JP2002081779A - 空気調和機 - Google Patents
空気調和機Info
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Abstract
ルを用いた空気調和機において、サイクル再熱除湿を可
能とする。すなわち、冷房サイクルを利用したサイクル
再熱除湿では、液インジェクションとなる問題があり、
暖房サイクルを利用したサイクル再熱除湿では、室内熱
交換器をパスする冷媒が存在するという問題がある。 【解決手段】少なくとも、冷凍サイクルを、インジェク
ション可能圧縮機1、室外熱交換器3、気液分離器5と
この上流・下流側の二つの絞り装置4、6、及び除運転
用の絞り装置8を介して二つに分割した室内熱交換器
7、9とから構成し、インジェクション弁10を介して
気液分離器5から圧縮機1へのガスインジェクションが
可能な構成にする。そして、サイクル再熱除湿運転時に
は、インジェクション弁10を閉じて運転する。
Description
り室内機の吹出空気を加熱するサイクル加熱除湿運転が
可能な空気調和機に関する。
で省電力な除湿運転に対するニーズが大きい。このニー
ズに応じるため、特開平7−139848号公報(文献
1)に記載されている空気調和装置に、サイクル再熱除
湿機能を備えたものが知られている。このサイクル再熱
除湿は冷房サイクルによって再熱除湿を行うもので、圧
縮機、室外熱交換器、電動膨張弁、室内熱交換器を順次
配管によって接続し、室内熱交換器を除湿運転時に絞り
作用を行う除湿絞り装置(除湿弁ともいう)を介して二
分割した冷凍サイクルとする。除湿運転時に、電動膨張
弁を開き、除湿弁を閉じて絞り作用をさせるようにす
る。この状態で、冷媒を冷房サイクルと同じ方向に、圧
縮機、室外熱交換器、絞り作用をしない電動膨張弁、再
熱器となる室内熱交換器、除湿弁、冷却器となる室内熱
交換器を経て圧縮機に戻る経路で流すことで、湿った室
内の吸込空気を冷却・除湿すると同時に加熱して低湿度
で室温と同等温度のカラッとした空気にして吹き出すよ
うにしたものである。
によるサイクル再熱除湿では再熱能力が不足気味となる
ため、暖房サイクルと同様の冷媒流れ方向によるサイク
ル再熱除湿が特開昭54−47353号公報(文献2)
に記載されている。圧縮機、室内熱交換器、電動膨張
弁、室外熱交換器を順次配管によって接続し、室内熱交
換器を除湿運転時に絞り作用を行う除湿絞り装置(除湿
弁ともいう)を介して二分割した冷凍サイクルとする。
除湿運転時に、電動膨張弁を開き、除湿弁を閉じて絞り
作用をさせるようにする。この状態で、冷媒を暖房サイ
クルと同じ方向に、圧縮機、再熱器となる室内熱交換
器、除湿弁、冷却器となる室内熱交換器、絞り作用をし
ない電動膨張弁、室外熱交換器を経て圧縮機に戻る経路
で流すことで、再熱能力を大きくして除湿を行うように
したものである。
般的なヒートポンプサイクルにおいて、性能向上を図る
ために、特開平10−325622号公報(文献3)に
記載されているような、ガスインジェクションサイクル
が知られている。ガスインジェクションサイクルは、冷
凍サイクルにおいて、凝縮器と蒸発器との間の配管経路
上に、絞り装置を二個用いその間に気液分離器を設け、
凝縮後の液冷媒を上流側の絞り装置で多少絞って中間圧
力とした後、一部の冷媒をガス化して気液分離器に導き
気液を分離し、この後、ガス冷媒は中間圧力で圧縮機の
シリンダ内に噴射し、液冷媒は更に下流側の絞り装置で
絞ってから蒸発器に流すようにしたものである。
「高暖房能力・高効率ヒートポンプ式ルームエアコンデ
ィショナ」(文献4)に示されているように、冷房運転
時および暖房運転時共にCOP(成績係数(能力/消費
電力))の向上が可能である。
通して使える本格空調機として認知されつつあり、この
ためには快適除湿、高暖房能力および年間を通しての省
エネを実現する必要がある。このうち特に省エネに関し
ては、地球温暖化防止やエアコンの一家複数台設置に伴
