JP2002081449A - 転がり軸受 - Google Patents
転がり軸受Info
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- JP2002081449A JP2002081449A JP2001203783A JP2001203783A JP2002081449A JP 2002081449 A JP2002081449 A JP 2002081449A JP 2001203783 A JP2001203783 A JP 2001203783A JP 2001203783 A JP2001203783 A JP 2001203783A JP 2002081449 A JP2002081449 A JP 2002081449A
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- rolling element
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Abstract
(57)【要約】
【課題】長寿命を維持しながら、回転体の帯電を防止し
て、異常放電や電気的損傷を抑制する。 【解決手段】軸受構成部材に使用されるセラミック材料
に、遷移元素の窒化物又は炭化物又は硼化物の少なくと
も一つを20重量%以上60重量%以下含有させること
により、セラミック材料による長期耐久性を維持しなが
ら、軸受内・外輪間に導電性を付与する。また、窒化珪
素結晶粒を幅5μm以下の柱状結晶粒で構成することに
より、軸受振動の増加や分布を抑え、長寿命で信頼性の
高い軸受を得ることができる。また、前記遷移元素の窒
化物又は炭化物又は硼化物の少なくとも一つを転動体表
面に20wt%以上70wt%以上含有し、内部の含有
量を表面の含有量より小さくすることにより、更なる強
度の向上を図る。
て、異常放電や電気的損傷を抑制する。 【解決手段】軸受構成部材に使用されるセラミック材料
に、遷移元素の窒化物又は炭化物又は硼化物の少なくと
も一つを20重量%以上60重量%以下含有させること
により、セラミック材料による長期耐久性を維持しなが
ら、軸受内・外輪間に導電性を付与する。また、窒化珪
素結晶粒を幅5μm以下の柱状結晶粒で構成することに
より、軸受振動の増加や分布を抑え、長寿命で信頼性の
高い軸受を得ることができる。また、前記遷移元素の窒
化物又は炭化物又は硼化物の少なくとも一つを転動体表
面に20wt%以上70wt%以上含有し、内部の含有
量を表面の含有量より小さくすることにより、更なる強
度の向上を図る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸受構成部材の少
なくとも一つにセラミックスを用いている転がり軸受の
改良に関し、半導体製造設備やX線管用軸受、工作機械
等、真空、高温、高速、腐食環境下で用いられる転がり
軸受として好適なものである。
なくとも一つにセラミックスを用いている転がり軸受の
改良に関し、半導体製造設備やX線管用軸受、工作機械
等、真空、高温、高速、腐食環境下で用いられる転がり
軸受として好適なものである。
【0002】
【従来の技術】優れた耐食性、耐熱性、耐磨耗性、また
低密度等の特徴をもつセラミックスは、軸受材料として
広く用いられている。真空中や、ハロゲン系の腐食ガス
環境で使用される半導体製造装置のロボットアーム部に
使用する軸受は、軸受寿命を維持するために、内・外輪
及び転動体、又は転動体のみにセラミックスを用いてい
る。また、真空成膜装置やその搬送装置等のように、真
空中で特に清浄度を要求される環境で使用される軸受で
は、潤滑材の使用量が制限されるため、内外輪に対し
て、耐焼付き性に優れたセラミックス製転動体を用いて
いる。そのほかに、潤滑材の使用量を制限される用途と
しては、ハードディスクドライブ(HDD)のスピンド
ルやスイングアームに用いられる軸受が挙げられるが、
これらに関しても微小焼付き損傷による音響劣化を改善
する目的でセラミックス製転動体が用いられている。ま
た、電子部品送入機やワイヤボンダのアーム部のよう
に、軸が高速揺動する場合、それを支持する軸受は、軌
道面の転動体接触部で局部的に油膜切れを生じて部分磨
耗を生じる場合があるが、この場合にも転動体のセラミ
ックス化が有効であり、実用されている。また、工作機
械の主軸用の軸受としては、低密度で高速回転中の遠心
力を軽減でき、且つ内外輪を構成する鉄鋼材料に対して
耐焼付き性に優れるセラミックス製転動体を用いること
で、軸受の長寿命化、高速回転化を実現している。ま
た、ターボチャージャー用の軸受においては、潤滑油の
供給が遮断された場合でも焼付かずに回転できるよう、
セラミックス製の転動体が利用されている。
低密度等の特徴をもつセラミックスは、軸受材料として
広く用いられている。真空中や、ハロゲン系の腐食ガス
環境で使用される半導体製造装置のロボットアーム部に
使用する軸受は、軸受寿命を維持するために、内・外輪
及び転動体、又は転動体のみにセラミックスを用いてい
る。また、真空成膜装置やその搬送装置等のように、真
空中で特に清浄度を要求される環境で使用される軸受で
は、潤滑材の使用量が制限されるため、内外輪に対し
て、耐焼付き性に優れたセラミックス製転動体を用いて
いる。そのほかに、潤滑材の使用量を制限される用途と
しては、ハードディスクドライブ(HDD)のスピンド
ルやスイングアームに用いられる軸受が挙げられるが、
これらに関しても微小焼付き損傷による音響劣化を改善
する目的でセラミックス製転動体が用いられている。ま
た、電子部品送入機やワイヤボンダのアーム部のよう
に、軸が高速揺動する場合、それを支持する軸受は、軌
道面の転動体接触部で局部的に油膜切れを生じて部分磨
耗を生じる場合があるが、この場合にも転動体のセラミ
ックス化が有効であり、実用されている。また、工作機
械の主軸用の軸受としては、低密度で高速回転中の遠心
力を軽減でき、且つ内外輪を構成する鉄鋼材料に対して
耐焼付き性に優れるセラミックス製転動体を用いること
で、軸受の長寿命化、高速回転化を実現している。ま
た、ターボチャージャー用の軸受においては、潤滑油の
供給が遮断された場合でも焼付かずに回転できるよう、
セラミックス製の転動体が利用されている。
【0003】これらの軸受において用いられるセラミッ
クスとしては、窒化珪素、炭化珪素、アルミナ、ジルコ
ニア等、又はこれらの複合セラミックスが考えられ、特
に、比重、破壊靱性等に優れた窒化珪素が実用されてお
り、例えば特公平7−378813号公報に記載される
ように耐食性材料の外輪・内輪に窒化珪素セラミックス
製転動体を用いたものや、特開平10−82426号公
報に記載されるように炭化珪素セラミックス製のものが
ある。
クスとしては、窒化珪素、炭化珪素、アルミナ、ジルコ
ニア等、又はこれらの複合セラミックスが考えられ、特
に、比重、破壊靱性等に優れた窒化珪素が実用されてお
り、例えば特公平7−378813号公報に記載される
ように耐食性材料の外輪・内輪に窒化珪素セラミックス
製転動体を用いたものや、特開平10−82426号公
報に記載されるように炭化珪素セラミックス製のものが
ある。
【0004】また、ジルコニアやアルミナ等の酸化物系
セラミックスは耐食性に優れ、また、窒化珪素に比べて
線膨張係数が金属に近く、軸受を高温下で使用した場合
でも金属軸との膨張量差による割れや内部応力が発生し
にくい。また、特開2000−74069号公報に開示
されるようにHDD用のスピンドルやポリゴンミラーな
ど、小径で且つ高精度回転を要求される用途において、
外・内輪材料と転動体材料との熱膨張差によって高温時
に予圧が減少してしまう、所謂予圧抜けの問題を回避で
きる。また、一方でジルコニアを主成分としたセラミッ
クスはヤング率が窒化珪素に比較して低く、軸受荷重に
よって転動体と内外輪間に発生する接触面圧を窒化珪素
と比較して軽減できる。従って、このようなセラミック
スを用いれば、窒化珪素を転動体として鋼製内外輪に組
み込んだ場合に問題となる、面圧増加による軸受の振
動、騒音増加を抑制できることが、特開平11−223
220号公報に開示されている。
セラミックスは耐食性に優れ、また、窒化珪素に比べて
線膨張係数が金属に近く、軸受を高温下で使用した場合
でも金属軸との膨張量差による割れや内部応力が発生し
にくい。また、特開2000−74069号公報に開示
されるようにHDD用のスピンドルやポリゴンミラーな
ど、小径で且つ高精度回転を要求される用途において、
外・内輪材料と転動体材料との熱膨張差によって高温時
に予圧が減少してしまう、所謂予圧抜けの問題を回避で
きる。また、一方でジルコニアを主成分としたセラミッ
クスはヤング率が窒化珪素に比較して低く、軸受荷重に
よって転動体と内外輪間に発生する接触面圧を窒化珪素
と比較して軽減できる。従って、このようなセラミック
スを用いれば、窒化珪素を転動体として鋼製内外輪に組
み込んだ場合に問題となる、面圧増加による軸受の振
動、騒音増加を抑制できることが、特開平11−223
220号公報に開示されている。
【0005】このように、窒化珪素、炭化珪素、アルミ
ナ、ジルコニア等、又はこれらの複合セラミックスは軸
受部材として多用されているが、このうち炭化珪素は硬
度が高く、加工が困難な上、素材も高価なため、特に高
耐食性を要求される場合に限定して使用される。
ナ、ジルコニア等、又はこれらの複合セラミックスは軸
受部材として多用されているが、このうち炭化珪素は硬
度が高く、加工が困難な上、素材も高価なため、特に高
