JP2002086447A - 廃棄プラスチックの脱塩素処理装置 - Google Patents

廃棄プラスチックの脱塩素処理装置

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憲明 橋本
Yukihiro Sumihiro
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  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スクリュが、順フライトスクリュからなる輸
送スクリュからなり、混合・混練する機能を積極的に有
するミキシングピース(混合・混練スクリュ)を備え
ず、脱揮面に対して新しい表面を曝す表面更新機能や、
溶融廃棄プラスチックを薄膜状にして脱揮を促進する機
能が良好に得られない。このため、溶融廃棄プラスチッ
ク中の塩素化合物を十分に除去することができない。 【解決手段】 減容化・可塑化・昇温装置1と、脱塩素
装置2,20とを有する廃棄プラスチックの脱塩素処理
装置において、脱塩素装置2,20のスクリュ9,90
が、順フライトスクリュからなる輸送スクリュ9a,9
b、90a,90b,90cと、混合・混練スクリュ9
d,90d,90eとを、中心軸線方向に有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄プラスチック
の脱塩素処理装置、詳しくは廃棄プラスチックの燃焼時
に腐食性ガスや有毒性ガスの発生原因となる塩素を除去
するための脱塩素処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその課題】現在、わが国では年間15
00万トン以上のプラスチックが生産され、そのうちの
約950万トンが毎年廃棄プラスチックとして排出され
ている。これらの廃棄プラスチックは、従来、埋め立て
又は焼却することにより処理していたが、最終処分場の
確保困難、環境保護及び資源の有効利用の観点から、近
年はケミカルリサイクルとしてのモノマー化、低分子量
・低沸点の油への還元、つまり油化、サーマルリサイク
ルとしての燃焼による熱又は電気などのエネルギー回
収、高炉への原料としての利用、セメントキルンへの原
燃料としての利用などが注目されるようになつている。
【0003】しかし、廃棄プラスチック中にポリ塩化ビ
ニル(PVC)やポリ塩化ビニリデン(PVDC)など
の塩素系ポリマーが含まれていると、燃焼の際に塩化水
素などの腐食性のガスが発生するため、燃焼炉の腐食や
熱・電気エネルギーの回収率低下などの問題が発生し、
更に、ダイオキシンなどが発生するという問題があつ
た。
【0004】これらの問題の原因となる塩素を廃棄プラ
スチックから除去し、有用な固形燃料を製造するための
装置が提案されている。例えば、特許第2648412
号公報に記載されるものは、次のa)〜f)の構成から
なることを特徴とする混合プラスチック廃棄物の処理装
置である。
【0005】a)混合プラスチック廃棄物を粉砕してな
る試料を段階的に最高到達温度まで加熱するための、温
度が相互に異なる複数の領域を有する、昇温熱分解を行
なう外部加熱を有する熱分解反応装置 b)前記熱分解反応装置内に設置された反応筒に試料を
供給するためのホッパ c)前記熱分解反応装置の反応筒内において試料を移動
せしめる異方向回転式二軸スクリュ d)前記熱分解反応装置の反応筒出口側に加熱溶融した
生成物を均一に混合する空間部分の反応室と流出圧力を
調整する調整バルブ e)前記熱分解反応装置の反応筒出口の調整バルブから
流出するガス生成物と融解固体物とを分離するための分
離機 f)ガス生成物から塩化水素(HCL)を回収するため
の回収器よりなる。
【0006】また、特開平9−310077号に記載さ
れるものも知られている。これは、塩化ビニールを含む
プラスチック廃棄物に対し、250℃〜300℃の加熱
による一定時間の脱塩化水素化処理を行なう第一段階処
理と、300℃〜370℃の加熱による一定時間の脱可
塑剤処理を、連続又はバッチ処理として行なう第二段階
処理とを施すことを特徴とする塩化ビニールを含むプラ
スチック廃棄物の処理方法であり、第一段階処理と第二
段階処理を二軸噛み合い型スクリュによる装置で行なう
ものである。
【0007】更に、特開平11−50072号に記載さ
れるものも知られている。これは、水蒸気を放出させる
と共に軟化した廃棄プラスチックを排出させる押出機か
らなる減容化装置と、塩化水素を放出させると共に溶融
した廃棄プラスチックを排出させる押出機からなる脱塩
素装置とを2段に備える。
【0008】しかしながら、このような従来の廃棄プラ
スチックの脱塩素処理装置にあつては、次のような技術
的課題を有している。すなわち、スクリュが、順フライ
トスクリュからなる輸送スクリュからなり、廃棄プラス
チックを搬送する機能は有しているが、混合・混練する
機能を積極的に有するミキシングピース(混合・混練ス
クリュ)を示唆せず、脱揮面に対して新しい表面を曝す
表面更新機能や、溶融廃棄プラスチックを薄膜状にして
脱揮を促進する機能が良好に得られない。このため、溶
融廃棄プラスチック中の塩素化合物を十分に除去するこ
とができないという技術的課題を有している。プラスチ
ックは、熱伝導率の小さい高粘性流体であり、スクリュ
が廃棄プラスチックを混合・混練する機能を積極的に有
しない場合は、廃棄プラスチックにせん断作用を与えて
せん断発熱を効果的に与えることができず、エネルギー
効率が悪く、かつ、廃棄プラスチックに対して均一な脱
塩素を行い得ない。
【0009】特に、減容化装置と脱塩素装置とを2段に
備えるものにおいて、塩化水素を放出させる機能を担う
脱塩素装置のスクリュが廃棄プラスチックを混合・混練
する機能を積極的に有しない場合、上記の問題に加え
て、脱塩素装置が減容化装置に比して長尺化し、収容容
積を多大に要することになる。しかし、順フライトスク
リュからなる輸送スクリュが、供給口に対応するスクリ
ュの基端部と排出口に対応するスクリュの先端部とに形
成されていない場合には、廃棄プラスチックの送り込み
及び排出が円滑になされず、安定的な運転が行なえな
い。
【0010】減容化装置と脱塩素装置とを2段に備え
ず、スクリュによつて原料となる廃棄プラスチックを投
入から溶融までの間で、水蒸気の放出と塩素化合物の放
出とが区別されない場合には、ベントを多数設けたとし
ても、水蒸気と塩素分とが混在して放出されるため、後
処理が多量になるのみならず困難でもある。また、廃棄
プラスチックの熱分解により発生する塩素化合物を系外
に排出するベントが、脱塩素装置のスクリュの先端部に
設けられ、スクリュの中間部上方、特に、混合・混練ス
クリュの上方に位置させて設けられていない場合には、
スクリュの表面更新機能によつて溶融廃棄プラスチック
の表面に出てきた塩素化合物を即時に脱揮除去すること
ができず、廃棄プラスチック中に混在する無機フィラー
の金属などと反応して高沸点化合物を生成してまうた
め、塩素化合物が除去不可能となり、廃棄プラスチック
中に残留するという技術的課題がある。
【0011】脱塩素装置内の最高到達温度が330℃以
下の場合には、廃棄プラスチック中の塩素系ポリマーを
十分に熱分解させることができず、一方、390℃以上
の場合には、廃棄プラスチックの揮発減量が大きくなる
ため好ましくなく、加えて余分なエネルギーも必要にな
る。
【0012】更に、脱塩素装置内での廃棄プラスチック
の滞留時間が3分以下の場合には、廃棄プラスチック中
の塩素系ポリマーを十分に熱分解させることができず、
