JP2004177064A - 空気調和機 - Google Patents

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Motoharu Toyama
基治 遠山
Shoji Takaku
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Abstract

【課題】冷房運転と同じ方向の冷媒を循環する除湿運転において、外気の温度が低い条件下においても、室温の低下しない除湿運転をし、室内空気の温度の低い条件下でも、熱交換効率が低下しない除湿運転をする。
【解決手段】冷媒を圧縮する圧縮機と、冷媒と室内空気とを熱交換させる室内熱交換器と、冷媒を減圧または絞る減圧装置と、冷媒と外気とを熱交換させる室外熱交換器と、室内熱交換器と減圧装置との間に設けられて、冷暖房運転時には冷媒を素通りさせると共に、除湿運転時には前記室外熱交換器と同じ作用をなす補助熱交換器とを備えた空気調和機において、一端が前記圧縮機と四方弁との間の配管に接続され、他端が減圧装置と室内熱交換器との間の配管に接続されて室外熱交換器をバイパスする回路を持ち、外気の温度に応じて前記のバイパスする回路の冷媒の流量を調整できる開閉弁とを有する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷媒の熱を有効利用して、除湿運転時における室内空気の温度の下がらない除湿運転ができるようにした空気調和機に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、一般家庭等において室内の冷暖房および除湿を行うために空気調和機が用いられる場合が多くなっている。
【0003】
かかる空気調和機のうち分離型空気調和機において、図3は、冷房運転と同じ方向の冷媒を循環する除湿運転の空気調和機の冷凍回路図である。
【0004】
除湿運転を冷房運転と同じ方向の冷媒を循環する方式については、特許文献1(特開平5−334944号公報)に記載されている。
【0005】
図4は、暖房運転と同じ方向の冷媒を循環する除湿運転の空気調和機の冷凍回路図である。
【0006】
除湿運転を暖房運転と同じ方向の冷媒を循環する方式については、特許文献2(特開2000−230758号公報)に記載されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平5−334944号公報
【特許文献2】
特開2000−230758号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、冷房運転と同じ方向の冷媒を循環する除湿運転は、外気の温度が低い条件の場合、冷媒が室外熱交換器を通過することにより、熱交換がなされ、室内空気が除湿と同時に室温が下がる問題がある。また、室内空気の温度が低い条件では、室内熱交換器に着霜して、熱交換効率が低下する問題もある。
【0009】
一方、暖房運転と同じ方向の冷媒を循環する除湿運転は、圧縮機から吐出された高温の冷媒が室内機の室内熱交換器へ供給された後、減圧装置を経由し室外機の室外熱交換器へ供給される。凝縮器の内容量は、蒸発器の内容積と比較すると極端に小さくなるため、除湿運転時において、冷媒が過剰となり、圧縮機の吐出圧力が、暖房運転より高くなる。そのため、圧縮機の信頼性確保が必要となり、圧縮機の高耐圧化、または、吐出圧力の制御手段の開発といった問題がある。
【0010】
そこで、本発明は,冷房運転と同じ方向の冷媒を循環する除湿運転において、外気の温度が低い条件下においても、室温の低下しない除湿運転ができ、室内空気の温度の低い条件下でも、熱交換効率が低下しない除湿運転ができるようにした空気調和機を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1にかかる発明は、冷媒を圧縮する圧縮機と、冷媒と室内空気とを熱交換させる室内熱交換器と、冷媒を減圧または絞る減圧装置と、冷媒を外気とを熱交換させる室外熱交換器と室内熱交換器と減圧装置との間に設けられて、冷暖房運転時には冷媒を素通りさせると共に、除湿運転時には冷媒を減圧または絞る補助減圧装置と、該補助減圧装置と減圧装置との間に設けられて、冷暖房運転時には室内熱交換器と同じ作用をなし、除湿運転時には室外熱交換器と同じ作用をなす補助熱交換器を備えた空気調和機において、一端が前記圧縮