JP2002087497A - プルトップ缶用オープナー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プルタブの裏側への位置決めを簡単かつ確実
に行えるようにして、プルタブの引き起こし作業をより
簡便に行うことができるプルトップ缶用オープナーを提
供する。 【解決手段】 プルトップ缶２の軸心Ｘ回りに回転自在
となるように当該プルトップ缶２の上端縁部に装着でき
る回転プレート１０の裏面に引っ掛け部材１１を固定す
る。そして、その回転プレート１０をプルトップ缶２の
上端縁部に取り付けたときにプルトップ缶２の上蓋５に
おけるプルタブ３の先端部に対応する径方向部分に当接
する爪先１７を引っ掛け部材１１に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、プルタブを簡単に
引き起こすことができるプルトップ缶用オープナーに関
する。

【０００２】

【従来の技術】例えば、ビールその他の飲料水用のプル
トップ缶の上蓋部分には、飲み口を簡単に開封するため
のプルタブが設けられている。しかし、このプルタブは
比較的強度が大きくしかもその先端がプルトップ缶の上
端縁部の近くまで延びていて摘み難くなっているため、
素手では簡単に引き起こせない場合がある。特に、爪の
長い女性や力の弱い小児の場合には、無理にプルタブを
引き起こそうとすると、指の爪が割れたり指先を傷めた
りすることもある。

【０００３】そこで、このようなプルタブを簡単に引き
起こすことができるプルトップ缶用オープナーが既に開
発されており、その一例として、プルタブの裏側に差し
込める程度の薄さに形成された薄肉部を剛性のあるプレ
ート本体の縁部に形成し、プルタブに引っ掛かる係合突
起を前記薄肉部に形成したものがある（実用新案登録第
３０５６５４０号公報）。

【０００４】そして、この従来のオープナーによれば、
プレート本体の薄肉部をプルタブの裏側に差し込んで係
合突起を当該プルタブのリング部に引っ掛け、この状態
でプレート本体を上方に持ち上げるようにすれば、梃子
の原理によってプルタブをより小さい力で引き起こすこ
とができる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のオープナーでは、プレート本体の薄肉部をプルタブ
の裏側に向かって強制的に差し込んで使用するものであ
るため、プレート本体の薄肉部をプルタブに対して位置
決めするのが容易ではなく、この点でプルタブの引き起
こし作業が行い難いという欠点がある。

【０００６】特に、ビールその他の飲料水用のプルトッ
プ缶のプルタブは上蓋の中心部にピンで固定されてい
て、そのピンの回りにある程度回動できるようになって
いるため、プレート本体の薄肉部をプルタブの裏側に差
し込もうとしても、プルタブがピン回りに回動してその
先端が逃げてしまい、当該プレート本体をプルタブの裏
側に差し込むのが非常に困難になる場合がある。

【０００７】そこで、本発明の課題は、プルタブの裏側
への位置決めを簡単かつ確実に行えるようにして、プル
タブの引き起こし作業をより簡便に行うことができるプ
ルトップ缶用オープナーを提供する点にある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明のプルトップ缶用オープナーは、プルトップ缶の軸心
回りに回転自在となるように当該プルトップ缶の上端縁
部に装着できる回転プレートと、この回転プレートの裏
面に固定されておりその回転プレートを前記プルトップ
缶の上端縁部に取り付けたときに当該プルトップ缶の上
蓋におけるプルタブの先端部に対応する径方向部分に当
接する爪先を有する引っ掛け部材と、を備えたものであ
る。

【０００９】本発明のオープナーによれば、回転プレー
トをプルトップ缶の上端縁部に取り付けると、引っ掛け
部材の爪先がプルトップ缶の上蓋におけるプルタブの先
端部に対応する径方向部分に当接する。このため、その
状態から回転プレートをプルトップ缶の軸心回りに回転
させると、引っ掛け部材の爪先がプルタブの裏側に入り
込み、引っ掛け部材がプルタブに対して確実に位置決め
される。その後は、回転プレートをプルトップ缶から引
き離すようにすれば、引っ掛け部材によってプルタブを
簡単に引き起こすことができる。

