JP2002086321A - バルブコッターの組立検査装置 - Google Patents

バルブコッターの組立検査装置

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JP2002086321A JP2000386980A JP2000386980A JP2002086321A JP 2002086321 A JP2002086321 A JP 2002086321A JP 2000386980 A JP2000386980 A JP 2000386980A JP 2000386980 A JP2000386980 A JP 2000386980A JP 2002086321 A JP2002086321 A JP 2002086321A
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valve cotter
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    • F01LCYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
    • F01L2303/00Manufacturing of components used in valve arrangements
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コッターの嵌め込み作業と検査を兼ね備え、
組付ヘッド部分の構成も簡素化されたコッターの組立検
査装置を提供する。 【解決手段】 リテーナ3の中心孔3aに収納された2
分割のコッター6をバルブステム2に形成された環状溝
部7に嵌め込む場合、第1駆動部D1を駆動することに
よりコッター加圧部13と測定子41との共同でコッタ
ー6を環状溝部7に嵌め込み、その後、測定子41を作
動し、コッター6の装着状態をチェックするようにした
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの動弁機
構におけるバルブステムにリテーナを取付けるために使
用されるバルブコッター(以下単にコッター)の組立と
検査を行う組立検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、エンジンの動弁機構に使用され
るバルブVは、図12に示すように、シリンダヘッド1
より突出されたバルブステム2の頂部にリテーナ3が取
付けられている。このリテーナ3とシリンダヘッド1と
の間には、シリンダヘッド1の吸気孔あるいは排気孔5
を常閉するようにバルブスプリング4が設けられている
が、リテーナ3は、バルブステム2との間に介装された
コッター6により取付けられている。
【0003】このコッター6は、円筒体を2分割したも
ので、内周面側にはバルブステム2の頂部に形成された
環状溝部7に嵌合する凸部6aを有し、外周面側はリテ
ーナ中心孔3aのテーパ状内周面に対応するテーパ面6
bを有している。
【0004】コッター6の嵌め込みは、リテーナ3の上
に2分割されたコッター6を載置した状態で、バルブス
プリング4の弾撥力に抗してリテーナ3を押し下げ、上
方からコッター6の上端面6cを加圧して環状溝部7に
嵌め込んだ後、この押圧力を解放し、バルブスプリング
4によりリテーナ中心孔3aのテーパ状内周面にコッタ
ー6のテーパ面6bを当接させるという方法が多用され
ている。
【0005】具体例としては、空気圧作動のコッター押
えによりコッターを加圧して環状溝部に押し込むように
したコッター圧入装置(特公平5−20221号公報参
照)や、コッター押えをばね力により作動し、コッター
を環状溝部に押し込むようにしたコッター組付装置(特
開平6−320441号公報参照)等がある。
【0006】このようにして嵌め込まれた両コッター
は、次工程で、バルブステムの正規の位置に所定の状態
で取付けられているか否か検査される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、コッターの
嵌め込み作業と検査を、それぞれ別工程で行うと、流れ
作業でエンジンを組み立てる場合には、作業工程が増え
ることから作業能率が低下し、作業の迅速性に欠け、嵌
め込み作業と検査作業にそれぞれ別の装置や人員も必要
となり、作業スペース、コスト的にも不利となる。
【0008】特に、2分割されたコッターを両者同時に
押圧して組み立てる場合には、必然的にコッター押え
