JP2002083601A - 正極及び非水電解質二次電池 - Google Patents
正極及び非水電解質二次電池Info
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Abstract
解質二次電池のサイクル寿命を向上することが可能な正
極を提供することを目的とする。 【解決手段】 正極活物質、導電剤及びバインダーを含
有する正極において、前記導電剤は、最大繊維長が50
μm以上の繊維状黒鉛質物及び最大粒径が50μm以上
の黒鉛材料のうちの少なくとも一方と、平均一次粒径が
10〜100nmであるカーボンブラックとを含有する
ことを特徴とする。
Description
を備えた非水電解質二次電池に関するものである。
の小型化と需要の増大に伴い、これら電子機器の電源で
ある二次電池に対する高容量化が要求されている。ま
た、自動車からの排ガスによる大気汚染が社会問題とな
っており、電気自動車用電源として軽量で高性能な二次
電池を用いることが期待されている。
化物からなる正極活物質及び導電剤を含有する正極と、
炭素質物を含む負極と、非水電解質を備えた非水電解質
二次電池(リチウムイオン二次電池)が開発され、現在
多用されている。前記Li含有複合酸化物としては、例
えば、LiCoO2 等を挙げることができる。また、前
記導電剤は、Li含有複合酸化物の低い導電性を補うた
めに正極に添加されており、例えば、カーボンブラック
が用いられている。一方、前記非水電解質としては、リ
チウム塩のような電解質を非水溶媒に溶解させることに
より調製された液状非水電解質や、電解質及び非水溶媒
を含有する薄膜を正負極の間に介在させた後、これらに
液状非水電解質を含浸させ、熱処理を施すことにより得
られるゲル状非水電解質などが使用されている。
高容量化が要望されている。高容量化を達成するために
は、電極の充填密度を高くする必要がある。しかしなが
ら、正極の充填密度を高くすると、正極中に存在する空
隙の大きさが小さくなるため、液状非水電解質が浸透し
難くなる。その結果、正極の利用率が低下するため、充
放電サイクルの進行に伴う容量劣化が著しくなり、長寿
命を得られなくなる。
解質の浸透性が改善され、非水電解質二次電池のサイク
ル寿命を向上することが可能な正極を提供することを目
的とする。
電解質二次電池を提供することを目的とする。
極活物質、導電剤及びバインダーを含有する正極におい
て、前記導電剤は、最大繊維長が50μm以上の繊維状
黒鉛質物及び最大粒径が50μm以上の黒鉛材料のうち
の少なくとも一方と、平均一次粒径が10〜100nm
であるカーボンブラックとを含有することを特徴とする
ものである。
活物質、導電剤及びバインダーを含有する正極と、負極
と、非水電解質とを備えた非水電解質二次電池におい
て、前記導電剤は、最大繊維長が50μm以上の繊維状
黒鉛質物及び最大粒径が50μm以上の黒鉛材料のうち
の少なくとも一方と、平均一次粒径が10〜100nm
であるカーボンブラックとを含有することを特徴とする
ものである。
次電池について説明する。
記外装材内に収納され、かつ正極活物質、導電剤及びバ
インダーを含有する正極と、前記外装材内に収納される
負極と、前記外装材内に収納される非水電解質とを具備
する。前記導電剤は、最大繊維長が50μm以上の繊維
状黒鉛質物と最大粒径が50μm以上である黒鉛材料の
うちのいずれか一方と、平均一次粒径が10〜100n
mであるカーボンブラックとを含有する。
質、導電剤およびバインダーを溶媒に分散させることに
よりペーストを調製し、前記ぺーストを集電体の片面も
しくは両面に塗布し、乾燥し、プレスを施すことにより
作製される。
ム複合金属酸化物を使用することができる。かかるリチ
ウム複合金属酸化物としては、例えば、リチウム含有コ
バルト酸化物(例えば、LiCoO2 )、リチウム含有
ニッケル酸化物(例えば、LiNiO2)、リチウム含
有ニッケルコバルト酸化物(例えば、LiNi1-xCo x
O2(但し、モル比xは0<x<1を示す)、リチウム
マンガン複合酸化物(例えば、LiMn2 O4 、LiM
nO2 )等を挙げることができる。
あるカーボンブラック 前記カーボンブラックは、導電性が小さい正極活物質間
の導通を高めるのが主な働きである。前記カーボンブラ
ックの平均一次粒径を10nm未満にすると、比表面積
が大きくなるため、ペーストがゲル化したり、あるいは
ゲル化を避けるために溶媒添加量を多くする必要が生じ
て充填密度の低下を招く。また、平均一次粒径が10n
mより小さいカーボンブラックは、安定した製造が難し
い。一方、平均一次粒径が100nmを超えると、正極
の導電性を向上させることが困難になる。平均一次粒径
のより好ましい範囲は10〜100nmで、さらに好ま
しい範囲は15〜60nmである。カーボンブラックの
平均一次粒径は、例えば、透過型電子顕微鏡像から測定