30分以上の場合には、熱分解によつて発生する塩素化
合物の発生量が飽和するため、余分なエネルギーを必要
とし、同時に廃棄プラスチックの揮発減量も大きくな
る。
【0013】また、減容化装置に逆ネジスクリュを備え
ない場合には、廃棄プラスチックの戻し機能が得られな
いため、減容化装置内での廃棄プラスチックに十分な圧
力を与えることができず、廃棄プラスチックを速やかに
可塑化・溶融することができない。従つて、処理装置が
巨大化し、更にエネルギー効率が著しく低下する。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような従
来の技術的課題に鑑みてなされたもので、その構成は、
次の通りである。請求項1の発明は、供給口1aから供
給させる塩素系ポリマ−を含む廃棄プラスチックを、ス
クリュ4によつて混練し、昇温させて減容化かつ可塑化
させ、水蒸気をベント1bから外部に放出させると共
に、可塑化した廃棄プラスチックを排出口1eから排出
させる減容化・可塑化・昇温装置1と、減容化・可塑化
・昇温装置1から排出される廃棄プラスチックを供給口
2aから供給させ、廃棄プラスチックをスクリュ9,9
0によつて混練させ、更に昇温させ、熱分解されて生じ
た塩素化合物をベント2b、20b1,20b2から排
出させると共に、溶融廃棄プラスチックを排出口2eか
ら排出させる脱塩素装置2,20とを有する廃棄プラス
チックの脱塩素処理装置において、脱塩素装置2,20
のスクリュ9,90が、順フライトスクリュからなる輸
送スクリュ9a,9b、90a,90b,90cと、混
合・混練スクリュ9d,90d,90eとを、中心軸線
方向に有することを特徴とする廃棄プラスチックの脱塩
素処理装置である。請求項2の発明は、輸送スクリュ9
a,9b,90a,90bが、脱塩素装置2,20の供
給口2aに対応するスクリュ9,90の基端部と排出口
2eに対応するスクリュ9,90の先端部とに形成さ
れ、基端部の輸送スクリュ9a,90aと先端部の輸送
スクリュ9b,90bとの間に、混合・混練スクリュ9
d、90d,90eが形成されていることを特徴とする
請求項1の廃棄プラスチックの脱塩素処理装置である。
請求項3の発明は、脱塩素装置2,20の混合・混練ス
クリュ9d、90d,90eが、スクリュ9,90の全
長L3,L6の50%以上に形成されていることを特徴
とする請求項1又は2の廃棄プラスチックの脱塩素処理
装置である。請求項4の発明は、脱塩素装置2,20の
ベント2b、20b1,20b2が、スクリュ9,90
の上方に設けられていることを特徴とする請求項1,2
又は3の廃棄プラスチックの脱塩素処理装置である。請
求項5の発明は、脱塩素装置2,20のベント2b、2
0b1,20b2の中心軸線方向の長さL5、L9+L
10が、スクリュ9,90の全長L3,L6の40%以
上であることを特徴とする請求項1,2,3又は4の廃
棄プラスチックの脱塩素処理装置である。請求項6の発
明は、脱塩素装置2,20のベント2b、20b1,2
0b2の高さHが、スクリュ9,90の直径Dの100
%以上であることを特徴とする請求項1,2,3,4又
は5の廃棄プラスチックの脱塩素処理装置である。請求
項7の発明は、脱塩素装置2,20における廃棄プラス
チックの最高到達温度が、330〜390℃の範囲であ
ることを特徴とする請求項1,2,3,4,5又は6の
廃棄プラスチックの脱塩素処理装置である。請求項8の
発明は、脱塩素装置2,20における廃棄プラスチック
の滞留時間が、3〜30分の範囲であることを特徴とす
る請求項1,2,3,4,5,6又は7の廃棄プラスチ
ックの脱塩素処理装置である。請求項9の発明は、脱塩
素装置2,20のスクリュ9,90内の廃棄プラスチッ
クの充満率が、100%以下であることを特徴とする請
求項1,2,3,4,5,6,7又は8の廃棄プラスチ
ックの脱塩素処理装置である。請求項10の発明は、供
給口1aから供給させる塩素系ポリマ−を含む廃棄プラ
スチックを、スクリュ4によつて混練し、昇温させて減
容化すると同時に可塑化させ、水蒸気をベント1bから
外部に放出させると共に、可塑化した廃棄プラスチック
を排出口1eから排出させる減容化・可塑化・昇温装置
1と、減容化・可塑化・昇温装置1から排出される廃棄
プラスチックを供給口2aから供給させ、廃棄プラスチ
ックをスクリュ9,90によつて混練させ、更に昇温さ
せ、熱分解されて生じた塩素化合物をベント2b、20
b1,20b2から排出させると共に、溶融廃棄プラス
チックを排出口2eから排出させる脱塩素装置2,20
とを有する廃棄プラスチックの脱塩素処理装置におい
て、減容化・可塑化・昇温装置1のスクリュ4が、順フ
ライトスクリュからなる輸送スクリュ4a,4bと、混
合・混練スクリュ4dと、逆フライトスクリュからなる
逆ネジスクリュ4cとを中心軸線方向に有することを特
徴とする廃棄プラスチックの脱塩素処理装置である。請
求項11の発明は、減容化・可塑化・昇温装置1におけ
る廃棄プラスチックの最高到達温度が、150〜230
℃の範囲であることを特徴とする請求項10の廃棄プラ
スチックの脱塩素処理装置である。請求項12の発明
は、減容化・可塑化・昇温装置1における廃棄プラスチ
ックの滞留時間が、1〜5分の範囲であることを特徴と
する請求項10又は11の廃棄プラスチックの脱塩素処
理装置である。請求項13の発明は、塩素系ポリマ−を
含む廃棄プラスチックを、シリンダ1cに内挿したスク
リュ4を回転させることにより、加熱装置1dを付属す
るシリンダ1c内で加熱・混練させて可塑化・移送さ
せ、廃棄プラスチックから熱分解によつて生じた塩素化
合物を分離・排出させると共に、シリンダ1cの先端部
の排出口1eから脱塩素残渣を排出させる廃棄プラスチ
ックの脱塩素処理装置において、スクリュ4が、順フラ
イトスクリュからなる輸送スクリュ4a,4bと、混合
・混練スクリュ4dと、逆フライトスクリュからなる逆
ネジスクリュ4cとを有し、逆ネジスクリュ4cが、混
合・混練スクリュ4dよりも下流に配置されていること
を特徴とする廃棄プラスチックの脱塩素処理装置であ
る。請求項14の発明は、脱塩素装置2,20のベント
2b、20b1,20b2が、混合・混練スクリュ9
d、90d,90eの上方に設けられ、ベント2b、2
0b1,20b2の中心軸線方向の長さL5、L9+L
10が、混合・混練スクリュ9d、90d,90eの中
心軸線方向の長さL4,L7+L8の60%以上を占め
ていることを特徴とする請求項4,5,6,7,8又は
9の廃棄プラスチックの脱塩素処理装置である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1〜図6は、本発明に係
る廃棄プラスチックの脱塩素処理装置の1実施の形態を
示し、廃棄プラスチックの脱塩素処理装置は、図5に示
すように減容化・可塑化・昇温装置1と脱塩素装置2と
を2段に備えている。この廃棄プラスチックの脱塩素処
理装置の概要について説明する。塩素系ポリマ−を含む
廃棄プラスチックPは、所定の大きさに破砕された状態
で計量機3に供給され、計量機3において計量されなが
ら、減容化・可塑化・昇温装置1のシリンダ1c内にポ
ッパ等の供給口1aから投入される。減容化・可塑化・
昇温装置1のシリンダ1c内には、図1,図2に示す2
軸のスクリュ4が回転自在に内挿され、このスクリュ4
が回転駆動源5によつて回転されるので、廃棄プラスチ
ックPが加熱装置であるヒータ1dによる加熱を受けな
がら昇温・軟化し、可塑化されながら排出口1eに向け
て搬送される。
【0016】減容化・可塑化・昇温装置1のシリンダ1
c内を移動する廃棄プラスチックPは、水蒸気などが蒸