は、円環状でなければならず、その周囲に、リテーナを
バルブスプリングの弾撥力に抗して押し下げるための組
付ヘッドや、コッター嵌め込み状態を検査する検査装置
を配置すれば、装置構成が複雑になり、コッターの嵌め
込み作業自体に悪影響を及ぼすという問題もある。
【0009】しかも、最近では、1気筒に複数のバルブ
が使用されるようになっており、前記コッターの嵌め込
み作業を複数の各バルブに対し行えば、前述の不具合は
更に助長されることになる。
【0010】本発明は、上記した従来技術のもつ課題を
解決するためになされたもので、コッターの嵌め込み作
業と検査を行うことができ、組付ヘッド部分の構成も簡
素化されたコッターの組立検査装置を提供することを目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記す
る手段により達成される。
【0012】(1)バルブスプリングにより弾撥された
リテーナ上に2分割のコッターを載置し、当該コッター
をリテーナの中心孔とバルブステムに形成された環状溝
部との間に嵌め込むコッター組立装置において、前記バ
ルブスプリングの弾撥力に抗して前記リテーナを押し下
げるリテーナ押圧用のヘッド部、該ヘッド部の貫通孔内
で軸方向に移動し得るように設けられ端部が複数分岐さ
れたコッター押え片を有するコッター加圧部、前記ヘッ
ド部を駆動する第1駆動部、及び前記コッター加圧部を
駆動する第2駆動部を有するコッター取付け手段と、前
記コッター押え片相互間に位置するように設けられ前記
コッター取付け手段により取付けられた各コッターに当
接して上下変位する複数の測定子、及び当該測定子の上
下変位を測定する測定手段を有するコッター検査手段
と、を備えていることを特徴とするコッターの組立検査
装置。
【0013】(2)前記第1駆動部とヘッド部との連結
は、前記第1駆動部がヘッド部を下降するとき、当該ヘ
ッド部が前記リテーナに当接すると第1駆動部の駆動力
が一時的にヘッド部に伝達されず、前記第1駆動部がヘ
ッド部を上昇するとき、当該ヘッド部がリテーナ上に一
時的に残されたまま所定距離第1駆動部のみが上昇する
ようなフローティング支持構造としたことを特徴とする
コッターの組立検査装置。
【0014】(3)前記測定手段は、前記フローティン
グ支持構造とされた前記第1駆動部とヘッド部との間の
離間状態を検知する検知部材を有することを特徴とする
コッターの組立検査装置。
【0015】(4)前記コッター押え片と測定子は、両
者共同して前記コッターを環状溝部に嵌め込むように、
当該嵌め込み時に両者の端部が同一軸直角平面上で環状
に位置するように構成したことを特徴とするコッターの
組立検査装置。
【0016】(5)前記測定子は、前記コッター押え片
と共同して前記コッターを環状溝部に嵌め込んだ後、当
該コッターの装着状態をチェックするように前記コッタ
ー押え片より突出し該コッターの端面と当接するように
したことを特徴とするコッターの組立検査装置。
【0017】(6)前記コッター検査手段は、上端が前
記コッター押え片内に設けられ下端が前記コッターをリ
テーナに嵌め込み易い姿勢とするガイド部材を備えたコ
ッターガイドと、常時は当該コッターガイドと同軸上に
位置し、前記複数の測定子の内、少なくとも1つが他の
測定子と高さ位置が相違するとき位置変位するように前
記測定子の端面上に載置された鋼球と、前記鋼球上に載
置された伝達シャフトとを有し、前記測定手段が当該伝
達シャフトの上端位置を測定した値により前記コッター
の装着状態を検査するようにしたことを特徴とするコッ
ターの組立検査装置。
【0018】(7)前記測定手段は、前記ヘッド部内の
貫通孔内に設けられた前記第2駆動部のピストンと連結
あるいは一体に設けられたスリーブの高さ位置を測定す
ることにより前記コッターの装着状態を検査するように
したことを特徴とするコッターの組立検査装置。
【0019】
【発明の効果】請求項1に記載の発明では、コッター組
立装置に、コッターの装着状態をチェックするコッター
検査手段を設けたので、コッターの装着と、その装着状
態のチェックを1つの装置で行うことができ、コッター
取付けからチェック完了までの一連の作業が迅速で確実
なものとなり、作業性が向上する。
【0020】請求項2に記載の発明では、第1駆動部と
ヘッド部との連結をフローティング支持構造としたの
で、コッターの装着と装着状態のチェックが相互に影響
し合うことなく、独立に行うことができ、両機能を損な
うこともなく、しかもコッター装着チェックも確実で正
確なものとなり、チェックの誤判定も防止できる。