【００１０】本発明のオープナーにおいて、上記爪先
を、その先端側に向かうに従って下方に傾斜させるよう
にすれば、引っ掛け部材の爪先がプルタブの裏面に入り
込み易くなり、引っ掛け部材のプルタブに対する位置決
めがより確実になる。また、引っ掛け部材の幅方向左右
両側にそれぞれ爪先を設けるようにすれば、プルトップ
缶に装着した回転プレートを右回り及び左回りのいずれ
の方向に回転させても、引っ掛け部材をプルタブの裏側
に入り込ませることができ、この点で非常に使い勝手が
よくなる。

【００１１】更に、上記回転プレートとして、プルトッ
プ缶の上端縁部よりもやや大きい外径の円板部と、この
円板部の外周縁に形成された取付フランジと、前記プル
トップ缶の上端縁部の外周側に掛止可能となるように前
記取付フランジの内周面に突設された掛止片とを備えた
ものを採用すれば、当該回転プレートをプルトップ缶の
蓋部材として兼用することができる。もっとも、本発明
は、蓋部材として兼用できない回転プレート（例えば，
図４参照）を用いたオープナーをも包含するものであ
る。

【００１２】また、上記回転プレートは、透明、半透明
又は網状の部材で形成することが好ましい。この場合、
回転プレートの表面側から引っ掛け部材を目視できるよ
うになるので、回転プレートをどの程度回転させれば引
っ掛け部材がプルタブに到達するかが外部から容易に判
断でき、この点で使い勝手がよくなる。なお、本発明の
オープナーは、プルトップ缶とは別個に販売することも
できるし、プルトップ缶に予め装着してそれと一緒に販
売することもできる。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、本発明
の実施の形態について説明する。図１〜図３は、本発明
の第１実施形態を示している。図１に示すように、本実
施形態のオープナー１は、ビール、コーヒー又は清涼飲
料水等のプルトップ缶２にいったん装着してからその缶
２から引き離すことにより、プルタブ３を容易に引き起
こすことができるようにしたものである。

【００１４】図例のプルトップ缶２は、アルミ又はスチ
ール製で、底部を有する円筒容器４の上端部を上蓋５で
閉塞することによって構成されており、その上蓋５に
は、先端側のリング部６を引き起こすことによって飲み
口７を開封することができる前記プルタブ３が上蓋５の
中央部にピン８を介して固定されている。なお、上蓋５
は、その外周部を円筒容器４の上端部に対して径外側に
折り返してリップ部９（図２参照）を形成することによ
り、同容器４に固定されている。

【００１５】本実施形態のオープナー１は、プルトップ
缶２の軸心Ｘ回りに回転自在となるように当該プルトッ
プ缶２の上端縁部に装着できる回転プレート１０と、こ
の回転プレート１０の裏面に固定された引っ掛け部材１
１とを備えている。このうち、回転プレート１０は、透
明な（半透明でもよい。）硬質プラスチックよりなり、
プルトップ缶２の上端縁部よりもやや大きい外径の円板
部１２と、この円板部１２の外周縁に形成された取付フ
ランジ１３と、プルトップ缶２の上端縁部の外周側に屈
曲形成された前記リップ部９に掛止可能となるように取
付フランジ１３の内周面に突設された掛止片１４とを備
えている。

【００１６】従って、本実施形態の回転プレート１０
は、その取付フランジ１３をプルトップ缶２の上端縁部
に外嵌させて強制的に押し込むことにより掛止片１４が
リップ部９に引っ掛かり、これによってプルトップ缶２
に対して相対回転自在に取り付けられるようになってい
る。また、この回転プレート１０は、円板部１２がプル
トップ缶２の上端縁部よりもやや大きい外径に形成され
ているので、当該プルトップ缶２の蓋部材としても機能
する。