することができる。具体的には、カーボンブラックは黒
い球が数珠つなぎ状に配列された構造を有する。鎖状に
連なっている一つの粒子を球状と仮定して、その直径を
測定(100〜1000個ピックアップ)し、その分布
から平均一次粒径を測定することができる。
アセチレンブラック、ケッチェンブラック(電気化学工
業、ライオン社製の商品名である)等を挙げることがで
きる。中でも、アセチレンブラックは、溶媒とバインダ
ーの量を少なくしてもペーストの分散安定性を高くする
ことができるため、好ましい。
材料 前記黒鉛材料の粒径分布を最大粒径が50μm未満とな
るようなものにすると、正極の液状非水電解質の浸透性
が低下するため、二次電池のサイクル寿命を向上するこ
とが困難になる。また、前記黒鉛材料の平均粒径は、1
〜50μmの範囲内にすることが好ましい。平均粒径が
1μmより小さいと、正極の液状非水電解質の浸透性が
低下して長寿命が得られなくなる恐れがある。一方、平
均粒径が50μmより大きい黒鉛材料は、導電性に乏し
いため、サイクル寿命を十分に向上させることが困難に
なる恐れがある。平均粒径のさらに好ましい範囲は20
〜40μmで、さらに好ましくは20〜30μmであ
る。前記黒鉛材料の粒度分布は、例えば、レーザー回折
法により測定される。レーザー回折法は、一般的なもの
を使用可能であるが、測定装置内に黒鉛材料を上部から
導入し、導入された黒鉛材料にレーザー光を照射し、そ
の反射信号で粒径を測定する方法を採用することができ
る。
とが好ましい。鱗片状の黒鉛材料を含有する導電剤は、
プレス工程時に潤滑剤として機能することができるた
め、充填密度の高い正極を容易に作製することが可能に
なる。前記黒鉛材料の形状は、例えば、顕微鏡法、具体
的には光学顕微鏡あるいは電子顕微鏡を用いることによ
り観察することができる。
するX線回折による(002)面の面間隔d002が0.
3354nm以上、0.337nm未満であることが好
ましい。さらに好ましい範囲は、0.3354〜0.3
359nmである。
方向の長さLaを60nm〜300nmにし、かつ黒鉛
結晶子のc軸方向の長さLcを40nm〜300nmに
することが好ましい。
するX線回折による(101)面の回折ピークP101と
(100)面の回折ピークP100のピーク強度比(P101
/P1 00)が1.2以上であることが好ましい。
分析による発熱ピークが800℃以上であることが好ま
しい。
鉛の最大長さL、最大長さLと直交する最大幅B及び黒
鉛の厚さTとした場合に、1<L/B<100,1<L
/T<100なる関係を有するものが好ましい。
維状黒鉛質物 繊維状黒鉛質物としては、例えば、メソフェーズピッチ
系炭素繊維、ポリアクリルニトリル系炭素繊維、フェノ
ール樹脂またはポリイミドを用いた炭素質材料、気相成
長炭素体の炭素化合物等が挙げられる。中でも、メソフ
ェーズピッチ系炭素繊維が好ましい。
維長が50μm未満となるようなものにすると、正極の
液状非水電解質の浸透性が低下するため、二次電池のサ
イクル寿命を向上することが困難になる。
〜10の範囲内にすることが好ましい。但し、アスペク
ト比は、繊維状黒鉛質物の繊維径をRとし、繊維長さを
Lとした際に、L/Rにより算出される。アスペクト比
を前記範囲に規定するのは次のような理由によるもので
ある。前記アスペクト比を2未満にすると、正極の液状
非水電解質の浸透性が低下して長寿命を得られなくなる
恐れがある。また、繊維状黒鉛質物の強度が低下してプ
レス時に繊維状黒鉛質物がわれ易くなる。一方、アスペ
クト比が10を超えると、内部短絡発生率が高くなる恐
れがある。また、集電体にペーストを均一に塗布するこ
とが困難になる恐れがある。
00μmの範囲内にすることが好ましい。これは次のよ
うな理由によるものである。平均直径を1μmより小さ
くすると、繊維状黒鉛質物の強度が低下してプレス時に
繊維状黒鉛質物がわれ易くなる。一方、平均直径が10
0μmを超えると、負極上の繊維がセパレータを突き破
って正極と内部短絡を発生させる恐れがある。また、長
繊維により集電体にペーストを均一に塗布することが困
難になる可能性がある。平均直径のより好ましい範囲は
1〜100μmであり、さらに好ましくは1〜20μm
である。
径よりも長くし、かつ負極の厚さより短くすることが好
ましい。繊維状黒鉛質物の平均長さを繊維状黒鉛質物の
平均直径より短くすると、繊維状黒鉛質物の強度が低下
してプレス時にわれ易くなる。一方、繊維状黒鉛質物の
平均長さを負極の厚さより長くすると、内部短絡発生率
が高くなる恐れがある。また、集電体にペーストを均一
に塗布することが困難になる恐れがある。平均長さのよ
り好ましい範囲は10〜100μmであり、さらに好ま
しい範囲は10〜80μmで、最も好ましくは15〜6
0μmである。
〜5m2 /gの範囲内にすることが好ましい。
するX線回折による(002)面の面間隔d002が0.