【0021】請求項3に記載の発明では、コッターとリ
テーナが正常に嵌合されていても、バルブステムに対す
る位置が好ましくなければ、フローティング支持構造の
第1駆動部とヘッド部との間が離間状態となる点を利用
し、この離間状態を検知部材により検知するようにした
ので、コッター及びリテーナの取付位置不良を簡単に検
知できる。
【0022】請求項4に記載の発明では、コッター嵌め
込み時にコッター押え片と測定子の両者の端部が同一軸
直角平面上で環状に位置し、両者が共同して嵌め込み作
業を行うようにしたので、組付ヘッド部分の構成も簡素
化され、装置の取り扱いが容易となり、この点でも組立
作業性が向上する。
【0023】請求項5に記載の発明では、コッター押え
片と測定子の両者が共同して嵌め込み作業を行った後、
測定子がコッター押え片より突出し、コッターの端面と
当接し、コッターの装着状態をチェックするようにした
ので、測定子が一時的にコッター押え片の機能を兼ねる
ことができ、装置構成が簡素化し、コッターの装着性が
より確実で円滑なものとなり、さらに、コッターの装着
後は当該測定子が直下のコッターをチェックするので、
チェックも容易で迅速となり、バルブ組付け作業性が向
上する。
【0024】請求項6に記載の発明では、コッターガイ
ドと同軸上に鋼球を位置し、複数の測定子の内、少なく
とも1つでも位置変位すると、直ちに鋼球が変位してこ
れを検知し、伝達シャフトに伝達するようにしたので、
装置全体がコンパクトになり、また、測定手段は伝達シ
ャフトの高さ位置を検知するのみでコッターの装着状態
を検査できることになり、作業性が向上する。
【0025】請求項7に記載の発明では、前記測定手段
が、第2駆動部のピストンから突出されたスリーブの高
さ位置を測定するようにしたので、コッターの装着状態
の概略が極めて容易に検査できる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、添付した図面を参照して、
本発明の実施の形態を説明する。
【0027】図1は本発明に係る実施形態を示す縦断面
図である。以下、図12に示す部材と共通する部材には
同一符号を使用する。
【0028】図1において、本実施形態に係るコッター
の組立検査装置は、大別すれば、2分割されたコッター
6をリテーナ3とバルブステム2との間に嵌め込むコッ
ター取付け手段10と、嵌め込んだ後のコッター6の状
態をチェックするコッター検査手段40とを有してい
る。
【0029】更に個々の手段を詳述する。前記コッター
取付け手段10は、リテーナ押圧用のヘッド部13、該
ヘッド部13内に設けられたコッター加圧部20、前記
ヘッド部13を駆動する第1駆動部D1、及び前記コッ
ター加圧部20を駆動する第2駆動部D2を有してい
る。
【0030】第1駆動部D1は、駆動源であるエアーシ
リンダC1と、このエアーシリンダC 1により支柱11に
沿って上下に昇降する断面L字状のスライドプレート1
2とを有している。
【0031】このスライドプレート12による前記ヘッ
ド部13の支持は、フローティング支持構造となってい
る。フローティング支持構造とは、ヘッド部13がスラ
イドプレート12と固く連結されず、自由に昇降するよ
うに支持されていることをいい、具体的には、スライド
プレート12に固着されたボスプレート14よりボルト
などの支持軸15を垂下し、これをリテーナ押圧用のヘ
ッド部13の上部ヘッド部材16に開設された通孔O1
に挿通し、支持軸15の頭部15aによりリテーナ押圧
用のヘッド部13を支持する構成となっている。
【0032】このように第1駆動部D1とヘッド部13
をフローティング支持の連結構造とすれば、第1駆動部
1がヘッド部13を下降するとき、当該ヘッド部13が
リテーナ3に当接すると第1駆動部D1の駆動力が一時
的にヘッド部13に伝達されず、第1駆動部D1がヘッ
ド部13を上昇するとき、ヘッド部13がリテーナ3上
に一時的に残されたまま所定距離第1駆動部D1のみが
上昇することになり、コッター6の装着と装着状態のチ
ェックを行う場合に、装着作業とチェック作業が互に影
響し合うことなく、独立に行うことができ、利便性が向
上し、チェックも正確にできる。
【0033】前記コッター取付け手段10は、バルブス
プリング4の弾撥力に抗してリテーナ3を押し下げるヘ
ッド部13と、リテーナ3の下降時にコッター6を、リ
テーナ3とバルブステム2との間に嵌め込むコッター加
圧部20とを有している。
【0034】前記ヘッド部13は、上部ヘッド部材16
と下部ヘッド部材17とから構成されているが、この下