発し、ベント1bから外部に排気される一方、シリンダ
1c前端の排出口1eから減容化されて排出される。減
容化・可塑化・昇温装置1における廃棄プラスチックの
最高到達温度は、150〜230℃の範囲であり、廃棄
プラスチックの滞留時間は、1〜5分の範囲である。減
容化・可塑化・昇温装置1に、1〜5分の滞留時間及び
150〜230℃の最高到達温度を与えることにより、
水蒸気などの塩素以外の揮発分の除去が効果的になさ
れ、後工程となる脱塩素装置2での塩素化合物の放出が
効果的になされることになる。
【0017】減容化・可塑化・昇温装置1の排出口1e
から排出される廃棄プラスチックPは、ポリマー配管8
を経て、脱塩素装置2のシリンダ2c内に供給口2aか
ら入る。脱塩素装置2のシリンダ2c内には、図3,図
4に示す2軸のスクリュ9が回転自在に内挿され、この
スクリュ9が回転駆動源10によつて回転されるので、
供給口2aから可塑化(軟化又は溶融)状態で流入した
廃棄プラスチックPが加熱装置であるヒータ2dによる
加熱を受けながら更に昇温し、溶融状態となつて搬送さ
れる。
【0018】脱塩素装置2での廃棄プラスチックの最高
到達温度は、330〜390℃になつている。330℃
未満では、廃棄プラスチック中の塩素系ポリマ−が十分
に熱分解せず、また、熱分解に多大な時間を要し、脱塩
素装置2が巨大になるため、好ましくない。390℃を
超えるときは、廃棄プラスチックの揮発減量が大きくな
り、歩留りが悪くなるのみならず、脱塩素性能に比し余
分なエネルギーを消費するため経済的に好ましくない。
塩素化合物の揮発量よりも他の成分の揮発量の方が多く
なり、かえつて残留塩素濃度が高くなつてしまう。
【0019】脱塩素装置2における廃棄プラスチックの
滞留時間は、3〜30分の範囲である。滞留時間が3分
未満では、廃棄プラスチック中の塩素系ポリマ−が十分
に熱分解せず、滞留時間が30分を超えると、廃棄プラ
スチックの揮発減量が大きくなり、歩留りが悪くなるの
みならず、余分なエネルギーを消費することになるため
経済的に好ましくない。
【0020】脱塩素装置2を用いて脱塩素するときの廃
棄プラスチックのスクリュ9内の充満率は、100%以
下にする。スクリュ9内の充満率、特に後記する混合・
混練スクリュ9dの充満率が100%を超えると、廃棄
プラスチックがベント2b内に滞留し下流に向けて輸送
できなくなり、また、後記する減圧ポンプ15に吸引さ
れて配管12内に詰まり、塩素化合物を脱揮できなくな
るためである。スクリュ9内の充満率は、供給口2aか
らの廃棄プラスチックの供給量及びスクリュ回転数の調
整により、増減設定することができる。供給口2aから
の廃棄プラスチックの供給量の調整は、減容化・可塑化
・昇温装置1の排出口1eからの廃棄プラスチックの排
出量に依存するので、計量機3による計量で増減調節す
ることができる。
【0021】溶融廃棄プラスチックPが熱分解して発生
した塩素化合物(塩化水素)、炭化水素等は、ベント2
bから外部に排気され、溶融廃棄プラスチックPの脱塩
素残渣は、シリンダ2c前端の排出口2eから排出され
る。ベント2bから排気される塩化水素ガス等は、配管
12を通つて塩化水素処理装置13に流入し、例えば水
に溶かして塩酸とした後に、水酸化ナトリウム等のアル
カリと反応させて中和・無害化させる。配管12に減圧
ポンプ15を介在させ、減圧ポンプ15の吸引(負圧)
により、塩化水素処理装置13に導くようになつてい
る。
【0022】このような減容化・可塑化・昇温装置1の
2本のスクリュ4は、図1,図2に示すように、それぞ
れ順フライトスクリュからなる輸送スクリュ4a,4b
と、順フライトスクリュとは逆ねじの関係にある逆ネジ
スクリュ4cと、混合・混練スクリュ4dとを有してい
る。なお、図1,図2において、輸送スクリュ4a,4
b及び逆ネジスクリュ4cを斜線で示してあるが、斜線
の傾斜方向は、輸送スクリュ4a,4bと逆ネジスクリ
ュ4cとを区別するためのものであり、実際のねじの方
向と必ずしも合致していない。ねじの方向は、同方向回
転であるか異方向回転であるかなどによつて定まる。こ
れは、図3,図4及び図10,図11に示す後記するス
クリュ9,90においても同様である。
【0023】混合・混練スクリュ4dは、スクリュ4を
セグメントタイプとし、順ニーディングディスク、直交
ニーディングディスク、逆ニーディングディスク、ギヤ
ーリング、ピンスクリュなどのミキシングピースを組み
込むことで構成できる。これらは、順ニーディングディ
スクを除けば、自身では樹脂を下流側に送る作用はな
く、上流の推進力を有するフルフライトスクリュ(輸送
スクリュ4a)の送り作用により、混合・混練スクリュ
4dを良好に満たしながら、溶融廃棄プラスチックPを
下流に流動させてゆく。混合・混練スクリュ4dは、廃
棄プラスチックにせん断作用を与えてせん断発熱を効果
的に与えるため、減容化・可塑化・昇温装置1に用いた
場合のエネルギー効率が良い。なお、混合・混練スクリ
ュを脱塩素装置に用いた場合でも、廃棄プラスチックに
対して均一な脱塩素を行なうことが可能になる。
【0024】逆ネジスクリュ4cは、逆フライトを形成
したセグメントタイプのスクリュであり、溶融廃棄プラ
スチックを押し戻す作用を有するので、溶融廃棄プラス
チックPを混合・混練スクリュ4d内に押し戻して効果
的に可塑化・昇温させることができる。逆ネジスクリュ
4cの配置位置は、混合・混練スクリュ4dよりも下流
であり、順フルフライトスクリュを介在させることな
く、混合・混練スクリュ4dの直後位置が最も望まし
い。セグメントタイプの輸送スクリュ4a,4b、逆ネ
ジスクリュ4c及び混合・混練スクリュ4dの中心軸線
方向長さを変更して、塩素系ポリマーの濃度、廃棄プラ
スチックの性状等に応じて、適正な廃棄プラスチックの
最高到達温度及び滞留時間を設定することができる。特
に、混合・混練スクリュ4dの中心軸線方向の長さL2
が、スクリュ4の全長L1(シリンダ1c内の長さ)で
の占める割合、輸送スクリュ4a,4bの送り作用(ピ
ッチ及び回転数)を増減調節することにより、最高到達
温度及び滞留時間を自由に設定することができる。
【0025】脱塩素装置2の2本のスクリュ9は、図
3,図4に示すように、それぞれ順フライトスクリュか
らなる輸送スクリュ9a,9bと、混合・混練スクリュ
9dとを有しているが、順フライトスクリュとは逆ねじ
の関係にある逆ネジスクリュを組み込むことも可能であ
る。順フライトスクリュからなる輸送スクリュ9aは、
脱塩素装置2の供給口2aに対応させてスクリュ9の基
端部に形成され、その搬送力により、供給口2aから投
入される溶融廃棄プラスチックPをシリンダ2c内に円
滑に送り込む。順フライトスクリュからなる輸送スクリ
ュ9bは、脱塩素装置2の排出口2eに対応させてスク
リュ9の先端部に形成され、その搬送力により、溶融廃
棄プラスチックPをシリンダ2cから円滑に排出させる
機能を有する。
【0026】塩素系ポリマーの含有量が50重量%以
上、特に85重量%以上の高濃度塩素系ポリマーの廃棄
プラスチックPを処理する場合には、脱塩素後の樹脂分
が少なく流動性が著しく低下した脱塩素残渣(炭化物)
が、シリンダ2c先端部の排出口2e(ダイスのノズ
ル)を通過できずに滞留・閉塞し、詰まりを生じて運転
不可能になる傾向を呈する。このため、シリンダ2cの
先端部に位置するスクリュ9部分を、送り機能を備える
フルフライトスクリュからなる輸送スクリュ9bによつ
て構成することは、脱塩素残渣の詰まりを抑制させる上
からも有効である。このシリンダ2c先端部の輸送スク
リュ9bは、300℃以上(330〜390℃)の高温