3354nm以上、0.337nm未満であることが好
ましい。さらに好ましい範囲は、0.3354〜0.3
359nmである。
方向の長さLaを60nm〜300nmにし、かつ黒鉛
結晶子のc軸方向の長さLcを40nm〜300nmに
することが好ましい。
するX線回折による(101)面の回折ピークP101と
(100)面の回折ピークP100のピーク強度比(P101
/P1 00)が1.2以上であることが好ましい。
分析による発熱ピークが800℃以上であることが好ま
しい。
と前記黒鉛材料を使用する際、前記カーボンブラックの
前記導電剤全体に占める重量比率を10〜80重量%の
範囲内にすることが好ましい。重量比率を10重量%未
満にすると、正極の導電性が低下して長寿命を得られな
くなる恐れがある。一方、重量比率が80重量%を超え
ると、正極の液状非水電解質の浸透性が低下して長寿命
が得られなくなる恐れがある。重量比率のより好ましい
範囲は20〜70重量%で、さらに好ましくは30〜6
0重量%である。
と前記繊維状黒鉛質材料を使用する際、前記カーボンブ
ラックの前記導電剤全体に占める重量比率を10〜60
重量%の範囲内にすることが好ましい。重量比率を10
重量%未満にすると、正極の導電性が低下して長寿命を
得られなくなる恐れがある。一方、重量比率が60重量
%を超えると、正極の液状非水電解質の浸透性が低下し
て長寿命が得られなくなる恐れがある。重量比率のより
好ましい範囲は20〜40重量%で、さらに好ましくは
25〜35重量%である。
と前記黒鉛材料と前記繊維状黒鉛質材料を使用する際、
前記カーボンブラックの前記導電剤全体に占める重量比
率を10〜60重量%の範囲内にし、前記黒鉛材料の前
記導電剤全体に占める重量比率を5〜80重量%の範囲
内にし、かつ前記繊維状黒鉛質物の前記導電剤全体に占
める重量比率を5〜80重量%の範囲内にすることが好
ましい。カーボンブラックの重量比率を10重量%未満
にすると、正極の導電性が低下して長寿命を得られなく
なる恐れがある。一方、重量比率が60重量%を超える
と、正極の液状非水電解質の浸透性が低下して長寿命が
得られなくなる恐れがある。また、黒鉛材料の重量比率
を5重量%未満にすると、正極の液状非水電解質の浸透
性を十分に向上させることが困難になる恐れがある。ま
た、正極の導電性が低下する恐れがある。さらに、高密
度充填した際のプレスを円滑に行うことが困難になる可
能性がある。一方、黒鉛材料の重量比率が80重量%を
超えると、カーボンブラックまたは繊維状黒鉛質物の配
合比率が不足するため、導電性と液状非水電解質浸透性
のバランスが悪くなって長寿命を得られなくなる恐れが
ある。さらに、繊維状黒鉛質物の重量比率を5重量%未
満にすると、正極の液状非水電解質の浸透性を十分に向
上させることが困難になる恐れがある。一方、繊維状黒
鉛質物の重量比率が80重量%を超えると、カーボンブ
ラックまたは黒鉛材料の配合比率が不足するため、導電
性と液状非水電解質浸透性のバランスが悪くなって長寿
命を得られなくなる恐れがある。より好ましい配合量
は、前記カーボンブラックが20〜50重量%で、前記
黒鉛材料が10〜70重量%で、前記繊維状黒鉛質物が
10〜70重量%である。
重量%の範囲内にすることが好ましい。導電剤の含有量
を2重量%未満にすると、正極の導電性を十分に高くす
ることが困難になる恐れがある。一方、導電剤の含有量
が20重量%を超えると、正極活物質の割合が少なくな
って高い容量を得られなくなる恐れがある。より好まし
い範囲は3〜15重量%であり、さらに好ましい範囲は
4〜10重量%である。
下に説明する方法で測定することができる。すなわち、
二次電池を分解し、正極を取り出す。正極表面を顕微鏡
法により観察することにより、導電剤の形状及び寸法を
測定する。次いで、正極の合剤層を集電体から剥ぎ取
る。剥ぎ取る面積は1×1cm2で、等間隔で5箇所、
合剤層を剥ぎ取る。得られた粉末を純水200mlのビ
ーカに投入し、攪拌する。正極活物質は導電剤の比重に
比べて高いため、沈降する。一方、導電剤は、純水中に
浮遊する。このため、上澄みから導電剤を回収する。回
収した導電剤を走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡で
観察することにより、形状及び寸法を測定し、前述した
正極表面の観察結果と併せて導電剤の形状及び寸法を決