耐食性を要求される場合に限定して使用される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、窒化珪
素、ジルコニア、アルミナ等の各種セラミックスは耐焼
付き性に優れるものの、電気抵抗が大きいので、これら
で構成された転がり軸受は導電性がなく、回転体が帯電
して各種の問題を生じることがあった。例えば、半導体
部品を取上げ、搬送するロボットの関節部分の軸受がセ
ラミックスで構成されていると、部品を取上げるアーム
先端部がロボット本体と電気的に絶縁され、アームの動
きにより発生した静電気がアーム先端部に帯電する。こ
のようにアーム先端部が帯電すると、アームが目的の部
品を取上げるときに、アーム先端部と部品との間で放電
が発生し、部品性能に影響を与える場合がある。また、
HDDスピンドルを支持する軸受の転動体がセラミック
材料で構成される場合には、スピンドル主軸に固定され
た記録ディスクが本体と絶縁され、回転によって発生す
るディスク表面への電荷の蓄積を外部に接地することが
できない。こうして帯電したディスクに記録ヘッドが接
近したときに、ヘッドとディスク表面との間で放電が生
じ、ディスクに書き込まれている情報が破壊される場合
がある。また、工作機械の主軸用軸受では、主軸がハウ
ジングから電気的に絶縁された状態となるため、プーリ
とベルトとの摩擦によって発生した静電気が主軸に帯電
し、発生した高周波ノイズが数値制御システムに悪影響
を及ぼしたり、工具寿命を短期化する場合がある。
素、ジルコニア、アルミナ等の各種セラミックスは耐焼
付き性に優れるものの、電気抵抗が大きいので、これら
で構成された転がり軸受は導電性がなく、回転体が帯電
して各種の問題を生じることがあった。例えば、半導体
部品を取上げ、搬送するロボットの関節部分の軸受がセ
ラミックスで構成されていると、部品を取上げるアーム
先端部がロボット本体と電気的に絶縁され、アームの動
きにより発生した静電気がアーム先端部に帯電する。こ
のようにアーム先端部が帯電すると、アームが目的の部
品を取上げるときに、アーム先端部と部品との間で放電
が発生し、部品性能に影響を与える場合がある。また、
HDDスピンドルを支持する軸受の転動体がセラミック
材料で構成される場合には、スピンドル主軸に固定され
た記録ディスクが本体と絶縁され、回転によって発生す
るディスク表面への電荷の蓄積を外部に接地することが
できない。こうして帯電したディスクに記録ヘッドが接
近したときに、ヘッドとディスク表面との間で放電が生
じ、ディスクに書き込まれている情報が破壊される場合
がある。また、工作機械の主軸用軸受では、主軸がハウ
ジングから電気的に絶縁された状態となるため、プーリ
とベルトとの摩擦によって発生した静電気が主軸に帯電
し、発生した高周波ノイズが数値制御システムに悪影響
を及ぼしたり、工具寿命を短期化する場合がある。
【0007】また、回転陽極型X線管球は、軸受を支持
する回転陽極の先端に取付けられたターゲットに電子を
衝突させてX線を発生させる。このとき、ターゲットの
表面への電子衝突位置を分散させ、ターゲットの局部損
傷を防止するために、ターゲットを数千回転もの高速で
回転させる必要がある。また、ターゲットに衝突した電
子の運動エネルギにより、軸自体も数百℃の高温になる
上、衝突する電子の平均自由工程を確保するため、管球
内部は10-4Pa以下の真空に維持しなければならな
い。即ち、これを支持する軸受は、高速回転、高温、真
空という非常に厳しい環境下で安定回転することが要求
される。このため、転動体にセラミックスを使用するこ
とが考えられているが、ターゲットの帯電を防ぐために
は、軸が軸受を介して接地されていなければならず、導
電性のないセラミックス材料を転動体として用いる場合
には、金属製の転動体と組合せるか、軸受の外輪又は内
輪にブラシ電極等を取付けて導電性を確保する必要があ
り、構造が複雑化するほか、軸受寿命、静粛性等を損な
うという問題がある。
する回転陽極の先端に取付けられたターゲットに電子を
衝突させてX線を発生させる。このとき、ターゲットの
表面への電子衝突位置を分散させ、ターゲットの局部損
傷を防止するために、ターゲットを数千回転もの高速で
回転させる必要がある。また、ターゲットに衝突した電
子の運動エネルギにより、軸自体も数百℃の高温になる
上、衝突する電子の平均自由工程を確保するため、管球
内部は10-4Pa以下の真空に維持しなければならな
い。即ち、これを支持する軸受は、高速回転、高温、真
空という非常に厳しい環境下で安定回転することが要求
される。このため、転動体にセラミックスを使用するこ
とが考えられているが、ターゲットの帯電を防ぐために
は、軸が軸受を介して接地されていなければならず、導
電性のないセラミックス材料を転動体として用いる場合
には、金属製の転動体と組合せるか、軸受の外輪又は内
輪にブラシ電極等を取付けて導電性を確保する必要があ
り、構造が複雑化するほか、軸受寿命、静粛性等を損な
うという問題がある。
【0008】これらの問題を解決するために、セラミッ
ク製転動体と金属製転動体を混合して用いるとか、セラ
ミック製転動体の表面に金属被膜を施す方法が、例えば
特開平6−6949号公報や特開平7−91451号公
報等に開示されているが、これらの方法では、外・内輪
と異なる材料組合せとして用いたセラミック転動体の微
小焼付き低減効果が極端に低下し、軸受の導電性は維持
できても、逆に軸受寿命を制限する要因となる。
ク製転動体と金属製転動体を混合して用いるとか、セラ
ミック製転動体の表面に金属被膜を施す方法が、例えば
特開平6−6949号公報や特開平7−91451号公
報等に開示されているが、これらの方法では、外・内輪
と異なる材料組合せとして用いたセラミック転動体の微
小焼付き低減効果が極端に低下し、軸受の導電性は維持
できても、逆に軸受寿命を制限する要因となる。
【0009】また、その他に軸受外・内輪間の導電性を
改善する方法としては、バネ状の電極を軸受の外・内輪
間に接地し、それを介して内・外輪間の導通を維持する
方法などが特開平11−82492号公報や特開平11
−218143号公報に開示されているが、これによる
と軸受シールの接触により軸受の回転トルクが増加して
しまい、主軸を回転させるモータの消費電力を増加させ
てしまう。特にHDD等では、バッテリー寿命延長の観
点から消費電力の低減が要求されており、軸受トルクの
増加は軸受として大きな問題となる。
改善する方法としては、バネ状の電極を軸受の外・内輪
間に接地し、それを介して内・外輪間の導通を維持する
方法などが特開平11−82492号公報や特開平11
−218143号公報に開示されているが、これによる
と軸受シールの接触により軸受の回転トルクが増加して
しまい、主軸を回転させるモータの消費電力を増加させ
てしまう。特にHDD等では、バッテリー寿命延長の観
点から消費電力の低減が要求されており、軸受トルクの
増加は軸受として大きな問題となる。
【0010】また、このほかにも、セラミックス表面に
導電性の物質を物理的又は化学的にコーティングした
り、セラミックス素材自体に導電性物質を添加して導電
性を付与することが提案されている。例えば、特開昭6
4−15523号公報には、内輪と外輪との間に転動体
を組込んで構成した転がり軸受において、転動体が導電
性セラミックスで形成されていることを特徴とする転が
り軸受が提案されており、導電性を有するセラミックス
素材で転動体を構成した軸受や、セラミックスの表面に
金属を被覆した軸受が記載されている。また、特開20
00−192969号公報には、転動体を導電性セラミ
ックスで構成したことを特徴とする転がり軸受として、
外・内輪をステンレス鋼で構成し、転動体をTiNセラ
ミックスや、ジルコニアとTiNの複合セラミックスで
構成した転がり軸受が例示されている。また、特開平2
000−240658号公報には、転動体の転動面を導
電性セラミックスで構成し、その転動体表面の表面粗さ
Raを0.003以下としたことを特徴とする転がり軸
受として、母材をSUS440C等の耐熱鋼とし、表面
に数μm程度の導電性セラミックス層を形成した軸受が
例示されている。
導電性の物質を物理的又は化学的にコーティングした
り、セラミックス素材自体に導電性物質を添加して導電
性を付与することが提案されている。例えば、特開昭6
4−15523号公報には、内輪と外輪との間に転動体
を組込んで構成した転がり軸受において、転動体が導電
性セラミックスで形成されていることを特徴とする転が
り軸受が提案されており、導電性を有するセラミックス
素材で転動体を構成した軸受や、セラミックスの表面に
金属を被覆した軸受が記載されている。また、特開20
00−192969号公報には、転動体を導電性セラミ
ックスで構成したことを特徴とする転がり軸受として、
外・内輪をステンレス鋼で構成し、転動体をTiNセラ
ミックスや、ジルコニアとTiNの複合セラミックスで
構成した転がり軸受が例示されている。また、特開平2
000−240658号公報には、転動体の転動面を導
電性セラミックスで構成し、その転動体表面の表面粗さ
Raを0.003以下としたことを特徴とする転がり軸
受として、母材をSUS440C等の耐熱鋼とし、表面
に数μm程度の導電性セラミックス層を形成した軸受が
例示されている。
【0011】また、導電性を有するセラミックス素材と
しては、特開昭62−87463号公報に記載されるよ
うに、窒化珪素30〜83wt%、元素周期律表の第IV
a族、第Va族及び(又は)第VIa族の遷移元素の酸化
物1〜3wt%と、酸化アルミニウム、酸化イットリウ