い、今後ともますます重要になる方向にある。このた
め、空気調和機として、前述の文献1若しくは文献2に
記載されたサイクル除湿を備えていること、及び文献3
若しくは文献4に記述されたガスインジェクション回路
を備えた冷凍サイクルとする必要がある。
中にサイクル再熱除湿及びガスインジェクション回路を
備えようとした場合、次に説明する問題があることが分
かった。
破壊係数がゼロであるHFC(ハイドロフルオロカーボ
ン)冷媒を使うようになってきているが、このHFC冷
媒は塩素原子を含んでいないことから潤滑性が悪くなっ
ており、圧縮機の信頼性に十分配慮する必要がある。こ
こでサイクル再熱除湿及びガスインジェクション回路を
備えた冷凍サイクルを想定する。すなわち、冷凍サイク
ルを、圧縮機、四方弁、室外熱交換器、第1の電動膨張
弁、気液分離器、第2の電動膨張弁、第1の室内熱交換
器、除湿弁、第2の室内熱交換器を順次配管によって接
続し、気液分離器と圧縮機の圧縮過程となっている作動
室とを配管によって接続したものとする。
イクルによるサイクル再熱除湿を行わせると、圧縮機内
に液冷媒が噴射される液インジェクションになってしま
う場合があることが分かった。この場合、液冷媒は潤滑
油を溶解させる作用があることから、液インジェクショ
ンが激しくなると圧縮機摺動部の潤滑油を溶解して洗い
流し、場合によっては摺動部の摩耗を引き起こし、圧縮
機の信頼性を劣化させることになる。
1の電動膨張弁及び第2の電動膨張弁を絞ると、今度は
再熱器として作用している第1の室内熱交換器が十分暖
まらず室温を低下させずに除湿することができなくなる
という問題がある。
湿を行わせると、室内熱交換器をショートサーキットし
てしまい能率が低下するといった問題がある。
イクルの立上り時(起動時)、除霜運転時、及び冷媒回
収運転時についてのインジェクション弁について何ら配
慮されていない。
路を備えつつ、サイクル再熱除湿が行える冷凍サイクル
を備える空気調和機を提供することにある。
ン回路を備えつつ、冷凍サイクルの立上り時の運転、除
霜運転、及び冷媒回収運転を可能とした空気調和機を提
供することにある。
外熱交換器、第1の絞り装置、気液分離器、第2の絞り
装置、室内熱交換器を順次配管により接続し、この気液
分離器と圧縮機とをインジェクション弁を介して配管接
続した空気調和機において、前記室内熱交換器を除湿絞
り装置を介して二分割し、この除湿絞り装置を絞るモー
ドで運転するとき、前記インジェクション弁を閉じるか
あるいは適正に絞る機能を備えることにより達成され
る。
の絞り装置、気液分離器、第2の絞り装置、室内熱交換
器を順次配管により接続し、この気液分離器と圧縮機と
をインジェクション弁を介して配管接続した空気調和機
において、前記室内熱交換器を除湿絞り装置を介して二
分割し、この除湿絞り装置を絞り、冷媒の流れ方向を冷
房時と同じモードで運転するとき、前記インジェクショ
ン弁を閉じるかあるいは適正に絞る機能を備えることに
より達成される。
の絞り装置、気液分離器、第2の絞り装置、室内熱交換
器を順次配管により接続し、この気液分離器と圧縮機と
をインジェクション弁を介して配管接続した空気調和機
において、前記室内熱交換器を除湿絞り装置を介して二
分割し、この除湿絞り装置を絞り、冷媒の流れ方向を暖
房時と同じモードで運転するとき、前記インジェクショ
ン弁を閉じるかあるいは絞る機能を備えることにより達
成される。
第1の絞り装置、気液分離器、第2の絞り装置、室内熱
交換器を順次配管により接続し、この気液分離器と圧縮
機とをインジェクション弁を介して配管接続した空気調
和機において、冷房及び暖房の立上り運転時には、前記
インジェクション弁を閉じるかあるいは絞る機能を備え
ることにより達成される。
第1の絞り装置、気液分離器、第2の絞り装置、室内熱
交換器を順次配管により接続し、この気液分離器と圧縮
機とをインジェクション弁を介して配管接続した空気調
和機において、除霜運転時に、前記インジェクション弁
を閉じるかあるいは絞る機能を備えることにより達成さ
