JP3031616U - 蓋部材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 缶蓋の注ぎ口に埃等が付着するのを防止する
ことができると共に、内容物の漏れを防止することがで
きる蓋部材を提供する。 【解決手段】 蓋部材１は、飲料缶等の缶蓋の外周部に
外嵌され該缶蓋の注ぎ口に対応する部分に切欠部７を有
する蓋本体２と、切欠部７を開閉自在に閉塞する開閉蓋
３とを備える。開閉蓋３は蓋本体２内にその上面が該蓋
本体２の下面に面接触した状態で回転可能に配置されて
おり、該回転により切欠部７を開閉する。蓋本体２の缶
蓋の外周部を臨む部分に該外周部に密着するシール部材
を設けると共に、開閉蓋３の缶蓋の内周部を臨む部分に
該内周部に摺動自在に密着するシール部材を設ける。さ
らに、開閉蓋３の回転移動を外部から操作する操作棒３
ａを備える。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、例えば飲料缶等の缶蓋に装着される蓋部材に関する。

【０００２】

【従来の技術】

飲料缶等においては、缶蓋のプルタブに指等を引っかけて注ぎ口を開口し、該 注ぎ口から内容物をカップ等に移して飲むか、或いは該注ぎ口から内容物を直接 飲むのが一般的である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、飲料缶等の内容物を時間をおいて少しずつ飲む場合には、該内容物 を飲まない時は缶蓋の注ぎ口を開口した状態で飲料缶を何処かに置くことになる 。しかしながら、缶蓋の注ぎ口を開口した状態で飲料缶を何処かに置くと、特に 埃等が多い場所では注ぎ口周辺に埃が付着したり該注ぎ口から埃が内部に入って しまい衛生上好ましくない。

【０００４】 また、飲料缶を誤って倒した場合には、内容物が漏れてしまうという問題もあ る。 本考案はかかる不都合を解消するためになされたものであり、請求項１の考案 は、缶蓋の注ぎ口に埃等が付着するのを防止することができる蓋部材を提供する ことを目的とする。

【０００５】 また、請求項２の考案は、缶蓋の注ぎ口に埃等が付着するのを防止することが できると共に、内容物の漏れを防止することができる蓋部材を提供することを目 的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

かかる目的を達成するために、請求項１に係る蓋部材は、缶体の缶蓋の外周部 に外嵌され該缶蓋の注ぎ口に対応する部分に切欠部を有する蓋本体と、前記切欠 部を開閉自在に閉塞する開閉蓋とを備えたことを特徴とする。

【０００７】 請求項２に係る蓋部材は、前記開閉蓋は前記蓋本体内にその上面が該蓋本体の 下面に面接触した状態で回転可能に配置されて該回転により前記切欠部を開閉し 、且つ、前記蓋本体の前記缶蓋の外周部を臨む部分に該外周部に密着するシール 部材を設けると共に、前記開閉蓋の前記缶蓋の内周部を臨む部分に該内周部に摺 動自在に密着するシール部材を設け、さらに、前記開閉蓋の回転移動を外部から 操作する操作部を備えたことを特徴とする。

【０００８】 請求項３に係る蓋部材は、前記操作部を棒状に形成して前記蓋本体上面の半径 方向に延在させ、その基端部を該蓋本体の略中央部に配置して前記開閉蓋に固定 すると共に、先端部を該蓋本体の外周部近傍に配置したことを特徴とする。

【０００９】 請求項４に係る蓋部材は、前記蓋本体に缶蓋のプルタブを起こす爪部を設けた ことを特徴とする。 請求項５に係る蓋部材は、前記爪部は前記蓋本体の外周部に設けられた案内孔 に該蓋本体の外周部に沿って移動可能に且つ先端部が該案内孔から前記切欠部に 出没可能に挿通されていることを特徴とする。

【００１０】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の実施の形態の一例を図１〜図７を参照して説明する。図１は本 考案の実施の形態の一例である蓋部材の平面図、図２は蓋部材の正面図、図３は 蓋部材の背面図、図４は図１のＩＶ矢視図、図５は図１のＶ−Ｖ線断面図、図６ は図１のＶＩ−ＶＩ線断面図、図７は蓋部材を飲料缶の缶蓋に装着した状態を説 明するための説明的断面図である。

【００１１】 この蓋部材１は、蓋本体２、開閉蓋３及び操作棒（操作部）３ａを備える。 蓋本体２は、飲料缶４の缶蓋５（図７参照）に外嵌されるのもで、該缶蓋５の 外周部より若干大径の例えば合成樹脂製の円板部材６を備える。円板部材６の缶 蓋５の注ぎ口に対応する部分には、円弧状の切欠部７が形成されている。円板部 材６の外周縁下面には、缶蓋５の外周部に密着する断面四角形状の例えばゴム製 のシール部材８が周方向に沿って取り付けられている。また、図２及び図５に示 すように、シール部材８の下面には、ネックイン加工が施されて缶蓋５の外周部 より小径に形成された缶胴部１０（図７参照）の上端外周部に密着する断面四角 形状の例えばゴム製のシール部材９がシール部材８より径方向内方に位置して周 方向に沿って取り付けられている。シール部材９の外周部は、該外周部と切欠部 ７との境部位置から周方向に沿って延在するゴム製部材１１によって覆われてい る。