ム、酸化マグネシウム、及びスピネルから選ばれた1又
は2以上の酸化物焼結助剤1〜10wt%とを混合し、
焼結してなることを特徴とする窒化珪素系導電性セラミ
ックスが提案されている。また、特公平8−16030
号公報に記載されるように、窒化珪素及びチタンの混合
物が100重量部であって、その混合物のうち、窒化珪
素が50〜74重量部、窒化チタンが26〜50重量部
と、希土類酸化物、酸化アルミニウム、窒化アルミニウ
ム、酸化マグネシウム、スピネル及び二酸化珪素のうち
から選択される一種又は二種以上の焼結助剤が3〜20
重量部と、周期律表第VIa族の金属、並びにその金属の
酸化物、珪化物及び焼成により珪化物となる化合物のう
ちから選択される一種又は二種以上の添加物が1〜20
重量部とからなる焼結体であることを特徴とする窒化珪
素ー窒化チタン系複合導電材料が提案されている。その
他、特開昭62−265177号公報、特開平2−43
699号公報、特開平3−29744号公報、特開平1
0ー87370号公報、特開2000ー154064号
公報等にも、窒化珪素をベースとする導電性セラミック
スが提案されている。
しては、特開昭62−87463号公報に記載されるよ
うに、窒化珪素30〜83wt%、元素周期律表の第IV
a族、第Va族及び(又は)第VIa族の遷移元素の酸化
物1〜3wt%と、酸化アルミニウム、酸化イットリウ
ム、酸化マグネシウム、及びスピネルから選ばれた1又
は2以上の酸化物焼結助剤1〜10wt%とを混合し、
焼結してなることを特徴とする窒化珪素系導電性セラミ
ックスが提案されている。また、特公平8−16030
号公報に記載されるように、窒化珪素及びチタンの混合
物が100重量部であって、その混合物のうち、窒化珪
素が50〜74重量部、窒化チタンが26〜50重量部
と、希土類酸化物、酸化アルミニウム、窒化アルミニウ
ム、酸化マグネシウム、スピネル及び二酸化珪素のうち
から選択される一種又は二種以上の焼結助剤が3〜20
重量部と、周期律表第VIa族の金属、並びにその金属の
酸化物、珪化物及び焼成により珪化物となる化合物のう
ちから選択される一種又は二種以上の添加物が1〜20
重量部とからなる焼結体であることを特徴とする窒化珪
素ー窒化チタン系複合導電材料が提案されている。その
他、特開昭62−265177号公報、特開平2−43
699号公報、特開平3−29744号公報、特開平1
0ー87370号公報、特開2000ー154064号
公報等にも、窒化珪素をベースとする導電性セラミック
スが提案されている。
【0012】しかしながら、上記のような導電性セラミ
ックスは、TiNやその他の導電性物質を母材に混合
し、焼結していることから、本来、軸受部材として使用
されている窒化珪素に比べて強度が低く、信頼性に乏し
いという問題がある。例えば、窒化珪素焼結体中に分散
されたTiN粒子は、母材である窒化珪素と熱膨張率、
ヤング率等が異なるため、焼結時や加工時、又は使用中
の繰り返し応力によって、内部の粒界に応力が発生し、
内部クラックを発生する場合がある。これら内部クラッ
クを有する転動体は、転がり軸受の作動に伴って、高い
応力が負荷されたり、取り扱いミス等で強い衝撃力が負
荷されたりした場合には、転動体が割損する可能性があ
る。また、母材に付与される導電物質は、母材に比較し
て高価な場合が多く、素材のコストを引き上げるという
問題もある。
ックスは、TiNやその他の導電性物質を母材に混合
し、焼結していることから、本来、軸受部材として使用
されている窒化珪素に比べて強度が低く、信頼性に乏し
いという問題がある。例えば、窒化珪素焼結体中に分散
されたTiN粒子は、母材である窒化珪素と熱膨張率、
ヤング率等が異なるため、焼結時や加工時、又は使用中
の繰り返し応力によって、内部の粒界に応力が発生し、
内部クラックを発生する場合がある。これら内部クラッ
クを有する転動体は、転がり軸受の作動に伴って、高い
応力が負荷されたり、取り扱いミス等で強い衝撃力が負
荷されたりした場合には、転動体が割損する可能性があ
る。また、母材に付与される導電物質は、母材に比較し
て高価な場合が多く、素材のコストを引き上げるという
問題もある。
【0013】また、非導電性のセラミックスの表面に導
電性の膜を物理的又は化学的にコーティングしたもので
は、金属に比較して、表面エネルギの高いセラミックス
材料にはこれらの膜が密着しにくい。特に、軸受の転動
体表面のような曲面に形成された膜は、軸受の回転によ
る繰り返し応力によって剥離し易く、軸受の許容荷重を
制限する。また、これらの方法では、表面に形成できる
導電膜の厚さが、最大でも1〜2μm程度と非常に薄
く、使用条件によっては転動体の摩耗によって部分的に
消失し、長期間の導電性維持が困難であるという問題が
ある。
電性の膜を物理的又は化学的にコーティングしたもので
は、金属に比較して、表面エネルギの高いセラミックス
材料にはこれらの膜が密着しにくい。特に、軸受の転動
体表面のような曲面に形成された膜は、軸受の回転によ
る繰り返し応力によって剥離し易く、軸受の許容荷重を
制限する。また、これらの方法では、表面に形成できる
導電膜の厚さが、最大でも1〜2μm程度と非常に薄
く、使用条件によっては転動体の摩耗によって部分的に
消失し、長期間の導電性維持が困難であるという問題が
ある。
【0014】また、セラミックスと金属との間にガラス
層や高融点金属等の中間層を形成し、セラミックス表面
に金属膜を形成する方法も提案されているが、金属膜表
面や母材界面での十分な強度が得られず、軸受用転動体
のように繰り返し応力が負荷されるような使用条件下で
は、長期間使用することが難しい。本発明は前記諸問題
を解決すべく開発されたものであり、セラミック軸受の
長期耐久性を維持しながら、軸受内・外輪間に導電性の
ある転がり軸受を提供することを目的とするものであ
る。
層や高融点金属等の中間層を形成し、セラミックス表面
に金属膜を形成する方法も提案されているが、金属膜表
面や母材界面での十分な強度が得られず、軸受用転動体
のように繰り返し応力が負荷されるような使用条件下で
は、長期間使用することが難しい。本発明は前記諸問題
を解決すべく開発されたものであり、セラミック軸受の
長期耐久性を維持しながら、軸受内・外輪間に導電性の
ある転がり軸受を提供することを目的とするものであ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】かかる諸問題を解決する
ために、本発明に係る転がり軸受は、外輪、内輪、転動
体の少なくとも一つが、窒化珪素を主成分とするセラミ
ック材料で構成されている転がり軸受において、前記セ
ラミック材料が、遷移金属の窒化物又は炭化物又は硼化
物又は酸化物の少なくとも一つを10重量%以上60重
量%以下含有することを特徴とするものである。
ために、本発明に係る転がり軸受は、外輪、内輪、転動
体の少なくとも一つが、窒化珪素を主成分とするセラミ
ック材料で構成されている転がり軸受において、前記セ
ラミック材料が、遷移金属の窒化物又は炭化物又は硼化
物又は酸化物の少なくとも一つを10重量%以上60重
量%以下含有することを特徴とするものである。
【0016】また、前記セラミック材料が窒化珪素であ
り、その結晶粒が幅5μm以下の柱状結晶粒によって構
成されていることが望ましい。また、前記セラミック材
料が、ジルコニア及びアルミナ若しくはこれら二つの複
合焼結体であることが望ましい。まず、外輪、内輪、転
動体の何れか一つがセラミック材料で構成される場合、
このセラミック材料が、遷移金属の窒化物又は炭化物又
は硼化物又は酸化物を10重量%以上含有することによ
り、セラミック材料に導電性を付与することができる。
これらの遷移金属としては、Ti、Zr、Mo、V、
W、Nb、Fe等が挙げられるが、特に好ましいのがT
iの窒化物、炭化物、Feの酸化物等である。また、マ
トリックスとなるセラミック材料として同系の化合物、
例えば窒化珪素に対しては前記遷移金属の窒化物、ジル
コニア、アルミナ等の酸化物系セラミックスに対しては
前記遷移金属の酸化物との組合せとすると、複合結晶相
となった場合に結晶粒界強度の向上が期待され望ましい
が、軸受部材として使用するために十分な強度を持てば
何れの組合せでもかまわない。ここで、軸受部材として
要求される強度限界としては、3点曲げ強度で600M
Pa以上、破壊靱性値で4MPa・m0.5 以上である。
り、その結晶粒が幅5μm以下の柱状結晶粒によって構
成されていることが望ましい。また、前記セラミック材
料が、ジルコニア及びアルミナ若しくはこれら二つの複
合焼結体であることが望ましい。まず、外輪、内輪、転
動体の何れか一つがセラミック材料で構成される場合、
このセラミック材料が、遷移金属の窒化物又は炭化物又
は硼化物又は酸化物を10重量%以上含有することによ
り、セラミック材料に導電性を付与することができる。
これらの遷移金属としては、Ti、Zr、Mo、V、
W、Nb、Fe等が挙げられるが、特に好ましいのがT
iの窒化物、炭化物、Feの酸化物等である。また、マ
トリックスとなるセラミック材料として同系の化合物、
例えば窒化珪素に対しては前記遷移金属の窒化物、ジル
コニア、アルミナ等の酸化物系セラミックスに対しては
前記遷移金属の酸化物との組合せとすると、複合結晶相
となった場合に結晶粒界強度の向上が期待され望ましい
が、軸受部材として使用するために十分な強度を持てば
何れの組合せでもかまわない。ここで、軸受部材として
要求される強度限界としては、3点曲げ強度で600M
Pa以上、破壊靱性値で4MPa・m0.5 以上である。