部ヘッド部材17は、下端にリテーナ3を保持する凹部
18が形成され、頂部が前記上部ヘッド部材16にねじ
込み結合あるいはボルト連結されている。
【0035】このヘッド部13は、上部ヘッド部材16
の上端から下部ヘッド部材17の下端までヘッド部13
の軸線に沿って貫通孔19が形成されているが、この貫
通孔19は、上部が大径貫通孔19a、下部が小径貫通
孔19bとされている。
【0036】この大径貫通孔19a内には、第2駆動部
2が設けられ、小径貫通孔19b内には、後に詳述す
るコッター加圧部20及び測定子41等が摺動可能に設
けられている。
【0037】前記第2駆動部D2は、主としてコッター
加圧部20を作動させるもので、空気圧作動のピストン
21と、このピストン21を大径貫通孔19a内で軸方
向に作動するための空気圧を吸排する配管22とから構
成されている。
【0038】図2は図1の要部を示す分解斜視図、図3
は図1の3−3線に沿う拡大断面図である。
【0039】図2において、コッター加圧部20は、ピ
ストン21と螺合されるねじ部24と、前記大径貫通孔
19aの内周面に沿って摺動し得るように設けられたフ
ランジ部25と、このフランジ部25から軸方向に伸延
された円筒部26と、この円筒部26と一体でかつ軸方
向に伸延し、相互がT字状スロット27を介して環状に
配置された3本のコッター押え片28とから構成され、
これらコッター押え片28の下端は、全て同一の軸直角
平面上に位置している。
【0040】なお、このコッター押え片28の本数は、
後述の測定子41の本数にも関係するが、前記3本のみ
でなく更に多数であってもよい。
【0041】前記コッター押え片28の各T字状スロッ
ト27内には、コッター検査手段40が設けられてい
る。コッター検査手段40は、各コッター6に当接して
上下変位する測定子41と、この測定子41の状態を外
部に伝達する伝達部材51と、この伝達部材51の上端
位置を測定する測定手段60(図1参照)とを有してい
る。
【0042】測定子41は、組付けられた後のコッター
6の組付け状態をチェックするものであり、前記コッタ
ー押え片28の各T字状スロット27内に、当該コッタ
ー押え片28と外側面が面一でかつ軸方向に移動可能で
ある。
【0043】各測定子41は、頭部42とコッター当接
部43とから構成されているが、頭部42は、軸方向長
さL1が前記T字状スロット27の頭部27aの軸方向
長さL2より短くなるように構成され、これによりスロ
ット27内で軸方向に移動可能とされている。
【0044】特に、本実施形態では、各測定子41は、
頭部42の端面がT字状スロット27の頭部27aの上
端に当接したとき、つまり最上位に位置したとき、下端
が、コッター押え片28の下端と同一軸直角平面上に隙
間なく環状に位置している。
【0045】これにより当該コッター押え片28と測定
子41が、図3に示すように、円環状のコッター押えを
構成し、両者共同して2つのコッター6を円滑にかつ確
実に加圧し、リテーナ3に押し込むことができる。
【0046】なお、コッター押え片28と測定子41と
は、相互間に隙間が存在しないことが好ましいが、押し
込み作業に影響しない程度であれば、多少の隙間は存在
していてもよい。
【0047】また、3つの測定子41が相互に独立して
軸方向のみに移動するように、径方向の移動が規制され
ている。この径方向移動における内方側への移動は、測
定子41の上部に内装された円筒規制体44と、下部に
内装されたコッターガイド45端部の大径端部46とに
より規制され、また外方側への移動は、下部ヘッド部材
17の小径貫通孔19b内周面により規制されることに
なる。
【0048】また、前記円筒規制体44の位置を測定子
41の上部に、コッターガイド45の大径端部46の位
置を測定子41の下部に位置させるためのばね47が円
筒規制体44と大径端部46との間に介装されている。
【0049】さらに、コッター押え片28の下部には、
半径方向内方に突起48が突出され、ここに大径端部4
6が係合し、コッターガイド45の突出規制と脱落を防
止している。これによりコッターガイド45は下方に向
かって突出し、測定子41はコッター押え片28内で上
方に向かって付勢され、前記測定子41の軸方向移動を
より確実に規制することになる。
【0050】なお、前記コッターガイド45は、シャフ
ト49の下端にコッター6をガイドする截頭円錐台状の
ガイド部材50が設けられているが、このガイド部材5
0は、円筒状としてもよい。
【0051】前記伝達部材51は、伝達シャフト52
と、前記測定子41の上端に載置された鋼球Bとから構