になつた溶融廃棄プラスチックを速やかに250℃以下
の造粒可能な高い粘度にまで上げることにも役立つ。
【0027】混合・混練スクリュ9dの中心軸線方向の
長さL4は、発明者による研究結果から、目的、処理材
料、脱塩素度合い等にも依るが、スクリュ9の全長L3
(シリンダ2c内の長さ)の50%以上に渡ることが必
要なことが分かつた。ミキシングピースの多用により、
高い混合・せん断・混練作用を与え、直径Dに比して短
い(L3/D)スクリュ9によつて効率良くせん断発熱
を起こさせて昇温・熱分解させ、塩素化合物を発生させ
ると共に、熱伝導率の小さい高粘性流体である溶融廃棄
プラスチックを均一に脱塩素できる。2本のスクリュ9
が、溶融廃棄プラスチックを混合・混練する機能を積極
的に有していれば、溶融廃棄プラスチックにせん断作用
を加えてせん断発熱を起こさせることができるため、溶
融廃棄プラスチックを効率良く昇温・熱分解できる。
【0028】また、ミキシングピースによる高いスクリ
ュ内拡散作用と表面更新作用により、発生した塩素化合
物を速やかに系外に排出させることもできる。従つて、
混合・混練スクリュ9dの中心軸線方向の長さL4は、
減容化・可塑化・昇温装置1の混合・混練スクリュ4d
の中心軸線方向の長さL2よりも長く設定する。脱塩素
装置2のセグメントタイプの輸送スクリュ9a,9b及
び混合・混練スクリュ9dの中心軸線方向長さを変更し
て、塩素系ポリマーの濃度、廃棄プラスチックの性状等
に応じて、適正な廃棄プラスチックの最高到達温度、滞
留時間を自由に設定することができる。
【0029】また、ポリ塩化ビニルやポリ塩化ビニリデ
ンなどの塩素系ポリマーの熱分解により発生した塩素化
合物が廃棄プラスチック中の反応物質(無機フィラー、
金属、金属化合物等)と反応して、高沸点塩化物(沸点
400℃以上)を形成し難くするために、発生ガス(塩
化水素や炭化水素)の速やかな脱揮除去を可能にするこ
とが有効であり、このためにベント2bは、スクリュ9
の中心軸線方向の中間部に形成すると共に、その中心軸
線方向長さL5を、スクリュ9の全長L3の50%以上
とする。ベント2bが形成されないシリンダ2cによる
密閉部において反応が急速に進行し、高沸点塩化物を形
成するためである。
【0030】ここで、高沸点塩化物としては、炭酸カル
シウムと塩化水素とが反応して生成する塩化カルシウム
(沸点:1600℃)、塩化マグネシウム(沸点:14
12℃)、塩化カリウム(沸点:1500℃)、塩化ナ
トリウム(沸点:1413℃)、三塩化チタン(沸点:
440℃)等がある。
【0031】従つて、脱塩素装置2のベント2bは、ス
クリュ9の中心軸線方向の中間部上方、具体的には混合
・混練部(混合・混練スクリュ9d)の上方に合致させ
て設けられ、ベント2bの長さL5が、スクリュ9の全
長L3の40%以上であり、混合・混練スクリュ9dの
上方位置に混合・混練スクリュ9dの中心軸線方向の長
さL4の60%以上、好ましくは70%以上を占めるよ
うに設けられる。これにより、溶融廃棄プラスチックか
ら熱分解により発生した塩素化合物を即時に脱揮除去す
ることが良好になされる。即時に脱揮除去しない場合
は、上記の高沸点の塩化物が生成され、脱塩素装置2中
で気化させてベントから脱揮除去することが極めて困難
になる。
【0032】また、脱塩素装置2のベント2bの高さH
は、発生したガス成分と、減圧ポンプ15による吸引に
起因してベント2bの上方に飛散した固形分とを重力に
よつて分離させるために、スクリュの直径Dの100%
以上に大きくする。特に、減圧ポンプ15の吸引による
負圧空間をスクリュ9の上側を開放させて大きく確保す
れば、発生ガス(塩化水素や炭化水素)の速やかな脱揮
除去が効果的になされる。従つて、ベント2bの高さH
は、スクリュ9の上面と配管12の端部が形成する放出
口12aとの間の距離である。
【0033】このような2本のスクリュ9は、相互に噛
み合い、かつ、回転方向は異方向又は同方向であること
が望まれる。これは、図6に示すように回転方向が同方
向(矢印A方向)の場合であつも、溶融廃棄プラスチッ
クが2本のスクリュ9の周囲に沿つた流路中を流動する
ので、混合・混練スクリュ9dによる表面更新作用が良
好であり、効率良く脱揮が行なえ、かつ、溶融廃棄プラ
スチックを薄膜状にして脱揮を促進できるためである。
また、2本のスクリュ9を噛み合わせることで、一方の
スクリュ9の表面の廃棄プラスチックを、他方のスクリ
ュ9のフライトがかきとる、いわゆるセルフクリーニン
グ機能を有するため、コーキングを防止でき、装置を安
定的に運転することができる。
【0034】相互に噛み合つた2本のスクリュ9の回転
方向を図7,図8に示すように異方向(矢印A方向及び
B方向)とすれば、溶融廃棄プラスチックが一方のスク
リュ9から他方のスクリュ9に移るときに、溶融廃棄プ
ラスチックの表面が反転するため、表面更新作用が更に
よく、効率良く脱揮が行なえ、かつ、溶融廃棄プラスチ
ックを薄膜状にして脱揮を促進する上で、更に好まし
い。これは、図7に示す外回りの場合のみならず図8に
示す内回りの場合も同様にいえる。
【0035】しかし、相互に噛み合つた2本のスクリュ
9の回転方向を異方向とする場合には、図7に示すよう
に外回りであることが望ましい。内回り回転では、図8
から分かるように上位置の溶融廃棄プラスチックがベン
ト2b側の脱揮面とは反対方向に押し込められるように
流動し、塩素化合物が脱揮され難くなるのに対し、外回
り回転では、溶融廃棄プラスチックがベント2b側の脱
揮面において薄膜状に引き伸ばされるように流動するの
で、効率良く脱揮できるためである。図9(イ)〜
(ニ)には、噛み合つた2本のスクリュ9の回転方向を
外回り異方向とした場合の作用を示し、図9(イ)に示
す右側の混合・混練スクリュ9dに付着する溶融廃棄プ
ラスチックの1部分(c,d)が、図9(ロ)に示す左
側の混合・混練スクリュ9dに表面が反転して移り、図
9(ロ)に示す左側の混合・混練スクリュ9dに付着す
る溶融廃棄プラスチックの1部分(a,b)が、図9
(ハ)に示す右側の混合・混練スクリュ9dに表面が反
転して移ることが知られる。
【0036】図10,図11には、脱塩素装置20の他
の構造例を示し、上記実施の形態の脱塩素装置2と同一
機能部分には同一符号を付してある。この脱塩素装置2
0のシリンダ20c内には、2軸のスクリュ90が回転
自在に内挿され、このスクリュ90が回転駆動源10に
よつて回転されるので、供給口2aから可塑化状態でシ
リンダ20c内に流入した廃棄プラスチックPが加熱装
置であるヒータ2dによる加熱を受けながら更に昇温
し、溶融状態となつて排出口2eに向けて搬送される。
【0037】脱塩素装置20での廃棄プラスチックの最
高到達温度は、上記実施の形態と同様の理由から、33
0〜390℃になつている。脱塩素装置20における廃
棄プラスチックの滞留時間は、上記実施の形態と同様の
理由から、3〜30分の範囲である。脱塩素装置20を
用いて脱塩素するときの廃棄プラスチックのスクリュ9
0内、特に混合・混練スクリュ90d,90e内の充満
率は、上記実施の形態と同様の理由から、100%以下
である。
【0038】脱塩素装置2の2本のスクリュ90は、図
10,図11に示すように、それぞれ順フライトスクリ
ュからなる輸送スクリュ90a,90b,90cと、ミ
キシングピースからなる混合・混練スクリュ90d,9
0eとを有しているが、順フライトスクリュとは逆ねじ
の関係にある逆ネジスクリュを組み込むことも可能であ
る。
【0039】順フライトスクリュからなる輸送スクリュ
90aは、上記実施の形態と同様に、脱塩素装置20の