【0017】また、セラミックス素材に付与される導電
性としては、通常の窒化珪素材の10-14 Ω-1・cm-1
に比べて106 倍、即ち10-8Ω-1・cm-1以上であれ
ば、軸受が支持している帯電体(HDDの場合であれば
記録媒体ディスク)と非帯電体(HDDの場合であれば
記録ヘッド)間の電位が、絶縁層で放電が生じる絶縁破
壊電圧に達する前に、帯電体の電荷を、軸受を介して、
接地することができ、帯電体と非帯電体との間に放電を
生じることがない。これらの焼結体の導電率は、前記遷
移金属の窒化物、炭化物、硼化物、酸化物をセラミック
素材に10重量%以上複合、添加することで達成でき
る。しかしながら、酸化物など、セラミック素材に複合
させる導電化合物の固有導電率が低い場合などは、20
重量%以上添加することが望ましい。また、軸受の回転
時の抵抗変動を考慮すると、転動体の導電率としては1
0-5Ω-1・cm-1以上が好ましく、この場合は各化合物
共に20重量%以上添加するのが望ましい。
性としては、通常の窒化珪素材の10-14 Ω-1・cm-1
に比べて106 倍、即ち10-8Ω-1・cm-1以上であれ
ば、軸受が支持している帯電体(HDDの場合であれば
記録媒体ディスク)と非帯電体(HDDの場合であれば
記録ヘッド)間の電位が、絶縁層で放電が生じる絶縁破
壊電圧に達する前に、帯電体の電荷を、軸受を介して、
接地することができ、帯電体と非帯電体との間に放電を
生じることがない。これらの焼結体の導電率は、前記遷
移金属の窒化物、炭化物、硼化物、酸化物をセラミック
素材に10重量%以上複合、添加することで達成でき
る。しかしながら、酸化物など、セラミック素材に複合
させる導電化合物の固有導電率が低い場合などは、20
重量%以上添加することが望ましい。また、軸受の回転
時の抵抗変動を考慮すると、転動体の導電率としては1
0-5Ω-1・cm-1以上が好ましく、この場合は各化合物
共に20重量%以上添加するのが望ましい。
【0018】しかしながら、添加量が60重量%を超え
ると、焼結体が遷移金属化合物によって脆化し、セラミ
ック素材本来の機械的強度を損なうため、軸受部材とし
て用いた場合、上記の要求強度を満足できず、軸受許容
荷重を著しく低下させると共に、金属部材と組合せて使
用する場合に、添加された遷移金属化合物が相手の金属
材料を攻撃し、面荒れを生じやすくなる場合がある。そ
して、これらの問題により、転動寿命が制限される。従
って、前記導電成分の添加量は10重量%以上、60重
量%以下としている。更に、素材の強度ー導電性の両方
の利得を得られるバランスを考えると、20重量%以上
50重量%以下が好ましい。
ると、焼結体が遷移金属化合物によって脆化し、セラミ
ック素材本来の機械的強度を損なうため、軸受部材とし
て用いた場合、上記の要求強度を満足できず、軸受許容
荷重を著しく低下させると共に、金属部材と組合せて使
用する場合に、添加された遷移金属化合物が相手の金属
材料を攻撃し、面荒れを生じやすくなる場合がある。そ
して、これらの問題により、転動寿命が制限される。従
って、前記導電成分の添加量は10重量%以上、60重
量%以下としている。更に、素材の強度ー導電性の両方
の利得を得られるバランスを考えると、20重量%以上
50重量%以下が好ましい。
【0019】また、窒化珪素が母相となる場合には、結
晶粒の95%以上が幅5μm以下、好ましくは幅3μm
以下の柱状結晶粒によって構成されることで、窒化珪素
の特徴である柱状晶の絡み合いによる破壊靱性値向上効
果が促進される。こればかりでなく、母相である窒化珪
素結晶粒の幅を5μm以下、好ましくは3μm以下とす
ることで、粒界に存在する導電成分の結晶成長を抑える
ことができ、軸受用部材に要求される緻密な組織を得る
ことができる。一方、部分的に粗大化した結晶粒が混在
すると、その部分が導電成分の凝集を引き起こし、応力
集中源となって軸受損傷の起点となり得る。このため、
導電成分の平均粒径を5μm以下、好ましくは2μm以
下に抑え、破壊靱性を安定して向上を図る。
晶粒の95%以上が幅5μm以下、好ましくは幅3μm
以下の柱状結晶粒によって構成されることで、窒化珪素
の特徴である柱状晶の絡み合いによる破壊靱性値向上効
果が促進される。こればかりでなく、母相である窒化珪
素結晶粒の幅を5μm以下、好ましくは3μm以下とす
ることで、粒界に存在する導電成分の結晶成長を抑える
ことができ、軸受用部材に要求される緻密な組織を得る
ことができる。一方、部分的に粗大化した結晶粒が混在
すると、その部分が導電成分の凝集を引き起こし、応力
集中源となって軸受損傷の起点となり得る。このため、
導電成分の平均粒径を5μm以下、好ましくは2μm以
下に抑え、破壊靱性を安定して向上を図る。
【0020】また、ジルコニアを母相とする場合、源材
料には、カルシア(CaO)、イットリア(Y
2 O3 )、マグネシア(MgO)、セリア(CeO)等
の安定化剤が添加され、高温相である立方晶若しくは正
方晶を常温で60%以上とした部分安定化ジルコニア、
立方晶安定化ジルコニア、正方晶安定化ジルコニアなど
が用いられるが、回転中の温度上昇によって機械的強度
を維持するためには立方晶安定化ジルコニア、正方晶安
定化ジルコニアなどの完全安定化ジルコニアが望まし
い。また、更にジルコニアにアルミナを複合させること
により、更にジルコニアの結晶安定性を向上させること
ができる。この場合にも、母相に添加される導電成分と
しては平均粒径を5μm以下とし、好ましくは2μm以
下とする。
料には、カルシア(CaO)、イットリア(Y
2 O3 )、マグネシア(MgO)、セリア(CeO)等
の安定化剤が添加され、高温相である立方晶若しくは正
方晶を常温で60%以上とした部分安定化ジルコニア、
立方晶安定化ジルコニア、正方晶安定化ジルコニアなど
が用いられるが、回転中の温度上昇によって機械的強度
を維持するためには立方晶安定化ジルコニア、正方晶安
定化ジルコニアなどの完全安定化ジルコニアが望まし
い。また、更にジルコニアにアルミナを複合させること
により、更にジルコニアの結晶安定性を向上させること
ができる。この場合にも、母相に添加される導電成分と
しては平均粒径を5μm以下とし、好ましくは2μm以
下とする。
【0021】これらの組織制御により、軸受部材の寿命
要因の一つである表面剥離を抑制でき、また導電成分に
よる金属部材への凝着や摩耗促進効果等の表面損傷の誘
発を防ぐことができる。従って、これらの導電性セラミ
ックスを軸受構成部材として用いることにより、従来の
セラミック材料と同様に、耐久寿命を保証しながら、軸
受の音響上昇を効果的に抑制することができる。また、
窒化珪素に含まれる助材には、Y2 O3やYb2 O3 、
CeO等の希土類酸化物の他、MgO、ZrO2 、Ca
O、Al 2 O3 等を使用できるが、これらの1種類又は
2種類以上を合計で3〜10重量%以上含有させるのが
よい。助材成分が3重量%以下になると、母材の焼結性
が劣化し、焼結体強度が得られなくなる場合がある。
要因の一つである表面剥離を抑制でき、また導電成分に
よる金属部材への凝着や摩耗促進効果等の表面損傷の誘
発を防ぐことができる。従って、これらの導電性セラミ
ックスを軸受構成部材として用いることにより、従来の
セラミック材料と同様に、耐久寿命を保証しながら、軸
受の音響上昇を効果的に抑制することができる。また、
窒化珪素に含まれる助材には、Y2 O3やYb2 O3 、
CeO等の希土類酸化物の他、MgO、ZrO2 、Ca
O、Al 2 O3 等を使用できるが、これらの1種類又は
2種類以上を合計で3〜10重量%以上含有させるのが
よい。助材成分が3重量%以下になると、母材の焼結性
が劣化し、焼結体強度が得られなくなる場合がある。
【0022】また、セラミック材料を成形する場合に
は、ラバープレス、金型成形、射出成形、造粒法等が用
いられるが、転動体として用いる場合には、一次成形体
密度を得るために転動造粒法が望ましい。また、焼結方
法は常圧焼結の他、ガス圧焼結、等方静水圧焼結(HI
P焼結)の何れでもよいが、焼結体強度を得るために
は、ガス圧焼結、HIP焼結等の加圧焼結が好ましい。
は、ラバープレス、金型成形、射出成形、造粒法等が用
いられるが、転動体として用いる場合には、一次成形体
密度を得るために転動造粒法が望ましい。また、焼結方
法は常圧焼結の他、ガス圧焼結、等方静水圧焼結(HI
P焼結)の何れでもよいが、焼結体強度を得るために
は、ガス圧焼結、HIP焼結等の加圧焼結が好ましい。
【0023】また、通常、セラミックス焼結体の製造
は、粉末調整、成形、一次焼結(仮焼)、二次焼結の四
つの代表的な工程によるが、前記従来の導電性セラミッ
クス材料は、粉末調整時に導電成分と母材成分とを混合
して成形し、その後、焼結している。ここで、導電成分
の結晶と、母材成分の結晶とは、焼結時の結晶粒成長速
度や、熱膨張率、弾性率等が異なるため、特に素材の焼
結時に内部応力が発生し、内部欠陥を誘発させる原因と
なる。本発明では、導電性セラミックス材料を軸受構成
部材として使用する場合の問題が、こうした焼結時の導
電成分結晶と母材成分結晶の特性の違いによる内部応力
発生にあることに着眼した。特に、焼結体の深部での応
力は焼結後に解放されにくいため、焼結体の強度に大き
く影響しているという見地の下に素材の改良を実施し
た。
は、粉末調整、成形、一次焼結(仮焼)、二次焼結の四
つの代表的な工程によるが、前記従来の導電性セラミッ
クス材料は、粉末調整時に導電成分と母材成分とを混合
して成形し、その後、焼結している。ここで、導電成分