れる。
第1の絞り装置、気液分離器、第2の絞り装置、室内熱
交換器を順次配管により接続し、この気液分離器と圧縮
機とをインジェクション弁を介して配管接続し、前記第
2の絞り装置と前記室内熱交換器との間及び前記室内熱
交換器と前記圧縮機との間にそれぞれサービスバルブを
設けた空気調和機において、冷媒回収運転時に、上流側
のサービスバルブを閉じ下流側のサービスバルブを開く
と共に、前記インジェクション弁を閉じて前記圧縮機を
運転する機能を備えることにより達成される。
あり、冷房運転、暖房運転及びサイクル再熱(加熱)除
湿運転が行え、さらにガスインジェクションが行えるよ
うにした冷凍サイクルの構成を示す図である。
蔵された電動機の回転数制御のような能力制御が可能
で、圧縮過程となる作動室にインジェクションポートを
備えた圧縮機、2は冷房運転、暖房運転、除湿運転に応
じて冷媒の流れ方向を切換える四方弁に代表される運転
切換弁、3は冷房運転及び冷房サイクルを利用したサイ
クル再熱除湿運転時に凝縮器となる室外熱交換器、4及
び6は主に冷房運転及び暖房運転の時に絞り作用を行う
と同時に流通抵抗の少ない全開状態が可能な可変絞りで
ありそれぞれ第一絞り装置及び第二絞り装置、5は気液
分離器、7及び9は除湿運転時に絞り作用を行う除湿絞
り装置8(除湿弁)を介して二分割されたそれぞれ第一
室内熱交換器及び第二室内熱交換器であり、これらが配
管によって環状に接続されている。また、気液分離器8
の上部とインジェクション圧縮機1はインジェクション
配管11によって接続され、さらにインジェクション配
管11には、流れを遮断することのできるインジェクシ
ョン弁10が設けられている。また、12は室外送風フ
ァン、13は室内送風ファンである。
る種々の運転と各運転における各弁の動作状態を示す。
以下、図1と表1を用いて、種々の運転状態を説明す
る。
絞り装置6を適正に絞り、除湿絞り装置8及びインジェ
クション弁10を開き、冷媒を実線矢印のように流す。
これにより、室外熱交換器3を出た凝縮冷媒は第一絞り
装置4で減圧されたあと気液分離器5に入るため、気液
分離器5内の冷媒は、凝縮圧力と蒸発圧力の間の中間圧
力になると同時に気液混合冷媒となる。この気液混合冷
媒は、気液分離器5内で上側がガス、下側が液に分離さ
れる。
端に接続されたインジェクション配管11を通って圧縮
機1にガスインジェクションされ、液冷媒はさらに第二
絞り装置6で絞られたあと蒸発器となる第一室内熱交換
器7から第二室内熱交換器9に入る。このガスインジェ
クションサイクルにより、冷房性能すなわち冷房時のC
OP(能力/消費電力)が向上する。
第二絞り装置6を適当に絞り、除湿絞り装置8及びイン
ジェクション弁10を開き、運転切換弁2を切換えて、
冷媒を波線矢印のように流す。これにより、第二室内熱
交換器9から第一室内熱交換器7を出た凝縮冷媒は第二
絞り装置6で減圧されたあと気液分離器5に入るため、
気液分離器5内の冷媒は、凝縮圧力と蒸発圧力の間の中
間圧力になると同時に気液混合冷媒となる。この気液混
合冷媒は、気液分離器5内で上側がガス、下側が液に分
離される。
配管11を通って圧縮機1にガスインジェクションさ
れ、液冷媒は第一絞り装置4でさらに絞られたあと蒸発
器となる室外熱交換器3に入る。このガスインジェクシ
ョンサイクルにより、暖房性能すなわち暖房時のCOP
(能力/消費電力)が向上する。
房運転あるいは暖房運転でのCOPが向上するのは、気
液分離器5内の圧力が圧縮機1内の圧力より十分高く
(圧縮機1における冷媒の吸込圧力より十分高く)、気
液分離器5から圧縮機1へガスインジェクションが実際
に行われる場合である。また、圧縮機1内の圧力は、ス
クロール、ロータリ若しくはレシプロ等の圧縮機構部を
駆動する電動機の回転角度に応じて変化する。
大きく、これに見合って圧縮機1が中能力から高能力で
運転(回転数制御圧縮機では中速回転から高速回転で運
転)している場合には、圧縮機1の(冷媒の)吸込圧力