供給口2aに対応させてスクリュ90の基端部に形成さ
れ、供給口2aから投入される可塑化状態の廃棄プラス
チックPをシリンダ20c内に円滑に送り込む。順フラ
イトスクリュからなる輸送スクリュ90bは、上記実施
の形態と同様に、脱塩素装置20の排出口2eに対応さ
せてスクリュ90の先端部に形成され、溶融状態の廃棄
プラスチックPを排出口2eから送り出す機能を有す
る。また、順フライトスクリュからなる輸送スクリュ9
0cは、スクリュ90の中間部に形成され、2箇所のベ
ント20b1,20b2の間に位置し、シリンダ20c
に囲まれた密閉部を形成している。スクリュ90の中間
部位置の輸送スクリュ90cは、送り作用に劣る混合・
混練スクリュ90d,90eを長く形成したときの廃棄
プラスチックPの送りを助ける。
【0040】混合・混練スクリュ90d,90eの中心
軸線方向の長さの合計L7+L8は、上記実施の形態と
同様の理由から、スクリュ90の全長L6(シリンダ2
0c内の長さ)の50%以上に渡つて形成されている。
【0041】また、脱塩素装置20のベント20b1,
20b2は、上記実施の形態と同様の理由から、スクリ
ュ90の中心軸線方向の中間部上方に設けられ、ベント
20b1,20b2の中心軸線方向長さの合計L9+L
10は、発生ガス(塩化水素や炭化水素)の速やかな脱
揮除去を可能にするために、スクリュ90の全長L6の
40%以上としてある。各ベント20b1,20b2
は、それぞれ混合・混練スクリュ90d,90eの上方
位置として設けられ、その長さL9+L10が、混合・
混練スクリュ90d,90eの中心軸線方向の長さL7
+L8の60%以上、好ましくは70%以上を占めてい
る。脱塩素装置20のベント20b1,20b2の高さ
Hは、上記実施の形態と同様の理由から、いずれもスク
リュの直径Dの100%以上である。このベント20b
1,20b2の高さHは、スクリュ90の上面と配管1
2の端部が形成する放出口12aとの間の距離である。
【0042】スクリュ90の中間部位置の輸送スクリュ
90cは、2条ねじを1ピッチづつ以下として短く形成
し、シリンダ20cに囲まれてベント20bが形成され
ない密閉部において、塩化水素と廃棄プラスチック中の
反応物質と反応して、高沸点塩化物を形成することを抑
制してある。スクリュ90の中間部位置の輸送スクリュ
90cは、1箇所が望ましいが、短いものを複数箇所に
形成することも可能である。
【0043】
【実施例】〔実施例1〕収集した都市系一般系廃棄プラ
スチックを、前処理として、缶、瓶等の金属、ガラスな
どのプラスチック以外の物質を手選別により除去した
後、ホーライ社製破砕機(型式:V03−480L
(F)S)により、20mm以下に破砕し、東洋精機社
製洗浄・脱水機(型式:CFP−500)により洗浄・
脱水を行なつた。前処理をした廃棄プラスチックを直径
44mmの2軸スクリュ4を備える押出機(減容化・可
塑化・昇温装置1)で可塑化し、220℃に昇温した
後、噛み合い型異方向回転外回りの2本のスクリュ90
を備えた脱塩素装置20に投入した。脱塩素装置20の
スクリュ90の径(D)は174mm、スクリュ90の
長さ(L6)はスクリュ90の径(D)の10倍であ
り、その内の80%が混合・混練機能を有するスクリュ
形状(混合・混練スクリュ90d,90e)であり、供
給口2aと排出口2eとの間に(L9+L10)/D=
4のベント20b1,20b2を2箇所設けてある。脱
塩素装置20内での廃棄プラスチックの最高到達温度は
330℃であり、脱塩素装置20内での廃棄プラスチッ
クの滞留時間は3分である。脱塩素後の廃棄プラスチッ
ク中の残留塩素濃度を表1に示す。
【0044】〔実施例2〕実施例1と同様の前処理及び
減容化・可塑化・昇温を行なつた廃棄プラスチックを実
施例1とほぼ同様の脱塩素装置20を用いて脱塩素を行
なつた。脱塩素装置20内での廃棄プラスチックの最高
到達温度は350℃であり、脱塩素装置2内での廃棄プ
ラスチックの滞留時間は3分である。脱塩素後の廃棄プ
ラスチック中の残留塩素濃度を表1に示す。
【0045】〔実施例3〕実施例1と同様の前処理及び
減容化・可塑化・昇温を行なつた廃棄プラスチックを実
施例1とほぼ同様の脱塩素装置20を用いて脱塩素を行
なつた。脱塩素装置20内での廃棄プラスチックの最高
到達温度は370℃であり、脱塩素装置20内での廃棄
プラスチックの滞留時間は3分である。脱塩素後の廃棄
プラスチック中の残留塩素濃度を表1に示す。
【0046】〔実施例4〕実施例1と同様の前処理及び
減容化・可塑化・昇温を行なつた廃棄プラスチックを実
施例1とほぼ同様の脱塩素装置20を用いて脱塩素を行
なつた。脱塩素装置20内での廃棄プラスチックの最高
到達温度は330℃であり、脱塩素装置20内での廃棄
プラスチックの滞留時間は15分である。脱塩素後の廃
棄プラスチック中の残留塩素濃度を表1に示す。
【0047】〔実施例5〕実施例1と同様の前処理及び
減容化・可塑化・昇温を行なつた廃棄プラスチックを実
施例1とほぼ同様の脱塩素装置20を用いて脱塩素を行
なつた。脱塩素装置20内での廃棄プラスチックの最高
到達温度は350℃であり、脱塩素装置20内での廃棄
プラスチックの滞留時間は15分である。脱塩素後の廃
棄プラスチック中の残留塩素濃度を表1に示す。
【0048】〔実施例6〕実施例1と同様の前処理及び
減容化・可塑化・昇温を行なつた廃棄プラスチックを実
施例1とほぼ同様の脱塩素装置20を用いて脱塩素を行
なつた。脱塩素装置20内での廃棄プラスチックの最高
到達温度は370℃であり、脱塩素装置20内での廃棄
プラスチックの滞留時間は15分である。脱塩素後の廃
棄プラスチック中の残留塩素濃度を表1に示す。
【0049】〔実施例7〕実施例1と同様の前処理及び
減容化・可塑化・昇温を行なつた廃棄プラスチックを実
施例1とほぼ同様の脱塩素装置20を用いて脱塩素を行
なつた。脱塩素装置20内での廃棄プラスチックの最高
到達温度は330℃であり、脱塩素装置20内での廃棄
プラスチックの滞留時間は30分である。脱塩素後の廃
棄プラスチック中の残留塩素濃度を表1に示す。
【0050】〔実施例8〕実施例1と同様の前処理及び
減容化・可塑化・昇温を行なつた廃棄プラスチックを実
施例1とほぼ同様の脱塩素装置20を用いて脱塩素を行
なつた。脱塩素装置20内での廃棄プラスチックの最高
到達温度は350℃であり、脱塩素装置20内での廃棄
プラスチックの滞留時間は30分である。脱塩素後の廃
棄プラスチック中の残留塩素濃度を表1に示す。
【0051】〔実施例9〕実施例1と同様の前処理及び
減容化・可塑化・昇温を行なつた廃棄プラスチックを実
施例1とほぼ同様の脱塩素装置20を用いて脱塩素を行
なつた。脱塩素装置20内での廃棄プラスチックの最高
到達温度は370℃であり、脱塩素装置20内での廃棄
プラスチックの滞留時間は30分である。脱塩素後の廃
棄プラスチック中の残留塩素濃度を表1に示す。
【0052】〔実施例10〕実施例1と同様の前処理及
び減容化・可塑化・昇温を行なつた廃棄プラスチックを
実施例1とほぼ同様の脱塩素装置20を用いて脱塩素を
行なつた。但し、2本のスクリュ90は、噛み合い型同
方向回転である。脱塩素装置20内での廃棄プラスチッ
クの最高到達温度は350℃であり、脱塩素装置20内
での廃棄プラスチックの滞留時間は15分である。脱塩
素後の廃棄プラスチック中の残留塩素濃度を表1に示
す。
【0053】〔実施例11〕実施例1と同様の前処理及
び減容化・可塑化・昇温を行なつた廃棄プラスチック
を、噛み合い型異方向回転内回りの2本のスクリュ90
を備えた脱塩素装置20を用いて脱塩素を行なつた。脱