の結晶と、母材成分の結晶とは、焼結時の結晶粒成長速
度や、熱膨張率、弾性率等が異なるため、特に素材の焼
結時に内部応力が発生し、内部欠陥を誘発させる原因と
なる。本発明では、導電性セラミックス材料を軸受構成
部材として使用する場合の問題が、こうした焼結時の導
電成分結晶と母材成分結晶の特性の違いによる内部応力
発生にあることに着眼した。特に、焼結体の深部での応
力は焼結後に解放されにくいため、焼結体の強度に大き
く影響しているという見地の下に素材の改良を実施し
た。
【0024】従って、本発明の転がり軸受では、前記遷
移金属の窒化物又は炭化物又は硼化物又は酸化物の少な
くとも一つを含み、同一焼結体として転動体を構成し、
前記含有物質を表面に20wt%以上、70wt%以下
含有し、転動体中心部での前記含有物質の含有率が表面
部での含有率以下であることが望ましく、更に望ましく
は、窒化珪素を母相とし、TiNを導電成分とすること
が望ましい。即ち、焼結体中に含まれる導電成分の含有
を表面相に集中させることにより、表面部での導電性を
確保しながら、応力が蓄積しやすく且つ強度の低い焼結
体内部において、内部応力の発生を軽減することができ
る。従って、導電性を維持しながら、強度が高く、信頼
性に富んだ転動体を得ることができる。
移金属の窒化物又は炭化物又は硼化物又は酸化物の少な
くとも一つを含み、同一焼結体として転動体を構成し、
前記含有物質を表面に20wt%以上、70wt%以下
含有し、転動体中心部での前記含有物質の含有率が表面
部での含有率以下であることが望ましく、更に望ましく
は、窒化珪素を母相とし、TiNを導電成分とすること
が望ましい。即ち、焼結体中に含まれる導電成分の含有
を表面相に集中させることにより、表面部での導電性を
確保しながら、応力が蓄積しやすく且つ強度の低い焼結
体内部において、内部応力の発生を軽減することができ
る。従って、導電性を維持しながら、強度が高く、信頼
性に富んだ転動体を得ることができる。
【0025】また、このとき、導電成分の表面の含有量
が20wt%以上であれば、転動面での導電性を確保で
きる。前述のように、素材の導電率が窒化珪素の導電率
の106 倍、即ち10-8Ω-1・cm-1以上であれば、帯電
体の電荷を軸受を介して接地することができる。ここ
で、転動体表面の導電成分の含有量が20wt%未満と
なると、表面での導電経路が少なくなり、十分な導電性
を確保できなくなる。これに対して、表面の導電成分の
含有量が70wt%を超えると、導電性は確保できる
が、導電成分の影響で相手部材を傷つけたり、表層部が
脆化して、素材自体が損傷し易くなる。
が20wt%以上であれば、転動面での導電性を確保で
きる。前述のように、素材の導電率が窒化珪素の導電率
の106 倍、即ち10-8Ω-1・cm-1以上であれば、帯電
体の電荷を軸受を介して接地することができる。ここ
で、転動体表面の導電成分の含有量が20wt%未満と
なると、表面での導電経路が少なくなり、十分な導電性
を確保できなくなる。これに対して、表面の導電成分の
含有量が70wt%を超えると、導電性は確保できる
が、導電成分の影響で相手部材を傷つけたり、表層部が
脆化して、素材自体が損傷し易くなる。
【0026】また、素材中心部の導電成分含有率を表面
の含有率以下とすることにより、前述のような内部応力
の発生やクラックの発生を効果的に抑制し、転動体強度
を向上することができる。このとき、内部に導電成分を
含まない構成にすることが好ましい。また、このとき、
導電成分を含有した層の厚さを転動体径の0.2%以上
とすることにより、回転中に転動体表面が部分的に摩耗
した場合でも、軸受自体の導電性を維持することがで
き、長期間安定した導電性を確保できる。ここで、最も
好ましいのは、母相中で成分相が連続的な傾斜組成とな
っていることであるが、導電層の厚さの20%程度の傾
斜組成層を有するように調整されていると、焼結体内部
及び界面での応力発生を効果的に抑制できる。このと
き、界面幅が導電層厚さの20%以下であると、界面が
明確に生成され、導電層の界面強度が低下する場合があ
る。
の含有率以下とすることにより、前述のような内部応力
の発生やクラックの発生を効果的に抑制し、転動体強度
を向上することができる。このとき、内部に導電成分を
含まない構成にすることが好ましい。また、このとき、
導電成分を含有した層の厚さを転動体径の0.2%以上
とすることにより、回転中に転動体表面が部分的に摩耗
した場合でも、軸受自体の導電性を維持することがで
き、長期間安定した導電性を確保できる。ここで、最も
好ましいのは、母相中で成分相が連続的な傾斜組成とな
っていることであるが、導電層の厚さの20%程度の傾
斜組成層を有するように調整されていると、焼結体内部
及び界面での応力発生を効果的に抑制できる。このと
き、界面幅が導電層厚さの20%以下であると、界面が
明確に生成され、導電層の界面強度が低下する場合があ
る。
【0027】また、前述のような焼結体は、例えば造粒
成形法による球体成形を応用することによって得られ
る。これら造粒成形による軸受用球体については、例え
ば特開平11−62975号公報や特開2000−18
5976号公報に記載されるように、振動又は回転する
容器内にて焼結体素地粉末上で成形核体を転がしなが
ら、その成形核体の周囲に成形用素地粉末を球場に付着
・凝集させて球状成形体を得る方法である。そして、前
述のような傾斜組成を有する球体を得る場合には、上記
行程中に、成形核体に付着・凝集する焼結体素地粉末の
組成を、成形核体の成長に合わせて変更すればよい。例
えば、導電成分を含まない素地粉末中で、成形核体を完
成品の80%程度まで作成し、その後、導電成分を含む
焼結体素地粉末内に、前記成形核体を移し、最終的なサ
イズまで造粒成形すると、内部にTiN層の傾斜組成を
有する球状焼結体を得ることができる。こうして作成さ
れた焼結体は、素地成分を変更したときに素地粉末の混
合層が形成され、厚い傾斜組成層が形成される他、導電
成分層自体も厚くすることができる。これを仕上加工す
ることによって、強度が高く、長期信頼性に優れた導電
性を有する転がり軸受用転動体とすることができる。
成形法による球体成形を応用することによって得られ
る。これら造粒成形による軸受用球体については、例え
ば特開平11−62975号公報や特開2000−18
5976号公報に記載されるように、振動又は回転する
容器内にて焼結体素地粉末上で成形核体を転がしなが
ら、その成形核体の周囲に成形用素地粉末を球場に付着
・凝集させて球状成形体を得る方法である。そして、前
述のような傾斜組成を有する球体を得る場合には、上記
行程中に、成形核体に付着・凝集する焼結体素地粉末の
組成を、成形核体の成長に合わせて変更すればよい。例
えば、導電成分を含まない素地粉末中で、成形核体を完
成品の80%程度まで作成し、その後、導電成分を含む
焼結体素地粉末内に、前記成形核体を移し、最終的なサ
イズまで造粒成形すると、内部にTiN層の傾斜組成を
有する球状焼結体を得ることができる。こうして作成さ
れた焼結体は、素地成分を変更したときに素地粉末の混
合層が形成され、厚い傾斜組成層が形成される他、導電
成分層自体も厚くすることができる。これを仕上加工す
ることによって、強度が高く、長期信頼性に優れた導電
性を有する転がり軸受用転動体とすることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。図1は本実施形態の転がり軸受の断面図で
ある。この転がり軸受は、外輪1、内輪2、転動体3、
保持器4、及びシール5から構成される、呼び番号69
5(内径6mm、外径13mm、幅4mm)の玉軸受で
ある。このうち、外輪1及び内輪2は軸受鋼であり、転
動体3が導電性セラミックスで構成されている。外輪1
や内輪2を構成する材料としては、耐熱性のよいステン
レス鋼等を用いることができるが、後述するTiNから
受ける損傷を軽減するために、浸炭窒化などの表面硬化
処理を施すとよい。また、保持器4はナイロン系の王冠
型保持器を用いたが、これはプレス型の保持器でも、揉
み抜き型の保持器でもよい。また、保持器4の材質も、
鋼製を始め、ポリアミド、ポリアセタール、フェノー
ル、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイド等の
合成樹脂をガラス繊維で強化したものでもよい。また、
テフロン(登録商標)、MoS2 、WS2 、グラファイ
ト等、潤滑剤を添加して潤滑性を付与したものでもよ
い。
て説明する。図1は本実施形態の転がり軸受の断面図で
ある。この転がり軸受は、外輪1、内輪2、転動体3、
保持器4、及びシール5から構成される、呼び番号69
5(内径6mm、外径13mm、幅4mm)の玉軸受で
ある。このうち、外輪1及び内輪2は軸受鋼であり、転
動体3が導電性セラミックスで構成されている。外輪1
や内輪2を構成する材料としては、耐熱性のよいステン
レス鋼等を用いることができるが、後述するTiNから
受ける損傷を軽減するために、浸炭窒化などの表面硬化
処理を施すとよい。また、保持器4はナイロン系の王冠
型保持器を用いたが、これはプレス型の保持器でも、揉
み抜き型の保持器でもよい。また、保持器4の材質も、
鋼製を始め、ポリアミド、ポリアセタール、フェノー
ル、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイド等の
合成樹脂をガラス繊維で強化したものでもよい。また、
テフロン(登録商標)、MoS2 、WS2 、グラファイ
ト等、潤滑剤を添加して潤滑性を付与したものでもよ