【００１２】 ゴム製部材１１の内部は案内孔１１ｃとされて金属製の板部材１２がシール部 材９の外周部に沿って移動可能に挿通されており、また、該板部材１２はゴム製 部材１１より周方向の長さが長くされている。ゴム製部材１１の切欠部７から離 間する側の端部１１ａから突出する板部材１２には、該板部材１２が切欠部７側 に移動する際に該端部１１ａに当接して同方向の移動を阻止する抜止用のストッ パ１３が設けられている。

【００１３】 そして、板部材１２を切欠部７側に移動させると、図１に二点鎖線で示すよう に、ゴム製部材１１の切欠部７側の端部１１ｂから板部材１２の先端が切欠部７ に突出し、この突出した部分が缶蓋５のプルタブ５ａ（図７参照）を起こすため の爪部１４とされている。缶蓋５の注ぎ口を開口する前に爪部１４でプルタブ５ ａを所定量起こしておくことにより、該プルタブ５ａに指を引っかけ易くするこ とができる。また、板部材１２を切欠部７から離間する側に移動させると爪部１ ４はゴム製部材１１内に隠れるようになっており、このように爪部１４をゴム製 部材１１の端部１１ｂから出没可能にすることにより、該爪部１４を目立たなく することができ、蓋部材１をデザイン的にすっきりとしたものとすることができ る。図４に示すように、シール部材９の外周部には、板部材１２が切欠部７から 離間する側に移動する際にストッパ１３を受け止めて板部材１２の同方向の移動 を阻止する抜止用の段部９ａが形成されている。

【００１４】 開閉蓋３は、蓋本体２の切欠部７を開閉自在に閉塞するためのもので、缶蓋５ の内周部と略同径に形成された例えば合成樹脂製の半円板部材１５を備える。半 円板部材１５は上述した切欠部７を閉塞可能な大きさとされており、蓋本体２の 内部にその上面を該蓋本体２の円板部材６の下面に面接触させた状態で回転可能 に配置されている。半円板部材１５は円板部材６と略同心に配置されており、ま た、半円板部材１５の弦の少なくとも一方の半径部分には上述した切欠部７と略 同一の曲率半径を有する円弧凹部１７が形成されている。図２及び図６に示すよ うに、半円板部材１５の外周縁下面には、缶蓋５の内周部に摺動自在に密着する 例えばゴム製のシール部材１８が周方向に沿って取り付けられている。

【００１５】 なお、一般に、図７に示すように、缶蓋５の内周部は下方に向けて縮径するテ ーパ形状とされているため、この実施の形態では、かかるテーパ形状に対応すべ くシール部材１８の外周部の上部と下部とで段差を設けている。即ち、シール部 材１８の外周部の下部の密着面を上部のそれより径方向内方に配置している。

【００１６】 操作棒３ａは、開閉蓋３の回転移動を外部から操作するためのもので、蓋本体 ２の円板部材６の上面に半径方向に直線状に延びて配置されている。操作棒３ａ の基端部は円板部材６の略中心部を貫通して開閉蓋の半円板部材１５の略中心部 に固定されており、一方、先端部は円板部材６の外周部近傍に達している。操作 棒３ａは、開閉蓋３による切欠部７の閉塞時には上述した円弧凹部１７から離間 する側で前記切欠部７の円弧部に近接配置されている。

【００１７】 図１の状態（閉塞状態）から操作棒３ａを指等を用いて時計回り方向に回転さ せることにより、開閉蓋３も一体となって同方向に回転して切欠部７が開口する 。開口状態から操作棒３ａを同様に指等を用いて反時計方向に回転させることに より、開閉蓋３も一体となって同方向に回転し、開閉蓋３によって切欠部７が閉 塞される。この場合、操作棒３ａは蓋本体２の円板部材６の上面に半径方向に直 線状に延びて配置されているので、指等を用いての回転操作を簡単に行うことが できる。なお、開閉蓋３の回転時にはシール部材１８は缶蓋５の内周部に密着し た状態で摺動し、また、切欠部７の開口時には開閉蓋３の円弧凹部１７は切欠部 ７の円弧部と略面一になるようにされている。

【００１８】 次に、かかる蓋部材１の使用方法の一例を図７を参照して説明する。 まず、指等で板部材１２を切欠部７側に移動させてゴム製部材１１の切欠部７ 側の端部１１ｂから爪部１４を切欠部７に突出させ、爪部１４で缶蓋５のプルタ ブ５ａを所定量起こす。次いで、プルタブ５ａに指を引っかけて注ぎ口を開口し 、該注ぎ口から飲料缶４の内容物をカップ等に移して飲むか、或いは該注ぎ口か ら内容物を直接飲む。