塩素装置20のスクリュ90の径(D)は174mm、
スクリュ90の長さ(L6)はスクリュ90の径(D)
の10倍で、その内の80%が混合・混練機能を有する
スクリュ形状(混合・混練スクリュ90d,90e)で
あり、供給口2aと排出口2eとの間に(L9+L1
0)/D=4のベント20b1,20b2を2箇所設け
てある。脱塩素装置20内での廃棄プラスチックの最高
到達温度は350℃であり、脱塩素装置20内での廃棄
プラスチックの滞留時間は15分である。脱塩素後の廃
棄プラスチック中の残留塩素濃度を表1に示す。
【0054】〔比較例1〕実施例1と同様の前処理及び
減容化・可塑化・昇温を行なつた廃棄プラスチックを、
非噛み合い型異方向回転外回りの2本のスクリュを備え
た脱塩素装置を用いて脱塩素を行なつた。脱塩素装置の
スクリュ径は65mm、スクリュの長さはスクリュ径の
10倍で、その内の80%が混合・混練機能を有するス
クリュ形状であり、供給口と排出口との間にL/D=4
のベントを2箇所設けてある。脱塩素装置内での廃棄プ
ラスチックの最高到達温度は350℃であり、脱塩素装
置内での廃棄プラスチックの滞留時間は15分である。
脱塩素後の廃棄プラスチック中の残留塩素濃度を表1に
示す。
【0055】〔比較例2〕実施例1と同様の前処理及び
減容化・可塑化・昇温を行なつた廃棄プラスチックを、
噛み合い型異方向回転外回りの2本のスクリュを備えた
脱塩素装置を用いて脱塩素を行なつた。脱塩素装置のス
クリュ径は174mm、スクリュの長さはスクリュ径の
10倍で、その内の20%が混合・混練機能を有するス
クリュ形状であり、供給口と排出口との間にL/D=4
のベントを2箇所設けてある。脱塩素装置内での廃棄プ
ラスチックの最高到達温度は350℃であり、脱塩素装
置内での廃棄プラスチックの滞留時間は15分である。
脱塩素後の廃棄プラスチック中の残留塩素濃度を表1に
示す。
【0056】〔比較例3〕実施例1と同様の前処理及び
減容化・可塑化・昇温を行なつた廃棄プラスチックを、
噛み合い型異方向回転外回りの2本のスクリュを備えた
脱塩素装置を用いて脱塩素を行なつた。脱塩素装置のス
クリュ径は174mm、スクリュの長さはスクリュ径の
10倍で、その内の80%が混合・混練機能を有するス
クリュ形状であり、供給口と排出口との間にベントを設
けず、脱塩素装置の排出口で溶融廃棄プラスチック中の
塩素化合物を揮発させて除去した。脱塩素装置内での廃
棄プラスチックの最高到達温度は350℃であり、脱塩
素装置内での廃棄プラスチックの滞留時間は15分であ
る。脱塩素後の廃棄プラスチック中の残留塩素濃度を表
1に示す。
【0057】〔比較例4〕実施例1と同様の前処理及び
減容化・可塑化・昇温を行なつた廃棄プラスチックを、
噛み合い型異方向回転外回りの2本のスクリュを備えた
脱塩素装置を用いて脱塩素を行なつた。脱塩素装置は、
特許第2648412号に記載されたものと類似のもの
を使用した。すなわち、脱塩素装置のスクリュ径は44
mm、スクリュの長さはスクリュ径の12倍で、混合・
混練機能を積極的に有しないフライトのみのスクリュ形
状であり、供給口と排出口との間にベントは設けず、脱
塩素装置の排出口で溶融廃棄プラスチック中の塩素化合
物を揮発させて除去した。脱塩素装置内での廃棄プラス
チックの最高到達温度は330℃であり、脱塩素装置内
での廃棄プラスチックの滞留時間は30分である。脱塩
素後の廃棄プラスチック中の残留塩素濃度を表1に示
す。
【0058】〔比較例5〕実施例1と同様の前処理及び
減容化・可塑化・昇温を行なつた廃棄プラスチックを、
実施例1とほぼ同様の脱塩素装置を用いて脱塩素を行な
つた。脱塩素装置内での廃棄プラスチックの最高到達温
度は320℃であり、脱塩素装置内での廃棄プラスチッ
クの滞留時間は4分である。脱塩素後の廃棄プラスチッ
ク中の残留塩素濃度を表1に示す。
【0059】〔比較例6〕実施例1と同様の前処理及び
減容化・可塑化・昇温を行なつた廃棄プラスチックを、
実施例1とほぼ同様の脱塩素装置を用いて脱塩素を行な
つた。脱塩素装置内での廃棄プラスチックの最高到達温
度は320℃であり、脱塩素装置内での廃棄プラスチッ
クの滞留時間は30分である。脱塩素後の廃棄プラスチ
ック中の残留塩素濃度を表1に示す。
【0060】〔比較例7〕実施例1と同様の前処理及び
減容化・可塑化・昇温を行なつた廃棄プラスチックを、
実施例1とほぼ同様の脱塩素装置を用いて脱塩素を行な
つた。脱塩素装置内での廃棄プラスチックの最高到達温
度は400℃であり、脱塩素装置内での廃棄プラスチッ
クの滞留時間は4分である。脱塩素後の廃棄プラスチッ
ク中の残留塩素濃度を表1に示す。
【0061】〔比較例8〕実施例1と同様の前処理及び
減容化・可塑化・昇温を行なつた廃棄プラスチックを、
実施例1とほぼ同様の脱塩素装置を用いて脱塩素を行な
つた。脱塩素装置内での廃棄プラスチックの最高到達温
度は400℃であり、脱塩素装置内での廃棄プラスチッ
クの滞留時間は30分である。脱塩素後の廃棄プラスチ
ック中の残留塩素濃度を表1に示す。
【0062】〔比較例9〕実施例1と同様の前処理及び
減容化・可塑化・昇温を行なつた廃棄プラスチックを、
実施例1とほぼ同様の脱塩素装置を用いて脱塩素を行な
つた。脱塩素装置内での廃棄プラスチックの最高到達温
度は330℃であり、脱塩素装置内での廃棄プラスチッ
クの滞留時間は3分である。脱塩素後の廃棄プラスチッ
ク中の残留塩素濃度を表1に示す。
【0063】〔比較例10〕実施例1と同様の前処理及
び減容化・可塑化・昇温を行なつた廃棄プラスチック
を、実施例1とほぼ同様の脱塩素装置を用いて脱塩素を
行なつた。脱塩素装置内での廃棄プラスチックの最高到
達温度は330℃であり、脱塩素装置内での廃棄プラス
チックの滞留時間は35分である。脱塩素後の廃棄プラ
スチック中の残留塩素濃度を表1に示す。
【0064】〔比較例11〕実施例1と同様の前処理及
び減容化・可塑化・昇温を行なつた廃棄プラスチック
を、実施例1とほぼ同様の脱塩素装置を用いて脱塩素を
行なつた。脱塩素装置内での廃棄プラスチックの最高到
達温度は370℃であり、脱塩素装置内での廃棄プラス
チックの滞留時間は3分である。脱塩素後の廃棄プラス
チック中の残留塩素濃度を表1に示す。
【0065】〔比較例12〕実施例1と同様の前処理及
び減容化・可塑化・昇温を行なつた廃棄プラスチック
を、実施例1とほぼ同様の脱塩素装置を用いて脱塩素を
行なつた。脱塩素装置内での廃棄プラスチックの最高到
達温度は370℃であり、脱塩素装置内での廃棄プラス
チックの滞留時間は35分である。脱塩素後の廃棄プラ
スチック中の残留塩素濃度を表1に示す。
【0066】
【表1】
【0067】表1の結果より、実施例1〜11では残留
塩素濃度として0.10〜0.32wt%が得られた。
実施例10において2本のスクリュの回転方向を同方向
回転とした場合であつても、実施例1と同様の残留塩素
濃度が得られた。
【0068】一方、比較例1は、2本のスクリュが非噛
み合い型であるため、実施例5に比べると残留塩素濃度
が著しく大きかつた。
【0069】また、比較例2は、スクリュの混合・混練
能力が小さいため、実施例5に比べると残留塩素濃度が
著しく大きかつた。
【0070】比較例3は、供給口と排出口との間にベン
トがなく、脱塩素装置の排出口で溶融廃棄プラスチック
中の塩素化合物を揮発させる方式であるため、実施例5
に比べると著しく残留塩素濃度が大きかつた。
【0071】比較例4は、脱塩素装置のスクリュは非噛
み合い型で溶融廃棄プラスチックを混合・混練する能力
が劣り、供給口と排出口との間にベントもないため、実
