベン
ゼン転化率、N、N−ジエチル−2−フェニルグリオキ
シルアミド(収率Aとする)及びN、N−ジエチルベン
ズアミド(収率Bとする)の収率は以下のとおりであっ
た。 転化率 収率A 収率B 当初触媒 100 83 17 くり返し1回目 54 41 13 くり返し2回目 57 50 7
【0049】
【発明の効果】本発明により、医薬・農薬などファイン
ケミカルズとして極めて有用であるカルボニル化合物
(エステル及びケトエステル又はアミド及びケトアミド
を効率よく製造することができる。本発明においては、
高価な触媒を回収し、再使用することができるので、本
発明の方法は、経済性において非常にすぐれた方法であ
る。また、本発明では、生成物の分離精製も容易であ
る。従って、本発明の工業的意義は多大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC21 AC48 AC53 BA25 BA48 BA51 BB11 BB12 BC11 BC34 BE40 4H039 CA66 CA71 CL45

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パラジウムを含む触媒及び塩基の存在下
    に、有機ハロゲン化物とアルコールとの混合物に一酸化
    炭素を反応させて対応するエステルを製造する方法にお
    いて、該反応を第4級アンモニウム塩からなるイオン性
    流体の存在下で行うことを特徴とするエステルの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 (i)パラジウムを含む触媒及び塩基の
    存在下、さらに第4級アンモニウム塩からなるイオン性
    流体の存在下において、有機ハロゲン化物とアルコール
    との混合物に一酸化炭素を反応させて対応するエステル
    を生成させる反応工程と、(ii)該反応工程で得られた
    反応生成液からそれに含まれるエステルを分離する分離
    工程とからなり、該分離工程で得られるエステルを分離
    した後の残液を該反応工程へ循環再利用することを特徴
    とするエステルの製造方法。
  3. 【請求項3】 パラジウムを含む触媒及び塩基の存在下
    に、有機ハロゲン化物と第1級もしくは第2級アミンと
    の混合物に一酸化炭素を反応させて対応するアミドを製
    造する方法において、該反応を第4級アンモニウム塩か
    らなるイオン性流体の存在下で行うことを特徴とするア
    ミドの製造方法。
  4. 【請求項4】 (i)パラジウムを含む触媒及び塩基の
    存在下、さらに第4級アンモニウム塩からなるイオン性
    流体の存在下において、有機ハロゲン化物と第1級もし
    くは第2級アミンとの混合物に一酸化炭素を反応させて
    対応するアミドを生成させる反応工程と、(ii)該反応
    工程で得られた反応生成液からそれに含まれるアミドを
    分離する分離工程とからなり、該分離工程で得られるア
    ミドを分離した後の残液を該反応工程へ循環再利用する
    ことを特徴とするアミドの製造方法。
  5. 【請求項5】 該第4級アンモニウム塩からなるイオン
    性流体が、イミダゾリウムカチオンを含有する化合物又
    はピリジニウムカチオンを含有する化合物である請求項
    1〜4のいずれかに記載の方法。
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