成されている。伝達シャフト52は、前記ピストン21
の上端に一体的に形成されたスリーブ23と、当該ピス
トン21内に形成された中心孔O2を通って設けられて
いるが、上端はスリーブ23の外部まで突出され、下端
は鋼球B上に自重で常接している。
【0052】前記鋼球Bは、測定子41の端部において
各測定子41の変位状態を確実に伝達部材51に伝達す
るためのもので、測定子41の各頭部42の端面42a
が全体として略擂鉢状の凹部に形成され、コッター6の
装着状態が正常な場合はこの凹部の中央に位置してい
る。
【0053】これにより測定子41の変位状態は、鋼球
Bを介して伝達シャフト52の上下変位として伝達さ
れ、この伝達シャフト52の上下位置を測定手段60で
測定すれば、コッター6の装着状態の良否がチェックで
きる。
【0054】例えば、コッター6の1つが装着不良であ
れば、当該コッター6に当接している測定子41と、他
の測定子41の高さ位置が相違するので、これにより鋼
球Bは正常な状態よりずれ、この位置ずれが前記伝達シ
ャフト52に伝わり、この伝達シャフト52の上端Pの
位置を測定手段60により測定すれば、コッター6の装
着異常が分かる。
【0055】前記測定手段60は、下端が前記上部ヘッ
ド部材16の側部に固着され、上端が水平板とされたブ
ラケット62と、このブラケット62の上部に載置され
た測定機器63と、前記ブラケット62に取付けられた
アクチュエータ64と、このアクチュエータ64により
上下動される可動板65とを有している。
【0056】なお、可動板65は、測定機器63の突出
部材66と連結され、伝達シャフト52に当接した時の
上下位置が測定機器63により測定される。
【0057】次に、本実施形態の作用を図4〜7により
説明する。 《コッターの仮置き》図4はコッター仮置き状態を示す
断面図である。コッターの組立検査装置は、第1駆動部
1によりスライドプレート12を上昇位置とし、ヘッ
ド部13も第2駆動部D2によって上昇した待機状態と
する。
【0058】ヘッド部13は、スライドプレート12よ
り垂下した状態となり、測定子41は、ばね47により
コッター加圧部20内でスロット27の上端に当接した
状態、測定子41とコッター加圧部20の端面は、平坦
で相互間に隙間のない環状状態となる。なお、ガイド部
材50は、ばね47により弾撥されて突起48に当接し
た状態である。
【0059】一方、バルブV側は、予めシリンダヘッド
1から突出した状態としたバルブステム2に、図4に示
すように、バルブスプリング4を装着し、このバルブス
プリング4上にリテーナ3を仮置きし、このリテーナ3
の中心孔3aに2つのコッター6をセットする。 《コッター加圧開始》このようにコッター6を仮置き設
置した後、シリンダヘッド1を所定の姿勢に固定し、コ
ッター6の加圧を開始する。
【0060】図5はコッター加圧開始直前状態を示す断
面図である。まず、図5の矢印で示すように、第1駆動
部D1によりスライドプレート12を下降させると、ヘ
ッド部13は、スライドプレート12とともに下降し、
突起48に当接した状態のコッターガイド45がバルブ
ステム2の頂端に当接する。
【0061】第1駆動部D1をさらに駆動し、スライド
プレート12を下降すると、下部ヘッド部材17の凹部
18がリテ―ナ3の上面に接触し、バルブスプリング4
のばね力に抗してリテ―ナ3を押し下げる。これにより
コッター6は、リテ―ナ3より突出したコッター加圧開
始状態となる。 《コッターの加圧》図6はコッター加圧状態を示す断面
図である。前記コッターの加圧開始状態からさらにスラ
イドプレート12を下降させると、図6に示すように、
下部ヘッド部材17がバルブスプリング4の反力に抗し
てリテ―ナ3を所定のコッター組付位置まで押し下げ
る。
【0062】リテーナ3の下降によりコッター6は、下
降してきたコッターガイド45のガイド部材50により
バルブステム2の外径程度に押し広げられ、ガイド部材
50、バルブステム2の外周面及び下部ヘッド部材17
の凹部18にガイドされて正しい姿勢を保ちながらリテ
―ナ3の下降に伴って自重で下降する。
【0063】リテーナ3が所定位置まで押し下げられた
後、第2駆動部D2によりコッター加圧部20を下降す
ると、コッター押え片28も下降し、測定子41ととも
に2つのコッター6を同時に加圧し、当該コッター6の
凸部6aがバルブVの溝部7に嵌合するまでコッター6
を押込む。
【0064】本実施形態では、この時点のコッター押え
片28と測定子41とは、ばね47により円筒規制体4
