JP2002083886A - 不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法 - Google Patents

不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法

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JP2002083886A JP2001150649A JP2001150649A JP2002083886A JP 2002083886 A JP2002083886 A JP 2002083886A JP 2001150649 A JP2001150649 A JP 2001150649A JP 2001150649 A JP2001150649 A JP 2001150649A JP 2002083886 A JP2002083886 A JP 2002083886A
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Seiki Ogura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スプリットゲート型の不揮発性半導体記憶装
置のメモリセルを確実に形成できると共に、該メモリセ
ルをMOSトランジスタと同一の半導体基板上に形成す
る際に、本発明のメモリセルがMOSトランジスタの動
作特性に影響を与えないようにする。 【解決手段】 シリコンからなる半導体基板11上に、
ゲート酸化膜12を介して多結晶シリコンからなる制御
ゲート電極13が形成されている。制御ゲート電極13
の両側面上には、膜厚がそれぞれ7nm程度のシリコン
酸化膜及びシリコン窒化膜の積層体が堆積されてなり、
浮遊ゲート電極15が形成される際に制御ゲート電極1
3を保護する保護絶縁膜14が形成されている。制御ゲ
ート電極13の一方の側面上には、保護絶縁膜14を介
して対向し且つ制御ゲート電極13と容量結合する浮遊
ゲート電極15が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不揮発性半導体記
憶装置とその製造方法に関し、特に、記憶素子と該記憶
素子と入出力等を行なう周辺回路とを同一の半導体基板
上に形成する不揮発性半導体記憶装置の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、フラッシュ型EEPROM(Flas
h Electrically Erasable Programmable ROM)装置(以
下、FEEPROM装置と略称する。)は、電気的な書
き込み及び消去が可能な不揮発性半導体記憶装置として
電子機器に広く用いられている。不揮発性半導体記憶装
置におけるメモリセルの構造は、大きく2種類に分ける
ことができる。第1は、半導体基板上に浮遊ゲート電極
と制御ゲート電極とが順次積層された電極構造を持つス
タックゲート型であり、第2は、浮遊ゲート電極と制御
ゲート電極とが共に半導体基板のチャネル領域と対向す
る電極構造を持つスプリットゲート型である。
【0003】スプリットゲート型の場合は、浮遊ゲート
電極と制御ゲート電極とが基板上に隣接して配置される
ため、メモリセルのサイズがスタックゲート型の場合よ
りも大きくなる。その上、互いに隣接する浮遊ゲート電
極と制御ゲート電極とを形成するにはそれぞれ独立した
リソグラフィ工程を行なうため、浮遊ゲート電極パター
ンと制御ゲート電極パターンとのそれぞれにマスクの位
置合わせに必要なマージンが必要となる。このマージン
によってもメモリセルのサイズが一層大型化する傾向に
ある。
【0004】この問題を解決するため、スプリットゲー
ト型の浮遊ゲート電極を自己整合的に形成する方法が提
案されている。以下、図58を参照しながら、浮遊ゲー
ト電極を自己整合的に形成できる従来のスプリットゲー
ト型FEEPROM装置の製造方法を説明する。
【0005】図58は従来のスプリットゲート型のFE
EPROM装置の工程順の断面構成を示している。
【0006】まず、図58(a)に示すように、シリコ
ンからなる半導体基板201上に絶縁膜202を形成し
た後、該絶縁膜202上に制御ゲート電極203を選択
的に形成する。
【0007】次に、図58(b)に示すように、半導体
基板201上のドレイン形成領域が開口した第1のマス
クパターン251及びゲート電極203をマスクとし
て、ウェットエッチングによりドレイン形成領域上の絶
縁膜202を除去し、その後、比較的に低ドーズ量のホ
ウ素(B)イオンを半導体基板201に注入して、ドレ
イン形成領域に低濃度p型領域204を形成する次に、
図58(c)に示すように、半導体基板201上の全面
に、膜厚が100nm程度のホウ素(B)及びリン
(P)が添加された酸化シリコン(BPSG(Boron Ph
osphorus Silicate Glass))膜を堆積し、堆積したBP
SG膜に対して異方性エッチングによりエッチバックを
行なって、制御ゲート電極203の両側面上にBPSG
膜からなるサイドウォール205を形成する。
【0008】次に、図58(d)に示すように、半導体
基板201上のドレイン形成領域が開口した第2のマス
クパターン252、ゲート電極203及びサイドウォー
ル205をマスクとして、半導体基板201に対してド
ライエッチングを行なって、半導体基板201における
サイドウォール205の下側を上段とし、ドレイン形成
領域を下段とする段差部を持つ凹部201aを形成す
る。
【0009】次に、図58(e)に示すように、第2の
マスクパターン252、ゲート電極203及びサイドウ
ォール205をマスクとして、比較的に低ドーズ量のヒ
素(As)イオンを半導体基板201に注入して、ドレ
イン形成領域に低濃度n型領域であるLDD領域206
を形成する。
【0010】次に、図58(f)に示すように、気相フ
ッ酸を用いてサイドウォール205を除去した後、半導
体基板201に対して酸素雰囲気で850℃程度の熱酸
化を行なうことにより、半導体基板201上にゲート電
極203を含む全面にわたって膜厚が約9nmの熱酸化
膜207を形成する。このとき、熱酸化膜207におけ
るドレイン形成領域上の部分は、浮遊ゲート電極のトン
ネル酸化膜となる。
【0011】次に、半導体基板201上の全面にリン
(P)が添加された多結晶シリコン膜を堆積し、エッチ
バックにより制御ゲート電極203の両側面に多結晶シ
リコン膜からなるサイドウォールを形成する。その後、
図58(g)に示すように、ソース形成領域側のサイド
ウォールを除去し、さらに、半導体基板201のドレイ
ン形成領域側にメモリセルごとに分割することにより、
多結晶シリコン膜からなる浮遊ゲート電極208を形成
する。
【0012】次に、図58(h)に示すように、ゲート
電極203及び浮遊ゲート電極208をマスクとして、
半導体基板201に高濃度のヒ素(As)イオンを注入
することにより、ソース形成領域にソース領域209を
形成し、ドレイン形成領域にドレイン領域210を形成
して、FEEPROM装置のメモリセルが完成する。
【0013】このように、容量絶縁膜となる熱酸化膜2
07を介して制御ゲート電極203と対向する浮遊ゲー
ト電極208は、制御ゲート電極203に対して自己整
合的に形成されるため、ゲート電極203を形成するた
めのリソグラフィ工程が一回で済む上に、リソグラフィ
工程時における制御ゲート電極203及び浮遊ゲート電
極208同士の互いの位置合わせによるずれが生じな
い。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のFEEPROM装置の製造方法において、図58
(g)に示す浮遊ゲート電極208は多結晶シリコンか
らなり、熱酸化膜207は酸化シリコンからなり、さら
に熱酸化膜207に覆われている制御ゲート電極203
は一般に多結晶シリコンからなる場合が多い。従って、
エッチングによって浮遊ゲート電極208を形成する際
に、浮遊ゲート電極208を選択的に形成するには、エ
ッチング速度を高精度に制御しなければ、浮遊ゲート電
極208と同一の材料からなる制御ゲート電極203に
までダメージを与えてしまうという問題がある。
【0015】また、図58(f)において、制御ゲート
電極203と浮遊ゲート電極208と間で容量絶縁膜と
なり、浮遊ゲート電極208と半導体基板201との間
でトンネル絶縁膜となる熱酸化膜207を同一の工程で
形成しているが、トンネル絶縁膜を容量絶縁膜よりも後
に形成するような場合には、制御ゲート電極203の容
量絶縁膜との界面が酸化されたり、該界面にバーズビー
クが発生したりして、容量絶縁膜の膜厚が部分的に大き
くなり、該容量絶縁膜に所定の容量値を得られなくなる
という問題も生じる。
【0016】ところで、スピリットゲート型FEEPR
OM装置又はスタックゲート型FEEPROM装置にお
いて、メモリセルだけでなく、他の素子、特にソース領
域から注入されたキャリアを絶縁膜を介したゲート電極
により制御する能動素子、例えばMOSトランジスタを
1つの半導体基板上に形成する場合には、FEEPRO
M装置における制御ゲート電極とMOSトランジスタの
ゲート電極とを同時に形成するのが一般的である。
【0017】しかしながら、メモリセルの制御ゲート電
極と、例えばメモリセルを制御する周辺回路等に含まれ
るMOSトランジスタのゲート電極とを同時に形成する
従来の製造方法は、製造工程を簡略化できる点で望まし
いが、FEEPROM装置のメモリセルはスピリットゲ
ート型又はスタックゲート型に限らず、MOSトランジ
スタと比べて素子のサイズが大きくなる。このような場
合に、メモリセルとMOSトランジスタとを同時に形成
したのでは、メモリセル及びMOSトランジスタのそれ
ぞれの素子を共に最適な構造とすることができない。例
えば、メモリセル及びMOSトランジスタの拡散領域に
それぞれLDD(Lightly Doped Drain)構造を設けるよ
うな場合には、不純物拡散の濃度等がそれぞれ異なるた
め、両素子を同時に形成して共に最適な構造を得るのは
困難であるという問題がある。
【0018】従って、既存のMOSトランジスタのみで
構成される半導体装置の製造方法が確立している場合
に、この既存のMOSトランジスタを含む半導体装置と
図58に示したようなFEEPROM装置のメモリセル
とを同一の半導体基板上に形成することは容易ではな
い。
【0019】また、図58に示す構成と異なる他のメモ
リセルとMOSトランジスタとを同一の半導体基板上に
形成する半導体装置の製造方法が確立している場合に、
他のメモリセルを図58に示すメモリセルと置換して形
成することも容易ではない。特に、FEEPROM装置
のメモリセルの製造工程がMOSトランジスタの製造に
悪影響を及ぼしてしまうからである。
【0020】ところで、図58に示したスプリットゲー
ト型FEEPROM装置の製造方法は、半導体基板20
1上に制御ゲート電極203を形成した後に浮遊ゲート
電極208を形成するため、浮遊ゲート電極208を制
御ゲート電極203に対して自己整合的に形成できるの
で、メモリセルのサイズを小型化することができる。
【0021】このようなメモリセルとMOSトランジス
タとを同一の半導体基板上に形成する製造方法として
は、以下のような工程が考えられる。
【0022】まず、図58(a)に示した制御ゲート電
極203の形成時に、半導体基板201上の他の領域に
形成されるMOSトランジスタのゲート電極をも同時に
パターニングする。
【0023】次に、図58(b)〜図58(g)におい
ては、メモリセル製造工程を行なう。このとき、LDD
領域206の注入条件とMOSトランジスタのLDD領
域の注入条件が一致する場合には、MOSトランジスタ
のLDD領域の注入をも同時に行なう。
【0024】次に、図58(h)において、メモリセル
のソース領域209及びドレイン領域210の形成時
に、MOSトランジスタのソース領域及びドレイン領域
をも同時に形成する。
【0025】この後、通常の製造プロセスに従って、半
導体基板201上に所定の層間絶縁膜及び多層配線を形
成することにより、メモリセルとMOSトランジスタと
を同一の半導体基板201上に形成した半導体装置を実
現できる。
【0026】ところが、このような製造方法では、前述
した問題に加え、図58(f)に示す熱酸化膜207の
形成工程において、半導体基板201と浮遊ゲート電極
208との間でトンネル酸化膜となる熱酸化膜207が
MOSトランジスタのゲート電極の上面及び側面にも形
成されてしまうため、該熱酸化膜207におけるゲート
電極を覆う部分を除去する必要が生じる。
【0027】ここで、MOSトランジスタのゲート電極
は一般に多結晶シリコンからなり、ゲート酸化膜及びM
OSトランジスタのソース領域及びドレイン領域を保護
している膜はシリコン酸化膜である。従って、熱酸化膜
207を多結晶シリコンからなるゲート電極から選択的
に除去するには、MOSトランジスタに対してもエッチ
ング速度を高精度に制御しなければならず、それだけ半
導体装置の製造に困難さが増すことになる。
【0028】例えば、フッ酸を用いたウェットエッチン
グにより、MOSトランジスタのゲート電極の熱酸化膜
207を除去すると、メモリセル部における制御ゲート
電極203の上面及び側面を覆う熱酸化膜207もエッ
チングされてしまい、さらには、制御ゲート電極203
に対してもエッチングが進行することによって、制御ゲ
ート電極203の性能が劣化する虞がある。
【0029】その上、熱酸化膜207が除去された後、
前工程で形成したMOSトランジスタのLDD領域やチ
ャネル領域に対してもエッチングが進行する虞がある。
これにより、例えば、チャネル領域の接合深さが浅くな
ってチャネル領域の抵抗が増加し、その結果、ソースド
レイン間の電流量が少なくなるため、MOSトランジス
タの駆動能力が低下する原因にもなる。
【0030】また、従来のメモリセルとMOSトランジ
スタとが同一の半導体基板上に形成された半導体装置の
うち、メモリセル部のみを図58に示すスプリットゲー
ト型のメモリセルとする場合に、MOSトランジスタが
従来にはない熱履歴の影響を受けることになり、半導体
装置全体について設計変更を行なう必要が生じる。例え
ば、LDD領域206を形成した後に熱酸化膜207を
形成するため、MOSトランジスタのLDD領域の注入
プロファイルが変化することにより、MOSトランジス
タの動作特性が変化してしまうため、LDD領域のイオ
ン注入量等のプロセス条件を変更する必要が生じる。
【0031】本発明は前記の問題に鑑み、スプリットゲ
ート型の不揮発性半導体記憶装置のメモリセルを確実に
形成できるようにすることを第1の目的とし、既存のメ
モリセルとMOSトランジスタとを同一の半導体基板上
に形成する半導体記憶装置の製造工程を利用しながら、
既存のメモリセルを本発明のメモリセルに容易に置き換
えられると共に、本発明のメモリセルがMOSトランジ
スタの動作特性に影響を与えないようにすることを第2
の目的とする。
【0032】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的を達成す
るため、本発明は、メモリセルを、制御ゲート電極の側
面に設けられ且つ該制御ゲート電極をエッチングから保
護する保護絶縁膜を有する構成とする。
【0033】また、前記第2の目的を達成するため、本
発明は、不揮発性半導体記憶装置の製造方法を、最初に
第1の目的を達成する本発明のメモリセルを形成し、そ
の後トランジスタを形成することにより、メモリセルの
形成工程がトランジスタの動作特性に影響を与えないよ
うにする。
【0034】具体的に、前記第1の目的を達成する本発
明の第1の不揮発性半導体記憶装置は、半導体基板上に
互いの側面を対向させるように設けられた制御ゲート電
極及び浮遊ゲート電極を有する不揮発性半導体記憶装置
を前提とし、半導体基板上に形成されたゲート絶縁膜
と、ゲート絶縁膜上に形成された制御ゲート電極と、制
御ゲート電極の両側面上に堆積されてなり、浮遊ゲート
電極が形成される際に制御ゲート電極を保護する保護絶
縁膜と、制御ゲート電極の一方の側面と保護絶縁膜を介
して対向し、制御ゲート電極と容量結合する浮遊ゲート
電極と、浮遊ゲート電極と半導体基板との間に形成され
たトンネル絶縁膜と、半導体基板における浮遊ゲート電
極の下側を含む領域に形成されたドレイン領域と、半導
体基板における制御ゲート電極に対してドレイン領域と
反対側の領域に形成されたソース領域とを備えている。
【0035】第1の不揮発性半導体記憶装置によると、
制御ゲート電極の両側面上に堆積されてなり、浮遊ゲー
ト電極が形成される際に制御ゲート電極を保護する保護
絶縁膜を有しているため、浮遊ゲート電極のエッチング
等による形成時に制御ゲート電極の形状が損なわれるこ
とがないので、不揮発性半導体記憶装置のメモリセルを
確実に形成することができる。
【0036】前記第1の目的を達成する本発明の第2の
不揮発性半導体記憶装置は、半導体基板上に互いの側面
を対向させるように設けられた制御ゲート電極及び浮遊
ゲート電極を有する不揮発性半導体記憶装置を前提と
し、半導体基板上に形成されたゲート絶縁膜と、ゲート
絶縁膜上に形成された制御ゲート電極と、制御ゲート電
極における浮遊ゲート電極と対向する側面上にのみ堆積
されてなり、浮遊ゲート電極が形成される際に制御ゲー
ト電極を保護する保護絶縁膜と、制御ゲート電極の側面
と保護絶縁膜を介して対向し、制御ゲート電極と容量結
合する浮遊ゲート電極と、浮遊ゲート電極と半導体基板
との間に形成されたトンネル絶縁膜と、半導体基板にお
ける浮遊ゲート電極の下側を含む領域に形成されたドレ
イン領域と、半導体基板における制御ゲート電極に対し
てドレイン領域と反対側の領域に形成されたソース領域
とを備えている。
【0037】第2の不揮発性半導体記憶装置によると、
制御ゲート電極における浮遊ゲート電極と対向する側面
上にのみ堆積されてなり、浮遊ゲート電極が形成される
際に制御ゲート電極を保護する保護絶縁膜を有している
ため、制御ゲート電極は浮遊ゲート電極の形成時にその
形状が損なわれにくくなるので、不揮発性半導体記憶装
置のメモリセルを確実に形成することができる。
【0038】前記第1の目的を達成する本発明の第3の
不揮発性半導体記憶装置は、半導体基板上に互いの側面
を対向させるように設けられた制御ゲート電極及び浮遊
ゲート電極を有する不揮発性半導体記憶装置を前提と
し、半導体基板上に形成されたゲート絶縁膜と、第1の
絶縁膜上に形成された制御ゲート電極と、制御ゲート電
極における浮遊ゲート電極と対向する側面と反対側の側
面上に堆積されてなり、浮遊ゲート電極が形成される際
に制御ゲート電極を保護する保護絶縁膜と、制御ゲート
電極における浮遊ゲート電極と対向する側面上に形成さ
れた容量絶縁膜と、制御ゲート電極の側面と容量絶縁膜
を介して対向し、制御ゲート電極と容量結合する浮遊ゲ
ート電極と、浮遊ゲート電極と半導体基板との間に形成
されたトンネル絶縁膜と、半導体基板における浮遊ゲー
ト電極の下側を含む領域に形成されたドレイン領域と、
半導体基板における制御ゲート電極に対してドレイン領
域と反対側の領域に形成されたソース領域とを備えてい
る。
【0039】第3の不揮発性半導体記憶装置によると、
制御ゲート電極における浮遊ゲート電極と対向する側面
と反対側の側面上に堆積されてなり、浮遊ゲート電極が
形成される際に制御ゲート電極を保護する保護絶縁膜を
有しているため、制御ゲート電極は浮遊ゲート電極の形
成時にその形状が損なわれにくくなるので、不揮発性半
導体記憶装置のメモリセルを確実に形成することができ
る。
【0040】ここで、第3の不揮発性半導体記憶装置に
おいて、容量絶縁膜の膜厚が均一であることが好まし
い。
【0041】また、第1〜第3の不揮発性半導体記憶装
置において、保護絶縁膜の膜厚が均一であることが好ま
しい。
【0042】また、第1〜第3の不揮発性半導体記憶装
置において、ゲート絶縁膜の膜厚が均一であることが好
ましい。
【0043】また、第1〜第3の不揮発性半導体記憶装
置において、トンネル絶縁膜の膜厚が均一であることが
好ましい。
【0044】第1〜第3の不揮発性半導体記憶装置は、
制御ゲート電極と保護絶縁膜との間に形成された絶縁膜
をさらに備えていることが好ましい。
【0045】第1〜第3の不揮発性半導体記憶装置にお
いて、保護絶縁膜は組成が互いに異なる複数の絶縁膜が
積層された積層体からなることが好ましい。
【0046】また、第1〜第3の不揮発性半導体記憶装
置において、半導体基板が、浮遊ゲート電極が跨ぐよう
に形成された段差部を有していることが好ましい。
【0047】前記第1の目的を達成する本発明の第1の
不揮発性半導体記憶装置の製造方法は、半導体基板上に
第1の絶縁膜を形成した後、該第1の絶縁膜上に形成し
た導体膜をパターニングすることにより、導体膜から制
御ゲート電極を形成する制御ゲート電極形成工程と、半
導体基板の上に制御ゲート電極を含む全面にわたって第
2の絶縁膜を堆積する第2の絶縁膜堆積工程と、第2の
絶縁膜における制御ゲート電極の両側面上の部分を残す
ように除去することにより、第2の絶縁膜から制御ゲー
ト電極を保護する保護絶縁膜を形成する保護絶縁膜堆積
工程と、第1の絶縁膜における制御ゲート電極の下側部
分を残すように除去することにより、第1の絶縁膜から
ゲート絶縁膜を形成するゲート絶縁膜形成工程と、半導
体基板上にトンネル絶縁膜となる第3の絶縁膜を形成す
るトンネル絶縁膜形成工程と、制御ゲート電極の一方の
側面と保護絶縁膜を介して容量結合し且つ半導体基板と
トンネル絶縁膜を介して対向する浮遊ゲート電極を自己
整合的に形成する浮遊ゲート電極形成工程と、制御ゲー
ト電極及び浮遊ゲート電極をマスクとして、半導体基板
に対して不純物注入を行なうことにより、半導体基板に
ソース領域及びドレイン領域を形成するソースドレイン
形成工程とを備えている。
【0048】第1の不揮発性半導体記憶装置の製造方法
によると、ゲート電極を覆う第2の絶縁膜に対して、該
第2の絶縁膜における制御ゲート電極の両側面上の部分
を残すように除去することにより、第2の絶縁膜から制
御ゲート電極を保護する保護絶縁膜を形成するため、制
御ゲート電極の一方の側面と保護絶縁膜を介して容量結
合し且つ半導体基板とトンネル絶縁膜を介して対向する
浮遊ゲート電極を自己整合的に形成する際に、制御ゲー
ト電極の両側面が容量絶縁膜を兼ねる保護絶縁膜に覆わ
れているので、制御ゲート電極がエッチングによるダメ
ージを防止でき、その結果、不揮発性半導体記憶装置の
メモリセルを確実に形成することができる。
【0049】前記第1の目的を達成する本発明の第2の
不揮発性半導体記憶装置の製造方法は、半導体基板上に
第1の絶縁膜を形成した後、該第1の絶縁膜上に形成し
た導体膜をパターニングすることにより、導体膜から制
御ゲート電極を形成する制御ゲート電極形成工程と、半
導体基板の上に制御ゲート電極を含む全面にわたって第
2の絶縁膜を堆積する第2の絶縁膜堆積工程と、第1の
絶縁膜上で且つ第2の絶縁膜における制御ゲート電極の
側面上にサイドウォールを形成するサイドウォール形成
工程と、サイドウォール及び制御ゲート電極をマスクと
して、第1の絶縁膜及び第2の絶縁膜に対してエッチン
グを行なうことにより、制御ゲート電極の下側に第1の
絶縁膜からなるゲート絶縁膜を形成すると共に制御ゲー
ト電極の両側面上に第2の絶縁膜からなり制御ゲート電
極を保護する保護絶縁膜を形成する保護絶縁膜形成工程
と、サイドウォールを除去した後、半導体基板が露出し
た領域上にトンネル絶縁膜となる第3の絶縁膜を形成す
るトンネル絶縁膜形成工程と、制御ゲート電極の一方の
側面と保護絶縁膜を介して容量結合し且つ半導体基板と
トンネル絶縁膜を介して対向する浮遊ゲート電極を自己
整合的に形成する浮遊ゲート電極形成工程と、制御ゲー
ト電極及び浮遊ゲート電極をマスクとして、半導体基板
に対して不純物注入を行なうことにより、半導体基板に
ソース領域及びドレイン領域を形成するソースドレイン
形成工程とを備えている。
【0050】第2の不揮発性半導体記憶装置の製造方法
によると、サイドウォール及び制御ゲート電極をマスク
として、第1の絶縁膜及び第2の絶縁膜に対してエッチ
ングを行なうことにより、制御ゲート電極の下側に第1
の絶縁膜からなるゲート絶縁膜を形成すると共に制御ゲ
ート電極の両側面上に第2の絶縁膜からなり制御ゲート
電極を保護する保護絶縁膜を形成するため、制御ゲート
電極の一方の側面と保護絶縁膜を介して容量結合し且つ
半導体基板とトンネル絶縁膜を介して対向する浮遊ゲー
ト電極を自己整合的に形成する際に、制御ゲート電極の
両側面が容量絶縁膜を兼ねる保護絶縁膜に覆われている
ので、制御ゲート電極がエッチングによるダメージを防
止でき、不揮発性半導体記憶装置のメモリセルを確実に
形成することができる。
【0051】第2の不揮発性半導体記憶装置の製造方法
において、トンネル絶縁膜形成工程が、サイドウォール
を除去した後に、保護絶縁膜におけるサイドウォールの
底面により覆われていた部分を除去する工程を含むこと
が好ましい。このようにすると、保護絶縁膜のサイドウ
ォールの底面により覆われていた部分への電子又はホー
ルのトラップが抑制されるため、記憶素子に対する書き
込み動作又は消去動作の回数の増加による記憶素子の劣
化を抑制できる。
【0052】この場合に、トンネル絶縁膜形成工程が、
保護絶縁膜におけるサイドウォールの底面により覆われ
ていた部分を除去した後に、ゲート絶縁膜におけるサイ
ドウォールの底面により覆われていた部分を除去する工
程を含むことが好ましい。このようにすると、ゲート絶
縁膜におけるサイドウォールの底面により覆われていた
部分への電子又はホールのトラップが抑制されるため、
記憶素子の書き込み特性及び消去特性の劣化を低減する
ことができる。
【0053】また、第2の不揮発性半導体記憶装置の製
造方法は、保護絶縁膜形成工程とトンネル絶縁膜形成工
程との間に、サイドウォールをマスクとして、半導体基
板に対してエッチングを行なうことにより、半導体基板
の浮遊ゲート電極を形成する領域に該浮遊ゲート電極が
跨ぐ段差部を形成する工程をさらに備えていることが好
ましい。このようにすると、浮遊ゲート電極への電子の
注入効率が向上する。
【0054】第1又は第2の不揮発性半導体記憶装置の
製造方法において、トンネル絶縁膜形成工程が、第3の
絶縁膜を保護絶縁膜上にも形成する工程を含むことが好
ましい。
【0055】前記第1の目的を達成する本発明の第3の
不揮発性半導体記憶装置の製造方法は、半導体基板上に
第1の絶縁膜を形成した後、第1の絶縁膜上に形成した
導体膜をパターニングすることにより、導体膜から制御
ゲート電極を形成する制御ゲート電極形成工程と、半導
体基板の上に制御ゲート電極を含む全面にわたって第2
の絶縁膜を堆積する第2の絶縁膜堆積工程と、第2の絶
縁膜における制御ゲート電極の一方の側面上の部分を残
すように除去することにより、第2の絶縁膜から制御ゲ
ート電極の一方の側面を保護する保護絶縁膜を形成する
保護絶縁膜形成工程と、第1の絶縁膜における制御ゲー
ト電極の下側部分を残すように除去することにより、第
1の絶縁膜からゲート絶縁膜を形成するゲート絶縁膜形
成工程と、半導体基板上にトンネル絶縁膜となる第3の
絶縁膜を形成するトンネル絶縁膜形成工程と、制御ゲー
ト電極の側面と保護絶縁膜を介して容量結合し且つ半導
体基板とトンネル絶縁膜を介して対向する浮遊ゲート電
極を自己整合的に形成する浮遊ゲート電極形成工程と、
制御ゲート電極及び浮遊ゲート電極をマスクとして、半
導体基板に対して不純物注入を行なうことにより、半導
体基板にソース領域及びドレイン領域を形成するソース
ドレイン形成工程とを備えている。
【0056】第3の不揮発性半導体記憶装置の製造方法
によると、第2の絶縁膜における制御ゲート電極の一方
の側面上の部分を残すように除去することにより、第2
の絶縁膜から制御ゲート電極の一方の側面を保護する保
護絶縁膜を形成するため、制御ゲート電極の側面と保護
絶縁膜を介して容量結合し且つ半導体基板とトンネル絶
縁膜を介して対向する浮遊ゲート電極を自己整合的に形
成する際に、制御ゲート電極の一側面が容量絶縁膜を兼
ねる保護絶縁膜に覆われているので、制御ゲート電極が
エッチングによるダメージを軽減でき、不揮発性半導体
記憶装置のメモリセルを確実に形成することができる。
【0057】前記第1の目的を達成する本発明の第4の
不揮発性半導体記憶装置の製造方法は、半導体基板上に
第1の絶縁膜を形成した後、該第1の絶縁膜上に形成し
た導体膜をパターニングすることにより、導体膜から制
御ゲート電極を形成する制御ゲート電極形成工程と、半
導体基板の上に制御ゲート電極を含む全面にわたって第
2の絶縁膜を堆積する第2の絶縁膜堆積工程と、第1の
絶縁膜上で且つ第2の絶縁膜における制御ゲート電極の
側面上にサイドウォールを形成するサイドウォール形成
工程と、サイドウォール及び制御ゲート電極をマスクと
して、第1の絶縁膜及び第2の絶縁膜に対してエッチン
グを行なうことにより、制御ゲート電極の下側に第1の
絶縁膜からなるゲート絶縁膜を形成すると共に制御ゲー
ト電極の両側面上に第2の絶縁膜からなり制御ゲート電
極を保護する保護絶縁膜を形成する保護絶縁膜形成工程
と、サイドウォールを除去した後、制御ゲート電極の一
方の側面上の部分を残すように保護絶縁膜を除去する保
護絶縁膜除去工程と、半導体基板が露出した領域上にト
ンネル絶縁膜となる第3の絶縁膜を形成するトンネル絶
縁膜形成工程と、制御ゲート電極の側面と保護絶縁膜を
介して容量結合し且つ半導体基板とトンネル絶縁膜を介
して対向する浮遊ゲート電極を自己整合的に形成する浮
遊ゲート電極形成工程と、制御ゲート電極及び浮遊ゲー
ト電極をマスクとして、半導体基板に対して不純物注入
を行なうことにより、半導体基板にソース領域及びドレ
イン領域を形成するソースドレイン形成工程とを備えて
いる。
【0058】第4の不揮発性半導体記憶装置の製造方法
によると、サイドウォール及び制御ゲート電極をマスク