が十分低く吐出圧力が十分高くなり、この結果、気液分
離器5内の(冷媒の)圧力を圧縮機1の吸込圧力に比べ
て十分高くでき、圧縮機1へ十分な量のガスインジェク
ションを行うことができ、COPを向上することができ
る。
運転(回転数制御圧縮機では低速回転で運転)している
場合には、圧縮機1の吸込圧力が上がり吐出圧力が下が
るため、気液分離器5内の圧力を圧縮機1内の圧力に比
べて十分高くならず、圧縮機1のある前半の回転角度範
囲では気液分離器5内の圧力が圧縮室1内の圧力より高
く気液分離器5から圧縮機1へのガスインジェクション
が行われるが、ある後半の回転角度範囲では、圧縮機1
内の圧力が気液分離器5内の圧力より高くなり圧縮機1
から気液分離器5へガス冷媒が逆流することになる。そ
して、場合によっては逆流の量のほうが多くなり、この
場合にはCOPが低下してしまう。
おいては、圧縮機1が中能力から高能力で運転(回転数
制御圧縮機では中速回転から高速回転で運転)している
場合には、インジェクション弁10を開いて、圧縮機1
へのガスインジェクションを行うように運転する。
御圧縮機では低速回転で運転)している場合には、イン
ジェクション弁10を閉じて、気液分離器5への逆流が
生じないように運転する。このうちインジェクション弁
10を閉じて低能力の冷房運転を行う場合には、気液分
離器5内に液冷媒が多量に溜まらないように、下流側の
絞り装置を開き、上流側の絞り装置を適正に絞って冷凍
サイクルを制御する。また低能力の暖房運転を行う場合
には、一方の絞り装置を適正に絞り、他方の絞り装置を
開にする。この場合、冷房運転に比べて暖房運転での必
要冷媒量が少ない場合には、気液分離器5内に液冷媒を
溜めるために上流側の絞り装置を開き、下流側の絞り装
置を適正に絞って運転する。次に除湿運転を説明する。
除湿運転では冷房サイクルでのサイクル加熱除湿運転
(以下冷房サイクル加熱除湿運転と呼ぶ)と暖房サイク
ルでのサイクル加熱除湿運転(以下暖房サイクル加熱除
湿運転と呼ぶ)がある。
装置4及び第二絞り装置6を流通抵抗が問題にならない
全開状態にし、除湿絞り装置8を絞り、冷媒を冷房運転
と同じ方向の一点鎖線のように流す。
は、第一絞り装置4及び第二絞り装置6でほとんど減圧
されずに流れ、室外熱交換器3及び第一室内熱交換器7
で凝縮され、さらに除湿絞り装置8で減圧されたあと第
二室内熱交換器9で蒸発する。この結果、室内送風ファン
13により、吸込まれた室内空気は第一室内熱交換器7
で加熱されると同時に第二室内熱交換器9により冷却・
除湿され、吸込空気が低湿度で室温と同等温度のカラッ
とした空気になって吹き出される快適な除湿運転を行
う。
が高く(圧縮機吐出部でのガス冷媒の圧力に近い)液冷
媒の多い状態となっており、インジェクション弁10を
開にしておくと、この液冷媒がインジェクション配管1
1を通って圧縮機1に液インジェクションされ、液イン
ジェクション量が多いと圧縮機の信頼性を損なうことに
なる。
は、インジェクション弁10を閉じて圧縮機へのインジ
ェクションを遮断することにより、液インジェクション
を防止して圧縮機の信頼性を確保することができる。
を高めたい時には、前述の冷房サイクル加熱除湿運転に
おいて、更に第一絞り装置4あるいは第二絞り装置6を
適当に絞った冷却能力強化の冷房サイクル加熱除湿運転
とすることにより、より冷房気味の除湿運転が可能とな
る。この場合、第一絞り装置4あるいは第二絞り装置6
の絞り量を少なくすると、第一室内熱交換器7が凝縮器
になるが、その加熱能力が小さくなるため、吹出空気温
度が下がり、より冷房気味の除湿運転となる。また第一
絞り装置4あるいは第二絞り装置6の絞り量を多くする
と、第一室内熱交換器7の加熱能力がほとんど無くなる
か、さらには(第二室内熱交換器9より蒸発温度の高
い)蒸発器となり、より一層冷房気味の除湿運転とな
る。
除湿運転においても、気液分離器5内は圧力が高く液冷
媒の多い状態となっている場合が多く、インジェクショ
ン弁10を開にしておくと、液インジェクションが生