施例5に比べると著しく残留塩素濃度が大きかつた。
【0072】比較例5は、脱塩素装置内での廃棄プラス
チックの最高到達温度が低いため、実施例1に比べると
著しく残留塩素濃度が大きかつた。同様に、比較例6も
実施例7に比べると著しく残留塩素濃度が大きかつた。
【0073】比較例7は、脱塩素装置内での廃棄プラス
チックの最高到達温度が高く、脱塩素が飽和したため、
実施例3と残留塩素濃度がほとんど変わらなかつた。同
様に、比較例8も実施例9に比べて残留塩素濃度に大き
な違いはなかつた。
【0074】比較例9は、脱塩素装置内での廃棄プラス
チックの滞留時間が短いため、実施例1に比べると残留
塩素濃度が大きかつた。
【0075】比較例10は、脱塩素装置内での廃棄プラ
スチックの滞留時間が長く、脱塩素が飽和したため、実
施例7と残留塩素濃度がほとんど変わらなかつた。
【0076】比較例11は、脱塩素装置内での廃棄プラ
スチックの滞留時間が短いため、実施例3に比べると残
留塩素濃度が大きかつた。
【0077】比較例12は、脱塩素装置内での廃棄プラ
スチックの滞留時間が長く、脱塩素が飽和したため、実
施例9と残留塩素濃度がほとんど変わらなかつた。
【0078】上記実施例の結果から分かるように、所定
構造の脱塩素装置2により、廃棄プラスチックの最高到
達温度が330〜390℃、かつ、滞留時間が3〜30
分として脱塩素処理を行なえば、廃棄プラスチックから
塩素を容易に除去することができる。しかも、鉄鋼業界
で高炉吹き込み用原料として使用できる原料の基準残留
塩素濃度である0.50wt%を大幅に下回ることがで
きる。
【0079】ところで、上記実施の形態にあつては、廃
棄プラスチックの脱塩素処理装置として、減容化・可塑
化・昇温装置1と脱塩素装置2とを2段に備えるものと
して説明したが、減容化・可塑化・昇温装置1のみを使
用し、減容化・可塑化・昇温装置1に脱塩素装置2とし
ての機能を兼ねさせることも可能である。従つて、スク
リュ4により、廃棄プラスチックの減容化・可塑化・昇
温を行なうと共に、脱塩素を行なうことも可能である。
【0080】
【発明の効果】以上の説明によつて理解されるように、
本発明に係る廃棄プラスチックの脱塩素処理装置によれ
ば、次の効果を奏することができる。請求項1及び10
の発明によれば、減容化・可塑化・昇温装置と脱塩素装
置とを有する廃棄プラスチックの脱塩素処理装置とし
た。これにより、減容化・可塑化・昇温装置において、
塩素化合物を生じさせることなく水蒸気を除去した廃棄
プラスチックを得ることが確実にでき、このような可塑
化させた廃棄プラスチックを脱塩素装置に導入して熱分
解させ、塩素化合物を生じさせることが確実にできる。
このようにして水蒸気と塩素化合物とを可及的に弁別し
てベントから排出することができる結果、塩素化合物の
処理量を少なくして能率的に処理することができる。
【0081】請求項1の発明によれば、脱塩素装置のス
クリュが順フライトスクリュからなる輸送スクリュと混
合・混練スクリュとを有する。このため、塩素化合物の
除去を行なう脱塩素装置において、混合・混練スクリュ
による高い混合・混練機能を得ることが可能になり、脱
揮面に対して新しい表面を曝す表面更新機能や、溶融廃
棄プラスチックを薄膜状にして脱揮を促進する機能が良
好に得られると共に、混合・混練スクリュの占める割
合、及び順フルフライトスクリュからなる輸送スクリュ
の送り作用を増減調節することにより、高い混合・混練
機能を確保しながら廃棄プラスチックの滞留時間及び最
高到達温度を自由に設定することができる。また、混合
・混練スクリュは、廃棄プラスチックにせん断作用を与
えてせん断発熱を効果的に与えるため、エネルギー効率
が良く、かつ、脱塩素装置に備えることにより、廃棄プ
ラスチックに対して均一な脱塩素を行なうことができ
る。
【0082】請求項10の発明によれば、減容化・可塑
化・昇温装置において、請求項1の発明と同様に高い混
合・混練機能を得ることが可能になると共に、滞留時間
及び最高到達温度を自由に設定することができる。加え
て、逆フライトスクリュからなる逆ネジスクリュの存在
により、溶融廃棄プラスチックを押し戻す作用が得られ
るので、廃棄プラスチックを十分に混合・混練でき、速
やかに可塑化・溶融させ、所定の温度まで昇温できる。
【0083】請求項2の発明によれば、輸送スクリュ
が、脱塩素装置の供給口に対応するスクリュの基端部と
排出口に対応するスクリュの先端部とに形成されている
ので、供給口から供給される可塑化状態の廃棄プラスチ
ックが良好に前方に送られ、排出口から良好に排出され
る。加えて、中間部に配置した混合・混練スクリュの機
能により、溶融廃棄プラスチックが良好に混合・混練さ
れるので、スクリュを短くすることが可能であり、脱塩
素装置の小型化を図ることができる。
【0084】請求項4の発明によれば、脱塩素装置のス
クリュの中間部上方にベントが設けられているので、溶
融廃棄プラスチックから熱分解により発生した塩素化合
物を即時に脱揮除去することができ、塩素を高度に脱揮
除去することができる。
【0085】請求項6の発明によれば、脱塩素装置のベ
ントの高さがスクリュの直径の100%以上であるの
で、発生ガスと飛散した固形分とが重力によつて分離さ
れるようになり、ベントの放出口の詰まりを防止するこ
とができる。
【0086】請求項13の発明によれば、廃棄プラスチ
ックの脱塩素処理装置のスクリュが、輸送スクリュと混
合・混練スクリュと逆ネジスクリュとを有し、逆ネジス
クリュが、混合・混練スクリュよりも下流に配置されて
いるので、逆ネジスクリュによつて押し戻された溶融廃
棄プラスチックが、再度、混合・混練スクリュによつて
混合・混練を効果的に受けることができるのみならず、
抵抗体として機能する排出口付近で滞留する溶融廃棄プ
ラスチックに衝撃的圧力を作用させることになり、排出
を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1実施の形態に係る廃棄プラスチッ
クの脱塩素処理装置の減容化・可塑化・昇温装置に使用
されるスクリュを示す正面図。
【図2】 同じく平面図。
【図3】 同じく廃棄プラスチックの脱塩素処理装置の
脱塩素装置を断面で示す正面図。
【図4】 同じく断面で示す平面図。
【図5】 同じく廃棄プラスチックの脱塩素処理装置の
概略を示す正面図。
【図6】 同じくスクリュの同方向回転を示す説明図。
【図7】 同じくスクリュの外回り異方向回転を示す説
明図。
【図8】 同じくスクリュの内回り異方向回転を示す説
明図。
【図9】 同じくスクリュの異方向回転を示す作用説明
図。
【図10】 同じく脱塩素装置の他の構造例を断面で示
す正面図。
【図11】 同じく断面で示す平面図。
【符号の説明】
1:減容化・可塑化・昇温装置、1a:供給口、1b:
ベント、1c:シリンダ、1d,2d:加熱装置、1
e:排出口、2,20:脱塩素装置、2a:供給口、2
b,20b1,20b2:ベント、2c,20c:シリ
ンダ、2e:排出口、4:スクリュ、4a,4b,9
a,9b,90a,90b,90c:輸送スクリュ、4
c:逆ネジスクリュ、4d,9d,90d,90e:混
合・混練スクリュ、9,90:スクリュ、L1:スクリ
ュの全長、L2,L4:混合・混練スクリュの中心軸線
方向の長さ、L3,L6:スクリュの全長、L5、L
9,L10:ベントの中心軸線方向の長さ、D:スクリ
