JP2002086387A - 薄型切断刃 - Google Patents

薄型切断刃

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JP2002086387A JP2001209027A JP2001209027A JP2002086387A JP 2002086387 A JP2002086387 A JP 2002086387A JP 2001209027 A JP2001209027 A JP 2001209027A JP 2001209027 A JP2001209027 A JP 2001209027A JP 2002086387 A JP2002086387 A JP 2002086387A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 刃厚を薄くでき、微細なサイズにおいても切
断精度を向上できる極薄切断刃を提供すること。 【解決手段】 極薄切断刃は、平刃状の切断刃であっ
て、その切断刃の厚さt(mm)について、t≦0.1
mm以下であり、その切断刃の長さl(mm)と高さh
(mm)との間に3≦1/h≦11なる関係を備えてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄型切断刃に関
し、詳しくは、積層コンデンサーや積層セラミック基盤
などやセラミックグリーンシート等の切断又は裁断に用
いられる超硬合金製の切断刃の形状及び材料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の、電子材料分野の軽薄短小化のス
ピードはすさましいものがあり、携帯電話、ディジタル
スチルカメラが小型に向けて進んでいる。
【0003】そこに用いられるセラチップも、1608
サイズのチップが1005サイズのチップヘ、そしてさ
らに、0603あるいは0402サイズのチップへと進
化しつつある。ここで、1608とは、16mm×8m
×8mmを意味する。つまり、0402は4mm×2m
m×2mmのサイズである。このようなサイズのセラミ
ックチップを従来は,上下の切断刃を用いて切断した
り、ギロチン方式において刃厚の厚い刃を用いて切断し
ていた。また、材質としては、ステンレスがごく一般的
に用いられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,100
5サイズのチップへ、そしてさらに、0603あるいは
0402サイズヘ進化しつつあるセラミックチップを、
従来のような切断刃あるいはステンレス材質で切断しよ
うとすると問題がある。つまり、上下刃で切断する場
合、上下の切断刃では刃厚を薄くすることが難しく、ま
た、上下軸に対し切断刃を多数枚重ねて切断するには、
精度の点で問題があった。
【0005】一方、ギロチン方式において切断する場
合、刃厚が厚いために、従来のように1608サイズの
チップに対しては、切断可能である。しかし、0402
のような微細なサイズにおいては、もはや切断すること
が出来なくなる。
【0006】さらに、材質の点からは軽薄短小化が加速
されることによって、セラミックシートのも高積層化が
進み、その材料も複合材料となっている点からも、従来
のようなステンレス材質では、摩耗が多くなり微細なサ
イズのチップを一回の切断刃のセッティングによって、
多数個得るには問題がある。
【0007】そこで、被切断物の寸法精度を損なうこと
なく、切断を行うには厚さ0.1mm以下の極薄切断刃
が必要となる。そして、そのような材質としては、超硬
合金の使用が要望されている。
【0008】しかしながら、厚さ0.1mm以下の極薄
切断刃では、板厚が薄い分摩耗速度も早く、また、チッ
ピングにより寿命が短くなるという欠点を有した。
【0009】そこで、コーティング等で表面処理を施す
ことによって、切断刃の表面の硬さを増すことが考えら
れる。ここで、超硬合金製品へのコーティングはドリ
ル、エンドミル、スローアウェイチップ等にTiN,T
iCN,TiC等をCVD,PVDで行う方法が一般的
に行われている。
【0010】しかしながら、通常、厚さ0.1mm以下
の超硬合金製極薄裁断刃に、CVD,PVD法でTi
N,TiCN,TiC等の硬質層をコーティングする
と、熱により反りや変形が生じ裁断刃として使用できな
くなる。
【0011】また、膜厚のばらつきにより刃立ち性が損
なわれ、切断精度が悪くなる。厚さ0.1mm以下の材
料としては強度、耐摩耗性の面から超硬が求められる
が、それでも寿命が短い等の問題がある。
【0012】そこで、本発明の第1の技術的課題は、刃
厚を薄くでき、微細なサイズにおいても切断精度を向上
できる薄型切断刃を提供することにある。
【0013】また、本発明の第2の技術的課題は、コー
ティングにより摩耗を少なくすることで寿命が長く、且
つ安価に製造することができる薄型切断刃を提供するこ
とにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな問題点を解決するために鋭意研究をした。その結
果、平刃状の切断刃であって、その切断刃の厚さt(m
m)について、t≦0.1mm以下であり、その切断刃
の長さl(mm)と高さh(mm)との間に3≦1/h
≦11で、薄型切断刃において,その先端に位置する刃
先は平刃の基部に対して対称であり、その先端角度θ
(度)は10≦θ≦20なる薄型切断刃を製造できるこ
とを見出し本発明を為すに至ったものである。
【0015】即ち、本発明によれば、平刃状の切断刃で
あって、その切断刃の厚さt(mm)について、t≦
0.1mm以下であり、その切断刃の長さl(mm)と
高さh(mm)との間に3≦1/h≦11なる関係を備
えていることを特徴とする薄型切断刃が得られる。
【0016】また、本発明によれば、前記薄型切断刃に
おいて,その先端に位置する刃先は平刃の基部に対して
対称であり、その先端角度(θ)は10≦θ≦20の範
囲であることを特徴とする薄型切断刃が得られる。
【0017】ここで、本発明において、上記のように数
値限定した理由について説明する。
【0018】まず、本発明において、薄型切断刃の厚さ
(t)として、t≦0.1mmと限定したのは、0.1
mmを越えると1005サイズのチップヘ、そしてさら
に0603あるいは0402サイズヘ進化しつつあるセ
ラミックチップを、精度良く切断することか不可能であ
ること、また製品の歩留まりを考慮した場合、刃厚の薄
い方が有利であることはいうまでもない。ただし、0.