【００１９】 飲料缶４の内容物を全部飲まない場合は、蓋部材１の蓋本体２を缶蓋５の外周 部に外嵌する。外嵌時には、蓋本体２の切欠部７は缶蓋５の注ぎ口に対応する部 分に配置され、且つ、該切欠部７は開閉蓋３によって閉塞されている。

【００２０】 この時、缶蓋５の外周部にシール部材８が密着して該外周部と蓋本体２の間の シールがなされると共に、缶胴部１０の上端外周部にシール部材９が密着して該 上端外周部と蓋本体２の間のシールがなされ、さらに、缶蓋５の内周部に開閉蓋 ３のシール部材１８が密着して該内周部と開閉蓋３との間のシールがなされると 共に、開閉蓋３の半円板部材１５の上面が蓋本体２の円板部材６の下面に面接触 して両者の間のシールがなされる。これにより、缶蓋５の注ぎ口周辺に埃が付着 したり該注ぎ口から埃が内部に入ってしまうのを良好に防止することができると 共に、飲料缶を誤って倒した場合でも内容物が漏れるのを良好に防止することが できる。

【００２１】 再度、飲料缶４の内容物を飲む場合には、図１において、操作棒３ａを指等を 用いて時計回り方向に回転させることにより、開閉蓋３を同方向に回転させて切 欠部７を開口させ、注ぎ口を露出させる。

【００２２】

【考案の効果】

上記の説明から明らかなように、請求項１の考案では、缶蓋の注ぎ口周辺に埃 が付着したり該注ぎ口から埃が内部に入ってしまうのを良好に防止することがで きるという効果が得られる。

【００２３】 請求項２の考案では、請求項１の考案に加えて、飲料缶等を誤って倒した場合 でも内容物の漏れを良好に防止することができるという効果が得られる。 請求項３の考案では、請求項２の考案に加えて、開閉蓋の開閉操作を簡単に行 うことができるという効果が得られる。

【００２４】 請求項４の考案では、請求項１〜３のいずれか一項の考案に加えて、缶蓋の注 ぎ口を開口する際に、プルタブに指を引っかけ易くすることができるという効果 が得られる。

【００２５】 請求項５の考案では、請求項４の考案に加えて、爪部を目立たなくすることが でき、蓋部材をデザイン的にすっきりとしたものとすることができるという効果 が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施の形態の一例である蓋部材の平面
図である。

【図２】蓋部材の正面図である。

【図３】蓋部材の背面図である。

【図４】図１のＩＶ矢視図である。

【図５】図１のＶ−Ｖ線断面図である。

【図６】図１のＶＩ−ＶＩ線断面図である。

【図７】蓋部材を飲料缶の缶蓋に装着した状態を説明す
るための説明的断面図である。

【符号の説明】

１…蓋部材 ２…蓋本体 ３…開閉蓋 ３ａ…操作棒（操作部） ４…飲料缶（缶体） ５…缶蓋 ５ａ…プルタブ ７…切欠部 ８，９，１８…シール部材 １４…爪部

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 缶体の缶蓋の外周部に外嵌され該缶蓋の
   注ぎ口に対応する部分に切欠部を有する蓋本体と、前記
   切欠部を開閉自在に閉塞する開閉蓋とを備えたことを特
   徴とする蓋部材。
2. 【請求項２】 前記開閉蓋は前記蓋本体内にその上面が
   該蓋本体の下面に面接触した状態で回転可能に配置され
   て該回転により前記切欠部を開閉し、且つ、前記蓋本体
   の前記缶蓋の外周部を臨む部分に該外周部に密着するシ
   ール部材を設けると共に、前記開閉蓋の前記缶蓋の内周
   部を臨む部分に該内周部に摺動自在に密着するシール部
   材を設け、さらに、前記開閉蓋の回転移動を外部から操
   作する操作部を備えたことを特徴とする請求項１記載の
   蓋部材。
3. 【請求項３】 前記操作部を棒状に形成して前記蓋本体
   上面の半径方向に延在させ、その基端部を該蓋本体の略
   中央部に配置して前記開閉蓋に固定すると共に、先端部
   を該蓋本体の外周部近傍に配置したことを特徴とする請
   求項２記載の蓋部材。
4. 【請求項４】 前記蓋本体に缶蓋のプルタブを起こす爪
   部を設けたことを特徴とする請求項１〜３のいずれか一
   項に記載の蓋部材。
5. 【請求項５】 前記爪部は前記蓋本体の外周部に設けら
   れた案内孔に該蓋本体の外周部に沿って移動可能に且つ
   先端部が該案内孔から前記切欠部に出没可能に挿通され
   ていることを特徴とする請求項４記載の蓋部材。