い。
【0029】前記転動体3に用いる導電性セラミックス
としては、Al3 O2 、Y2 O3 系の焼結助材を合計8
重量%添加した窒化珪素に、導電成分としてTiNを0
〜80重量%まで添加して、本発明に係る実施例及び比
較例の転がり軸受用転動体を形成した。このとき、母相
となる窒化珪素の結晶粒を幅5μm以下とした素材A
と、意図的に幅5μmを超えるサイズに粗大化した結晶
粒を混在させた素材Bを作成した。結晶粒サイズの評価
は、セラミックの破断面を走査型電子顕微鏡により30
mm2 以上の被検面積で観察し、5000倍の最悪視野
(18μm×22μm)を抽出して行った。前記素材A
は、前記最悪視野中での幅5μmを超える柱状結晶が全
体の結晶粒の5%以下であり、素材Bは、幅5μmを超
える結晶粒が全体の5%を超えて存在している。これら
のセラミック材料は、転動造粒法により一次成形され、
加圧焼結して作成された。一次成型方法としては、転動
造粒法の他に、ラバープレス、金型プレス、射出成形等
でもかまわない。また、焼結方法も常圧焼結でもかまわ
ないが、焼結体の信頼性、及び完成球表面に露出する焼
結体空孔密度を考慮すると加圧焼結が望ましい。今回の
試作材では、転動体表面に露出した焼結体空孔密度は全
体の1%以下としたが、軸受の精度要求レベルによって
は0.5%以下が望ましい。また、完成転動体の精度は
JISにより規定されたボールグレードでG20以上の
高精度を有するものを用いたが、HDDスピンドルなど
厳しい回転制度が要求される用途に関してはG3以上の
構成を有するものが望ましい。
としては、Al3 O2 、Y2 O3 系の焼結助材を合計8
重量%添加した窒化珪素に、導電成分としてTiNを0
〜80重量%まで添加して、本発明に係る実施例及び比
較例の転がり軸受用転動体を形成した。このとき、母相
となる窒化珪素の結晶粒を幅5μm以下とした素材A
と、意図的に幅5μmを超えるサイズに粗大化した結晶
粒を混在させた素材Bを作成した。結晶粒サイズの評価
は、セラミックの破断面を走査型電子顕微鏡により30
mm2 以上の被検面積で観察し、5000倍の最悪視野
(18μm×22μm)を抽出して行った。前記素材A
は、前記最悪視野中での幅5μmを超える柱状結晶が全
体の結晶粒の5%以下であり、素材Bは、幅5μmを超
える結晶粒が全体の5%を超えて存在している。これら
のセラミック材料は、転動造粒法により一次成形され、
加圧焼結して作成された。一次成型方法としては、転動
造粒法の他に、ラバープレス、金型プレス、射出成形等
でもかまわない。また、焼結方法も常圧焼結でもかまわ
ないが、焼結体の信頼性、及び完成球表面に露出する焼
結体空孔密度を考慮すると加圧焼結が望ましい。今回の
試作材では、転動体表面に露出した焼結体空孔密度は全
体の1%以下としたが、軸受の精度要求レベルによって
は0.5%以下が望ましい。また、完成転動体の精度は
JISにより規定されたボールグレードでG20以上の
高精度を有するものを用いたが、HDDスピンドルなど
厳しい回転制度が要求される用途に関してはG3以上の
構成を有するものが望ましい。
【0030】また、同様にジルコニアをマトリックスと
した導電性セラミック素材として、ジルコニア/Ti
N、ジルコニア/TiC、ジルコニア/Ti硼化物、ジ
ルコニア/酸化物を用いることもできる。夫々作成した
試料を表1にまとめる。表中の軸受導電率は導電性化合
物の添加していない窒化珪素転動体を軸受に組み込んだ
場合の軸受導電率を1として標準化している。各導電率
は軸受を静止させた状態で測定した。実施例1〜8は、
何れも、前述した本発明の転がり軸受の推奨値を満足し
ている。これに対し、比較例1〜5は、何れもTiN添
加量が、前記本発明の転がり軸受の推奨値を満足してい
ない。また、比較例5は、前記本発明の転がり軸受の母
相素材、つまり窒化珪素の結晶粒の幅について、前記本
発明の転がり軸受の推奨値を満足していない。
した導電性セラミック素材として、ジルコニア/Ti
N、ジルコニア/TiC、ジルコニア/Ti硼化物、ジ
ルコニア/酸化物を用いることもできる。夫々作成した
試料を表1にまとめる。表中の軸受導電率は導電性化合
物の添加していない窒化珪素転動体を軸受に組み込んだ
場合の軸受導電率を1として標準化している。各導電率
は軸受を静止させた状態で測定した。実施例1〜8は、
何れも、前述した本発明の転がり軸受の推奨値を満足し
ている。これに対し、比較例1〜5は、何れもTiN添
加量が、前記本発明の転がり軸受の推奨値を満足してい
ない。また、比較例5は、前記本発明の転がり軸受の母
相素材、つまり窒化珪素の結晶粒の幅について、前記本
発明の転がり軸受の推奨値を満足していない。
【0031】
【表1】
【0032】これらの転動体からなる前記実施例及び比
較例の玉軸受を、図2に示す軸受回転装置によって試験
した。図中の符号10はモータ、11は主軸を支持する
ためのスピンドルユニットである。シャフト9は、カッ
プリング12によってモータ10、スピンドルユニット
11とは電気的に絶縁されている。試験軸受17を取付
けるユニット8は、硬質樹脂製のハウジング14によっ
て固定され、電極13が外輪1に接触している。また、
シャフト9の突出端部にはブラシ電極15が取付けられ
ている。そして、前記電極13及びブラシ電極15間に
定電流を流し、内・外輪間の電位差を測定することによ
り、軸受17の回転中の電気抵抗を測定することができ
る。また、前記ハウジング14には、振動ピックアップ
16が取付けられており、同時に軸受振動を測定するこ
とが可能である。
較例の玉軸受を、図2に示す軸受回転装置によって試験
した。図中の符号10はモータ、11は主軸を支持する
ためのスピンドルユニットである。シャフト9は、カッ
プリング12によってモータ10、スピンドルユニット
11とは電気的に絶縁されている。試験軸受17を取付
けるユニット8は、硬質樹脂製のハウジング14によっ
て固定され、電極13が外輪1に接触している。また、
シャフト9の突出端部にはブラシ電極15が取付けられ
ている。そして、前記電極13及びブラシ電極15間に
定電流を流し、内・外輪間の電位差を測定することによ
り、軸受17の回転中の電気抵抗を測定することができ
る。また、前記ハウジング14には、振動ピックアップ
16が取付けられており、同時に軸受振動を測定するこ
とが可能である。
【0033】二つの試験軸受17の間には予圧バネ7を
介装してアキシャル荷重を負荷してある。このアキシャ
ル荷重は、転動体と外・内輪軌道面との最大接触面圧が
2GPaとなるように設定した。回転数は1000rp
m、常温雰囲気とした。グリースはエステル系のベース
オイルトリチウム石鹸系の増ちょう剤により構成されて
おり、軸受への封入量は、軸受空間容積の20%以下と
した。
介装してアキシャル荷重を負荷してある。このアキシャ
ル荷重は、転動体と外・内輪軌道面との最大接触面圧が
2GPaとなるように設定した。回転数は1000rp
m、常温雰囲気とした。グリースはエステル系のベース
オイルトリチウム石鹸系の増ちょう剤により構成されて
おり、軸受への封入量は、軸受空間容積の20%以下と
した。
【0034】電気抵抗値は回転開始から5分後に測定
し、30秒間の測定値の平均値を評価値とした。また、
軸受回転性能は、初期振動値と300時間回転後の振動
値の比(振動増加率)を求めて評価した。振動値は、前
記軸受試験装置のハウジング14に取付けたピックアッ
プ16によって軸受回転中に測定し、何れも30秒間の
平均値とした。
し、30秒間の測定値の平均値を評価値とした。また、
軸受回転性能は、初期振動値と300時間回転後の振動
値の比(振動増加率)を求めて評価した。振動値は、前
記軸受試験装置のハウジング14に取付けたピックアッ
プ16によって軸受回転中に測定し、何れも30秒間の
平均値とした。
【0035】図3に、母相が前記素材Aからなる導電性
セラミック材料を転動体として用いた軸受寿命と電気抵
抗値の評価結果を示す。振動増加率は、同時に試験した
比較例1(TiN無添加)の値を1として、標準化し
た。また、測定した電気抵抗値の逆数を導電率と定義
し、こちらも比較例1の導電率を1として、標準化し
た。TiN添加量が60重量%を超えると、素材強度が
低下すること、並びにTiNが外・内輪材料に対して及
ぼす摩耗促進効果や引っ掻きにより振動値が著しく増加
した。また、軸受の導電率は、TiN添加量が10重量
%以上で急激に増加した。
セラミック材料を転動体として用いた軸受寿命と電気抵
抗値の評価結果を示す。振動増加率は、同時に試験した
比較例1(TiN無添加)の値を1として、標準化し
た。また、測定した電気抵抗値の逆数を導電率と定義
し、こちらも比較例1の導電率を1として、標準化し
た。TiN添加量が60重量%を超えると、素材強度が
低下すること、並びにTiNが外・内輪材料に対して及
ぼす摩耗促進効果や引っ掻きにより振動値が著しく増加
した。また、軸受の導電率は、TiN添加量が10重量
%以上で急激に増加した。
【0036】また、前記素材Aと素材Bの比較として、
TiN添加量が40重量%の動転製セラミック製転動体
を組込んだ軸受の回転試験の結果を図4に示す。評価方
法は前記と同様であるが、試験回数は各5組ずつ行っ
た。この結果から、マトリックスである窒化珪素の結晶
粒が幅5μm以下の柱状結晶粒によって構成される素材
Aは、振動増加率の分布も小さく、平均値も、比較例1
に上げた窒化珪素材と同レベルである。これに対し、異
常成長した幅5μmを超える結晶粒を含む素材Bでは、
振動増加率の分布が広く、平均値も高いことが分かる。