として、第1の絶縁膜及び第2の絶縁膜に対してエッチ
ングを行なうことにより、制御ゲート電極の下側に第1
の絶縁膜からなるゲート絶縁膜を形成すると共に制御ゲ
ート電極の両側面上に第2の絶縁膜からなり制御ゲート
電極を保護する保護絶縁膜を形成し、サイドウォールを
除去した後、制御ゲート電極の一方の側面上部分を残す
ように保護絶縁膜を除去するため、制御ゲート電極の側
面と保護絶縁膜を介して容量結合し且つ半導体基板とト
ンネル絶縁膜を介して対向する浮遊ゲート電極を自己整
合的に形成する際に、制御ゲート電極の一側面が容量絶
縁膜を兼ねる保護絶縁膜に覆われているので、制御ゲー
ト電極がエッチングによるダメージを軽減でき、不揮発
性半導体記憶装置のメモリセルを確実に形成することが
できる。
【0059】第4の不揮発性半導体記憶装置の製造方法
において、保護絶縁膜除去工程が、サイドウォールを除
去した後に、保護絶縁膜におけるサイドウォールの底面
により覆われていた部分を除去する工程を含むことが好
ましい。
【0060】この場合に、保護絶縁膜除去工程が、保護
絶縁膜におけるサイドウォールの底面により覆われてい
た部分を除去した後に、ゲート絶縁膜におけるサイドウ
ォールの底面により覆われていた部分を除去する工程を
含むことが好ましい。
【0061】第3又は第4の不揮発性半導体記憶装置の
製造方法は、保護絶縁膜形成工程と保護絶縁膜除去工程
との間に、サイドウォールをマスクとして、半導体基板
に対してエッチングを行なうことにより、半導体基板の
浮遊ゲート電極を形成する領域に該浮遊ゲート電極が跨
ぐ段差部を形成する工程をさらに備えていることが好ま
しい。
【0062】また、第3又は第4の不揮発性半導体記憶
装置の製造方法において、トンネル絶縁膜形成工程が、
第3の絶縁膜を保護絶縁膜上にも形成する工程を含むこ
とが好ましい。
【0063】また、第1〜第4の不揮発性半導体記憶装
置の製造方法は、制御ゲート電極形成工程と第2の絶縁
膜堆積工程との間に、加熱した半導体基板上に水素と酸
素とを導入し、導入された水素及び酸素から半導体基板
上で水蒸気を発生させることにより、制御ゲート電極の
側部に絶縁膜を形成する工程をさらに備えていることが
好ましい。
【0064】この場合に、保護絶縁膜形成工程が、保護
絶縁膜を組成が互いに異なる複数の絶縁膜を積層して形
成することが好ましい。
【0065】また、第1〜第4の不揮発性半導体記憶装
置の製造方法において、トンネル絶縁膜形成工程が、加
熱した半導体基板上に水素と酸素とを導入し、導入され
た水素及び酸素から半導体基板上で水蒸気を発生させる
ことによりトンネル絶縁膜を形成すると共に、保護絶縁
膜の表面に該保護絶縁膜の組成と異なる絶縁膜を形成す
る工程を含むことが好ましい。
【0066】前記第1の目的を達成する本発明の第5の
不揮発性半導体記憶装置の製造方法は、半導体基板上に
第1の絶縁膜を形成した後、該第1の絶縁膜上に形成し
た導体膜をパターニングすることにより、導体膜から制
御ゲート電極を形成する制御ゲート電極形成工程と、半
導体基板の上に制御ゲート電極を含む全面にわたって第
2の絶縁膜を堆積する第2の絶縁膜堆積工程と、第2の
絶縁膜における制御ゲート電極の両側面のうち浮遊ゲー
ト電極が形成される側と反対側の側面上の部分を残すよ
うに除去することにより、第2の絶縁膜から制御ゲート
電極を保護する保護絶縁膜を形成する保護絶縁膜形成工
程と、第1の絶縁膜における制御ゲート電極の下側部分
を残すように除去することにより、第1の絶縁膜からゲ
ート絶縁膜を形成するゲート絶縁膜形成工程と、制御ゲ
ート電極における浮遊ゲート電極が形成される側の側面
上に容量絶縁膜を形成する容量絶縁膜形成工程と、半導
体基板の上にトンネル絶縁膜を形成するトンネル絶縁膜
形成工程と、制御ゲート電極の側面と容量絶縁膜を介し
て容量結合し且つ半導体基板とトンネル絶縁膜を介して
対向する浮遊ゲート電極を自己整合的に形成する浮遊ゲ
ート電極形成工程と、制御ゲート電極及び浮遊ゲート電
極をマスクとして、半導体基板に対して不純物注入を行
なうことにより、半導体基板にソース領域及びドレイン
領域を形成するソースドレイン形成工程とを備えてい
る。
【0067】第5の不揮発性半導体記憶装置の製造方法
によると、第2の絶縁膜における制御ゲート電極の両側
面のうち浮遊ゲート電極が形成される側と反対側の側面
上の部分を残すように除去することにより、第2の絶縁
膜から制御ゲート電極を保護する保護絶縁膜を形成する
ため、制御ゲート電極の側面と容量絶縁膜を介して容量
結合し且つ半導体基板とトンネル絶縁膜を介して対向す
る浮遊ゲート電極を自己整合的に形成する際に、制御ゲ
ート電極の浮遊ゲート電極と反対側の側面が保護絶縁膜
に覆われているので、制御ゲート電極がエッチングによ
るダメージを防止でき、不揮発性半導体記憶装置のメモ
リセルを確実に形成することができる。
【0068】前記第1の目的を達成する本発明の第6の
不揮発性半導体記憶装置の製造方法は、半導体基板上に
第1の絶縁膜を形成した後、該第1の絶縁膜上に形成し
た導体膜をパターニングすることにより、導体膜から制
御ゲート電極を形成する制御ゲート電極形成工程と、半
導体基板の上に制御ゲート電極を含む全面にわたって第
2の絶縁膜を堆積する第2の絶縁膜堆積工程と、第1の
絶縁膜上で且つ第2の絶縁膜における制御ゲート電極の
側面上にサイドウォールを形成するサイドウォール形成
工程と、サイドウォール及び制御ゲート電極をマスクと
して、第1の絶縁膜及び第2の絶縁膜に対してエッチン
グを行なうことにより、制御ゲート電極の下側に第1の
絶縁膜からなるゲート絶縁膜を形成すると共に制御ゲー
ト電極の両側面上に第2の絶縁膜からなり制御ゲート電
極を保護する保護絶縁膜を形成する保護絶縁膜形成工程
と、サイドウォールを除去した後、制御ゲート電極の両
側面上の保護絶縁膜のうち浮遊ゲート電極が形成される
側の保護絶縁膜を除去する保護絶縁膜除去工程と、制御
ゲート電極における浮遊ゲート電極が形成される側の側
面上に容量絶縁膜を形成する容量絶縁膜形成工程と、半
導体基板が露出した領域上にトンネル絶縁膜を形成する
トンネル絶縁膜形成工程と、制御ゲート電極の側面と容
量絶縁膜を介して容量結合し且つ半導体基板とトンネル
絶縁膜を介して対向する浮遊ゲート電極を自己整合的に
形成する浮遊ゲート形成工程と、制御ゲート電極及び浮
遊ゲート電極をマスクとして、半導体基板に対して不純
物注入を行なうことにより、半導体基板にソース領域及
びドレイン領域を形成するソースドレイン形成工程とを
備えている。
【0069】第6の不揮発性半導体記憶装置の製造方法
によると、サイドウォール及び制御ゲート電極をマスク
として、第1の絶縁膜及び第2の絶縁膜に対してエッチ
ングを行なうことにより、制御ゲート電極の下側に第1
の絶縁膜からなるゲート絶縁膜を形成すると共に制御ゲ
ート電極の両側面上に第2の絶縁膜からなり制御ゲート
電極を保護する保護絶縁膜を形成し、サイドウォールを
除去した後、制御ゲート電極の両側面上の保護絶縁膜の
うち浮遊ゲート電極が形成される側の保護絶縁膜を除去
するため、制御ゲート電極の側面と容量絶縁膜を介して
容量結合し且つ半導体基板とトンネル絶縁膜を介して対
向する浮遊ゲート電極を自己整合的に形成する際に、制
御ゲート電極の浮遊ゲート電極と反対側の側面が保護絶
縁膜に覆われているので、制御ゲート電極がエッチング
によるダメージを軽減でき、不揮発性半導体記憶装置の
メモリセルを確実に形成することができる。
【0070】第6の不揮発性半導体記憶装置の製造方法
において、保護絶縁膜除去工程が、サイドウォールを除
去した後に、保護絶縁膜におけるサイドウォールの底面
により覆われていた部分を除去する工程を含むことが好
ましい。
【0071】この場合に、保護絶縁膜除去工程が、保護
絶縁膜におけるサイドウォールの底面により覆われてい
た部分を除去した後に、ゲート絶縁膜におけるサイドウ
ォールの底面により覆われていた部分を除去する工程を
含むことが好ましい。
【0072】また、第6の不揮発性半導体記憶装置の製
造方法は、保護絶縁膜形成工程と保護絶縁膜除去工程と
の間に、サイドウォールをマスクとして、半導体基板に
対してエッチングを行なうことにより、半導体基板の浮
遊ゲート電極を形成する領域に該浮遊ゲート電極が跨ぐ
段差部を形成する工程をさらに備えていることが好まし
い。
【0073】第5又は第6の不揮発性半導体記憶装置の
製造方法において、容量絶縁膜形成工程とトンネル絶縁
膜形成工程とが同時に進行する同一の工程からなること
が好ましい第5又は第6の不揮発性半導体記憶装置の製
造方法において、容量絶縁膜形成工程又はトンネル絶縁
膜形成工程が、加熱した半導体基板上に水素と酸素とを
導入し、導入された水素及び酸素から半導体基板上で水
蒸気を発生させることにより、容量絶縁膜又はトンネル
絶縁膜を形成する工程を含むことが好ましい。
【0074】また、第1〜第6の不揮発性半導体記憶装
置の製造方法において、第2の絶縁膜は組成が互いに異
なる複数の絶縁膜を積層した積層体からなることが好ま
しい。
【0075】前記第2の目的を達成するため、第1〜第
6の不揮発性半導体記憶装置の製造方法は、半導体基板
が、ソース領域及びドレイン領域を含む記憶回路形成領
域と、制御ゲート電極、浮遊ゲート電極、ソース領域又
はドレイン領域に対する駆動信号を生成して出力する電
界効果型トランジスタを含む周辺回路を形成する周辺回
路形成領域とを有しており、記憶回路形成領域における
ソース領域及びドレイン領域を形成するよりも後に、周
辺回路形成領域における電界効果型トランジスタを形成
する工程を備えていることが好ましい。
【0076】このようにすると、本発明のメモリセルが
周辺回路を構成する電界効果型トランジスタの動作特性
に影響を与えることがないので、所望の特性を有する不
揮発性半導体記憶装置を実現できる。
【0077】この場合に、記憶回路形成領域における制
御ゲート電極を形成する工程が、導体膜を第1の絶縁膜
上に形成する際に、電界効果型トランジスタのゲート電
極形成用の導体膜をも同時に形成する工程を含むことが
好ましい。このようにすると、周辺回路の電界効果トラ
ンジスタを完成させる工程をメモリセルの作製工程より
も後とするものの、ゲート電極形成用の導体膜を記憶回
路形成領域に形成する際に同時に形成しておくため、電
界効果トランジスタの動作特性に影響を与えることな
く、電界効果型トランジスタ用の導体膜形成工程を省略
でき、プロセスを簡略化することができる。
【0078】また、この場合に、記憶回路形成領域にお
ける制御ゲート電極を形成する工程が、導体膜をパター
ニングする際に、電界効果型トランジスタのゲート電極
形成用の導体膜をも同時にパターニングする工程を含む
ことが好ましい。このようにすると、電界効果トランジ
スタの動作特性に影響を与えることなく、電界効果型ト
ランジスタ用のゲート電極のパターニング工程を省略で
き、プロセスを簡略化することができる。
【0079】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)本発明の第1
の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置及びその製造
方法について図面を参照しながら説明する。
【0080】まず、不揮発性半導体記憶装置の一記憶素
子(メモリセル)について説明する。
【0081】図1は第1の実施形態に係る不揮発性半導
体記憶装置の一記憶素子の断面構成を示している。図1
に示すように、例えば、p型シリコンからなる半導体基
板11上に、膜厚が約13.5nmのゲート酸化膜12
を介して、n型多結晶シリコンからなる制御ゲート電極
13が形成されている。制御ゲート電極13の両側面上
には、膜厚が7nm程度のシリコン酸化膜若しくはシリ
コン窒化膜又はこれらの積層体が堆積されてなり、浮遊
ゲート電極15が形成される際に制御ゲート電極13を
保護する保護絶縁膜14が形成されている。制御ゲート
電極13の一方の側面上には、保護絶縁膜14を介して
対向し且つ制御ゲート電極13と容量結合する浮遊ゲー
ト電極15が形成されている。ここで、保護絶縁膜14
における浮遊ゲート電極15と対向する部分は容量絶縁
膜として機能する。
【0082】半導体基板11と浮遊ゲート電極15との
間には、膜厚が9nm程度のトンネル絶縁膜16が形成
されている。
【0083】半導体基板11における浮遊ゲート電極1
5の下側を含む領域には、n型のドレイン領域11bが
形成され、半導体基板11における制御ゲート電極13
に対してドレイン領域11bと反対側の領域には、n型
のソース領域11aが形成されている。
【0084】以下、前記のように構成された一記憶素子
と該記憶素子を駆動する周辺回路のMOSトランジスタ
及び抵抗素子等とを含む不揮発性半導体記憶装置の製造
方法について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0085】図2〜図14は第1の実施形態に係る不揮
発性半導体記憶装置の製造方法の工程順の断面構成を示
している。
【0086】ここでは、例えば、p型不純物濃度が5×
1015cm-3〜5×1016cm-3程度のp型半導体領域
を含む単結晶シリコンからなる半導体基板21を用い
る。
【0087】(1)素子分離領域の形成 最初に、半導体基板21の上部に記憶素子やMOSトラ
ンジスタ等の素子同士を互いに絶縁分離する素子分離領
域を形成する。
【0088】具体的には、まず、温度が約900℃の酸
素雰囲気で半導体基板21を熱酸化することにより、半
導体基板21の主面上に膜厚が約10nmの第1の熱酸
化膜22を形成する。続いて、プラズマ気相成長(プラ
ズマCVD(plasma Chemical Vapor Deposition))法を
用いて、モノシラン(SiH4 )、アンモニア(NH
3 )及び窒素(N2 )を約760℃の温度で反応させ
て、第1の熱酸化膜22上に膜厚が約150nmの第1
のシリコン窒化(Sixy)膜23を堆積する。
【0089】続いて、図2(a)に示すように、堆積し
た第1のシリコン窒化膜23の上に、フォトリソグラフ
ィ法により複数の素子分離領域がパターニングされたレ
ジスト膜からなるマスクパターン101を形成し、形成
したマスクパターン101を用いて、第1のシリコン窒
化膜23、第1の熱酸化膜22及び半導体基板21に対
して異方性のドライエッチングを行なうことにより、第
1のシリコン窒化膜23の上面からの深さが約400n
mの複数の素子分離溝21aを形成する。この複数の素
子分離溝21aを形成することにより、記憶回路形成領
域1には記憶素子部3を形成すると共に、周辺回路形成
領域2には、低電圧n型チャネルトランジスタ部4、低
電圧p型チャネルトランジスタ部5、高電圧n型チャネ
ルトランジスタ部6、高電圧p型チャネルトランジスタ
部7、抵抗素子部8及び容量素子部9がそれぞれ形成さ
れる。ここで、低電圧トランジスタ部4、5には駆動電
圧が1.8V程度のロジック用トランジスタが形成さ
れ、高電圧トランジスタ部6、7には駆動電圧が6V程
度の高耐圧のトランジスタが形成される。なお、図2
(a)に示される領域は、記憶回路形成領域1と周辺回
路形成領域2とが混在した領域である。続いて、マスク
パターン101を除去した後、温度が約900℃の酸素
雰囲気で半導体基板21を熱酸化することにより、素子
分離溝21aの各露出面上に膜厚が約25nmの熱酸化
膜(図示せず)を形成する。これにより、半導体基板2
1と素子分離溝21aとの界面が酸化膜のうちで最も良
質な熱酸化膜により覆われるため、各素子の動作及び長
期信頼性を向上させることができる。
【0090】次に、図2(b)に示すように、減圧気相
成長(減圧CVD)法を用いて、温度が約760℃で且
つ圧力が約20×133.3mPaでモノシラン(Si
4)を熱分解させることにより、第1のシリコン窒化
膜23上に素子分離溝21aが充填されるように全面に
わたって、膜厚が約700nmの第1のシリコン酸化膜
24Aを堆積する。この際、図示はしていないが、第1
のシリコン酸化膜24Aの上面における第1のシリコン
窒化膜23の上方の領域が他の領域と比べて凸状に盛り
上がる。続いて、堆積した第1のシリコン酸化膜24A
上に各素子分離溝21aの上方の領域をマスクするマス
クパターン102を形成し、形成したマスクパターン1
02を用いて、第1のシリコン酸化膜24Aに対してフ
ッ酸による等方性エッチングを行なう。この等方性エッ
チングは、第1のシリコン酸化膜24Aの凸状部分が除
去されて該第1のシリコン酸化膜24Aの上面がほぼ平
坦となるまで行なう。
【0091】次に、図2(c)に示すように、マスクパ
ターン102を除去した後、化学機械研磨(CMP(Che
mical Mechanical Polish))法により、第1のシリコン
酸化膜24Aの上面を研磨して該第1のシリコン酸化膜
24Aの素子分離溝21aに充填された部分を残すこと
により、各素子分離溝21aに素子分離領域24Bを形
成する。
【0092】(2)ウェル領域の形成 次に、各素子のウェル領域を形成する。
【0093】まず、記憶回路形成領域1の素子分離耐圧
を向上するため、半導体基板21における記憶回路形成
領域1の記憶素子部3及び周辺回路形成領域2の抵抗素
子部8に深いn型ウェル領域25を形成する。具体的に
は、図3(a)に示すように、第1の熱酸化膜22上
に、記憶素子部3及び抵抗素子部8の上に開口部を持つ
マスクパターン103を形成し、形成したマスクパター
ン103を用いて、注入エネルギーが約1200keV
で注入ドーズ量が0.5×1013cm-2〜1×1013
-2程度のヒ素(As)イオン又はリン(P)イオンを
半導体基板21にイオン注入することにより、半導体基
板21の記憶素子部3及び抵抗素子部8に深いn型ウェ
ル領域25を形成する。
【0094】次に、図3(b)に示すように、マスクパ
ターン103を除去した後、第1の熱酸化膜22上に、
低電圧p型チャネルトランジスタ部5、高電圧p型チャ
ネルトランジスタ部7及び容量素子部9の上に開口部を
持つマスクパターン104を形成し、形成したマスクパ
ターン104を用いて、注入エネルギーが約300ke
Vで注入ドーズ量が0.5×1013cm-2〜1×1014
cm-2程度のリン(P)イオンを半導体基板21にイオ
ン注入することにより、半導体基板21の低電圧p型チ
ャネルトランジスタ部5、高電圧p型チャネルトランジ
スタ部7及び容量素子部9にn型ウェル領域26を形成
する。
【0095】次に、図3(c)に示すように、マスクパ
ターン104を除去した後、第1の熱酸化膜22上に、
記憶素子部3、低電圧n型チャネルトランジスタ部4、
高電圧n型チャネルトランジスタ部6及び抵抗素子部8
の上に開口部を持つマスクパターン105を形成し、形
成したマスクパターン105を用いて、注入エネルギー
が約300keVで注入ドーズ量が0.5×1013cm
-2〜1×1014cm-2程度のホウ素(B)イオンを半導
体基板21にイオン注入して、半導体基板21の記憶素
子部3、低電圧n型チャネルトランジスタ部4、高電圧
n型チャネルトランジスタ部6及び抵抗素子部8にp型
ウェル領域27を形成する。
【0096】(3)ゲート酸化膜の形成 次に、記憶素子及びトランジスタの各素子ごとに耐圧が
異なるゲート酸化膜を形成する。
【0097】具体的には、まず、マスクパターン105
を除去した後、半導体基板21の主面上の第1の熱酸化
膜22をフッ酸のウェットエッチングにより除去する。
続いて、温度が約850℃の酸素雰囲気で半導体基板2
1を熱酸化することにより、半導体基板21の主面上に
膜厚が約15nmの第2の熱酸化膜28を形成する。
【0098】続いて、図4(a)に示すように、第2の
熱酸化膜28の記憶回路形成領域1をマスクするマスク
パターン106を用いて、フッ酸のウェットエッチング
により半導体基板21上における周辺回路形成領域2の
第2の熱酸化膜28を除去する。
【0099】次に、図4(b)に示すように、マスクパ
ターン106を用いて、温度が約850℃の酸素雰囲気
で半導体基板21を熱酸化することにより、半導体基板
21上の周辺回路形成領域2に膜厚が約7.5nmの第
3の熱酸化膜29を形成する。
【0100】次に、図4(c)に示すように、マスクパ
ターン106を除去した後、第2の熱酸化膜28及び第
3の熱酸化膜29上に、低電圧n型チャネルトランジス
タ部4及び低電圧p型チャネルトランジスタ部5を開口
するマスクパターン107を形成し、形成したマスクパ
ターン107を用いて、フッ酸のウェットエッチングに
より半導体基板21上の第3の熱酸化膜29を除去す
る。続いて、マスクパターン107を用いて、温度が約
850℃の酸素雰囲気で半導体基板21を熱酸化するこ
とにより、半導体基板21上の低電圧n型チャネルトラ
ンジスタ部4及び低電圧p型チャネルトランジスタ部5
に膜厚が約3.5nmの第4の熱酸化膜30を形成す
る。
【0101】以上の工程により、半導体基板21上にお
ける記憶素子部3には膜厚が約13.5nmで耐圧が約
10Vの記憶素子用ゲート酸化膜である第2の熱酸化膜
28が形成され、半導体基板21上における高電圧n型
チャネルトランジスタ部6及び高電圧p型チャネルトラ
ンジスタ部7には膜厚が約8.5nmで耐圧が約7Vの
高耐圧用ゲート酸化膜である第3の熱酸化膜29が形成
され、半導体基板21上における低電圧n型チャネルト
ランジスタ部4及び低電圧p型チャネルトランジスタ部
5には膜厚が約3.5nmで耐圧が約4Vの低耐圧用ゲ
ート酸化膜である第4の熱酸化膜30が形成される。
【0102】(4)記憶素子の形成 まず、図5(a)に示すように、マスクパターン107
を除去した後、例えばCVD法を用いて、第1の熱酸化
膜28、第2の熱酸化膜29及び第3の熱酸化膜30の
上に全面にわたって膜厚が約200nmのノンドープの
多結晶シリコン膜31を堆積する。
【0103】次に、図5(b)に示すように、多結晶シ
リコン膜31上に、記憶素子部3、低電圧n型チャネル
トランジスタ部4、高電圧n型チャネルトランジスタ部
6及び抵抗素子部8の上に開口部を持つマスクパターン
108を形成し、形成したマスクパターン108を用い
て、注入エネルギーが約10keVで注入ドーズ量が
0.5×1015cm-2〜5×1015cm-2程度のリン
(P)イオンを多結晶シリコン膜31にイオン注入し
て、多結晶シリコン膜31の記憶素子部3、低電圧n型
チャネルトランジスタ部4、高電圧n型チャネルトラン
ジスタ部6及び抵抗素子部8の導電型をn型にする。
【0104】次に、図5(c)に示すように、マスクパ
ターン108を除去した後、プラズマCVD法により、
多結晶シリコン膜31上に全面にわたって膜厚が約10
0nmの第2のシリコン窒化膜32を堆積する。
【0105】次に、図6(a)及び図6(b)に示すよ
うに、第2のシリコン窒化膜32の上に、記憶素子の制
御ゲート電極形成用パターンであるマスクパターン10
9を用いて、第2のシリコン窒化膜32及び多結晶シリ
コン膜31に対してドライエッチングを順次行なって、
上面が第2のシリコン窒化膜32により覆われたn型の
多結晶シリコン膜からなる制御ゲート電極31Aを形成
する。
【0106】次に、図6(c)に示すように、マスクパ
ターン109を除去した後、半導体基板21上に、記憶
素子部3のドレイン形成領域及び制御ゲート電極31A
のドレイン領域側の上に開口部を持つマスクパターン1
10を形成し、形成したマスクパターン110を用い
て、例えば注入エネルギーが約5keV〜15keV程
度で注入ドーズ量が5×1012〜1×1014cm-2程度
のホウ素(B)イオンを半導体基板21にイオン注入す
ることにより、表面近傍の不純物濃度が5×10 16cm
-3〜1×1019cm-3程度で且つ浅い接合を持つ第1の
低濃度p型不純物拡散領域33を形成する。なお、第2
の熱酸化膜28における第1の低濃度p型不純物拡散領
域33の上側部分を、あらかじめフッ酸によるウェット
エッチングで除去しておき、その後、前述した注入条件
でホウ素(B)イオンの注入を行なってもよい。
【0107】次に、図7(a)に示すように、マスクパ
ターン110を除去した後、CVD法により半導体基板
21上に第2のシリコン窒化膜32及び制御ゲート電極
31Aを含む全面にわたって、膜厚がそれぞれ約5nm
〜10nmの第2のシリコン酸化膜34及び第3のシリ
コン窒化膜35を順次堆積する。
【0108】次に、CVD法により、第3のシリコン窒
化膜35の上に全面にわたって膜厚が40nm〜100
nm程度のBPSGからなる絶縁膜を堆積する。その
後、図7(b)に示すように、堆積した絶縁膜に対して
異方性のエッチバックを行ない、さらに、第3のシリコ
ン窒化膜35、第2のシリコン酸化膜34及び第2の熱
酸化膜28を除去して半導体基板21を露出させること
により、制御ゲート電極31Aの側面上に、第2のシリ
コン酸化膜34及び第3のシリコン窒化膜35からなる
保護絶縁膜36を介在させたサイドウォール37を形成
する。
【0109】次に、図7(c)に示すように、半導体基
板21上に、記憶回路形成領域1におけるドレイン領域
及び制御ゲート電極31Aのドレイン領域側に開口部を
持つマスクパターン111を形成し、形成したマスクパ
ターン111、制御ゲート31A及びサイドウォール3
7を用いて、反応イオン性ドライエッチング(RIE)
法により半導体基板21に対してエッチングを行なっ
て、半導体基板21の上部に深さが25nm〜75nm
程度の凹部21bを形成する。なお、このエッチング
は、RIE法に代えてCDE(Chemical Dry Etching)
法により行なってもよい。
【0110】次に、図8(a)に示すように、マスクパ
ターン111を用いて、注入エネルギーが約10keV
〜30keVで注入ドーズ量が5×1012〜1×1014
cm -2程度の比較的に低ドーズ量のホウ素(B)イオン
を半導体基板21にイオン注入して、表面近傍の不純物
濃度が5×1016cm-3〜1×1019cm-3程度で、第
1の低濃度p型不純物拡散領域33よりもやや深い接合
を持つ第2の低濃度p型不純物拡散領域(図示せず)を
形成する。続いて、マスクパターン111を用いて、注
入エネルギーが約20keV〜50keVで注入ドーズ
量が5×1012〜1×1014cm-2程度の比較的に低ド
ーズ量のヒ素(As)イオンを半導体基板21にイオン
注入して、表面近傍の不純物濃度が5×1016cm-3
1×10 19cm-3程度で、接合深さが約40nmの浅い
低濃度n型不純物拡散領域38を形成する。
【0111】次に、図8(b)に示すように、マスクパ
ターン111を除去し、さらに気相フッ酸を用いてサイ
ドウォール37を除去した後、図8(c)に示すよう
に、半導体基板21を温度が約850℃の酸素雰囲気で
熱酸化することにより、半導体基板21の凹部21bの
露出面上に膜厚が約9nmのトンネル絶縁膜39を形成
する。
【0112】次に、図9(a)に示すように、CVD法
により、半導体基板21上にゲート電極31A及び保護
絶縁膜36を含む全面にわたって膜厚が120nm〜2
00nm程度のリン(P)が添加された多結晶シリコン
(以下、DP(Doped Poly Silicon)と略称する。)膜
40を形成する。
【0113】次に、図9(b)に示すように、半導体基
板21上に、記憶回路形成領域1のドレイン領域及び制
御ゲート電極31Aのドレイン領域側の上に開口部を持
つマスクパターン112を形成し、形成したマスクパタ
ーン112を用いて、DP膜40に対して異方性ドライ
エッチングによるエッチバックを行なって、制御ゲート
電極31Aの側面上に保護絶縁膜36を介してサイドウ
ォール状DP膜40Aを形成する。具体的には、トンネ
ル絶縁膜39が露出した時点でエッチングを停止して、
制御ゲート電極31Aのドレイン領域側の側面上に高さ
が制御ゲート電極31Aの高さの約80%、ここでは約
160nmのサイドウォール状DP膜40Aを半導体基
板21の凹部21bの段差部を跨ぐように形成する。
【0114】次に、図9(c)に示すように、マスクパ
ターン112を除去した後、半導体基板21上に記憶回
路形成領域1の各記憶素子ごとにサイドウォール状DP
膜40Aをマスクするマスクパターン113を形成し、
形成したマスクパターン113を用いたドライエッチン
グにより、サイドウォール状DP膜40Aから、記憶素
子ごとに分離され、さらに制御ゲート電極31Aのドレ
イン領域側の側面と保護絶縁膜36を介して容量結合し
且つ半導体基板21の凹部21bとトンネル絶縁膜39
を介して対向する浮遊ゲート電極40Bを自己整合的に
形成する。
【0115】次に、図10(a)に示すように、マスク
パターン113を除去した後、浮遊ゲート電極40Bを
マスクするマスクパターン114を形成し、CF4 ガス
及び酸素ガスを用いたCDE法により、浮遊ゲート電極
40Bを除くDP膜40を除去する。
【0116】次に、図10(b)に示すように、半導体
基板21上に制御ゲート電極31A及び浮遊ゲート電極
40Bを含む全面にわたって、膜厚が20nm〜40n
m程度の酸化シリコンからなり記憶素子を保護する保護
酸化膜41を堆積する。
【0117】次に、図10(c)に示すように、半導体
基板21上に記憶回路形成領域1の上に開口部を持つマ
スクパターン115を形成し、形成したマスクパターン
115、制御ゲート電極31A及び浮遊ゲート電極40
Bをマスクとして、注入エネルギーが約50keVで注
入ドーズ量が5×1013〜1×1014cm-2程度の比較
的に高ドーズ量のヒ素(As)イオンを半導体基板21
にイオン注入する。これにより、半導体基板21の記憶
素子部3に、表面近傍のヒ素の不純物濃度が5×1019
cm-3〜1×1021cm-3程度のソース領域42及びド
レイン領域43が形成され、不揮発性半導体記憶素子が
完成する。
【0118】なお、第1の実施形態においては、半導体
基板21における記憶素子部3の浮遊ゲート電極40B
の下側に、ホットエレクトロンが浮遊ゲート電極40B
に高効率で注入されるように浮遊ゲート電極40Bが跨
ぐ段差部を設けているが、段差部を設けない構成であっ
てもよい。