【００１７】図１及び図２に示すように、回転プレート
１０の円板部１２の裏面における径外側端部には横長の
固定台１５が一体に突設されており、この固定台１５
に、スチール製の薄板材よりなる前記引っ掛け部材１１
の基端部が取付ビス１６（図２参照）によって固定され
ている。この引っ掛け部材１１は、先端部が回転プレー
ト１０の中心側に向くように固定台１５に片持ち状に支
持されていて、その先端部の幅方向左右両側から周方向
に突設された一対の爪先１７を備えている。

【００１８】図３に示すように、この引っ掛け部材１１
の各爪先１７は、回転プレート１０をプルトップ缶２の
上端縁部に取り付けたときに、プルタブ６の先端側のリ
ング部６にほぼ対応する径方向位置に来るように配置さ
れており、その径方向位置においてプルトップ缶２の上
蓋５に当接するようになっている。また、図１及び図２
に示すように、各爪先１７は、その先端側に向かうに従
って下方に傾斜するように屈曲されている。

【００１９】次に、上記構成を有するオープナー１の使
用方法と作用を説明する。まず、本実施形態のオープナ
ー１を使用するには、図１に示すように、当該オープナ
ー１をプルトップ缶２に対して芯合わせした状態でその
上端縁部に上から強制的に嵌め込み、プルトップ缶２の
上端縁部に取り付ける。このとき、図３に示すように、
引っ掛け部材１１の爪先１７はプルトップ缶２の上蓋５
におけるプルタブ３のリング部６に対応する径方向部分
に当接する。

【００２０】なお、オープナー１が予めプルトップ缶２
に取り付けられている場合（プルトップ缶２に予め装着
してそれと一緒に販売されている場合）には、上記の取
り付け作業を特に行う必要はない。そして、図３に矢印
ａで示すように、オープナー１をプルトップ缶２の軸心
Ｘ回りに右方向（左方向でもよい。）に相対回転させる
と、引っ掛け部材１１の爪先１７がプルタブ３の裏側に
入り込み、引っ掛け部材１１がプルタブ３のリング部６
に位置決めされる。

【００２１】その後は、オープナー１を図２に矢印ｂ１
又はｂ２で示す方向に引き上げてプルトップ缶２から取
り外すようにすれば、上蓋５から離れるように上方へ移
動する引っ掛け部材１１によってプルタブ３が引き起こ
されることになる。このように、本実施形態のオープナ
ー１によれば、プルトップ缶２の上端縁部に取り付けた
回転プレート１０をその缶２の軸心Ｘ回りに回転させる
だけで、引っ掛け部材１１をプルタブ６に対して確実に
位置決めできるので、プルタブ３の裏側への位置決めが
簡単かつ確実であり、このため、プルタブ３の引き起こ
し作業を従来より簡便に行うことができる。

【００２２】また、本実施形態では、引っ掛け部材１１
の爪先１７がその先端側に向かうに従って下方に傾斜し
ているので、当該爪先１７がプルタブ３の裏面に入り込
み易く、引っ掛け部材１１のプルタブ３に対する位置決
めがより確実になるという利点がある。更に、本実施形
態では、引っ掛け部材１１の幅方向左右両側にそれぞれ
爪先１７を設けているので、プルトップ缶２に装着した
回転プレート１０を右回り及び左回りのいずれの方向に
回転させても、引っ掛け部材１１をプルタブ３の裏側に
入り込ませることができ、この点で非常に使い勝手がよ
くなる。

【００２３】また、本実施形態では、回転プレート２が
透明の板材よりなるので、回転プレート２の表面側から
引っ掛け部材１１を目視することができる。このため、
回転プレート２をどの程度回転させれば引っ掛け部材１
１がプルタブ３に到達するかが外部から容易に判断で
き、この点で非常に使い勝手がよい。なお、この作用効
果は、回転プレート２を半透明又は網状とした場合にも
奏することができる。