TiN添加量が40重量%の動転製セラミック製転動体
を組込んだ軸受の回転試験の結果を図4に示す。評価方
法は前記と同様であるが、試験回数は各5組ずつ行っ
た。この結果から、マトリックスである窒化珪素の結晶
粒が幅5μm以下の柱状結晶粒によって構成される素材
Aは、振動増加率の分布も小さく、平均値も、比較例1
に上げた窒化珪素材と同レベルである。これに対し、異
常成長した幅5μmを超える結晶粒を含む素材Bでは、
振動増加率の分布が広く、平均値も高いことが分かる。
【0037】次に、本発明の第2実施形態について説明
する。この実施形態も、前記第1実施形態の図1に示す
ものと同様に、玉軸受であるが、呼び番号が6001に
変更されている。また、外輪1や内輪2は前記第1実施
形態と同様のマルテンサイト系ステンレス鋼であるが、
保持器4は含フッ素樹脂で構成された冠型保持器であ
り、転動体3は導電性セラミックス転動体である。ま
た、外輪及び内輪を構成する材料は、ステンレス鋼に限
定されるものではなく、使用用途に応じて、SUJ2等
の軸受鋼、M50、SKH等の耐熱鋼や、軸受に使用さ
れるあらゆる金属材料が適用できる。また、保持器も冠
型である必要はなく、波形のプレス保持器や、揉み抜き
型保持器等、あらゆる転がり軸受用保持器が使用でき
る。また、総玉軸受など、保持器を使用しない場合でも
適用可能である。
する。この実施形態も、前記第1実施形態の図1に示す
ものと同様に、玉軸受であるが、呼び番号が6001に
変更されている。また、外輪1や内輪2は前記第1実施
形態と同様のマルテンサイト系ステンレス鋼であるが、
保持器4は含フッ素樹脂で構成された冠型保持器であ
り、転動体3は導電性セラミックス転動体である。ま
た、外輪及び内輪を構成する材料は、ステンレス鋼に限
定されるものではなく、使用用途に応じて、SUJ2等
の軸受鋼、M50、SKH等の耐熱鋼や、軸受に使用さ
れるあらゆる金属材料が適用できる。また、保持器も冠
型である必要はなく、波形のプレス保持器や、揉み抜き
型保持器等、あらゆる転がり軸受用保持器が使用でき
る。また、総玉軸受など、保持器を使用しない場合でも
適用可能である。
【0038】この転動体3は、図5に示すように、転動
体表面の導電性を確保するための導電成分を含んだ表面
層21と、転動体強度を確保するための中心層23と、
その中間で両者の組成変化を連続的につなぐ傾斜組成層
22とを備えている。ちなみに、仕上加工後の転動体径
はφ4.765mmである。前記転動体3を構成するセ
ラミックス素材としては、母材に窒化珪素、導電成分と
してTiNを用いた。母材である窒化珪素は、Al2 O
3 、MgO、CeO又はSiO2 等の金属酸化物と、Y
2 O3 、Yb2 O3 、La2 O3 等の希土類酸化物の中
から夫々少なくとも一種類以上を組合せた焼結助剤を、
窒化珪素成分全体の5wt%〜20wt%の範囲で添加
されたものを用いることができる。このとき、結晶粒は
幅2μm以下、長さ4μm以上の柱状形状を有するβ型
窒化珪素結晶粒が窒化珪素結晶粒全体の90%以上を構
成するようにすると、強度的に好ましい。また、導電成
分として添加されるTiNは、結晶体内の平均粒度が3
μm以下となるように構成されるのが強度的に好まし
い。
体表面の導電性を確保するための導電成分を含んだ表面
層21と、転動体強度を確保するための中心層23と、
その中間で両者の組成変化を連続的につなぐ傾斜組成層
22とを備えている。ちなみに、仕上加工後の転動体径
はφ4.765mmである。前記転動体3を構成するセ
ラミックス素材としては、母材に窒化珪素、導電成分と
してTiNを用いた。母材である窒化珪素は、Al2 O
3 、MgO、CeO又はSiO2 等の金属酸化物と、Y
2 O3 、Yb2 O3 、La2 O3 等の希土類酸化物の中
から夫々少なくとも一種類以上を組合せた焼結助剤を、
窒化珪素成分全体の5wt%〜20wt%の範囲で添加
されたものを用いることができる。このとき、結晶粒は
幅2μm以下、長さ4μm以上の柱状形状を有するβ型
窒化珪素結晶粒が窒化珪素結晶粒全体の90%以上を構
成するようにすると、強度的に好ましい。また、導電成
分として添加されるTiNは、結晶体内の平均粒度が3
μm以下となるように構成されるのが強度的に好まし
い。
【0039】本実施形態で母材として使用できる素材
は、前記窒化珪素の他に、ジルコニアやアルミナ等が挙
げられる。また、導電成分としては、TiN、NbN等
の遷移金属窒化物の他に、TiC、WC、TaC、Zr
C、NbC等の炭化物、Fe3O4 、FeO、TiO、
NbO等の酸化物、TiB2 、ZrB2 等の硼化物、C
r3 Si、MoSi2 、NbSi2 、SiTi等の珪化
物も使用できる。具体的な構成としては、TiN/Si
3 N4 、TiC/Si3 N4 、TiN/サイアロン、T
iC/サイアロン、TiB2 /サイアロン、ZrB2 /
サイアロン、TiN/ZrO2 、NbC/ZrO2 、W
C/ZrO2 、TiC/ZrO2 、TiC/Al2 O3
等が例示されるが、これに限らず様々な組合せが選択で
きる。
は、前記窒化珪素の他に、ジルコニアやアルミナ等が挙
げられる。また、導電成分としては、TiN、NbN等
の遷移金属窒化物の他に、TiC、WC、TaC、Zr
C、NbC等の炭化物、Fe3O4 、FeO、TiO、
NbO等の酸化物、TiB2 、ZrB2 等の硼化物、C
r3 Si、MoSi2 、NbSi2 、SiTi等の珪化
物も使用できる。具体的な構成としては、TiN/Si
3 N4 、TiC/Si3 N4 、TiN/サイアロン、T
iC/サイアロン、TiB2 /サイアロン、ZrB2 /
サイアロン、TiN/ZrO2 、NbC/ZrO2 、W
C/ZrO2 、TiC/ZrO2 、TiC/Al2 O3
等が例示されるが、これに限らず様々な組合せが選択で
きる。
【0040】作成した試料を表2にまとめる。実施例1
1〜16は、何れも前述した推奨範囲内の転動体であ
る。また、比較例11は、導電成分を含まない窒化珪素
球である。また、比較例12は、内部まで均一に電動成
分を有する導電性セラミックス転動体の例である。ま
た、比較例13及び比較例14は、表面部でのTiN含
有量が前記推奨範囲から外れている。また、比較例15
は、導電成分を含有しない焼結体の表面に導電性被膜を
イオンプレーティングによって成膜したものである。
1〜16は、何れも前述した推奨範囲内の転動体であ
る。また、比較例11は、導電成分を含まない窒化珪素
球である。また、比較例12は、内部まで均一に電動成
分を有する導電性セラミックス転動体の例である。ま
た、比較例13及び比較例14は、表面部でのTiN含
有量が前記推奨範囲から外れている。また、比較例15
は、導電成分を含有しない焼結体の表面に導電性被膜を
イオンプレーティングによって成膜したものである。
【0041】
【表2】
【0042】これら実施例及び比較例について、まず強
度を比較するために、図6に示すような球体圧砕試験機
によって圧砕試験を行った。この圧砕試験では、円筒状
のハウジング31内に二つの転動体3を入れ、ポンチ3
2で上下方向から荷重を加え、転動体が破壊するまでの
許容荷重を測定した。また、表面の導電層強度を測定す
るため、図7に示すような四球試験機により摩擦試験を
行った。この摩擦試験では、カップ41の底に三つの転
動体3を入れ、それらの上に一つの転動体3を載せ、こ
の上に載せた転動体3を軸42で固定しながら回転させ
る。前記カップ41及び軸42には、夫々、電極43、
44が取付けられており、試験中の転動体同志の導電率
を測定できるようになっている。試験は、粘度2mm2
/sの合成炭化水素系の潤滑油中で行い、転動体間での
最大接触面圧3GPa、回転数5000rpmで回転
し、転動体表面が損傷して転動体間の導電性がなくなる
までの時間を導電寿命とした。試験は、比較例15の導
電寿命の十倍の時間で打ち切った。
度を比較するために、図6に示すような球体圧砕試験機
によって圧砕試験を行った。この圧砕試験では、円筒状
のハウジング31内に二つの転動体3を入れ、ポンチ3
2で上下方向から荷重を加え、転動体が破壊するまでの
許容荷重を測定した。また、表面の導電層強度を測定す
るため、図7に示すような四球試験機により摩擦試験を
行った。この摩擦試験では、カップ41の底に三つの転
動体3を入れ、それらの上に一つの転動体3を載せ、こ
の上に載せた転動体3を軸42で固定しながら回転させ
る。前記カップ41及び軸42には、夫々、電極43、
44が取付けられており、試験中の転動体同志の導電率
を測定できるようになっている。試験は、粘度2mm2
/sの合成炭化水素系の潤滑油中で行い、転動体間での
最大接触面圧3GPa、回転数5000rpmで回転
し、転動体表面が損傷して転動体間の導電性がなくなる
までの時間を導電寿命とした。試験は、比較例15の導
電寿命の十倍の時間で打ち切った。
【0043】更に、前記第1実施形態でも用いた前記第
2の軸受回転試験機を用いて寿命試験を行った。試験条
件、電気抵抗値の測定方法、評価値の設定、振動値の測
定は、何れも前記第1実施形態と同様である。図8に、
前記圧砕試験の結果を示す。ここでは、前記比較例1
1、即ち導電成分を含まない窒化珪素球の圧砕強度を1
としたときの相対値を示す。同図から明らかなように、
本実施形態の実施例である実施例11〜実施例14は、
何れも、導電成分を含まない窒化珪素球と同等以上の破
壊強度を有する。これに対し、内部まで導電成分を含む
比較例12は、比較例11の7割程度の強度しかない。
2の軸受回転試験機を用いて寿命試験を行った。試験条