定する。
ビニリデン、フッ化ビニリデン−6フッ化プロピレンの
共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン
−6フッ化プロピレンの3元共重合体、フッ化ビニリデ
ン−ぺンタフルオロプロピレンの共重合体、フッ化ビニ
リデン−クロロトリフルオロエチレンの共重合体、ある
いは他のフッ素系のモノマーとフッ化ビニリデンを共重
合体させたものを挙げることができる。かかる他のフッ
素系モノマーとフッ化ビニリデンとの共重合体として
は、テトラフルオロエチレン−フッ化ビニリデンの共重
合体、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビ
ニルエーテル(PFA)−フッ化ビニリデンの3元共重
合体、テトラフルオロエチレン−へキサフルオロプロピ
レン(FEP)−フッ化ビニリデンの3元共重合体、テ
トラフルオロエチレン−エチレン−フッ化ビニリデンの
共重合体、クロロトリフルオロエチレン−フッ化ビニリ
デンの共重合体、クロロトリフルオロエチレン−エチレ
ン−フッ化ビニリデンの3元共重合体、フッ化ビニル−
フッ化ビニリデンの共重合体を挙げることができる。前
記結着剤には、前述した種類の中から選ばれる1種また
は2種以上を使用することができる。
しては、例えば、N−メチルピロリドン(NMP)、ジ
メチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミ
ド、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、アセト
ン、酢酸エチル等が使用される。
結着剤と前記導電剤の総量を100重量部とした際、2
重量%〜8重量%の範囲にすることが好ましい。
は、例えば、ボールミル、ビーズミル、ディゾルバー、
サンドグラインダー、ロ一ルミル等が採用される。
ム箔、ステンレス箔、チタン箔等を挙げることができ
る。前記集電体の厚さは、10〜40μmの範囲内にす
ることが好ましい。
しては、例えば、リチウムイオンを吸蔵・放出する炭素
質物、リチウムイオンを吸蔵・放出するカルコゲン化合
物、軽金属等を挙げることができる。中でも、リチウム
イオンを吸蔵・放出する炭素質物またはカルコゲン化合
物を含む負極は、二次電池のサイクル寿命などの電池特
性を向上できるため、好ましい。
質物としては、例えば、コークス、炭素繊維、熱分解気
相炭素物、黒鉛、樹脂焼成体、メソフェーズピッチ系炭
素繊維、メソフェーズ球状カーボンの焼成体などを挙げ
ることができる。中でも、2500℃以上で黒鉛化した
メソフェーズピッチ系炭素繊維は、負極容量を高くする
ことができるため、好ましい。
コゲン化合物としては、二硫化チタン(TiS2 )、二
硫化モリブデン(MoS2 )、セレン化ニオブ(NbS
e2)などを挙げることができる。このようなカルコゲ
ン化合物を含む負極を備えた二次電池は、電圧が低くな
るものの、負極容量が向上されるため、放電容量を向上
することができる。また、前記負極はリチウムイオンの
拡散速度が大きいため、前記二次電池の急速放電性能を
向上することができる。
ミニウム合金、マグネシウム合金、リチウム金属、リチ
ウム合金などを挙げることができる。
炭素質物、導電剤および結着剤を溶媒に分散させて得ら
れるぺーストを集電体の片面もしくは両面に塗布し、乾
燥した後、プレスすることにより作製される。
前記炭素質物80〜98重量%、前記結着剤2〜20重
量%の範囲であることが好ましい。
ル箔等を用いることができるが、電気化学的な安定性お
よび捲回時の柔軟性等を考慮すると、銅箔がもっとも好
ましい。このときの箔の厚さとしては、8μm以上20
μm以下であることが好ましい。
例えば、前記非水溶媒及び前記電解質を主体とする液状
非水電解質、前記非水溶媒、前記電解質及びポリマーを
含有するゲル状非水電解質等を用いることができる。
説明する方法で調製される。ポリマー、非水溶媒及び電
解質を混合することにより調製されたペーストを成膜し
た後、乾燥させる。得られた薄膜を正極及び負極の間に
介在させて電極群を作製する。この電極群に、電解質が
溶解された非水溶媒(液状非水電解質)を含浸させた
後、減圧下で前記薄膜を可塑化させることにより、ゲル
状非水電解質を保持した電極群を得る。
好ましい。かかるポリマーとしては、例えば、ポリフッ