機と四方弁との間の配管に接続され、他端が減圧装置と室内熱交換器との間の配管に接続されて、室外熱交換器をバイパスする回路を持ち、外気の温度に応じて圧縮機で圧縮されて高温になった冷媒が前記バイパスする回路を経由して室内機の補助熱交換器へ供給し、バイパスする回路を通過する冷媒の量を調整できる開閉弁を有して、外気の温度が低い条件において、除湿運転時に圧縮機で圧縮されて高温になった冷媒の熱の損失を少なくし、室内機の熱交換の効率がよい、室内空気の温度が下がらない除湿運転ができることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
(第1の実施例)
本発明の実施の形態を図を参照して説明する。図1は本発明にかかる空気調和機の冷凍回路図である。なお、以下の説明では空気調和機が室内機と室外機とにより構成された分離型空気調和機を例に説明し、単に空気調和機と記載するが、本発明はこれに限定されるものではなく、一体型空気調和機であってもよい。
【0013】
空気調和機の室外機1は室外に配置され、室内機8は室内に配置される。そして、室内機1には、冷媒と室内空気とを熱交換させる室内熱交換器11および補助熱交換器9、冷媒を減圧または絞る補助減圧装置10等が設けられている。一方、室外機1には、冷媒を圧縮する圧縮機2、冷媒と外気とを熱交換させる室外熱交換器4、冷媒を減圧または絞る減圧装置5、室外熱交換器4をバイパスする回路とそのバイパスする回路の冷媒の量を調整できる開閉弁6、冷媒の循環路を切換える四方弁3等が設けられている。
【0014】
このような構成で、冷房運転するときには冷媒が圧縮機2、室外熱交換器4、減圧装置5、補助熱交換器9、補助減圧装置10、室内熱交換器11を順次循環するよう四方弁3を切替えて、図1に示す実線に沿って冷媒が流れるようにする。開閉弁6は全閉し、室外熱交換器4へは冷媒が流れないようにするとともに、補助減圧装置10を全開にして冷媒が減圧等されないようにする。
【0015】
これにより、圧縮機2で圧縮された高温高圧のガス冷媒は、室外熱交換器4に供給され、この室外熱交換器4で外気と熱交換して凝縮する。凝縮した冷媒は、減圧装置5に供給され、この減圧装置5で、減圧または絞られて室内機8に供給される。室外機1から室内機8に供給された冷媒は、補助熱交換器9、補助減圧装置10、室内熱交換器11を順次流れるが、補助減圧装置10は全開状態なので、補助熱交換器10および室内熱交換器11は共に同じ作用をする。
【0016】
即ち、補助熱交換器9および室内熱交換器11は蒸発器として作用しこれにより冷媒は室内空気と熱交換して蒸発し、冷媒は室外機1に戻りサイクルが一巡する。一方、冷媒と熱交換した室内空気は冷却され冷風となる。
【0017】
暖房運転を行うときは、冷媒が圧縮機2、室内熱交換器11、補助減圧装置10、補助熱交換器9、減圧装置5、室外熱交換器4を順次循環するように四方弁3を切換えて、図1に示す点線に沿って冷媒が流れるようにする。開閉弁6は全閉にして室外熱交換器4に冷媒が流れないようにするとともに、補助減圧装置10は、全開にして冷媒が減圧等されないようにする。
【0018】
これにより、圧縮機2で圧縮された高温高圧のガス冷媒は室内機8に供給される。室内機8に供給された冷媒は室内熱交換器11、補助減圧装置10、補助熱交換器9、を順次流れるが、補助減圧装置10は全開状態なので、補助熱交換器9および室内熱交換器11は共に同じ作用をする。即ち、補助熱交換器9および室内熱交換器11は凝縮器として作用しこれにより冷媒は凝縮し、冷媒と熱交換した室内空気は温風となる。その後、冷媒は、室外機1に戻り、減圧装置5で、減圧され、室外熱交換器4で外気と熱交換して蒸発し、圧縮機2に戻る。
【0019】
なお、暖房運転することにより、室外熱交換器11が着霜等して熱交換効率が低下するような場合には、除霜運転をおこなうが、かかる除霜運転は、四方弁3は暖房運転と同じ方向に冷媒が循環する位置のとしたまま、減圧装置5、および、開閉弁6を全開にし、補助減圧装置10を全閉にして、圧縮機2からの高温の冷媒を直に室外熱交換器4に供給することにより、室外熱交換器4の中の冷媒の流れ方向を変えることなく運転を継続したままで除霜運転を行うことができる。
【0020】
一方、除湿運転を行うときは、冷媒が冷房運転と同じ方向に循環するよう四方弁3を切換え、補助減圧装置10が減圧を行うように設定すると共に減圧装置5で減圧されないように設定する。