【0119】(5)周辺回路形成領域の素子形成 次に、図11(a)に示すように、マスクパターン11
5を除去した後、図11(b)に示すように、半導体基
板21上の記憶回路形成領域1をマスクしたマスクパタ
ーン116を用いて、ドライエッチングにより保護酸化
膜41及び第2のシリコン窒化膜32を除去する。
【0120】次に、図11(c)に示すように、マスク
パターン116を除去した後、多結晶シリコン膜31上
に、低電圧p型チャネルトランジスタ部5、高電圧p型
チャネルトランジスタ部7及び容量素子部9の上に開口
部を持つマスクパターン117を形成し、形成したマス
クパターン117を用いて、注入エネルギーが約10k
eVで注入ドーズ量が0.5×1015cm-2〜5×10
15cm-2程度のホウ素(B)イオンを多結晶シリコン膜
31にイオン注入して、多結晶シリコン膜31の低電圧
p型チャネルトランジスタ部5、高電圧p型チャネルト
ランジスタ部7及び容量素子部9の導電型をp型にす
る。
【0121】次に、図12(a)に示すように、マスク
パターン117を除去した後、多結晶シリコン膜31に
おける記憶回路形成領域1並びに周辺回路形成領域2の
ゲート電極形成部及び容量素子の上部電極形成部をマス
クしたマスクパターン118を用いて、多結晶シリコン
膜31に対して異方性のドライエッチングを行なう。こ
れにより、低電圧n型チャネルトランジスタ部4及び低
電圧p型チャネルトランジスタ部5には第4の熱酸化膜
30からなるゲート酸化膜を介してそれぞれがn型及び
p型の多結晶シリコン膜31からなるゲート電極31B
が形成される。同様に、高電圧n型チャネルトランジス
タ部6及び高電圧p型チャネルトランジスタ部7には第
3の熱酸化膜29からなるゲート酸化膜を介してそれぞ
れがn型及びp型の多結晶シリコン膜31からなるゲー
ト電極31Bが形成される。また、容量素子部9には、
半導体基板21が下部電極となり、第3の熱酸化膜29
が容量絶縁膜となり、n型の多結晶シリコン膜31が上
部電極31Cとなる容量素子が形成される。
【0122】次に、図12(b)に示すように、マスク
パターン118を除去した後、半導体基板21上に、高
電圧n型チャネルトランジスタ部6の上に開口部を持つ
マスクパターン119を形成し、形成したマスクパター
ン119及びゲート電極31Bをマスクとして、注入エ
ネルギーが約20keVで注入ドーズ量が5×1012
-2〜1×1014cm-2程度の比較的に低ドーズ量のヒ
素(As)イオンを半導体基板21にイオン注入して、
半導体基板21の高電圧n型チャネルトランジスタ部6
にn型LDD(Lightly Doped Drain)領域44を形成
する。
【0123】次に、図12(c)に示すように、マスク
パターン119を除去した後、半導体基板21上に、低
電圧p型チャネルトランジスタ部5、高電圧p型チャネ
ルトランジスタ部7及び容量素子部9の上に開口部を持
つマスクパターン120を形成し、形成したマスクパタ
ーン120及びゲート電極31Bをマスクとして、注入
エネルギーが約20keVで注入ドーズ量が5×1012
cm-2〜1×1014cm-2程度の比較的に低ドーズ量の
ホウ素(B)イオンを半導体基板21にイオン注入し
て、半導体基板21の低電圧p型チャネルトランジスタ
部5及び高電圧p型チャネルトランジスタ部7にp型L
DD領域45を形成する。
【0124】次に、図13(a)に示すように、マスク
パターン120を除去した後、半導体基板21上に、低
電圧n型チャネルトランジスタ部4の上に開口部を持つ
マスクパターン121を形成し、形成したマスクパター
ン121及びゲート電極31Bをマスクとして、注入エ
ネルギーが約20keVで注入ドーズ量が5×1012
-2〜1×1014cm-2程度の比較的に低ドーズ量のヒ
素(As)イオンを半導体基板21にイオン注入して、
半導体基板21の低電圧n型チャネルトランジスタ部4
にn型LDD領域44を形成する。
【0125】次に、図13(b)に示すように、マスク
パターン121を除去した後、CVD法を用いて半導体
基板21上に各MOSトランジスタのゲート電極31
B、制御ゲート電極31A及び浮遊ゲート電極40B等
を含む全面にわたって膜厚が約100nmのシリコン酸
化膜を堆積し、堆積したシリコン酸化膜に対して異方性
エッチングによるエッチバックを行なって、各ゲート電
極31Bの側面上にシリコン酸化膜からなるサイドウォ
ールスペーサ46を形成する。
【0126】次に、図13(c)に示すように、半導体
基板21上に、低電圧p型チャネルトランジスタ部5及
び高電圧p型チャネルトランジスタ部7の上に開口部を
持つマスクパターン122を形成し、形成したマスクパ
ターン122及びゲート電極31Bをマスクとして、注
入エネルギーが約100keVで注入ドーズ量が0.5
×1013cm-2〜1×1014cm-2程度の比較的に高ド
ーズ量のホウ素(B)イオンを半導体基板21にイオン
注入することにより、半導体基板21の低電圧p型チャ
ネルトランジスタ部5及び高電圧p型チャネルトランジ
スタ部7に、表面近傍のホウ素の不純物濃度が5×10
19cm-3〜1×1021cm-3程度のp型ソースドレイン
領域47を形成する。
【0127】次に、図14(a)に示すように、マスク
パターン122を除去した後、半導体基板21上に低電
圧p型チャネルトランジスタ部5及び高電圧p型チャネ
ルトランジスタ部7をマスクするマスクパターン123
を形成し、形成したマスクパターン123、ゲート電極
31B、制御ゲート電極31A及び浮遊ゲート電極40
Bをマスクとして、注入エネルギーが約100keVで
注入ドーズ量が5×1013cm-2〜1×1014cm-2
度の比較的に高ドーズ量のヒ素(As)イオンを半導体
基板21にイオン注入することにより、半導体基板21
の低電圧n型チャネルトランジスタ部4及び高電圧n型
チャネルトランジスタ部6に、表面近傍のヒ素の不純物
濃度が5×1019cm-3〜1×1021cm-3程度のn型
ソースドレイン領域48を形成する。
【0128】なお、記憶回路形成領域1に対してもイオ
ン注入を行なっているが、該記憶回路形成領域1をマス
クすることにより、ヒ素イオンの注入を行なわないよう
にしてもよい。
【0129】次に、CVD法により、膜厚が30nmの
第3のシリコン酸化膜49を半導体基板21上に各素子
を含む全面にわたって堆積する。その後、図14(b)
に示すように、第3のシリコン酸化膜49における記憶
回路形成領域1及び周辺回路形成領域2の抵抗素子部8
を選択的にマスクするマスクパターン124を用いて、
第3のシリコン酸化膜49をエッチングにより除去す
る。
【0130】次に、図14(c)に示すように、マスク
パターン124を除去した後、スパッタ法等により、半
導体基板21の上に第3のシリコン酸化膜49を含む全
面にわたってコバルト膜を堆積させ、堆積したコバルト
膜に対して熱処理を行なうことにより、半導体基板21
及び上部電極31Cのコバルト膜との接合面に、コバル
トシリサイド領域50を形成する。このとき、第3のシ
リコン酸化膜49により覆われた部分は、コバルト膜と
反応しないため、容易に除去できる。
【0131】最後に、図示はしていないが、記憶素子部
3、各トランジスタ部4〜7、抵抗素子部8及び容量素
子部9に対して所定の配線を設けることにより、不揮発
性半導体記憶装置が完成する。
【0132】以上説明したように、第1の実施形態によ
ると、図8(c)に示すトンネル絶縁膜39を形成する
工程において、制御ゲート電極31Aの側面が第2のシ
リコン酸化膜34及び第3のシリコン窒化膜35からな
る保護絶縁膜36に覆われているため、制御ゲート電極
31Aの側面が酸化されることがない。
【0133】また、図9(b)〜図10(a)に示す浮
遊ゲート電極40Bを形成する工程において、制御ゲー
ト電極31Aの両側面が保護絶縁膜36により覆われて
いるため、制御ゲート電極31Aの側面がエッチングに
よるダメージを受けることを防止することができる。
【0134】また、図7(b)に示すように、制御ゲー
ト電極31AのBPSGからなるサイドウォール37
は、その底面が保護絶縁膜36上にあり、直接に半導体
基板21と接していないため、後工程で除去する際に半
導体基板21の基板面がダメージを受けることがないの
で、記憶素子としての動作が安定する。
【0135】その上、図11(b)〜図14(c)の周
辺回路形成領域2の各素子を形成する工程において、記
憶回路形成領域1はほとんどレジスト膜によるマスクパ
ターンで覆われているため、制御ゲート電極31A及び
浮遊ゲート電極40Bがエッチングダメージを受けるこ
とがない。
【0136】また、周辺回路形成領域2の各MOSトラ
ンジスタが、該MOSトランジスタの製造プロセスと異
なる熱履歴を受けることがないので、周辺回路形成領域
2に含まれる回路の設計変更を行なう必要がなくなり、
その結果、既に設計されている回路(設計資産)の汎用
性及び互換性が向上する。
【0137】なお、図面の制約から、記憶回路形成領域
1には1つの記憶素子しか図示していないが、実際には
複数の記憶素子が設けられ、また、周辺回路形成領域2
に対してもさらに多くのMOSトランジスタや抵抗素子
が設けられていることはいうまでもない。
【0138】また、第1の実施形態においては、低電圧
トランジスタ部4、5及び高電圧トランジスタ部6、7
の両方を設けたが、どちらか一方でもよく、また、他の
MOSトランジスタを用いてもよい。
【0139】(第1の実施形態の一変形例)以下、本発
明の第1の実施形態の一変形例について図面を参照しな
がら説明する。
【0140】図15は第1の実施形態の一変形例に係る
不揮発性半導体記憶装置の一記憶素子の断面構成を示し
ている。図15において、図1に示す構成部材と同一の
構成部材には同一の符号を付している。
【0141】本変形例に係る保護絶縁膜14は、制御ゲ
ート電極13の両側面上に該制御ゲート電極13側から
順次形成されたシリコン酸化膜及びシリコン窒化膜の積
層体により構成されている。
【0142】また、トンネル絶縁膜16は内燃方式のパ
イロジェニック(水素燃焼)酸化により形成され、且
つ、保護絶縁膜14におけるシリコン窒化膜の制御ゲー
ト電極13と反対側の表面に、内燃方式のパイロジェニ
ック酸化によりシリコン酸化膜14aが形成されている
ことを特徴とする。
【0143】この、内燃方式のパイロジェニック酸化
は、2000年1月21、22日開催の応用物理学会に
おける研究報告資料「極薄シリコン酸化膜の形成・評価
・信頼性」127〜132頁、標題「ISSG(in-sit
u steam generation)を用いた酸化膜形成技術とその反
応機構」(東海他)にも記載されているように、水素ガ
スと酸素ガスとをチャンバ内に直接に導入し、加熱した
半導体基板上で水素ガスと酸素ガスとを反応させて水蒸
気を発生し、発生した水蒸気によりシリコンからなる部
材にシリコン酸化膜を形成するウェット酸化である。
【0144】以下、トンネル絶縁膜16及びシリコン酸
化膜14aの成膜方法の具体例を説明する。
【0145】例えば、図8(c)に示す第1の実施形態
におけるトンネル絶縁膜39の成膜工程において、急速
熱酸化装置を用いて、温度が900℃〜1100℃程度
で圧力が1000Pa〜2000Pa程度に設定された
チャンバ内に水素ガスと酸素ガスとを導入し、加熱され
た半導体基板21上で導入された水素ガスと酸素ガスと
が反応して水蒸気が生成される。この生成された水蒸気
によって半導体基板21を熱酸化することにより、半導
体基板21の凹部21bの露出面上に膜厚が6nm〜1
5nmのトンネル絶縁膜39を形成する。この内燃方式
による熱酸化は、前述の論文が示すように、シリコン窒
化膜をも酸化するため、トンネル絶縁膜39を形成する
際に、保護絶縁膜36における外側の第3のシリコン窒
化膜35の露出面が酸化されて、図15に示すトンネル
絶縁膜16及びシリコン酸化膜14aが形成される。
【0146】本変形例によると、第1の実施形態の効果
に加え、以下に示す種々の効果を得ることができる。
【0147】まず、本願発明者らは、図8(c)に示す
工程において、内燃方式の熱酸化によりトンネル絶縁膜
39を形成すると、ヒ素(As)イオンが注入された低
濃度n型不純物拡散領域38の増速酸化が抑制されて、
トンネル絶縁膜39の膜厚をほぼ均一に形成できるとい
う知見を得ている。これにより、トンネル絶縁膜39の
膜厚の増大を防止できるので、記憶素子における消去速
度の低下を抑制することができる。また、内燃方式の熱
酸化によるトンネル絶縁膜39は、温度が850℃程度
の酸素雰囲気で形成されたトンネル絶縁膜の膜質と比べ
て、同等かそれ以上の膜質を得られるため、記憶素子の
信頼性が向上する。
【0148】さらに、内燃方式の熱酸化によりトンネル
絶縁膜39を形成すると、制御ゲート電極31Aのゲー
ト酸化膜である第2の熱酸化膜28にバーズビークが発
生しにくくなり、ゲート酸化膜の膜厚をほぼ均一に形成
できるという知見をも得ている。これにより、記憶素子
における書き込み速度の向上及び駆動電流が増加して、
記憶素子の動作性能が向上する。
【0149】また、駆動電流が増加すると、活性領域に
おける制御ゲート電極31Aの幅方向の寸法を小さくす
ることが可能となり、さらなる微細化に対応できるよう
になる。
【0150】また、内燃方式の熱酸化を用いると、制御
ゲート電極31Aの側面の下部に発生するバーズビーク
をも抑制できるため、容量絶縁膜となる保護絶縁膜36
の膜厚をもほぼ均一に形成できるので、制御ゲート電極
31Aと浮遊ゲート電極40Bとの間の容量結合比が小
さくなることがなく、記憶素子の書き込み速度及び消去
速度が速くなる。
【0151】さらに、内燃方式の熱酸化によりトンネル
絶縁膜39を形成すると、図15に示したように、保護
絶縁膜14の外側に位置するシリコン窒化膜の露出面が
酸化されてシリコン酸化膜14aが形成されるため、浮
遊ゲート電極15に蓄積された電子の放出を抑制する効
果が向上するので、記憶素子の信頼性が向上する。
【0152】(第2の実施形態)以下、本発明の第2の
実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置及びその製造方
法について図面を参照しながら説明する。
【0153】図16は第2の実施形態に係る不揮発性半
導体記憶装置の一記憶素子の断面構成を示している。図
16において、図1に示す構成部材と同一の構成部材に
は同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0154】第2の実施形態に係る保護絶縁膜14A
は、シリコン酸化膜の単層により構成されていることを
特徴とする。
【0155】続いて、第2の実施形態に係る不揮発性半
導体記憶装置の一記憶素子の製造方法を図17(a)〜
図17(h)に基づいて説明する。なお、(1)素子分
離領域の形成、(2)ウェル領域の形成、(3)ゲート
酸化膜の形成及び(5)周辺回路形成領域の素子形成の
各工程は第1の実施形態と同様である。また、図17に
おいて、第1の実施形態と同一の構成部材には同一の符
号を付している。
【0156】まず、図17(a)に示すように、第2の
シリコン窒化膜32の上に、記憶素子の制御ゲート電極
形成用パターンであるマスクパターン109を用いて、
第2のシリコン窒化膜32に対するドライエッチング
と、多結晶シリコン膜31に対するドライエッチングと
を行なって、上面が第2のシリコン窒化膜32により覆
われたn型の多結晶シリコン膜からなる制御ゲート電極
31Aを形成する。
【0157】次に、図17(b)に示すように、マスク
パターン109を除去した後、半導体基板21上に、ド
レイン形成領域に開口部を持つマスクパターン110を
形成し、形成したマスクパターン110を用いて、例え
ば注入エネルギーが約5keV〜15keV程度で注入
ドーズ量が5×1012〜1×1014cm-2程度のホウ素
(B)イオンを半導体基板21にイオン注入することに
より、表面近傍の不純物濃度が5×1016cm-3〜1×
1019cm-3程度で且つ浅い接合を持つ第1の低濃度p
型不純物拡散領域33を形成する。なお、第2の熱酸化
膜28における第1の低濃度p型不純物拡散領域33の
上側部分を、あらかじめ、フッ酸によるウェットエッチ
ングで除去しておき、その後、前述した注入条件でホウ
素(B)イオンの注入を行なってもよい。
【0158】次に、図17(c)に示すように、マスク
パターン110を除去した後、CVD法を用いて半導体
基板21上に第2のシリコン窒化膜32及び制御ゲート
電極31Aを含む全面にわたって膜厚が約5nm〜15
nmの第2のシリコン酸化膜34を堆積する。
【0159】次に、図17(d)に示すように、CVD
法により、第2のシリコン酸化膜34の上に全面にわた
って膜厚が40nm〜100nm程度のBPSG膜37
Aを堆積する。
【0160】次に、図17(e)に示すように、堆積し
たBPSG膜37Aに対して異方性のエッチバックを行
ない、さらに、第2のシリコン酸化膜34及び第2の熱
酸化膜28を除去して半導体基板21を露出させること
により、制御ゲート電極31Aの側面上に、第2のシリ
コン酸化膜34からなる保護絶縁膜36を介在させたサ
イドウォール37を形成する。
【0161】次に、図17(f)に示すように、ドレイ
ン領域の上に開口部を持つマスクパターン111を形成
し、形成したマスクパターン111、制御ゲート31A
及びサイドウォール37を用いて、反応イオン性ドライ
エッチング(RIE)法により、半導体基板21の上部
に対してエッチングを行なって、深さが25nm〜75
nm程度の凹部21bを形成する。なお、このエッチン
グはRIE法に代えてCDE法により行なってもよい。
【0162】続いて、マスクパターン111を用いて、
注入エネルギーが約10keV〜30keVで注入ドー
ズ量が5×1012〜1×1014cm-2程度の比較的に低
ドーズ量のホウ素(B)イオンを半導体基板21にイオ
ン注入して、表面近傍の不純物濃度が5×1016cm-3
〜1×1019cm-3程度で、第1の低濃度p型不純物拡
散領域33よりもやや深い接合を持つ第2の低濃度p型
不純物拡散領域(図示せず)を形成する。さらに、マス
クパターン111を用いて、注入エネルギーが約20k
eV〜50keVで注入ドーズ量が5×1012〜1×1
14cm-2程度の比較的に低ドーズ量のヒ素(As)イ
オンを半導体基板21にイオン注入して、表面近傍の不
純物濃度が5×1016cm-3〜1×1019cm-3程度
で、接合深さが約40nmの浅い低濃度n型不純物拡散
領域38を形成する。
【0163】次に、図17(g)に示すように、マスク
パターン111を除去し、さらに気相フッ酸を用いてサ
イドウォール37を除去した後、図17(h)に示すよ
うに、半導体基板21を温度が約850℃の酸素雰囲気
で熱酸化することにより、半導体基板21の凹部21b
の露出面上に膜厚が約9nmのトンネル絶縁膜39を形
成する。このとき、制御ゲート電極31Aの側面にも熱
酸化膜が形成されて保護絶縁膜36の膜厚が大きくな
る。なお、ここでは、保護絶縁膜36とトンネル絶縁膜
39とが共にシリコン酸化膜であるため、両者間の熱的
なストレスは小さい。
【0164】次に、CVD法により、半導体基板21上
にゲート電極31A及び保護絶縁膜36を含む全面にわ
たって膜厚が120nm〜200nm程度のリン(P)
が添加された多結晶シリコン(DP)膜を形成する。続
いて、ドレイン領域の上に開口部を持つマスクパターン
を用いて、DP膜に対して異方性ドライエッチングによ
るエッチバックを行なって、制御ゲート電極31Aの側
面上に保護絶縁膜36を介してサイドウォール状DP膜
を形成する。具体的には、トンネル絶縁膜39が露出し
た時点でエッチングを停止して、制御ゲート電極31A
のドレイン領域側の側面上に高さが制御ゲート電極31
Aの高さの約80%、ここでは約160nmのサイドウ
ォール状DP膜を半導体基板21の凹部21bの段差部
を跨ぐように形成する。その後、サイドウォール状DP
膜をマスクするマスクパターンを用いたドライエッチン
グにより、サイドウォール状DP膜から、記憶素子ごと
に分離され、さらに制御ゲート電極31Aのドレイン領
域側の側面と保護絶縁膜36を介して容量結合し且つ半
導体基板21の凹部21bとトンネル絶縁膜39を介し
て対向する浮遊ゲート電極40Bを自己整合的に形成す
る。
【0165】次に、制御ゲート電極31A及び浮遊ゲー
ト電極40Bをマスクとして、注入エネルギーが約50
keVで注入ドーズ量が5×1013〜1×1014cm-2
程度の比較的に高ドーズ量のヒ素(As)イオンを半導
体基板21にイオン注入し、これにより、半導体基板2
1の表面近傍のヒ素の不純物濃度が5×1019cm-3
1×1021cm-3と程度のソース領域42及びドレイン
領域43を形成する。
【0166】なお、第2の実施形態においては、半導体
基板21の浮遊ゲート電極40Bの下側に、ホットエレ
クトロンが浮遊ゲート電極40Bに高効率で注入される
ように浮遊ゲート電極40Bが跨ぐ段差部を設けている
が、段差部を設けない構成であってもよい。
【0167】以上説明したように、第2の実施形態によ
ると、制御ゲート電極31Aの両側面が保護絶縁膜36
により覆われているため、浮遊ゲート電極40Bを形成
する際に、制御ゲート電極31Aがエッチングによるダ
メージを防止できる。
【0168】また、図17(e)に示すように、制御ゲ
ート電極31AのBPSGからなるサイドウォール37
は、その底面が保護絶縁膜36上にあり、直接に半導体
基板21と接していないため、後工程で除去する際に半
導体基板21の基板面がダメージを受けることがないの
で、記憶素子としての動作が安定する。
【0169】その上、第2の実施形態においても、周辺
回路形成領域の各素子は記憶素子の形成工程よりも後に
形成されるため、制御ゲート電極31A及び浮遊ゲート
電極40Bがエッチングダメージを受けることがない。
【0170】(第2の実施形態の一変形例)以下、本発
明の第2の実施形態の一変形例について図面を参照しな
がら説明する。
【0171】図18は第2実施形態の一変形例に係る不
揮発性半導体記憶装置の一記憶素子の断面構成を示して
いる。図18において、図16に示す構成部材と同一の
構成部材には同一の符号を付している。
【0172】本変形例に係るトンネル絶縁膜16は内燃
方式のパイロジェニック酸化により形成され、且つ、制
御ゲート電極13の側部に、内燃方式のパイロジェニッ
ク酸化によるシリコン酸化膜13aが形成されているこ
とを特徴とする。
【0173】以下、トンネル絶縁膜16及びシリコン酸
化膜13aの成膜方法の具体例を説明する。
【0174】例えば、図17(h)に示す第2の実施形
態におけるトンネル絶縁膜39の成膜工程において、急
速熱酸化装置を用いて、温度が900℃〜1100℃程
度で圧力が1000Pa〜2000Pa程度に設定され
たチャンバ内に水素ガスと酸素ガスとを導入し、半導体
基板21上で生成される水蒸気によって半導体基板21
を熱酸化することにより、半導体基板21の凹部21b
の露出面上に膜厚が6nm〜15nmのトンネル絶縁膜
39を形成する。このとき、制御ゲート電極31Aの側
部も同時に熱酸化されて、図18に示すトンネル絶縁膜
16及びシリコン酸化膜13aが形成される。
【0175】本変形例によると、第2の実施形態と同様
の効果を得られる上に、内燃方式の熱酸化によりトンネ
ル絶縁膜39を形成するため、低濃度n型不純物拡散領
域38における増速酸化が抑制されるので、該トンネル
絶縁膜39の膜厚をほぼ均一に形成することができる。
また、内燃方式の熱酸化によるトンネル絶縁膜39は、
温度が850℃程度の通常の酸素雰囲気で形成されたト
ンネル絶縁膜の膜質と比べても、同等かそれ以上の膜質
を得ることができる。
【0176】その上、内燃方式の熱酸化法を用いると、
ゲート酸化膜である第2の熱酸化膜28に対するバーズ
ビークの発生、及び制御ゲート電極31Aの側面の下部
に対するバーズビークの発生が抑制されるため、ゲート
酸化膜の膜厚及び容量絶縁膜となる保護絶縁膜36の膜
厚をほぼ均一に形成することができる。
【0177】また、内燃方式の熱酸化によりトンネル絶
縁膜39を形成するため、図18に示すように、制御ゲ
ート電極13の側部に緻密なシリコン酸化膜13aが形
成されるので、浮遊ゲート電極15に蓄積された電子の
放出が抑制され、記憶素子の信頼性が向上する。
【0178】なお、本変形例において、保護絶縁膜14
Aの下部は基板面方向に張り出す張り出し部を有してい
るが、該張り出し部を有さない構造であっても良い。張
り出し部を除去することにより、書き込み動作時及び消
去動作時における張り出し部への電子又はホールのトラ
ップが抑制されるため、書き込み動作又は消去動作の回
数の増加による記憶素子の劣化を大幅に低減することが
できる。
【0179】(第3の実施形態)以下、本発明の第3の
実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置及びその製造方
法について図面を参照しながら説明する。
【0180】図19は第3の実施形態に係る不揮発性半
導体記憶装置の一記憶素子の断面構成を示している。図
19において、図1に示す構成部材と同一の構成部材に
は同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0181】第3の実施形態に係る保護絶縁膜14は、
シリコン酸化膜及びシリコン窒化膜の積層体からなり、
制御ゲート電極13の浮遊ゲート電極15と対向する側
面にのみ設けられていることを特徴とする。
【0182】続いて、第3の実施形態に係る不揮発性半
導体記憶装置の一記憶素子の製造方法を図20(a)〜
図20(h)に基づいて説明する。なお、(1)素子分
離領域の形成、(2)ウェル領域の形成、(3)ゲート
酸化膜の形成及び(5)周辺回路形成領域の素子形成の
各工程は第1の実施形態と同様である。また、図20に
おいて、第1の実施形態と同一の構成部材には同一の符
号を付している。
【0183】まず、図20(a)に示すように、第2の
シリコン窒化膜32の上に、記憶素子の制御ゲート電極
形成用パターンであるマスクパターン109を用いて、
第2のシリコン窒化膜32に対するドライエッチング
と、多結晶シリコン膜31に対するドライエッチングと
を行なって、上面が第2のシリコン窒化膜32により覆
われたn型の多結晶シリコン膜からなる制御ゲート電極
31Aを形成する。
【0184】次に、図20(b)に示すように、マスク
パターン109を除去した後、半導体基板21上に、ド
レイン形成領域に開口部を持つマスクパターン110を
形成し、形成したマスクパターン110を用いて、例え
ば注入エネルギーが約5keV〜15keV程度で注入
ドーズ量が5×1012〜1×1014cm-2程度のホウ素
(B)イオンを半導体基板21にイオン注入することに
より、表面近傍の不純物濃度が5×1016cm-3〜1×
1019cm-3程度で且つ浅い接合を持つ第1の低濃度p
型不純物拡散領域33を形成する。なお、第2の熱酸化
膜28における第1の低濃度p型不純物拡散領域33の
上側部分を、あらかじめ、フッ酸によるウェットエッチ
ングで除去しておき、その後、前述した注入条件でホウ
素(B)イオンの注入を行なってもよい。
【0185】次に、図20(c)に示すように、マスク
パターン110を除去した後、CVD法を用いて半導体
基板21上に第2のシリコン窒化膜32及び制御ゲート
電極31Aを含む全面にわたって、膜厚がそれぞれ約5
nm〜15nmの第2のシリコン酸化膜34及び第3の
シリコン窒化膜35を順次堆積する。
【0186】次に、図20(d)に示すように、CVD
法により、第3のシリコン窒化膜35の上に全面にわた
って膜厚が40nm〜100nm程度のBPSG膜37
Aを堆積する。
【0187】次に、図20(e)に示すように、堆積し
たBPSG膜37Aに対して異方性のエッチバックを行
ない、さらに、第3のシリコン窒化膜35、第2のシリ
コン酸化膜34及び第2の熱酸化膜28を除去して半導
体基板21を露出させることにより、制御ゲート電極3
1Aの側面上に、第2のシリコン酸化膜34及び第3の
シリコン窒化膜35からなる保護絶縁膜36を介在させ
たサイドウォール37を形成する。
【0188】次に、図20(f)に示すように、ドレイ
ン領域の上に開口部を持つマスクパターン111を形成
し、形成したマスクパターン111、制御ゲート31A
及びサイドウォール37を用いて、反応イオン性ドライ
エッチング(RIE)法により、半導体基板21の上部
に対してエッチングを行なって、深さが25nm〜75
nm程度の凹部21bを形成する。なお、このエッチン
グは、RIE法に代えてCDE法により行なってもよ
い。
【0189】続いて、マスクパターン111を用いて、
注入エネルギーが約10keV〜30keVで注入ドー
ズ量が5×1012〜1×1014cm-2程度の比較的に低
ドーズ量のホウ素(B)イオンを半導体基板21にイオ
ン注入して、表面近傍の不純物濃度が5×1016cm-3
〜1×1019cm-3程度で、第1の低濃度p型不純物拡
散領域33よりもやや深い接合を持つ第2の低濃度p型
不純物拡散領域(図示せず)を形成する。さらに、マス
クパターン111を用いて、注入エネルギーが約20k
eV〜50keVで注入ドーズ量が5×1012〜1×1
14cm-2程度の比較的に低ドーズ量のヒ素(As)イ
オンを半導体基板21にイオン注入して、表面近傍の不
純物濃度が5×1016cm-3〜1×1019cm-3程度
で、接合深さが約40nmの浅い低濃度n型不純物拡散
領域38を形成する。
【0190】次に、図20(g)に示すように、マスク
パターン111を除去し、さらに気相フッ酸を用いてサ
イドウォール37を除去した後、制御ゲート電極31A
のソース領域側の上に開口部を有するマスクパターン1
31を用いて、保護絶縁膜36のうち第3のシリコン窒
化膜35に対してはドライエッチングを行ない、第2の
シリコン酸化膜34に対してはウェットエッチングを行
なうことにより、保護絶縁膜36における制御ゲート電