化ビニリデン(PVdF)、ポリアクリロニトリル(P
AN)、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリ塩化
ビニル(PVC)、ポリアクリレート(PMMA)及び
ポリビニリデンフルオライドヘキサフルオロプロピレン
(PVdF−HFP)から選ばれる少なくとも1種類を
用いることができる。
カーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)
などの環状カーボネート、例えばジメチルカーボネート
(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ジ
エチルカーボネート(DEC)などの鎖状カーボネー
ト、1,2−ジメトキシエタン(DME)、ジエトキシ
エタン(DEE)などの鎖状エーテル、テトラヒドロフ
ラン(THF)や2−メチルテトラヒドロフラン(2−
MeTHF)などの環状エーテルやクラウンエーテル、
γ−ブチロラクトン(γ−BL)などの脂肪酸エステ
ル、アセトニトリル(AN)などの窒素化合物、スルホ
ラン(SL)やジメチルスルホキシド(DMSO)など
の硫黄化合物などを挙げることができる。前記非水溶媒
には、前述した種類の中から選ばれる1種または2種以
上を使用することができる。
れる少なくとも1種からなる非水溶媒、EC、PC及び
γ−BLから選ばれる少なくとも1種とDMC、ME
C、DEC、DME、DEE、THF、2−MeTHF
及びANから選ばれる少なくとも1種とからなる混合溶
媒を用いることが望ましい。また、負極に前記リチウム
イオンを吸蔵・放出する炭素質物を含むものを用いる場
合に、前記負極を備えた二次電池のサイクル寿命を向上
させる観点から、ECとPCとγ−BL、ECとPCと
MEC、ECとPCとDEC、ECとPCとDEE、E
CとAN、ECとMEC、PCとDMC、PCとDE
C、またはECとDECからなる混合溶媒を用いること
が望ましい。
チウム(LiClO4 )、六フッ化リン酸リチウム(L
iPF6 )、ホウフッ化リチウム(LiBF4 )、六フ
ッ化砒素リチウム(LiAsF6 )、トリフルオロメタ
スルホン酸リチウム(LiCF3 SO3 )、四塩化アル
ミニウムリチウム(LiAlCl4 )、ビストリフルオ
ロメチルスルホニルイミドリチウム[LiN(CF3 S
O2 )2 ]などのリチウム塩を挙げることができる。中
でもLiPF6 、LiBF4 、LiN(CF3SO2 )
2 を用いると、導電性や安全性が向上されるために好ま
しい。
は、0.5モル/L〜2モル/Lの範囲にすることが好
ましい。
電解質を使用する際、前記正極と前記負極の間にセパレ
ータを配置することができる。
することができる。前記多孔質シートとしては、例え
ば、多孔質フィルム、もしくは不織布を用いることがで
きる。前記多孔質シートは、例えば、ポリオレフィン及
びセルロースから選ばれる少なくとも1種類の材料から
なることが好ましい。前記ポリオレフィンとしては、例
えば、ポリエチレン、ポリプロピレンを挙げることがで
きる。中でも、ポリエチレンか、あるいはポリプロピレ
ン、または両者からなる多孔質フィルムは、二次電池の
安全性を向上できるため、好ましい。
対してバリア機能を有する材料から形成することができ
る。かかる材料としては、例えば、金属層の片面もしく
は両面に樹脂層が積層されたシート、金属板、金属フィ
ルム等を挙げることができる。
層で被覆されたシートを用いることが望ましい。前記金
属層は、水分を遮断する役割をなす。前記金属層は、例
えば、アルミニウム、ステンレス、鉄、銅、ニッケル等
を挙げることができる。中でも、軽量で、水分を遮断す
る機能が高いアルミニウムが好ましい。前記金属層は、
1種類の金属から形成しても良いが、2種類以上の金属
層を一体化させたものから形成しても良い。前記シート
に含まれる樹脂層は、例えば、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン等から形成することができる。前記2つの樹脂層
のうち、外部と接する樹脂層は前記金属層の損傷を防止
するための保護層として機能する。この外部保護層は、
1種類の樹脂層、もしくは2種類以上の樹脂層から形成
される。一方、内部樹脂層は、前記金属層が非水電解液
により腐食されるのを防止するための保護層となる。こ