1mm以下では、現状では、0.05mmまでが薄く加
工できる限界である。
【0019】また、本発明において、切断刃の長さ
(l)と高さ(h)の比を3≦1/h≦11と限定した
のは、以下の理由からである。
【0020】まず、切断刃の長さ(l)と高さ(h)の
比を3以上としたのは、3以下の場合、切断した際の切
断刃への座屈応力により、切断刃が撓み破壊に至るため
である。
【0021】また、切断刃の長さ(l)と高さ(h)の
比を11以下としたのは,11以上の場合、切断刃の反
りが多くなり、取り付けが難しくかつ被切削物(セラミ
ックチップ)の加工精度が出なくなるためである。
【0022】以上の点から、切断刃の長さ(l)と高さ
(h)の比を3≦1/h≦11と限定した。
【0023】また、本発明において,先端角度を10≦
θ≦20に限定したのは、以下の理由からである。
【0024】先端角度(θ)が10以下の場合、その加
工において、刃先に欠けが生じやすくなり、多数回切断
出来なくなるためである。
【0025】一方、先端角度(θ)が20以上の場合、
切断時にその先端角度か大きいために、被切削物(セラ
ミックチップ)が押し広げられて切断されるため、切断
精度が出なくなるためである。以上の点から、先端角度
を10≦θ≦20に限定した。
【0026】また、本発明者らは、超硬合金製薄型切断
刃において、PVDによる低温成膜法を用いTiN,T
iCN,TiC等硬質層をコーティングすることで長寿
命化を図った。即ち、コーティングの幅、厚み等をコン
トロールすることで精度の問題を、低温スパッタの薄く
広い面積に均一に成膜できる特長を生かし、1回の処理
量を増加させコスト増の問題をも解決し、さらに、PV
Dによる低温成膜法の特長である密着性、高融点物質の
成膜に向いていることを生かして、広い面積に均一に成
膜を利用し、刃先先端部の幅0.2〜1.5mmに、膜
厚0.1〜1.0μmのTiN,TiCN,TiC等の
硬質層をコーティングすることで上記問題を解決したも
のである。
【0027】即ち、本発明によれば、平刃状の切断刃で
あって、その切断刃にTiN,TiCN,TiCの少な
くとも一種からなる硬質層をコーテングしたことを特徴
とする薄型切断刃が得られる。
【0028】また、本発明によれば、前記薄型切断刃に
おいて、刃先に、0.2〜1.5mmの幅に膜厚0.1
〜1.0μmの前記硬質層のコーティングを施したこと
を特徴とする薄型切断刃が得られる。
【0029】また、本発明によれば、前記薄型切断刃に
おいて、その先端に位置する刃先の先端角度(θ)は5
°≦θ<10°の範囲であることを特徴とする薄型切断
刃が得られる。
【0030】また、本発明によれば、前記いずれか一つ
の薄型切断刃において、前記コーティング層の厚みを
0.1mm〜1.0μmにコントロールする事で、切断
精度を損なう事なく、長寿命化を図ったことを特徴とす
る薄型切断刃が得られる。
【0031】また、本発明によれば、前記いずれか一つ
の薄型切断刃において、セラミックグリーンシートの裁
断又は切断に用いられることを特徴とする薄型切断刃が
得られる。
【0032】ここで、本発明において、刃先角度により
切断に使われる部分の長さが変化するが、コーティング
幅を刃先先端部の幅0.2〜1.5mmにしたのは、実
際に切断に使われる部分に限定する事で、熱による反り
や変形の防止を図るためである。
【0033】また、本発明において、コーティング層の
厚みを0.1mm〜1.0μmに限定したのは、膜厚
0.1μm以下では耐摩耗性と欠けに効果が無く、1.