ュの直径、H:ベントの高さ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 炭▲広▼ 幸弘 広島県広島市安芸区船越南一丁目6番1号 株式会社日本製鋼所内 Fターム(参考) 4D004 AA07 4F301 AA16 AA17 AD02 BC02 BC13 BC23 BC26 BC36 BC44 BC49 BC52 BF12 BF16 BF17 BF31 BG16 BG54 CA09 CA25 CA34 CA41 CA51 CA72 CA74

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 供給口(1a)から供給させる塩素系ポ
    リマ−を含む廃棄プラスチックを、スクリュ(4)によ
    つて混練し、昇温させて減容化かつ可塑化させ、水蒸気
    をベント(1b)から外部に放出させると共に、可塑化
    した廃棄プラスチックを排出口(1e)から排出させる
    減容化・可塑化・昇温装置(1)と、減容化・可塑化・
    昇温装置(1)から排出される廃棄プラスチックを供給
    口(2a)から供給させ、廃棄プラスチックをスクリュ
    (9,90)によつて混練させ、更に昇温させ、熱分解
    されて生じた塩素化合物をベント(2b、20b1,2
    0b2)から排出させると共に、溶融廃棄プラスチック
    を排出口(2e)から排出させる脱塩素装置(2,2
    0)とを有する廃棄プラスチックの脱塩素処理装置にお
    いて、脱塩素装置(2,20)のスクリュ(9,90)
    が、順フライトスクリュからなる輸送スクリュ(9a,
    9b、90a,90b,90c)と、混合・混練スクリ
    ュ(9d,90d,90e)とを、中心軸線方向に有す
    ることを特徴とする廃棄プラスチックの脱塩素処理装
    置。
  2. 【請求項2】 輸送スクリュ(9a,9b,90a,9
    0b)が、脱塩素装置(2,20)の供給口(2a)に
    対応するスクリュ(9,90)の基端部と排出口(2
    e)に対応するスクリュ(9,90)の先端部とに形成
    され、基端部の輸送スクリュ(9a,90a)と先端部
    の輸送スクリュ(9b,90b)との間に、混合・混練
    スクリュ(9d、90d,90e)が形成されているこ
    とを特徴とする請求項1の廃棄プラスチックの脱塩素処
    理装置。
  3. 【請求項3】 脱塩素装置(2,20)の混合・混練ス
    クリュ(9d、90d,90e)が、スクリュ(9,9
    0)の全長(L3,L6)の50%以上に形成されてい
    ることを特徴とする請求項1又は2の廃棄プラスチック
    の脱塩素処理装置。
  4. 【請求項4】 脱塩素装置(2,20)のベント(2
    b、20b1,20b2)が、スクリュ(9,90)の
    上方に設けられていることを特徴とする請求項1,2又
    は3の廃棄プラスチックの脱塩素処理装置。
  5. 【請求項5】 脱塩素装置(2,20)のベント(2
    b、20b1,20b2)の中心軸線方向の長さ(L
    5、L9+L10)が、スクリュ(9,90)の全長
    (L3,L6)の40%以上であることを特徴とする請
    求項1,2,3又は4の廃棄プラスチックの脱塩素処理
    装置。
  6. 【請求項6】 脱塩素装置(2,20)のベント(2
    b、20b1,20b2)の高さ(H)が、スクリュ
    (9,90)の直径(D)の100%以上であることを
    特徴とする請求項1,2,3,4又は5の廃棄プラスチ
    ックの脱塩素処理装置。
  7. 【請求項7】 脱塩素装置(2,20)における廃棄プ
    ラスチックの最高到達温度が、330〜390℃の範囲
    であることを特徴とする請求項1,2,3,4,5又は
    6の廃棄プラスチックの脱塩素処理装置。
  8. 【請求項8】 脱塩素装置(2,20)における廃棄プ
    ラスチックの滞留時間が、3〜30分の範囲であること
    を特徴とする請求項1,2,3,4,5,6又は7の廃
    棄プラスチックの脱塩素処理装置。
  9. 【請求項9】 脱塩素装置(2,20)のスクリュ
    (9,90)内の廃棄プラスチックの充満率が、100
    %以下であることを特徴とする請求項1,2,3,4,
    5,6,7又は8の廃棄プラスチックの脱塩素処理装
    置。
  10. 【請求項10】 供給口(1a)から供給させる塩素系
    ポリマ−を含む廃棄プラスチックを、スクリュ(4)に
    よつて混練し、昇温させて減容化かつ可塑化させ、水蒸
    気をベント(1b)から外部に放出させると共に、可塑
    化した廃棄プラスチックを排出口(1e)から排出させ
    る減容化・可塑化・昇温装置(1)と、減容化・可塑化
    ・昇温装置(1)から排出される廃棄プラスチックを供
    給口(2a)から供給させ、廃棄プラスチックをスクリ
    ュ(9,90)によつて混練させ、更に昇温させ、熱分
    解されて生じた塩素化合物をベント(2b、20b1,
    20b2)から排出させると共に、溶融廃棄プラスチッ
    クを排出口(2e)から排出させる脱塩素装置(2,2
    0)とを有する廃棄プラスチックの脱塩素処理装置にお
    いて、減容化・可塑化・昇温装置(1)のスクリュ
    (4)が、順フライトスクリュからなる輸送スクリュ
    (4a,4b)と、混合・混練スクリュ(4d)と、逆
    フライトスクリュからなる逆ネジスクリュ(4c)とを
    中心軸線方向に有することを特徴とする廃棄プラスチッ
    クの脱塩素処理装置。
  11. 【請求項11】 減容化・可塑化・昇温装置(1)にお
    ける廃棄プラスチックの最高到達温度が、150〜23
    0℃の範囲であることを特徴とする請求項10の廃棄プ
    ラスチックの脱塩素処理装置。
  12. 【請求項12】 減容化・可塑化・昇温装置(1)にお
    ける廃棄プラスチックの滞留時間が、1〜5分の範囲で
    あることを特徴とする請求項10又は11の廃棄プラス
    チックの脱塩素処理装置。
  13. 【請求項13】 塩素系ポリマ−を含む廃棄プラスチッ
    クを、シリンダ(1c)に内挿したスクリュ(4)を回
    転させることにより、加熱装置(1d)を付属するシリ
    ンダ(1c)内で加熱・混練させて可塑化・移送させ、
    廃棄プラスチックから熱分解によつて生じた塩素化合物
    を分離・排出させると共に、シリンダ(1c)の先端部
    の排出口(1e)から脱塩素残渣を排出させる廃棄プラ
    スチックの脱塩素処理装置において、スクリュ(4)
    が、順フライトスクリュからなる輸送スクリュ(4a,
    4b)と、混合・混練スクリュ(4d)と、逆フライト
    スクリュからなる逆ネジスクリュ(4c)とを有し、逆
    ネジスクリュ(4c)が、混合・混練スクリュ(4d)
    よりも下流に配置されていることを特徴とする廃棄プラ
    スチックの脱塩素処理装置。
  14. 【請求項14】 脱塩素装置(2,20)のベント(2
    b、20b1,20b2)が、混合・混練スクリュ(9
    d、90d,90e)の上方に設けられ、ベント(2
    b、20b1,20b2)の中心軸線方向の長さ(L
    5、L9+L10)が、混合・混練スクリュ(9d、9
    0d,90e)の中心軸線方向の長さ(L4,L7,L
    8)の60%以上を占めていることを特徴とする請求項
    4,5,6,7,8又は9の廃棄プラスチックの脱塩素
    処理装置。
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