じ、この量が多い場合には圧縮機の信頼性を損なうこと
になる。従って、冷却能力を強化した冷房サイクル加熱
除湿運転時にも、インジェクション弁10を閉じて圧縮
機へのインジェクションを遮断し、液インジェクション
を防止して圧縮機の信頼性を確保するようにする。
明する。この運転では、第一絞り装置4及び第二絞り装
置6を流通抵抗が問題にならない全開状態にし、除湿絞
り装置8を絞り、冷媒を暖房運転と同じ方向の二点鎖線
のように流す。
は、凝縮器となる第二室内熱交換器9で凝縮したあと除
湿絞り装置8によって減圧され、さらに第二絞り装置6
及び第一絞り装置4でほとんど減圧されないことから、
第一室内熱交換器7及び室外熱交換器3が蒸発器となり
ここで蒸発する。この結果、室内送風ファン13により
吸込まれた室内空気は第二室内熱交換器9で加熱される
と同時に第一室内熱交換器7で冷却・除湿され、吸込空
気が低湿度で室温と同等温度のカラッとした空気になっ
て吹き出される快適な除湿運転を行う。
器となって外気から吸熱し、この熱も凝縮器となる第二
室内熱交換器9から放熱されるため、第二室内熱交換器
9での放熱能力は第一室内熱交換器7での冷却能力に比
べてはるかに多くなる。この結果、前述の冷房サイクル
加熱除湿運転に比べて加熱能力を大幅に増大で、外気温
が低い時でも暖房気味の除湿運転を行うことができる。
房サイクル加熱除湿運転において、更に第一絞り装置4
あるいは第2絞り装置6を適当に絞った加熱能力強化の
暖房サイクル加熱除湿運転とすることにより、室外熱交
換器3の温度を外気より低くして外気から吸熱し、暖房
気味の除湿運転を行うことができる。
気液分離器5内の圧力は圧縮機1の吸込圧力に近い低い
圧力となり、インジェクション配管11を通って圧縮機
1から気液分離器5への冷媒の逆流が発生し、性能低下
を引き起こす。また加熱能力強化の暖房サイクル加熱除
湿運転では、気液分離器5内の圧力は、暖房サイクル加
熱除湿運転に比べて、第二絞り装置6による絞り分と室
外熱交換器3での圧力損失を加えた程度だけ圧縮機1の
吸込圧力より高くなるが、それでも圧縮機1内の圧力に
比べて十分高くならず、インジェクション配管11を通
って圧縮機1から気液分離器5への冷媒の逆流が発生
し、性能低下を引き起こす。
熱能力を強化した暖房サイクル加熱除湿運転の場合と
も、圧縮機1から気液分離器5への冷媒の逆流による性
能低下を防ぐために、インジェクション弁10を閉じて
運転する。
サイクルの状態を述べてものであるが、運転状態として
は、冷房、暖房、除湿の各場合での運転開始時や圧縮機
能力急変時等の時の立上り運転や、低外気温時での暖房
運転で室外熱交換器3に霜が着いた時に行う霜を溶かす
除霜運転がある。以下これらの過渡的な運転での各弁の
制御方法と冷凍サイクルの状態を説明する。
に、冷凍サイクルの応答性を速くするために第一及び第
二絞り装置4、6を比較的開いた状態に制御する。この
場合には、第一及び第二の絞り装置4、6により冷凍サ
イクルの状態を十分精度良く制御できず、気液分離器5
内の液冷媒量が増え、液インジェクションが起こる場合
がある。そこで冷房及び暖房の立上り運転時にはインジ
ェクション弁10を閉じて運転し、液インジェクション
を防いで圧縮機の信頼性を確保するようにする。またこ
の場合のインジェクション弁10を閉じておく時間はタ
イマーで設定したり、あるいは圧縮機1からの吐出冷媒
温度や圧縮機表面温度や圧縮機吐出パイプ温度の何れか
あるいは複数を検出して、これらの温度がある設定値に
なるかあるいはこれらの温度の変化速度がある一定値以
下になる迄の時間として設定する。また更にはこの立上
り運転時には気液分離器5内の液冷媒量を安定運転時の
ガスインジェクション状態と同様に少なくし更に絞り制
御を容易にするために、下流側の絞り装置を全開にし、
上流側の絞り装置により絞り状態を制御するようにす
る。
定運転の所で述べたように、第一及び第二の絞り装置で
十分な冷凍サイクル状態の制御を行わないため、インジ