極31Aのソース領域側の側面部分を除去する。
【0191】次に、図20(h)に示すように、マスク
パターン131を除去した後、半導体基板21を温度が
約850℃の酸素雰囲気で熱酸化することにより、半導
体基板21の凹部21bの露出面上に膜厚が約9nmの
トンネル絶縁膜39を形成する。その後、CVD法によ
り、半導体基板21上にゲート電極31A及び保護絶縁
膜36を含む全面にわたって膜厚が120nm〜200
nm程度のリン(P)が添加された多結晶シリコン(D
P)膜を形成する。続いて、ドレイン領域の上に開口部
を持つマスクパターンを用いて、DP膜に対して異方性
ドライエッチングによるエッチバックを行なって、制御
ゲート電極31Aの側面上に保護絶縁膜36を介してサ
イドウォール状DP膜を形成する。具体的には、トンネ
ル絶縁膜39が露出した時点でエッチングを停止して、
制御ゲート電極31Aのドレイン領域側の側面上に高さ
が制御ゲート電極31Aの高さの約80%、ここでは約
160nmのサイドウォール状DP膜を半導体基板21
の凹部21bの段差部を跨ぐように形成する。その後、
サイドウォール状DP膜をマスクするマスクパターンを
用いたドライエッチングにより、サイドウォール状DP
膜から、記憶素子ごとに分離され、さらに制御ゲート電
極31Aのドレイン領域側の側面と保護絶縁膜36を介
して容量結合し且つ半導体基板21の凹部21bとトン
ネル絶縁膜39を介して対向する浮遊ゲート電極40B
を自己整合的に形成する。
【0192】次に、制御ゲート電極31A及び浮遊ゲー
ト電極40Bをマスクとして、注入エネルギーが約50
keVで注入ドーズ量が5×1013〜1×1014cm-2
程度の比較的に高ドーズ量のヒ素(As)イオンを半導
体基板21にイオン注入し、これにより、半導体基板2
1の表面近傍のヒ素の不純物濃度が5×1019cm-3
1×1021cm-3と程度のソース領域42及びドレイン
領域43を形成する。
【0193】なお、第3の実施形態においては、半導体
基板21の浮遊ゲート電極40Bの下側に、ホットエレ
クトロンが浮遊ゲート電極40Bに高効率で注入される
ように浮遊ゲート電極40Bが跨ぐ段差部を設けている
が、段差部を設けない構成であってもよい。
【0194】以上説明したように、第3の実施形態によ
ると、制御ゲート電極31Aにおける浮遊ゲート電極4
0Bと対向する側面が保護絶縁膜36により覆われてい
るため、浮遊ゲート電極40Bを形成する際に、制御ゲ
ート電極31Aがエッチングによるダメージを防止でき
る。また、トンネル絶縁膜39の形成工程において、制
御ゲート電極31Aにおける浮遊ゲート電極40B側の
側面が酸化されることがない。
【0195】また、図20(e)に示すように、制御ゲ
ート電極31AのBPSGからなるサイドウォール37
は、その底面が保護絶縁膜36上にあり、直接に半導体
基板21と接していないため、後工程で除去する際に半
導体基板21の基板面がダメージを受けることがないの
で、記憶素子としての動作が安定する。
【0196】その上、第3の実施形態においても、周辺
回路形成領域の各素子は記憶素子の形成工程よりも後に
形成されるため、制御ゲート電極31A及び浮遊ゲート
電極40Bがエッチングダメージを受けることがない。
【0197】また、制御ゲート電極31Aにおける浮遊
ゲート電極40Bの反対側の側面上には保護絶縁膜36
が設けられていないため、不揮発性半導体記憶素子の実
効チャネル長が短縮される。
【0198】(第3の実施形態の一変形例)以下、本発
明の第3の実施形態の一変形例について図面を参照しな
がら説明する。
【0199】図21は第3の実施形態の一変形例に係る
不揮発性半導体記憶装置の一記憶素子の断面構成を示し
ている。図21において、図19に示す構成部材と同一
の構成部材には同一の符号を付している。
【0200】浮遊ゲート電極15との間に設けられた、
本変形例に係る保護絶縁膜14は、制御ゲート電極13
側から順次形成されたシリコン酸化膜及びシリコン窒化
膜の積層体により構成されている。
【0201】また、トンネル絶縁膜16は内燃方式のパ
イロジェニック酸化により形成され、且つ、保護絶縁膜
14におけるシリコン窒化膜の浮遊ゲート電極15側の
表面に、内燃方式のパイロジェニック酸化によるシリコ
ン酸化膜14aが形成されていることを特徴とする。
【0202】以下、トンネル絶縁膜16及びシリコン酸
化膜14aの成膜方法の具体例を説明する。
【0203】例えば、図20(h)に示す第3の実施形
態におけるトンネル絶縁膜39の成膜工程において、急
速熱酸化装置を用いて、温度が900℃〜1100℃程
度で圧力が1000Pa〜2000Pa程度に設定され
たチャンバ内に水素ガスと酸素ガスとを導入し、半導体
基板21上で生成される水蒸気によって該半導体基板2
1を熱酸化することにより、半導体基板21の凹部21
bの露出面上に膜厚が6nm〜15nmのトンネル絶縁
膜39を形成する。このとき、内燃方式による熱酸化
は、シリコン窒化膜をも酸化するため、保護絶縁膜36
における外側の第3のシリコン窒化膜35の露出面が酸
化されて、図21に示すトンネル絶縁膜16及びシリコ
ン酸化膜14aが形成される。
【0204】本変形例によると、第3の実施形態と同様
の効果を得られる上に、内燃方式の熱酸化によりトンネ
ル絶縁膜39を形成するため、低濃度n型不純物拡散領
域38における増速酸化が抑制されるので、該トンネル
絶縁膜39の膜厚をほぼ均一に形成することができる。
また、内燃方式の熱酸化によるトンネル絶縁膜39は、
通常の酸素雰囲気で形成されたトンネル絶縁膜の膜質と
比べても、同等かそれ以上の膜質を得ることができる。
【0205】その上、ゲート酸化膜である第2の熱酸化
膜28に対するバーズビークの発生、及び制御ゲート電
極31Aの側面の下部に対するバーズビークの発生が抑
制される。これにより、ゲート酸化膜及び容量絶縁膜の
各膜厚がほぼ均一となる。
【0206】さらに、内燃方式の熱酸化法を用いると、
図21に示したように、保護絶縁膜14の外側の面が酸
化されてシリコン酸化膜14aが形成されるため、浮遊
ゲート電極15に蓄積された電子の放出を抑制する効果
が向上するので、記憶素子の信頼性が向上する。
【0207】(第4の実施形態)以下、本発明の第4の
実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置及びその製造方
法について図面を参照しながら説明する。
【0208】図22は第2の実施形態に係る不揮発性半
導体記憶装置の一記憶素子の断面構成を示している。図
22において、図1に示す構成部材と同一の構成部材に
は同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0209】第4の実施形態に係る保護絶縁膜14Aは
シリコン酸化膜の単層からなり、制御ゲート電極13の
浮遊ゲート電極15と対向する側面にのみ設けられてい
ることを特徴とする。
【0210】続いて、第4の実施形態に係る不揮発性半
導体記憶装置の一記憶素子の製造方法を図23(a)〜
図23(h)に基づいて説明する。なお、(1)素子分
離領域の形成、(2)ウェル領域の形成、(3)ゲート
酸化膜の形成及び(5)周辺回路形成領域の素子形成の
各工程は第1の実施形態と同様である。また、図23に
おいて、第1の実施形態と同一の構成部材には同一の符
号を付している。
【0211】まず、図23(a)に示すように、第2の
シリコン窒化膜32の上に、記憶素子の制御ゲート電極
形成用パターンであるマスクパターン109を用いて、
第2のシリコン窒化膜32に対するドライエッチング
と、多結晶シリコン膜31に対するドライエッチングと
を行なって、上面が第2のシリコン窒化膜32により覆
われたn型の多結晶シリコン膜からなる制御ゲート電極
31Aを形成する。
【0212】次に、図23(b)に示すように、マスク
パターン109を除去した後、半導体基板21上に、ド
レイン形成領域に開口部を持つマスクパターン110を
形成し、形成したマスクパターン110を用いて、例え
ば注入エネルギーが約5keV〜15keV程度で注入
ドーズ量が5×1012〜1×1014cm-2程度のホウ素
(B)イオンを半導体基板21にイオン注入することに
より、表面近傍の不純物濃度が5×1016cm-3〜1×
1019cm-3程度で且つ浅い接合を持つ第1の低濃度p
型不純物拡散領域33を形成する。なお、第2の熱酸化
膜28における第1の低濃度p型不純物拡散領域33の
上側部分を、あらかじめ、フッ酸によるウェットエッチ
ングで除去しておき、その後、前述した注入条件でホウ
素(B)イオンの注入を行なってもよい。
【0213】次に、図23(c)に示すように、マスク
パターン110を除去した後、CVD法を用いて半導体
基板21上に第2のシリコン窒化膜32及び制御ゲート
電極31Aを含む全面にわたって膜厚が約5nm〜15
nmの第2のシリコン酸化膜34を堆積する。
【0214】次に、図23(d)に示すように、CVD
法により、第2のシリコン酸化膜34の上に全面にわた
って膜厚が40nm〜100nm程度のBPSG膜37
Aを堆積する。
【0215】次に、図23(e)に示すように、堆積し
たBPSG膜37Aに対して異方性のエッチバックを行
ない、さらに、第2のシリコン酸化膜34及び第2の熱
酸化膜28を除去して半導体基板21を露出させること
により、制御ゲート電極31Aの側面上に、第2のシリ
コン酸化膜34からなる保護絶縁膜36を介在させたサ
イドウォール37を形成する。
【0216】次に、図23(f)に示すように、ドレイ
ン領域の上に開口部を持つマスクパターン111を形成
し、形成したマスクパターン111、制御ゲート31A
及びサイドウォール37を用いて、反応イオン性ドライ
エッチング(RIE)法により、半導体基板21の上部
に対してエッチングを行なって、深さが25nm〜75
nm程度の凹部21bを形成する。なお、このエッチン
グは、RIE法に代えてCDE法により行なってもよ
い。
【0217】続いて、マスクパターン111を用いて、
注入エネルギーが約10keV〜30keVで注入ドー
ズ量が5×1012〜1×1014cm-2程度の比較的に低
ドーズ量のホウ素(B)イオンを半導体基板21にイオ
ン注入して、表面近傍の不純物濃度が5×1016cm-3
〜1×1019cm-3程度で、第1の低濃度p型不純物拡
散領域33よりもやや深い接合を持つ第2の低濃度p型
不純物拡散領域(図示せず)を形成する。さらに、マス
クパターン111を用いて、注入エネルギ続ーが約20
keV〜50keVで注入ドーズ量が5×1012〜1×
1014cm-2程度の比較的に低ドーズ量のヒ素(As)
イオンを半導体基板21にイオン注入して、表面近傍の
不純物濃度が5×1016cm-3〜1×1019cm-3程度
で、接合深さが約40nmの浅い低濃度n型不純物拡散
領域38を形成する。
【0218】次に、図23(g)に示すように、マスク
パターン111を除去し、さらに気相フッ酸を用いてサ
イドウォール37を除去した後、制御ゲート電極31A
のソース領域側の上に開口部を有するマスクパターン1
31を用いて、保護絶縁膜36における制御ゲート電極
31Aのソース領域側の側面部分を除去する。
【0219】次に、図23(h)に示すように、マスク
パターン131を除去した後、半導体基板21を温度が
約850℃の酸素雰囲気で熱酸化することにより、半導
体基板21の凹部21bの露出面上に膜厚が約9nmの
トンネル絶縁膜39を形成する。このとき、制御ゲート
電極31Aの両側面に熱酸化膜が形成され、その結果、
保護絶縁膜36の膜厚が大きくなる。なお、ここでは、
保護絶縁膜36とトンネル絶縁膜39とが共にシリコン
酸化膜であるため、両者間の熱的なストレスは小さい。
【0220】次に、CVD法により、半導体基板21上
にゲート電極31A及び保護絶縁膜36を含む全面にわ
たって膜厚が120nm〜200nm程度のリン(P)
が添加された多結晶シリコン(DP)膜を形成する。続
いて、ドレイン領域の上に開口部を持つマスクパターン
を用いて、DP膜に対して異方性ドライエッチングによ
るエッチバックを行なって、制御ゲート電極31Aの側
面上に保護絶縁膜36を介してサイドウォール状DP膜
を形成する。具体的には、トンネル絶縁膜39が露出し
た時点でエッチングを停止して、制御ゲート電極31A
のドレイン領域側の側面上に高さが制御ゲート電極31
Aの高さの約80%、ここでは約160nmのサイドウ
ォール状DP膜を半導体基板21の凹部21bの段差部
を跨ぐように形成する。その後、サイドウォール状DP
膜をマスクするマスクパターンを用いたドライエッチン
グにより、サイドウォール状DP膜から、記憶素子ごと
に分離され、さらに制御ゲート電極31Aのドレイン領
域側の側面と保護絶縁膜36を介して容量結合し且つ半
導体基板21の凹部21bとトンネル絶縁膜39を介し
て対向する浮遊ゲート電極40Bを自己整合的に形成す
る。
【0221】次に、制御ゲート電極31A及び浮遊ゲー
ト電極40Bをマスクとして、注入エネルギーが約50
keVで注入ドーズ量が5×1013〜1×1014cm-2
程度の比較的高ドーズ量のヒ素(As)イオンを半導体
基板21にイオン注入し、これにより、半導体基板21
の表面近傍のヒ素の不純物濃度が5×1019cm-3〜1
×1021cm-3と程度のソース領域42及びドレイン領
域43を形成する。
【0222】なお、第4の実施形態においては、半導体
基板21の浮遊ゲート電極40Bの下側に、ホットエレ
クトロンが浮遊ゲート電極40Bに高効率で注入される
ように浮遊ゲート電極40Bが跨ぐ段差部を設けている
が、段差部を設けない構成であってもよい。
【0223】以上説明したように、第4の実施形態によ
ると、制御ゲート電極31Aにおける浮遊ゲート電極4
0Bと対向する側面が保護絶縁膜36により覆われてい
るため、浮遊ゲート電極40Bを形成する際に、制御ゲ
ート電極31Aがエッチングによるダメージを防止でき
る。
【0224】また、図23(e)に示すように、制御ゲ
ート電極31AのBPSGからなるサイドウォール37
は、その底面が保護絶縁膜36上にあり、直接に半導体
基板21と接していないため、後工程で除去する際に半
導体基板21の基板面がダメージを受けることがないの
で、記憶素子としての動作が安定する。
【0225】その上、第4の実施形態においても、周辺
回路形成領域の各素子は記憶素子の形成工程よりも後に
形成されるため、制御ゲート電極31A及び浮遊ゲート
電極40Bがエッチングダメージを受けることがない。
【0226】また、制御ゲート電極31Aにおける浮遊
ゲート電極40Bの反対側の側面上には保護絶縁膜36
が設けられていないため、不揮発性半導体記憶素子の実
効チャネル長を短縮できる。
【0227】(第4の実施形態の一変形例)以下、本発
明の第4の実施形態の一変形例について図面を参照しな
がら説明する。
【0228】図24は第4実施形態の一変形例に係る不
揮発性半導体記憶装置の一記憶素子の断面構成を示して
いる。図24において、図22に示す構成部材と同一の
構成部材には同一の符号を付している。
【0229】本変形例に係るトンネル絶縁膜16は内燃
方式のパイロジェニック酸化により形成され、且つ、制
御ゲート電極13の両側部に、内燃方式のパイロジェニ
ック酸化によるシリコン酸化膜13aが形成されている
ことを特徴とする。
【0230】以下、トンネル絶縁膜16及びシリコン酸
化膜13aの成膜方法の具体例を説明する。
【0231】例えば、図23(h)に示す第4の実施形
態におけるトンネル絶縁膜39の成膜工程において、急
速熱酸化装置を用いて、温度が900℃〜1100℃程
度で圧力が1000Pa〜2000Pa程度に設定され
たチャンバ内に水素ガスと酸素ガスとを導入し、半導体
基板21上で生成される水蒸気によって該半導体基板2
1を熱酸化することにより、半導体基板21の凹部21
bの露出面上に膜厚が6nm〜15nmのトンネル絶縁
膜39を形成する。このとき、制御ゲート電極31Aの
側部も同時に熱酸化されて、図24に示すトンネル絶縁
膜16及びシリコン酸化膜13aが形成される。
【0232】本変形例によると、第4の実施形態と同様
の効果を得られる上に、内燃方式の熱酸化によりトンネ
ル絶縁膜39を形成するため、低濃度n型不純物拡散領
域38における増速酸化が抑制されるので、該トンネル
絶縁膜39の膜厚をほぼ均一に形成することができる。
【0233】その上、ゲート酸化膜である第2の熱酸化
膜28に対するバーズビークの発生、及び制御ゲート電
極31Aの側面の下部に対するバーズビークの発生が抑
制される。これにより、ゲート酸化膜及び容量絶縁膜の
各膜厚がほぼ均一となる。
【0234】また、内燃方式の熱酸化によりトンネル絶
縁膜39を形成するため、図24に示すように、制御ゲ
ート電極13の側部に緻密なシリコン酸化膜13aが形
成されるので、浮遊ゲート電極15に蓄積された電子の
放出が抑制され、記憶素子の信頼性が向上する。また、
内燃方式の熱酸化によるトンネル絶縁膜39は、通常の
酸素雰囲気で形成されたトンネル絶縁膜の膜質と比べて
も、同等かそれ以上の膜質を得ることができる。
【0235】なお、本変形例において、保護絶縁膜14
Aの下部は基板面方向に張り出す張り出し部を有してい
るが、該張り出し部を有さない構造であっても良い。張
り出し部を除去することにより、書き込み動作時及び消
去動作時における張り出し部への電子又はホールのトラ
ップが抑制されるため、書き込み動作又は消去動作の回
数の増加による記憶素子の劣化を大幅に低減することが
できる。
【0236】(第5の実施形態)以下、本発明の第5の
実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置及びその製造方
法について図面を参照しながら説明する。
【0237】図25は第5の実施形態に係る不揮発性半
導体記憶装置の一記憶素子の断面構成を示している。図
25において、図1に示す構成部材と同一の構成部材に
は同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0238】第5の実施形態に係る保護絶縁膜14は、
シリコン酸化膜及びシリコン窒化膜の積層体からなり、
制御ゲート電極13における浮遊ゲート電極15と反対
側の側面にのみ設けられていることを特徴とする。
【0239】また、制御ゲート電極13と浮遊ゲート電
極15との間の容量絶縁膜16Bはトンネル絶縁膜16
Aと同一の熱酸化膜から構成されている。
【0240】続いて、第5の実施形態に係る不揮発性半
導体記憶装置の一記憶素子の製造方法を図26(a)〜
図26(h)に基づいて説明する。なお、(1)素子分
離領域の形成、(2)ウェル領域の形成、(3)ゲート
酸化膜の形成及び(5)周辺回路形成領域の素子形成の
各工程は第1の実施形態と同様である。また、図26に
おいて、第1の実施形態と同一の構成部材には同一の符
号を付している。
【0241】まず、図26(a)に示すように、第2の
シリコン窒化膜32の上に、記憶素子の制御ゲート電極
形成用パターンであるマスクパターン109を用いて、
第2のシリコン窒化膜32に対するドライエッチング
と、多結晶シリコン膜31に対するドライエッチングと
を行なって、上面が第2のシリコン窒化膜32により覆
われたn型の多結晶シリコン膜からなる制御ゲート電極
31Aを形成する。
【0242】次に、図26(b)に示すように、マスク
パターン109を除去した後、半導体基板21上に、ド
レイン形成領域に開口部を持つマスクパターン110を
形成し、形成したマスクパターン110を用いて、例え
ば注入エネルギーが約5keV〜15keV程度で注入
ドーズ量が5×1012〜1×1014cm-2程度のホウ素
(B)イオンを半導体基板21にイオン注入することに
より、表面近傍の不純物濃度が5×1016cm-3〜1×
1019cm-3程度で且つ浅い接合を持つ第1の低濃度p
型不純物拡散領域33を形成する。なお、第2の熱酸化
膜28における第1の低濃度p型不純物拡散領域33の
上側部分を、あらかじめ、フッ酸によるウェットエッチ
ングで除去しておき、その後、前述した注入条件でホウ
素(B)イオンの注入を行なってもよい。
【0243】次に、図26(c)に示すように、マスク
パターン110を除去した後、CVD法を用いて半導体
基板21上に第2のシリコン窒化膜32及び制御ゲート
電極31Aを含む全面にわたって、膜厚がそれぞれ約5
nm〜15nmの第2のシリコン酸化膜34及び第3の
シリコン窒化膜35を順次堆積する。
【0244】次に、図26(d)に示すように、CVD
法により、第3のシリコン窒化膜35の上に全面にわた
って膜厚が40nm〜100nm程度のBPSG膜37
Aを堆積する。
【0245】次に、図26(e)に示すように、堆積し
たBPSG膜37Aに対して異方性のエッチバックを行
ない、さらに、第3のシリコン窒化膜35、第2のシリ
コン酸化膜34及び第2の熱酸化膜28を除去して半導
体基板21を露出させることにより、制御ゲート電極3
1Aの側面上に、第2のシリコン酸化膜34及び第3の
シリコン窒化膜35からなる保護絶縁膜36を介在させ
たサイドウォール37を形成する。
【0246】次に、図26(f)に示すように、ドレイ
ン領域の上に開口部を持つマスクパターン111を形成
し、形成したマスクパターン111、制御ゲート31A
及びサイドウォール37を用いて、反応イオン性ドライ
エッチング(RIE)法により、半導体基板21の上部
に対してエッチングを行なって、深さが25nm〜75
nm程度の凹部21bを形成する。なお、このエッチン
グはRIE法に代えてCDE法により行なってもよい。
【0247】続いて、マスクパターン111を用いて、
注入エネルギーが約10keV〜30keVで注入ドー
ズ量が5×1012〜1×1014cm-2程度の比較的低ド
ーズ量のホウ素(B)イオンを半導体基板21にイオン
注入して、表面近傍の不純物濃度が5×1016cm-3
1×1019cm-3程度で、第1の低濃度p型不純物拡散
領域33よりもやや深い接合を持つ第2の低濃度p型不
純物拡散領域(図示せず)を形成する。さらに、マスク
パターン111を用いて、注入エネルギーが約20ke
V〜50keVで注入ドーズ量が5×1012〜1×10
14cm-2程度の比較的低ドーズ量のヒ素(As)イオン
を半導体基板21にイオン注入して、表面近傍の不純物
濃度が5×1016cm-3〜1×1019cm-3程度で、接
合深さが約40nmの浅い低濃度n型不純物拡散領域3
8を形成する。
【0248】次に、図26(g)に示すように、気相フ
ッ酸を用いて、サイドウォール37を除去した後、マス
クパターン111を用いて、保護絶縁膜36のうち第3
のシリコン窒化膜35に対してはドライエッチングを行
ない、第2のシリコン酸化膜34に対してはウェットエ
ッチングを行なうことにより、保護絶縁膜36における
制御ゲート電極31Aのドレイン領域側の側面部分を除
去する。
【0249】次に、図26(h)に示すように、マスク
パターン111を除去した後、半導体基板21を温度が
約850℃の酸素雰囲気で熱酸化することにより、半導
体基板21の凹部21bの露出面上及び制御ゲート電極
31Aのドレイン領域側の側面上に膜厚が約9nmの熱
酸化膜を形成する。この熱酸化膜は半導体基板21上で
は後工程で形成される浮遊ゲート電極との間ではトンネ
ル絶縁膜39Aとなり、制御ゲート電極31Aと浮遊ゲ
ート電極との間では容量絶縁膜39Bとなる。
【0250】次に、CVD法により、半導体基板21上
にゲート電極31A及び保護絶縁膜36を含む全面にわ
たって膜厚が120nm〜200nm程度のリン(P)
が添加された多結晶シリコン(DP)膜を形成する。続
いて、ドレイン領域の上に開口部を持つマスクパターン
を用いて、DP膜に対して異方性ドライエッチングによ
るエッチバックを行なって、制御ゲート電極31Aの側
面上に保護絶縁膜36を介してサイドウォール状DP膜
を形成する。具体的には、トンネル絶縁膜39Aが露出
した時点でエッチングを停止して、制御ゲート電極31
Aのドレイン領域側の側面上に高さが制御ゲート電極3
1Aの高さの約80%、ここでは約160nmのサイド
ウォール状DP膜を半導体基板21の凹部21bの段差
部を跨ぐように形成する。その後、サイドウォール状D
P膜をマスクするマスクパターンを用いたドライエッチ
ングにより、サイドウォール状DP膜から、記憶素子ご
とに分離され、さらに制御ゲート電極31Aのドレイン
領域側の側面と容量絶縁膜39Bを介して容量結合し且
つ半導体基板21の凹部21bとトンネル絶縁膜39A
を介して対向する浮遊ゲート電極40Bを自己整合的に
形成する。
【0251】次に、制御ゲート電極31A及び浮遊ゲー
ト電極40Bをマスクとして、注入エネルギーが約50
keVで注入ドーズ量が5×1013〜1×1014cm-2
程度の比較的高ドーズ量のヒ素(As)イオンを半導体
基板21にイオン注入し、これにより、半導体基板21
の表面近傍のヒ素の不純物濃度が5×1019cm-3〜1
×1021cm-3と程度のソース領域42及びドレイン領
域43を形成する。
【0252】なお、第5の実施形態においては、半導体
基板21の浮遊ゲート電極40Bの下側に、ホットエレ
クトロンが浮遊ゲート電極40Bに高効率で注入される
ように浮遊ゲート電極40Bが跨ぐ段差部を設けている
が、段差部を設けない構成であってもよい。
【0253】以上説明したように、第5の実施形態によ
ると、制御ゲート電極31Aのソース領域側の側面が保
護絶縁膜36により覆われているため、浮遊ゲート電極
40Bを形成する際に、制御ゲート電極31Aがエッチ
ングによるダメージを防止できる。
【0254】また、第5の実施形態においても、周辺回
路形成領域の各素子は記憶素子の形成工程よりも後に形
成されるため、制御ゲート電極31A及び浮遊ゲート電
極40Bがエッチングダメージを受けることがない。
【0255】また、図26(e)に示すように、制御ゲ
ート電極31AのBPSGからなるサイドウォール37
は、その底面が保護絶縁膜36上にあり、直接に半導体
基板21と接していないため、後工程で除去する際に半
導体基板21の基板面がダメージを受けることがないの
で、記憶素子としての動作が安定する。
【0256】その上、トンネル絶縁膜39Aと容量絶縁
膜39Bとは同一の工程で形成されるため工程を簡略化
できる上に、両者にほぼ同等の膜厚を得られるため、制
御ゲート電極31Aと浮遊ゲート電極40Bとの容量結
合比を高くできるので、不揮発性半導体記憶素子の動作
特性が向上する。
【0257】(第5の実施形態の一変形例)以下、本発
明の第5の実施形態の一変形例について図面を参照しな
がら説明する。
【0258】図27は第5の実施形態の一変形例に係る
不揮発性半導体記憶装置の一記憶素子の断面構成を示し
ている。図27において、図25に示す構成部材と同一
の構成部材には同一の符号を付している。
【0259】浮遊ゲート電極15と反対側の側面上に設
けられた、本変形例に係る保護絶縁膜14は、制御ゲー
ト電極13側から順次形成されたシリコン酸化膜及びシ
リコン窒化膜の積層体により構成されている。
【0260】また、トンネル絶縁膜16Aは内燃方式の
パイロジェニック酸化により形成され、且つ、保護絶縁
膜14のシリコン窒化膜におけるシリコン酸化膜と反対
側の側面に、内燃方式のパイロジェニック酸化によるシ
リコン酸化膜14aが形成されていることを特徴とす
る。
【0261】以下、トンネル絶縁膜16A及びシリコン
酸化膜14aの成膜方法の具体例を説明する。
【0262】例えば、図26(h)に示す第5の実施形
態におけるトンネル絶縁膜39A及び容量絶縁膜39B
の成膜工程において、急速熱酸化装置を用いて、温度が
900℃〜1100℃程度で圧力が1000Pa〜20
00Pa程度に設定されたチャンバ内に水素ガスと酸素
ガスとを導入し、半導体基板21上で生成される水蒸気
によって該半導体基板21を熱酸化することにより、半
導体基板21の凹部21bの露出面上に膜厚が6nm〜
15nmの熱酸化膜を形成する。この熱酸化膜は、半導
体基板21と浮遊ゲート電極との間ではトンネル絶縁膜
39Aとなり、制御ゲート電極31Aと浮遊ゲート電極
との間では容量絶縁膜39Bとなる。このとき、内燃方
式による熱酸化は、シリコン窒化膜をも酸化するため、
保護絶縁膜36の外側の第3のシリコン窒化膜35の露
出面が酸化されて、図27に示すトンネル絶縁膜16A
及びシリコン酸化膜14aが形成される。
【0263】本変形例によると、第5の実施形態と同様
の効果を得られる上に、内燃方式の熱酸化によりトンネ
ル絶縁膜39Aを形成するため、低濃度n型不純物拡散
領域38における増速酸化が抑制されるので、該トンネ
ル絶縁膜39Aの膜厚をほぼ均一に形成することができ
る。また、内燃方式の熱酸化によるトンネル絶縁膜39
A及び容量絶縁膜39Bは、通常の酸素雰囲気で形成さ
れた熱酸化膜の膜質と比べても、同等かそれ以上の膜質
を得ることができる。
【0264】その上、ゲート酸化膜である第2の熱酸化
膜28に対するバーズビークの発生、及び制御ゲート電
極31Aの側面の下部に対するバーズビークの発生が抑
制される。これにより、ゲート酸化膜及び容量絶縁膜3
9Bの各膜厚がほぼ均一となる。
【0265】(第6の実施形態)以下、本発明の第6の
実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置及びその製造方
法について図面を参照しながら説明する。
【0266】図28は第6の実施形態に係る不揮発性半
導体記憶装置の一記憶素子の断面構成を示している。図
28において、図1に示す構成部材と同一の構成部材に
は同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0267】第6の実施形態に係る保護絶縁膜14C
は、シリコン酸化膜及びシリコン窒化膜の積層体からな
り、その下部が基板面方向に張り出さずに制御ゲート電
極13の両側面にのみ設けられていることを特徴とす
る。
【0268】続いて、第6の実施形態に係る不揮発性半