【0021】
開閉弁6を閉じている場合、圧縮機2で圧縮された高温高圧のガス冷媒は、室外熱交換器4に供給される。外気の温度が比較的高い温度の場合は、室外熱交換器4において外気と熱交換が行われるが、熱交換量が少ないため、高温のガス冷媒の状態で減圧装置5へ供給される。減圧装置5は減圧作用をしないよう設定されているため、供給された冷媒は減圧されない状態で室内機8に供給される。室内機8に供給された冷媒は、補助熱交換器9で通過する室内空気と熱交換して凝縮し、補助減圧装置10にて減圧される。補助減圧装置10で減圧された冷媒は、室内熱交換器11に供給され、この室内熱交換器11を通過する室内空気と熱交換して蒸発し、室外機1に戻る。室内機8からの冷媒は、室外機1の圧縮機2に戻る。この結果、補助熱交換器9を通過することにより温風となった室内空気と室内熱交換器11を通過することにより湿度の低い冷風となった室内空気とが同時に室内機8から、室内に吹出されて、室温を下げることなく室内湿度を下げることができる。
【0022】
ところが、上記除湿運転時において、外気の温度が低くなると、圧縮機2から供給された高温高圧の冷媒が、室外熱交換器4を通過する際、室外熱交換器4における熱交換量が増加するため、温度の低いガスと液の混合冷媒が室内機8に供給されることで、補助熱交換器部分での熱交換量が低下し、室内機8の補助熱交換器9を通過する室内空気の温度が下がることにより室内熱交換器11で冷やされた空気と混合されて室内機より放出される空気温度が低下するために室温が下がってしまう。
【0023】
そこで、開閉弁6を開き、圧縮機2からバイパス回路を通過して供給される高温高圧の冷媒を室内機8に供給するようにする。この結果、圧縮機2で圧縮されて高温になった冷媒の室内機8の補助熱交換器9で凝縮する量を増加させたので、補助熱交換器9を通過する室内空気は、温風となり、室温を設定温度にしながら室内温度を下げることができる。また、減圧装置5を調整し、室外熱交換器4側に流れる冷媒量を調整することで、冷媒の一部を室外熱交換器4で凝縮させることにより、室外熱交換器4に除湿運転時において、余剰となる冷媒を貯留し、圧縮機2において過剰な冷媒を圧縮することによる電力消費を小さくすることができる。また、室内空気の温度が低く、室内熱交換器11が着霜して熱交換効率が低下するような場合には、補助減圧装置10の開度を調整することにより、冷媒の流れ方向を変えることなく運転を継続したままで、室内熱交換器11の温度を上昇させることができ、室内熱交換器11の除霜ができる。
【0024】
(その他の実施例)
前記実施例において、圧縮機2と四方弁3の間に冷媒の流れる方向を四方弁3側と切替弁6側に切換える切替弁12を設ける。図5は、その実施例の空気調和機の冷凍回路図である。
【0025】
このような構成において、冷房運転、および、暖房運転を行うときは、冷媒が四方弁3へ流れる方向に切替弁12を切換え、ることにより、冷房運転の場合は、図5に示す実線に沿って、暖房運転の場合は、図5に示す点線に沿って冷媒が循環し、実施例1と同様に運転行う。また、暖房運転において、室外熱交換器11が着霜等して熱交換効率が低下するような場合には、除霜運転をおこなうが、かかる除霜運転は、四方弁3は暖房運転と同じ方向に冷媒が循環する位置のとしたまま、切替弁12を開閉弁6へ冷媒が流れる方向へ切換え、補助減圧装置10を全閉にし、開閉弁6を全開とし、減圧装置5を全開にして、圧縮機2からの高温の冷媒を直に室外熱交換器4に供給することにより、室外熱交換器4の冷媒流れ方向を変えることなく、運転を継続したままで除霜運転を行うことができる。
【0026】
除湿運転を行うときは、実施例1と同様に冷媒が冷房運転と同じ方向に循環するよう四方弁3を切換え、補助減圧装置10が減圧を行うように設定すると共に減圧装置5で減圧されないように設定する。
【0027】
開閉弁6を閉じ、切替弁12が四方弁3側になっている場合は、圧縮機2で圧縮された高温高圧のガス冷媒は室外熱交換器4に供給される。外気の温度が、比較的高い温度の場合、この室外熱交換器4で外気との熱交換は少なく、高温の冷媒の状態で減圧装置5へ供給される。減圧装置5に供給された冷媒は、この減圧装置5では、減圧されない状態で室内機8に供給される。室外機1から室内機8に供給された冷媒は、補助熱交換器9でこの補助減圧装置10を通過する室内空気と熱交換して凝縮し、補助減圧装置10にて減圧される。補助減圧装置10で減圧された冷媒は、室内熱交換器11に供給され、この室内熱交換器11を通過する室内空気と熱交換して蒸発し、室外機1に戻る。室内機8からの冷媒は、室外機1の圧縮機2に戻る。そして、補助熱交換器9を通過することにより温風となった室内空気と室内熱交換器11を通過することにより湿度の低い冷風となった室内空気とが同時に室内機8から、室内に吹出されて、室温を設定温度にしながら室内湿度を下げる。