0μm以上では刃立ち性が損なわれ、切断精度が悪くな
るからである。さらに、コーティング後刃先部のみホ−
ニング加工を施し、被切断物の寸法精度の向上が図ら
れ、更なる長寿命化が可能となる。この場合コーティン
グは、膜厚1.0〜10μmで行い、ホ−ニング加工を
施し、非切断物の寸法精度の向上が図られ、更なる、長
寿命化が可能となる。この場合、ホーニング加工を施
し、膜厚0.1〜1.0μmとする。このように、本発
明においては、コーティングを施す事で、刃先角度5°
以上10°未満のシャープエッジの裁断刃の作製も可能
とするものである。
【0034】また、本発明によれば、前記いずれか一つ
の薄型切断刃において、前記基部が前記切断刃よりも厚
く、かつその基部は前記切断刃と同一材質または異材質
からなることを特徴とする薄型切断刃が得られる。
【0035】また、本発明によれば、前記いずれか一つ
の薄型切断刃において、その材質はWCの粒径が1.0
μm以下であり、かつ結合相としてのCo量が8〜20
%であることを特徴とする薄型切断刃が得られる。
【0036】また、本発明によれば、前記薄型切断刃に
おいて、Cr、V、Taの炭化物又は炭窒化物の内の一
種またはそれ以上を含有することを特徴とする薄型切断
刃が得られる。
【0037】また、本発明によれば、前記薄型切断刃に
おいて、それぞれの含有量(mass%)は0.5≦C
r≦2.0、0.2≦V≦0.8、0.5≦Ta≦2.
0でその全合計量が2.0mass%以下であることを
特徴とする薄型切断刃が得られる。
【0038】ここで、本発明において、基部の厚さを限
定したのは以下の理由からである。基部の厚さ、つま
り、取り付け部分の厚さであり、この部分は切断精度に
は関係なく、取り付けやすい方が作業性がよい。
【0039】よって、薄い刃でも、基部に同一材質ある
いは異材質であっても、切断精度には問題か無く、取り
付ける機械に合わせることが良い。
【0040】また、本発明において、WC粒径を1μm
以下に限定したのは以下の理由からである。WC粒径が
1mm未満の場合、その加工において、刃先における強
度が下がること、また、切断時の摩耗に対して、十分効
果を発揮することができなくなるためである。
【0041】但し、現状市販されているWC粒径は、
0.2μmが限界である。
【0042】以上の点から、WC粒子径を1.0μm以
下に限定した。
【0043】また、本発明において、結合相を8〜20
mass%と限定したのは、以下の理由からである。結
合相を8mass%以下とすると、本切断刃のような使
用においては切断刃が撓み破壊に至るためである。
【0044】一方、結合相を20mass%以上とする
と、被切断物のような複合材料に対しては、摩耗量が多
くなり、多数回切断することができなくなる。以上の点
から、結合相を8〜20mass%と限定した。
【0045】また、本発明において、Cr,V,Taを
限定したのは、以下の理由からである。
【0046】薄型切断刃の場合、WC粒子の均−な制御
は重要な問題で、粗大粒子が刃先にあると、その部分か
ら欠けを生じて、切断刃が撓み破壊に至る。
【0047】そのため、粒成長抑制剤として、Cr、
V,Taの炭化物、炭窒化物そして窒化物を用いること
によって、粗大粒子の成長を抑えることが出来る。
【0048】また、その効果は、それらの1種またはそ
れ以上を含有しても司様の効果か発揮できる。
【0049】さらに、それらの含有量については各C
r、V、Taの下限値以下ではその粒成長用効果か発揮
できない。
【0050】また、上限値以上では合金の炭素量や冷却
速度によって第3相の析出することがあり、切断刃が欠
けを起こし、破壊にいたる。
【0051】そして、全合計量が2.0mass%以上
になると同様に、第3相を生じさせ破壊に至る。以上の
点から、Cr,V,Taのそれらを限定した。
【0052】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0053】図1(a)は本発明の実施の形態による超
硬合金製薄型切断刃を示す正面図、図1(b)は図1
(a)の側面図、図1(c)は図1(c)のA部分の拡
大図である。
【0054】図1(a),(b),及び(c)を参照す
ると、切断刃10は、基部1と、刃先部2とを備えた超
硬合金からなる。超硬合金は、WC粒径1μm以下で、
結合層としてCoを8〜20mass%の割合で含有す
る。また、焼結の際の粒成長抑制剤として、Cr,V.