4及び頭部46が弾撥され、コッター加圧部20内で軸
方向所定位置に保持されているので、両者略一体化さ
れ、下端面形状が環状に保たれる。したがって、このコ
ッター加圧部20によりコッター6を加圧することがで
き、2つ割りコッター6でも姿勢を崩すことなく、加圧
できる。 《コッター取付け完了》図7はコッター加圧後の戻し状
態を示す断面図である。コッターの加圧が完了すると、
図7の矢印で示すように、第1駆動部D1を前述の方向
とは逆方向に駆動し、スライドプレート12を上昇させ
る。この上昇により下部ヘッド部材17は直ちに上昇
し、バルブスプリング4のばね力によってリテ―ナ3と
共にヘッド部13も上昇する。この場合、ガイド部材5
0は、ばね47のばね力によってバルブステム2の頂端
との当接を維持する。
【0065】したがって、リテ―ナ3の上昇に伴いリテ
ーナ中心孔3aのテーパ状内周面にコッター6のテーパ
面6bが当接し、バルブステム2の溝部7とコッター6
の凸部6aがきっちりと嵌合し、コッター6がバルブV
に組付けられる。
【0066】そして、さらに第1駆動部D1や第2駆動
部D2を駆動すると、下部ヘッド部材17及びガイド部
材50がバルブステム2から離間し元の状態になる。 《組付け状態のチェック》次に、コッター6の組付け状
態をチェックする。チェックは、基本的には図4に示す
状態である元の状態まで第1及び第2駆動部D1,D2
戻した状態で行う。ただし、場合によっては第2駆動部
2を戻さなくてもよい。つまり、一度でコッター6を
所定位置まで押し込むことができない場合は、コッター
加圧部20を駆動する第2駆動部D2のスリーブ23の
上端高さを検知する。これによりコッターの装着状態の
詳細は検査できなくても、その概略は分かるので、この
時点で再度コッター6を押込む動作を行い、これにより
不良品の発生を未然に防止できる。
【0067】図8は同実施形態の組付けチェック直前状
態を示す断面図である。基本的なチェックは、まず、第
1駆動部D1を動作し、スライドプレート12を所定のチ
ェック位置まで下降する。この時、コッター加圧部20
は、第2駆動部D2の作動によって下降限とする。な
お、この時点の測定子41とコッター加圧部20は、測
定子41がばね47により上方に押し上げられ、端面が
平坦な環状をした状態である。
【0068】この状態から前記第1駆動部D1を作動し、
スライドプレート12を下降させると、図8に示すよう
に、スライドプレート12の下降中に下部ヘッド部材1
7がリテーナ3上面に接触する。前述したようにヘッド
部13とスライドプレート12とはフローティング構造
であるため、下部ヘッド部材17は、スライドプレート
12とは独立に作動し、リテ―ナ3上面に載っている状
態となる。
【0069】この時点では、コッター加圧部20とコッ
ター6の間には隙間が存在しており、コッター加圧部2
0に収まっている測定子41もまだコッター6と接触し
ていない。
【0070】ここで、測定手段60を作動する。まず、
アクチュエータ64を作動し、可動板65を介して伝達
シャフト52をばね47の反カに抗して下方に押込む。
この伝達シャフト52は、鋼球Bを介して測定子41を
下降させ、測定子41がコッター加圧部20より下方に
移動し、コッター6上面に接触する。
【0071】この測定子41とコッター6の上面が接触
した時点において、測定機器63を作動し、コッター6
の上面6aから伝達シャフト52の上端位置Pまでの高
さHを測定する。この高さHが所定値であれば、コッタ
ー6は正常に取付けられていることになる。 《チェック例1》図9〜11は異常コッターのチェック
状態を示す断面図であり、図9は一方が欠けたコッター
のチェック状態を示している。図9に示すように、コッ
ター6の一方が欠けるかあるいは正規の位置に存在しな
い場合には、測定手段60の作動により伝達シャフト5
2を介して測定子41を下降させても、3つある測定子
41のいずれか1つがコッター6に接しないことになる
ので、伝達シャフト52の下方への押し込み時に鋼球B
の位置が、中心以外の位置にずれることになる。この結
果、測定手段60により測定される伝達シャフト52の
高さは、正規な高さHより小さくなり、異常が分かる。 《チェック例2》図10は一方が浮いたコッターのチェ
ック状態を示している。図10に示すように、コッター
6の一方が浮いた状態の場合には、鋼球Bが3つある測
定子41のいずれか1つの端面42aにより斜め上方に
押し上げられることになり、正規の中心位置からずれる
ことになる。この結果、測定手段60により測定される
伝達シャフト52の高さは、正規な高さHより大きくな