導体記憶装置の一記憶素子の製造方法を図29(a)〜
図29(h)に基づいて説明する。なお、(1)素子分
離領域の形成、(2)ウェル領域の形成、(3)ゲート
酸化膜の形成及び(5)周辺回路形成領域の素子形成の
各工程は第1の実施形態と同様である。また、図29に
おいて、第1の実施形態と同一の構成部材には同一の符
号を付している。
【0269】まず、第2のシリコン窒化膜32の上に、
記憶素子の制御ゲート電極形成用パターンであるマスク
パターン109を用いて、第2のシリコン窒化膜32に
対するドライエッチングと、多結晶シリコン膜31に対
するドライエッチングとを行なって、上面が第2のシリ
コン窒化膜32により覆われたn型の多結晶シリコン膜
からなる制御ゲート電極31Aを形成する。
【0270】次に、図29(a)に示すように、マスク
パターン109を除去した後、半導体基板21上に、ド
レイン形成領域に開口部を持つマスクパターン110を
形成し、形成したマスクパターン110を用いて、例え
ば注入エネルギーが約5keV〜15keV程度で注入
ドーズ量が5×1012〜1×1014cm-2程度のホウ素
(B)イオンを半導体基板21にイオン注入することに
より、表面近傍の不純物濃度が5×1016cm-3〜1×
1019cm-3程度で且つ浅い接合を持つ第1の低濃度p
型不純物拡散領域33を形成する。なお、第2の熱酸化
膜28における第1の低濃度p型不純物拡散領域33の
上側部分を、あらかじめ、フッ酸によるウェットエッチ
ングで除去しておき、その後、前述した注入条件でホウ
素(B)イオンの注入を行なってもよい。
【0271】次に、図29(b)に示すように、マスク
パターン110を除去した後、CVD法を用いて半導体
基板21上に第2のシリコン窒化膜32及び制御ゲート
電極31Aを含む全面にわたって、膜厚がそれぞれ約5
nm〜15nmの第2のシリコン酸化膜34及び第3の
シリコン窒化膜35を順次堆積する。続いて、CVD法
により、第3のシリコン窒化膜35の上に全面にわたっ
て膜厚が40nm〜100nm程度のBPSG膜37A
を堆積する。
【0272】次に、図29(c)に示すように、堆積し
たBPSG膜37Aに対して異方性のエッチバックを行
ない、さらに、第3のシリコン窒化膜35、第2のシリ
コン酸化膜34及び第2の熱酸化膜28を除去して半導
体基板21を露出させることにより、制御ゲート電極3
1Aの側面上に、第2のシリコン酸化膜34及び第3の
シリコン窒化膜35からなる保護絶縁膜36を介在させ
たサイドウォール37を形成する。
【0273】次に、図29(d)に示すように、ドレイ
ン領域の上に開口部を持つマスクパターン111を形成
し、形成したマスクパターン111、制御ゲート31A
及びサイドウォール37を用いて、反応イオン性ドライ
エッチング(RIE)法により、半導体基板21の上部
に対してエッチングを行なって、深さが25nm〜75
nm程度の凹部21bを形成する。なお、このエッチン
グはRIE法に代えてCDE法により行なってもよい。
【0274】続いて、マスクパターン111を用いて、
注入エネルギーが約10keV〜30keVで注入ドー
ズ量が5×1012〜1×1014cm-2程度の比較的低ド
ーズ量のホウ素(B)イオンを半導体基板21にイオン
注入して、表面近傍の不純物濃度が5×1016cm-3
1×1019cm-3程度で、第1の低濃度p型不純物拡散
領域33よりもやや深い接合を持つ第2の低濃度p型不
純物拡散領域(図示せず)を形成する。さらに、マスク
パターン111を用いて、注入エネルギーが約20ke
V〜50keVで注入ドーズ量が5×1012〜1×10
14cm-2程度の比較的低ドーズ量のヒ素(As)イオン
を半導体基板21にイオン注入して、表面近傍の不純物
濃度が5×1016cm-3〜1×1019cm-3程度で、接
合深さが約40nmの浅い低濃度n型不純物拡散領域3
8を形成する。
【0275】次に、図29(e)に示すように、マスク
パターン111を除去し、さらに気相フッ酸を用いてサ
イドウォール37を除去した後、図29(f)に示すよ
うに、異方性エッチングにより、保護絶縁膜36におけ
るサイドウォール37の底面により覆われていた部分を
除去する。続いて、図29(g)に示すように、第2の
熱酸化膜28におけるサイドウォール37の底面により
覆われていた部分をも異方性エッチングにより除去す
る。
【0276】次に、図29(h)に示すように、半導体
基板21を温度が約850℃の酸素雰囲気で熱酸化する
ことにより、半導体基板21の凹部21bの露出面上に
膜厚が約9nmのトンネル絶縁膜39を形成する。
【0277】次に、CVD法により、半導体基板21上
にゲート電極31A及び保護絶縁膜36を含む全面にわ
たって膜厚が120nm〜200nm程度のリン(P)
が添加された多結晶シリコン(DP)膜を形成する。続
いて、ドレイン領域の上に開口部を持つマスクパターン
を用いて、DP膜に対して異方性ドライエッチングによ
るエッチバックを行なって、制御ゲート電極31Aの側
面上に保護絶縁膜36を介してサイドウォール状DP膜
を形成する。具体的には、トンネル絶縁膜39が露出し
た時点でエッチングを停止して、制御ゲート電極31A
のドレイン領域側の側面上に高さが制御ゲート電極31
Aの高さの約80%、ここでは約160nmのサイドウ
ォール状DP膜を半導体基板21の凹部21bの段差部
を跨ぐように形成する。その後、サイドウォール状DP
膜をマスクするマスクパターンを用いたドライエッチン
グにより、サイドウォール状DP膜から、記憶素子ごと
に分離され、さらに制御ゲート電極31Aのドレイン領
域側の側面と保護絶縁膜36を介して容量結合し且つ半
導体基板21の凹部21bとトンネル絶縁膜39を介し
て対向する浮遊ゲート電極40Bを自己整合的に形成す
る。
【0278】次に、制御ゲート電極31A及び浮遊ゲー
ト電極40Bをマスクとして、注入エネルギーが約50
keVで注入ドーズ量が5×1013〜1×1014cm-2
程度の比較的高ドーズ量のヒ素(As)イオンを半導体
基板21にイオン注入し、これにより、半導体基板21
の表面近傍のヒ素の不純物濃度が5×1019cm-3〜1
×1021cm-3と程度のソース領域42及びドレイン領
域43を形成する。
【0279】なお、第6の実施形態においては、半導体
基板21の浮遊ゲート電極40Bの下側に、ホットエレ
クトロンが浮遊ゲート電極40Bに高効率で注入される
ように浮遊ゲート電極40Bが跨ぐ段差部を設けている
が、段差部を設けない構成であってもよい。
【0280】以上説明したように、第6の実施形態によ
ると、トンネル絶縁膜39を形成する工程において、制
御ゲート電極31Aの側面が第2のシリコン酸化膜34
及び第3のシリコン窒化膜35からなる保護絶縁膜36
に覆われているため、制御ゲート電極31Aの側面が酸
化されることがない。
【0281】また、制御ゲート電極31Aの両側面が保
護絶縁膜36により覆われているため、浮遊ゲート電極
40Bを形成する際に、制御ゲート電極31Aがエッチ
ングによるダメージを防止できる。
【0282】また、図29(c)に示すように、制御ゲ
ート電極31AのBPSGからなるサイドウォール37
は、その底面が保護絶縁膜36上にあり、直接に半導体
基板21と接していないため、後工程で除去する際に半
導体基板21の基板面がダメージを受けることがないの
で、記憶素子としての動作が安定する。
【0283】また、第6の実施形態においても、周辺回
路形成領域の各素子は記憶素子の形成工程よりも後に形
成されるため、制御ゲート電極31A及び浮遊ゲート電
極40Bがエッチングダメージを受けることがない。
【0284】(第6の実施形態の一変形例)以下、本発
明の第6の実施形態の一変形例について図面を参照しな
がら説明する。
【0285】図30は第6の実施形態の一変形例に係る
不揮発性半導体記憶装置の一記憶素子の断面構成を示し
ている。図30において、図28に示す構成部材と同一
の構成部材には同一の符号を付している。
【0286】制御ゲート電極13の両側面上に設けられ
た、本変形例に係る保護絶縁膜14Cは、制御ゲート電
極13側から順次形成されたシリコン酸化膜及びシリコ
ン窒化膜の積層体により構成されている。
【0287】また、トンネル絶縁膜16は内燃方式のパ
イロジェニック酸化により形成され、且つ、保護絶縁膜
14Cのシリコン窒化膜におけるシリコン酸化膜と反対
側の側面に、内燃方式のパイロジェニック酸化によるシ
リコン酸化膜14aがそれぞれ形成されていることを特
徴とする。
【0288】以下、トンネル絶縁膜16及びシリコン酸
化膜14aの成膜方法の具体例を説明する。
【0289】例えば、図29(h)に示す第6の実施形
態におけるトンネル絶縁膜39の成膜工程において、急
速熱酸化装置を用いて、温度が900℃〜1100℃程
度で圧力が1000Pa〜2000Pa程度に設定され
たチャンバ内に水素ガスと酸素ガスとを導入し、半導体
基板21上で生成される水蒸気によって該半導体基板2
1を熱酸化することにより、半導体基板21の凹部21
bの露出面上に膜厚が6nm〜15nmのトンネル絶縁
膜39を形成する。このとき、内燃方式による熱酸化
は、シリコン窒化膜をも酸化するため、保護絶縁膜36
の外側の第3のシリコン窒化膜35の露出面が酸化され
て、図30に示すンネル絶縁膜16及びシリコン酸化膜
14aが形成される。
【0290】本変形例によると、第6の実施形態と同様
の効果を得られる上に、内燃方式の熱酸化によりトンネ
ル絶縁膜39を形成するため、低濃度n型不純物拡散領
域38における増速酸化が抑制されるので、該トンネル
絶縁膜39の膜厚をほぼ均一に形成することができる。
また、内燃方式の熱酸化によるトンネル絶縁膜39は、
通常の酸素雰囲気で形成されたトンネル絶縁膜の膜質と
比べても、同等かそれ以上の膜質を得ることができる。
【0291】その上、ゲート酸化膜である第2の熱酸化
膜28に対するバーズビークの発生、及び制御ゲート電
極31Aの側面の下部に対するバーズビークの発生が抑
制される。これにより、ゲート酸化膜及び容量絶縁膜の
各膜厚がほぼ均一となる。
【0292】さらに、内燃方式の熱酸化法を用いると、
図30に示したように、保護絶縁膜14Cのシリコン窒
化膜の外側の面が酸化されてシリコン酸化膜14aが形
成されるため、浮遊ゲート電極15に蓄積された電子の
放出を抑制する効果が向上するので、記憶素子の信頼性
が向上する。
【0293】(第7の実施形態)以下、本発明の第7の
実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置及びその製造方
法について図面を参照しながら説明する。
【0294】図31は第7の実施形態に係る不揮発性半
導体記憶装置の一記憶素子の断面構成を示している。図
31において、図1に示す構成部材と同一の構成部材に
は同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0295】第7の実施形態に係る保護絶縁膜14C
は、シリコン酸化膜及びシリコン窒化膜の積層体からな
り、制御ゲート電極13の浮遊ゲート電極15と対向す
る側面にのみ、その下部が基板面方向に張り出さないよ
うに設けられていることを特徴とする。
【0296】続いて、第7の実施形態に係る不揮発性半
導体記憶装置の一記憶素子の製造方法を図32(a)〜
図32(h)に基づいて説明する。なお、(1)素子分
離領域の形成、(2)ウェル領域の形成、(3)ゲート
酸化膜の形成及び(5)周辺回路形成領域の素子形成の
各工程は第1の実施形態と同様である。また、図32に
おいて、第1の実施形態と同一の構成部材には同一の符
号を付している。
【0297】まず、第2のシリコン窒化膜32の上に、
記憶素子の制御ゲート電極形成用パターンであるマスク
パターン109を用いて、第2のシリコン窒化膜32に
対するドライエッチングと、多結晶シリコン膜31に対
するドライエッチングとを行なって、上面が第2のシリ
コン窒化膜32により覆われたn型の多結晶シリコン膜
からなる制御ゲート電極31Aを形成する。
【0298】次に、図32(a)に示すように、マスク
パターン109を除去した後、半導体基板21上に、ド
レイン形成領域に開口部を持つマスクパターン110を
形成し、形成したマスクパターン110を用いて、例え
ば注入エネルギーが約5keV〜15keV程度で注入
ドーズ量が5×1012〜1×1014cm-2程度のホウ素
(B)イオンを半導体基板21にイオン注入することに
より、表面近傍の不純物濃度が5×1016cm-3〜1×
1019cm-3程度で且つ浅い接合を持つ第1の低濃度p
型不純物拡散領域33を形成する。なお、第2の熱酸化
膜28における第1の低濃度p型不純物拡散領域33の
上側部分を、あらかじめ、フッ酸によるウェットエッチ
ングで除去しておき、その後、前述した注入条件でホウ
素(B)イオンの注入を行なってもよい。
【0299】次に、図32(b)に示すように、マスク
パターン110を除去した後、CVD法を用いて半導体
基板21上に第2のシリコン窒化膜32及び制御ゲート
電極31Aを含む全面にわたって、膜厚がそれぞれ約5
nm〜15nmの第2のシリコン酸化膜34及び第3の
シリコン窒化膜35を順次堆積する。続いて、CVD法
により、第3のシリコン窒化膜35の上に全面にわたっ
て膜厚が40nm〜100nm程度のBPSG膜37A
を堆積する。
【0300】次に、図32(c)に示すように、堆積し
たBPSG膜37Aに対して異方性のエッチバックを行
ない、さらに、第3のシリコン窒化膜35、第2のシリ
コン酸化膜34及び第2の熱酸化膜28を除去して半導
体基板21を露出させることにより、制御ゲート電極3
1Aの側面上に、第2のシリコン酸化膜34及び第3の
シリコン窒化膜35からなる保護絶縁膜36を介在させ
たサイドウォール37を形成する。続いて、半導体基板
21上に、ドレイン領域の上に開口部を持つマスクパタ
ーン111を形成し、形成したマスクパターン111、
制御ゲート31A及びサイドウォール37を用いて、反
応イオン性ドライエッチング(RIE)法により、半導
体基板21の上部に対してエッチングを行なって、深さ
が25nm〜75nm程度の凹部21bを形成する。な
お、このエッチングはRIE法に代えてCDE法により
行なってもよい。
【0301】続いて、マスクパターン111を用いて、
注入エネルギーが約10keV〜30keVで注入ドー
ズ量が5×1012〜1×1014cm-2程度の比較的低ド
ーズ量のホウ素(B)イオンを半導体基板21にイオン
注入して、表面近傍の不純物濃度が5×1016cm-3
1×1019cm-3程度で、第1の低濃度p型不純物拡散
領域33よりもやや深い接合を持つ第2の低濃度p型不
純物拡散領域(図示せず)を形成する。さらに、マスク
パターン111を用いて、注入エネルギーが約20ke
V〜50keVで注入ドーズ量が5×1012〜1×10
14cm-2程度の比較的低ドーズ量のヒ素(As)イオン
を半導体基板21にイオン注入して、表面近傍の不純物
濃度が5×1016cm-3〜1×1019cm-3程度で、接
合深さが約40nmの浅い低濃度n型不純物拡散領域3
8を形成する。
【0302】次に、図32(d)に示すように、マスク
パターン111を除去し、さらに気相フッ酸を用いてサ
イドウォール37を除去した後、図32(e)に示すよ
うに、異方性エッチングにより、保護絶縁膜36におけ
るサイドウォール37の底面により覆われていた部分を
除去する。続いて、図32(f)に示すように、第2の
熱酸化膜28におけるサイドウォール37の底面により
覆われていた部分をも異方性エッチングにより除去す
る。
【0303】次に、図32(g)に示すように、ソース
領域及び制御ゲート電極31Aのソース領域側の上に開
口部を持つマスクパターン132を形成し、形成したマ
スクパターン132を用いて、保護絶縁膜36のうち、
上層の第3のシリコン窒化膜35に対してはドライエッ
チングを行ない、下層の第2のシリコン酸化膜34に対
してはウェットエッチングを行なうことにより、保護絶
縁膜36における制御ゲート電極31Aのソース領域側
の側面部分を除去する。
【0304】次に、図32(h)に示すように、マスク
パターン132を除去した後、半導体基板21を温度が
約850℃の酸素雰囲気で熱酸化することにより、半導
体基板21の凹部21bの露出面上に膜厚が約9nmの
トンネル絶縁膜39を形成する。このとき、制御ゲート
電極31Aのソース領域側の側面に熱酸化膜が形成され
る。
【0305】次に、CVD法により、半導体基板21上
にゲート電極31A及び保護絶縁膜36を含む全面にわ
たって膜厚が120nm〜200nm程度のリン(P)
が添加された多結晶シリコン(DP)膜を形成する。続
いて、ドレイン領域の上に開口部を持つマスクパターン
を用いて、DP膜に対して異方性ドライエッチングによ
るエッチバックを行なって、制御ゲート電極31Aの側
面上に保護絶縁膜36を介してサイドウォール状DP膜
を形成する。具体的には、トンネル絶縁膜39が露出し
た時点でエッチングを停止して、制御ゲート電極31A
のドレイン領域側の側面上に高さが制御ゲート電極31
Aの高さの約80%、ここでは約160nmのサイドウ
ォール状DP膜を半導体基板21の凹部21bの段差部
を跨ぐように形成する。その後、サイドウォール状DP
膜をマスクするマスクパターンを用いたドライエッチン
グにより、サイドウォール状DP膜から、記憶素子ごと
に分離され、さらに制御ゲート電極31Aのドレイン領
域側の側面と保護絶縁膜36を介して容量結合し且つ半
導体基板21の凹部21bとトンネル絶縁膜39を介し
て対向する浮遊ゲート電極40Bを自己整合的に形成す
る。
【0306】次に、制御ゲート電極31A及び浮遊ゲー
ト電極40Bをマスクとして、注入エネルギーが約50
keVで注入ドーズ量が5×1013〜1×1014cm-2
程度の比較的高ドーズ量のヒ素(As)イオンを半導体
基板21にイオン注入し、これにより、半導体基板21
の表面近傍のヒ素の不純物濃度が5×1019cm-3〜1
×1021cm-3と程度のソース領域42及びドレイン領
域43を形成する。
【0307】なお、第7の実施形態においては、半導体
基板21の浮遊ゲート電極40Bの下側に、ホットエレ
クトロンが浮遊ゲート電極40Bに高効率で注入される
ように浮遊ゲート電極40Bが跨ぐ段差部を設けている
が、段差部を設けない構成であってもよい。
【0308】以上説明したように、第7の実施形態によ
ると、トンネル絶縁膜39を形成する工程において、制
御ゲート電極31Aの浮遊ゲート電極40Bと対向する
側面が第2のシリコン酸化膜34及び第3のシリコン窒
化膜35からなる保護絶縁膜36に覆われているため、
制御ゲート電極31Aの側面が酸化されることがない。
【0309】また、制御ゲート電極31Aにおける浮遊
ゲート電極40Bと対向する側面が保護絶縁膜36によ
り覆われているため、浮遊ゲート電極40Bを形成する
際に、制御ゲート電極31Aがエッチングによるダメー
ジを防止できる。
【0310】また、図32(c)に示すように、制御ゲ
ート電極31AのBPSGからなるサイドウォール37
は、その底面が保護絶縁膜36上にあり、直接に半導体
基板21と接していないため、後工程で除去する際に半
導体基板21の基板面がダメージを受けることがないの
で、記憶素子としての動作が安定する。
【0311】また、第7の実施形態においても、周辺回
路形成領域の各素子は記憶素子の形成工程よりも後に形
成されるため、制御ゲート電極31A及び浮遊ゲート電
極40Bがエッチングダメージを受けることがない。
【0312】また、制御ゲート電極31Aにおける浮遊
ゲート電極40Bの反対側の側面上には保護絶縁膜36
が設けられていないため、不揮発性半導体記憶素子の実
効チャネル長を短縮できる。
【0313】(第7の実施形態の一変形例)以下、本発
明の第7の実施形態の一変形例について図面を参照しな
がら説明する。
【0314】図33は第7の実施形態の一変形例に係る
不揮発性半導体記憶装置の一記憶素子の断面構成を示し
ている。図33において、図31に示す構成部材と同一
の構成部材には同一の符号を付している。
【0315】制御ゲート電極13との間に設けられた、
本変形例に係る保護絶縁膜14Cは、制御ゲート電極1
3側から順次形成されたシリコン酸化膜及びシリコン窒
化膜の積層体により形成されている。
【0316】また、トンネル絶縁膜16は内燃方式のパ
イロジェニック酸化により形成され、且つ、保護絶縁膜
14Cにおけるシリコン窒化膜の浮遊ゲート電極15側
の側面に、内燃方式のパイロジェニック酸化によるシリ
コン酸化膜14aが形成されていることを特徴とする。
【0317】以下、トンネル絶縁膜16及びシリコン酸
化膜14aの成膜方法の具体例を説明する。
【0318】例えば、図32(h)に示す第7の実施形
態におけるトンネル絶縁膜39の成膜工程において、急
速熱酸化装置を用いて、温度が900℃〜1100℃程
度で圧力が1000Pa〜2000Pa程度に設定され
たチャンバ内に水素ガスと酸素ガスとを導入し、半導体
基板21上で生成される水蒸気によって該半導体基板2
1を熱酸化することにより、半導体基板21の凹部21
bの露出面上に膜厚が6nm〜15nmのトンネル絶縁
膜39を形成する。このとき、内燃方式による熱酸化
は、シリコン窒化膜をも酸化するため、保護絶縁膜36
における外側の第3のシリコン窒化膜35の露出面が酸
化されて、図33に示すトンネル絶縁膜16及びシリコ
ン酸化膜14aが形成される。
【0319】本変形例によると、第7の実施形態と同様
の効果を得られる上に、内燃方式の熱酸化によりトンネ
ル絶縁膜39を形成するため、低濃度n型不純物拡散領
域38における増速酸化が抑制されるので、該トンネル
絶縁膜39の膜厚をほぼ均一に形成することができる。
また、内燃方式の熱酸化によるトンネル絶縁膜39は、
通常の酸素雰囲気で形成されたトンネル絶縁膜の膜質と
比べても、同等かそれ以上の膜質を得ることができる。
【0320】その上、ゲート酸化膜である第2の熱酸化
膜28に対するバーズビークの発生、及び制御ゲート電
極31Aの側面の下部に対するバーズビークの発生が抑
制される。これにより、ゲート酸化膜及び容量絶縁膜の
各膜厚がほぼ均一となる。
【0321】さらに、内燃方式の熱酸化法を用いると、
図33に示したように、保護絶縁膜14Cの浮遊ゲート
電極15側の面が酸化されてシリコン酸化膜14aが形
成されるため、浮遊ゲート電極15に蓄積された電子の
放出を抑制する効果が向上するので、記憶素子の信頼性
が向上する。
【0322】(第8の実施形態)以下、本発明の第8の
実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置及びその製造方
法について図面を参照しながら説明する。
【0323】図34は第8の実施形態に係る不揮発性半
導体記憶装置の一記憶素子の断面構成を示している。図
34において、図1に示す構成部材と同一の構成部材に
は同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0324】第8の実施形態に係る保護絶縁膜14C
は、シリコン酸化膜及びシリコン窒化膜の積層体からな
り、制御ゲート電極13における浮遊ゲート電極15の
反対側の側面にのみ且つ基板面方向に張り出さないよう
に設けられていることを特徴とする。
【0325】続いて、第8の実施形態に係る不揮発性半
導体記憶装置の一記憶素子の製造方法を図35(a)〜
図35(h)に基づいて説明する。なお、(1)素子分
離領域の形成、(2)ウェル領域の形成、(3)ゲート
酸化膜の形成及び(5)周辺回路形成領域の素子形成の
各工程は第1の実施形態と同様である。また、図35に
おいて、第1の実施形態と同一の構成部材には同一の符
号を付している。
【0326】まず、第2のシリコン窒化膜32の上に、
記憶素子の制御ゲート電極形成用パターンであるマスク
パターン109を用いて、第2のシリコン窒化膜32に
対するドライエッチングと、多結晶シリコン膜31に対
するドライエッチングとを行なって、上面が第2のシリ
コン窒化膜32により覆われたn型の多結晶シリコン膜
からなる制御ゲート電極31Aを形成する。
【0327】次に、図35(a)に示すように、マスク
パターン109を除去した後、半導体基板21上に、ド
レイン形成領域に開口部を持つマスクパターン110を
形成し、形成したマスクパターン110を用いて、例え
ば注入エネルギーが約5keV〜15keV程度で注入
ドーズ量が5×1012〜1×1014cm-2程度のホウ素
(B)イオンを半導体基板21にイオン注入することに
より、表面近傍の不純物濃度が5×1016cm-3〜1×
1019cm-3程度で且つ浅い接合を持つ第1の低濃度p
型不純物拡散領域33を形成する。なお、第2の熱酸化
膜28における第1の低濃度p型不純物拡散領域33の
上側部分を、あらかじめ、フッ酸によるウェットエッチ
ングで除去しておき、その後、前述した注入条件でホウ
素(B)イオンの注入を行なってもよい。
【0328】次に、図35(b)に示すように、マスク
パターン110を除去した後、CVD法を用いて半導体
基板21上に第2のシリコン窒化膜32及び制御ゲート
電極31Aを含む全面にわたって、膜厚がそれぞれ約5
nm〜15nmの第2のシリコン酸化膜34及び第3の
シリコン窒化膜35を順次堆積する。続いて、CVD法
により、第3のシリコン窒化膜35の上に全面にわたっ
て膜厚が40nm〜100nm程度のBPSG膜37A
を堆積する。
【0329】次に、図35(c)に示すように、堆積し
たBPSG膜37Aに対して異方性のエッチバックを行
ない、さらに、第3のシリコン窒化膜35、第2のシリ
コン酸化膜34及び第2の熱酸化膜28を除去して半導
体基板21を露出させることにより、制御ゲート電極3
1Aの側面上に、第2のシリコン酸化膜34及び第3の
シリコン窒化膜35からなる保護絶縁膜36を介在させ
たサイドウォール37を形成する。
【0330】続いて、半導体基板21上に、ドレイン領
域の上に開口部を持つマスクパターン111を形成し、
形成したマスクパターン111、制御ゲート31A及び
サイドウォール37を用いて、反応イオン性ドライエッ
チング(RIE)法により、半導体基板21の上部に対
してエッチングを行なって、深さが25nm〜75nm
程度の凹部21bを形成する。なお、このエッチングは
RIE法に代えてCDE法により行なってもよい。
【0331】続いて、マスクパターン111を用いて、
注入エネルギーが約10keV〜30keVで注入ドー
ズ量が5×1012〜1×1014cm-2程度の比較的低ド
ーズ量のホウ素(B)イオンを半導体基板21にイオン
注入して、表面近傍の不純物濃度が5×1016cm-3
1×1019cm-3程度で、第1の低濃度p型不純物拡散
領域33よりもやや深い接合を持つ第2の低濃度p型不
純物拡散領域(図示せず)を形成する。さらに、マスク
パターン111を用いて、注入エネルギーが約20ke
V〜50keVで注入ドーズ量が5×1012〜1×10
14cm-2程度の比較的低ドーズ量のヒ素(As)イオン
を半導体基板21にイオン注入して、表面近傍の不純物
濃度が5×1016cm-3〜1×1019cm-3程度で、接
合深さが約40nmの浅い低濃度n型不純物拡散領域3
8を形成する。
【0332】次に、図35(d)に示すように、マスク
パターン111を除去し、さらに気相フッ酸を用いてサ
イドウォール37を除去した後、図35(e)に示すよ
うに、異方性エッチングにより、保護絶縁膜36におけ
るサイドウォール37の底面により覆われていた部分を
除去する。続いて、図35(f)に示すように、第2の
熱酸化膜28におけるサイドウォール37の底面により
覆われていた部分をも異方性エッチングにより除去す
る。
【0333】次に、図35(g)に示すように、ドレイ
ン領域及び制御ゲート電極31Aのドレイン領域側の上
に開口部を持つマスクパターン133を形成し、形成し
たマスクパターン133を用いて、保護絶縁膜36のう
ち、上層の第3のシリコン窒化膜35に対してはドライ
エッチングを行ない、下層の第2のシリコン酸化膜34
に対してはウェットエッチングを行なうことにより、保
護絶縁膜36における制御ゲート電極31Aのドレイン
領域側の側面部分を除去する。
【0334】次に、図35(h)に示すように、マスク
パターン132を除去した後、半導体基板21を温度が
約850℃の酸素雰囲気で熱酸化することにより、半導
体基板21の凹部21bの露出面上及び制御ゲート電極
31Aのドレイン領域側の側面上に膜厚が約9nmの熱
酸化膜を形成する。この熱酸化膜は半導体基板21上で
は後工程で形成される浮遊ゲート電極との間ではトンネ
ル絶縁膜39Aとなり、制御ゲート電極31Aと浮遊ゲ
ート電極との間では容量絶縁膜39Bとなる。
【0335】次に、CVD法により、半導体基板21上
にゲート電極31A及び保護絶縁膜36を含む全面にわ
たって膜厚が120nm〜200nm程度のリン(P)
が添加された多結晶シリコン(DP)膜を形成する。続
いて、ドレイン領域の上に開口部を持つマスクパターン
を用いて、DP膜に対して異方性ドライエッチングによ
るエッチバックを行なって、制御ゲート電極31Aの側
面上に保護絶縁膜36を介してサイドウォール状DP膜
を形成する。具体的には、トンネル絶縁膜39Aが露出
した時点でエッチングを停止して、制御ゲート電極31
Aのドレイン領域側の側面上に高さが制御ゲート電極3
1Aの高さの約80%、ここでは約160nmのサイド
ウォール状DP膜を半導体基板21の凹部21bの段差
部を跨ぐように形成する。その後、サイドウォール状D
P膜をマスクするマスクパターンを用いたドライエッチ
ングにより、サイドウォール状DP膜から、記憶素子ご
とに分離され、さらに制御ゲート電極31Aのドレイン
領域側の側面と容量絶縁膜39Bを介して容量結合し且
つ半導体基板21の凹部21bとトンネル絶縁膜39A
を介して対向する浮遊ゲート電極40Bを自己整合的に
形成する。
【0336】次に、制御ゲート電極31A及び浮遊ゲー
ト電極40Bをマスクとして、注入エネルギーが約50