ェクション弁10を閉じて液インジェクションを防ぎ、
圧縮機1の信頼性を確保する。
イクル構成においては、暖房運転から除霜運転に切換る
時に、運転切換弁2を暖房サイクルから冷房サイクルに
なるように切換え、室外熱交換器3が凝縮器になるよう
にして室外熱交換器に付いた霜を溶かす逆サイクル除霜
を行う。この逆サイクル除霜では、室外熱交換器3に付
いた霜をできるだけ速く溶かすために、第一および第二
の絞り装置4、6を開くかあるいは多少絞り、除湿絞り
装置8を開いた状態にし、更に圧縮機1をできるだけ高
能力運転状態にする(回転数制御圧縮機では圧縮機回転
数をできるだけ高速回転にする)。この状態では、第一
および第二の絞り装置4、6で冷凍サイクルを十分に制
度良く制御できないため、気液分離器5内に液冷媒が多
くたまり液インジェクションになる場合がある。
ジェクション弁10を閉じてインジェクションを行わな
いようにし、圧縮機の信頼性を確保する。
開閉を行うバイパス用二方弁14を介して、運転切換弁
2の第二室内熱交換器9への出口側配管から室外熱交換
器3の入口側配管にかけてバイパス管15を設けた図2
の冷凍サイクル構成とし、暖房サイクルのままで、バイ
パス用二方弁14を開いて第二室内熱交換器9に行く高
温高圧のガス冷媒の一部を破線矢印のように室外熱交換
器3にバイパスさせて、室外熱交換器3についた霜を溶
かすバイパス除湿方式がある。
た霜をできるだけ速く溶かすように第一及び第二の絞り
装置4、6の絞り量を少なくして、圧縮機をできるだけ
高能力状態で運転するが、第一および第二の絞り装置
4、6で冷凍サイクルを十分には制御できないため、場
合によっては気液分離器5内が高圧になり、液冷媒が多
く溜まって液インジェクションになる場合がある。
霜運転の時には、インジェクション弁10を閉じてイン
ジェクションを行わないようにして、圧縮機の信頼性を
確保する。なお図2において、図1と同一番号を付けた
ものは同一部分を示し、これまでに述べた除霜運転以外
の運転では、バイパス用二方弁14は閉とし図1と同様
の動作・サイクル状態とする。また図2においては、バ
イパス管15の一端を室外熱交換器3と第一絞り装置4
の間に接続したが、これに限らず、室外熱交換器3と第
一室内熱交換器の間であればどこでも良く、この場合に
も同様の作用・効果が得られる。
インジェクション弁10として主に開閉のみ行うもの想
定して説明してきたが、インジェクション量を制御でき
るを弁を使用することが出来る。この場合、冷房サイク
ル加熱除湿運転および各運転での立上り運転や除霜運転
においては、インジェクション弁10を適正に絞ること
により液インジェクションを防止してガスインジェクシ
ョンになるように運転し、圧縮機の信頼性を確保すると
共にガスインジェクションによる性能向上も行うことが
できる。また冷房及び暖房の安定運転においても、液イ
ンジェクションが起こりそうな場合には、インジェクシ
ョン弁10を適当に絞ることによりガスインジェクショ
ン状態にでき、圧縮機1の信頼性を確保することができ
る。
路の開閉のみを行うものとして二方弁が、流量を変えら
れるものとしてモータ等により弁開度を広い範囲で制御
できる電動式の膨張弁や流量制御弁が考えられる。さら
にインジェクション弁10としては、省エネの点から、
弁の作動を行う時だけ通電し、その後は無通電でも通電
時(動作後)の状態を保持しておく弁が望ましい。こう
した弁として、ラッチ式の二方弁や電動式の膨張弁や流
量制御弁があり、これらを使うことにより、より省エネ
状態でガスインジェクションをおこなうことができる。
しても絞り量を広い範囲で制御できる電動膨張弁が有効
であり、これを使うことにより広い能力範囲においてサ
イクルを最適状態に保つことができ、特に広い外気温度
に応じて能力を広範囲に変える必要のある暖房運転にお
いて効果が大きい。
インバータ制御の回転数制御圧縮機が有効であり、この
使用により各運転において能力を広い範囲で変えること
ができ、特に能力可変範囲の広い暖房運転において効果