り、異常が分かる。 《チェック例3》図11は、コッターとリテーナの相対
的位置が正常であるが、コッターの取付位置が異常な場
合のチェック状態であり、(A)図はコッターが正常な
状態を、(B)図はコッターが異常な状態を示してい
る。
【0072】図11(B)に示すように、両コッター6
がリテーナ3に正常に嵌合されているにも拘わらず、正
常な状態の図11(A)に示すものに比し両コッター6
がバルブステム2の環状溝部7に対しずれた取付位置、
つまり、「h」だけ上方にずれた取付位置にある場合に
は、前記測定子41のみによる測定では、前記ずれ量h
は、ボスプレート14の下面と上部ヘッド部材16の上
面との間の隙間により吸収されることもあり、測定子4
1は、必ずしも両コッター6が異常であることを示すと
は限らない。
【0073】このため、本実施形態の測定手段60は、
図11(B)に示すように、前記上部ヘッド部材16の
側面より例えば、近接スイッチ等の検知部材67を垂下
し、この検知部材67により支持軸15の頭部15aの
位置、つまりスライドプレート12に対する上部ヘッド
部材16の位置が所定の距離が正常か否かを検知するよ
うにしている。
【0074】このようにすれば、検知部材67からの情
報により、伝達シャフト52の高さが正規な高さHであ
るか否かが分かるので、個々の測定子41のみでなく測
定子41全体も正常な位置であるか否かもチェックで
き、測定手段60によるコッター6の判別がより正確な
ものとなる。
【0075】このように本実施形態によれば、コッター
6を組付けた直後に、この組付を行った装置を用いて組
付状態をチェックするので、作業スペース、コスト的に
も有利となる。また、このチェックも、コッター6の組
付異常を伝達シャフト52の高さに変換して直接検知す
るかあるいはこれに上部ヘッド部材16の位置情報まで
も加味して行うので、コッター6の組付異常が極めて容
易に判断でき、しかもこれを直ちにフィードバックでき
るので、異常の修正が速やかで、不良品の発生を未然に
防止できる。
【0076】特に、コッター加圧部20と測定子41
は、組立時には両者共同して円環状となり、これにより
コッターの組み付けを円滑で確実なものとし、チェック
時には、3つの測定子41がコッター加圧部20より突
出してコッターの組付状態をチェックするので、コッタ
ー加圧部20及び測定子41の周囲の装置構成は、極め
て簡素で、コッターの嵌め込み作業自体に悪影響を及ぼ
すこともない。
【0077】本発明は、上述した実施形態のみに限定さ
れるものではなく、特許請求の範囲内で種々改変使用す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る実施形態を示す縦断面図であ
る。
【図2】 図1の要部を示す分解斜視図である。
【図3】 図1の3−3線に沿う拡大断面図である。
【図4】 前記実施形態のコッター仮置き状態を示す縦
断面図である。
【図5】 コッター加圧事前状態を示す縦断面図であ
る。
【図6】 コッター加圧状態を示す縦断面図である。
【図7】 コッター加圧後の戻し状態を示す縦断面図で
ある。
【図8】 組付けチェックの直前状態を示す断面図であ
る。
【図9】 一方が欠けた異常コッターのチェック状態を
示す断面図である。
【図10】 一方が浮いた異常コッターのチェック状態
を示す断面図である。
【図11】 取付位置が異常であるコッターのチェック
状態を示す断面図である。
【図12】 一般的なバルブを示す縦断面図である。
【符号の説明】
2…バルブステム、 3…リテーナ、 3a…リテーナの中心孔、 4…バルブスプリング、 6…コッター、 7…環状溝部、 10…コッター取付け手段、 13…ヘッド部、 19…ヘッド部の貫通孔、 20…コッター加圧部、 21…ピストン、 23…スリーブ、 28…コッター押え片、 40…コッター検査手段、 41…測定子、 45…コッターガイド、 50…ガイド部材、 52…伝達シャフト、 60…測定手段、 67…近接スイッチ(検知部材)、 B…鋼球、 D1…第1駆動部、 D2…第2駆動部。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バルブスプリングにより弾撥されたリテ
    ーナ上に2分割のバルブコッターを載置し、当該バルブ
    コッターをリテーナの中心孔とバルブステムに形成され
    た環状溝部との間に嵌め込むバルブコッター組立装置に
    おいて、 前記バルブスプリングの弾撥力に抗して前記リテーナを