の内部保護層は、1種類の樹脂層、もしくは2種類以上
の樹脂層から形成される。また、かかる内部保護層の表
面に熱可塑性樹脂を配することができる。
ば、鉄、ステンレス、アルミニウムから形成することが
できる。
物質、導電剤及びバインダーを含有する正極において、
前記導電剤は、最大繊維長が50μm以上の繊維状黒鉛
質物及び最大粒径が50μm以上である黒鉛材料のうち
の少なくとも一方と、平均一次粒径が10〜100nm
であるカーボンブラックとを含有することを特徴とする
ものである。
した際にも孔の大きさを維持することができ、液状非水
電解質の浸透速度を向上することができる。従って、前
記正極を備えた非水電解質二次電池は、正極の利用率を
向上することができるため、充放電サイクル寿命を向上
することができる。
10の範囲内にすることによって、内部短絡を抑制し、
かつペーストの塗布性と繊維状黒鉛質物の強度を確保し
つつ、正極の液状非水電解質の浸透性をより高くするこ
とができるため、サイクル寿命をさらに向上することが
できる。
よって、このような黒鉛材料はプレス時に潤滑剤として
機能するため、活物質充填密度が高い正極を容易に作製
することが可能になる。
範囲内にすることによって、正極の電解液浸透性をより
向上することができると共に、正極の導電性を高くする
ことができるため、サイクル寿命をさらに向上すること
ができる。
ーボンブラックと前記繊維状黒鉛質物とから構成するこ
とによって、高導電性を維持しつつ、正極の液状非水電
解質浸透性を改善することができるため、サイクル寿命
をさらに向上することができる。
ーボンブラックと前記黒鉛材料とから構成することによ
って、高導電性を維持しつつ、正極の液状非水電解質浸
透性を改善することができるため、サイクル寿命をさら
に向上することができる。
ーボンブラックと5〜80重量%の前記繊維状黒鉛質物
と5〜80重量%の前記黒鉛材料とから構成することに
よって、高導電性を維持しつつ、正極の液状非水電解質
浸透性を改善することができるため、サイクル寿命をさ
らに向上することができる。
に説明する。
一次粒径35nmのアセチレンブラック(電気化学工業
社製、商品名がデンカブラック粉状)2重量部および繊
維状黒鉛質物である最大繊維長が70μm、平均繊維長
が20μm、平均繊維直径が10μm、アスペクト比が
2で、CuKαをX線源とするX線回折による(00
2)面の面間隔d002が0.3362nm、Laが70
nm、Lcが50nmのメソフェーズピッチ系炭素繊維
(ペトカ社製、商品名がミルブロンミルド)3重量部と
をミキサで混合して得た混合物と、結着剤であるポリフ
ッ化ビニリデン5重量部とをN−メチルピロリドンに分
散させて正極ぺーストを調製した。得られたペーストを
集電体としてのアルミニウム箔の両面に塗布し、乾燥
後、圧延して正極を作製した。
としたメソフェーズピッチ炭素繊維を黒鉛化することに
よりメソフェーズピッチ系炭素繊維を製造した。つづい
て、メソフェーズピッチ系炭素繊維90重量部と天然黒
鉛10重量部からなる炭素材料粉末100重量部と、ポ
リフッ化ビニリデン5重量部とをN−メチルピロリドン
に分散させてペーストを調製した後、集電体である銅箔
の両面に塗布し、乾燥後、ロールプレスを行い、負極を
作製した。
製多孔質フィルムからなるセパレータおよび前記負極を
それぞれこの順序で積層した後、前記負極が外側に位置
するように渦巻き状に捲回して電極群を作製した。
チルカーボネート(MEC)の混合溶媒(混合体積比
1:2)に、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 )を
1mol/L溶解させて液状非水電解質(非水電解液)
を調製した。ステンレス製の有底円筒状容器内に前記電
極群を収納した後、前記液状非水電解質を注入し、図1
に示す構造を有し、設計定格容量1800mAhの円筒
形リチウムイオン二次電池(直径18mm、高さ650
mmのセル)を組み立てた。
円筒状の容器1は、底部に絶縁体2が配置されている。
電極群3は、前記容器1内に収納されている。前記電極
群3は、正極4、セパレ―タ5及び負極6をこの順序で
積層した帯状物を渦巻き状に巻回した構造になってい
る。
電解液)が収容されている。中央部に孔が開口されたP
TC素子7、前記PTC素子7上に配置された安全弁8
及び前記安全弁8に配置された帽子形状の正極端子9