keVで注入ドーズ量が5×1013〜1×1014cm-2
程度の比較的高ドーズ量のヒ素(As)イオンを半導体
基板21にイオン注入し、これにより、半導体基板21
の表面近傍のヒ素の不純物濃度が5×1019cm-3〜1
×1021cm-3と程度のソース領域42及びドレイン領
域43を形成する。
【0337】なお、第8の実施形態においては、半導体
基板21の浮遊ゲート電極40Bの下側に、ホットエレ
クトロンが浮遊ゲート電極40Bに高効率で注入される
ように浮遊ゲート電極40Bが跨ぐ段差部を設けている
が、段差部を設けない構成であってもよい。
【0338】以上説明したように、第8の実施形態によ
ると、制御ゲート電極31Aのソース領域側の側面が保
護絶縁膜36により覆われているため、浮遊ゲート電極
40Bを形成する際に、制御ゲート電極31Aがエッチ
ングによるダメージを防止できる。
【0339】また、図35(c)に示すように、制御ゲ
ート電極31AのBPSGからなるサイドウォール37
は、その底面が保護絶縁膜36上にあり、直接に半導体
基板21と接していないため、後工程で除去する際に半
導体基板21の基板面がダメージを受けることがないの
で、記憶素子としての動作が安定する。
【0340】また、第8の実施形態においても、周辺回
路形成領域の各素子は記憶素子の形成工程よりも後に形
成されるため、制御ゲート電極31A及び浮遊ゲート電
極40Bがエッチングダメージを受けることがない。
【0341】その上、トンネル絶縁膜39Aと容量絶縁
膜39Bとは同一の工程で形成されるため工程を簡略化
できる上に、両者にほぼ同等の膜厚を得られるため、制
御ゲート電極31Aと浮遊ゲート電極40Bとの容量結
合比を高くできるので、不揮発性半導体記憶素子の動作
特性が向上する。
【0342】(第8の実施形態の一変形例)以下、本発
明の第8の実施形態の一変形例について図面を参照しな
がら説明する。
【0343】図36は第8の実施形態の一変形例に係る
不揮発性半導体記憶装置の一記憶素子の断面構成を示し
ている。図36において、図34に示す構成部材と同一
の構成部材には同一の符号を付している。
【0344】浮遊ゲート電極15と反対側の側面上に設
けられた、本変形例に係る保護絶縁膜14Cは、制御ゲ
ート電極13側から順次形成されたシリコン酸化膜及び
シリコン窒化膜の積層体により構成されている。
【0345】また、トンネル絶縁膜16A及び容量絶縁
膜16Bは内燃方式のパイロジェニック酸化により形成
され、且つ、保護絶縁膜14Cのシリコン窒化膜におけ
るシリコン酸化膜と反対側の側面に、内燃方式のパイロ
ジェニック酸化によるシリコン酸化膜14aが形成され
ていることを特徴とする。
【0346】以下、トンネル絶縁膜16A及びシリコン
酸化膜14aの成膜方法の具体例を説明する。
【0347】例えば、図35(h)に示す第8の実施形
態におけるトンネル絶縁膜39A及び容量絶縁膜39B
の成膜工程において、急速熱酸化装置を用いて、温度が
900℃〜1100℃程度で圧力が1000Pa〜20
00Pa程度に設定されたチャンバ内に水素ガスと酸素
ガスとを導入し、半導体基板21上で生成される水蒸気
によって半導体基板21を熱酸化することにより、半導
体基板21の凹部21bの露出面上に膜厚が6nm〜1
5nmの熱酸化膜を形成する。この熱酸化膜は、半導体
基板21と浮遊ゲート電極との間ではトンネル絶縁膜3
9Aとなり、制御ゲート電極31Aと浮遊ゲート電極と
の間では容量絶縁膜39Bとなる。このとき、内燃方式
による熱酸化は、シリコン窒化膜をも酸化するため、保
護絶縁膜36の外側の第3のシリコン窒化膜35の露出
面が酸化されて、図36に示すトンネル絶縁膜16A及
びシリコン酸化膜14aが形成される。
【0348】本変形例によると、第8の実施形態と同様
の効果を得られる上に、内燃方式の熱酸化によりトンネ
ル絶縁膜39Aを形成するため、低濃度n型不純物拡散
領域38における増速酸化が抑制されるので、該トンネ
ル絶縁膜39Aの膜厚をほぼ均一に形成することができ
る。また、内燃方式の熱酸化により一体に形成されたト
ンネル絶縁膜39A及び容量絶縁膜39Bは、通常の酸
素雰囲気で形成された熱酸化膜の膜質と比べても、同等
かそれ以上の膜質を得ることができる。
【0349】その上、ゲート酸化膜である第2の熱酸化
膜28に対するバーズビークの発生、及び制御ゲート電
極31Aの側面の下部に対するバーズビークの発生が抑
制される。これにより、ゲート酸化膜及び容量絶縁膜3
9Bの各膜厚がほぼ均一となる。
【0350】(第9の実施形態)以下、本発明の第9の
実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置及びその製造方
法について図面を参照しながら説明する。
【0351】図37(a)は第9の実施形態に係る不揮
発性半導体記憶装置の一記憶素子の断面構成を示し、図
37(b)はその変形例を示している。ここで、図37
(a)及び(b)において、図1に示す構成部材と同一
の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略
する。
【0352】図37(a)に示すように、第9の実施形
態に係る記憶素子は、シリコン酸化膜及びシリコン窒化
膜の積層体から構成され、制御ゲート電極13における
浮遊ゲート電極15と対向する側面にのみ形成された保
護絶縁膜14Cと、制御ゲート電極13における浮遊ゲ
ート電極15と反対側の側面にその下部に張出部を持つ
保護絶縁膜14とを有している。
【0353】また、図37(b)に示すように、一変形
例に係る記憶素子は、シリコン酸化膜及びシリコン窒化
膜の積層体から構成され、制御ゲート電極13における
浮遊ゲート電極15と対向する側面にその下部に張出部
を持つ保護絶縁膜14と、制御ゲート電極13における
浮遊ゲート電極15と反対側の側面にのみ形成された保
護絶縁膜14Cとを有している。
【0354】以下、第9の実施形態に係る不揮発性半導
体記憶装置の一記憶素子の製造方法を図38(a)〜図
38(g)に基づいて説明する。なお、(1)素子分離
領域の形成、(2)ウェル領域の形成、(3)ゲート酸
化膜の形成及び(5)周辺回路形成領域の素子形成の各
工程は第1の実施形態と同様である。また、図38にお
いて、第1の実施形態と同一の構成部材には同一の符号
を付している。
【0355】まず、第2のシリコン窒化膜32の上に、
記憶素子の制御ゲート電極形成用パターンであるマスク
パターン109を用いて、第2のシリコン窒化膜32に
対するドライエッチングと、多結晶シリコン膜31に対
するドライエッチングとを行なって、上面が第2のシリ
コン窒化膜32により覆われたn型の多結晶シリコン膜
からなる制御ゲート電極31Aを形成する。
【0356】次に、図38(a)に示すように、マスク
パターン109を除去した後、半導体基板21上に、ド
レイン形成領域に開口部を持つマスクパターン110を
形成し、形成したマスクパターン110を用いて、例え
ば注入エネルギーが約5keV〜15keV程度で注入
ドーズ量が5×1012〜1×1014cm-2程度のホウ素
(B)イオンを半導体基板21にイオン注入することに
より、表面近傍の不純物濃度が5×1016cm-3〜1×
1019cm-3程度で且つ浅い接合を持つ第1の低濃度p
型不純物拡散領域33を形成する。なお、第2の熱酸化
膜28における第1の低濃度p型不純物拡散領域33の
上側部分を、あらかじめ、フッ酸によるウェットエッチ
ングで除去しておき、その後、前述した注入条件でホウ
素(B)イオンの注入を行なってもよい。
【0357】次に、図38(b)に示すように、マスク
パターン110を除去した後、CVD法を用いて半導体
基板21上に第2のシリコン窒化膜32及び制御ゲート
電極31Aを含む全面にわたって、膜厚がそれぞれ約5
nm〜15nmの第2のシリコン酸化膜34及び第3の
シリコン窒化膜35を順次堆積する。続いて、CVD法
により、第3のシリコン窒化膜35の上に全面にわたっ
て膜厚が40nm〜100nm程度のBPSG膜37A
を堆積する。
【0358】次に、図38(c)に示すように、堆積し
たBPSG膜37Aに対して異方性のエッチバックを行
ない、さらに、第3のシリコン窒化膜35、第2のシリ
コン酸化膜34及び第2の熱酸化膜28を除去して半導
体基板21を露出させることにより、制御ゲート電極3
1Aの側面上に、第2のシリコン酸化膜34及び第3の
シリコン窒化膜35からなる保護絶縁膜36を介在させ
たサイドウォール37を形成する。
【0359】次に、図38(d)に示すように、気相フ
ッ酸を用いて、サイドウォール37を除去した後、図3
8(e)に示すように、ドレイン領域の上に開口部を持
つマスクパターン111を形成し、形成したマスクパタ
ーン111、制御ゲート31A及び保護絶縁膜36を用
いて、反応イオン性ドライエッチング(RIE)法によ
り、半導体基板21の上部に対してエッチングを行なっ
て、深さが25nm〜75nm程度の凹部21bを形成
する。このとき、保護絶縁膜36におけるサイドウォー
ル37の底面により覆われていた部分及び第2の熱酸化
膜28におけるサイドウォール37の底面により覆われ
ていた部分の上側部分が除去される。なお、このエッチ
ングはRIE法に代えてCDE法により行なってもよ
い。
【0360】続いて、マスクパターン111を用いて、
注入エネルギーが約10keV〜30keVで注入ドー
ズ量が5×1012〜1×1014cm-2程度の比較的低ド
ーズ量のホウ素(B)イオンを半導体基板21にイオン
注入して、表面近傍の不純物濃度が5×1016cm-3
1×1019cm-3程度で、第1の低濃度p型不純物拡散
領域33よりもやや深い接合を持つ第2の低濃度p型不
純物拡散領域(図示せず)を形成する。さらに、マスク
パターン111を用いて、注入エネルギーが約20ke
V〜50keVで注入ドーズ量が5×1012〜1×10
14cm-2程度の比較的低ドーズ量のヒ素(As)イオン
を半導体基板21にイオン注入して、表面近傍の不純物
濃度が5×1016cm-3〜1×1019cm-3程度で、接
合深さが約40nmの浅い低濃度n型不純物拡散領域3
8を形成する。ここでは、第2の熱酸化膜28における
サイドウォール37の底面により覆われていた部分がヒ
素(As)イオンのマスクとなる。
【0361】次に、図38(f)に示すように、異方性
エッチングにより、第2の熱酸化膜28におけるサイド
ウォール37の底面により覆われていた部分を除去す
る。
【0362】次に、図38(g)に示すように、半導体
基板21を温度が約850℃の酸素雰囲気で熱酸化する
ことにより、半導体基板21の凹部21bの露出面上に
膜厚が約9nmのトンネル絶縁膜39を形成する。
【0363】次に、CVD法により、半導体基板21上
にゲート電極31A及び保護絶縁膜36を含む全面にわ
たって膜厚が120nm〜200nm程度のリン(P)
が添加された多結晶シリコン(DP)膜を形成する。続
いて、ドレイン領域の上に開口部を持つマスクパターン
を用いて、DP膜に対して異方性ドライエッチングによ
るエッチバックを行なって、制御ゲート電極31Aの側
面上に保護絶縁膜36を介してサイドウォール状DP膜
を形成する。具体的には、トンネル絶縁膜39が露出し
た時点でエッチングを停止して、制御ゲート電極31A
のドレイン領域側の側面上に高さが制御ゲート電極31
Aの高さの約80%、ここでは約160nmのサイドウ
ォール状DP膜を半導体基板21の凹部21bの段差部
を跨ぐように形成する。その後、サイドウォール状DP
膜をマスクするマスクパターンを用いたドライエッチン
グにより、サイドウォール状DP膜から、記憶素子ごと
に分離され、さらに制御ゲート電極31Aのドレイン領
域側の側面と保護絶縁膜36を介して容量結合し且つ半
導体基板21の凹部21bとトンネル絶縁膜39を介し
て対向する浮遊ゲート電極40Bを自己整合的に形成す
る。
【0364】次に、制御ゲート電極31A及び浮遊ゲー
ト電極40Bをマスクとして、注入エネルギーが約50
keVで注入ドーズ量が5×1013〜1×1014cm-2
程度の比較的高ドーズ量のヒ素(As)イオンを半導体
基板21にイオン注入し、これにより、半導体基板21
の表面近傍のヒ素の不純物濃度が5×1019cm-3〜1
×1021cm-3と程度のソース領域42及びドレイン領
域43を形成する。
【0365】なお、第3の実施形態においては、半導体
基板21の浮遊ゲート電極40Bの下側に、ホットエレ
クトロンが浮遊ゲート電極40Bに高効率で注入される
ように浮遊ゲート電極40Bが跨ぐ段差部を設けている
が、段差部を設けない構成であってもよい。
【0366】以上説明したように、第9の実施形態によ
ると、トンネル絶縁膜39を形成する工程において、制
御ゲート電極31Aの側面が第2のシリコン酸化膜34
及び第3のシリコン窒化膜35からなる保護絶縁膜36
に覆われているため、制御ゲート電極31Aの側面が酸
化されることがない。
【0367】また、制御ゲート電極31Aの両側面が保
護絶縁膜36により覆われているため、浮遊ゲート電極
40Bを形成する際に、制御ゲート電極31Aがエッチ
ングによるダメージを防止できる。
【0368】また、第9の実施形態においても、周辺回
路形成領域の各素子は記憶素子の形成工程よりも後に形
成されるため、制御ゲート電極31A及び浮遊ゲート電
極40Bがエッチングダメージを受けることがない。
【0369】また、図38(c)に示すように、制御ゲ
ート電極31AのBPSGからなるサイドウォール37
は、その底面が保護絶縁膜36上にあり、直接に半導体
基板21と接していないため、後工程で除去する際に半
導体基板21の基板面がダメージを受けることがないの
で、記憶素子としての動作が安定する。
【0370】なお、図37(b)に示す一変形例に係る
記憶素子は、図38(c)に示す工程の後に、サイドウ
ォール37を残して凹部21bを形成し、その後、ソー
ス領域側の保護絶縁膜36の張出部及び熱酸化膜28の
端部を除去すれば良い。
【0371】また、図37(c)及び図37(d)に示
すように、トンネル絶縁膜16を内燃方式のパイロジェ
ニック酸化により形成し、且つ保護絶縁膜14、14C
の外側部分にも内燃方式のパイロジェニック酸化による
シリコン酸化膜14aを形成しても良い。
【0372】以下、トンネル絶縁膜16及びシリコン酸
化膜14aの成膜方法を具体的に説明する。例えば、図
38(g)に示すトンネル絶縁膜形成工程において、急
速熱酸化装置を用いて、温度が900℃〜1100℃程
度で圧力が1000Pa〜2000Pa程度に設定され
たチャンバ内に水素と酸素とを導入し、半導体基板21
上で生成される水蒸気によって半導体基板21を熱酸化
することにより、半導体基板21の凹部21bの露出面
上に膜厚が6nm〜15nmのトンネル絶縁膜39を形
成する。このとき、内燃方式による熱酸化はシリコン窒
化膜をも酸化するため、保護絶縁膜36における外側に
位置する第3のシリコン窒化膜35の露出面が酸化され
て、図37(c)又は図37(d)に示すトンネル絶縁
膜16及びシリコン酸化膜14aが形成される。 (第10の実施形態)以下、本発明の第10の実施形態
に係る不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法につい
て図面を参照しながら説明する。
【0373】図39は第10の実施形態に係る不揮発性
半導体記憶装置の一記憶素子の断面構成を示している。
図39において、図1に示す構成部材と同一の構成部材
には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0374】第10の実施形態は、制御ゲート電極13
の両側面上に設けられた単層の窒化シリコンからなる保
護絶縁膜14Aを有し、制御ゲート電極13はその側部
に内燃方式のパイロジェニック酸化により形成されたシ
リコン酸化膜13bを有していることを特徴とする。
【0375】続いて、第10の実施形態に係る不揮発性
半導体記憶装置の一記憶素子の製造方法を図40(a)
〜図40(h)に基づいて説明する。なお、(1)素子
分離領域の形成、(2)ウェル領域の形成、(3)ゲー
ト酸化膜の形成及び(5)周辺回路形成領域の素子形成
の各工程は第1の実施形態と同様である。また、図40
において、第1の実施形態と同一の構成部材には同一の
符号を付している。
【0376】まず、図40(a)に示すように、第2の
シリコン窒化膜32の上に、記憶素子の制御ゲート電極
形成用パターンであるマスクパターン109を用いて、
第2のシリコン窒化膜32に対するドライエッチング
と、多結晶シリコン膜31に対するドライエッチングと
を行なって、上面が第2のシリコン窒化膜32により覆
われたn型の多結晶シリコン膜からなる制御ゲート電極
31Aを形成する。
【0377】次に、図40(b)に示すように、マスク
パターン109を除去した後、急速熱酸化装置を用い
て、温度が900℃〜1100℃程度で圧力が1000
Pa〜2000Pa程度に設定されたチャンバ内に水素
ガスと酸素ガスとを導入し、半導体基板21上で生成さ
れる水蒸気によって制御ゲート電極31Aを熱酸化する
ことにより、制御ゲート電極31Aの側部に、膜厚が約
5nm〜15nmのシリコン酸化膜31bを形成する。
続いて、半導体基板21上に、ドレイン形成領域に開口
部を持つマスクパターン110を形成し、形成したマス
クパターン110を用いて、例えば注入エネルギーが約
5keV〜15keV程度で注入ドーズ量が5×1012
〜1×1014cm-2程度のホウ素(B)イオンを半導体
基板21にイオン注入することにより、表面近傍の不純
物濃度が5×1016cm-3〜1×1019cm-3程度で且
つ浅い接合を持つ第1の低濃度p型不純物拡散領域33
を形成する。なお、第2の熱酸化膜28における第1の
低濃度p型不純物拡散領域33の上側部分を、あらかじ
め、フッ酸によるウェットエッチングで除去しておき、
その後、前述した注入条件でホウ素(B)イオンの注入
を行なってもよい。
【0378】次に、図40(c)に示すように、マスク
パターン110を除去した後、CVD法を用いて半導体
基板21上に第2のシリコン窒化膜32及び制御ゲート
電極31Aを含む全面にわたって膜厚が約5nm〜15
nmの第3のシリコン窒化膜35を堆積する。
【0379】次に、図40(d)に示すように、CVD
法により、第3のシリコン窒化膜35の上に全面にわた
って膜厚が40nm〜100nm程度のBPSG膜37
Aを堆積する。
【0380】次に、図40(e)に示すように、堆積し
たBPSG膜37Aに対して異方性のエッチバックを行
ない、さらに、第3のシリコン窒化膜35及び第2の熱
酸化膜28を除去して半導体基板21を露出させること
により、制御ゲート電極31Aの側面上に、第3のシリ
コン窒化膜35からなる保護絶縁膜36を介在させたサ
イドウォール37を形成する。
【0381】次に、図40(f)に示すように、ドレイ
ン領域の上に開口部を持つマスクパターン111を形成
し、形成したマスクパターン111、制御ゲート31A
及びサイドウォール37を用いて、反応イオン性ドライ
エッチング(RIE)法により、半導体基板21の上部
に対してエッチングを行なって、深さが25nm〜75
nm程度の凹部21bを形成する。なお、このエッチン
グはRIE法に代えてCDE法により行なってもよい。
【0382】続いて、マスクパターン111を用いて、
注入エネルギーが約10keV〜30keVで注入ドー
ズ量が5×1012〜1×1014cm-2程度の比較的低ド
ーズ量のホウ素(B)イオンを半導体基板21にイオン
注入して、表面近傍の不純物濃度が5×1016cm-3
1×1019cm-3程度で、第1の低濃度p型不純物拡散
領域33よりもやや深い接合を持つ第2の低濃度p型不
純物拡散領域(図示せず)を形成する。さらに、マスク
パターン111を用いて、注入エネルギーが約20ke
V〜50keVで注入ドーズ量が5×1012〜1×10
14cm-2程度の比較的低ドーズ量のヒ素(As)イオン
を半導体基板21にイオン注入して、表面近傍の不純物
濃度が5×1016cm-3〜1×1019cm-3程度で、接
合深さが約40nmの浅い低濃度n型不純物拡散領域3
8を形成する。
【0383】次に、図40(g)に示すように、マスク
パターン111を除去し、さらに気相フッ酸を用いてサ
イドウォール37を除去した後、図40(h)に示すよ
うに、半導体基板21を温度が約850℃の酸素雰囲気
で熱酸化することにより、半導体基板21の凹部21b
の露出面上に膜厚が約9nmのトンネル絶縁膜39を形
成する。
【0384】次に、CVD法により、半導体基板21上
にゲート電極31A及び保護絶縁膜36を含む全面にわ
たって膜厚が120nm〜200nm程度のリン(P)
が添加された多結晶シリコン(DP)膜を形成する。続
いて、ドレイン領域の上に開口部を持つマスクパターン
を用いて、DP膜に対して異方性ドライエッチングによ
るエッチバックを行なって、制御ゲート電極31Aの側
面上に保護絶縁膜36を介してサイドウォール状DP膜
を形成する。具体的には、トンネル絶縁膜39が露出し
た時点でエッチングを停止して、制御ゲート電極31A
のドレイン領域側の側面上に高さが制御ゲート電極31
Aの高さの約80%、ここでは約160nmのサイドウ
ォール状DP膜を半導体基板21の凹部21bの段差部
を跨ぐように形成する。その後、サイドウォール状DP
膜をマスクするマスクパターンを用いたドライエッチン
グにより、サイドウォール状DP膜から、記憶素子ごと
に分離され、さらに制御ゲート電極31Aのドレイン領
域側の側面と保護絶縁膜36を介して容量結合し且つ半
導体基板21の凹部21bとトンネル絶縁膜39を介し
て対向する浮遊ゲート電極40Bを自己整合的に形成す
る。
【0385】次に、制御ゲート電極31A及び浮遊ゲー
ト電極40Bをマスクとして、注入エネルギーが約50
keVで注入ドーズ量が5×1013〜1×1014cm-2
程度の比較的高ドーズ量のヒ素(As)イオンを半導体
基板21にイオン注入し、これにより、半導体基板21
の表面近傍のヒ素の不純物濃度が5×1019cm-3〜1
×1021cm-3と程度のソース領域42及びドレイン領
域43を形成する。
【0386】なお、第10の実施形態においては、半導
体基板21の浮遊ゲート電極40Bの下側に、ホットエ
レクトロンが浮遊ゲート電極40Bに高効率で注入され
るように浮遊ゲート電極40Bが跨ぐ段差部を設けてい
るが、段差部を設けない構成であってもよい。
【0387】以上説明したように、第10の実施形態に
よると、制御ゲート電極31Aの両側面が保護絶縁膜3
6により覆われているため、浮遊ゲート電極40Bを形
成する際に、制御ゲート電極31Aがエッチングによる
ダメージを防止できる。
【0388】また、図40(e)に示すように、制御ゲ
ート電極31AのBPSGからなるサイドウォール37
は、その底面が保護絶縁膜36上にあり、直接に半導体
基板21と接していないため、後工程で除去する際に半
導体基板21の基板面がダメージを受けることがないの
で、記憶素子としての動作が安定する。
【0389】その上、第10の実施形態においても、周
辺回路形成領域の各素子は記憶素子の形成工程よりも後
に形成されるため、制御ゲート電極31A及び浮遊ゲー
ト電極40Bがエッチングダメージを受けることがな
い。
【0390】さらに、制御ゲート電極31Aの側部に
は、内燃方式のパイロジェニック酸化によりシリコン酸
化膜31bを形成しているため、CVD法によるシリコ
ン酸化膜よりも膜質が緻密となり、浮遊ゲート電極40
Bに蓄積された電子の放出を抑制する効果が高くなり、
記憶素子の信頼性が向上する。
【0391】なお、第10の実施形態において、保護絶
縁膜36は制御ゲート電極31Aの両側面上に設けられ
ているが、図41(a)に示すように制御ゲート電極3
1Aの浮遊ゲート電極40Bと反対側に位置する保護絶
縁膜36は設けなくても良い。また、図41(b)に示
すように、制御ゲート電極31Aの浮遊ゲート電極40
Bと反対側に位置する保護絶縁膜36の下部の張り出し
部のみを除去しても良い。
【0392】また、図40(g)において、サイドウォ
ール37を除去した後、さらに、異方性エッチングによ
り、保護絶縁膜36及びゲート酸化膜となる第2の絶縁
膜28におけるサイドウォール37の底面により覆われ
ていた部分を除去して、図42(a)に示す構造として
も良い。このとき、図42(b)に示すように、制御ゲ
ート電極31Aの浮遊ゲート電極40Bと反対側に位置
する保護絶縁膜36の下部の張り出し部は残しておいて
もよい。
【0393】さらには、図43に示すように、制御ゲー
ト電極31Aの両側面上の保護絶縁膜36のうち浮遊ゲ
ート電極40Bと反対側に位置する保護絶縁膜36を除
去しても良い。
【0394】図42(a)、(b)及び図43に示す構
造とすると、保護絶縁膜36及び第2の絶縁膜28にお
けるサイドウォール37の底面に覆われていた部分が存
在しないため、書き込み動作時及び消去動作時におい
て、保護絶縁膜36及び第2の絶縁膜28に対して電子
又はホールのトラップが抑制される。その結果、記憶素
子に対して書き込み動作及び消去動作を繰り返すことに
よって該記憶素子の動作特性が劣化することを防止でき
る。
【0395】(第10の実施形態の一変形例)以下、本
発明の第10の実施形態の一変形例について図面を参照
しながら説明する。
【0396】図44は第10の実施形態の一変形例に係
る不揮発性半導体記憶装置の一記憶素子の断面構成を示
している。図44において、図39に示す構成部材と同
一の構成部材には同一の符号を付している。
【0397】本変形例に係るトンネル絶縁膜16は内燃
方式のパイロジェニック酸化により形成され、且つ、保
護絶縁膜14Aにおける制御ゲート電極13と反対側の
表面に、内燃方式のパイロジェニック酸化によるシリコ
ン酸化膜14aがそれぞれ形成されていることを特徴と
する。
【0398】以下、トンネル絶縁膜16及びシリコン酸
化膜14aの成膜方法の具体例を説明する。
【0399】例えば、図40(h)に示す第10の実施
形態におけるトンネル絶縁膜39の成膜工程において、
急速熱酸化装置を用いて、温度が900℃〜1100℃
程度で圧力が1000Pa〜2000Pa程度に設定さ
れたチャンバ内に水素ガスと酸素ガスとを導入し、半導
体基板21上で生成される水蒸気によって該半導体基板
21を熱酸化することにより、半導体基板21の凹部2
1bの露出面上に膜厚が6nm〜15nmのトンネル絶
縁膜39を形成する。このとき、窒化シリコンからなる
保護絶縁膜36の露出面も同時に熱酸化されて、図44
に示すトンネル絶縁膜16及びシリコン酸化膜14aが
形成される。
【0400】本変形例によると、第10の実施形態と同
様の効果を得られる上に、内燃方式の熱酸化によりトン
ネル絶縁膜39を形成するため、低濃度n型不純物拡散
領域38における増速酸化が抑制されるので、該トンネ
ル絶縁膜39の膜厚をほぼ均一に形成することができ
る。また、内燃方式の熱酸化によるトンネル絶縁膜39
は、通常の酸素雰囲気で形成されたトンネル絶縁膜の膜
質と比べても、同等かそれ以上の膜質を得ることができ
る。
【0401】その上、内燃方式の熱酸化法を用いると、
ゲート酸化膜である第2の熱酸化膜28に対するバーズ
ビークの発生、及び制御ゲート電極31Aの側面の下部
に対するバーズビークの発生が抑制されるため、ゲート
酸化膜の膜厚及び容量絶縁膜となる保護絶縁膜36の膜
厚をほぼ均一に形成することができる。
【0402】さらに、内燃方式の熱酸化法を用いると、
図44に示したように、保護絶縁膜14Aのシリコン窒
化膜における外側の面が酸化されてシリコン酸化膜14
aが形成されるため、浮遊ゲート電極15に蓄積された
電子の放出を抑制する効果が向上するので、記憶素子の
信頼性が向上する。
【0403】なお、本変形例において、保護絶縁膜36
は制御ゲート電極31Aの両側面上に設けられている
が、図45に示すように制御ゲート電極31Aの浮遊ゲ
ート電極40Bと反対側に位置する保護絶縁膜36は設
けなくてもよい。ここでは、保護絶縁膜36に形成され
たシリコン酸化膜36aを図44のシリコン酸化膜14
aと対応させている。
【0404】また、保護絶縁膜36及び第2の絶縁膜2
8におけるサイドウォール37の底面により覆われてい
た部分を除去して、図46に示す構造としても良い。
【0405】さらには、図47に示すように、制御ゲー
ト電極31Aの両側面上の保護絶縁膜36のうち浮遊ゲ
ート電極40Bと反対側に位置する保護絶縁膜36を除
去しても良い。
【0406】図46及び図47に示す構造とすると、保
護絶縁膜36及び第2の絶縁膜28におけるサイドウォ
ール37の底面に覆われていた部分が存在しないため、
書き込み動作時及び消去動作時において、保護絶縁膜3
6及び第2の絶縁膜28に対して電子又はホールのトラ
ップが抑制される。その結果、記憶素子に対して書き込
み動作及び消去動作を繰り返すことによって該記憶素子
の動作特性が劣化することを防止できる。
【0407】なお、制御ゲート電極31Aの両側面上に
設けられた保護絶縁膜36のうち浮遊ゲート電極40B
と反対側に位置する保護絶縁膜36の張り出し部のみを
除去しても良く、逆に、浮遊ゲート電極40Bと対向す
る側に位置する保護絶縁膜36の張り出し部のみを除去
しても良い。
【0408】(第11の実施形態)以下、本発明の第1
1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置及びその製
造方法について図面を参照しながら説明する。
【0409】図48は第11の実施形態に係る不揮発性
半導体記憶装置の一記憶素子の断面構成を示している。
図48において、図1に示す構成部材と同一の構成部材
には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0410】第11の実施形態に係る保護絶縁膜14
は、制御ゲート電極13の両側面上に形成され、該制御
ゲート電極13側から順次形成されたシリコン酸化膜、
シリコン窒化膜及びシリコン酸化膜の3層の積層体によ