件、電気抵抗値の測定方法、評価値の設定、振動値の測
定は、何れも前記第1実施形態と同様である。図8に、
前記圧砕試験の結果を示す。ここでは、前記比較例1
1、即ち導電成分を含まない窒化珪素球の圧砕強度を1
としたときの相対値を示す。同図から明らかなように、
本実施形態の実施例である実施例11〜実施例14は、
何れも、導電成分を含まない窒化珪素球と同等以上の破
壊強度を有する。これに対し、内部まで導電成分を含む
比較例12は、比較例11の7割程度の強度しかない。
【0044】また、図9には、前記四球試験による導電
寿命の評価結果を示す。ここでは、比較例15、即ち導
電成分を含有しない焼結体の表面に導電性被膜をイオン
プレーティングによって成膜したものの導電寿命を1と
したときの相対値を示す。同図から明らかなように、本
実施形態の実施例である実施例11〜実施例15は、何
れも、導電性被膜をイオンプレーティングによって成膜
したものに比して、導電寿命が長く、前記実施例15が
比較例15の導電寿命の9倍程度、その他の実施例は比
較例15の導電寿命の10倍を過ぎても良好な導電性が
確保された。
寿命の評価結果を示す。ここでは、比較例15、即ち導
電成分を含有しない焼結体の表面に導電性被膜をイオン
プレーティングによって成膜したものの導電寿命を1と
したときの相対値を示す。同図から明らかなように、本
実施形態の実施例である実施例11〜実施例15は、何
れも、導電性被膜をイオンプレーティングによって成膜
したものに比して、導電寿命が長く、前記実施例15が
比較例15の導電寿命の9倍程度、その他の実施例は比
較例15の導電寿命の10倍を過ぎても良好な導電性が
確保された。
【0045】また、図10には、前記図2の軸受回転試
験機を用いた寿命試験の結果を示す。ここでは、前記比
較例11、即ち導電成分を含まない窒化珪素球の振動増
加率、導電率を、共に1としたときの相対値を示す。同
図から明らかなように、転動体表面のTiN含有量が2
0wt%以上になると導電率が急激に増加している。ま
た、転動体表面のTiN含有量が70wt%を超える
と、軸受振動増加率が急激に増加している。そして、前
記推奨範囲を満足する実施例11〜実施例16は、何れ
も導電性、振動増加率とも良好な結果を示している。
験機を用いた寿命試験の結果を示す。ここでは、前記比
較例11、即ち導電成分を含まない窒化珪素球の振動増
加率、導電率を、共に1としたときの相対値を示す。同
図から明らかなように、転動体表面のTiN含有量が2
0wt%以上になると導電率が急激に増加している。ま
た、転動体表面のTiN含有量が70wt%を超える
と、軸受振動増加率が急激に増加している。そして、前
記推奨範囲を満足する実施例11〜実施例16は、何れ
も導電性、振動増加率とも良好な結果を示している。
【0046】なお、前記第2実施形態では、転動体表面
の導電性を確保するための導電成分を含んだ表面層21
と、中心層23との間で両者の組成変化を連続的につな
ぐ傾斜組成層22とを併せ持つものについて詳述した
が、転動体表面の導電成分の含有量が前記推奨範囲内に
あり、且つ強度が十分に確保されれば、転動体表面を傾
斜組成層のみで覆うような構成としてもよい。
の導電性を確保するための導電成分を含んだ表面層21
と、中心層23との間で両者の組成変化を連続的につな
ぐ傾斜組成層22とを併せ持つものについて詳述した
が、転動体表面の導電成分の含有量が前記推奨範囲内に
あり、且つ強度が十分に確保されれば、転動体表面を傾
斜組成層のみで覆うような構成としてもよい。
【0047】また、転動体の形状は、前記球状に限ら
ず、円筒状、円錐状等、軸受要素の転動体であればあら
ゆる形状に適用可能である。
ず、円筒状、円錐状等、軸受要素の転動体であればあら
ゆる形状に適用可能である。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の転がり軸
受によれば、軸受構成部材に用いられるセラミック材料
に、遷移金属の窒化物又は炭化物又は硼化物又は酸化物
の少なくとも一つを10重量%以上60重量%以下含有
させることにより、セラミック材料による長期耐久性を
維持しながら、軸受内・外輪間に導電性を付与すること
ができ、静電気帯電による種々の問題を回避することが
できる。また、窒化珪素結晶粒を幅5μm以下の柱状結
晶粒で構成することにより、軸受振動の増加や分布を抑
え、長寿命で信頼性の高い軸受を得ることができる。ま
た、前記遷移金属の窒化物又は炭化物又は硼化物又は酸
化物の少なくとも一つを含み、同一焼結体として転動体
を構成し、前記含有物質を表面に20wt%以上、70
wt%以下含有し、転動体中心部での前記含有物質の含
有率が表面部での含有率以下とすれば、導電性を維持し
ながら、強度が高く、信頼性に富んだ転動体を得ること
ができる。
受によれば、軸受構成部材に用いられるセラミック材料
に、遷移金属の窒化物又は炭化物又は硼化物又は酸化物
の少なくとも一つを10重量%以上60重量%以下含有
させることにより、セラミック材料による長期耐久性を
維持しながら、軸受内・外輪間に導電性を付与すること
ができ、静電気帯電による種々の問題を回避することが
できる。また、窒化珪素結晶粒を幅5μm以下の柱状結
晶粒で構成することにより、軸受振動の増加や分布を抑
え、長寿命で信頼性の高い軸受を得ることができる。ま
た、前記遷移金属の窒化物又は炭化物又は硼化物又は酸
化物の少なくとも一つを含み、同一焼結体として転動体
を構成し、前記含有物質を表面に20wt%以上、70
wt%以下含有し、転動体中心部での前記含有物質の含
有率が表面部での含有率以下とすれば、導電性を維持し
ながら、強度が高く、信頼性に富んだ転動体を得ること
ができる。
【図1】本発明の転がり軸受の一実施形態を示す縦断面
図である。
図である。
【図2】軸受試験機の説明図である。
【図3】軸受寿命(振動増加率)と電気抵抗値(導電
率)の評価結果の説明図である。
率)の評価結果の説明図である。
【図4】軸受寿命(振動増加率)の評価結果の説明図で
ある。
ある。
【図5】本発明の転がり軸受の第2実施形態を示す詳細
説明図である。
説明図である。
【図6】圧砕試験の説明図である。
【図7】四球試験の説明図である。
【図8】圧砕試験の評価結果の説明図である。
【図9】四球試験の評価結果の説明図である。
【図10】軸受寿命(振動増加率)と電気抵抗値(導電
率)の評価結果の説明図である。
率)の評価結果の説明図である。
1は外輪 2は内輪 3は転動体 4は保持器 5はシール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J101 AA01 AA32 AA42 AA52 AA62 BA10 BA70 DA05 DA09 DA11 DA14 EA03 EA06 EA41 EA42 EA43 EA44 FA08 FA11 FA31 GA31 GA55 GA57 GA60 4G001 BA03 BA09 BA32 BA38 BA69 BB03 BB09 BB32 BB38 BB69 BC13 BD12 BD13 BD22 BE03 BE21
Claims (1)
- 【請求項1】 外輪、内輪、転動体の少なくとも一つ
が、窒化珪素を主成分とするセラミック材料で構成され
ている転がり軸受において、前記セラミック材料が、遷
移金属の窒化物又は炭化物又は硼化物又は酸化物の少な
くとも一つを10重量%以上60重量%以下含有するこ
とを特徴とする転がり軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001203783A JP2002081449A (ja) | 2000-07-06 | 2001-07-04 | 転がり軸受 |
Applications Claiming Priority (3)
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---|---|---|---|
JP2000204803 | 2000-07-06 | ||
JP2000-204803 | 2000-07-06 | ||
JP2001203783A JP2002081449A (ja) | 2000-07-06 | 2001-07-04 | 転がり軸受 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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ID=26595488
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---|---|---|---|
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---|---|
JP (1) | JP2002081449A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011095124A (ja) * | 2009-10-30 | 2011-05-12 | Nsk Ltd | 軸受試験装置 |
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2001
- 2001-07-04 JP JP2001203783A patent/JP2002081449A/ja active Pending
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