Taの炭化物又は炭窒化物の内の少なくとも一種を含有
している。この切断刃10は、長さl,高さh、厚みt
を夫々備えている。
【0055】また、刃先部2の先端角度はθで示され
る。
【0056】図示の例においては、刃先部2に低温成膜
によって、TiC,TiN,TiCN,TiC等の硬質
層3のコーティングが施されている。このコーティング
は、ダイヤモンドの砥石#5000を用いたホーニング
加工され、加工後の膜厚0.1〜1.0mmとなるよう
に形成される。
【0057】母材が加熱により熱ひずみを生じさせない
温度域で成膜することが重要であり、密着性、及び表面
粗度が欠け、切断精度に影響し、寿命延長のポイントと
なる。
【0058】(第1の実施の形態)WC粒子径1.0μ
mで、10mass%Co−0.8mass%Cr
−0.2mass%VC−1.01mass%TaC
の超硬合金の素材を作り、切断刃の厚さ(t)、長さ
(l)、高さ(h)をそれそれ変化させて試作した切断
刃を下記表1に示した。
【0059】また、被切断物としては、アルミナ、ホウ
ケイ酸ガラス粉末とブチラール樹脂、可塑剤、溶剤を組
み合わせたセラミックスグリーンシートを製作して行っ
た。
【0060】切断テスト機は、0402が切断できるよ
うに切断刃を、昇降可能なツールホルダーに切断刃を取
り付けて、切断刃を昇降と横方向の移動をさせてグリー
ンシートを切断した。
【0061】被切断物の評価は、切断物の寸法精度、及
びバリの有無から評価を行い、その優劣をO×で示し
た。なお、寸法精度、バリに関しては顕微鏡を用いて評
価を行った。
【0062】その結果を下記表2に示した。これからも
判るように、本発明の切断刃はその被切断物の精度及び
バリの発生具合からもわかるように従来の切断刃では切
断できないサイズのセラチップの切断が可能になった。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】(第2の実施の形態)次に、第1の実施の
形態に示した本発明合金4を用いて、下記表3に示した
合金組成で切断テストをおこなった。切断回数は30万
回で全て終了し、刃先の摩耗量を計測し、テスト前の刃
先位置から100μm下がっていたり、欠けの有無につ
いてその結果を表4に示した。なお、被切断物、切断サ
イズ、切断機は、第1の実施の形態と同じ物を用いた。
【0066】
【表3】
【0067】
【表4】
【0068】(第3の実施の形態)第3の実施の形態で
は、第1の実施の形態による極薄切断刃の組成で、切断
刃の厚さ0.07mm、長さ/高さが8の合金に、イオ
ンプレーティングによりコーティングを行い、切断回数
50万回まで行い、下記表5および表6に示すような良
好な結果が得られた。
【0069】
【表5】
【0070】
【表6】
【0071】(第4の実施の形態)第4の実施の形態で
は、上記第3の実施の形態に用いたものと同様の合金で
刃先角度6゜と8°にTiNをイオンプレーティングに
よりコーティングして、切断回数30万回の試験を行っ
た。その結果、下記表7および表8に示す。
【0072】
【表7】
【0073】
【表8】
【0074】上記表7および上記表8に示すように、刃
先の角度を10゜未満にしても、刃先部が硬質層でコー
ティングされているため、寿命が長く通常超硬合金の薄
刃では困難なシャープエッジの刃先が製作可能である。
【0075】一般に、超硬合金製薄型切断刃において
は、切断中に発生する微小チッピングが伝播して、刃全
体を交換することがある。しかしながら、本発明の第3
および第4の実施の形態に示すように、硬質層のコーテ
ィング処理を施す事で、その頻度を低減できる。
【0076】また、超硬合金製薄型切断刃の用途は、小
さいチップ(10mm以下)を裁断する時の使用が多い
ため、より薄く鋭角で長寿命なタイプが求められてい
る。特に、カッテングマシンへの取付けにおいて、カッ
ターの平行出しが難しく時間を要する。本発明の第3お
よび第4の実施の形態に示すように、硬質層をコーティ
ングすることで、耐摩耗性が向上し、平行出し回数が低
減できコストダウンが図れる。
【0077】尚、処理量のチャージアップは、裁断刃と
裁断刃の間にマスキングと接着防止を兼ねた、厚さ0.