り構成されていることを特徴とし、また、トンネル絶縁
膜16が内燃方式によるパイロジェニック酸化により形
成されていることを特徴とする。
【0411】続いて、第11の実施形態に係る不揮発性
半導体記憶装置の一記憶素子の製造方法を図49(a)
〜図49(h)に基づいて説明する。なお、(1)素子
分離領域の形成、(2)ウェル領域の形成、(3)ゲー
ト酸化膜の形成及び(5)周辺回路形成領域の素子形成
の各工程は第1の実施形態と同様である。また、図49
において、第1の実施形態と同一の構成部材には同一の
符号を付している。
【0412】まず、図49(a)に示すように、第2の
シリコン窒化膜32の上に、記憶素子の制御ゲート電極
形成用パターンであるマスクパターン109を用いて、
第2のシリコン窒化膜32に対するドライエッチング
と、多結晶シリコン膜31に対するドライエッチングと
を行なって、上面が第2のシリコン窒化膜32により覆
われたn型の多結晶シリコン膜からなる制御ゲート電極
31Aを形成する。
【0413】次に、図49(b)に示すように、マスク
パターン109を除去した後、半導体基板21上に、ド
レイン形成領域に開口部を持つマスクパターン110を
形成し、形成したマスクパターン110を用いて、例え
ば注入エネルギーが約5keV〜15keV程度で注入
ドーズ量が5×1012〜1×1014cm-2程度のホウ素
(B)イオンを半導体基板21にイオン注入することに
より、表面近傍の不純物濃度が5×1016cm-3〜1×
1019cm-3程度で且つ浅い接合を持つ第1の低濃度p
型不純物拡散領域33を形成する。なお、第2の熱酸化
膜28における第1の低濃度p型不純物拡散領域33の
上側部分を、あらかじめ、フッ酸によるウェットエッチ
ングで除去しておき、その後、前述した注入条件でホウ
素(B)イオンの注入を行なってもよい。
【0414】次に、図49(c)に示すように、マスク
パターン110を除去した後、CVD法を用いて半導体
基板21上に第2のシリコン窒化膜32及び制御ゲート
電極31Aを含む全面にわたって、膜厚がそれぞれ約5
nm〜15nmの第2のシリコン酸化膜34、第3のシ
リコン窒化膜35及び第4のシリコン酸化膜51を順次
堆積する。
【0415】次に、図49(d)に示すように、CVD
法により、第4のシリコン酸化膜51の上に全面にわた
って膜厚が40nm〜100nm程度のBPSG膜37
Aを堆積する。
【0416】次に、図49(e)に示すように、堆積し
たBPSG膜37Aに対して異方性のエッチバックを行
ない、さらに、第4のシリコン酸化膜51、第3のシリ
コン窒化膜35、第2のシリコン酸化膜34及び第2の
熱酸化膜28を除去して半導体基板21を露出させるこ
とにより、制御ゲート電極31Aの側面上に、第2のシ
リコン酸化膜34、第3のシリコン窒化膜35及び第4
のシリコン酸化膜51からなる保護絶縁膜36を介在さ
せたサイドウォール37を形成する。
【0417】次に、図49(f)に示すように、ドレイ
ン領域の上に開口部を持つマスクパターン111を形成
し、形成したマスクパターン111、制御ゲート31A
及びサイドウォール37を用いて、反応イオン性ドライ
エッチング(RIE)法により、半導体基板21の上部
に対してエッチングを行なって、深さが25nm〜75
nm程度の凹部21bを形成する。なお、このエッチン
グは、RIE法に代えてCDE法により行なってもよ
い。
【0418】続いて、マスクパターン111を用いて、
注入エネルギーが約10keV〜30keVで注入ドー
ズ量が5×1012〜1×1014cm-2程度の比較的低ド
ーズ量のホウ素(B)イオンを半導体基板21にイオン
注入して、表面近傍の不純物濃度が5×1016cm-3
1×1019cm-3程度で、第1の低濃度p型不純物拡散
領域33よりもやや深い接合を持つ第2の低濃度p型不
純物拡散領域(図示せず)を形成する。さらに、マスク
パターン111を用いて、注入エネルギーが約20ke
V〜50keVで注入ドーズ量が5×1012〜1×10
14cm-2程度の比較的低ドーズ量のヒ素(As)イオン
を半導体基板21にイオン注入して、表面近傍の不純物
濃度が5×1016cm-3〜1×1019cm-3程度で、接
合深さが約40nmの浅い低濃度n型不純物拡散領域3
8を形成する。
【0419】次に、図49(g)に示すように、マスク
パターン111を除去し、さらに気相フッ酸を用いてサ
イドウォール37を除去した後、図49(h)に示すよ
うに、急速熱酸化装置を用いて、温度が900℃〜11
00℃程度で圧力が1000Pa〜2000Pa程度に
設定されたチャンバ内に水素ガスと酸素ガスとを導入
し、半導体基板21上で生成される水蒸気によって該半
導体基板21を熱酸化することにより、半導体基板21
の凹部21bの露出面上に膜厚が6nm〜15nmのト
ンネル絶縁膜39を形成する。このとき、保護絶縁膜3
6の露出面は第4のシリコン酸化膜51により覆われて
いるため、内燃方式の熱酸化による保護絶縁膜36の第
3のシリコン窒化膜35の酸化を防止することができ、
保護絶縁膜36のシリコン窒化膜をシリコン酸化膜で挟
んでなるONO膜の膜構造が崩れることがない。
【0420】その後、CVD法により、半導体基板21
上にゲート電極31A及び保護絶縁膜36を含む全面に
わたって膜厚が120nm〜200nm程度のリン
(P)が添加された多結晶シリコン(DP)膜を形成す
る。続いて、ドレイン領域の上に開口部を持つマスクパ
ターンを用いて、DP膜に対して異方性ドライエッチン
グによるエッチバックを行なって、制御ゲート電極31
Aの側面上に保護絶縁膜36を介してサイドウォール状
DP膜を形成する。具体的には、トンネル絶縁膜39が
露出した時点でエッチングを停止して、制御ゲート電極
31Aのドレイン領域側の側面上に高さが制御ゲート電
極31Aの高さの約80%、ここでは約160nmのサ
イドウォール状DP膜を半導体基板21の凹部21bの
段差部を跨ぐように形成する。その後、サイドウォール
状DP膜をマスクするマスクパターンを用いたドライエ
ッチングにより、サイドウォール状DP膜から、記憶素
子ごとに分離され、さらに制御ゲート電極31Aのドレ
イン領域側の側面と保護絶縁膜36を介して容量結合し
且つ半導体基板21の凹部21bとトンネル絶縁膜39
を介して対向する浮遊ゲート電極40Bを自己整合的に
形成する。
【0421】次に、制御ゲート電極31A及び浮遊ゲー
ト電極40Bをマスクとして、注入エネルギーが約50
keVで注入ドーズ量が5×1013〜1×1014cm-2
程度の比較的高ドーズ量のヒ素(As)イオンを半導体
基板21にイオン注入し、これにより、半導体基板21
の表面近傍のヒ素の不純物濃度が5×1019cm-3〜1
×1021cm-3と程度のソース領域42及びドレイン領
域43を形成する。
【0422】なお、第11の実施形態においては、半導
体基板21の浮遊ゲート電極40Bの下側に、ホットエ
レクトロンが浮遊ゲート電極40Bに高効率で注入され
るように浮遊ゲート電極40Bが跨ぐ段差部を設けてい
るが、段差部を設けない構成であってもよい。
【0423】以上説明したように、第11の実施形態に
よると、制御ゲート電極31Aの両側面が保護絶縁膜3
6により覆われているため、浮遊ゲート電極40Bを形
成する際に、制御ゲート電極31Aがエッチングによる
ダメージを防止できる。また、トンネル絶縁膜39の形
成工程において、制御ゲート電極31Aにおける浮遊ゲ
ート電極40B側の側面が酸化されることがない。
【0424】また、図49(e)に示すように、制御ゲ
ート電極31AのBPSGからなるサイドウォール37
は、その底面が保護絶縁膜36上にあり、直接に半導体
基板21と接していないため、後工程で除去する際に半
導体基板21の基板面がダメージを受けることがないの
で、記憶素子としての動作が安定する。
【0425】また、第11の実施形態においても、周辺
回路形成領域の各素子は記憶素子の形成工程よりも後に
形成されるため、制御ゲート電極31A及び浮遊ゲート
電極40Bがエッチングダメージを受けることがない。
【0426】また、内燃方式の熱酸化によりトンネル絶
縁膜39を形成するため、低濃度n型不純物拡散領域3
8における増速酸化が抑制されるので、該トンネル絶縁
膜39の膜厚をほぼ均一に形成することができる。ま
た、内燃方式の熱酸化によるトンネル絶縁膜39は、通
常の酸素雰囲気で形成されたトンネル絶縁膜の膜質と比
べても、同等かそれ以上の膜質を得ることができる。
【0427】また、ゲート酸化膜である第2の熱酸化膜
28に対するバーズビークの発生、及び制御ゲート電極
31Aの側面の下部に対するバーズビークの発生が抑制
される。
【0428】さらに、保護絶縁膜36の外側に第4のシ
リコン酸化膜51を設けているため、第3のシリコン窒
化膜35の酸化が防止されるだけでなく、第4のシリコ
ン酸化膜51を設けることにより、第3のシリコン窒化
膜35の膜厚の制御性が向上する。その上、保護絶縁膜
36が3層構造であるため、浮遊ゲート電極40Bに蓄
積された電子の放出を抑制でき、記憶素子の信頼性が向
上する。
【0429】なお、第11の実施形態において、保護絶
縁膜36は制御ゲート電極31Aの両側面上に設けられ
ているが、図50に示すように制御ゲート電極31Aに
おける浮遊ゲート電極40Bと反対側に位置する保護絶
縁膜36は設けなくてもよい。この場合には、内燃方式
の熱酸化によるトンネル絶縁膜39を形成する際に、制
御ゲート電極31Aにおける浮遊ゲート電極40Bと反
対側の側部にシリコン酸化膜31aが形成される。
【0430】また、図49(g)において、サイドウォ
ール37を除去した後、さらに、異方性エッチングによ
り、保護絶縁膜36及びゲート酸化膜となる第2の絶縁
膜28におけるサイドウォール37の底面により覆われ
ていた部分を除去して、図51に示す構造としても良
い。
【0431】さらには、図52に示すように、制御ゲー
ト電極31Aの両側面上の保護絶縁膜36のうち浮遊ゲ
ート電極40Bと反対側に位置する保護絶縁膜36を除
去しても良い。
【0432】図51及び図52に示す構造とすると、保
護絶縁膜36及び第2の絶縁膜28におけるサイドウォ
ール37の底面に覆われていた部分が存在しないため、
書き込み動作時及び消去動作時において、保護絶縁膜3
6及び第2の絶縁膜28に対して電子又はホールのトラ
ップが抑制される。その結果、記憶素子に対して書き込
み動作及び消去動作を繰り返すことによって該記憶素子
の動作特性が劣化することを防止できる。
【0433】なお、制御ゲート電極31Aの両側面上に
設けられた保護絶縁膜36のうち浮遊ゲート電極40B
と反対側に位置する保護絶縁膜36の張り出し部のみを
除去しても良く、逆に、浮遊ゲート電極40Bと対向す
る側に位置する保護絶縁膜36の張り出し部のみを除去
しても良い。
【0434】(第12の実施形態)以下、本発明の第1
2の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置及びその製
造方法について図面を参照しながら説明する。
【0435】図53は第12の実施形態に係る不揮発性
半導体記憶装置の一記憶素子の断面構成を示している。
図53において、図1に示す構成部材と同一の構成部材
には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0436】第12の実施形態に係る保護絶縁膜14
は、制御ゲート電極13の両側面上に該制御ゲート電極
13側から順次形成されたシリコン窒化膜及びシリコン
酸化膜の積層体により構成されている。
【0437】また、トンネル絶縁膜16は内燃方式のパ
イロジェニック酸化により形成され、且つ、制御ゲート
電極13は、その側部に内燃方式のパイロジェニック酸
化によるシリコン酸化膜13bが形成されていることを
特徴とする。
【0438】続いて、第12の実施形態に係る不揮発性
半導体記憶装置の一記憶素子の製造方法を図54(a)
〜図54(h)に基づいて説明する。なお、(1)素子
分離領域の形成、(2)ウェル領域の形成、(3)ゲー
ト酸化膜の形成及び(5)周辺回路形成領域の素子形成
の各工程は第1の実施形態と同様である。また、図54
において、第1の実施形態と同一の構成部材には同一の
符号を付している。
【0439】まず、図54(a)に示すように、第2の
シリコン窒化膜32の上に、記憶素子の制御ゲート電極
形成用パターンであるマスクパターン109を用いて、
第2のシリコン窒化膜32に対するドライエッチング
と、多結晶シリコン膜31に対するドライエッチングと
を行なって、上面が第2のシリコン窒化膜32により覆
われたn型の多結晶シリコン膜からなる制御ゲート電極
31Aを形成する。
【0440】次に、図54(b)に示すように、マスク
パターン109を除去した後、急速熱酸化装置を用い
て、温度が900℃〜1100℃程度で圧力が1000
Pa〜2000Pa程度に設定されたチャンバ内に水素
ガスと酸素ガスとを導入し、半導体基板21上で生成さ
れる水蒸気によって制御ゲート電極31Aを熱酸化する
ことにより、制御ゲート電極31Aの側部に、膜厚が約
5nm〜15nmのシリコン酸化膜31bを形成する。
続いて、半導体基板21上に、ドレイン形成領域に開口
部を持つマスクパターン110を形成し、形成したマス
クパターン110を用いて、例えば注入エネルギーが約
5keV〜15keV程度で注入ドーズ量が5×1012
〜1×1014cm-2程度のホウ素(B)イオンを半導体
基板21にイオン注入することにより、表面近傍の不純
物濃度が5×1016cm-3〜1×1019cm-3程度で且
つ浅い接合を持つ第1の低濃度p型不純物拡散領域33
を形成する。なお、第2の熱酸化膜28における第1の
低濃度p型不純物拡散領域33の上側部分を、あらかじ
め、フッ酸によるウェットエッチングで除去しておき、
その後、前述した注入条件でホウ素(B)イオンの注入
を行なってもよい。
【0441】次に、図54(c)に示すように、マスク
パターン110を除去した後、CVD法を用いて半導体
基板21上に第2のシリコン窒化膜32及び制御ゲート
電極31Aを含む全面にわたって、膜厚がそれぞれ約5
nm〜15nmの第3のシリコン窒化膜35と第4のシ
リコン酸化膜51とを順次堆積する。
【0442】次に、図54(d)に示すように、CVD
法により、第4のシリコン酸化膜51の上に全面にわた
って膜厚が40nm〜100nm程度のBPSG膜37
Aを堆積する。
【0443】次に、図54(e)に示すように、堆積し
たBPSG膜37Aに対して異方性のエッチバックを行
ない、さらに、第4のシリコン酸化膜51、第3のシリ
コン窒化膜35及び第2の熱酸化膜28を除去して半導
体基板21を露出させることにより、制御ゲート電極3
1Aの側面上に、第3のシリコン窒化膜35及び第4の
シリコン酸化膜51からなる保護絶縁膜36を介在させ
たサイドウォール37を形成する。
【0444】次に、図54(f)に示すように、ドレイ
ン領域の上に開口部を持つマスクパターン111を形成
し、形成したマスクパターン111、制御ゲート31A
及びサイドウォール37を用いて、反応イオン性ドライ
エッチング(RIE)法により、半導体基板21の上部
に対してエッチングを行なって、深さが25nm〜75
nm程度の凹部21bを形成する。なお、このエッチン
グはRIE法に代えてCDE法により行なってもよい。
【0445】続いて、マスクパターン111を用いて、
注入エネルギーが約10keV〜30keVで注入ドー
ズ量が5×1012〜1×1014cm-2程度の比較的低ド
ーズ量のホウ素(B)イオンを半導体基板21にイオン
注入して、表面近傍の不純物濃度が5×1016cm-3
1×1019cm-3程度で、第1の低濃度p型不純物拡散
領域33よりもやや深い接合を持つ第2の低濃度p型不
純物拡散領域(図示せず)を形成する。さらに、マスク
パターン111を用いて、注入エネルギーが約20ke
V〜50keVで注入ドーズ量が5×1012〜1×10
14cm-2程度の比較的低ドーズ量のヒ素(As)イオン
を半導体基板21にイオン注入して、表面近傍の不純物
濃度が5×1016cm-3〜1×1019cm-3程度で、接
合深さが約40nmの浅い低濃度n型不純物拡散領域3
8を形成する。
【0446】次に、図54(g)に示すように、マスク
パターン111を除去し、さらに気相フッ酸を用いてサ
イドウォール37を除去した後、図54(h)に示すよ
うに、急速熱酸化装置を用いて、温度が900℃〜11
00℃程度で圧力が1000Pa〜2000Pa程度に
設定されたチャンバ内に水素ガスと酸素ガスとを導入
し、半導体基板21上で生成される水蒸気によって該半
導体基板21を熱酸化することにより、半導体基板21
の凹部21bの露出面上に膜厚が6nm〜15nmのト
ンネル絶縁膜39を形成する。このとき、保護絶縁膜3
6の露出面は第4のシリコン酸化膜51により覆われて
いるため、内燃方式の熱酸化による保護絶縁膜36の第
3のシリコン窒化膜35の酸化を防止することができ、
制御ゲート電極31Aの側部のシリコン酸化膜31b、
保護絶縁膜36の第3のシリコン窒化膜35及び第4の
シリコン酸化膜51からなるONO膜の膜構造が崩れる
ことがない。
【0447】その後、CVD法により、半導体基板21
上にゲート電極31A及び保護絶縁膜36を含む全面に
わたって膜厚が120nm〜200nm程度のリン
(P)が添加された多結晶シリコン(DP)膜を形成す
る。続いて、ドレイン領域の上に開口部を持つマスクパ
ターンを用いて、DP膜に対して異方性ドライエッチン
グによるエッチバックを行なって、制御ゲート電極31
Aの側面上に保護絶縁膜36を介してサイドウォール状
DP膜を形成する。具体的には、トンネル絶縁膜39が
露出した時点でエッチングを停止して、制御ゲート電極
31Aのドレイン領域側の側面上に高さが制御ゲート電
極31Aの高さの約80%、ここでは約160nmのサ
イドウォール状DP膜を半導体基板21の凹部21bの
段差部を跨ぐように形成する。その後、サイドウォール
状DP膜をマスクするマスクパターンを用いたドライエ
ッチングにより、サイドウォール状DP膜から、記憶素
子ごとに分離され、さらに制御ゲート電極31Aのドレ
イン領域側の側面と保護絶縁膜36を介して容量結合し
且つ半導体基板21の凹部21bとトンネル絶縁膜39
を介して対向する浮遊ゲート電極40Bを自己整合的に
形成する。
【0448】次に、制御ゲート電極31A及び浮遊ゲー
ト電極40Bをマスクとして、注入エネルギーが約50
keVで注入ドーズ量が5×1013〜1×1014cm-2
程度の比較的高ドーズ量のヒ素(As)イオンを半導体
基板21にイオン注入し、これにより、半導体基板21
の表面近傍のヒ素の不純物濃度が5×1019cm-3〜1
×1021cm-3と程度のソース領域42及びドレイン領
域43を形成する。
【0449】なお、第12の実施形態においては、半導
体基板21の浮遊ゲート電極40Bの下側に、ホットエ
レクトロンが浮遊ゲート電極40Bに高効率で注入され
るように浮遊ゲート電極40Bが跨ぐ段差部を設けてい
るが、段差部を設けない構成であってもよい。
【0450】以上説明したように、第12の実施形態に
よると、制御ゲート電極31Aの両側面が保護絶縁膜3
6により覆われているため、浮遊ゲート電極40Bを形
成する際に、制御ゲート電極31Aがエッチングによる
ダメージを防止できる。また、トンネル絶縁膜39の形
成工程において、制御ゲート電極31Aにおける浮遊ゲ
ート電極40B側の側面が酸化されることがない。
【0451】また、図54(e)に示すように、制御ゲ
ート電極31AのBPSGからなるサイドウォール37
は、その底面が保護絶縁膜36上にあり、直接に半導体
基板21と接していないため、後工程で除去する際に半
導体基板21の基板面がダメージを受けることがないの
で、記憶素子としての動作が安定する。
【0452】また、第12の実施形態においても、周辺
回路形成領域の各素子は記憶素子の形成工程よりも後に
形成されるため、制御ゲート電極31A及び浮遊ゲート
電極40Bがエッチングダメージを受けることがない。
【0453】また、内燃方式の熱酸化によりトンネル絶
縁膜39を形成するため、低濃度n型不純物拡散領域3
8における増速酸化が抑制されるので、該トンネル絶縁
膜39の膜厚をほぼ均一に形成することができる。ま
た、内燃方式の熱酸化によるトンネル絶縁膜39は、通
常の酸素雰囲気で形成されたトンネル絶縁膜の膜質と比
べても、同等かそれ以上の膜質を得ることができる。
【0454】また、ゲート酸化膜である第2の熱酸化膜
28に対するバーズビークの発生、及び制御ゲート電極
31Aの側面の下部に対するバーズビークの発生が抑制
される。
【0455】さらに、保護絶縁膜36の外側に第4のシ
リコン酸化膜51を設けているため、第3のシリコン窒
化膜35の酸化が防止されるだけでなく、第4のシリコ
ン酸化膜51を設けることにより、第3のシリコン窒化
膜35の膜厚の制御性が向上する。その上、保護絶縁膜
36と制御ゲート電極31Aの側部のシリコン酸化膜3
1b、とを併せて3層構造であるため、浮遊ゲート電極
40Bに蓄積された電子の放出を抑制でき、記憶素子の
信頼性が向上する。
【0456】なお、第12の実施形態において、保護絶
縁膜36は制御ゲート電極31Aの両側面上に設けられ
ているが、図55に示すように制御ゲート電極31Aに
おける浮遊ゲート電極40Bと反対側に位置する保護絶
縁膜36は設けなくてもよい。この場合には、内燃方式
の熱酸化によるトンネル絶縁膜39を形成する際に、制
御ゲート電極31Aにおける浮遊ゲート電極40Bと反
対側の側部にシリコン酸化膜31aが形成される。
【0457】また、図54(g)において、サイドウォ
ール37を除去した後、さらに、異方性エッチングによ
り、保護絶縁膜36及びゲート酸化膜となる第2の絶縁
膜28におけるサイドウォール37の底面により覆われ
ていた部分を除去して、図56に示す構造としても良
い。
【0458】さらには、図57に示すように、制御ゲー
ト電極31Aの両側面上の保護絶縁膜36のうち浮遊ゲ
ート電極40Bと反対側に位置する保護絶縁膜36を除
去しても良い。
【0459】図56及び図57に示す構造とすると、保
護絶縁膜36及び第2の絶縁膜28におけるサイドウォ
ール37の底面に覆われていた部分が存在しないため、
書き込み動作時及び消去動作時において、保護絶縁膜3
6及び第2の絶縁膜28に対して電子又はホールのトラ
ップが抑制される。その結果、記憶素子に対して書き込
み動作及び消去動作を繰り返すことによって該記憶素子
の動作特性が劣化することを防止できる。
【0460】なお、制御ゲート電極31Aの両側面上に
設けられた保護絶縁膜36のうち浮遊ゲート電極40B
と反対側に位置する保護絶縁膜36の張り出し部のみを
除去しても良く、逆に、浮遊ゲート電極40Bと対向す
る側に位置する保護絶縁膜36の張り出し部のみを除去
しても良い。
【0461】
【発明の効果】本発明に係る不揮発性半導体記憶装置及
びその製造方法によると、浮遊ゲート電極が形成される
際に制御ゲート電極を保護する保護絶縁膜を有している
ため、制御ゲート電極は浮遊ゲート電極の形成時にその
形状が損なわれにくくなるので、不揮発性半導体記憶装
置のメモリセルを確実に形成することができる。
【0462】また、半導体基板が、記憶回路形成領域と
該記憶回路形成領域の回路に対して駆動信号を出力する
トランジスタを含む周辺回路形成領域を有している場合
に、記憶回路形成領域を形成した後に、周辺回路形成領
域のトランジスタを形成するため、本発明のメモリセル
のプロセスが周辺回路を構成するトランジスタの動作特
性に影響を与えることがないので、所望の特性を有する
不揮発性半導体記憶装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る不揮発性半導体
記憶装置の一記憶素子を示す構成断面図である。
【図2】(a)〜(c)は本発明の第1の実施形態に係
る不揮発性半導体記憶装置の製造方法を示す工程順の構
成断面図である。
【図3】(a)〜(c)は本発明の第1の実施形態に係
る不揮発性半導体記憶装置の製造方法を示す工程順の構
成断面図である。
【図4】(a)〜(c)は本発明の第1の実施形態に係
る不揮発性半導体記憶装置の製造方法を示す工程順の構
成断面図である。
【図5】(a)〜(c)は本発明の第1の実施形態に係
る不揮発性半導体記憶装置の製造方法を示す工程順の構
成断面図である。
【図6】(a)〜(c)は本発明の第1の実施形態に係
る不揮発性半導体記憶装置の製造方法を示す工程順の構
成断面図である。
【図7】(a)〜(c)は本発明の第1の実施形態に係
る不揮発性半導体記憶装置の製造方法を示す工程順の構
成断面図である。
【図8】(a)〜(c)は本発明の第1の実施形態に係
る不揮発性半導体記憶装置の製造方法を示す工程順の構
成断面図である。
【図9】(a)〜(c)は本発明の第1の実施形態に係
る不揮発性半導体記憶装置の製造方法を示す工程順の構
成断面図である。
【図10】(a)〜(c)は本発明の第1の実施形態に
係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法を示す工程順の
構成断面図である。
【図11】(a)〜(c)は本発明の第1の実施形態に
係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法を示す工程順の
構成断面図である。
【図12】(a)〜(c)は本発明の第1の実施形態に
係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法を示す工程順の
構成断面図である。
【図13】(a)〜(c)は本発明の第1の実施形態に
係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法を示す工程順の
構成断面図である。
【図14】(a)〜(c)は本発明の第1の実施形態に
係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法を示す工程順の
構成断面図である。
【図15】本発明の第1の実施形態の一変形例に係る不
揮発性半導体記憶装置の一記憶素子を示す構成断面図で
ある。
【図16】本発明の第2の実施形態に係る不揮発性半導
体記憶装置の一記憶素子を示す構成断面図である。
【図17】(a)〜(h)は本発明の第2の実施形態に
係る不揮発性半導体記憶装置の一記憶素子の製造方法を
示す工程順の構成断面図である。
【図18】本発明の第2の実施形態の一変形例に係る不
揮発性半導体記憶装置の一記憶素子を示す構成断面図で
ある。
【図19】本発明の第3の実施形態に係る不揮発性半導
体記憶装置の一記憶素子を示す構成断面図である。
【図20】(a)〜(h)は本発明の第3の実施形態に
係る不揮発性半導体記憶装置の一記憶素子の製造方法を
示す工程順の構成断面図である。
【図21】本発明の第3の実施形態の一変形例に係る不
揮発性半導体記憶装置の一記憶素子を示す構成断面図で
ある。
【図22】本発明の第4の実施形態に係る不揮発性半導
体記憶装置の一記憶素子を示す構成断面図である。
【図23】(a)〜(h)は本発明の第4の実施形態に
係る不揮発性半導体記憶装置の一記憶素子の製造方法を
示す工程順の構成断面図である。
【図24】本発明の第4の実施形態の一変形例に係る不
揮発性半導体記憶装置の一記憶素子を示す構成断面図で
ある。
【図25】本発明の第5の実施形態に係る不揮発性半導
体記憶装置の一記憶素子を示す構成断面図である。
【図26】(a)〜(h)は本発明の第5の実施形態に
係る不揮発性半導体記憶装置の一記憶素子の製造方法を
示す工程順の構成断面図である。
【図27】本発明の第5の実施形態の一変形例に係る不
揮発性半導体記憶装置の一記憶素子を示す構成断面図で
ある。
【図28】本発明の第6の実施形態に係る不揮発性半導
体記憶装置の一記憶素子を示す構成断面図である。
【図29】(a)〜(h)は本発明の第6の実施形態に
係る不揮発性半導体記憶装置の一記憶素子の製造方法を
示す工程順の構成断面図である。
【図30】本発明の第6の実施形態の一変形例に係る不
揮発性半導体記憶装置の一記憶素子を示す構成断面図で
ある。
【図31】本発明の第7の実施形態に係る不揮発性半導
体記憶装置の一記憶素子を示す構成断面図である。
【図32】(a)〜(h)は本発明の第7の実施形態に
係る不揮発性半導体記憶装置の一記憶素子の製造方法を
示す工程順の構成断面図である。
【図33】本発明の第7の実施形態の一変形例に係る不
揮発性半導体記憶装置の一記憶素子を示す構成断面図で
ある。
【図34】本発明の第8の実施形態に係る不揮発性半導
体記憶装置の一記憶素子を示す構成断面図である。
【図35】(a)〜(h)は本発明の第8の実施形態に
係る不揮発性半導体記憶装置の一記憶素子の製造方法を
示す工程順の構成断面図である。
【図36】本発明の第8の実施形態の一変形例に係る不
揮発性半導体記憶装置の一記憶素子を示す構成断面図で
ある。
【図37】(a)は本発明の第9の実施形態に係る不揮
発性半導体記憶装置の一記憶素子を示す構成断面図であ
る。(b)〜(d)は本発明の第9の実施形態の変形例
に係る不揮発性半導体記憶装置の一記憶素子を示す構成
断面図である。
【図38】(a)〜(g)は本発明の第9の実施形態に
係る不揮発性半導体記憶装置の一記憶素子の製造方法を
示す工程順の構成断面図である。
【図39】本発明の第10の実施形態に係る不揮発性半
導体記憶装置の一記憶素子を示す構成断面図である。
【図40】(a)〜(h)は本発明の第10の実施形態
に係る不揮発性半導体記憶装置の一記憶素子の製造方法
を示す工程順の構成断面図である。
【図41】(a)及び(b)は本発明の第10の実施形
態に係る不揮発性半導体記憶装置の一記憶素子の他の例
を示す構成断面図である。
【図42】(a)及び(b)は本発明の第10の実施形
態に係る不揮発性半導体記憶装置の一記憶素子の他の例
を示す構成断面図である。
【図43】本発明の第10の実施形態に係る不揮発性半
導体記憶装置の一記憶素子の他の例を示す構成断面図で