が大きい。
内吸込空気流が第一室内熱交換器7、第二室内熱交換器
9に対して並列に流れるようになっている。しかし室内
熱交換器の分割方法はこれに限らず、第一室内熱交換器
7、第二室内熱交換器9を除湿絞り装置を8介して風上
側と風下側に分割しても良く(図示省略)、これによっ
ても快適な除湿運転を行える。
においては、移設や修理等において室内機と室外機を分
離して取り外す時、冷媒が大気中にもれるのを防ぐ為に
冷媒を室外機に一旦回収する運転を行う。この場合の冷
凍サイクルの構成と動作を図3を用いて説明する。図3
は、図1の冷凍サイクル構成において、更に第二絞り装
置6と第一室内熱交換器7を結ぶ配管中に設けられた第
一サービスバルブ16と第二室内熱交換器9と運転切換
弁2を結ぶ配管中に設けられた第二サービスバルブ17
を追加した構成を持ち、これらのサービスバルブ16、
17は一般的に室外機側に設けられる。
運転時には、除湿絞り装置8を開き、第一サービスバル
ブ16を閉じ、第二サービスバルブ17を開いて、冷媒
を冷房運転と同じように実線矢印の方向に流し、室内熱
交換器7、9内及び接続配管内の冷媒を室外熱交換器3
内に回収する。このあと第二サービスバルブ17を閉
じ、室内機と室外機を結ぶ配管をはずして分離する。
の内部が高圧になる場合には、インジェクション弁10
が開いているとガスインジェクションあるいは液インジ
ェクションが起こり、インジェクションされた冷媒が圧
縮機1内で吸込側にもれ、低圧側すなわち室内熱交換器
7、9内の真空度が十分に上がらず、冷媒を室外熱交換
器3内に十分回収できなくなる場合がある。従って、こ
の冷媒回収運転時にはインジェクション弁10を閉じ、
気液分離器5から圧縮機1の吸込側へもれこむ冷媒を無
くし、低圧側の真空度を上げるようにして十分な冷媒回
収を行う。また図3のサービスバルブを付けた冷凍サイ
クル構成及び冷媒回収運転は、図2においても適用出来
る。
いてこれまでに述べてきた各運転のうち、冷房及び暖房
での立上り運転、除霜運転、及び冷媒回収運転における
第一及び第二絞り装置4、6及びインジェクション弁1
0の動作は、室内熱交換器を除湿絞り装置8を介して二
分割しないでサイクル加熱運転を行わない通常のインジ
ェクション冷凍サイクルにおいても(この場合、表1、
2において除湿絞り装置が無く、その制御は不要)、同
様に行うことができ、圧縮機の信頼性を確保する等同様
の効果を得ることができる。
転切換弁2のある冷房運転及び暖房運転を行える冷凍サ
イクルを用いて説明してきたが、これに限らず、運転切
換弁2が無く冷房運転を行う冷凍サイクルの場合(図示
省略)にも、冷房運転及び冷房サイクル加熱除湿運転に
対して、各弁をこれまでに述べたのと同様に制御して、
圧縮機の信頼性を確保した同様の運転を行うことができ
る。
媒の種類には関係無く、R22等のHCFC系冷媒、R
410A等のHFC系冷媒、更には自然冷媒を使用した
場合にも適用でき、同様な効果が得られる。
ルを利用したもの及び暖房サイクルを利用したものの両
者を切換可能な空気調和装置を説明したが、何れか一方
のみの除湿運転可能な空気調和装置であっても、前述の
ガスインジェクション弁の制御は同様である。
ば、少なくとも圧縮機、室外熱交換器、冷暖房運転用の
絞り装置、室内熱交換器を具備した冷凍サイクルを、圧
縮機をインジェクション可能にし、冷暖房運転用の絞り
装置を二個としその間に気液分離器を設け、さらにイン
ジェクション弁を介して圧縮機と気液分離器を接続して
ガスインジェクションが出来るような構成にし、更には
室内熱交換器を除湿運転用の絞り装置を介して二つに分
割して冷凍サイクルで室内の吸込空気を冷却・除湿する
と同時に加熱するサイクル加熱除湿運転が可能な構成に
した。
転においてはインジェクション弁を開いたり適正に絞っ
たりしてガスインジェクションを行い、低能力運転にお
いてはインジェクション弁を閉じてインジェクションを
止めて運転する。またサイクル加熱除湿、冷房、暖房に