3mmのアルミナシートを挟み、全体をホールドし、高
さが一定に調整できる治具を作製し、この治具によりア
ルミチャージ量が従来の2倍にアップし、また、コーテ
ィング時の反りや変形の防止も可能となった。また、本
発明の実施の形態において、コーティングはイオンプレ
ーティングで実施したが、低温成膜であれば、どのよう
な方法も用いることができる。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
刃厚を薄くでき、例えば、0402のような微細なサイ
ズにおいても切断精度を向上できる極薄切断刃を提供す
ることができる。
【0079】また、本発明によれば、摩耗が少ないため
に寿命が長く、特別な処理を施さなくとも所望する硬度
が得られるので、安価に製造することができる極薄切断
刃を提供することができる。
【0080】また、本発明によれば、硬質層のコーティ
ングによる切断刃の寿命延長をすることができ、また、
被切断物の寸法精度向上し、刃先角度10°未満のシャ
ープエッジの裁断刃の作製が可能になり、より小さな積
層コンデンサーや、積層セラミックの製造が可能になっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施の形態による超硬合金製
薄型切断刃を示す正面図,(b)は(a)の側面図、
(c)は(b)のA部分の拡大図である。
【符号の説明】
1 基部 2 刃先部 3 硬質層 10 切断刃
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青木 修 富山県富山市岩瀬古志町2番地 株式会社 アライドマテリアル富山製作所内 (72)発明者 大谷 斉 富山県富山市岩瀬古志町2番地 株式会社 アライドマテリアル富山製作所内 Fターム(参考) 3C027 JJ01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平刃状の切断刃であって、その切断刃の
    厚さt(mm)について、t≦0.1mm以下であり、
    その切断刃の長さl(mm)と高さh(mm)との間に
    3≦1/h≦11なる関係を備えていることを特徴とす
    る薄型切断刃。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の薄型切断刃において,そ
    の先端に位置する刃先は平刃の基部に対して対称であ
    り、その先端角度(θ)は10≦θ≦20の範囲である
    ことを特徴とする薄型切断刃。
  3. 【請求項3】 平刃状の切断刃であって、その切断刃に
    TiN,TiCN,TiCの少なくとも一種からなる硬
    質層をコーテングしたことを特徴とする薄型切断刃。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の薄型切断刃において、刃
    先0.2〜1.5mmの幅に膜厚0.1〜1.0μmの
    前記硬質層のコーティングを施したことを特徴とする薄
    型切断刃。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4記載の薄型切断刃におい
    て、その先端に位置する刃先の先端角度(θ)は5≦θ
    <10°の範囲であることを特徴とする薄型切断刃。
  6. 【請求項6】 請求項3乃至5の内のいずれか一つに記
    載の薄型切断刃において、前記コーティング層の厚みを
    0.1mm〜1.0μmにコントロールする事で、切断
    精度を損なう事なく、長寿命化を図ったことを特徴とす
    る薄型切断刃。
  7. 【請求項7】 請求項3乃至6の内のいずれか一つに記
    載の薄型切断刃において、セラミックグリーンシートの
    裁断又は切断に用いられることを特徴とする薄型切断
    刃。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7の内のいずれか一つに記
    載の薄型切断刃において、前記基部が前記切断刃よりも
    厚く、かつその基部は前記切断刃と同一材質または異材
    質からなることを特徴とする薄型切断刃。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8の内のいずれか一つに記
    載の薄型切断刃において、その材質はWCの粒径が1.
    0μm以下であり、かつ結合相としてのCo量が8〜2
    0%である超硬合金からなることを特徴とする薄型切断
    刃。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9の内のいずれか一つに
    記載の薄型切断刃において、Cr、V、Taの炭化物又
    は炭窒化物の内の一種またはそれ以上を含有することを
    特徴とする薄型切断刃。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の薄型切断刃におい
    て、それぞれの含有量(mass%)は0.5≦Cr≦
    2.0、0.2≦V≦0.8、0.5≦Ta≦2.0で
    その全合計量が2.0mass%以下であることを特徴
    とする薄型切断刃。
JP2001209027A 2000-07-11 2001-07-10 薄型切断刃 Expired - Lifetime JP3790449B2 (ja)

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