ある。
【図44】本発明の第10の実施形態の一変形例に係る
不揮発性半導体記憶装置の一記憶素子を示す構成断面図
である。
【図45】本発明の第10の実施形態の一変形例に係る
不揮発性半導体記憶装置の一記憶素子の他の例を示す構
成断面図である。
【図46】本発明の第10の実施形態の一変形例に係る
不揮発性半導体記憶装置の一記憶素子の他の例を示す構
成断面図である。
【図47】本発明の第10の実施形態の一変形例に係る
不揮発性半導体記憶装置の一記憶素子の他の例を示す構
成断面図である。
【図48】本発明の第11の実施形態に係る不揮発性半
導体記憶装置の一記憶素子を示す構成断面図である。
【図49】(a)〜(h)は本発明の第11の実施形態
に係る不揮発性半導体記憶装置の一記憶素子の製造方法
を示す工程順の構成断面図である。
【図50】本発明の第11の実施形態に係る不揮発性半
導体記憶装置の一記憶素子の他の例を示す構成断面図で
ある。
【図51】本発明の第11の実施形態に係る不揮発性半
導体記憶装置の一記憶素子の他の例を示す構成断面図で
ある。
【図52】本発明の第11の実施形態に係る不揮発性半
導体記憶装置の一記憶素子の他の例を示す構成断面図で
ある。
【図53】本発明の第12の実施形態に係る不揮発性半
導体記憶装置の一記憶素子を示す構成断面図である。
【図54】(a)〜(h)は本発明の第12の実施形態
に係る不揮発性半導体記憶装置の一記憶素子の製造方法
を示す工程順の構成断面図である。
【図55】本発明の第12の実施形態に係る不揮発性半
導体記憶装置の一記憶素子の他の例を示す構成断面図で
ある。
【図56】本発明の第12の実施形態に係る不揮発性半
導体記憶装置の一記憶素子の他の例を示す構成断面図で
ある。
【図57】本発明の第12の実施形態に係る不揮発性半
導体記憶装置の一記憶素子の他の例を示す構成断面図で
ある。
【図58】(a)〜(h)は従来のスプリットゲート型
のFEEPROM装置の一記憶素子の製造方法を示す工
程順の構成断面図である。
【符号の説明】
1 記憶回路形成領域 2 周辺回路形成領域 3 記憶素子部 4 低電圧n型チャネルトランジスタ部 5 低電圧p型チャネルトランジスタ部 6 高電圧n型チャネルトランジスタ部 7 高電圧p型チャネルトランジスタ部 8 抵抗素子部 9 容量素子部 11 半導体基板 11a ソース領域 11b ドレイン領域 12 ゲート酸化膜 13 制御ゲート電極 13a シリコン酸化膜 13b シリコン酸化膜 14 保護絶縁膜(単層又は積層) 14A 保護絶縁膜(単層) 14C 保護絶縁膜(積層) 14a シリコン酸化膜 15 浮遊ゲート電極 16 トンネル絶縁膜 16A トンネル絶縁膜 16B 容量絶縁膜 21 半導体基板 21a 素子分離溝 21b 凹部 22 第1の熱酸化膜 23 第1のシリコン窒化膜 24A 第1のシリコン酸化膜 24B 素子分離領域 25 深いn型ウェル領域 26 n型ウェル領域 27 p型ウェル領域 28 第2の熱酸化膜 29 第3の熱酸化膜 30 第4の熱酸化膜 31 多結晶シリコン膜 31A 制御ゲート電極 31b シリコン酸化膜 31B ゲート電極 32 第2のシリコン窒化膜 33 第1の低濃度p型不純物拡散領域 34 第2のシリコン酸化膜 35 第3のシリコン窒化膜 36 保護絶縁膜 36a シリコン酸化膜 37 サイドウォール 37A BPSG膜 38 低濃度n型不純物拡散領域 39 トンネル絶縁膜 39A トンネル絶縁膜 39B 容量絶縁膜 40 多結晶シリコン(DP)膜 40A サイドウォール状DP膜 40B 浮遊ゲート電極 41 保護酸化膜 42 ソース領域 43 ドレイン領域 44 n型LDD領域 45 p型LDD領域 46 サイドウォールスペーサ 47 p型ソースドレイン領域 48 n型ソースドレイン領域 49 第3のシリコン酸化膜 50 コバルトシリサイド領域 51 第4のシリコン酸化膜 101〜124 マスクパターン 131 マスクパターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 29/792 (72)発明者 楠見 昌隆 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 野呂 文彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 藤本 裕雅 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 鎌田 章弘 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 小田中 紳二 大阪府豊中市待兼山町1番1号 大阪大学 大学院理学研究科数学教室5F サイバー メディアセンター内 (72)発明者 小椋 正気 アメリカ合衆国,ニューヨーク州 12590, ワッピンジャーズ フォールス,オールド ホープウェル ロード 140,ヘイロー エルエスアイ デザイン アンド デバ イス テクノロジー インコーポレイテッ ド内 Fターム(参考) 5F048 AB01 AC01 AC10 BA01 BB06 BB16 BC06 BE02 BF06 BF16 BG01 BG13 DA25 5F083 EP03 EP26 EP43 EP48 ER03 ER05 GA21 JA35 NA01 PR36 PR39 PR40 5F101 BA12 BB04 BC01 BD05 BH03

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に互いの側面を対向させる
    ように設けられた制御ゲート電極及び浮遊ゲート電極を
    有する不揮発性半導体記憶装置において、 前記半導体基板上に形成されたゲート絶縁膜と、 前記ゲート絶縁膜上に形成された前記制御ゲート電極
    と、 前記制御ゲート電極の両側面上に堆積されてなり、前記
    浮遊ゲート電極が形成される際に前記制御ゲート電極を
    保護する保護絶縁膜と、 前記制御ゲート電極の一方の側面と前記保護絶縁膜を介
    して対向し、前記制御ゲート電極と容量結合する前記浮
    遊ゲート電極と、 前記浮遊ゲート電極と前記半導体基板との間に形成され
    たトンネル絶縁膜と、 前記半導体基板における前記浮遊ゲート電極の下側を含
    む領域に形成されたドレイン領域と、 前記半導体基板における前記制御ゲート電極に対して前
    記ドレイン領域と反対側の領域に形成されたソース領域
    とを備えていることを特徴とする不揮発性半導体記憶装
    置。
  2. 【請求項2】 半導体基板上に互いの側面を対向させる
    ように設けられた制御ゲート電極及び浮遊ゲート電極を
    有する不揮発性半導体記憶装置において、 前記半導体基板上に形成されたゲート絶縁膜と、 前記ゲート絶縁膜上に形成された前記制御ゲート電極
    と、 前記制御ゲート電極における前記浮遊ゲート電極と対向
    する側面上にのみ堆積されてなり、前記浮遊ゲート電極
    が形成される際に前記制御ゲート電極を保護する保護絶
    縁膜と、 前記制御ゲート電極の側面と前記保護絶縁膜を介して対
    向し、前記制御ゲート電極と容量結合する前記浮遊ゲー
    ト電極と、 前記浮遊ゲート電極と前記半導体基板との間に形成され
    たトンネル絶縁膜と、 前記半導体基板における前記浮遊ゲート電極の下側を含
    む領域に形成されたドレイン領域と、 前記半導体基板における前記制御ゲート電極に対して前
    記ドレイン領域と反対側の領域に形成されたソース領域
    とを備えていることを特徴とする不揮発性半導体記憶装
    置。
  3. 【請求項3】 半導体基板上に互いの側面を対向させる
    ように設けられた制御ゲート電極及び浮遊ゲート電極を
    有する不揮発性半導体記憶装置において、 前記半導体基板上に形成されたゲート絶縁膜と、 前記第1の絶縁膜上に形成された前記制御ゲート電極
    と、 前記制御ゲート電極における前記浮遊ゲート電極と対向
    する側面と反対側の側面上に堆積されてなり、前記浮遊
    ゲート電極が形成される際に前記制御ゲート電極を保護
    する保護絶縁膜と、 前記制御ゲート電極における前記浮遊ゲート電極と対向
    する側面上に形成された容量絶縁膜と、 前記制御ゲート電極の側面と前記容量絶縁膜を介して対
    向し、前記制御ゲート電極と容量結合する前記浮遊ゲー
    ト電極と、 前記浮遊ゲート電極と前記半導体基板との間に形成され
    たトンネル絶縁膜と、 前記半導体基板における前記浮遊ゲート電極の下側を含
    む領域に形成されたドレイン領域と、 前記半導体基板における前記制御ゲート電極に対して前
    記ドレイン領域と反対側の領域に形成されたソース領域
    とを備えていることを特徴とする不揮発性半導体記憶装
    置。
  4. 【請求項4】 前記容量絶縁膜の膜厚は均一であること
    を特徴とする請求項3に記載の不揮発性半導体記憶装
    置。
  5. 【請求項5】 前記保護絶縁膜の膜厚は均一であること
    を特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載
    の不揮発性半導体記憶装置。
  6. 【請求項6】 前記ゲート絶縁膜の膜厚は均一であるこ
    とを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか1項に記
    載の不揮発性半導体記憶装置。
  7. 【請求項7】 前記トンネル絶縁膜の膜厚は均一である
    ことを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれか1項に
    記載の不揮発性半導体記憶装置。
  8. 【請求項8】 前記制御ゲート電極と前記保護絶縁膜と
    の間に形成された絶縁膜をさらに備えていることを特徴
    とする請求項1〜7のうちのいずれか1項に記載の不揮
    発性半導体記憶装置。
  9. 【請求項9】 前記保護絶縁膜は、組成が互いに異なる
    複数の絶縁膜が積層された積層体からなることを特徴と
    する請求項1〜8のうちのいずれか1項に記載の不揮発
    性半導体記憶装置。
  10. 【請求項10】 前記半導体基板は、前記浮遊ゲート電
    極が跨ぐように形成された段差部を有していることを特
    徴とする請求項1〜9のうちのいずれか1項に記載の不
    揮発性半導体記憶装置。
  11. 【請求項11】 半導体基板上に第1の絶縁膜を形成し
    た後、該第1の絶縁膜上に形成した導体膜をパターニン
    グすることにより、前記導体膜から制御ゲート電極を形
    成する制御ゲート電極形成工程と、 前記半導体基板の上に前記制御ゲート電極を含む全面に
    わたって第2の絶縁膜を堆積する第2の絶縁膜堆積工程
    と、 前記第2の絶縁膜における前記制御ゲート電極の両側面
    上の部分を残すように除去することにより、前記第2の
    絶縁膜から前記制御ゲート電極を保護する保護絶縁膜を
    形成する保護絶縁膜堆積工程と、 前記第1の絶縁膜における制御ゲート電極の下側部分を
    残すように除去することにより、前記第1の絶縁膜から
    ゲート絶縁膜を形成するゲート絶縁膜形成工程と、 前記半導体基板上にトンネル絶縁膜となる第3の絶縁膜
    を形成するトンネル絶縁膜形成工程と、 前記制御ゲート電極の一方の側面と前記保護絶縁膜を介
    して容量結合し且つ前記半導体基板と前記トンネル絶縁
    膜を介して対向する浮遊ゲート電極を自己整合的に形成
    する浮遊ゲート電極形成工程と、 前記制御ゲート電極及び浮遊ゲート電極をマスクとし
    て、前記半導体基板に対して不純物注入を行なうことに
    より、前記半導体基板にソース領域及びドレイン領域を
    形成するソースドレイン形成工程とを備えていることを
    特徴とする不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 半導体基板上に第1の絶縁膜を形成し
    た後、該第1の絶縁膜上に形成した導体膜をパターニン
    グすることにより、前記導体膜から制御ゲート電極を形
    成する制御ゲート電極形成工程と、 前記半導体基板の上に前記制御ゲート電極を含む全面に
    わたって第2の絶縁膜を堆積する第2の絶縁膜堆積工程
    と、 前記第1の絶縁膜上で且つ前記第2の絶縁膜における前
    記制御ゲート電極の側面上にサイドウォールを形成する
    サイドウォール形成工程と、 前記サイドウォール及び制御ゲート電極をマスクとし
    て、前記第1の絶縁膜及び第2の絶縁膜に対してエッチ
    ングを行なうことにより、前記制御ゲート電極の下側に
    前記第1の絶縁膜からなるゲート絶縁膜を形成すると共
    に、前記制御ゲート電極の両側面上に前記第2の絶縁膜
    からなり前記制御ゲート電極を保護する保護絶縁膜を形
    成する保護絶縁膜形成工程と、 前記サイドウォールを除去した後、前記半導体基板が露
    出した領域上にトンネル絶縁膜となる第3の絶縁膜を形
    成するトンネル絶縁膜形成工程と、 前記制御ゲート電極の一方の側面と前記保護絶縁膜を介
    して容量結合し且つ前記半導体基板と前記トンネル絶縁
    膜を介して対向する浮遊ゲート電極を自己整合的に形成
    する浮遊ゲート電極形成工程と、 前記制御ゲート電極及び浮遊ゲート電極をマスクとし
    て、前記半導体基板に対して不純物注入を行なうことに
    より、前記半導体基板にソース領域及びドレイン領域を
    形成するソースドレイン形成工程とを備えていることを
    特徴とする不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記トンネル絶縁膜形成工程は、前記
    サイドウォールを除去した後に、前記保護絶縁膜におけ
    る前記サイドウォールの底面により覆われていた部分を
    除去する工程を含むことを特徴とする請求項12に記載
    の不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記トンネル絶縁膜形成工程は、前記
    保護絶縁膜における前記サイドウォールの底面により覆
    われていた部分を除去した後に、前記ゲート絶縁膜にお
    ける前記サイドウォールの底面により覆われていた部分
    を除去する工程を含むことを特徴とする請求項13に記
    載の不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記保護絶縁膜形成工程と前記トンネ
    ル絶縁膜形成工程との間に、前記サイドウォールをマス
    クとして、前記半導体基板に対してエッチングを行なう
    ことにより、前記半導体基板の浮遊ゲート電極を形成す
    る領域に該浮遊ゲート電極が跨ぐ段差部を形成する工程
    をさらに備えていることを特徴とする請求項12〜14
    のうちのいずれか1項に記載の不揮発性半導体記憶装置
    の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記トンネル絶縁膜形成工程は、前記
    第3の絶縁膜を前記保護絶縁膜上にも形成する工程を含
    むことを特徴とする請求項11〜15のうちのいずれか
    1項に記載の不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
  17. 【請求項17】 半導体基板上に第1の絶縁膜を形成し
    た後、第1の絶縁膜上に形成した導体膜をパターニング
    することにより、前記導体膜から制御ゲート電極を形成
    する制御ゲート電極形成工程と、 前記半導体基板の上に前記制御ゲート電極を含む全面に
    わたって第2の絶縁膜を堆積する第2の絶縁膜堆積工程
    と、 前記第2の絶縁膜における前記制御ゲート電極の一方の
    側面上の部分を残すように除去することにより、前記第
    2の絶縁膜から前記制御ゲート電極の前記一方の側面を
    保護する保護絶縁膜を形成する保護絶縁膜形成工程と、 前記第1の絶縁膜における制御ゲート電極の下側部分を
    残すように除去することにより、前記第1の絶縁膜から
    ゲート絶縁膜を形成するゲート絶縁膜形成工程と、 前記半導体基板上にトンネル絶縁膜となる第3の絶縁膜
    を形成するトンネル絶縁膜形成工程と、 前記制御ゲート電極の側面と前記保護絶縁膜を介して容
    量結合し且つ前記半導体基板と前記トンネル絶縁膜を介
    して対向する浮遊ゲート電極を自己整合的に形成する浮
    遊ゲート電極形成工程と、 前記制御ゲート電極及び浮遊ゲート電極をマスクとし
    て、前記半導体基板に対して不純物注入を行なうことに
    より、前記半導体基板にソース領域及びドレイン領域を
    形成するソースドレイン形成工程とを備えていることを
    特徴とする不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
  18. 【請求項18】 半導体基板上に第1の絶縁膜を形成し
    た後、該第1の絶縁膜上に形成した導体膜をパターニン
    グすることにより、前記導体膜から制御ゲート電極を形
    成する制御ゲート電極形成工程と、 前記半導体基板の上に前記制御ゲート電極を含む全面に
    わたって第2の絶縁膜を堆積する第2の絶縁膜堆積工程
    と、 前記第1の絶縁膜上で且つ前記第2の絶縁膜における前
    記制御ゲート電極の側面上にサイドウォールを形成する
    サイドウォール形成工程と、 前記サイドウォール及び制御ゲート電極をマスクとし
    て、前記第1の絶縁膜及び第2の絶縁膜に対してエッチ
    ングを行なうことにより、前記制御ゲート電極の下側に
    前記第1の絶縁膜からなるゲート絶縁膜を形成すると共
    に、前記制御ゲート電極の両側面上に前記第2の絶縁膜
    からなり前記制御ゲート電極を保護する保護絶縁膜を形
    成する保護絶縁膜形成工程と、 前記サイドウォールを除去した後、前記制御ゲート電極
    の一方の側面上の部分を残すように前記保護絶縁膜を除
    去する保護絶縁膜除去工程と、 前記半導体基板が露出した領域上にトンネル絶縁膜とな
    る第3の絶縁膜を形成するトンネル絶縁膜形成工程と、 前記制御ゲート電極の側面と前記保護絶縁膜を介して容
    量結合し且つ前記半導体基板と前記トンネル絶縁膜を介
    して対向する浮遊ゲート電極を自己整合的に形成する浮
    遊ゲート電極形成工程と、 前記制御ゲート電極及び浮遊ゲート電極をマスクとし
    て、前記半導体基板に対して不純物注入を行なうことに
    より、前記半導体基板にソース領域及びドレイン領域を
    形成するソースドレイン形成工程とを備えていることを
    特徴とする不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記保護絶縁膜除去工程は、前記サイ
    ドウォールを除去した後に、前記保護絶縁膜における前
    記サイドウォールの底面により覆われていた部分を除去
    する工程を含むことを特徴とする請求項18に記載の不
    揮発性半導体記憶装置の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記保護絶縁膜除去工程は、前記保護
    絶縁膜における前記サイドウォールの底面により覆われ
    ていた部分を除去した後に、前記ゲート絶縁膜における
    前記サイドウォールの底面により覆われていた部分を除
    去する工程を含むことを特徴とする請求項19に記載の
    不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
  21. 【請求項21】 前記保護絶縁膜形成工程と前記保護絶
    縁膜除去工程との間に、前記サイドウォールをマスクと
    して、前記半導体基板に対してエッチングを行なうこと
    により、前記半導体基板の浮遊ゲート電極を形成する領
    域に該浮遊ゲート電極が跨ぐ段差部を形成する工程をさ
    らに備えていることを特徴とする請求項18〜20のう
    ちのいずれか1項に記載の不揮発性半導体記憶装置の製
    造方法。
  22. 【請求項22】 前記トンネル絶縁膜形成工程は、前記
    第3の絶縁膜を前記保護絶縁膜上にも形成する工程を含
    むことを特徴とする請求項17〜21のうちのいずれか
    1項に記載の不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
  23. 【請求項23】 前記制御ゲート電極形成工程と前記第
    2の絶縁膜堆積工程との間に、加熱した前記半導体基板
    上に水素と酸素とを導入し、導入された水素及び酸素か
    ら前記半導体基板上で水蒸気を発生させることにより、
    前記制御ゲート電極の側部に絶縁膜を形成する工程をさ
    らに備えていることを特徴とする請求項11〜22のう
    ちのいずれか1項に記載の不揮発性半導体記憶装置の製
    造方法。
  24. 【請求項24】 前記保護絶縁膜形成工程は、前記保護
    絶縁膜を、組成が互いに異なる複数の絶縁膜を積層して
    形成することを特徴とする請求項23に記載の不揮発性
    半導体記憶装置の製造方法。
  25. 【請求項25】 前記トンネル絶縁膜形成工程は、加熱
    した前記半導体基板上に水素と酸素とを導入し、導入さ
    れた水素及び酸素から前記半導体基板上で水蒸気を発生
    させることにより前記トンネル絶縁膜を形成すると共
    に、前記保護絶縁膜の表面に該保護絶縁膜の組成と異な
    る絶縁膜を形成する工程を含むことを特徴とする請求項
    11〜24のうちのいずれか1項に記載の不揮発性半導
    体記憶装置の製造方法。
  26. 【請求項26】 半導体基板上に第1の絶縁膜を形成し
    た後、該第1の絶縁膜上に形成した導体膜をパターニン
    グすることにより、前記導体膜から制御ゲート電極を形
    成する制御ゲート電極形成工程と、 前記半導体基板の上に前記制御ゲート電極を含む全面に
    わたって第2の絶縁膜を堆積する第2の絶縁膜堆積工程
    と、 前記第2の絶縁膜における前記制御ゲート電極の両側面
    のうち浮遊ゲート電極が形成される側と反対側の側面上
    の部分を残すように除去することにより、前記第2の絶
    縁膜から前記制御ゲート電極を保護する保護絶縁膜を形
    成する保護絶縁膜形成工程と、 前記第1の絶縁膜における制御ゲート電極の下側部分を
    残すように除去することにより、前記第1の絶縁膜から
    ゲート絶縁膜を形成するゲート絶縁膜形成工程と、 前記制御ゲート電極における浮遊ゲート電極が形成され
    る側の側面上に容量絶縁膜を形成する容量絶縁膜形成工
    程と、 前記半導体基板の上にトンネル絶縁膜を形成するトンネ
    ル絶縁膜形成工程と、 前記制御ゲート電極の側面と前記容量絶縁膜を介して容
    量結合し且つ前記半導体基板と前記トンネル絶縁膜を介
    して対向する浮遊ゲート電極を自己整合的に形成する浮
    遊ゲート電極形成工程と、 前記制御ゲート電極及び浮遊ゲート電極をマスクとし
    て、前記半導体基板に対して不純物注入を行なうことに
    より、前記半導体基板にソース領域及びドレイン領域を
    形成するソースドレイン形成工程とを備えていることを
    特徴とする不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
  27. 【請求項27】 半導体基板上に第1の絶縁膜を形成し
    た後、該第1の絶縁膜上に形成した導体膜をパターニン
    グすることにより、前記導体膜から制御ゲート電極を形
    成する制御ゲート電極形成工程と、 前記半導体基板の上に前記制御ゲート電極を含む全面に
    わたって第2の絶縁膜を堆積する第2の絶縁膜堆積工程
    と、 前記第1の絶縁膜上で且つ前記第2における絶縁膜の前
    記制御ゲート電極の側面上にサイドウォールを形成する
    サイドウォール形成工程と、 前記サイドウォール及び制御ゲート電極をマスクとし
    て、前記第1の絶縁膜及び第2の絶縁膜に対してエッチ
    ングを行なうことにより、前記制御ゲート電極の下側に
    前記第1の絶縁膜からなるゲート絶縁膜を形成すると共
    に、前記制御ゲート電極の両側面上に前記第2の絶縁膜
    からなり前記制御ゲート電極を保護する保護絶縁膜を形
    成する保護絶縁膜形成工程と、 前記サイドウォールを除去した後、前記制御ゲート電極
    の両側面上の保護絶縁膜のうち浮遊ゲート電極が形成さ
    れる側の保護絶縁膜を除去する保護絶縁膜除去工程と、 前記制御ゲート電極における浮遊ゲート電極が形成され
    る側の側面上に容量絶縁膜を形成する容量絶縁膜形成工
    程と、 前記半導体基板が露出した領域上にトンネル絶縁膜を形
    成するトンネル絶縁膜形成工程と、 前記制御ゲート電極の側面と前記容量絶縁膜を介して容
    量結合し且つ前記半導体基板と前記トンネル絶縁膜を介
    して対向する浮遊ゲート電極を自己整合的に形成する浮
    遊ゲート形成工程と、 前記制御ゲート電極及び浮遊ゲート電極をマスクとし
    て、前記半導体基板に対して不純物注入を行なうことに
    より、前記半導体基板にソース領域及びドレイン領域を
    形成するソースドレイン形成工程とを備えていることを
    特徴とする不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
  28. 【請求項28】 前記保護絶縁膜除去工程は、前記サイ
    ドウォールを除去した後に、前記保護絶縁膜における前
    記サイドウォールの底面により覆われていた部分を除去
    する工程を含むことを特徴とする請求項27に記載の不
    揮発性半導体記憶装置の製造方法。
  29. 【請求項29】 前記保護絶縁膜除去工程は、前記保護
    絶縁膜における前記サイドウォールの底面により覆われ
    ていた部分を除去した後に、前記ゲート絶縁膜における
    前記サイドウォールの底面により覆われていた部分を除
    去する工程を含むことを特徴とする請求項28に記載の
    不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
  30. 【請求項30】 前記保護絶縁膜形成工程と前記保護絶
    縁膜除去工程との間に、前記サイドウォールをマスクと
    して、前記半導体基板に対してエッチングを行なうこと
    により、前記半導体基板の浮遊ゲート電極を形成する領
    域に該浮遊ゲート電極が跨ぐ段差部を形成する工程をさ
    らに備えていることを特徴とする請求項27〜29のう
    ちのいずれか1項に記載の不揮発性半導体記憶装置の製
    造方法。
  31. 【請求項31】 前記容量絶縁膜形成工程と前記トンネ
    ル絶縁膜形成工程とは同時に進行する同一の工程からな
    ることを特徴とする請求項26〜30のうちのいずれか
    1項に記載の不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
  32. 【請求項32】 前記容量絶縁膜形成工程又は前記トン
    ネル絶縁膜形成工程は、加熱した前記半導体基板上に水
    素と酸素とを導入し、導入された水素及び酸素から前記
    半導体基板上で水蒸気を発生させることにより、前記容
    量絶縁膜又は前記トンネル絶縁膜を形成する工程を含む
    ことを特徴とする請求項26〜31に記載の不揮発性半
    導体記憶装置の製造方法。
  33. 【請求項33】 前記第2の絶縁膜は、組成が互いに異
    なる複数の絶縁膜を積層した積層体からなることを特徴
    とする請求項11〜32のうちのいずれか1項に記載の
    不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
  34. 【請求項34】 前記半導体基板は、前記ソース領域及
    び前記ドレイン領域を含む記憶回路形成領域と、前記制
    御ゲート電極、前記浮遊ゲート電極、前記ソース領域又
    は前記ドレイン領域に対する駆動信号を生成して出力す
    る電界効果型トランジスタを含む周辺回路を形成する周
    辺回路形成領域とを有しており、 前記記憶回路形成領域における前記ソース領域及び前記
    ドレイン領域を形成するよりも後に、前記周辺回路形成
    領域における前記電界効果型トランジスタを形成する工
    程を備えていることを特徴とする請求項11〜33のう
    ちのいずれか1項に記載の不揮発性半導体記憶装置の製
    造方法。
  35. 【請求項35】 前記記憶回路形成領域における前記制
    御ゲート電極を形成する工程は、前記導体膜を前記第1
    の絶縁膜上に形成する際に、前記電界効果型トランジス
    タのゲート電極形成用の導体膜をも同時に形成する工程
    を含むことを特徴とする請求項34に記載の不揮発性半
    導体記憶装置の製造方法。
  36. 【請求項36】 前記記憶回路形成領域における前記制
    御ゲート電極を形成する工程は、前記導体膜をパターニ
    ングする際に、前記電界効果型トランジスタのゲート電
    極形成用の導体膜をも同時にパターニングする工程を含
    むことを特徴とする請求項34に記載の不揮発性半導体
    記憶装置の製造方法。
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