おける立上り運転、及び除霜運転においては、インジェ
クション弁を閉じたり適正に絞ったりして、圧縮機へ液
インジェクションが起こらないようにする。
の各運転に対し、安定運転時および過渡運転時を含め、
圧縮機の信頼性を確保した状態で、ガスインジェクショ
ンによる性能(COP)向上を実現した空気調和機を提
供できる。
換器に回収する場合、インジェクション弁を閉じること
により室内熱交換器や接続配管の中の真空度を高くし
て、冷媒を室外熱交換器内に十分回収可能な空気調和機
を提供できる。
ョン回路を備えつつ、サイクル再熱除湿が行える冷凍サ
イクルを備える空気調和機を提供することができる。
ョン回路を備えつつ、冷凍サイクルの立上り時の運転、
除霜運転、及び冷媒回収運転を可能とした空気調和機を
提供することができる。
を示す図である。
ルの構成を示す図である。
イクルの構成を示す図である。
第一絞り装置、5…気液分離器、6…第二絞り装置、7
…第一室内熱交換器、8…除湿絞り装置、9…第二室内
熱交換器、10…インジェクション弁、11…インジェ
クション配管、12…室外送風ファン、13…室内送風
ファン、14…バイパス用二方弁、15…バイパス管、
16…第一サービスバルブ、17…第二サービスバル
ブ。
Claims (6)
- 【請求項1】圧縮機、室外熱交換器、第1の絞り装置、
気液分離器、第2の絞り装置、室内熱交換器を順次配管
により接続し、この気液分離器と圧縮機とをインジェク
ション弁を介して配管接続した空気調和機において、前
記室内熱交換器を除湿絞り装置を介して二分割し、この
除湿絞り装置を絞るモードで運転するとき、前記インジ
ェクション弁を閉じるかあるいは適正に絞る機能を備え
た空気調和機。 - 【請求項2】圧縮機、室外熱交換器、第1の絞り装置、
気液分離器、第2の絞り装置、室内熱交換器を順次配管
により接続し、この気液分離器と圧縮機とをインジェク
ション弁を介して配管接続した空気調和機において、前
記室内熱交換器を除湿絞り装置を介して二分割し、この
除湿絞り装置を絞り、冷媒の流れ方向を冷房時と同じモ
ードで運転するとき、前記インジェクション弁を閉じる
かあるいは適正に絞る機能を備えた空気調和機。 - 【請求項3】圧縮機、室外熱交換器、第1の絞り装置、
気液分離器、第2の絞り装置、室内熱交換器を順次配管
により接続し、この気液分離器と圧縮機とをインジェク
ション弁を介して配管接続した空気調和機において、前
記室内熱交換器を除湿絞り装置を介して二分割し、この
除湿絞り装置を絞り、冷媒の流れ方向を暖房時と同じモ
ードで運転するとき、前記インジェクション弁を閉じる
かあるいは絞る機能を備えた空気調和機。 - 【請求項4】圧縮機、室外熱交換器、第1の絞り装置、
気液分離器、第2の絞り装置、室内熱交換器を順次配管
により接続し、この気液分離器と圧縮機とをインジェク
ション弁を介して配管接続した空気調和機において、冷
房及び暖房の立上り運転時には、前記インジェクション
弁を閉じるかあるいは絞る機能を備えた空気調和機。 - 【請求項5】圧縮機、室外熱交換器、第1の絞り装置、
気液分離器、第2の絞り装置、室内熱交換器を順次配管
により接続し、この気液分離器と圧縮機とをインジェク
ション弁を介して配管接続した空気調和機において、除
霜運転時に、前記インジェクション弁を閉じるかあるい
は絞る機能を備えた空気調和機。 - 【請求項6】圧縮機、室外熱交換器、第1の絞り装置、
気液分離器、第2の絞り装置、室内熱交換器を順次配管
により接続し、この気液分離器と圧縮機とをインジェク
ション弁を介して配管接続し、前記第2の絞り装置と前
記室内熱交換器との間及び前記室内熱交換器と前記圧縮
機との間にそれぞれサービスバルブを設けた空気調和機
において、冷媒回収運転時に、上流側のサービスバルブ
を閉じ下流側のサービスバルブを開くと共に、前記イン
ジェクション弁を閉じて前記圧縮機を運転する機能を備
えた空気調和機。
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