は、前記容器1の上部開口部に絶縁ガスケット10を介
してかしめ固定されている。なお、前記正極端子9に
は、ガス抜き孔(図示しない)となる安全機構が組み込
まれている。正極リ―ド11の一端は、前記正極4に、
他端は前記PTC素子7にそれぞれ接続されている。前
記負極6は、図示しない負極リ―ドを介して負極端子で
ある前記容器1に接続されている。
次粒径を50nmにすること以外は、前述した実施例1
と同様にしてリチウムイオン二次電池を組み立てた。
大繊維長が70μm、平均繊維長が20μm、平均繊維
直径が10μm、アスペクト比が2で、CuKαをX線
源とするX線回折による(002)面の面間隔d002が
0.3368nm、Laが60nm、Lcが40nmの
ポリアクリロニトリル(PAN)炭素繊維を用いること
以外は、前述した実施例1と同様にしてリチウムイオン
二次電池を組み立てた。
素繊維のアスペクト比を下記表1に示すように変更する
こと以外は、前述した実施例1と同様にしてリチウムイ
オン二次電池を組み立てた。
維の最大繊維長を80μm、平均繊維長を20μm、平
均繊維直径を10μm、アスペクト比を8にすること以
外は、前述した実施例1と同様にしてリチウムイオン二
次電池を組み立てた。
合量を1重量部にし、前記メソフェーズピッチ系炭素繊
維の配合量を4重量部にすること以外は、前述した実施
例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を組み立て
た。
合量を2.5重量部にし、前記メソフェーズピッチ系炭
素繊維の配合量を2.5重量部にすること以外は、前述
した実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を組
み立てた。
配合量を4重量部にし、前記メソフェーズピッチ系炭素
繊維の配合量を6重量部にすること以外は、前述した実
施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を組み立て
た。
セチレンブラックの代わりに、平均一次粒径が30nm
のケッチェンブラック(ライオン社製の商品名;EC6
00JD)を使用すること以外は、前述した実施例1と
同様にしてリチウムイオン二次電池を組み立てた。
最大粒径約120μm、平均粒径約25μm、CuKα
をX線源とするX線回折による(002)面の面間隔d
002が0.3355nm、Laが200nm、Lcが2
00nmのりん片状黒鉛(ロンザ社製、商品名がSFG
44)を用いること以外は、前述した実施例1と同様に
してリチウムイオン二次電池を組み立てた。
平均粒径を下記表2に示すように変更すること以外は、
前述した実施例12と同様にしてリチウムイオン二次電
池を組み立てた。
80μm、平均粒径を40μmにすること以外は、前述
した実施例12と同様にしてリチウムイオン二次電池を
組み立てた。
配合量を1重量部にし、前記鱗片状黒鉛の配合量を4重
量部に変更すること以外は、前述した実施例12と同様
にしてリチウムイオン二次電池を組み立てた。
配合量を2.5重量部にし、前記鱗片状黒鉛の配合量を
2.5重量部に変更すること以外は、前述した実施例1
2と同様にしてリチウムイオン二次電池を組み立てた。
配合量を3.5重量部にし、前記鱗片状黒鉛の配合量を
1.5重量部に変更すること以外は、前述した実施例1
2と同様にしてリチウムイオン二次電池を組み立てた。
配合量を3.2重量部にし、前記鱗片状黒鉛の配合量を
4.8重量部に変更すること以外は、前述した実施例1
2と同様にしてリチウムイオン二次電池を組み立てた。
セチレンブラックの代わりに、平均一次粒径が30nm
のケッチェンブラック(ライオン社製の商品名;EC6
00JD)を使用すること以外は、前述した実施例12
と同様にしてリチウムイオン二次電池を組み立てた。
した実施例1で説明したのと同様なアセチレンブラック
と、前述した実施例1で説明したのと同様なメソフェー
ズピッチ系炭素繊維と、前述した実施例12で説明した
のと同様なりん片状黒鉛とを下記表3に示す配合比で用
いること以外は、前述した実施例1と同様にしてリチウ
ムイオン二次電池を組み立てた。
次粒径を150μmにすること以外は、前述した実施例
1と同様にしてリチウムイオン二次電池を組み立てた。
ック5重量部のみを用いること以外は、前述した実施例