【0028】
ところが、外気の温度が低い場合は、実施例1でのべたごとく、圧縮機2から供給された高温高圧の冷媒が、室外熱交換器4を通過する際、室外熱交換器4において熱交換され、凝縮するため、室内側に供給される冷媒温度が低下することにより、温風温度が低下し、室温が低下する。そこで実施例1においては、開閉弁6を開き、減圧装置5を調整することで室外熱交換器4に流れる冷媒量を減少することで、室内の温風温度の低下を防止する。しかし、実施例1の構成の場合、室外熱交換器4には常に冷媒が流れ込むため、特に室外熱交換器4が大きな機種においては、凝縮により室外熱交換器4に冷媒が過剰に滞留することにより、冷凍サイクル全体の循環冷媒量が減少し、冷凍サイクルの性能が低下するとともに、圧縮機の温度上昇などの信頼性上の問題も発生する可能性がある。そこで、外気温度が低い場合は開閉弁6を開くとともに切換弁12を冷媒が四方弁3へ流れる方向から開閉弁6へ流れる方向へ切替、減圧装置5を閉じることにより室外熱交換器4への冷媒の流れを遮断し、凝縮による冷媒滞留を防止する。さらに切替弁12および減圧弁5の動作を時間により設定することにより、冷媒を室外熱交換器4における凝縮量を制御して、除湿運転時に余剰となる冷媒を室外熱交換器4に貯留する。この結果、圧縮機2において、過剰な冷媒を圧縮することによる電力消費を小さくすることができる。
【0029】
さらに、切替弁12に流量制御機能を追加することにより、減圧装置5と組み合わせて、外気温応じてに室外熱交換器4に流れる冷媒量を調整することによって、開閉弁6を使わずにサイクルを構成することもできる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1にかかる発明によれば、除湿運転で、外気温度が低い条件で、室内空気の温度が低下しない、また、室内機の熱交換の効率がよい除湿運転ができる空気調和機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の説明に適用される空気調和機の冷凍回路図である。
【図2】本発明の各運転モードにおける減圧装置、補助減圧装置、開閉弁の開閉パターン表である。
【図3】従来技術の冷房運転と同じ方向の冷媒を循環する除湿運転の冷媒回路図である。
【図4】従来技術の暖房運転と同じ方向の冷媒を循環する除湿運転の冷媒回路図である。
【図5】本発明の損他の実施例の空気調和機の冷凍回路図である。
【符号の説明】
1…室外機、2…圧縮機、3…四方弁、4…室外熱交換器、5…減圧装置、6…開閉弁、7…アキュームレータ、8…室内機、9…補助熱交換器、10…補助減圧装置、11…室内熱交換器、12…切換弁。

Claims (3)

  1. 冷媒を圧縮する圧縮機と、冷媒と室内空気とを熱交換させる室内熱交換器と、冷媒を減圧または絞る減圧装置と、冷媒と外気とを熱交換させる室外熱交換器と、室内熱交換器と減圧装置との間に設けられて、冷暖房運転時には冷媒を素通りさせると共に、除湿運転時には前記室外熱交換器と同じ作用をなす補助熱交換器とを備えた空気調和機において、
    一端が前記圧縮機と四方弁との間の配管に接続され、他端が減圧装置と室内熱交換器との間の配管に接続されて室外熱交換器をバイパスする回路を持ち、外気の温度に応じて前記のバイパスする回路の冷媒の流量を調整できる開閉弁とを有することを特徴とする空気調和機。
  2. 少なくとも前記室外機の圧縮機と四方弁の間に、冷媒の方向を切換える切換弁を設けられていることを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
  3. 前記室外熱交換器を除湿運転時における過剰な冷媒を貯留する冷媒装置としての作用をさせることを特徴とする請求項2記載の空気調和機。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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