【００２４】図４は、本発明の第２実施形態を示してい
る。この実施形態が第１実施形態と異なる点は、回転プ
レート１０が、円板の左右両側を湾曲状に大きくカット
してなるほぼへら状に形成されている点にあり、その他
の構成は第１実施形態の場合と同様である。従って、本
実施形態のオープナー１においても、回転プレート１０
が蓋部材を兼ねていること以外は、第１実施形態の場合
と同じ作用効果を奏する。なお、長手方向両端側の各取
付フランジ１３はプルトップ缶２の上端縁部とほぼ同じ
曲率で湾曲している。

【００２５】本発明は以上説明した実施形態に限定され
るものではない。例えば、引っ掛け部材１１は、回転プ
レート１０と別部品とするのではなく、同プレート１０
と一体成形することによって形成することもできる。ま
た、回転プレート１０は、プルトップ缶２の軸心Ｘ回り
に回転自在となるように当該プルトップ缶２の上端縁部
に装着できる形状であればよく、図１に示す円板状や図
４に示すへら状のものに限定されない。

【００２６】更に、回転プレート１０は、必ずしもプル
トップ缶２の上端縁部に対して嵌め込んで仮固定できる
ものである必要はなく、取付フランジ１３から掛止片１
４を取り除くようにしてもよい。

【００２７】

【発明の効果】本発明によれば、プルトップ缶の上端縁
部に取り付けた回転プレートをその缶の軸心回りに回転
させるだけで、引っ掛け部材をプルタブに対して確実に
位置決めできるので、プルタブの裏側への位置決めが簡
単かつ確実であり、プルタブの引き起こし作業をより簡
便に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施形態のオープナーとプルトップ缶の斜
視図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線断面図である。

【図３】オープナーをプルトップ缶に装着した状態の平
面断面図である。

【図４】第２実施形態のオープナーの斜視図である。

【符号の説明】

１ プルトップ缶用オープナー ２ プルトップ缶 ３ プルタブ ５ 上蓋 １０ 回転プレート １１ 引っ掛け部材 １２ 円板部 １３ 取付フランジ １４ 掛止片 １７ 爪先 Ｘ 軸心

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 プルトップ缶（２）の軸心（Ｘ）回りに
   回転自在となるように当該プルトップ缶（２）の上端縁
   部に装着できる回転プレート（１０）と、 この回転プレート（１０）の裏面に固定されておりその
   回転プレート（１０）を前記プルトップ缶（２）の上端
   縁部に取り付けたときにそのプルトップ缶（２）の上蓋
   （５）におけるプルタブ（３）の先端部に対応する径方
   向部分に当接する爪先（１７）を有する引っ掛け部材
   （１１）と、 を備えているプルトップ缶用オープナー。
2. 【請求項２】 爪先（１７）は、その先端側に向かうに
   従って下方に傾斜している請求項１に記載のプルトップ
   缶用オープナー。
3. 【請求項３】 引っ掛け部材（１１）の幅方向左右両側
   にそれぞれ爪先（１７）が設けられている請求項１又は
   ２に記載のプルトップ缶用オープナー。
4. 【請求項４】 回転プレート（１０）は、プルトップ缶
   （１０）の上端縁部よりもやや大きい外径の円板部（１
   ２）と、この円板部（１２）の外周縁に形成された取付
   フランジ（１３）と、前記プルトップ缶（２）の上端縁
   部の外周側に掛止可能となるように前記取付フランジ
   （１３）の内周面に突設された掛止片（１４）とを備え
   ている請求項１〜３のいずれかに記載のプルトップ缶用
   オープナー。
5. 【請求項５】 回転プレート（１０）は、その表面側か
   ら引っ掛け部材（１１）が目視できるように透明、半透
   明又は網状の部材で形成されている請求項１〜４のいず
   れかに記載のプルトップ缶用オープナー。