1と同様にしてリチウムイオン二次電池を組み立てた。
ッチ系炭素繊維5重量部のみを用いること以外は、前述
した実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を組
み立てた。
素繊維の最大繊維長を40μm、平均繊維長を5μm、
平均繊維直径を10μm、アスペクト比を0.5にする
こと以外は、前述した実施例1と同様にしてリチウムイ
オン二次電池を組み立てた。
40μmにし、かつ平均粒径を20μmにすること以外
は、前述した実施例12と同様にしてリチウムイオン二
次電池を組み立てた。
5の二次電池について、サイクル寿命試験を行った。充
電は、20℃において充電電流1800mAで4.2V
まで行った後、4.2Vの定電圧で保持し、計3時間行
った。放電は、1800mAの定電流で行い、放電終止
電圧は3.0Vとした。充電、放電の後の休止時間はそ
れぞれ10分とした。このような充放電を繰り返し行
い、各サイクル毎に放電容量を測定した。そして、1サ
イクル目の放電容量を100%とした際の500サイク
ル目の放電容量を、500サイクル時の容量維持率とし
て下記表1〜3に併記する。
25の二次電池は、比較例1〜5の二次電池に比べて、
500サイクル時の容量維持率が高いことがわかる。
非水電解質二次電池に適用した例を説明したが、有底矩
形筒状の容器内に電極群及び非水電解質が収納された構
造の角形非水電解質二次電池にも同様に適用することが
できる。さらに、外装材として金属缶の代わりにラミネ
ートフィルムを使用する非水電解質二次電池、ゲル状非
水電解質を用いる二次電池にも同様に適用することがで
きる。
性が改善され、非水電解質二次電池のサイクル寿命を向
上することが可能な正極を提供することができる。ま
た、本発明によれば、サイクル寿命が向上された非水電
解質二次電池を提供することができる。
円筒形非水電解質二次電池を示す部分切欠斜視図。
Claims (10)
- 【請求項1】 正極活物質、導電剤及びバインダーを含
有する正極において、 前記導電剤は、最大繊維長が50μm以上の繊維状黒鉛
質物及び最大粒径が50μm以上の黒鉛材料のうちの少
なくとも一方と、平均一次粒径が10〜100nmであ
るカーボンブラックとを含有することを特徴とする正
極。 - 【請求項2】 正極活物質、導電剤及びバインダーを含
有する正極と、負極と、非水電解質とを備えた非水電解
質二次電池において、 前記導電剤は、最大繊維長が50μm以上の繊維状黒鉛
質物及び最大粒径が50μm以上の黒鉛材料のうちの少
なくとも一方と、平均一次粒径が10〜100nmであ
るカーボンブラックとを含有することを特徴とする非水
電解質二次電池。 - 【請求項3】 前記繊維状黒鉛質物のアスペクト比は、
2〜10の範囲内であることを特徴とする請求項2記載
の非水電解質二次電池。 - 【請求項4】 前記黒鉛材料は、鱗片形状をなすことを
特徴とする請求項2記載の非水電解質二次電池。 - 【請求項5】 前記黒鉛材料の平均粒径は、1〜50μ
mの範囲内であることを特徴とする請求項2または4記
載の非水電解質二次電池。 - 【請求項6】 前記繊維状黒鉛質物及び前記黒鉛材料
は、それぞれ、CuKαをX線源とするX線回折による
(002)面の面間隔d002が0.3354nm以上、
0.337nm未満であることを特徴とする請求項2記
載の非水電解質二次電池。 - 【請求項7】 前記繊維状黒鉛質物及び前記黒鉛材料
は、それぞれ、黒鉛結晶子のa軸方向の長さLaが60
〜300nmで、黒鉛結晶子のc軸方向の長さLcが4
0〜300nmであることを特徴とする請求項2または
6記載の非水電解質二次電池。 - 【請求項8】 前記導電剤は、10〜60重量%の前記
カーボンブラックと、前記繊維状黒鉛質物とから構成さ
れることを特徴とする請求項2記載の非水電解質二次電
池。 - 【請求項9】 前記導電剤は、10〜80重量%の前記
カーボンブラックと、前記黒鉛材料とから構成されるこ
とを特徴とする請求項2記載の非水電解質二次電池。 - 【請求項10】 前記導電剤は、10〜60重量%の前
記カーボンブラックと、5〜80重量%の前記繊維状黒
鉛質物と、5〜80重量%の前記黒鉛材料とから構成さ
れることを特徴とする請求項2記載の非水電解質二次電
池。
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