    押し下げるリテーナ押圧用のヘッド部、該ヘッド部の貫
    通孔内で軸方向に移動し得るように設けられ端部が複数
    分岐されたコッター押え片を有するコッター加圧部、前
    記ヘッド部を駆動する第1駆動部、及び前記コッター加
    圧部を駆動する第2駆動部を有するバルブコッター取付
    け手段と、 前記コッター押え片相互間に位置するように設けられ前
    記バルブコッター取付け手段により取付けられた各バル
    ブコッターに当接して上下変位する複数の測定子、及び
    当該測定子の上下位置を測定する測定手段を有するバル
    ブコッター検査手段と、を備えていることを特徴とする
    バルブコッターの組立検査装置。
  2. 【請求項2】 前記第1駆動部とヘッド部との連結は、
    前記第1駆動部がヘッド部を下降するとき、当該ヘッド
    部が前記リテーナに当接すると第1駆動部の駆動力がヘ
    ッド部に一時的に伝達されず、前記第1駆動部がヘッド
    部を上昇するとき、当該ヘッド部がリテーナ上に一時的
    に残されたまま所定距離第1駆動部のみが上昇するよう
    なフローティング支持構造としたことを特徴とする請求
    項1に記載のバルブコッターの組立検査装置。
  3. 【請求項3】 前記測定手段は、前記フローティング支
    持構造とされた前記第1駆動部とヘッド部との間の離間
    状態を検知する検知部材を有することを特徴とする請求
    項2に記載のバルブコッターの組立検査装置。
  4. 【請求項4】 前記コッター押え片と測定子は、両者共
    同して前記バルブコッターを環状溝部に嵌め込むよう
    に、当該嵌め込み時に両者の端部が同一軸直角平面上で
    環状に位置するように構成したことを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載のバルブコッターの組立検査装
    置。
  5. 【請求項5】 前記測定子は、前記コッター押え片と共
    同して前記バルブコッターを環状溝部に嵌め込んだ後、
    当該バルブコッターの装着状態をチェックするように前
    記コッター押え片より突出し該バルブコッターの端面と
    当接するようにしたことを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれかに記載のバルブコッターの組立検査装置。
  6. 【請求項6】 前記バルブコッター検査手段は、上端が
    前記コッター押え片内に設けられ下端が前記バルブコッ
    ターをリテーナに嵌め込み易い姿勢とするガイド部材を
    備えたコッターガイドと、常時は当該コッターガイドと
    同軸上に位置し、前記複数の測定子の内、少なくとも1
    つが他の測定子と高さ位置が相違するとき位置変位する
    ように前記測定子の端面上に載置された鋼球と、前記鋼
    球上に載置された伝達シャフトとを有し、前記測定手段
    が当該伝達シャフトの上端位置を測定した値により前記
    バルブコッターの装着状態を検査するようにしたことを
    特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のバルブコッ
    ターの組立検査装置。
  7. 【請求項7】 前記測定手段は、前記ヘッド部内の貫通
    孔内に設けられた前記第2駆動部のピストンと連結ある
    いは一体に設けられたスリーブの高さ位置を測定するこ
    とにより前記バルブコッターの装着状態を検査するよう
    にしたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載
    のバルブコッターの組立検査装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011189426A (ja) * 2010-03-12 2011-09-29 Honda Motor Co Ltd バルブコッター嵌込方法
CN104400427A (zh) * 2014-12-01 2015-03-11 西北工业大学 基于成组技术的装配台
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WO2023004978A1 (zh) * 2021-07-29 2023-02-02 深圳市皓宇诚汽车电子有限公司 一种乳液泵阀片安装装置

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